ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3011 夢見るれいむ
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『夢見るれいむ』 19KB
いじめ 自業自得 野良ゆ 透明な箱 現代 虐待人間 暇つぶしにどうぞ
いじめ 自業自得 野良ゆ 透明な箱 現代 虐待人間 暇つぶしにどうぞ
- ありがちな農家ネタだと思いますが、仕様です。過去SSあんまり読んでないんで。
- その他ネタ被り、意味不明な箇所など書き捨て御免ということで。
- それでも読んでみる方は暇つぶしにどうぞ。話のネタにしてくれたら幸いです。
夢見るれいむ
「こ、こ、ここは、れ、れいむの、れいむの、ゆっく、ゆっくり、ぷれ、ぷれ……」
れいむは怯えていた。上手く言葉が紡げない。
暖かな日差しの下だというのに、寒気が収まらない。
「おやさいさん」を一人占めしている「にんげんさん」は、れいむを黙って見下ろしている。
臆病なれいむは黙って佇む「にんげんさん」が恐ろしかった。早く逃げ出したい。
暖かな日差しの下だというのに、寒気が収まらない。
「おやさいさん」を一人占めしている「にんげんさん」は、れいむを黙って見下ろしている。
臆病なれいむは黙って佇む「にんげんさん」が恐ろしかった。早く逃げ出したい。
「こ、こここ、ここをれいみゅっ! ゆぇぇぇ、いじゃいよぉぉぉ!」
舌を噛んだ。ジワリと痛みが伝わってくる。涙があふれてしまう。
それでも、れいむは逃げ出すわけにもいかなかった。
それでも、れいむは逃げ出すわけにもいかなかった。
突然、「にんげんさん」が動いたかと思うと、次の瞬間には宙に浮いていた。
「ゆ……おそらを、とんでるみたい!! ……ゆひゃぁぁぁぁぁぁっ!!」
その理由が「にんげんさん」に掴まれているからだ、とゆっくり理解した途端、
れいむは恐怖で悲鳴を上げてしまう。
おそろしーしーが「おやさいさん」に降りかかる。
抗えない力に、ただ身を震わすしかないれいむだった。
れいむは恐怖で悲鳴を上げてしまう。
おそろしーしーが「おやさいさん」に降りかかる。
抗えない力に、ただ身を震わすしかないれいむだった。
「そろーり、そろーり。まりささまのさくっせん! は、かんっぺき! なんだぜ!」
「とってもとかいはな、すにーきんぐみっしょんだわ! そろーり、そろーり」
まりさとありすは、低い姿勢で農道を這いずっていた。
自ら立てた作戦を大喜びで自画自賛するまりさ。
ありすも、作戦の成功は確実だ、といった余裕の笑みを浮かべていた。
自ら立てた作戦を大喜びで自画自賛するまりさ。
ありすも、作戦の成功は確実だ、といった余裕の笑みを浮かべていた。
「あとはれいむがじかんをかせげば、おやさいさんをもってすたこらさっさ、だぜ!」
「でも、れいむがにんげんさんをおこらせたらどうするの?」
「あんないなかもの、どうなってもいいわよ。まりさもそのつもりなんでしょ?」
「そうだぜ。れいむなんかどうなってもいいのぜ」
まりさとありすに悪びれる様子は無い。れいむは捨て石ということか。
「にんげんさんはつよいよ。れいむなんかあっというまにぺちゃんこだよ」
「うそつきれいむなんか、まりささまのあんよをわずらわせるほどでもないのぜ!
くずにんげんにやられるのがおにあいなのぜ!」
くずにんげんにやられるのがおにあいなのぜ!」
「ねえ、まりさ。ところでさっきから、だれとはなしてるのかしら、わたしたち」
「ゆ……?」
2頭のあんよが止まった。その横を、ザッザッと通り過ぎる大きな姿。
「つまり、れいむがおうち宣言をしている間に、まりさとありすが野菜を頂く。
そういう作戦なわけだね」
そういう作戦なわけだね」
「そうなのぜ! いわゆるぱーふぇくとなさくっせん! なのぜ!
いずれくずにんげんもやっつけて、ゆっくりぷれいすもいたっだき! なのぜ!」
いずれくずにんげんもやっつけて、ゆっくりぷれいすもいたっだき! なのぜ!」
「ま、まりさ……! まりさってば!!」
まりさは、傍らの身がすくんだありすに窘められても、夢見る表情を崩さなかった。
目の前にれいむを鷲掴みにした「にんげんさん」が佇んでいても、表情を崩さなかった。
目の前にれいむを鷲掴みにした「にんげんさん」が佇んでいても、表情を崩さなかった。
れいむは掴みあげられたまま、悲しくて言葉も出なかった。
「……つまり、れいむのお母さんは飼いゆだったけど、飼い主が引越しをするときに
もう飼えないからと、この近くの雑木林に捨てられた、と」
もう飼えないからと、この近くの雑木林に捨てられた、と」
「ゆぐっ。れいむがうまれてから、おかあさんにきいたよ。おかあさんはれいむを
そだててくれたけど、もうずっとゆっくりしちゃったよ。ゆぇぇぇ」
そだててくれたけど、もうずっとゆっくりしちゃったよ。ゆぇぇぇ」
れいむはおかあさんれいむの事を思い出して、悲しくて、涙を流した。
自分が入れられた透明な箱の外側では、「にんげんさん」が話を聞いてくれている。
「にんげんさん」はれいむを「なや」という殺風景なお家に連れてきても何もしなかった。
捕まった時はもうダメかと思ったが、少し落ち着いたれいむであった。
自分が入れられた透明な箱の外側では、「にんげんさん」が話を聞いてくれている。
「にんげんさん」はれいむを「なや」という殺風景なお家に連れてきても何もしなかった。
捕まった時はもうダメかと思ったが、少し落ち着いたれいむであった。
「それで、あのまりさとありすはお友達?」
「にんげんさん」がお顔を向ける。
その先には、まりさとありすが「なや」から逃げ出そうと、壁沿いを跳ね回っていた。
先程から、出口を探してグルグル跳ね回ってるが、閉め切られた「なや」からは出られない。
2頭の口には「がむてーぷさん」が貼られ、一言も喋れないようだった。
その先には、まりさとありすが「なや」から逃げ出そうと、壁沿いを跳ね回っていた。
先程から、出口を探してグルグル跳ね回ってるが、閉め切られた「なや」からは出られない。
2頭の口には「がむてーぷさん」が貼られ、一言も喋れないようだった。
「まりさとありすは、いじわるなんだよ。いつもれいむのこと、いじめるんだよ。
ほかのみんなは、だれもたすけてくれないんだよ。ゆぇっ、ゆぇっ」
ほかのみんなは、だれもたすけてくれないんだよ。ゆぇっ、ゆぇっ」
「それで今日は、まりさとありすに無理矢理オトリにされたわけか。大変だったなぁ」
「そ、そうだよ。ゆぐっ、ゆわぁぁぁぁぁぁん!! ゆわぁぁぁぁぁぁん!!」
耐えきれなかった。れいむは精一杯、泣いた。
自分の話をこんなに聞いてくれたのは、おかあさんれいむ以来だったから、泣いた。
今日までいじめられ続け、毎夜忍び泣き続けた分も、思い切り泣いた。
自分の話をこんなに聞いてくれたのは、おかあさんれいむ以来だったから、泣いた。
今日までいじめられ続け、毎夜忍び泣き続けた分も、思い切り泣いた。
「少し落ち着け、な?」
「にんげんさん」は透明な箱の上から腕を伸ばし、れいむのおつむにそっと触れてきた。
身体をそっと揺られる様な感触に、「すーりすーり」と同じぐらい気持ちが落ち着く。
きっとおかあさんが言っていた、「なーでなーで」というものに違いないだろう。
れいむは懐かしさに似た安らぎに包まれていた。
身体をそっと揺られる様な感触に、「すーりすーり」と同じぐらい気持ちが落ち着く。
きっとおかあさんが言っていた、「なーでなーで」というものに違いないだろう。
れいむは懐かしさに似た安らぎに包まれていた。
「じゃあさ、こいつらには何をされたんだい? どうやっていじめられたんだい?」
気がつくと、「にんげんさん」はいつの間にかまりさとありすを抱えていた。
逃げ出そうと身をよじっているが、まるで効果が無いみたいだ。
逃げ出そうと身をよじっているが、まるで効果が無いみたいだ。
「まりさはね、いつもれいむのことをつきとばすんだよ。とってもいたいんだよ」
「なるほど。ちょっと待ってな。れいむの言ってることは本当かい? まりさ」
「にんげんさん」がまりさの口に貼られた「がむてーぷさん」を剥がした。
剥がされる際のまりさの表情からして、あれはとても痛いものなんだろう。
剥がされる際のまりさの表情からして、あれはとても痛いものなんだろう。
「おい! くずにんげん! ゆっくりしないでまりささまをはなすんだぜ!
おやさいさんとあまあまをもってきたらゆるしてやるのぜ! たくさnっっ!!」
おやさいさんとあまあまをもってきたらゆるしてやるのぜ! たくさnっっ!!」
「質問に答えろ」
まりさは「にんげんさん」におつむを掴まれたまま、お顔から地面さんにぶつけられた。
身体をプルプル震わせながら悲鳴を上げている。とっても痛いんだろう。
身体をプルプル震わせながら悲鳴を上げている。とっても痛いんだろう。
「くそじじい! よくもまりささまのすてきなおかおをきずものにしたのぜ!
やっつけてやるのぜ! ゆっくりしないでまりささまをはなsっっ!!」
やっつけてやるのぜ! ゆっくりしないでまりささまをはなsっっ!!」
「質問に答えろ」
まりさのお顔は、また地面さんにぶつけられた。何度もぶつけられた。
れいむはこれじゃ質問に答えられないだろう、とも思った。
れいむはこれじゃ質問に答えられないだろう、とも思った。
「……まりざは、れいむを、だぐざん、づぎどばじまじだ……」
何度も何度もお顔を地面さんにぶつけられたまりさは、泣きながら答えた。
前歯さんが何本か折れており、泣き顔に惨めさが際立つ。
前歯さんが何本か折れており、泣き顔に惨めさが際立つ。
「そっか。こんな感じか?」
「ゆげぇっ!?」
「にんげんさん」はまりさを地面さんに置くと、長いあんよで蹴り飛ばした。
あっ、と言う間に、まりさの身体は「なや」の壁さんにぶつかり、跳ね返ってくる。
まりさは「にんげんさん」のあんよまで戻ってくると、また蹴り飛ばされた。
あっ、と言う間に、まりさの身体は「なや」の壁さんにぶつかり、跳ね返ってくる。
まりさは「にんげんさん」のあんよまで戻ってくると、また蹴り飛ばされた。
「いやー、サッカーとか高校の部活以来だわー。重いけど気持ちいい跳ね方するわー」
「ゆぎぃっ!!」 「ゆべっ!!」 「いぢゃぃっ!!」 「やめ゛っっ!!」
何度も何度も蹴り飛ばされて、何度も何度も壁さんにぶつかって、何度も何度も餡子を吐いて、
悲鳴する上げられなくなるまで、まりさは何度も何度も蹴られ続けた。
悲鳴する上げられなくなるまで、まりさは何度も何度も蹴られ続けた。
「ふー、すっきりー。運動の後のビールごーくごーく、しあわせー!」
「にんげんさん」はまりさを踏んづけたまま、お酒さんを飲んで、とてもゆっくりしていた。
まりさはお目目をグルグル回して、餡子と泡を吹いて、とてもゆっくりしていなかった。
まりさはお目目をグルグル回して、餡子と泡を吹いて、とてもゆっくりしていなかった。
「それじゃあさ、このありすにはどんな意地悪されたんだい?」
そう言って、「にんげんさん」小脇に抱えていたありすを掴んで、れいむに向けてきた。
まりさの様を目の当たりにして、ありすは涙とおそろしーしーを流して震えている。
「がむてーぷさん」で口を塞がれているので、悲鳴を上げることも出来なかった。
まりさの様を目の当たりにして、ありすは涙とおそろしーしーを流して震えている。
「がむてーぷさん」で口を塞がれているので、悲鳴を上げることも出来なかった。
「ありすはね、れいむのおりぼんのおかざりをやぶったりちぎったりしたんだよ」
「なるほど、れいむのリボンはボロボロだね。本当かな、ありす?」
ありすは「がむてーぷさん」を剥がされると、堰を切ったように喋り出す。
「れ、れいむはうそつきなのよ!! いなかもののくせにとかいはなかいゆっくりとか!
とかいはなありすに、いたいいたいしないでぇぇぇ!!」
とかいはなありすに、いたいいたいしないでぇぇぇ!!」
「だそうだが、どうなんだい、れいむ?」
「ありすはほんとうのことをいってよ! れいむのおりぼんをひっぱってちぎったりしたのに!
なんどもなんども、ぢぎっだのにぃぃ!!」
なんどもなんども、ぢぎっだのにぃぃ!!」
「だそうだが、どうなんだい、ありす?」
「いなかもののれいむなんか、ぼろぼろのおかざりがとてもおにあいなんだから!!
だからありすがこーでぃねいとしてあげたのよ! にんげんさんもそうおもうでしょ!!」
だからありすがこーでぃねいとしてあげたのよ! にんげんさんもそうおもうでしょ!!」
れいむは苛められたことを思い出して、とても悲しくなって、また泣いた。
悪びれもせず自らの行為を正当化するありすの言葉に、また泣いた。
悪びれもせず自らの行為を正当化するありすの言葉に、また泣いた。
「引っ張って、千切って、と」
「ゆぎゃぁぁぁっ!?」
ありすは「にんげんさん」にフリルの付いた赤いお飾りをむしり取られた。
髪の毛さんも沢山むしり取られて、ありすのおつむは痛々しく禿げていた。
目の前に大事なお飾りを投げ捨てられたありすは泣き叫ぶが、
「にんげんさん」に掴まれたままでは近づくこともできない。
髪の毛さんも沢山むしり取られて、ありすのおつむは痛々しく禿げていた。
目の前に大事なお飾りを投げ捨てられたありすは泣き叫ぶが、
「にんげんさん」に掴まれたままでは近づくこともできない。
「ゆあぁぁぁ! ありずのえれがんどでびゅーでぃーなおがざりざんがぁぁぁぁ!!
もどっでぇぇ! ゆっぐりじないでもどっでぇぇっ!!」
もどっでぇぇ! ゆっぐりじないでもどっでぇぇっ!!」
聞く耳を持たない「にんげんさん」の長いあんよが、ありすのお飾りを踏みつぶした。
赤いお飾りは容易く砕け、3つに分かたれた。
赤いお飾りは容易く砕け、3つに分かたれた。
「ありずのおがざりざんがぁぁぁ!! びりおんだらーのおがざりざんがぁぁぁ!!」
「何度も、何度もね、と」
泣き叫ぶありすに構わず、「にんげんさん」はありすのお飾りを何度も何度も踏みつぶす。
何度も何度も踏みつぶされたお飾りは、砂さんのように細かくバラバラになってしまった。
何度も何度も踏みつぶされたお飾りは、砂さんのように細かくバラバラになってしまった。
「ゆ゛あ゛ぁぁぁぁぁっ!! ゆ゛あ゛ぁぁぁぁぁっ!! ゆ゛あ゛ぁぁぁぁぁっ!!」
ようやく「にんげんさん」から逃れたありすは、粉砕されたお飾りの傍らで悶え悲しんだ。
必死にぺーろぺーろするが、直る気配は無い。ありすは泣きながら無駄な行為を続けた。
必死にぺーろぺーろするが、直る気配は無い。ありすは泣きながら無駄な行為を続けた。
「お、起きたか。ついでにお前のもどうだい?」
「ゆぴぃぃぃっ!?」
一連の光景を、息を殺して目の当たりにしていたまりさが、驚いて大声をあげた。
まりさに近づく「にんげんさん」のお手手には、大きな「はさみさん」が握られていた。
逃げようと身を捩るまりさだったが、散々痛めつけられて思うように動けないようだ。
まりさに近づく「にんげんさん」のお手手には、大きな「はさみさん」が握られていた。
逃げようと身を捩るまりさだったが、散々痛めつけられて思うように動けないようだ。
「ま、まりさは、い、いやなのぜ。こ、こないでね。ゆっくりしないで、かえってね!」
「まあ、遠慮するな」
まりさ自慢の帽子のお飾りは、あっという間に「にんげんさん」に取られた。
そして、「はさみさん」でじょーきじょーきと切り刻まれていった。
そして、「はさみさん」でじょーきじょーきと切り刻まれていった。
「まりじゃのどぢぇもゆっぎゅりじだおがじゃりじゃんがぁぁぁっ!! やべでぇぇぇ!!」
まりさが必死で泣き叫んでも、やはり「にんげんさん」は相手にしない。
結局、まりさのお飾りは、たくさんの細かい端切れになってしまった。
結局、まりさのお飾りは、たくさんの細かい端切れになってしまった。
「までぃざの、までいざのおがざりじゃんがぁぁっ! ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛っ!!」
「ほかには何か意地悪されたかい?」
「まりさとありすはね、れいむのおさげさんをちぎっちゃったんだよ。すごくかなしいよ」
「れいむの赤いお飾りのお下げが無いのは、そういうことか。よーし」
お野菜さんを刈り採る「かまさん」を持つと、「にんげんさん」は2頭に歩み寄った。
まりさとありすは必死に逃げ回るが、閉じられた「なや」の中では逃げ場は無い。
すぐにまりさが捕まってしまった。
まりさとありすは必死に逃げ回るが、閉じられた「なや」の中では逃げ場は無い。
すぐにまりさが捕まってしまった。
「も、もうやじゃぁぁっ! おうぢがえるぅぅっ!! ばなじぢぇぇぇっ!!」
「どこぞの国じゃ、鎌で散髪する床屋がある、ってね」
じょーりじょーり、じょーりじょーり、と「かまさん」がまりさの髪を乱暴に刈り採っていく。
抑えつけられたまりさから綺麗に波打つ金色の髪が、その髪が束ねられたお下げが、地面さんに落ちる。
抑えつけられたまりさから綺麗に波打つ金色の髪が、その髪が束ねられたお下げが、地面さんに落ちる。
「ゆ゛あ゛あ゛あ゛っ!? までぃざのずまーどなおざげざんが、がみのげざんがあ゛あ゛!!」
「おっと、動くなよぉ」
「ゆっびぃぃぃ!? いぢゃいよお゛お゛ぉっ!!」
あまりにまりさが悶えるので、おつむが傷ついてしまった。傷口から餡子が漏れる。
しばらくして、「にんげんさん」に開放されたまりさの髪は、まばらにしか残っていなかった。
しばらくして、「にんげんさん」に開放されたまりさの髪は、まばらにしか残っていなかった。
「ゆ゛あ゛っ!! ゆ゛あ゛っ!! ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーん゛っ!」
「散髪の時に動くからだ。後でオレンジジュースもってきてやるよ。さてっと」
「にんげんさん」は「なや」の隅っこで震えているありすに向き直った。
ありすの声にならない悲鳴が、れいむには聞こえたような気がした。
ありすの声にならない悲鳴が、れいむには聞こえたような気がした。
「お待たせ~。いま都会派にカットしてあげるからねー」
「い、いやぁぁ!! おやざいざんをぬずもうどじだごどはあやまりまずっ!
れいむをいじめだごどもあやまりまずっ! ゆ、ゆるじでぐだざい、おねがいじまずっ!!」
れいむをいじめだごどもあやまりまずっ! ゆ、ゆるじでぐだざい、おねがいじまずっ!!」
「んー、一部そういう問題でもないんだなぁ」
じょーりじょーり、じょーりじょーり、じょーりじょーり、じょーりじょーり、じょーりじょーり、
「ごんなの、ぜんぜん、どがいばじゃないわ゛あ゛あ゛ぁぁ!! ゆ゛ん゛や゛あ゛ぁぁっ!!」
髪の毛を刈り採られたまりさとありすは向かい合わされ、お互いの姿で自らの様を確認した。
そして、泣いた。大事なものを永遠に失って、泣き叫び続けていた。
そして、泣いた。大事なものを永遠に失って、泣き叫び続けていた。
れいむはボーっと見ていた。いじめっ子のまりさとありすをやっつける「にんげんさん」を。
自然と、おかあさんれいむが寝物語に聞かせてくれたお話を思い出していた。
魔法の力を借りて、「おうじさま」と幸せになれる「おひめさま」のお話。
いつか、飼いゆっくりにしてくれる「おうじさま」の到来を、れいむはずっと夢見ていた。
自然と、おかあさんれいむが寝物語に聞かせてくれたお話を思い出していた。
魔法の力を借りて、「おうじさま」と幸せになれる「おひめさま」のお話。
いつか、飼いゆっくりにしてくれる「おうじさま」の到来を、れいむはずっと夢見ていた。
もしかしたら、この「にんげんさん」は、れいむの「おうじさま」なのかも。
れいむは決意し、勇気を込めて、恐る恐る、言葉を放った。
れいむは決意し、勇気を込めて、恐る恐る、言葉を放った。
「に、にんげんさん。れ、れいむを、にんげんさんの、かいゆっくりに、してください!」
「ああ、最初からそのつもりだよ」
あっけなく返ってきたその言葉を、れいむはゆっくりと理解しようとした。
そして、理解できた瞬間、涙が溢れた。生まれて初めて流す、歓喜がこもった涙だった。
そして、理解できた瞬間、涙が溢れた。生まれて初めて流す、歓喜がこもった涙だった。
「れいむ、かいゆっくりになって、おにいさんをいっぱいゆっくりさせるよ!」
「それじゃ、今この瞬間から、れいむは俺の飼いゆっくりだ。働いてくれよ!」
「うん! にんげんさんのために、たくさんおしごとするよ!!」
信じられない。まるで魔法をかけられた「おひめさま」のようだ。
今日までの絶望が、明日からの希望に変わったことを、れいむは涙を流して喜んだ。
今日までの絶望が、明日からの希望に変わったことを、れいむは涙を流して喜んだ。
「ちょっとトイレいってくるから、こいつら見ててね」
「うん。ゆっくりいってきてね!!!」
散々痛めつけられて息も絶え絶えなまりさとありすが、れいむのいる透明な箱に入れられた。
「にんげんさん」は急ぎあんよで「なや」の外に出て行ってしまう。
すぐにれいむは、今まで自分を苦しめてきたいじめっ子達を突き飛ばした。
「にんげんさん」は急ぎあんよで「なや」の外に出て行ってしまう。
すぐにれいむは、今まで自分を苦しめてきたいじめっ子達を突き飛ばした。
「どーお? れいむかいゆっくりなんだよ。すごいでしょ。いっぱいほめていいよ」
立場は逆転したのだ。自分をいじめていた2頭を、見下した視線で睨みつけるれいむ。
まりさとありすは新たに加えられる痛みに、悲鳴を上げるばかりだ。
まりさとありすは新たに加えられる痛みに、悲鳴を上げるばかりだ。
「ご、ごべんなざいぃぃっ! ゆるじでぐだざいぃぃっ!!」
「いままで、いじめで、ずみまぜんでじだぁぁっっ!!」
圧倒的な暴力で苦痛を与えられたうえ、自尊心を示すお飾りや髪の毛まで奪われたのだ。
まりさとれいむは抵抗どころか、哀れに泣き叫ぶしかできなかった。
まりさとれいむは抵抗どころか、哀れに泣き叫ぶしかできなかった。
「れいむがないても、やめなかったよね! れいむもやめないよ!!」
れいむは2頭を繰り返し突き飛ばした。無抵抗な相手を弄り、生まれて初めての体験に酔う。
まさに、魔法をかけられたかのように。
まさに、魔法をかけられたかのように。
「いやー、おまたせー。って、何やってるの?」
「あ、ゆっくりおかえりなさい!! れいむ、せいっさい! してたんだよ!!」
れいむは帰ってきた「にんげんさん」に堂々と答える。
しかし、「にんげんさん」はおつむを傾けるだけで、喜ばなかった。
しかし、「にんげんさん」はおつむを傾けるだけで、喜ばなかった。
「それはれいむのお仕事じゃないよ。一緒に生活するんだから、優しくしてあげないと」
「どうして? こんなぶざまなげすゆっくり、かいゆっくりなんかできないよ。
ずっとゆっくりさせたほうが、れいむもにんげんさんもゆっくりできるよ!」
ずっとゆっくりさせたほうが、れいむもにんげんさんもゆっくりできるよ!」
「うーん、それじゃ困るんだ」
次の瞬間、れいむの身体は宙に舞っていた。
「……おそらを、とんでるみたい!! ……ゆげぇっ!!」
いつの間にか、れいむは透明な箱から放り投げられ、地面さんに打ち捨てられていた。
痛い。何が起こったのか。れいむはゆっくり理解できなかった。
痛い。何が起こったのか。れいむはゆっくり理解できなかった。
「ど、どうして、れいむは、かいゆっくりでしょ? まちがえちゃだめだよ」
「俺は何も間違えちゃいないよ。勘違いしてるのはれいむの方じゃないかなー?」
れいむは理解できなかった。自分は飼いゆっくりではなかったのか?
何故、「にんげんさん」は自分を放り投げたのか?
何故、まりさとありすを痛めつけた時のような表情をして近づいてくるのか?
何もかもが、ゆっくりできなかった。
何故、「にんげんさん」は自分を放り投げたのか?
何故、まりさとありすを痛めつけた時のような表情をして近づいてくるのか?
何もかもが、ゆっくりできなかった。
「れいむはかいゆっくりでしょ!? ゆっくりさせてよ!
そしたらにんげんさんもゆっくりできるんだよ!!」
そしたらにんげんさんもゆっくりできるんだよ!!」
「あー、れいむのお仕事はゆっくりすることじゃないんだ。
ゆっくりされると、俺がゆっくりできないんだよー」
ゆっくりされると、俺がゆっくりできないんだよー」
「ゆ……!?」
れいむがゆっくりするとゆっくりできない?
「にんげんさん」の言葉は、れいむの理解を超越していた。
「にんげんさん」の言葉は、れいむの理解を超越していた。
「ゆっくりのおかげで農作物の被害がバカにならなくてね。
この辺りじゃ、ゆっくりを家で飼ってるだけで村八分、いじめられちゃうよ」
この辺りじゃ、ゆっくりを家で飼ってるだけで村八分、いじめられちゃうよ」
「れいむはげすやのらとはちがうよ! れいむはゆっくりできるんだよ!!
じゃあ、まりさとありすをどうしていじめたの!? れいむをたすけたんでしょ!?」
じゃあ、まりさとありすをどうしていじめたの!? れいむをたすけたんでしょ!?」
「力関係ははっきりさせないとね。ゆっくりは人間以下だって解らせないと。
あいつらがれいむにやった事を、あいつらの何倍もの力と効果で、あいつらに与えてやった。
自分の無力を理解すれば反抗する気なんか起きないから、ね。
だから次は――」
あいつらがれいむにやった事を、あいつらの何倍もの力と効果で、あいつらに与えてやった。
自分の無力を理解すれば反抗する気なんか起きないから、ね。
だから次は――」
「つ、つぎは……?」
れいむはとてもゆっくりできない気配を、確かに感じていた。
聞くのが恐ろしかった。だが聞いてしまった。
聞くのが恐ろしかった。だが聞いてしまった。
「れいむを同じぐらい痛めつけないとね。そうすれば、みんな平等。仲良くできるよ」
あっ、と言う間にれいむは「にんげんさん」に鷲掴みにされた。
もう片方の手にはまりさとありすの髪の毛を刈り採った「かまさん」が握られていた。
もう片方の手にはまりさとありすの髪の毛を刈り採った「かまさん」が握られていた。
「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
魔法は解けた。
れいむ達が住んでいた雑木林と野菜畑の間に、れいむ達の「ゆっくりぷれいす」は建てられた。
「なや」にあった透明な箱に台座が組まれたもので、ちょっとお空を飛んでるみたいだった。
でも、れいむもまりさもありすも、あの日以来「ゆっくりぷれいす」から出ることは出来なかった。
「なや」にあった透明な箱に台座が組まれたもので、ちょっとお空を飛んでるみたいだった。
でも、れいむもまりさもありすも、あの日以来「ゆっくりぷれいす」から出ることは出来なかった。
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
「オラァッ! サボってんじゃねえぞ! 来てるだろうがよぉ!!」
「「「ゆぴゃぁぁぁぁっ!!!」」」
「ゆっくりぷれいす」が機嫌を損ねた「にんげんさん」に叩かれてグラグラと揺れる。
毎日ゆっくりできないせいか、暖かな陽気に誘われて3頭とも眠っていたようだ。
毎日ゆっくりできないせいか、暖かな陽気に誘われて3頭とも眠っていたようだ。
「ご、ごべんなざいぃぃっ!!」
「ず、ずびばぜんでじだぁぁっ!!」
「ゆ、ゆるじでぐだざいぃぃっ!!」
れいむ達は「にんげんさん」に怒られれば、反射的に泣いて謝るようになっていた。
身をもって刻まれた力の差は、ゆっくり本来の本能に取って代わっていたのだ。
身をもって刻まれた力の差は、ゆっくり本来の本能に取って代わっていたのだ。
「あそこだあそこぉ!! 早く仕事しろクソ袋共っ! またメシ抜かれてぇか!?」
指差されるまでもない。雑木林の木の陰に、ゆっくり達がこちらの様子を見ていた。
れいむ達は揃って雑木林の方を向くと、各々が精一杯叫んだ。
れいむ達は揃って雑木林の方を向くと、各々が精一杯叫んだ。
「おやざいはがっでにばえでぎまぜんっっ!! にんげんざんがだいじにぞざででいまずっっ!!」
「おやざいざんをぬずんだら、までぃざだぢみだいに、ぜいっざい! ざれまずっっ!!」
「だがら、ゆっぐりは、もりのぞどにでないで、おぐでゆっぐりじでぐだざいっっ!!」
様子を見ていたゆっくり達は、慌てて雑木林の奥に消えて行った。
畑に近づくゆっくり達を追い払う。これがれいむ達の「おしごと」なのだ。
畑に近づくゆっくり達を追い払う。これがれいむ達の「おしごと」なのだ。
「「「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛わ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁん゛!!」」」
「おしごと」を終えた後、れいむ達は決まって嗚咽を漏らす。
去っていくゆっくり達の後姿を見送りつつ、逃げ出したい。助けてほしいと心で訴える。
でも、れいむ達のあんよは傷つけられ、這いずることしかできない。追い付けない。
何より、お飾りも髪の毛も刈り採られた傷だらけのゆっくりなど、誰が助けるのか。
3頭はお互いの姿を見比べて、行く場所も帰る場所も無いことを解らされていた。
去っていくゆっくり達の後姿を見送りつつ、逃げ出したい。助けてほしいと心で訴える。
でも、れいむ達のあんよは傷つけられ、這いずることしかできない。追い付けない。
何より、お飾りも髪の毛も刈り採られた傷だらけのゆっくりなど、誰が助けるのか。
3頭はお互いの姿を見比べて、行く場所も帰る場所も無いことを解らされていた。
「よーしよし。御苦労さん。それじゃ、お前らもメシにしな、っと」
透明な箱に「おやさいさん」の端切れや腐りかけたカスが投げ込まれる。
食事を抜かれるよりはマシだ。ここから出られないれいむ達はそれを口にするしかない。
食事を抜かれるよりはマシだ。ここから出られないれいむ達はそれを口にするしかない。
「「「むーしゃむーしゃ……。むーしゃむーしゃ……」」」
食事を抜かれるよりはマシだが、こう不味くては何の感想も湧いてこない。
傍らで「にんげんさん」は、お酒さんを飲んで、とてもゆっくりしていた。
傍らで「にんげんさん」は、お酒さんを飲んで、とてもゆっくりしていた。
夜になれば、毎夜のようにれみりゃ達捕食種がゆっくりぷれいすの周りを羽ばたく。
「うー☆うー!」
「「「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」」
ゆっくりぷれいすは頑丈で、れみりゃ達は何をやっても入ってくることはできない。
そうと解ってても、自分達を食べようとする相手への恐怖には抗えなかった。
結局れいむ達が眠れるのは、れみりゃ達があきらめて帰ってから夜明けまでの間だけだ。
そうと解ってても、自分達を食べようとする相手への恐怖には抗えなかった。
結局れいむ達が眠れるのは、れみりゃ達があきらめて帰ってから夜明けまでの間だけだ。
れいむは、しばらく降ってない雨が待ち遠しかった。
雨の日はゆっくり達もれみりゃ達も来ない。だから3頭はすーりすーりと身を寄せて眠ることができた。
おちびちゃんを作ることも出来なくされていたれいむ達にとって、
雨の日の「すーりすーり」ぐらいしか、ゆっくりできることは残って無かったから。
雨の日はゆっくり達もれみりゃ達も来ない。だから3頭はすーりすーりと身を寄せて眠ることができた。
おちびちゃんを作ることも出来なくされていたれいむ達にとって、
雨の日の「すーりすーり」ぐらいしか、ゆっくりできることは残って無かったから。
朝日が昇る。れいむは目が覚めた。
雑木林の方を見ると、「にんげんさん」が何かをばら撒いている。
「おといれ」から地面さんに落ちた、れいむ達のうんうんだろう。毎朝のことだ。
あれでは臭くて、そのうちゆっくり達は来なくなるに違いない。
雑木林の方を見ると、「にんげんさん」が何かをばら撒いている。
「おといれ」から地面さんに落ちた、れいむ達のうんうんだろう。毎朝のことだ。
あれでは臭くて、そのうちゆっくり達は来なくなるに違いない。
そうしたら、「おしごと」が無くなったら、すこしはゆっくりできるのかな。
それとも、「おしごと」が無くなったら、れいむ達は永遠にゆっくりさせられるのかな。
れいむは、もう夢を見ることは無くなっていた。
もう現実しか見えなかった。
完