ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3052 ゆっくり駆除業者のお仕事風景
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ankoss
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『ゆっくり駆除業者のお仕事風景』 21KB
駆除 こちらで初投稿となります。どうぞよろしくお願いします。
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どうも初めまして、投稿者の九郎です
このジャンルにおける初投稿です。
使い古されたネタですがよろしければどうぞ。
使い古されたネタですがよろしければどうぞ。
20××年、世界は謎の饅頭に包まれた
冗談はさておき、世界は言わずと知れた謎の生物っぽい饅頭で溢れかえった。
生物学者が長い学術名を付けたらしいが基本的に彼らがそう名乗るとおり
皆はそれらを「ゆっくり」と呼んだ。
身体を饅頭によって構成される彼らは食糧難にあえぐ難民達を救う救世主となったが
新たな存在は新たな問題を引き起こすのが世の常。
彼らを巡る諸問題によって多くの金と人員が動き、世界に新たな循環をもたらし、
結果的に先進各国ではゆっくりは単なる害をもたらすものとして駆除の対象となった。
これは、そんな問題に向き合って生きる男の一風景。
生物学者が長い学術名を付けたらしいが基本的に彼らがそう名乗るとおり
皆はそれらを「ゆっくり」と呼んだ。
身体を饅頭によって構成される彼らは食糧難にあえぐ難民達を救う救世主となったが
新たな存在は新たな問題を引き起こすのが世の常。
彼らを巡る諸問題によって多くの金と人員が動き、世界に新たな循環をもたらし、
結果的に先進各国ではゆっくりは単なる害をもたらすものとして駆除の対象となった。
これは、そんな問題に向き合って生きる男の一風景。
――――某日、未明――――
都市部の駆除業者は朝が早い。
人間が我が物顔で闊歩するビルや市街地に棲むゆっくりは
人々の行き交う通勤ラッシュの時間を避けて日が昇る5時過ぎに行動を起こす。
もっとも、それは都市部に慣れた古強者のゆっくりたちに言える習慣で
山から下りてきたもの、元飼いゆっくりなどはその限りではないのだが。
人間が我が物顔で闊歩するビルや市街地に棲むゆっくりは
人々の行き交う通勤ラッシュの時間を避けて日が昇る5時過ぎに行動を起こす。
もっとも、それは都市部に慣れた古強者のゆっくりたちに言える習慣で
山から下りてきたもの、元飼いゆっくりなどはその限りではないのだが。
眠い目こすりながら早朝の出勤をするサラリーマンを横目に見ながら
ゆっくり駆除用のマシンを走らせる。
駅やデパートなどを掃除する機械に似ているが、個人的には
遊園地にあるワンコインで動く子供用の乗り物みたいなイメージが強い。
勿論、これはゆっくり駆除に大いに役に立つ大切な商売道具。
小さい乗り物に乗って街中をうろつくことに最初は抵抗を覚えたが
通行人から地域住民の味方と感謝の言葉をもらうこともあり
今ではちょっとした誇りすら持っている。
ゆっくり駆除用のマシンを走らせる。
駅やデパートなどを掃除する機械に似ているが、個人的には
遊園地にあるワンコインで動く子供用の乗り物みたいなイメージが強い。
勿論、これはゆっくり駆除に大いに役に立つ大切な商売道具。
小さい乗り物に乗って街中をうろつくことに最初は抵抗を覚えたが
通行人から地域住民の味方と感謝の言葉をもらうこともあり
今ではちょっとした誇りすら持っている。
ウィーンと小さなモーター音を響かせながら周囲に目を凝らしていると
最初の獲物が見つかった。
マシンのシフトレバーを「高速」に切り替えて近づいていった。
最初の獲物が見つかった。
マシンのシフトレバーを「高速」に切り替えて近づいていった。
「ゆっ!ごはんさんごはんさん!!」
「ゆっくりできるよ!むーしゃむーしゃ
ゆ゙べぇっ!!!」
「…ゆ?れいむ?れいむどうじ…ぐぎゃ!!!」
「ゆっくりできるよ!むーしゃむーしゃ
ゆ゙べぇっ!!!」
「…ゆ?れいむ?れいむどうじ…ぐぎゃ!!!」
モップではたいてゴミ置き場から少し遠ざけてやる
「どぼじでごんな…ゆ゙ぶっ!!」
「ぶげぇ!!!」
「ぶげぇ!!!」
早朝の駆除は速やかに、残酷に。
騒音問題もバカにはできない。
騒音問題もバカにはできない。
モップで潰したゴミ二体に洗剤を吹きかけ、マシン底部についた電動モップで綺麗に掃除する。
俺の通った跡にはクソ饅頭の臭いすらも残させない。
俺の通った跡にはクソ饅頭の臭いすらも残させない。
――――同日、午前6時――――
ちらほらと人の流れができ始める時間帯。
…ん?こっちに向かって手を振っている人がいる。
マシンを降りて駆け寄ってみるとゆっくりを踏んづけて捕まえている。
マシンを降りて駆け寄ってみるとゆっくりを踏んづけて捕まえている。
「はなぜ!はなぜぐぞじじいいいい!!!」
男性に礼を言ってゆっくりまりさを乱暴に掴んで
マシンに搭載されたゆっくり用シュレッダーに放り込んでやった。
マシンに搭載されたゆっくり用シュレッダーに放り込んでやった。
「ぎゃあああああああああああ!!!!」
うるさい。
一秒もない断末魔だったが正直この手の悲鳴は癇に障る。
中で金属のブレードに細切れにされたであろう饅頭を省みることも無く
俺は再びマシンを走らせていく。
一秒もない断末魔だったが正直この手の悲鳴は癇に障る。
中で金属のブレードに細切れにされたであろう饅頭を省みることも無く
俺は再びマシンを走らせていく。
――――同日、午前7時――――
人通りが多くなってきた。
こうなるとデカくてノロいゆっくり駆除マシーンは周りの人にとっては邪魔でしかない。
俺は路側帯にマシンを移動させ、饅頭共の如くゆっくりと移動していく。
こうも人が多いとゆっくりを発見することも困難だ。
こうなるとデカくてノロいゆっくり駆除マシーンは周りの人にとっては邪魔でしかない。
俺は路側帯にマシンを移動させ、饅頭共の如くゆっくりと移動していく。
こうも人が多いとゆっくりを発見することも困難だ。
と思ったが、ビルの隙間に不自然に形取るダンボールが。
マシンを止めて行ってみる。
マシンを止めて行ってみる。
「ゆっくりしていってね!!!」
「「「ゆっくりしていってね!!!」」」
「「「ゆっくりしていってね!!!」」」
ビンゴ。
れいむ種とまりさ種の一家だ。
見るからに汚い身なりをしている親まりさだが、
親れいむはまりさに比べるとこざっぱりしている。
もと飼いゆっくりだろうか?
れいむ種とまりさ種の一家だ。
見るからに汚い身なりをしている親まりさだが、
親れいむはまりさに比べるとこざっぱりしている。
もと飼いゆっくりだろうか?
「ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!とっととでてってね!」
「かわいいれいむとおちびちゃんたちにあまあまちょうだいね!」
「ばかなにんげんさんはゆっくりしんでね!」
「かわいいれいむとおちびちゃんたちにあまあまちょうだいね!」
「ばかなにんげんさんはゆっくりしんでね!」
全く違う命令文が三つ飛んできた。
こいつらに自由に話させて得られるメリットなど一つも無い。
とりあえず会話を試みる。
こいつらに自由に話させて得られるメリットなど一つも無い。
とりあえず会話を試みる。
「俺の質問に答えてくれないか?
ちゃんと答えられたら饅頭をやるぞ」
「ゆ?ほんとう!?」
「ゆっくりしないでなんでもきいてね!」
「さっさとあまあまちょうだいね!」
ちゃんと答えられたら饅頭をやるぞ」
「ゆ?ほんとう!?」
「ゆっくりしないでなんでもきいてね!」
「さっさとあまあまちょうだいね!」
饅頭をやる、という言葉を聞いて感じるものは何も無いらしい。
俺の言う饅頭とは同族のゆっくりのことを指しているのだがな。
俺の言う饅頭とは同族のゆっくりのことを指しているのだがな。
「お前らバッジって分かるか?」
「ゆ!れいむはきんバッジだったよ!」
「ゆ!れいむはきんバッジだったよ!」
人の庇護の下で生きている所謂飼いゆっくりの証明であるバッジ。
金銀銅のランク別に分けられるが、驚くことにこいつは最高ランクの金バッジらしい。
この糞生意気な面からは想像もつかなかった。
金銀銅のランク別に分けられるが、驚くことにこいつは最高ランクの金バッジらしい。
この糞生意気な面からは想像もつかなかった。
「そうかそうか、今持ってるか?」
「もってないよ!きづいたらなくなってたんだよ!」
「それはよかった、ではこっちにおいで」
「もってないよ!きづいたらなくなってたんだよ!」
「それはよかった、ではこっちにおいで」
両手を出して一家を招く。
「なんなの?こたえたんだからあまあまちょうだいね!」
「向こうに運びきれないほどたくさんあるぞ
連れてってやるから乗りな」
「ゆ!だったらさっさとつれていってね!
おちびちゃんはれいむのくちにはいってね」
「ゆっくりはいるよ!」
「はやくあまあまたべたいよ!」
「向こうに運びきれないほどたくさんあるぞ
連れてってやるから乗りな」
「ゆ!だったらさっさとつれていってね!
おちびちゃんはれいむのくちにはいってね」
「ゆっくりはいるよ!」
「はやくあまあまたべたいよ!」
俺は笑顔で番のれいむとまりさ、そして口の中のチビ共をマシンのところまで運び
笑顔を貼り付けたままシュレッダーに放り込んだ
笑顔を貼り付けたままシュレッダーに放り込んだ
「ゆべべべべべべべゆっぐりでぎ…!!」
「どぼじでゆぎいいいいいいいいいいい!!!」
「どぼじでゆぎいいいいいいいいいいい!!!」
断末魔を残してバラバラに引き裂かれていった。
さよならさよなら一家団欒。
その中にいれば後からさらに饅頭を放り込んでやるからな。
さよならさよなら一家団欒。
その中にいれば後からさらに饅頭を放り込んでやるからな。
ゆっくりが車道に出ないようにと地面まで届く形に改良されたガードレールを見ながら
市街地へと向かってマシンを走らせて行った。
市街地へと向かってマシンを走らせて行った。
――――同日、午前9時――――
住宅街に着いた。
ビル街は人通りがさらに多くなっているだろうが
皆出勤や登校してしまってこの辺りは閑散としている。
この辺りで注意しなければならないのが何より戸締りとガラス周りの強化。
下宿の学生や一人暮らしのサラリーマンなどの家が
ゆっくりに「おうち宣言」なるもののために不法侵入され
荒らされるというのはよくある話だ。
この時間帯は静かになるので特にゆっくりが動きやすいようだ。
ビル街は人通りがさらに多くなっているだろうが
皆出勤や登校してしまってこの辺りは閑散としている。
この辺りで注意しなければならないのが何より戸締りとガラス周りの強化。
下宿の学生や一人暮らしのサラリーマンなどの家が
ゆっくりに「おうち宣言」なるもののために不法侵入され
荒らされるというのはよくある話だ。
この時間帯は静かになるので特にゆっくりが動きやすいようだ。
俺は各家々の玄関先、庭先を見て回る。
傍から見ると覗きの類に見えなくもないがゆっくり駆除業者の
腕章や作業服を着ている限り積極的に注意されたりはしない。
傍から見ると覗きの類に見えなくもないがゆっくり駆除業者の
腕章や作業服を着ている限り積極的に注意されたりはしない。
「―――っ、……――――!」
「ゆ――――!」
「ゆ――――!」
なにやら一件の民家からガチャガチャという音と共に
ゆっくり特有の妙に癇に障る甲高い声が聞こえてくる。
その家の門柱の上から覗いてみると
ゆっくり特有の妙に癇に障る甲高い声が聞こえてくる。
その家の門柱の上から覗いてみると
「ゆっくりできる…、――――だね!」
「ここは――――…、っ――――!」
「ここは――――…、っ――――!」
いた。
門を押してみると開いた。玄関の鍵は閉まっているかもしれないが
ここが開いていては意味がない。
庭先をくぐり抜けたクソ饅頭共がガラスを割って侵入していた。
俺はやれやれと肩をすくめて
お邪魔します、と誰が聞いてるわけでもないのだが
一応の礼儀を尽くして庭に入っていく。
ついでに割れてしまっているガラスは今更である、と
小さく鍵の近くを割ってしまいガラス戸を開ける。
割れてしまっているガラスは駆除のためなら割ってもいい、というのが
駆除職員のルールだから。
門を押してみると開いた。玄関の鍵は閉まっているかもしれないが
ここが開いていては意味がない。
庭先をくぐり抜けたクソ饅頭共がガラスを割って侵入していた。
俺はやれやれと肩をすくめて
お邪魔します、と誰が聞いてるわけでもないのだが
一応の礼儀を尽くして庭に入っていく。
ついでに割れてしまっているガラスは今更である、と
小さく鍵の近くを割ってしまいガラス戸を開ける。
割れてしまっているガラスは駆除のためなら割ってもいい、というのが
駆除職員のルールだから。
「どぼじでにんげんざんがいるのおおおおおおお!!!??」
「ごごはばりざだぢのゆっぐりぶれいずなのにいいいいいい!!!」
「ごごはばりざだぢのゆっぐりぶれいずなのにいいいいいい!!!」
家屋に侵入しておきながら随分と弱気なゆっくり達だ。
ありすとまりさの二匹。
子供はいないようだ。
ありすとまりさの二匹。
子供はいないようだ。
家の中はしっちゃかめっちゃかになっていた。
腰より低い位置のものにしか届かないゆっくりたちだが
和室だったのが災いしたようで、なんでもかんでも壊してばら撒いて
人間的にはゆっくりしようのない状況になってしまっている。
腰より低い位置のものにしか届かないゆっくりたちだが
和室だったのが災いしたようで、なんでもかんでも壊してばら撒いて
人間的にはゆっくりしようのない状況になってしまっている。
「お前ら、ここはお前らの家であるというわけにはいかない
早々に立ち去れ、そうすりゃ命くらいは助けてやる」
「ちがうよ!ここはまりさたちがみつけたんだからまりさたちのいえだよ!
ゆっくりりかいしてね!」
「とかいはにこーでぃねいとしているとちゅうなのよ!
いなかものはとっととかえってね!」
早々に立ち去れ、そうすりゃ命くらいは助けてやる」
「ちがうよ!ここはまりさたちがみつけたんだからまりさたちのいえだよ!
ゆっくりりかいしてね!」
「とかいはにこーでぃねいとしているとちゅうなのよ!
いなかものはとっととかえってね!」
元飼いゆっくりなら俺の言った意味が伝わることも無きにしも非ずなのだが
こいつらは完全な野生らしい。
それでも、一応の説得はしてみる。
こいつらは完全な野生らしい。
それでも、一応の説得はしてみる。
「ここへ入る入り口は閉まっていただろう?
住んでいる奴は留守にしていただけで
お前らの家にするわけにはいかんのだよ」
「ゆ?でたらめいわないでね!
だれもいなかったしおっきないりぐちがあったよ!
おうちせんげんのときもはんたいするにんげんさんはいなかったよ!」
住んでいる奴は留守にしていただけで
お前らの家にするわけにはいかんのだよ」
「ゆ?でたらめいわないでね!
だれもいなかったしおっきないりぐちがあったよ!
おうちせんげんのときもはんたいするにんげんさんはいなかったよ!」
…入り口が開いていた?
「まて、お前はガラス…透明な壁を壊して中に入ったんだよな?」
「そうだよ!みえないかべさんがじゃまだったから
いしをもってたいあたりしたんだよ!
ちょっといたかったけどまりさにかかればいちころなんだぜ!」
「だから、閉まっている入り口を壊して中に入ったんだろ?」
「なにいってるのよ!
ありすたちはよそのおうちにむりやりはいるようないなかものじゃないわ!」
「そうだよ!みえないかべさんがじゃまだったから
いしをもってたいあたりしたんだよ!
ちょっといたかったけどまりさにかかればいちころなんだぜ!」
「だから、閉まっている入り口を壊して中に入ったんだろ?」
「なにいってるのよ!
ありすたちはよそのおうちにむりやりはいるようないなかものじゃないわ!」
話が噛み合わない。
俺は頭の上にクエスチョンマークを浮かべながら質問を投げかける。
俺は頭の上にクエスチョンマークを浮かべながら質問を投げかける。
「お前らはその『みえないかべさん』を壊したんだろ?
閉まってたのに無理やり入ったことになるじゃないか」
「ゆうう…!!
だからまりさとありすはゆっくりできないかべさんをこわしたんだよ!
いいかげんにりかいしてね!!」
閉まってたのに無理やり入ったことになるじゃないか」
「ゆうう…!!
だからまりさとありすはゆっくりできないかべさんをこわしたんだよ!
いいかげんにりかいしてね!!」
ああ、なるほど、得心がいった。
こいつらは
中が見える→入り口全開の空き家
透明な壁がある→邪魔
と二つの問題を全く別物として処理したのだ。
中が見える→入り口全開の空き家
透明な壁がある→邪魔
と二つの問題を全く別物として処理したのだ。
空き家というのは確定情報で透明な壁は門ではなく
家にたどり着くための障害物としてしか考えていなかったらしい。
家にたどり着くための障害物としてしか考えていなかったらしい。
「いいか、その『みえないかべさん』は
この家の入り口の一つなわけ、
お前らは知らなかったかもしれないがその壁は人間の作った壁であってな」
「ゆがああああああああ!!!
いいかげんにするんだぜええええええ!!!」
この家の入り口の一つなわけ、
お前らは知らなかったかもしれないがその壁は人間の作った壁であってな」
「ゆがああああああああ!!!
いいかげんにするんだぜええええええ!!!」
いかん、キレた。
こいつらの思考レベル(の低さ)に対応しきれなかった。
こうなってしまうと会話はほぼ不可能に…
こいつらの思考レベル(の低さ)に対応しきれなかった。
こうなってしまうと会話はほぼ不可能に…
「ばかなじじいはあまあまおいてとっととしんでね!」
「まりさはかりがとってもじょうずなのよ!
げすなじじいはいのちがおしかったらあまあまおいてゆっくしないでしんでね!」
「まりさはかりがとってもじょうずなのよ!
げすなじじいはいのちがおしかったらあまあまおいてゆっくしないでしんでね!」
質問に答えたら、という件は覚えてるのにな。
あいも変わらず都合のいいことしか覚えていない連中だ。
俺は持ってきていた棒つきの網で体当たり(笑)を仕掛けてきた饅頭をすくいあげる。
ついでにもう一体をむんず、と掴んでマシンの元へ。
あいも変わらず都合のいいことしか覚えていない連中だ。
俺は持ってきていた棒つきの網で体当たり(笑)を仕掛けてきた饅頭をすくいあげる。
ついでにもう一体をむんず、と掴んでマシンの元へ。
「おろせじじいいいいいい!!
まりさのはにーにきたないてでさわるんじゃないんだぜええええ!!」
「ありすのへあーがくずれるからはなしてね!!」
まりさのはにーにきたないてでさわるんじゃないんだぜええええ!!」
「ありすのへあーがくずれるからはなしてね!!」
確かに汚いな、お前らのような饅頭を触っているのだから。
ピーチクパーチクわめいている饅頭を例によってシュレッダーに掛けて粉微塵にする。
断末魔が聞こえたが無視。
ピーチクパーチクわめいている饅頭を例によってシュレッダーに掛けて粉微塵にする。
断末魔が聞こえたが無視。
饅頭がバラバラになって機械に吸い込まれてゆく。
よかったね。さっそく饅頭をくれてやることができたよ。
そいつらと一緒にあの世でゆっくりしな。
よかったね。さっそく饅頭をくれてやることができたよ。
そいつらと一緒にあの世でゆっくりしな。
ビルの隙間に棲んでいた一家を思い出しながら侵入された家のポストに
「ゆっくり侵入、駆除を行いました」
と言う旨の書かれた書類を突っ込んでその家を後にする。
「ゆっくり侵入、駆除を行いました」
と言う旨の書かれた書類を突っ込んでその家を後にする。
今度からは気をつけろよーと頭の中で呼びかけながら。
――――同日、午前11時――――
飼いゆっくり、或いは元飼いゆっくりであるかどうかを確かめる作業も楽ではない。
主に精神的にだが。
それでも、バッジのついたゆっくりをシュレッダーに掛けるわけにはいかない。
たとえゲスのゆっくりでも食用の銅バッジ等が逃走したというケースもたまにある。
バッジが付いていればどんなクソでも飼いゆっくりは飼いゆっくり、他人の所有物だ。
主に精神的にだが。
それでも、バッジのついたゆっくりをシュレッダーに掛けるわけにはいかない。
たとえゲスのゆっくりでも食用の銅バッジ等が逃走したというケースもたまにある。
バッジが付いていればどんなクソでも飼いゆっくりは飼いゆっくり、他人の所有物だ。
再びビル街に戻ってきた俺は主に飲食店を中心に饅頭どもを捜索する。
開店した飲食店は食物の臭いを発し始めるので、ゆっくり達が裏口などで
おこぼれに預かろうとするところを目撃することもあるのだ。
ついでにこの時間帯は昼飯をとってもいいことになっている。
俺自身のためにもなるのだ。
開店した飲食店は食物の臭いを発し始めるので、ゆっくり達が裏口などで
おこぼれに預かろうとするところを目撃することもあるのだ。
ついでにこの時間帯は昼飯をとってもいいことになっている。
俺自身のためにもなるのだ。
マシンを降りては店の裏口に回り辺りをチェックする。
ゴミ出しをしている店員にご苦労様です、と声を掛けられれば軽く帽子をあげて返礼。
ゴミ出しをしている店員にご苦労様です、と声を掛けられれば軽く帽子をあげて返礼。
たまに気まぐれや放し飼いのようなつもりで残飯などをエサとして与えている人も見るが
基本的にバッジがなければそれらも駆除対象。
一応現場を目撃すれば駆除する、と伝えてからの駆除になるが
殺さないでくれと訴えてくる者もいる。
他人の害になってなければそれにこした事はないのだがこっちも仕事
大抵の場合「だったら飼えよ」という旨の発言をすると
首を縦に振らざるを得なくなるのがオチだ。
基本的にバッジがなければそれらも駆除対象。
一応現場を目撃すれば駆除する、と伝えてからの駆除になるが
殺さないでくれと訴えてくる者もいる。
他人の害になってなければそれにこした事はないのだがこっちも仕事
大抵の場合「だったら飼えよ」という旨の発言をすると
首を縦に振らざるを得なくなるのがオチだ。
何軒か回ってマシンを走らせていると、喫茶店の制服らしい女性が駆け寄ってきた。
「駆除業者の方ですか!?
すみません、うちの店に野良が何匹も入ってきたんです!
来て頂けませんか!?」
「それはお困りでしょう、すぐ窺います」
すみません、うちの店に野良が何匹も入ってきたんです!
来て頂けませんか!?」
「それはお困りでしょう、すぐ窺います」
俺はマシンからモップと銛のような短めの槍を持って
声を掛けてきた女性についていった。
声を掛けてきた女性についていった。
「ゆー!いのちがおしかったらはやくあまあまよこせ!」
「ばかなにんげんさんはゆっくりしないでね!
ぐずはきらいだよ!!」
「あまあまたべたいよー!!」
「ばかなにんげんさんはゆっくりしないでね!
ぐずはきらいだよ!!」
「あまあまたべたいよー!!」
間抜けなことにケーキ屋に正面から堂々と突撃したアホが数匹。
ケーキを食べに来たお客さんたちも非常に迷惑そうだ。
こういうタイプはアホな言動であればあるほど癇に障るというものだ。
ケーキを食べに来たお客さんたちも非常に迷惑そうだ。
こういうタイプはアホな言動であればあるほど癇に障るというものだ。
「はいはい、すぐどけますからねー」
「ゆ゙!?ゆ゙ーーーーーーー!!!!」
「ゆ゙!?ゆ゙ーーーーーーー!!!!」
サク、と槍を手近なクソ饅頭に突き立てる。
この時貫通させてしまわないのがコツだ。
そうしなければ餡子が漏れるし、床を傷つけてしまいかねないからだ。
この時貫通させてしまわないのがコツだ。
そうしなければ餡子が漏れるし、床を傷つけてしまいかねないからだ。
「ゆうっ!?おちびちゃんをはなせじじいいい!!!」
「どぼじでぞんなごどずるのおおおおお!!??」
「どぼじでぞんなごどずるのおおおおお!!??」
どうしてって、他人には死ねと言っておきながらそれですか。
まあこいつらのようなあからさまなゲスは会話自体に意味がないことは
誰もがよく分かっている。
まあこいつらのようなあからさまなゲスは会話自体に意味がないことは
誰もがよく分かっている。
「ほいほい、サクッ、サクッ…と」
「ゆぎいいいいいいいいい!!!」
「いだいいいいいいいいいいい!!!!」
「ゆぎいいいいいいいいい!!!」
「いだいいいいいいいいいいい!!!!」
焼き鳥のように立て続けに刺してゆく。
少々うるさいが手早く片付けるにはこれが一番だ。
少々うるさいが手早く片付けるにはこれが一番だ。
「あ、掃除はうちでしますから…」
「いえいえ、これも仕事のうちですから」
「いえいえ、これも仕事のうちですから」
クソ饅頭共が原因でできた床の砂利を軽くモップで掃除する。
「これどうぞ、当店の割引券です」
「いえいえ、仕事ですし、そういうのを貰うなと言われているんで
これで失礼します」
「はなじでえええええ!!!」
「おがーじゃん!!おがーじゃん!!」
「いえいえ、仕事ですし、そういうのを貰うなと言われているんで
これで失礼します」
「はなじでえええええ!!!」
「おがーじゃん!!おがーじゃん!!」
少々残酷なショーだが、皆クソ饅頭共にうんざりしていたらしく
嫌な顔をする人はいなかった。
嫌な顔をする人はいなかった。
――――同日、午前12時――――
俺にとっての休憩時間だ。
マシンに乗っていて肉体的な疲れはあまりないが
こいつらの相手をするのは精神的に疲れる。
俺はマシンを止めて一件の牛丼屋にに入った。
マシンに乗っていて肉体的な疲れはあまりないが
こいつらの相手をするのは精神的に疲れる。
俺はマシンを止めて一件の牛丼屋にに入った。
「いらっしゃい!」
「牛丼、大盛りで一つお願いします」
「へい、まいど!」
「牛丼、大盛りで一つお願いします」
「へい、まいど!」
俺はカウンター席に座ると他の客の迷惑にならない程度に
腕を回し、肩を鳴らし、伸びをする。
休めるときはちゃんと休まないとな。
腕を回し、肩を鳴らし、伸びをする。
休めるときはちゃんと休まないとな。
「へい牛丼大盛り、おまち!!」
なんかフィクションに出てくるほうがしっくりくる店主だな…などと考えつつ箸を取る。
「兄ちゃんゆっくりの駆除業者かい?野良は増える一方で大変そうだねぇ」
「慣れてますから」
「実はせがれの娘が金バッジ?ゆっくりを飼い始めたって言ってたんだけど
そいつが手が付けられないくらいワガママになっちまって困ってるんだそうだけどなぁ」
「別にゆっくりが特別我侭になるということはないですよ
…ただ、ねだられるままにエサをやっていれば自然とそうなりますよ」
「そうなのかい?」
「問題は会話ができるという点です
普通の犬猫だって、見た目が可愛いからといって
考えていることまで可愛いとは限らないですからね
いっぱしの人間レベルの躾を施さないと我侭にもなりますよ」
「確かに言われてみればそうだねぇ
当たり前のことだけどそれを最初からわかって育てなかったのが問題なんだねぇ」
「慣れてますから」
「実はせがれの娘が金バッジ?ゆっくりを飼い始めたって言ってたんだけど
そいつが手が付けられないくらいワガママになっちまって困ってるんだそうだけどなぁ」
「別にゆっくりが特別我侭になるということはないですよ
…ただ、ねだられるままにエサをやっていれば自然とそうなりますよ」
「そうなのかい?」
「問題は会話ができるという点です
普通の犬猫だって、見た目が可愛いからといって
考えていることまで可愛いとは限らないですからね
いっぱしの人間レベルの躾を施さないと我侭にもなりますよ」
「確かに言われてみればそうだねぇ
当たり前のことだけどそれを最初からわかって育てなかったのが問題なんだねぇ」
飼いゆっくりにあるありきたりな話だ。
奴らの本質は性悪説を具体化したようなもの。
短気乱暴自分勝手が当たり前、人間と関わるのなら
たとえそれがよいことだとは思わなくても人間の庇護の下にゆっくりが存在し
自分達が下っ端であることをはっきりと教え込まなくてはならない。
加えて幼児程度の知性しか持ち合わせていないにもかかわらず
奴隷だのシングルマザーなどいっぱしの台詞を撒き散らし
人間は稚児の駄々である、と簡単に見過ごすことが出来なくなる。
最終的に待っているのが虐待か駆除、
残る最善の可能性が加工所行き。
このパターンはまだ最低でも数年先までは続きそうだ。
奴らの本質は性悪説を具体化したようなもの。
短気乱暴自分勝手が当たり前、人間と関わるのなら
たとえそれがよいことだとは思わなくても人間の庇護の下にゆっくりが存在し
自分達が下っ端であることをはっきりと教え込まなくてはならない。
加えて幼児程度の知性しか持ち合わせていないにもかかわらず
奴隷だのシングルマザーなどいっぱしの台詞を撒き散らし
人間は稚児の駄々である、と簡単に見過ごすことが出来なくなる。
最終的に待っているのが虐待か駆除、
残る最善の可能性が加工所行き。
このパターンはまだ最低でも数年先までは続きそうだ。
――――同日、午後2時――――
食事も終えた昼過ぎ。
この時間帯は人通りもビル街市街地共に満遍なく存在し
賢い野良ゆっくり達はあまり見受けられない。
この時間帯は人通りもビル街市街地共に満遍なく存在し
賢い野良ゆっくり達はあまり見受けられない。
だが、例外はいる。
その一つが今企業戦士の憩いの広場であり
飼いゆっくりの定番の散歩コースである公園内でわめいている一匹の饅頭だ。
その一つが今企業戦士の憩いの広場であり
飼いゆっくりの定番の散歩コースである公園内でわめいている一匹の饅頭だ。
「おでがいじまずううう!!!
でいぶをがいゆっぐりにじでぐだざいいいいい!!
おぢびぢゃんが!おぢびぢゃんがじにぞうなんでずうううう!!!」
でいぶをがいゆっぐりにじでぐだざいいいいい!!
おぢびぢゃんが!おぢびぢゃんがじにぞうなんでずうううう!!!」
子供の生命の危機になりふり構っていられなくなった親れいむの物乞いだ。
頭に子供を乗せてもみ上げで支えながら跳び回り来る人来る人に声を掛けて回っている。
いや、声を掛けるというよりはより多くの人に聞こえるように
対象を決めずにわめき散らしているだけかもしれない。
頭に子供を乗せてもみ上げで支えながら跳び回り来る人来る人に声を掛けて回っている。
いや、声を掛けるというよりはより多くの人に聞こえるように
対象を決めずにわめき散らしているだけかもしれない。
「おねえざん!!おねえざん!!
おでがいじまず!!おぢびぢゃんだげでも!
おぢびじゃんだげでもだずげであげでぐだざいいいいいいいい!!!」
おでがいじまず!!おぢびぢゃんだげでも!
おぢびじゃんだげでもだずげであげでぐだざいいいいいいいい!!!」
金バッジまりさを抱えた女性が冷たい視線を向けてから離れていく。
他の人もこいつの声を聞くとそそくさと立ち去って行ってしまう。
多少は殊勝で母性的な発言に哀れむ心がなくはないのだろう
積極的に排除したり、暴行を加えようとする人はいない。
それも俺が来てしまったのだから終わりなのだが。
他の人もこいつの声を聞くとそそくさと立ち去って行ってしまう。
多少は殊勝で母性的な発言に哀れむ心がなくはないのだろう
積極的に排除したり、暴行を加えようとする人はいない。
それも俺が来てしまったのだから終わりなのだが。
「ゆ゙!ゆ゙ゔゔゔ!!
ゆっぐりでぎないにんげんざんがぎだよ!!
ゆっぐりにげるよ!!!」
ゆっぐりでぎないにんげんざんがぎだよ!!
ゆっぐりにげるよ!!!」
ありゃ、俺が駆除業者ということが分かるのだろうか?
以前に仲間が処分されるのを見たとか。
以前に仲間が処分されるのを見たとか。
「まてまて、話を聞かせてくれ!
お前は飼いゆっくりか?」
「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ごな゙い゙で゙え゙え゙え゙え゙え゙!!!!
ごろ゙ざ゙れ゙る゙ゔゔゔゔゔゔゔゔ!!!!」
お前は飼いゆっくりか?」
「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ごな゙い゙で゙え゙え゙え゙え゙え゙!!!!
ごろ゙ざ゙れ゙る゙ゔゔゔゔゔゔゔゔ!!!!」
取り付く島もない。
ああもう、と親をとっ捕まえてバッジがないか『おかざり』を確認する。
ああもう、と親をとっ捕まえてバッジがないか『おかざり』を確認する。
「はなじでえええええええ!!!はなじでええええええええええええ!!!
だれがだずげでよおおおおおおおおお!!!!」
だれがだずげでよおおおおおおおおお!!!!」
俺に持ち上げられたれいむは全力で暴れて助けを求める。
ぶっちゃけ誰も助けてくれそうにはないが。
ただ、周りの人からは「早く始末しろよ」とか「かわいそうに」とか
苛立ちとも憐憫とも取れるような微妙な視線を向けられてしまう。
俺かわいそう。
ぶっちゃけ誰も助けてくれそうにはないが。
ただ、周りの人からは「早く始末しろよ」とか「かわいそうに」とか
苛立ちとも憐憫とも取れるような微妙な視線を向けられてしまう。
俺かわいそう。
べちゃ
「…あ」
「おぢびぢゃあああああああああああん!!???」
「おぢびぢゃあああああああああああん!!???」
頭に乗っていた子供が暴れたせいで地面に落ちてしまった。
成人男性である俺の胸くらいの高さからだ。
成人男性である俺の胸くらいの高さからだ。
「おぢびぢゃああああああん!!!!おぢびぢゃあああああああああん!!!!
へんじじでえええええええええええええええええええええええええええ!!!!」
へんじじでえええええええええええええええええええええええええええ!!!!」
涙やよだれその他様々な液体を垂れ流しながらわめく饅頭。ああ汚い。
地面に落ちた饅頭は放射状に餡子をぶちまけてしまって助かりそうもない。
というか、バッジなしが確認できたのでとっととシュレッダーに入れよう。
これ以上長引かせるのは周りの迷惑的にも俺の精神力的にも持ちそうにない。
地面に落ちた饅頭は放射状に餡子をぶちまけてしまって助かりそうもない。
というか、バッジなしが確認できたのでとっととシュレッダーに入れよう。
これ以上長引かせるのは周りの迷惑的にも俺の精神力的にも持ちそうにない。
「ゆびっ…!ぎいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
ウィーンとシュレッダーが作動し饅頭が粉砕される。
地面の餡子をモップで軽く拭き取ると
お騒がせしましたー、と意味の分からん台詞を残して早々にその場を立ち去る俺。
地面の餡子をモップで軽く拭き取ると
お騒がせしましたー、と意味の分からん台詞を残して早々にその場を立ち去る俺。
…泣きそう。
――――同日、午後4時――――
そろそろ俺の勤務時間も終わりに近づく時間帯。
ここまでに都合二十匹前後の饅頭共がシュレッダーの餌食になっている。
マシンの饅頭タンクももう限界。
あと一、二匹始末したら集積所に帰るとしよう。
俺は仕事場の集積所に近い郊外を目指してマシンを走らせる。
あたりを見回しながら移動を続けるが、日が傾き始める頃合い
昼型のゆっくり達もそれぞれの住処に帰ってじっとしている奴が多いだろう。
ここまでに都合二十匹前後の饅頭共がシュレッダーの餌食になっている。
マシンの饅頭タンクももう限界。
あと一、二匹始末したら集積所に帰るとしよう。
俺は仕事場の集積所に近い郊外を目指してマシンを走らせる。
あたりを見回しながら移動を続けるが、日が傾き始める頃合い
昼型のゆっくり達もそれぞれの住処に帰ってじっとしている奴が多いだろう。
…がしかし、そいつらはいた。
工事現場のプレハブ小屋の近くにある資材に紛れているのが見える。
どうもアレを住処にしているらしい。
近い将来移動されるものなのだが、奴らにそんなことが分かるはずもない。
工事現場のプレハブ小屋の近くにある資材に紛れているのが見える。
どうもアレを住処にしているらしい。
近い将来移動されるものなのだが、奴らにそんなことが分かるはずもない。
「よう、クソ饅頭」
「ゆ!?
ここはまりさが見つけたんだよ!
にんげんさんはゆっくりでていってね!!」
「ゆ!?
ここはまりさが見つけたんだよ!
にんげんさんはゆっくりでていってね!!」
やっと帰れる、と思っていた矢先の遭遇に苛立っていた俺の怒気を感じ取ったのか
少々逃げ腰の野良饅頭。
資材にはビニールシートが掛けられており、隙間が小屋のように見えなくもない。
が、そんなのは関係ない。
というか隅っこには糞尿がかかっていて資材を汚している。
それだけで十分害悪となりえる存在、生かしておけるものか。
少々逃げ腰の野良饅頭。
資材にはビニールシートが掛けられており、隙間が小屋のように見えなくもない。
が、そんなのは関係ない。
というか隅っこには糞尿がかかっていて資材を汚している。
それだけで十分害悪となりえる存在、生かしておけるものか。
「ゆうううう!!??
まりさのおぼうしかえしてね!!!」
まりさのおぼうしかえしてね!!!」
無言で帽子を取り上げた俺にお決まりの苦情を吐くクソ饅頭。
れいむ種のリボンと違って簡単に取り外せる帽子はバッジのチェックが楽でいい。
もっとも、もう少し機嫌がよければ話してからにするのだが。
バッジは…ない。
それを確認した俺はあえて傷をつけないように下からすくい上げるように饅頭を持ち上げる。
れいむ種のリボンと違って簡単に取り外せる帽子はバッジのチェックが楽でいい。
もっとも、もう少し機嫌がよければ話してからにするのだが。
バッジは…ない。
それを確認した俺はあえて傷をつけないように下からすくい上げるように饅頭を持ち上げる。
「………」
「ゆ?おそらをとんでるみたいー
そ、そんなことよりおぼうしかえしてね!」
「ゆ?おそらをとんでるみたいー
そ、そんなことよりおぼうしかえしてね!」
無言でマシンの元へ歩いていく。
そのついでに左手で持ったクソ饅頭に対して右拳を帽子ごとたたきつける。
そのついでに左手で持ったクソ饅頭に対して右拳を帽子ごとたたきつける。
「ゆべっ!!いだっ!!やべっ!!ぐげぇ!!あぶ!!ゆぐ!!!」
ごす、ごす、ごすと連続で叩き込むとどめに
「ふんぬっ!!!」
「ぐぎゃ!!!!」
「ぐぎゃ!!!!」
右手で頭を鷲づかみにし、思いきりっ引きちぎった。
そうしてから飛び散った餡子を見て
ちょっと爽快感を覚えると同時に、これを掃除するのは自分だと鬱にもなった。
生きていても死んでいても迷惑な饅頭共だ。後半は俺のせいだが。
そうしてから飛び散った餡子を見て
ちょっと爽快感を覚えると同時に、これを掃除するのは自分だと鬱にもなった。
生きていても死んでいても迷惑な饅頭共だ。後半は俺のせいだが。
――――同日、午後5時――――
約十二時間街をうろついてようやく集積所で仕事の終わりをみた俺。
基本的にシフト制であるこの仕事だが一ヶ月の労働時間は規定で決まっている。
俺は一日の労働時間を増やすことで休日を増やすという手段をとっている。
ゆっくりの駆除は行政が取り仕切る仕事で
作業員はともかく階級が上がれば晴れて地方公務員だ。
この仕事について数ヶ月の俺にはまだまだ遠い話だが。
駆除用のマシンのキーを帰して作業着を着替える。
基本的にシフト制であるこの仕事だが一ヶ月の労働時間は規定で決まっている。
俺は一日の労働時間を増やすことで休日を増やすという手段をとっている。
ゆっくりの駆除は行政が取り仕切る仕事で
作業員はともかく階級が上がれば晴れて地方公務員だ。
この仕事について数ヶ月の俺にはまだまだ遠い話だが。
駆除用のマシンのキーを帰して作業着を着替える。
「おつかれさまー」
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
すれ違う先輩や同期の同僚に挨拶しながら帰路に着く。
今日もよく働いた。家でしっかり休もう。
今日もよく働いた。家でしっかり休もう。
――――同日、午後7時――――
「ただいまー」
ようやく愛しき我が家に帰った俺。
と言ってもワンルームのアパートだが。
両手に持っているビニール袋には帰り際に買った惣菜や弁当
そして――――ゆっくりフード。
と言ってもワンルームのアパートだが。
両手に持っているビニール袋には帰り際に買った惣菜や弁当
そして――――ゆっくりフード。
「おかえりさない、お兄さん」
俺を出迎えたのは人間の生首を思わせる紛う方無きゆっくり。
だが、今日俺が散々始末してきたゴミ共とは違う。
帽子に光る金バッジ、リボンの付いた黒い帽子、ひらひらとした羽衣。
だが、今日俺が散々始末してきたゴミ共とは違う。
帽子に光る金バッジ、リボンの付いた黒い帽子、ひらひらとした羽衣。
「およよ、おつかれのようですね?
たいへんでしたか?」
「山狩りなどならともかく、街での普通の駆除はそれほど疲れんさ…
主に精神的な方だな」
たいへんでしたか?」
「山狩りなどならともかく、街での普通の駆除はそれほど疲れんさ…
主に精神的な方だな」
きわめて賢く電気を放出することもできる希少種ゆっくり…いくさんだ。
「では、わたしがおせなかをおながししましょうか…ぽっ」
「赤くなるな。それにもう感電はごめんだ」
「赤くなるな。それにもう感電はごめんだ」
ゆっくりの行動の大半は舌を使って行われるが
いくさんは羽衣を器用に操って胴付きゆっくり並みか、それ以上の器用さを見せる。
…以前に背中を流してもらったときは
あまりの恥ずかしさにテンパったいくさんの電気を浴びる羽目になったのだが。
いくさんは羽衣を器用に操って胴付きゆっくり並みか、それ以上の器用さを見せる。
…以前に背中を流してもらったときは
あまりの恥ずかしさにテンパったいくさんの電気を浴びる羽目になったのだが。
「街回りだったら一緒に来てくれてもいいんだぞ?
誰かと話していたほうが気も紛れるし、何よりストレスが軽減される」
「ゆっくりくじょをゆっくりをつれてするのはどうなんですか…?」
「むしろその方が分かりやすくていいんじゃないか?
それとも人目を気にしているのか」
「いくはくうきのよめるおんなですから…」
「さいですか…」
誰かと話していたほうが気も紛れるし、何よりストレスが軽減される」
「ゆっくりくじょをゆっくりをつれてするのはどうなんですか…?」
「むしろその方が分かりやすくていいんじゃないか?
それとも人目を気にしているのか」
「いくはくうきのよめるおんなですから…」
「さいですか…」
上着を脱ぎ、荷物を置いた俺はいくさんに見えるように餌皿をひらひらさせて言う。
「食事はいるか?」
「いえ、さきにおふろにはいってきてください
しょくじはごいっしょしましょう」
「そうか」
「いえ、さきにおふろにはいってきてください
しょくじはごいっしょしましょう」
「そうか」
なんと謙虚な。やはりいくさんはクソ饅頭共とは根本的に違う。
「んじゃ入ってくるから」
「のぞいてもいいですか?」
「…勝手にしろ」
「およよ、つれないですね」
「のぞいてもいいですか?」
「…勝手にしろ」
「およよ、つれないですね」
明日は休日だ。今日行ったあの公園にでも散歩に行くとしましょうかね
いくさんを連れて。
終わり
あとがき
なんとなく想像していた世界を文章化してみました。
衣玖さんが好きなのはお分かりの通りです。
本格的なグロい虐待はありませんがお楽しみいただけたのなら幸いです。
評価していただけるようであれば次も書きたいと思います。
衣玖さんが好きなのはお分かりの通りです。
本格的なグロい虐待はありませんがお楽しみいただけたのなら幸いです。
評価していただけるようであれば次も書きたいと思います。
この作品の投稿時こちらのアップローダーに
繋がらなかったりたどり着けなかったりと
色々とトラブルがありました。
ご迷惑をおかけした各員にこの場を借りまして謝罪させていただきます。
申し訳ありませんでした。
繋がらなかったりたどり着けなかったりと
色々とトラブルがありました。
ご迷惑をおかけした各員にこの場を借りまして謝罪させていただきます。
申し訳ありませんでした。
最後に、この作品を読んでくださった方全てに無上の感謝を。
挿絵: