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  • ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
  • anko4113 白い悪魔事件

ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー

anko4113 白い悪魔事件

最終更新:2012年03月26日 06:31

ankoss

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管理者のみ編集可
『白い悪魔事件』 55KB
いじめ 調理 飼いゆ 赤ゆ ゲス 現代 虐待人間 独自設定 うんしー ぺにまむ 誤字訂正版。本当に申し訳ございませんでした




※注
・虐待人間描写注意
・(リア充とはいえ)人間さんが極めて酷い目に遭います
・今までの過去作品とは作風が大きく崩れています
・ゆっくりに関しての独自設定強し
・作中、視点変更あり
・ぺにヒュン描写注意


バニラあき






バレンタインデー
それは、独り身の男子にとってまさに悪夢ともいえる行事の一つである。
女性が好意の証として、男性にチョコレートを贈る。
たったそれだけの行為ではあるが、そこには恋人を持つ者と持たざる者に対して、天と地ほどの格差を作りだす。

ある者は歓喜し、文字どおり恋人と甘く熱いひと時を過ごす。
またある者は絶望し、全世界の恋人達を嫉妬の炎で焼き尽くす。
はたまた義理の愛情によって、新たな幸・不幸の火種を生み出すきっかけとなるか――
・・・・・・だが、この行事の真の恐ろしさは、この時だけではないということも忘れてはならない。

一ヶ月後、天使の顔をしていた彼女達は、ある日を期限に悪魔へと姿を変える。
そう、その行事の名は――






白い悪魔事件







「どうか、どうかお願いしますっ!!」
「・・・」

時は3月10日
冬の寒さが次第に和らぎ、春という季節を肌身に感じつつある今日この頃。
目の前でテンプレのようなお願いをして土下座をするゆっくり――
――ではなく友人の姿を、俺は冷ややかな目で見下ろしていた。

「友よ・・・去年、俺達がたてた誓いを覚えているか?」
「ぅ・・・・・・あ、あぁ・・・」
「そう、あれは去年のバレンタインの時のことだ――」

まるで野良になりたての捨てゆっくりのような表情で見上げてくる友人と目を合わせないようにして、俺は虚空を見つめながら続ける。

「チョコレートにうつつを抜かすリア充共に呪いをかけるべく、一緒にゆっくりのぺにぺに狩りを敢行したあの日のことを・・・」
「・・・・・・酔っててヤケになってたとはいえ、今思うと結構恥ずかしくなってくるけどな・・・」
「そして、集めたぺにぺにを全て花林糖にして、それを貪りながら俺達はリア充撲滅を誓い合った・・・」
「・・・・・・さすがに、300個も食うのは体力的に無理だったが・・・・・・しかもでかい奴のはあんま美味くなかったし・・・」
「俺はあの時からお前を、かけがえの無い親友・・・いや、心友とまで思い続けてきた・・・・・・なのに・・・・・・それなのに――!」

そこで目が合い、気まずくなった友人が再び床に額を擦り付けつけるのが見える。
その丸まった背中に向かって、俺は怒りに震えた声を投げつけていた。


「・・・それなのに、ホ ワ イ ト デ ーだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


――事の顛末はこうである。
先日、別々の大学となってしまった高校時代の友人から一年ぶりに連絡があり、俺は久しぶりに友人を自宅に招くこととなった。
だが、家に入ってすぐの俺に待っていたのは親友からの挨拶ではなく、いきなりの土下座であったのだ。
なんとこの友人、いつの間にか彼女持ちのリア充へと変身していたのである!
しかも先月のバレンタインには、その彼女から手作りの黒いあまあまさん(チョコ)まで貰っていたのだと!
・・・・・・この時点で、俺は今すぐ友人のぺにぺにをミンチにしてニラと混ぜてギョーザの材料にしてやろうかと考えていたが、実はこの話にはまだ続きがあった。
それはバレンタインの次に控えている、俺には何の関係も無い行事に関してのことである。
ホワイトデー。別名『白い悪魔』こそが、彼をこのような狂行に駆り立てた原因であったのだ。


「――それで、その彼女に見栄を張ってホワイトデーに手作りお菓子を贈ると言ってしまい、どうしようもなくなって俺を頼ったと」
「お前には本当に! 本当に申し訳ないと思っている! だけど! もうお前以外に頼れるやつがいないんだぁぁ! どうか! どうか俺にホワイトデーのプレゼントを作るために力を貸してくれぇぇ!!」
「・・・・・・」

気まずい静寂の中、ごん、ごんと友人が床に頭を叩き付ける音だけが鳴り響く。

「・・・そんなことしなくても、店で買ったのを手作りってことにすりゃいいじゃねえか」
「彼女お菓子にかなり詳しいから、市販の物だってバレたらアウトなんだよ・・・・・・手作りチョコのお返しは、絶対に手作りでするって約束しちまって・・・・・・」
「・・・ならクッキーとかでいいじゃんか。スーパーにも売ってるぞ、初心者でも簡単に作れるやつが」
「何を食べたいって聞いたら、和菓子が食べたいなって言われちゃってさ・・・・・・それで――」
「バカだろお前」

なんとこの友人、彼女の興味を引きたいがために、自らのスペックを水増ししていたのである!
これにはさすがの元親友である俺も苦笑い。

・・・それにしてもこの友人、ノリノリである。
野菜炒めしか料理ができないくせにお菓子作りが得意だとホラを吹き、あまつさえその彼女に食べたいお菓子のリクエストまでしていたとは。
これが、彼女を持つ者と持たざる者との差というものなのであろうか。
俺の暴言の嵐に反論もせず、ただひたすらに土下座を続ける彼の心情は、我々には計り知れない。
(※世界○見え風に)

「・・・大体、お前お菓子作りナメてんだろ。初心者がいきなり、しかも和菓子を手作りで作るとか、無謀にもほどがある」
「でも、お前ケーキとか羊羹とかよく作ってたじゃん。だから・・・さ?」
「あれは何度も何度も失敗を重ねて経験を積んだ結果だ。それにお菓子作りは普通の料理と違って見た目や匂いとかも重要になるし、中には化学変化まで利用して作るもんまである。素人がレシピ見て、いきなりぶっつけ本番で作れるような代物じゃねぇんだよ」
「そ、そんな・・・・・・」

確かに俺は、高校時代の時に趣味でお菓子を手作りし、友人に味を見てもらっていたことが幾度となくあった。
そしてそれを覚えていたからこそ、こいつは俺にお菓子作りを手伝ってもらおうと考えたのであろう。
・・・正直、それは作る側にとって大変喜ばしいことである。
自分の料理の腕を認めてくれているからこそ、こいつは俺を頼って来てくれたのだ。本来ならどんなにハードスケジュールであったとしても、俺はこいつに何かしら手を差し伸べてやっていたであろう。
ただ――

「な、ならさ・・・」
「あん?」

「お前が――代わりに、作ってくれない・・・・・・かな?」






ビキィ!!



――その目的が、俺の神経を逆撫でする内容で無かったならば、だが。

「テメェ、ふざけんなコラァッ!!」
「え・・・・・・ぶじぃっ!!?」

俺の放った踵落としが脳天に炸裂し、友人は土下座の姿勢のまま床に倒れ伏した。
そのまま髪の毛を鷲掴みにし、無理矢理顔を引き上げる。

「何で俺が、他人の恋愛の手伝いなんぞしなきゃなんねぇんだよォ!? あァ!?」
「・・・・・・あご・・・が・・・あ・・・・・・」
「俺がゆっくりのぺにぺにちぎって遊んでた時に、手前はチョコだぁァ!? ・・・イイ身分じゃねェか・・・」
「・・・・・・わ・・・悪ぃ・・・本当に悪いと思ってる・・・・・・」
「しかも俺が代わりに作れだァ!? 事の発端は手前が撒いた種だろうが、リア充さんがよォォ!?」
「・・・・・・・・・ご、ごめん! 本当にごめん!!」

鈍い友人でもさすがにさっきの発言はまずいと気付いたのか、しどろもどろに謝罪の言葉を繰り返す。
だがもう遅い。
俺は電話棚の引き出しを開き、中からキッチンペーパーに包まれていた長い棒を取り出した。
ペーパーの端からはみ出た柄を握り、勢いよく引き抜く。
しゃきん、と小気味よい音と共に波状に走った銀色の刃が白日の下に晒され、それを見た友人が大きく目を見開いた。
1000匹以上ものゆっくりのぺにぺにを切り落としてきた特製パン切り包丁を掌に打ちつけながら、俺は再び友人に向き直る。

「・・・良かったなァおい! たった今、彼女に贈るプレゼントが決まったぞ」
「ちょ、待てっ!? 頼むから落ち着いて・・・・・・」
「材料は・・・・・・手前のぺにぺにだオルァァァァァァァァァァァァ!!」
「ひいいぃぃぃぃ!?」

愛刀を片手に詰め寄る俺の姿に、ついに友人は耐えきれずに玄関の向こうへと逃げ出した。
勢いよく扉を蹴り開け、友人が外へと駆け出していく。
こちらも続いて外へ出て辺りを見渡してみると、すでに友人は遥か彼方へと逃げ去っていた。
しかも靴を履く暇すら無かったためか、玄関には彼の靴だけがぽつんと残されている。

「全く・・・・・・ふざけたこと抜かしやがって・・・・・・」

みるみるうちに小さくなっていく友人の背中を横目で見ながら、俺は足元に向かって静かに呟いた。

「・・・さて――と、どうしたもんか、ねぇ・・・?」

愛刀をヒュンヒュンと軽く素振りしながら、難の気なしにちょっと考え込んでみる。

・・・正直なところを言えば、友人への怒りはさっきの踵落としでチャラにしてやったつもりである。
パン切り包丁片手に追いかけ回したのは・・・・・・まぁ、利子みたいなもんだ。
しかし、親友とはいえ他人の彼女の恋愛に手を貸すのはどうしても気が引ける。
・・・そもそも、俺には彼女すらいないのに。

「・・・・・・ま、まぁでも、女友達がいれば何かしら出会いの機会も増えるよな・・・うん。きっとそうだ」

そう適当な理由で自分を誤魔化しながら、家に戻った俺は早速キッチンへと足を進めた。
まだ見ぬ未来の彼女のため――もとい、友人の恋の成熟のために。







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







3月14日
ホワイトデー当日

未だ肌寒さは残るものの、雲一つない晴天に恵まれている今日は、まさに全世界が俺の幸せを祝福してくれているかのようだ。
一年全体を通して見ても、これほどまでに恋愛成熟に最適な日はそうそう無いのではなかろうか?
・・・なんてね。

そんな馬鹿馬鹿しいコントを胸中で繰り広げながら、俺ははやる気持ちを抑えつつ目の前のインターホンのボタンを押した。

「・・・・・・・・・・・・」

ガチャッ

「!」

しばらくの沈黙の後、ゆっくりと開いた扉から俺の愛しい彼女がひょっこりと顔を出す。
そして俺の姿を見ると、屈託のない笑顔をこちらへ向けてくれた。
その表情を見ただけで、ここまで歩いて来た疲れなどあっという間に吹き飛んでしまった。

「いらっしゃい、今日は・・・いつもよりちょっと早かったね♪」
「なんだよそれ、まるで俺がいつも遅刻してるみたいじゃんか」
「ふふ、違うの?」
「ひっでーなぁ、まったく・・・」

わざとらしく怒ったふりをしてみせてから、俺は彼女の待つ玄関へと進む。
彼女との距離が近づくたびに、女性独特の柔らかい香りが俺の鼻を優しくくすぐり、今の心踊る気持ちがさらに加速されていく。
まるで周りにある全ての物は俺と彼女に素敵な雰囲気を作り出すためだけに存在しているのだと、そこまで考えてしまうほどに心地良い気分である。

「それじゃ、お邪魔しま~す♪」
「そんなにかしこまらなくっても大丈夫よ。今日は私一人しかいないから」
「えっ、そうなんだ。両親は?」
「仕事で遅くなるって」
「そっか」(ヤベェ・・・これフラグ立ってるかも・・・)

彼女に促されるままに玄関へ入ると、手に持っていた包みを靴箱の上に置く。
ことり、と目の前に置かれた小ぶりの包みを見て、彼女の視線がそちらの方へと移動した。

「ん? それ、何が入ってるの?」
「ホワイトデーのお菓子だけど、中身はないしょ♪」
「ふーん、気になるなぁ~♪」
「ほらほら、後で見せてあげるからさ。向こうへ行った行った」

興味津々な目で包みを覗きこむ彼女を優しく手で遮りながら、俺は玄関のそばに備え付けてあったハンガーに手を伸ばし、着ていた上着をかける。

そう。
この荷物の扱いは、特に慎重にしなければならないのだ。
なにせ今日のイベントの主役とも言える、大事な大事なキーアイテムなのだから・・・・・・



――あの日、怒り狂った友人の追手から命からがら逃げ出した俺は、彼女へのプレゼントを作るために自分なりに色々と頑張ってはみた。
本屋やネットを使って手頃なレシピを探し回ったり、お菓子屋の店員さんに恥を忍んで作り方を訪ねて回ったり・・・
恐らく、大学でレポートを書くことなんかよりも、はるかに必死になって調べ物をした数日間であっただろう。

・・・だが、それに対する現実は非情であった。
フライパンと包丁しか調理器具を持たない俺に作れる料理などほとんどあるわけが無く、何よりも圧倒的な経験不足が足を引っ張る。
どれだけ頑張っても時間と材料が無駄に消費されるだけで終わってしまい、結局、三日間という限られた時間の中で俺が作れたものは、
変な固形物が浮きまくってる半ゲル状の羊羹もどき(温度が足りなくて寒天が溶けきれず、さらにすぐに冷やさなかったせいで溶け残った寒天が全部底に集まってしまった)と、
岩みたいに固まった大福餅(餅に砂糖が入っておらず、さらにそのまま放置していたため水分が完全に抜け切ってしまった)という、贈り物どころか人が食えるかどうかすら怪しい物体Xのみであった。

・・・あの時、友が言っていたことは確かに本当だった。
たかがお菓子、されどお菓子。
まさかこれ程までに、他人に食べてもらえるレベルの物を作るのが難しいとは夢にも思っていなかった。
だが、今さらそれを嘆いても、もはや後の祭りである。
約束の日を目前に迎え、俺はバレるのを覚悟でスーパーのお菓子をプレゼントにしようかと考えた――
――その時だった。

突然、あの友人から宅急便が速達で送られてきたのである。
先日の件があっただけに、最初は危険物かゆっくりの腐乱死体でも送りつけてきたのかと内心ビクビクしていたが、それはすぐに勘違いだったと気付かされることとなった。
なぜなら、箱を開けて最初に目に飛び込んできた物。それはまさしく芸術作品そのものであったのだから。
箱の中に入っていた、水羊羹と抹茶おはぎ。
その二種類の和菓子を見て、俺は一瞬のうちに目と心を奪われた。

それらは全て、食べやすいように一口サイズで統一されており、まるで陣を描くように綺麗に敷き詰められていた。
さらに、それらを毒身と称して一つづつ食べてみると、さらなる感動の波が俺の口の中をあっという間に支配していく。
水羊羹はぷりぷりと震えるような食感で見た目以上の食欲を誘い、おはぎは抹茶パウダーのほろりとした苦味が餡子の甘さを際立たせ、飽きのこない絶妙な味を作り出す。
極めつけは、それらを梱包する包装紙。暗い色の和菓子と対色になるよう明るい色の和紙で包まれてたその組み合わせは、まさしく一つの世界観を表現していると言っても過言ではないほどの素晴らしさだ。
目と舌の両方を一度に満たすおもてなしの精神は、スーパーで売られているものでは決して出すことのできない味であろう。

・・・もはや俺の作った料理など月とスッポン。いやトリュフと野良ゆっくりぐらいにも大きすぎる差であった。
未熟とはいえ、少しでも料理に触れた者だけが感じ取れるその精巧な出来栄えに、俺は無意識のうちに和菓子に向かって深く頭を垂れていた。
そしてもう一つ、箱の中に俺宛のメッセージカードも一緒に添えられていることにも気がついた。

『ゆっくりには食わせないように』

・・・あいつらしいその皮肉めいた文章を見て、俺は声を出して笑った。



「・・・しっかし、もう三月なのにまだまだ寒いねぇ」
「じゃあ、何か温かいものでも飲む? コーヒーと紅茶があるけど、どっちがいい?」
「え、あ・・・・・・そ、それなら紅茶がいいな、一緒に飲もうよ」
「うん♪ じゃあちょっと待っててね♪」

彼女の言葉、立ち振る舞いについ魅入ってしまい、つい返事に詰まってしまった。
一年前では夢にも思わなかったその甘い雰囲気は、未だになかなか慣れないものである。
だけど、そこからは決して不満など生まれてはこない。
『可愛い彼女がいる』
その揺るぎない事実は、最高の優越感を俺に味あわせてくれるのだから。

たまたま大学の学園祭の出店が隣通しになった。最初のきっかけはただそれだけだった。
だが、それがここまで親密なものになるとは昔の俺では予想もできなかったことだろう。
・・・改めて、彼女の顔を見る。
小動物のように愛くるしい表情、仕草、そのどれもが愛おしく、魅力的なものに映る。
細かいところにも気がつき、成績も優秀、本当に俺にはもったいなさすぎるほどの素晴らしい女性だ。

・・・まぁ、ただ一つ欠点を挙げるとするならば――





「ゆっへっへっへっへ・・・・・・だれかとおもえば、おねえさんのどれいだったんだぜぇ?」


――彼女が、ゆっくりに対して愛で派の人間だった。ということであろうか。

突然目の前に現れたくそ饅頭――ゆっくりまりさのニヤけ顔を見て、笑顔だった俺の表情が一瞬にして凍りついた。
普段の俺ならコークスクリューブローをそのむかつく顔面に叩きこんでやるところだが、今は別だ。
必死でその衝動をこらえながら、俺はまりさに向かって無関心を装った反応を返してやった。

「・・・何か用か」
「ゆあぁ~ん? どれいのぶんざいで、まりささまにそんなくちをきいていいのぜぇ?」

人を舐めくさったハの字眉をさらに歪ませて、まりさの口調がさらに強くなる。
・・・いかん、これ以上こいつの相手にすると、こっちの分が悪くなるのは確定的に明らかだ。

「まりささまはおねえさんのかいゆっくりなのぜ? そんなくちをきいたらあとがこわいんだぜぇ~?」
「・・・はいはい、悪かった悪かった。ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしていってね!  なら、さっさとまりささまにあまあまをけんっじょうっ! するんだぜ! たくさんでいいんだぜぇ!!」

ゆっくり特有のセリフで気を逸らそうとしてみたが、それすら気にせず絡んでくるまりさのせいで俺の気分が少しずつ重いものへと変わりつつあった。


――俺の神経をピンポイントで逆撫でしてくるこのクズまりさは、彼女の――正確には、彼女の両親の飼いゆっくりである。
通常、こういうタイプの飼いゲスは、飼い主を奴隷とすぐに勘違いして近いうちに捨てられるか潰されるかする運命が確定しているものである。
だが、このまりさはそれとは一味違うタイプのゲスであった。
己の立場を十分に理解しており、生活を保障してくれる飼い主や目上の人間に対しては決して反抗の素振りを見せようとしない。
だが、飼い主より立場が下だと判断した者には徹底的に横柄な態度を取るという、普通のゲスより余計に質の悪いクズ野郎なのだ。

「くそどれぇ! さっさとかいゆっくりのまりささまに、あまあまをよこすんだぜぇ!!」
「・・・・・・・・・なんで・・・お前なんかにやんなきゃいけねぇンだよ・・・・・・」

ぼそりと漏れた俺の本心を聞いて、まりさの口元がにやりと歪んだ。

「・・・ゆーん、そういうたいどにでるんだぁ?  ・・・おねぇさあぁああああぁぁああああああああぁぁぁぁん!!」
「!?」
「あらまりさ、どうしたの?」

突然叫び声をあげるまりさを制する暇もなく、その声を聞いてキッチンから彼女が顔を出した。
その彼女の足元に向かって、まりさがぴょんぴょんと跳ねよっていく。

「あのおにいさんが、まりさのこといじめるんだぜぇ! まりさこわいこわいなんだぜぇぇ!!」
「ちょ・・・違うって、こいつがあまあまよこせとか言ってきたから――」
「まりさそんなふうにいってないんだぜぇ! まりさにもくださいっておねがいしただけなのに、おにいさんがなにもしてないまりさをいきなりぶったんだぜぇ!!」
「違う、俺はそんなこと――」
「はぁ・・・分かってるわ、あなたがそんなことしないのは。でも、まりさは怖がりだからちょっと誤解しちゃったのよ」
「ゆーんゆーん・・・まりさもあまあまたべてみたいんだぜぇ・・・」
「ねぇ、まりさもこう言ってることだし、あなたの持ってきたお菓子、ちょっと分けてあげてもいいかな?」
「・・・・・・・・・・・・」

これこそが、俺がまりさに手出しができない『理由』であった。
俺が彼女に頭が上がらないことを知ってからというもの、このまりさは事あるごとにこちらの都合の悪くなる嘘を彼女に告げ口してくるのだ。
しかも中途半端に敬語が使えるせいで、その嘘が微妙にリアルなのである。
彼女はいつものことだと言ってはいるが、こう頻繁に来られては、さすがに俺に対して疑惑を持つようになるかもしれない。
それに、彼女はまりさに対して全体的に甘い。
彼女の魅力の一つともいえる優しさを、このまりさは平気で踏みにじり、俺への後ろ盾として利用しているのだ。

「・・・・・・いや、これはゆっくりには甘味が強い物だから、あげたら舌が肥えて面倒なことになる」
「そうなの・・・それなら仕方が――」
「そんなことないんだぜぇ! ひとくち! ひとくちだけならぜったいだいじょうぶなんだぜぇ! まりさやくそくするんだぜぇ!」

恐らくおねだりをしているつもりなのだろう。彼女の横でまりさがケツをぶりぶり振りながら猫なで声を出す。
虐待派の俺にとっては即! 捻り潰したくなるような行動なのだが、残念ながら彼女にはそのイラつき具合が伝わっていない。

「・・・う~ん・・・・・・まりさもこう言ってるし、ちょっとだけなら大丈夫じゃないかな?」
「・・・ぅ・・・・・・・・・・・・・・・ま、まぁ・・・・・・とりあえず、考えとくよ・・・・・・」
「やったぁ! まりさおねぇさんとおにいさん、どっちもだーいすきっ! なんだぜっ!」
「ふふふ・・・もう、まりさったら・・・・・・」

大げさに飛び跳ねながら歓喜の声を上げるまりさを見て、彼女の顔にも笑みがこぼれる。
間接的とはいえまりさの言いなりになるのは悔しいが、その魅力的な笑顔を見てしまっては何も言い返せそうにはなかった。

「・・・ごめんね、まりさがわがまま言っちゃって・・・・・・。でも、美味しいお菓子なら皆で食べたほうが、もっと美味しく感じれると思わない?」
「そうなんだぜぇーっ!」
「・・・・・・」
「じゃあ、すぐに紅茶の準備をするからもう少し待っててね♪」

そう言い残すと、彼女はまたキッチンの方へと戻っていった。
そこからしばしの間、流れる静寂――






「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆへっ」
「・・・・・・」
「ゆへへへへ・・・・・・や~っちゃったぁ やっちゃったぁ~ おねぇ~さんにぃ き~らわ~れたぁ~♪」
「・・・・・・チッ」

げらげらと下品な笑い声をあげながら、のーびのーびと体をくねらせて踊るクズまりさを睨みつける。
それを見て、再びまりさが俺の目の前にまで近寄ってきた。

「ゆぁぁ~ん? そのめつきはなんなんだぜぇ? またおねえさんをよんでほしいのぜぇえ?」
「・・・・・・・・・」
「それより、まりささまをふかいにさせたばつとして、どれいはそこでごめんなさいをするんだぜ!!」
「!?」
「きこえないのぜぇ!? みっつかぞえるうちにあたまをじめんさんにつけなかったら、またおねえさんをよんでやるんだぜぇ!! ひとぉ~つ!」

この外道、人が手出しできないことをいいことに好き勝手言いがって。
・・・だが、さすがにこいつに謝罪することだけは、人としての尊厳が許されない。

「ふたぁ~つ!」
「・・・・・・くっ・・・」


どうする?
どうするべきか?



人としての尊厳か。



彼女という拠り所か。



どっちを取る?


そして――








「みぃ~っ・・・・・・」
「お待たせー! お湯が全然無かったから、時間かかっちゃった~」
「ゆぅーっ! おねえさんがきたんだぜ~っ♪」

突然飛び込んできた彼女の一言に、まりさの顔から一瞬でにやけ顔が消滅した。
さっきと全く違う明るい声を張り上げるまりさを見ながら、彼女はにこやかな顔でカップと皿をテーブルの上へと並べていく。

「おねえさん! ゆっくりおつかれさまなんだぜ!!」
「まりさ、今度はちゃんと良い子にしてた?」
「まりさはちゃんといいこにしてたんだぜ! おにいさんとかずをかぞえるおべんきょうしていたんだぜ!」
「へぇ~、そうなんだ?」
「・・・・・・・・・」

さすがに苦しい言い訳のように聞こえたが、幸か不幸か先ほどのやり取りは彼女には聞こえていなかったようだ。
カップにお湯を注ぎ、紅茶の下準備をする彼女を尻目に、再びクズまりさと目が合った。
その顔には、にやにやといやらしい笑みが浮かんでいる。

「まりさは今度、金バッジの試験を受けるつもりなのよ。どう? ちゃんと数えることができてた?」
「あぁ・・・もう勉強の必要が無いぐらいにね・・・・・・」
「そう、良かったね、まりさ♪」
「ゆゆぅ~ん! まりさてれるんだぜぇ~」


ス―――――――――――――――――――――――――――――――――ッ



ハ―――――――――――――――――――――――――――――――――ッ!



俺の愛しい彼女の手で頭を撫でられているまりさを横目に見ながら、俺は大きく息を吸い、そして吐いた。
ヤクザのタカリから解放された直後のウシジマ社長のような面持ちで、必死に腹の底に蓄積するどす黒い感情を吐き出していく。


我慢だ。
ここで理性を捨ててしまっては、今までの苦労が一瞬で水の泡だ。

この半年間のうちに、俺は今の現状を維持するために多くの対価を払ってきた。
クリスマスの時に無理して買った、お揃いの金のペアリング。
彼女の誕生日の時に買った、どう考えてもボってるとしか思えないような価格のストール。
慣れないファッション誌を読み漁り、必死に流行に食らいつくために揃えた洋服の数々。
これらは全て、今この日を迎えるためにつぎ込んできたものなのだから。
そう、『この日』を迎えるために――

「それじゃあ、早速プレゼントを開けてみよっか♪」
「ゆゆーん! まりさたのしみっ! なんだぜぇーっ♪」

思えば、このクズまりさにも幾度となく辛酸を舐めさせられ続けてきたものである。
クリスマスには、ケーキが食べたい食べたいと駄々をこねた拍子にコーヒーを辺り一面にぶちまけられ、事前に予約していたレストランの食事をキャンセルする羽目となったり・・・・・・
たまたま両親が居ない時に会えても、一人で留守番させると寂しがるからという理由でまりさ同伴のデートとなったり・・・・・・
まりさが行きたがってるからと、名前を聞くだけで虫唾が走るようなゆっくりカフェに付き合わされたことも何度もあった。

・・・だが、今回こそはその対策も万全だ。
事前に訪問型のゆっくりシッターに予約を入れ、電話一本でここまで来てくれるよう手はずを整えてある。
あとはホワイトデーのプレゼントで気分が最高に気分が盛り上がった勢いで食事に誘い、それからそれから・・・・・・

「えーっと、ここのリボンをこうしてこうして――」
「・・・・・・・・・・・・ゆっ、ゆへへへ・・・・・・」

そうだ。もっと楽しい事を想像するんだ。
まだ肌寒い今の季節なら、食事が終わる頃には辺りはすっかり暗くなっているはず。
少量のアルコールで軽く火照った体もすぐに冷たくなり、その両手を俺が優しく握って暖めてやる。
そしてその手をリードしながら、三つ目の信号を右、それから左に曲がって直進すること五分。
彼女の体を気遣うようにして、休憩二時間3000円コースを選ぶ。
財布の中に入れたままだった『ブツ』も、久しぶりに封を切る時が・・・・・・うひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ・・・・・・









「・・・ああ~っと、あんよがすべっちゃったんだぜ~」

どんっ!









え・・・?







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







「・・・・・・もぉ~~そろそろかな? ・・・あいつが彼女とやらに会いに行くのは・・・」

静寂に包まれたリビングの中で、俺はついさっき見終わったばかりの漫画をぱさりとこたつの上に置いた。

「今頃、何してんのかなァ~? ・・・彼女の家でゲームかな? ・・・それとも今日は天気がいいから、外でデートかな?  ・・・・・・あ~ぁ駄目だ。俺の頭じゃ全っ然予想できねぇや・・・」

こたつ布団の中に上半身を潜り込ませながら、誰に対してでもなく虚空に向かってそう呟く。
当然、その声に返事をする者は誰もいない。すぐに俺の言霊は周囲の静寂の中へと飲み込まれていった。

「話して、食事して、買い物して・・・・・・暗くなって―――」

そう呟きながら、おもむろに目の前にあるバスケットへと手を伸ばす。
その中に入っている黒い棒状の物を鷲掴みにすると、ゆっくりと口元へと持っていき――


         バキバキバキッ!!


「――くそがああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああぁぁぁ!!」

   ガリガリガリガリッ!!    ガリッ! ボリボリボリッ!!

勢いよく 齧りついた。

「クソッ! クソッ! やっぱあの時、半分ぐらい切れこみ入れてやりゃよかった!! あぁくそおぉぉぉぉおおおお!!」

憎しみを込めて噛み砕いている『それ』が粉々に粉砕されていくに従って、俺の口内に言葉では言い表せないような甘味が広がっていく。
黒蜜、餡子、カスタード、生クリーム、チョコレート・・・・・・
まるで『持ち主』の悲鳴を代弁しているかのように暴れ狂う、ドぎつい甘覚の奔流に何度もえずきそうになりながらも、俺は次々と口の中に『それ』を詰め込み、歯で粉々に粉砕していった。

「・・・はぁー・・・・・・はぁー・・・・・・はぁー・・・・・・・・・あぁくそ、ほんと思いだすだけでビキビキくる・・・・・・」

一旦水を飲んで一息ついた後、静かに部屋の様子を見回す。
先ほど叫んでいたのが嘘みたいに静まり返ったリビングには、俺以外に人の気配は一切感じられない。
唯一俺に温かく接してくれているのは、目の前にあるこたつだけである。

「・・・さて、これからどうしようかな・・・・・・・・・憂さ晴らししようにも外は寒いし・・・・・・」

そう言って、こたつの上のバスケットをちらりと見る。
先ほど勢いに任せて食べていたはずなのに、その中にはまだ大量の『それ』が残っているのが見える。

「・・・このクソ不味い花林糖も、もう食いたくないしなぁ・・・・・・」


――すでにお気づきの人もいるとは思うが、先ほど俺が食べていたこの花林糖は野良ゆっくりのぺにぺにを切り落としてこさえたものである。
当初は酔った勢いから始めたネタ料理であったのだが、今ではバレンタインデーだけでなく、クリスマス、花火大会、その他突発的な衝動にかられた時など、様々なイベントに必需品の定番料理とまでなりつつあった。

しかし、野良ゆっくりなら誰でもいいかというと、そういう訳ではない。
対象としているのは、野良の分際でつがいを持って幸せそうにしているゆっくり共。それ以外の奴らは抵抗したり、無謀な挑発をしてこない限りなるだけ見逃すよう努めている。
当然、飼いゆっくりや地域ゆっくりのバッジの有無はきちんと確認しているし、人目に付く場所での迷惑行為は避けている。
俺は虐待ではあっても不良やチンピラじゃあ無い。そのあたりの節度というものはきちんと守っているつもりだ。
・・・そのかわり、一度やると決めた時は徹底的にやる。赤ゆだろうが妊娠中だろうが、最近ちらほら野良に増え始めてきた準希少種(さなえ、らん種)だろうが、そいつらを分け隔てなく花林糖の材料へと変えてやることもまた、俺が虐待としてのポリシーなのである。

・・・まぁ、自分でも今やっていることがただの妬みだということは、十分に理解している。
だけど、俺だってこの一年間、決して恋愛から逃げていたという訳ではない。
色々な事に挑戦し、多くの人と触れ合い、学び・・・・・・ただそれが恋愛という結果には結びつかなかった。ただそれだけのことなのだ。
それに、今回はなにも悲観的な出来事ばかりでは無いのだ。
もしかしたら俺にも、新たな出会いのチャンスが訪れるかもしれないのだから――


「・・・そういえば、まだあいつに送った分の余りが少しだけ残ってたな・・・・・・せっかく金出して買ったもんだし、それも全部料理しちまうかな・・・」

ふと、友人にあげたプレゼントの事を思い出し、俺はこたつ布団からもぞもぞと這い出すと、キッチンへと歩みを進める。
ついさっきまで花林糖を調理していたその場所からは、未だに甘ったるい匂いが辺りに充満している。

「え~っとご飯は・・・・・・まだあるか。あとはこれと、これと、これと――」

そう呟きながら、冷蔵庫と調理棚から必要な物をひょいひょいと調理棚の上へと並べていく。
前回作った時のものをそのまま片付けていたのもあり、さほど時間もかからずに必要な材料と道具を全てそろえることができた。

レンジで温め直した、どんぶり入りの冷やご飯。

スティック状の袋に入った粉寒天。

小ぶりの鍋とザル、食器類等が数点。

味調整用の調味料。

そして――



「ゆぴゅ~ぃ・・・・・・ゆぴぴぴぃぃぃ・・・・・・」
「うーんうーん、しゅっきりー!(ぷりぷり)」
「ゆぅぅ・・・おにゃかしゅいたぁ・・・」
「のーびのーびするよっ! にょーびにょーび! にょーびにょーび!」
「れいみゅもまけにゃいよ! にょーびにょーび! にょーびにょーび!」
「ゆっち、ゆっち、ゆっち・・・」
「ゆえぇぇぇぇん! ゆえぇぇぇぇぇぇん!」
「おねぇちゃああん・・・おうちゃうたっちぇぇ・・・・・・」
「しょーがないにぇ、きゃわいいれいみゅがおうたをうたってあげりゅよ! ゆんゆゆゆーん♪」
「みんにゃあ! れいみゅがここのりーだーさんなんだよ! ちゃんとめいれいをきいてにぇぇぇ!」
「・・・おかぁしゃん・・・・・・おちょーしゃん・・・どきょ?」

ランチボックスサイズのタッパーに詰められた、大量の赤ゆっくりれいむ達の群れ。
・・・その騒がしく動き回る饅頭共の声を聞いて、俺は無意識のうちに顔をしかめていた。

「あーもう、やっぱラムネを一回かけただけじゃ持たなかったか・・・」

この大量の赤れいむの群れは、加工所が売りだしている商品『食用ゆっくり詰め合わせ』に入っていた奴らである。
通称、動く饅頭と名高いゆっくりであるが、食の安全性が問題視されている現代において、野良や野生のゆっくりをそのまま食べようとする奇特な人間はほとんどいない。
あってもよほど食費に困っている奴か、または先程の花林糖のように熱をかけて調理したり、比較的餡子が新鮮な赤ゆっくりを無理やり生ませて食べる程度だろう。
…そこで、加工所が一般の人がゆっくりを安全に味わうため作り出されたのが、この『食用ゆっくり詰め合わせ』なのである。
雑菌などの不純物が一切混入しないよう徹底的に管理されたそれは、髪の毛からうんうんまで無駄なく食べれるとまで言われている。

ちなみにこの商品、本来は卵パックのような容器に一匹ずつ密封して入れられており、開封後しばらくすると目を覚ます仕組みとなっている。
・・・だが、先日使った分が少しだけ余ってしまい、やむを得ずこのような形で保存していたのだ。
(本来は、開封した直後にすぐ食べるのが食用としては最も理想的である)
ラムネをまいとけば一日くらいは眠ったままになってくれているかと踏んでいたのだが、結果はご覧のとおりの有様であった。

「・・・まぁいいや、チャッチャと済ませちまえば問題無いか」


ぱこり


「「「「ゆゆ!?」」」」

密封していたタッパーの蓋を開けると、中にいた赤ゆっくり達の視線が一斉にこちら側へと向けられた。

「ゆっくちちていっちぇね!」
「ゆん? なーに? ゆっきゅりできりゅのかな?」
「げらげらげらげら! とーっちぇもまにゅけなおかおがれいむをみてりゅよ!!」
「ほんとだにぇ! ゆぷぷ!」
「ゆんっ! どうやらえらばれたそんざいであるれいみゅに、ようっやくきづいたようだにぇ! きゃわいくってごめーんにぇ☆」
「ゆええぇぇぇぇぇん! きょわいよおおぉぉぉぉ!?」
「だ、だだだいじょーぶだよ! おねーちゃんがじぇーったい、いもーちょをまもっちぇあげりからにぇ! ぷきゅーっ!!」
「みんにゃーっ! まぢゅはあのへんないきものを、れいみゅたちのうんうんどりぇいにしゅるよ! しゃっしゃととつげきしてにぇ! すぎゅでいいよっ!!」

定番通りの挨拶をしてくる、割と善良そうな奴。
しょっぱなからこちらを見下してくる奴。
餡子の繋がりも無いのに、姉妹ごっこを演じている奴。
中にはれいむ種としては珍しく、群れのリーダーを気取っている奴までいる。

生まれてこのかたずっと同じ環境、食事で生活してきたはずなのに、たった一日でここまで個ゆん差が出てくるとは、なんとまぁ不思議なもんである。
・・・最も、どっちにしたって最終的に行きつく先は、またみんな一緒になるわけなのだが。

「さて・・・と」
「こ、こっちにこにゃいでにぇ! ぷきゅーっ!!」

とりあえず、一番捕まえやすそうな、目の前でぷくーをしている赤れいむを指先でつまみ、持ち上げる。

「おしょらをとんでるみちゃい!!  ゆぅーっ!? はなしちぇね! れいみゅをはなしちぇね! ぷきゅぅっ! ぷきゅぅぅーっ!!」

まるで握力を鍛えるグリップボールのように手の中でぷきゅぷきゅと膨らんで抵抗している赤れいむの底部を掴んで固定すると、空いている手の人差し指と中指で赤れいむの上半分、ちょうど顔面の部分だけを分断するようにして挟み込む。

「ぷひゅぅぅぅ・・・・・・ぐ、ぐるぢぃ・・・・・・・・・ゃべ・・・ばなぢ・・・・・・・・・で・・・」

顔と体の餡子を無理矢理二分され、手の中のれいむの顔が押し出された餡子でパンパンに膨れ上がる。
そこから漏れだす途切れ途切れの命乞いも気にせず、俺は指で挟み込んだ赤れいむの顔を用意していた鍋の方へと向け、そして――

ブピョッ!!

まるで残り少なくなった歯磨き粉のチューブを絞り出すかのように、押し出された赤れいむの中身が鍋の中に飛び散った。
餡子だけではない。
絞り出される直前まで必死に閉じていた寒天の眼球や、砕けんばかりに食いしばっていた砂糖細工の歯など、赤れいむの顔面を構築していたもの全てが鍋の中に撒き散らされる。

「・・・うん、やっぱり常温に戻して柔らかくした方がやりやすいな。生きもすごく良いし」

俺の手の中では、残った赤れいむの胴体部分がビクンビクンと激しく痙攣していた。
・・・だがこの赤れいむ、実はまだ死んでいない。

ゆっくりの死亡条件は大きく分けて二つ。
致死量(約2/3)の中身の消失か、中枢餡への深刻なダメージである。
先ほどの行為は一見すると派手だが、絞り出した中身は全体の1/3ほどでしかなく、中枢餡もしっかり避けている。
そのため痛みのショックで狂ったり非ゆっくち症になることはあっても、即死にまで至ることは決して無いのである。
・・・顔面を吹っ飛ばされても脳さえ無事ならしぶとく生き続けていられるその姿は、まるで頭の取れたゴキブリを見ているかのようだ。

「さてと、元気なうちにやってかないと・・・」

続いて、赤れいむの顔のあった箇所に人差し指を突っ込み、中枢餡をあまり傷つけないよう気をつけながら、ぐりぐりと傷口を広げていく。

「・・・!・・・!!・・・!!!!!!!!!!!!!!!」

指先を動かすたびに激痛を感じているのか、赤れいむの痙攣が一層激しくなるが、もちろん無視する。
そして、手元に会ったどんぶりの中のご飯を一つまみほど指先ですくい取り、それをれいむの傷口の中に無理やり詰め込んだ。
本来はもち米を使用するのが理想的なのだが、普通のうるち米より高価なうえ、何より手間がかかる。
一口サイズの物を大量に作るのだから、少しくらい手を抜いたって怒られやしないだろう。

ちなみにこの詰め込みの工程からは、赤れいむの饅頭皮が破けてしまったり、中枢餡を多少傷つけてしまっても特に問題はない。
中身が極端に減る絞り出しの時ならまだしも、餡子の代価となる物が詰め込まれてあるならば、体内の餡変換作用によって多少の延命効果が出るからだ。
この料理において必要なのは、完成までに赤れいむがまだ『死んでいない』こと。その結果さえあれば十分なのである。

「・・・まずは一個、と。・・・流石にここまでくると、色々手慣れてくるもんだなぁ」

そう呟きながら、出来上がった饅頭玉の形を手で軽く整える。
もはやそこには、元れいむだった面影はほとんど無くなっていた。
顔面を絞り出され、饅頭皮が破れる寸前にまで飯粒を体内にねじ込まれたその姿は、他のゆっくりからすればさぞ凄惨な惨殺死体として映ることであろう。
その赤れいむの成れの果てを平皿の上へと転がし、間髪いれずにタッパーの中へと手を伸ばす。

「はい次」

半透明のタッパーの中にいる赤れいむ達には、先ほど行われた行為を知るすべはない。
突如上から現れた餡子まみれの手に驚く暇もなく、二匹目の犠牲者がタッパーの外へと掴み出された。

「ふびーっ!? ・・・・・・ぶ、ぶ」

ドピョ!
ぎゅっぎゅっ

「はい次」


「おしょらをとんでりゅみちゃーい♪ ゆゆぅ!? な、なにぎょべ」

ブチュッ!
ぎゅっぎゅっ

「次」

「ゆ」

ビュルルルルルッ!


ドビュ!


ビビビビビビビビビビビッ!


ギュビュピッ!


むりむりむりむりっ!

・・・・・・


次第に前回作った時の勘を取り戻してきたせいか、タッパーの中の赤れいむを始末していくスピードがさらに加速していく。
そこからはもう、れいむ達に悲鳴を上げる暇すらも与えられなかった。
先程まで静寂に包まれていた室内には、赤れいむ達の中身を絞り出す水音。ただそれだけが断末魔のように辺りに響き渡っていった。


・・・・・・数分後、タッパーの中にいた赤れいむ達は、全て物言わぬ饅頭玉となって平皿の上に並べられていた。
そこに上からラップをかけ、冷蔵庫の中へ入れてからやっと、餡子まみれの両手を水道で洗って一息つく。
ここまでくれば、あとの工程は簡単だ。
数時間後、冷えて硬くなった饅頭皮を綺麗にむしり取って、むき出しになった餡子に抹茶の粉をまぶすだけ。
これで、俺の特製『ゆっくり抹茶おはぎ』の完成である。

この料理、一見すると非常に単純な仕組みのようにも思えるが、実はゆっくりの生態をうまく利用して作られた料理なのだ。
ゆっくりは、体内に取り込まれた有機物を餡子へと変換する能力を持っている。
それは一見するとめちゃくちゃな能力のようにも聞こえるが、体内の餡子が接触した対象物を外部から浸食していくその変換工程は、生体が持つ消化液の作用に極めて類似している。
よって、ゆっくりの体内の餡子の量をあらかじめ減らすことで、その餡変換の効率を調節することができるのだ。

今回の料理を例にすると、ゆっくりの体内に詰め込んだご飯を全体的に馴染ませる程度にまで餡変換の効率を下げてやることで、少ない手間でおはぎの食感や歯ごたえを滑らかにすることだって可能なのである。
・・・もちろん、それを自在に調節できるようになるためには、ある程度のゆ虐に関する技術と経験が必要にはなるのだが・・・・・・

「――さ、待っている間に、次の料理といきますか・・・」

手にべっとり付いていた餡子を綺麗に洗い落し、物音一つしなくなったタッパーの中を覗き込む。
そこに唯一残っていたれいむ達のうんうんをかき集め、先ほどれいむ達の中身を絞り出した鍋の中へと入れると、さらに少量の水を加えた。
ついでに絞り出しの際に一緒にむしり取っておいたお飾りと髪の毛もまとめて鍋に放り込むと、それをガスコンロの上に置き、火をつける。
ゆらゆらと鍋の下で踊る炎の様子をしっかり観察しながら、俺はおたまで鍋の中身をゆっくりと掻きまわし始めた。


――まりさ種のお帽子からある程度連想できるかもしれないが、ゆっくりのお飾りに耐水性があるということは、結構広く知られていることではないだろうか。
だが、だからといってそれが特別な素材でできているのかというと、実はそうではない。
お飾りもゆっくりの歯や髪の毛と全く同じ、ただの砂糖細工なのである。
それが耐水性を持つ理由としては、構築しているグルコース分子が変性したものであるとか、お飾りの表面に取り巻く界面活性作用が働いているからだとか、突き詰めれば色々な科学的要因が関係しているらしいのだが、残念ながら俺の頭ではそこまで説明できそうにない。
とりあえず、『水に強いだけで他は大して変わらないよ!』とだけ思って頂ければ問題無いだろう。
・・・そのため、熱をかけてやればお飾りの耐水作用が溶解によって分散し、簡単に水に溶かすことができるのである。


ある程度鍋があったまってきたところで、今度はそこに水に溶いた粉寒天を少しずつ加えていく。
この際、鍋の中身が沸騰しない程度の温度で投入するのが、この料理をうまく作るためのコツだ。
鍋に浸けたままのおたまを掻き混ぜ、お飾りや髪の毛が綺麗に溶けているのを確認してから、ガスコンロの火を静かに止める。
そして、出来上がった餡ペーストに塩、砂糖、水などを加えて味と粘度を調整してから、さっきまで赤れいむとうんうんが入っていたタッパーの中へとそれを流し込んだ。
・・・あとは、冷水につけて一気に冷やし固めた後、手頃な大きさに切り分けてやれば、特製『ゆっくり水羊羹』の完成である。

最初はおはぎの残飯処理のつもりで適当に作ってみた料理だったのだが、やはり二品あった方が何かと見栄えがいいし、饅頭皮以外を余すところなく使うことができるという点も非常にポイントが高い。
この二つの料理を、俺は友人のホワイトデーのプレゼントとして贈ったのである。



――料理の片付けを全て済ませ、俺は料理で余った饅頭皮の入ったボウルを手に再びこたつの中へと潜り込んだ。

「・・・あ~あ・・・・・・ あいつ、俺の特製料理を気に入ってくれたかなぁ・・・?」

ボウルに入った饅頭皮を頬張りながら、さっき読み終わったばかりの漫画の本を再び開く。
ここ数日間、ずっと同じ料理ばかり作り続けていたせいか、まるで労働から解放されたかのような充実感を感じる。
料理自体のアイデアは前々から考えていたものなのだが、いざ実際に試してみるとなると、まさかここまで完成に難儀するとは思わなかった。
材料のゆっくりが即死しないよう絞り方を工夫したり、飯粒を押し込む力具合、饅頭皮の剥ぎ取り方、寒天を溶かし入れるタイミング・・・
これらの工程に何度も何度も失敗と考察を重ね、ついに完成した自慢の逸品なのである。

・・・正直言って、完成までにかかった費用と手間を考えたら、ゆっくりを使うよりもっと良い材料で、遥かに美味しい料理を作ることだって可能だったかもしれない。
だが、それでも俺がこの料理にこだわり続けたのには、ある理由があった。
それは――







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







――何故だ?

「・・・ゅ・・・・・・ぎぃ・・・・・・・・・・・・」
「まりさ!? まりさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

何故、こんな事になってしまったんだ?


胸中で何度そう問いかけても、どこからもその答えは湧き上がってはこない。


――それはほんの数分前・・・・・・いや、数十秒前に起こった出来事であった。
事の発端は、彼女が俺のプレゼントを開けようとしたその瞬間、突然まりさが箱に向かって体当たりをしたことから始まった。
恐らく、中に入っているお菓子を床にバラ撒いて、そのどさくさに紛れて落ちたお菓子を食べてしまおうとでも考えたのだろう。
俺に対しての侮辱だけならまだしも、今日のためにお菓子を作ってくれた友人の気持ちまでも踏みにじったその見下げ果てた行為に、ついに俺はぶち切れた。
早速床に落ちたお菓子に飛びつこうとするまりさを蹴飛ばしてでも阻止しようと、勢いよく椅子から立ち上がろうとした、その時だった。

突然、まりさの体がぶるぶると震えだし、口から大量の餡子を吐き出したのだ。
ごぼごぼごぼっ! という、ぱちゅりー種のエレエレなんかとは比べ物にならないその異常な吐き方を見て、たちまち彼女はパニックに陥った。
今は床に撒き散らされた餡子を必死に両手でかき集め、まりさに飲ませようとしているが、その表情には生気が無い。

「・・・・・・・・・・・!・・・・!!・・・・・・!!!!」
「ど、どどどどうしよぅ・・・・・・まりさが、まりさが死んじゃう、死んじゃうよぉぉぉ・・・・・・」
「・・・と、とにかく治療しないと! オレンジジュースある!?」
「・・・おっ・・・・・・オレ・・・? こんな時に何言って――」
「それがゆっくりの治療薬なんだよ! 無かったら砂糖とか蜂蜜とかでも何でもいい! とにかく甘い物をまりさに与えて!!」

ゆっくりの治療薬がオレンジジュースだとか、そんなことを取らずにゆっくりを飼っていたのだろうか? 俺の一言に目を丸くした彼女の返事を途中で遮り、慌てて周囲を見渡す。
目の前のテーブルに置かれている紅茶は、彼女はレモン、俺に至ってはストレートだ。砂糖どころかミルクすら置いていない。

「砂糖! 砂糖はどこ!?」
「・・・な、無いよぉ・・・・・・今ちょうど切らしちゃってて・・・」

・・・よくそんなんで、歩く死亡フラグと呼ばれるゆっくりを今まで飼えてこれたもんだ。
よほどの剛運か、それともあのまりさが過保護に育てられてきたからなのか・・・
もう二人ではどうしようもできないと悟り、助けを呼ぼうと携帯を取り出す――が。

「・・・・・・・・・・・・」

――どこにかけたら良いのか、全然検討がつかない。

救急車?
それとも警察?
こちらの患者は人間どころか、生き物ですらないのだ。
ゆっくりを専門に取り扱っている動物病院やペットショップなら問題ないだろうが、あいにく虐待専門の俺がそんな連絡先を知っているはずがない。
・・・誰か、誰か相談できそうな奴は――?

とっさに電話の着信履歴から友人の名前が目にとまり、震えた手で発信ボタンを押す。
藁にもすがる思いで着信を待つ傍ら、顔を上げた視線の先に彼女とまりさの姿が映った。

「・・・まりさ・・・・・・これ ・・・これ食べて・・・・・・」
「――!?」

彼女が手に持っているものは、俺にとって見覚えのあるものだった。

「・・・・・・・・・・・・ぁ・・・」

先ほど床にばら撒かれた抹茶おはぎと水羊羹。
俺が彼女にプレゼントするためとして、友人がこの日のために手塩にかけて作ってくれた芸術作品。

「あ・・・・・・・あぁぁ・・・」

『ゆっくりには食わせないように』

包みに入っていた、友人からのメッセージが脳裏に浮かぶ。
当たり前だ。こんな素晴らしい料理、ゆっくりごときに食べるどころか、見ることすらもおこがましい。
「あの」クズまりさにだって、一口たりとも分けてやるものか。
そう、心に誓ったはずなのに――

「・・・ゅ・・・・・・むーしゃ・・・むー・・・・・・・しゃ・・・」
「・・・ああ・・・ああ・・・あ・・・・・・ぁ・・・」


・・・・・・その芸術作品たちは、瞬く間にまりさの口の中へと消えていった。


「・・・良かったぁ・・・・・・まりさ、少しは元気が出たかな?」
「・・・・・・」

落ち着きを取り戻した彼女の声とは裏腹に、俺は力なくその場に崩れ落ちた。
いつもなら聞くだけで元気の出る彼女の明るい声が、今は俺の胸をちくちくと傷つけてくる。
確かに、結果的にまりさの命は助かった。
・・・だが、それと引き換えに俺は友人の優しさを完全に裏切ってしまったのだ。

「もう少しの辛抱だよ、すぐにお医者さんの所へ連れて行ってあげるからね・・・」

まりさは何も答えない。ただもぐもぐと、無表情のまま口の中のものを咀嚼している。
先程とは打って変わって静かになったまりさの姿に安堵したのか、彼女はその頭を帽子ごしに優しく撫でる。
そして、中身を吐き出さないよう抑えていた手をゆっくりと離した――

――その瞬間。


「・・・ゆべばァ!!!」

突如、まりさが言葉にできないような悲鳴を上げ、全身の穴という穴から餡子を勢いよく噴き出した。
・・・いや、それはもはや『爆ぜた』と言い表した方が近いかもしれない。

びちびちびちびちっ!!

床を、壁を、テーブルを、至近距離にいた彼女の体を、まりさの一部だったものが汚染していく。

びゅびびっ! びびっ! びっ・・・

まりさ本ゆんからはもはや声も無く、中身と共に下痢便のような噴出音だけが辺りに響き渡る。
もしかしたら、何かしらの悲鳴か絶叫を上げていたのかもしれないが、それが俺と彼女の耳に届くことは二度と無かった。

・・・ドピョッ!

やがて、中枢餡と思しき一握の餡子の塊を吐きだすと、まりさの体は完全に機能を停止した。
後に残ったのは、中身を失った饅頭皮のデスマスクだけ。
目も、舌も、歯も、まりさの顔面を構築していたものの大半は餡子の流出によって無残に吹き飛び、残っていた髪の毛と黒帽子だけが、『それ』が元まりさであったことをかろうじて証明していた。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

惨劇の一部始終を見ていた彼女は、先程から一言も声を発していない。
口元を半開きにして呆けた表情のまま、足元のまりさだったものを見つめ続けている。

「・・・・・・」
「・・・・・・ぇ・・・・・・あ、あの・・・さ・・・・・・」

気まずい雰囲気に耐えきれなくなり、彼女に向かってしどろもどろになりながらも話しかけてみる。

「・・・だ・・・・・・・・・大丈夫?」


・・・我ながら、なんとセンスの欠片も無い言葉だろうと、口に出した後で少し後悔した。
それでも、今の空気を少しでも和ませようと必死に会話を繋ごうと努力して出た結果である。

「・・・ね・・・ねぇ、 ・・・・・・聞こえてる・・・・・・かな?」

――だが、それに対する彼女の反応は、俺の予想とは遥かに異なった結果となった。

「ひっ!?」
「???」


俺が彼女の視界の中に割り込んで入った瞬間、その小さな体がびくりと硬直した。
一緒にホラー映画を見た時ですら全く動じなかった彼女がそんな反応を見せるのは、俺にとっても初めてのことだった。

「え? あ? ど、どうし――」
「こ・・・来ないで! 来ないで来ないで来ないでぇぇ!!」

思わず伸ばした俺の手を勢いよく叩き落とし、彼女がのろのろとテーブルに寄りかかりながらも立ち上がる。
今にも崩れ落ちてしまいそうなほど震えた足取りだが、俺から距離を取ろうと必死になっている事だけは十分に読み取れた。

「ま、待てよ・・・何で逃げんだよ? 俺は何も・・・」
「ひっ!? ひぃ・・・・・・ぁ・・・・・・ぁ・・・・・・」

俺の足が一歩前進したの見て、彼女の表情にさらに怯えと恐怖の色が増した。
彼女の手がテーブルの上へと伸び、そこにあった何かを掴んでこちら側へと向ける。

「・・・ひぃ・・・・・・ひ・・・ひぃ・・・・・・」

それは、俺のプレゼントのために彼女が用意したケーキ用の小型フォーク。
本来の役割とはかけ離れた使い方をされているその銀色の先端は、小さいながらも溢れんばかりの殺気をこちらに向けて発していた。

「ま、まままままままま待てよ! お、俺は何も、何もしてねぇって!!」
「・・・ひぃー・・・っ・・・・・・ひぃーっ・・・」

常軌を逸した彼女の行動に、俺は両手を上げて敵意の無い事を示しながら説得を試みてみる。
・・・・・・が、駄目だ。今の彼女には何を言っても耳に届きそうにない。
それどころか、下手に動いたらマジで刺されそうだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」

張りつめた空気の中、彼女のもう片方の手が部屋の出口を求めて壁を這い動く。
やがて、その指先がドアノブに触れると、勢いよく部屋の外へと飛び出していった。

・・・後に残されたのは、餡子まみれの部屋と、俺一人だけ。


「・・・・・・」

――何で、こんな事になっちまったんだ?

毒?
いや、友人の作ったお菓子には、毒なんか入っちゃいなかった。それは俺自身が身をもって実証済である。
それなのに、何故・・・・・・?

「・・・くそっ、何がどうなってんだよ・・・・・・!」

ぐちゃっ!

湧き上がってくる苛立ちと鬱憤を紛らわせるために、俺は足元に転がるクズ野郎の死体を勢いよく踏みつぶしていた。







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






ゆっくりはその名の通り、周囲の環境や雰囲気に非常に敏感な生物である。
周囲にゆっくりした環境を感じ取ればすぐに群がり、少しでもゆっくりのおこぼれを得ようとずうずうしく立ち回るその姿は、まるで夜の電灯に群がる羽虫の如し。見るもの全てを不快にさせる。

そして今日はホワイトデー。彼女との甘く、ゆっくりとしたひと時で溢れかえる一日である。
さらには好物のあまあままで出てくるという、ゆっくりにとって最高のシュチュエーションだ。それを家ゆや野良ゆ等が黙っていられる訳がないだろう。
もしこれが普通のカップルならば、多少気まずい雰囲気が流れるくらいで済むだろうが、あいつの場合はそうはいかない。
なぜなら奴は虐待鬼威惨。しかも俺とは比べ物にならないほどの筋金入りだからだ。
ゲスだろうが善良だろうが、胴付きだろうが希少種だろうが、分け隔てなく虐待・虐殺をおこなうその徹底ぶりは、友人の俺ですら時として引いてしまうほどである。

いくら害獣であっても、生物のカテゴリーとして分類されていなくても、大抵の人は何かを傷つける姿を見ることに嫌悪感を示す。しかもそれが人語で意思疎通ができるのなら尚更である。
もしあいつの本性が彼女の前で露呈してしまったならば、もれなくあいつの恋はそこで終わりを告げるであろう。
それはそれで「ざまぁw」と言いたくもなるのだが、同時に俺の新しい出会いもパァである。今回ばかりはできれば避けたい所だ。

・・・そこで、俺が考えたのがこの『料理』である。
ゆっくり種の特異な習性や行動には数多くあるが、その中の一つに『死臭』というものがある。
死んだゆっくりの死骸や身に着けていた物、その場所などに対してゆっくりは悪臭を感じるというもので、その作用はしばし野良ゆっくりの駆除剤などにも利用されている。
しかしこの死臭、一見名前からすると死んだゆっくりの腐敗によるものだと思われがちだが、それは大きな間違いである。
これは最近の研究によるものだが、ゆっくりはその命を失う瞬間、全身から残留思念のようなものを放出することが明らかとなっている。
それらは死んだゆっくりがゆん生の中で受けた痛みや苦しみ、飢えやストレスなどの『ゆっくりできない』感情が蓄積されたものであるらしく、自身の死と同時にそれらの感情も一緒に手放すのだそうだ。
そう考えると、ゆっくりにとって死を比喩する『えいえんにゆっくりする』という言葉も、あながち間違いではないのかもしれない。

ここまで書けば、もうお気づきの方も多いと思うが、この残留思念こそが、ゆっくりの『死臭』の正体である。
それはいわば生物で言うフェロモンのようなものに近い。当のゆっくり本ゆんでさえ、見ることも触ることもできないその残留思念を匂いによるものだと勘違いしているにすぎないのだ。
また、死臭が発生するのはゆっくりが死ぬ瞬間のみであり、それ以降は発生することは無い。だから死ぬ際にお飾りを外していた場合には死臭が付着しないし、死んでから数段階の工程をおいて加工されるゆっくりフードからも死臭が発生しないのである。

・・・さて、以上の事を踏まえて先程の料理の説明へと戻ろう。
この料理における最大のポイントは、調理し終わったゆっくりを出来るだけ長く活かし続けておく点にある。
ゆっくりは見かけによらず、生への執着心が非常に強い。それも生まれてこのかた希望しか抱いていない赤ゆっくりなら尚更だ。
先程作ったおはぎのように中身を吐き出せないよう顔面を潰し、餡変換できるものを無理やり押し込んでおけば、少なくても一日くらいはこの世に生を留めていられるだろう。
・・・苦痛しか味わうことのできない、最強最悪のゆん生を。

俺があいつにプレゼントを贈ったのは二日前。当日まで頻繁に箱を開けたりしなければ、今頃箱の中は数十匹分のゆっくりの死臭ではち切れんばかりに満たされていることだろう。
実際に試してはいないから何とも言えないが、もし室内で蓋を開ければの家中のゆっくりが悶え苦しむくらいの破壊力は発揮するのではないだろうか。


・・・ちなみに、唯一の欠点を挙げるとするなら、もし彼女がゆっくりに対して愛で派の人間だった場合なのだが・・・・・・まぁ、この点に関してはまず問題無いだろう。
あいつとは数年間の付き合いだからこそ、断言できる。どれだけあいつが血に飢えた狼といえど、飼いゆっくりと一緒に生活することなど絶対に不可能だということを。
例えるならば、自分の手の上で呑気に血を吸っている蚊を見つけて、吸い終わるまで何もするなと言っているようなもの。あいつにとってゆっくりとはどんな種族であろうとその程度の扱いでしかないのだ。
それに、万が一のことも考えて手紙も入れておいたし、ここまでやっておけば流石に余計なトラブルは起こらないだろう。

・・・・・・思い起こせば、俺がゆ虐に目覚めたきっかけも全て、あいつと出会った事が発端だった。
この花林糖だってそうだ。去年のバレンタインにあいつがゆっくりのぺにぺに狩りに誘ってくれなかったら決して生まれなかった料理だっただろう。


俺が友人のプレゼントにこの料理を選んだ、もう一つの理由。
嗅ぎなれたゆっくりの死臭の匂いから、俺と過ごした数年間をちょっとでも思い出して欲しかったから。
時が経ち、たとえ居場所も立場も変わってしまったとしても、楽しかったあの日々の思い出だけは忘れずにいてほしい。
そんな願いも、あの料理には込められているのだ。

「・・・・・・さて、久しぶりに積みっぱなしのゲームでも片付けに・・・・・・    ん?」

再び漫画を読み終わり、ゲーム機を出そうとこたつから這い出ようとしたその時、ズボンに入れていた携帯がさっきから振動しているのに気がついた。

「あぁん? 何だよこんな時に・・・・・・?」

慌ててポケットから取り出した携帯の液晶画面には、友人の名前が映っている。しかもメールではなく電話であるときたもんだ。
今頃彼女と会っている頃のはずだから、お礼の電話にしてはタイミングがおかしい。
一体何の用なんだろうか?

ピッ

「はいもしもし。何の用だ?」
「・・・・・・」

無言。

「もしもーし、どうした? おーい?」
「・・・・・・」

何度か通話口に向かって呼びかけてはみているが、一向に何の返事も返ってこない。

「おーい、電波が悪いのか? かけてきたのはそっちだろーが、何か言えよー!」
「・・・・・・」
「切るぞ」

ただの送信ミスか。それとも意図的な嫌がらせか。
無言電話ではその真意を確かめるすべもなく、俺は終了ボタンを押そうとした。

「・・・――・・・――・・・」
「?」

その時、耳に当てている受話器の奥から、かすかな物音がしているのに気がついた。
聞いているだけで人を不安な気持ちにさせるような、唸り声に近い無機質なサイレン音。
次第に大きくなっていくその音に首を傾げながらも、俺は無視して電話を切ることにした。

・・・だが、その音の正体はすぐに明らかとなった。

その夜、警察から連絡があり、友人が事件の容疑者として事情聴取を受けている事を聞かされた。

容疑は、殺人未遂。

お菓子を食べた飼いゆっくりが突然悶え死んだことから、何かしら毒物が混入されていた疑いがあるというのだ。
そして、友人の供述によって俺へと連絡が回ってきたというわけである。
話を聞いて驚いた。俺のちょっとしたお節介が、ここまでとんでもない事態を引き起こしていたというのだから。
結局、次の日には俺も警察の下に出頭させられる羽目となり、そこで丸一日もかけて取り調べを受けることとなってしまった。


――結論からいえば、俺は何の罪にもならなかった。

今やゆっくりを原材料とした食品は数え切れないほど出回っており、今回作った和菓子とて例外ではない。
ただそれに、ゆっくりへの悪意が込められているかどうか。それだけの違いである。
・・・最も、その悪意を警察が感じ取れる訳も無く、さらには和菓子自体にも毒物が検出されなかったことも後押しとなり、最終的には「友人がゆっくり料理を好きだったからプレゼントした。こうなるとは知らなかった」の一点張りで押し通すことができたのだった。

友人においても同じだった。
ゆっくりには有害だったとはいえ、それを与えるのを推していた訳では無く、むしろ否定的だったこと。
何より死亡の原因の大半が飼い主の管理不届きによるものであったこともあり、こちらも最終的には示談で片がついたらしい。
『らしい』というのは他の人づてに聞いた話だからだ。あの事件以降、あいつからは一切連絡はこないし、俺も無意識のうちに避けてしまっている。
なんだかんだで、あいつには本当に悪い事をしたなと反省しているが、それを言い出せずにいる。そんな心境だった。


・・・かくして、それぞれの思い違いが最悪の結果を引き起こした『白い悪魔事件』は、お互いに深い亀裂を残したまま、静かに幕を閉じようとしていた・・・・・・・・・・・・







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





おまけ
(※世界○見え風)


あれから一年後、彼ら二人は一体どうしているのだろうか?
今日はちょうどバレンタイン当日。早速我々が事件のあった街へ尋ねてみると――

――そこには、元気に野良ゆっくりのぺにぺにを狩り取る二人の姿が!
そう、彼ら二人はこの一年という月日の中で、既に和解することができていたのである!

それにしても、パン切り包丁とラジオペンチを片手にぺにぺに狩りを行うその姿は、見ているこちらがため息をついてしまうほどに鮮麗されたものである・・・
そんな二人に、今の心境について尋ねてみることとしよう。


『俺』
「あの時のことは、今でも鮮明に覚えていますよ。まさかあのお菓子が、あそこまでの事件になるとは思っていませんでした。
正直、あいつとの友情も、そこで完全に終わった。 そう思い続けていました・・・
・・・だけど、半年ぐらい経った頃でしょうか。突然あいつがうちに訪ねてきて、こう言ったんです。
『もう一度、俺も仲間に入れてくれないか?』って・・・・・・ええ、そりゃあもう喜んで首を縦に振りましたよ」


『友人』
「事件のあったあの日、俺の中にあったのは友人に対する憤りしかありませんでした。そりゃあそうでしょう。人の恋愛をメチャクチャにされたんですから。
・・・でも、事情聴取を受けているうちに、警察の人からどうして彼女があんなに怯えていたのかを知って、俺は背筋が凍る思いをしました。

笑っていたらしいんです。クズまりさの死体を見ている俺の顔が。
それも、彼女が今までに一度も見た事が無いほど、満面の笑みだった、と。
・・・・・・やっぱり、どんなに自分を偽っていても無意識のうちに出てしまったんでしょうね。鬼威惨としての本性が。

今思うと、あそこで彼女との関係が終わったのは、ある意味お互いにとって良かったのかもしれないですね。
もしあのまま彼女と無理して付き合いを続けていたとしたら、もっと最悪の結末となることも十分予想できましたし。
彼女? いやぁ、もう無理して他人に合わせようとするのはこりごりだよ。
しばらくは・・・そう、一年ぶっ通しで溜めこんでたストレスとブランクを解消しないとね!」

そう言うと彼は、先程から脇に抱えていた野良まりさを慣れた手つきで振動させると、すかさずラジオペンチでその隆起しかけているぺにぺにの根元を挟み込んだ!

「ゆべぇ!? いじゃ! いじゃいいぃぃぃぃぃぃぃぃい!?」
「こうやって饅頭皮に薄く跡が残る程度の力で挟み込んで、そこからゆっくりと潰していった方が良いリアクションするんですよ」

ギチギチギチギチ・・・・・・

「あごがかガががカぼがボががががが!? あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

まるでできて当然のように説明しているが、彼のラジオペンチを持つ手は震え一つ起こしていない。
これこそ彼の圧倒的な集中力と経験によってなせる技なのであろう。

「い゛! イぎ・・・・・・やべ・・・・・・で・・・・・・・・・・・・」
「なんで?」
「ま゛り ざ・・・・・・なに ぼ じでな・・・・・・の に・・・・・・」
「ああそうだな、お前は何もしてないなぁ」

ギギギギギギギギギギギ

「あががががががガががががががががあ゛あ゛ぁ゛!?」
「でもさぁ、今、お前の顔見るとすっごい腹立つんだよ。こんな奴に一年間もナメられ続けてたと思うとなぁ!」

ぶちぶちぶちぶぢぶぢぶぢぶぢっ!!

「g@ガギrtrtヨebtrer^べrtbpばaaぁぁ!!!!????」
「恨むんならそいつを恨むんだなァ!! ヒャッハァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアア!!」

所要時間、たったの二分。
それだけの時間で、ぺにぺにを潰されたまりさは非ゆっくり症を突き抜けて廃ゆにまでなってしまったのである!
これぞまさに神業!!

「・・・昔は、もっと手際良くやれたんですけどね(笑)」

そう言う彼の表情は、一年前とは比べ物にならないほど晴れ晴れとしたものであった。
きっとこれからも、二人の友情は末永く続いていくことになるのであろう。

(拍手)












あとがき

初めての時期ネタ投稿
今回のSSは、一年前にすでに八割方完成していたのですが、投稿直前のアクシデントによって一年間温めておくことに・・・・・・

そして気がついたら、一年前よりSSの容量が三倍にまで増えていました。

れいむ種は好きですが、やっぱり和菓子の材料にはこし餡が一番便利です。


※追伸
誤字多数との指摘があり、読者様には大変ご迷惑をおかけしました。
今後はさらに綿密な見直しの後に投稿させていただきます。


バニラあき


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