ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4277 野良さなえ
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ankoss
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『野良さなえ』 93KB
愛で 観察 思いやり 愛情 不運 差別・格差 誤解 日常模様 群れ 野良ゆ 希少種 都会 現代 愛護人間 かなり多くのジャンルを含みます。タグ付がちょっと難しいです
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タグ付が難しいので少し注意書きを。
このSSは、希少種いじめがあります。
また、不快なゆっくりがいますがそのゆっくりも大して苦しみません。
そして、ゲスな人間も多いです。
以上、よろしくお願いします。
このSSは、希少種いじめがあります。
また、不快なゆっくりがいますがそのゆっくりも大して苦しみません。
そして、ゲスな人間も多いです。
以上、よろしくお願いします。
以前書いたもの
anko4184 捕食者としての人間
anko4184 捕食者としての人間
ビルが埋め尽くす大都会にぽっつりと存在する緑の空間。
忙しない日々を送る人たちのために作られた自然公園には、日々仕事につかれた人々が憩いの場として訪れる。
その一角、木々が生い茂り薄暗い、人間のあまり立ち入らない場所に無数に立ち並ぶダンボールハウス。
ここは公園の管理やゲスゆっくり排除、すっきり規制等を条件として公園に住むことを許された野良ゆっくり達の群れである。
時はまだ薄暗い日の出直前、ダンボールハウスの一つに野良としては珍しい緑髪のゆっくりが寝ていた。
忙しない日々を送る人たちのために作られた自然公園には、日々仕事につかれた人々が憩いの場として訪れる。
その一角、木々が生い茂り薄暗い、人間のあまり立ち入らない場所に無数に立ち並ぶダンボールハウス。
ここは公園の管理やゲスゆっくり排除、すっきり規制等を条件として公園に住むことを許された野良ゆっくり達の群れである。
時はまだ薄暗い日の出直前、ダンボールハウスの一つに野良としては珍しい緑髪のゆっくりが寝ていた。
野良さなえ
1.
「さなえ、おねむのところわるいんだけど、ゆっくりおきてほしいんだぜ。」
「むにゃむにゃ・・・ゆっくりおきます・・・まりささん、どうしたんですか?」
人間に許可をもらって生活しているこの群れには、やるべき仕事がたくさんある。中には早朝にこなさなければならない仕事もある。
ゆっくりにとって朝早く起きることはなかなか難しいことであるが、生きていくためには仕方がない。
この群れでは早番と遅番を分けて定期的に交代していた。
さなえも昨日まで早番で、朝眠い中仕事をしてきたため、ようやく今日から暫くは朝、少しはゆっくりできると思っていた矢先のことであった。
「さなえ、おねむのところわるいんだけど、ゆっくりおきてほしいんだぜ。」
「むにゃむにゃ・・・ゆっくりおきます・・・まりささん、どうしたんですか?」
人間に許可をもらって生活しているこの群れには、やるべき仕事がたくさんある。中には早朝にこなさなければならない仕事もある。
ゆっくりにとって朝早く起きることはなかなか難しいことであるが、生きていくためには仕方がない。
この群れでは早番と遅番を分けて定期的に交代していた。
さなえも昨日まで早番で、朝眠い中仕事をしてきたため、ようやく今日から暫くは朝、少しはゆっくりできると思っていた矢先のことであった。
「ゆぅ・・・えきまえで、きしょうしゅさんが、ずっとさけんでいるんだぜ・・・
まりさたちが、にんげんさんのめいわくになるから、しずかにしてねっていっても
つうじょうしゅのぶんざいで、きしょうしゅにくちをきくなって、きいてくれないんだぜ・・・」
「そうですか・・・わかりました、まりささん、ゆっくりせっとくにいきますので、みちあんないをおねがいします。」
「ごめんなんだぜ・・・さなえ、えーりんはびょうきのゆっくりのかんびょうがあるし、めーりんはほかのしごとがあるから、さなえしかたのめるゆっくりがいなかったんだぜ・・・」
「いえいえ、さなえにしかできないことであればよろこんでひきうきますよ」
二匹はそう話しながら駅前まで跳ねていった。
まりさたちが、にんげんさんのめいわくになるから、しずかにしてねっていっても
つうじょうしゅのぶんざいで、きしょうしゅにくちをきくなって、きいてくれないんだぜ・・・」
「そうですか・・・わかりました、まりささん、ゆっくりせっとくにいきますので、みちあんないをおねがいします。」
「ごめんなんだぜ・・・さなえ、えーりんはびょうきのゆっくりのかんびょうがあるし、めーりんはほかのしごとがあるから、さなえしかたのめるゆっくりがいなかったんだぜ・・・」
「いえいえ、さなえにしかできないことであればよろこんでひきうきますよ」
二匹はそう話しながら駅前まで跳ねていった。
「おにいさーん!どこにいっちゃっただー!らんはきしょうしゅなんだ!そこらへんのゆっくりとはちがうんだー!」
「らんしゃまー!おなかがすいたんだよー!わからないよー!」
「にゃーん!おにゃきゃしゅいたよー」
「らんしゃまー!おなかがすいたんだよー!わからないよー!」
「にゃーん!おにゃきゃしゅいたよー」
さなえとまりさが着いた時、らんとちぇんとその子供であろう赤ちぇんが駅前のロータリーで叫んでいた。
幸いまだ人通りは少ないが、もう少し時間が経つと人は増えて邪魔な事この上ないだろう。
人間との協定上、公園に住むゆっくり達にはゆっくりのトラブル解決も求められている。
もちろん群れ以外のゆっくりに関してはできる事はそう多くないため可能な限りで構わないのだが、
まりさもさなえも人間に余計な手間をかけさせたくないし、それ以上に野良ゆっくり全体の印象をこれ以上悪くすることは避けたかった。
幸いまだ人通りは少ないが、もう少し時間が経つと人は増えて邪魔な事この上ないだろう。
人間との協定上、公園に住むゆっくり達にはゆっくりのトラブル解決も求められている。
もちろん群れ以外のゆっくりに関してはできる事はそう多くないため可能な限りで構わないのだが、
まりさもさなえも人間に余計な手間をかけさせたくないし、それ以上に野良ゆっくり全体の印象をこれ以上悪くすることは避けたかった。
「れいむ、ありす。さなえをつれてきたのぜ・・・あ、ありす!そのけがはどうしたのぜ!」
「ゆ、まりさ、さなえ・・・だいじょうぶよ、すこし、いたいだけだわ。」
「ゆーん・・・まりさがさなえをよびにいったあと、れいむはもういちど、らんたちのせっとくにいったんだよ。
そしたららんがいきなりたいあたりをしてきて・・・ありすはそのときれいむをかばって・・・
ゆわーん!れいむがよけいなことをしなければ!ごべんねーありずぅ・・・」
「いいのよ、れいむ。ありすはれいむよりながくいきていて、からだもじょうぶだから、これぐらいへっちゃらよ!」
「ありすさん、だいじょうぶですか?ぺーろぺーろ、いたいのとんでいけー」
「ありがとう、さなえ。ありすはだいじょうだから、らんたちをたのむわ、このままだとらっしゅさんのじかんになってしまうわ。
そうなるとにんげんさんのじゃまになってしまって、とかいはじゃないわ。」
「ゆ、まりさ、さなえ・・・だいじょうぶよ、すこし、いたいだけだわ。」
「ゆーん・・・まりさがさなえをよびにいったあと、れいむはもういちど、らんたちのせっとくにいったんだよ。
そしたららんがいきなりたいあたりをしてきて・・・ありすはそのときれいむをかばって・・・
ゆわーん!れいむがよけいなことをしなければ!ごべんねーありずぅ・・・」
「いいのよ、れいむ。ありすはれいむよりながくいきていて、からだもじょうぶだから、これぐらいへっちゃらよ!」
「ありすさん、だいじょうぶですか?ぺーろぺーろ、いたいのとんでいけー」
「ありがとう、さなえ。ありすはだいじょうだから、らんたちをたのむわ、このままだとらっしゅさんのじかんになってしまうわ。
そうなるとにんげんさんのじゃまになってしまって、とかいはじゃないわ。」
ロータリーの反対側にはまりさと行動していたれいむとありすがいた。
始めは三匹で説得を試みていたまりさ達だが、らんは通常種の、それも野良の言い分など聞く気もなかったようで
それなら同じ希少種の説得ならということで、一番足の早いまりさが公園に戻ってさなえを呼んできたのである。
その間、れいむはもう一度説得を試みたが全く聞いてもらえずそれどころか攻撃を開始された。
ありすはとっさに反応しれいむをかばったものの、かわりに自分がダメージを受けてしまった。
幸いにも大事には至らなかったものの、傷は痛々しくれいむは自分の責任だと泣いている。
始めは三匹で説得を試みていたまりさ達だが、らんは通常種の、それも野良の言い分など聞く気もなかったようで
それなら同じ希少種の説得ならということで、一番足の早いまりさが公園に戻ってさなえを呼んできたのである。
その間、れいむはもう一度説得を試みたが全く聞いてもらえずそれどころか攻撃を開始された。
ありすはとっさに反応しれいむをかばったものの、かわりに自分がダメージを受けてしまった。
幸いにも大事には至らなかったものの、傷は痛々しくれいむは自分の責任だと泣いている。
さなえはらんたちを見る。
らんは比較的綺麗な外見だが帽子の一部が破れているのが見える。ちぇんは野良らしく汚れていて、明らかに野良であろう。
恐らくらんは本当に元飼いゆっくりだったのであろう。
しかし出来はあまり良くなく、自分は希少種だから優秀だと根拠のない自信を持ち、野良ちぇんとかってにすっきりをして子どもを作ったため愛想をつかした飼い主にすてられたのだろう。
らんは比較的綺麗な外見だが帽子の一部が破れているのが見える。ちぇんは野良らしく汚れていて、明らかに野良であろう。
恐らくらんは本当に元飼いゆっくりだったのであろう。
しかし出来はあまり良くなく、自分は希少種だから優秀だと根拠のない自信を持ち、野良ちぇんとかってにすっきりをして子どもを作ったため愛想をつかした飼い主にすてられたのだろう。
「らんさん、ちぇんさん、ゆっくりしていってね!」
「「「ゆっくりしていってね!!!」」」
とにかくさなえは話しかけることにした。先ほどまでまりさ達を相手にしなかったらんも、さなえ相手には普通に挨拶をした。
「「「ゆっくりしていってね!!!」」」
とにかくさなえは話しかけることにした。先ほどまでまりさ達を相手にしなかったらんも、さなえ相手には普通に挨拶をした。
「らんさん、ここはにんげんさんたちが、おおくとおるところですよ、いまはまだそうじゃないけど、
もうすこししたら、にんげんさんたちのじゃまになってしまいます。それにおちびちゃんをふみつぶされてしまうかもしれません。」
「ゆー・・・でもらんのおにいさんは、らんたちをおいていってから、もうみっかもたっているんだ。
らんはずっとまっていたんだけど、おにいさんはこなくて・・・それでおにいさんとたまにきたここなら、あえるかもしれないとおもったんだ」
「わからないよー!らんさまといっしょになったら、にんげんをどれいにしてあまあまをたべれるとおもったのにー」
「ゆぇぇん!あみゃあみゃ!おにゃきゃしゅいたよー!」
もうすこししたら、にんげんさんたちのじゃまになってしまいます。それにおちびちゃんをふみつぶされてしまうかもしれません。」
「ゆー・・・でもらんのおにいさんは、らんたちをおいていってから、もうみっかもたっているんだ。
らんはずっとまっていたんだけど、おにいさんはこなくて・・・それでおにいさんとたまにきたここなら、あえるかもしれないとおもったんだ」
「わからないよー!らんさまといっしょになったら、にんげんをどれいにしてあまあまをたべれるとおもったのにー」
「ゆぇぇん!あみゃあみゃ!おにゃきゃしゅいたよー!」
にんげんをどれい、この文句にさなえ、そして遠くから聞いていたまりさ達は衝撃を受けた。
いったい、このちぇんはこれまでどうやって生き延びてきたのだろう?
とにかくこのゆっくり達を放置するわけにはいかない。しかし、だからといってどうする?
いったい、このちぇんはこれまでどうやって生き延びてきたのだろう?
とにかくこのゆっくり達を放置するわけにはいかない。しかし、だからといってどうする?
「とにかく・・・ここにいたら、かこうじょのしょくいんさんが、きてしまうかもしれません。
それにおちびちゃんたちも、おなかがすいているみたいですし、とりあえずさなえのおうちまできませんか?」
「にゃ!ごひゃん!ごひゃん!ちぇんはあみゃあみゃがたべちゃいんだよー!わかれよー!」
「らんさまー!ちぇんはおなかがすいたんだよー!ゆっくり、さなえのおうちにいこうね!」
「ゆぅ・・・わかったよ!ゆっくりよろしくたのむぞ!さなえ!」
それにおちびちゃんたちも、おなかがすいているみたいですし、とりあえずさなえのおうちまできませんか?」
「にゃ!ごひゃん!ごひゃん!ちぇんはあみゃあみゃがたべちゃいんだよー!わかれよー!」
「らんさまー!ちぇんはおなかがすいたんだよー!ゆっくり、さなえのおうちにいこうね!」
「ゆぅ・・・わかったよ!ゆっくりよろしくたのむぞ!さなえ!」
なんとか説得は成功したようである。そう、まずはここから動かさなくては。
ロータリを出る時、さなえはまりさ達を見た。まりさ達も今、自分たちがらんと接することは避けるべきだと思っているのか、
遠く離れていたが、ありがとうなんだぜ!さなえ!と言っているのが口の動きから見てとれた。
遠く離れていたが、ありがとうなんだぜ!さなえ!と言っているのが口の動きから見てとれた。
しかし、まりさ達の仕事はこれからである。
この駅は日本でも有数の大学生達のあつまる場所であり、毎晩酔っ払った若者たちがたむろしている場所でもある。
そのためあたりは心なき人間たちの放置したゴミなどが散らばっている。
それを片付けるのがまりさ達の本来の仕事なのである。
先程らんの説得が難航している時も、とりあえずらんを無視してゴミを拾おうともしたが、それも
汚らしい通常種がいたららん達がお兄さんに見つけてもらえないだろう!と支離滅裂な理論で妨害されてしまった。
さなえの協力も借りてなんとか掃除ができるようになったが、だいぶ時間が経過してしまい人通りも多くなってきた、早く済ませなくては。
まりさとれいむ、まだ傷の痛むありすも人間からもらったビニール袋を取り出して急いでゴミを入れていった。
この駅は日本でも有数の大学生達のあつまる場所であり、毎晩酔っ払った若者たちがたむろしている場所でもある。
そのためあたりは心なき人間たちの放置したゴミなどが散らばっている。
それを片付けるのがまりさ達の本来の仕事なのである。
先程らんの説得が難航している時も、とりあえずらんを無視してゴミを拾おうともしたが、それも
汚らしい通常種がいたららん達がお兄さんに見つけてもらえないだろう!と支離滅裂な理論で妨害されてしまった。
さなえの協力も借りてなんとか掃除ができるようになったが、だいぶ時間が経過してしまい人通りも多くなってきた、早く済ませなくては。
まりさとれいむ、まだ傷の痛むありすも人間からもらったビニール袋を取り出して急いでゴミを入れていった。
「あ、しまった!指輪・・・」
その時っだった、一人の若い女性がちょっとしたきっかけで指輪を落とした。指輪はコロコロと転がり、運悪くそのまま道脇の排水溝に吸い込まれていった。
その時っだった、一人の若い女性がちょっとしたきっかけで指輪を落とした。指輪はコロコロと転がり、運悪くそのまま道脇の排水溝に吸い込まれていった。
「ああ、どうしよう・・・あの指輪、母さんの形見なのに・・・」
排水溝には蓋が付いているがところどころ穴が開いており、指輪は運悪くその穴から落ちてしまったようだ。
排水溝の蓋にはいたずら防止のためか鍵がかかっており、独力ではどうやっても開けられそうにない。
排水溝には蓋が付いているがところどころ穴が開いており、指輪は運悪くその穴から落ちてしまったようだ。
排水溝の蓋にはいたずら防止のためか鍵がかかっており、独力ではどうやっても開けられそうにない。
「ゆう、おねえさん、だいじょうぶ?」
一番近くにいたれいむがお姉さんに話しかける。
「え?ゆっくり?うん・・・私の指輪がここに落ちてしまって・・・」
今にも泣きそうな顔をしながら女性は答える。
一番近くにいたれいむがお姉さんに話しかける。
「え?ゆっくり?うん・・・私の指輪がここに落ちてしまって・・・」
今にも泣きそうな顔をしながら女性は答える。
「ゆぅ・・・」
れいむはあたりを見回す。すると排水口の蓋が一箇所抜けている場所を見つけた。ゆっくり一匹ほどならそこから入っていけそうだ。
れいむはあたりを見回す。すると排水口の蓋が一箇所抜けている場所を見つけた。ゆっくり一匹ほどならそこから入っていけそうだ。
「まりさ、ありす、れいむはおねえさんのゆびわさんをさがすよ!いそがしいけどほっておけないよ!ゆっくりりかいしてね!」
「ゆっくりわかったわ、れいむ。こまったにんげんさんをたすけるのは、とかいはなことね!」
「ゆっくりりかいしたのぜ、まりさたちはごみひろいをがんばるのぜ!」
れいむは他の二匹と確認を取ってから、排水溝の中に入っていく。
「ゆっくりわかったわ、れいむ。こまったにんげんさんをたすけるのは、とかいはなことね!」
「ゆっくりりかいしたのぜ、まりさたちはごみひろいをがんばるのぜ!」
れいむは他の二匹と確認を取ってから、排水溝の中に入っていく。
「大丈夫なの、れいむ?あなた、他にやることがあるんじゃないの?」
「ゆー、れいむたちもおかざりさんなくしちゃったら、ふしあわせーなんだよ!おねえさんにおなじきもちになってほしくないよ・・・」
「れいむ・・・」
「ゆー、れいむたちもおかざりさんなくしちゃったら、ふしあわせーなんだよ!おねえさんにおなじきもちになってほしくないよ・・・」
「れいむ・・・」
お姉さんはふとまりさとありすの動きを見る。ちょうど、まりさがタバコの吸殻を拾ってゴミ袋に入れていた。
足元ではありすが木の枝を使って地面にこびりついたガムを取ろうとしてた。
足元ではありすが木の枝を使って地面にこびりついたガムを取ろうとしてた。
「ありす、ひょっとしてあなたたちは、ここの掃除をしてくれているの?」
「そうよ。これはありすたちのむれと、にんげんさんがむすんだきょうていなのよ。」
「協定?・・・そう、そんなものがあったんだ・・・」
お姉さんは野良ゆっくりがそのような仕事をしていることを始めて知った。駅前でゆっくりが何かしているなと思うことはあったが餌を探しているのだろうぐらいにしか考えていなかった。
実はこの活動はゆっくりんピース等の愛護団体が熱心にポスター等で宣伝しているのだが、ゆっくりんピースをどうにも胡散臭い団体と捉えている人は多く、お姉さんもその例に漏れず、
ゆっくりんピースの文字が見えた段階でポスターの内容など脳みそには入らず、むしろ隣に貼られている野良ゆっくり被害に注意と記された加工所のポスターばっかり目がいっていた。
「そうよ。これはありすたちのむれと、にんげんさんがむすんだきょうていなのよ。」
「協定?・・・そう、そんなものがあったんだ・・・」
お姉さんは野良ゆっくりがそのような仕事をしていることを始めて知った。駅前でゆっくりが何かしているなと思うことはあったが餌を探しているのだろうぐらいにしか考えていなかった。
実はこの活動はゆっくりんピース等の愛護団体が熱心にポスター等で宣伝しているのだが、ゆっくりんピースをどうにも胡散臭い団体と捉えている人は多く、お姉さんもその例に漏れず、
ゆっくりんピースの文字が見えた段階でポスターの内容など脳みそには入らず、むしろ隣に貼られている野良ゆっくり被害に注意と記された加工所のポスターばっかり目がいっていた。
お姉さんはふとれいむの持っていたゴミ袋を見る。中には腐りかけた弁当の残りなども見えた。普段ならば直視に耐えないそれも、お姉さんはじっと見つめる。
(あんなの、手袋をしても触りたくないのに・・・れいむ、あなたは口であれを?)
一瞬、れいむが指輪を拾ったら汚れてしまうのではないかと思ったが、お姉さんはすぐにそれを改めた。
(あんなの、手袋をしても触りたくないのに・・・れいむ、あなたは口であれを?)
一瞬、れいむが指輪を拾ったら汚れてしまうのではないかと思ったが、お姉さんはすぐにそれを改めた。
(いい、ありす?金バッジを取るためには野良ゆっくりと関わってはダメよ!野良ゆっくりは汚いし、ゲスも多いから何をされるか分からないわ。)
実はゆっくりを飼っているお姉さんは、かつて自分が飼いゆっくりにそう教えていたことを思い出していた。
(・・・)
実はゆっくりを飼っているお姉さんは、かつて自分が飼いゆっくりにそう教えていたことを思い出していた。
(・・・)
「れいむはゆっくりでるよ!ゆっくりー!ゆーん!まぶしいよ!おねえさん!ゆびわさんってこれ?」
間の抜けた声で排水溝から出てくるれいむ。
間の抜けた声で排水溝から出てくるれいむ。
「ああ!これよ!これだわ。ほんとうにありがとう!れいむ!」
「ゆーん!よかったよ!」
指輪を手にして喜ぶお姉さん。その様子は本当に嬉しそうだ。その横には得意げなれいむ。
「ゆーん!よかったよ!」
指輪を手にして喜ぶお姉さん。その様子は本当に嬉しそうだ。その横には得意げなれいむ。
「あ・・・れいむ、りぼんに傷が!」
「ゆ・・・だいじょうぶだよ、のらせいかつをしていたら、おかざりさんにきずがはいることなんて、めずらしくないよ!」
「そんな・・・でも私のせいで・・・」
「ゆ・・・だいじょうぶだよ、のらせいかつをしていたら、おかざりさんにきずがはいることなんて、めずらしくないよ!」
「そんな・・・でも私のせいで・・・」
バツの悪そうな顔をするお姉さん。しかし、時計をふと見て慌てはじめる。
「うわ!もうこの時間・・・れいむ、本当にありがとうね!私、仕事があるからもう行くけど、絶対お礼に行くからね。れいむは普段何処で暮らしているの?」
居場所を説明するれいむに対して、お姉さんは携帯電話を取り出し、カメラ機能でれいむを撮影した。
「うわ!もうこの時間・・・れいむ、本当にありがとうね!私、仕事があるからもう行くけど、絶対お礼に行くからね。れいむは普段何処で暮らしているの?」
居場所を説明するれいむに対して、お姉さんは携帯電話を取り出し、カメラ機能でれいむを撮影した。
「ゆ?おねえさん、それはなに?・・・ゆー!?れいむがもうひとりいるよ!?」
カメラを知らないれいむは、画面に映る自分の姿に驚愕する。
カメラを知らないれいむは、画面に映る自分の姿に驚愕する。
「私たち人間はれいむと他のれいむを見分けるのが難しいのよ、これはそうね・・・私とれいむを再び巡り合わせるための魔法かな?」
「ゆー!!!すごいよ!おねえさんはまほうつかいさんだったんだね!!!」
「じゃあ私いくね。ありがとう、れいむ。また会いましょう。お仕事頑張ってね!」
「ゆーん!おねえさんもがんばってね!ゆっくりしていってねー!」
「ゆー!!!すごいよ!おねえさんはまほうつかいさんだったんだね!!!」
「じゃあ私いくね。ありがとう、れいむ。また会いましょう。お仕事頑張ってね!」
「ゆーん!おねえさんもがんばってね!ゆっくりしていってねー!」
お姉さんの姿はもう見えない。れいむはまりさ達と合流し再びゴミ取りや清掃をはじめる。仕事もあと少しで終わりそうだ。
しかし・・・
しかし・・・
「うわ!何だこれ!きたね!」
「ゆゆ!せっかくあつめたごみさんが・・・ゆぇ!にんげんさんごめんなさい!」
「ったく!ゆっくりどもか!てめーらは本当に人間様の街を汚すことしか頭がねえのか!」
寝ぼけた男が足元もろくに確認せずにれいむの袋を蹴っ飛ばし、その中身をぶちまけた。
袋の中には汚れのついたゴミもあり少量であるが男のズボンにもついてしまい、男はえらく不機嫌だ。
「ゆゆ!せっかくあつめたごみさんが・・・ゆぇ!にんげんさんごめんなさい!」
「ったく!ゆっくりどもか!てめーらは本当に人間様の街を汚すことしか頭がねえのか!」
寝ぼけた男が足元もろくに確認せずにれいむの袋を蹴っ飛ばし、その中身をぶちまけた。
袋の中には汚れのついたゴミもあり少量であるが男のズボンにもついてしまい、男はえらく不機嫌だ。
「にんげんさん!すいませんでしたああ!」
「ああ!?てめえらの謝罪は泣き声だってのは良く分かってるんだよ!ふざけやがって!このクズ野郎!」
そう言って男はれいむを蹴っ飛ばした。
「おそらをとんでるみたいいいい!ゆべっ!」
れいむはぶちまけられたゴミにダイブした。
着地地点には腐りかけか、不気味な色に変色したお弁当があり、れいむの肌になんとも言えない色の液体が付着する。
「ずびばぜん、でいぶはまちをよごす、げすなゆっくりです・・・ずびばせん・・・」
チッ!と舌打ちして男は去っていった。なんだか得体のしれないもので汚れたれいむをこれ以上触りたくなかったらしい。
「ああ!?てめえらの謝罪は泣き声だってのは良く分かってるんだよ!ふざけやがって!このクズ野郎!」
そう言って男はれいむを蹴っ飛ばした。
「おそらをとんでるみたいいいい!ゆべっ!」
れいむはぶちまけられたゴミにダイブした。
着地地点には腐りかけか、不気味な色に変色したお弁当があり、れいむの肌になんとも言えない色の液体が付着する。
「ずびばぜん、でいぶはまちをよごす、げすなゆっくりです・・・ずびばせん・・・」
チッ!と舌打ちして男は去っていった。なんだか得体のしれないもので汚れたれいむをこれ以上触りたくなかったらしい。
「れ!れいむ!だいじょうぶなのかぜ!」
「ゆ・・・ゆえーん・・・れいむ・・・なにもわるいことしていないのに・・・」
「わかってる・・・わかっているわ!れいむ!えらかったわ!よくたえたわ!」
れいむ達は人間とゆっくりの力の差をよく分かっていた。
そしていかなる理由があろうと、ゆっくりが人間に逆らった時点で自分だけでなく群れ全体が制裁される可能性があることも。
「ゆ・・・ゆえーん・・・れいむ・・・なにもわるいことしていないのに・・・」
「わかってる・・・わかっているわ!れいむ!えらかったわ!よくたえたわ!」
れいむ達は人間とゆっくりの力の差をよく分かっていた。
そしていかなる理由があろうと、ゆっくりが人間に逆らった時点で自分だけでなく群れ全体が制裁される可能性があることも。
「ゆぅ・・・いまからこうえんにもどるのは、あぶないのぜ、にんげんさんがすくなくなるまで、ひみつきちでたいきするのぜ。」
「「ゆっくりりかいしたよ!」」
その後更に急いでゴミを集めたまりさ達だったが既に人も車を多く、今から公園に戻るのは危険と判断したまりさは
先ほどの排水溝に見を潜めることにした。雨が降れば一網打尽だが幸い今日の天気では雨はふらないであろう。
「「ゆっくりりかいしたよ!」」
その後更に急いでゴミを集めたまりさ達だったが既に人も車を多く、今から公園に戻るのは危険と判断したまりさは
先ほどの排水溝に見を潜めることにした。雨が降れば一網打尽だが幸い今日の天気では雨はふらないであろう。
「れいむ、ありす、おくすりをぬるのぜ。すこししみるけどがまんするのぜ」
少し落ち着いてからまりさは帽子から薬を取り出した。群れのえーりんから貰ったアロエ入りのお薬である。
(なお、これはえーりんのうんうんに色々混ぜてできている)
外は既に行き交う人で騒々しい。ゆっくりできない車の振動も伝わってくるがまりさたちはじっと耐えていた。
少し落ち着いてからまりさは帽子から薬を取り出した。群れのえーりんから貰ったアロエ入りのお薬である。
(なお、これはえーりんのうんうんに色々混ぜてできている)
外は既に行き交う人で騒々しい。ゆっくりできない車の振動も伝わってくるがまりさたちはじっと耐えていた。
2.
さなえはらん一家を連れて公園まで来ていた。
さなえは先程のらんを見るに群れのゆっくりとはひとまず合わせないことが得策と考え、らん達には群れの端で待ってもらい長であるぱちゅりーのところに足を向けた。
さなえはらん一家を連れて公園まで来ていた。
さなえは先程のらんを見るに群れのゆっくりとはひとまず合わせないことが得策と考え、らん達には群れの端で待ってもらい長であるぱちゅりーのところに足を向けた。
「むーしゃ、むーしゃ・・・いまいちー。」
「がつがつ!がつがつ!すくないんだねーもっとちょうだいねー!」
「もっちぇきてねー!」
さなえは人間からもらい、いざというときのため貯蓄していた、ゆっくりフードそれなりーを渡していたが、このらんは飼われている時もっといいものをもらっていたのかあまり食は進まない。
対照的にちぇん親子は汚らしくさなえのなけなしの楽しみを食い散らかしていく。
「がつがつ!がつがつ!すくないんだねーもっとちょうだいねー!」
「もっちぇきてねー!」
さなえは人間からもらい、いざというときのため貯蓄していた、ゆっくりフードそれなりーを渡していたが、このらんは飼われている時もっといいものをもらっていたのかあまり食は進まない。
対照的にちぇん親子は汚らしくさなえのなけなしの楽しみを食い散らかしていく。
「おさ!ゆっくりしていってくださいね!」
「むきゅ。ゆっくりしていってねさなえ!ぱちぇに何か用?」
「はい、じつはかくがくしかじか・・・」
長ぱちゅりーに対面したさなえは今朝の出来事を話し始めた。その話を進めるに連れてぱちゅりーは眉間の皺を増やしていき、
その姿に、やはりこれは厄介事なのだろと、さなえも改めてゆっくりできないものを感じていた。
「むきゅ。ゆっくりしていってねさなえ!ぱちぇに何か用?」
「はい、じつはかくがくしかじか・・・」
長ぱちゅりーに対面したさなえは今朝の出来事を話し始めた。その話を進めるに連れてぱちゅりーは眉間の皺を増やしていき、
その姿に、やはりこれは厄介事なのだろと、さなえも改めてゆっくりできないものを感じていた。
「むきゅ。たぶんそのらんはぱちぇの話は全く聞いてくれないわ。だからえーりんにお願いしましょう。」
「でもえーりんさんは、びょういんのおしごとがいそがしいですし・・・」
「えーりんが行っている間、ぱちぇが代りを務めるわ。アロエさんは出せないけどそれ以外の治療はぱちぇも教わっているから。
さなえは先に行って、らんたちの相手をしておいてね。めーりんも戻ってき次第向かわせるわ。」
「ゆっくりりかいしました。」
そう言って二匹はそれぞれ違う方向に跳ねてゆく。
「でもえーりんさんは、びょういんのおしごとがいそがしいですし・・・」
「えーりんが行っている間、ぱちぇが代りを務めるわ。アロエさんは出せないけどそれ以外の治療はぱちぇも教わっているから。
さなえは先に行って、らんたちの相手をしておいてね。めーりんも戻ってき次第向かわせるわ。」
「ゆっくりりかいしました。」
そう言って二匹はそれぞれ違う方向に跳ねてゆく。
「ゆえーん、ぽんぽんいちゃいよー。」
「わからないよー。」
「ま、まりちゃはしにたくないのじぇ!ゆぴー!おくすりさんはゆっくりできにゃいぃ!!」
「はいはい、死なないからね。でもお薬塗らないともっとゆっくりできないからね。我慢してね。」
「ゆぎゃあああああ!!!!!もっちょゆっくりしちゃかった・・・」
「だから死なないから。」
「わからないよー。」
「ま、まりちゃはしにたくないのじぇ!ゆぴー!おくすりさんはゆっくりできにゃいぃ!!」
「はいはい、死なないからね。でもお薬塗らないともっとゆっくりできないからね。我慢してね。」
「ゆぎゃあああああ!!!!!もっちょゆっくりしちゃかった・・・」
「だから死なないから。」
ここは群れの中にある病院。そこを仕切っているのは希少種の中の希少種とされるえーりんであった。
えーりんがいるおかげでこの群れのゆっくり達の生存率は非常に高いものとなっていた。
(故にゆっくりがなかなか死なないためすっきり制限も厳しく、それ故教育に力を入れるため群れのゆっくりは比較的賢い個体が多かった。)
長のぱちゅりーも優秀な個体であり、大体の疾患には対応できるのであるが、
ゆかび、下痢など人間でもしっかりとした知識を有していないと対処の難しい治療を行えるえーりんには流石にかなわない。
それはえーりんの中身であるアロエエキス入り餡がゆっくりにとって、オレンジジュース以上の万能薬であるからである。
えーりんがいるおかげでこの群れのゆっくり達の生存率は非常に高いものとなっていた。
(故にゆっくりがなかなか死なないためすっきり制限も厳しく、それ故教育に力を入れるため群れのゆっくりは比較的賢い個体が多かった。)
長のぱちゅりーも優秀な個体であり、大体の疾患には対応できるのであるが、
ゆかび、下痢など人間でもしっかりとした知識を有していないと対処の難しい治療を行えるえーりんには流石にかなわない。
それはえーりんの中身であるアロエエキス入り餡がゆっくりにとって、オレンジジュース以上の万能薬であるからである。
「むきゅ。えーりん、お邪魔するわ。ゆっくりしていってね。」
「ゆっくりしていってね、長。朝から来るなんて珍しいじゃない。」
「実は・・・」
...
「・・・そうなの。確かにえーりんが行くしか無いみたいね・・・」
「むきゅ、さなえの話によるとらんは典型的な希少種=優れている、正しいと考えているゆっくりよ。
だから希少種のなかでも更に珍しいとされるえーりんの言うことならば、きっと聞くわ・・・」
「それは分かるわ。でもその後はどうするの?話を聞くにそのらん達がこの群れのゆっくりと上手くやっていけるとは思わないけど。」
「むきゅ。それも分かっているわ。でももしかすると飼い主さんからはぐれてしまったゆっくりの可能性もある以上、ぱちぇたちで勝手に判断するのは危険だわ」
「かといって、放置しておいて人間さんと面倒事を起こされるのも困るというわけね・・・」
「むきゅ、来週には人間さんがこの群れを見に来てくれるわ、その時までは・・・さなえとめーりんに着いてもらうつもりよ」
「その二人につきっきりになってもらうと、他のお仕事が進まなくなるけど・・・たしかにトラブルを防ぐためにはしかたがないわね・・・。」
そう話して、えーりんは長ぱちゅりーに代理を頼みらん達の元へ向かった。
「ゆっくりしていってね、長。朝から来るなんて珍しいじゃない。」
「実は・・・」
...
「・・・そうなの。確かにえーりんが行くしか無いみたいね・・・」
「むきゅ、さなえの話によるとらんは典型的な希少種=優れている、正しいと考えているゆっくりよ。
だから希少種のなかでも更に珍しいとされるえーりんの言うことならば、きっと聞くわ・・・」
「それは分かるわ。でもその後はどうするの?話を聞くにそのらん達がこの群れのゆっくりと上手くやっていけるとは思わないけど。」
「むきゅ。それも分かっているわ。でももしかすると飼い主さんからはぐれてしまったゆっくりの可能性もある以上、ぱちぇたちで勝手に判断するのは危険だわ」
「かといって、放置しておいて人間さんと面倒事を起こされるのも困るというわけね・・・」
「むきゅ、来週には人間さんがこの群れを見に来てくれるわ、その時までは・・・さなえとめーりんに着いてもらうつもりよ」
「その二人につきっきりになってもらうと、他のお仕事が進まなくなるけど・・・たしかにトラブルを防ぐためにはしかたがないわね・・・。」
そう話して、えーりんは長ぱちゅりーに代理を頼みらん達の元へ向かった。
長ぱちゅりーはこの件については、ゆっくりだけでは判断しきれないため人間に委ねることにしたようだ。
この群れが協定を結ぶにあたって、公園の管理者との仲介を行ったのは、知る人ぞ知る愛護団体、ゆっくりんピースである。
ゆっくりんピースというと、暴虐の限りをつくし、ゆっくりを堕落させるまで甘やかすというイメージをもっている人もいるかもしれないが、
あくまでそれはそういう人もいると言った感じであり、そもそも利益を追求する企業ではなく、それぞれの思惑を持ったボランティアからなる団体である。
地域によってその活動方針はだいぶ異なる。そして、この周辺の地域を統括する支部は、恐らく上層部に野良ゆっくりについて熱心な人がいるのであろう。
ぱちゅりーの群れ及び他にも複数の群れの保証人となり、最低限の生存権と自治権を与えていた。
この群れが協定を結ぶにあたって、公園の管理者との仲介を行ったのは、知る人ぞ知る愛護団体、ゆっくりんピースである。
ゆっくりんピースというと、暴虐の限りをつくし、ゆっくりを堕落させるまで甘やかすというイメージをもっている人もいるかもしれないが、
あくまでそれはそういう人もいると言った感じであり、そもそも利益を追求する企業ではなく、それぞれの思惑を持ったボランティアからなる団体である。
地域によってその活動方針はだいぶ異なる。そして、この周辺の地域を統括する支部は、恐らく上層部に野良ゆっくりについて熱心な人がいるのであろう。
ぱちゅりーの群れ及び他にも複数の群れの保証人となり、最低限の生存権と自治権を与えていた。
ゆっくりは駆除しても駆除してもどこからともなく湧いてくるという。今更、町から完全に野良ゆっくりを撲滅することは不可能といっていいだろう。
そして、そのような野良ゆっくりを全て飼いゆっくりにしてやるようなことも当然ながら、できるものなどいない。
それならばせめて、何とか人間と野良で共存関係を築くことができないか模索するのも、愛で派としては当然出てくる選択肢の一つなのであろう。
そして、そのような野良ゆっくりを全て飼いゆっくりにしてやるようなことも当然ながら、できるものなどいない。
それならばせめて、何とか人間と野良で共存関係を築くことができないか模索するのも、愛で派としては当然出てくる選択肢の一つなのであろう。
群れには三週間に一度、ゆっくりんピースのボランティアが来て群れの状態の報告や相談を行うことになっていた。
この群れに毎回訪れるのはまだ30歳前後の男性であるが、群れが協定を結ぶ時から何かと助けてくれた人物であり、ぱちゅりーはこの男性には全幅の信頼を置いていた。
だから、ぱちゅりーはその男性にらん一家を引き渡すまで、いかにトラブル無く過ごさせるかが、自分達の役割だと考えていた。
この群れに毎回訪れるのはまだ30歳前後の男性であるが、群れが協定を結ぶ時から何かと助けてくれた人物であり、ぱちゅりーはこの男性には全幅の信頼を置いていた。
だから、ぱちゅりーはその男性にらん一家を引き渡すまで、いかにトラブル無く過ごさせるかが、自分達の役割だと考えていた。
その頃、さなえはらんとこれまでの経緯を話していた。
「それで、らんはおにいさんにかわれたんだけどな、らんはきしょうしゅなのに、おにいさんはいろいろといいつけがおおくて・・・
まったくれっとうしゅのやつらとちがって、らんやさなえのようなきしょうしゅは、ゆっくりしているのに・・・」
「そ・・・そうですか・・・でもらんさんのおよめやおちびちゃんも、いわゆるつうじょうしゅとにんげんさんはいっていますが・・・」
「な!なにをいっているんだ!さなえ!ちぇんはとくべつだ!そんなことをいうといくらさなえでも、おこるぞ!」
「ちぇんはえらばれたゆっくりなんだねー。わかれよー。」
「にゃー!れいみゅやまりしゃはちぇんのどれいなんぢゃよー!」
「・・・・・・」
「それで、らんはおにいさんにかわれたんだけどな、らんはきしょうしゅなのに、おにいさんはいろいろといいつけがおおくて・・・
まったくれっとうしゅのやつらとちがって、らんやさなえのようなきしょうしゅは、ゆっくりしているのに・・・」
「そ・・・そうですか・・・でもらんさんのおよめやおちびちゃんも、いわゆるつうじょうしゅとにんげんさんはいっていますが・・・」
「な!なにをいっているんだ!さなえ!ちぇんはとくべつだ!そんなことをいうといくらさなえでも、おこるぞ!」
「ちぇんはえらばれたゆっくりなんだねー。わかれよー。」
「にゃー!れいみゅやまりしゃはちぇんのどれいなんぢゃよー!」
「・・・・・・」
さなえにはらんの言い分がよく分からなかった。通常種と希少種でなにがそんなに違うのだろうか。
少なくとも、さなえは長であるぱちゅりーの頭の良さ、先を見通す能力に感心しっぱなしであり、到底敵うとは思っていない。
まりさやちぇんの素早い動きについていけるとは思っていない。
みょんのように見事な剣さばきを真似することは夢にも思っていない。
ありすのようにとかいはな家具を作ることはできない。
れいむのように・・・なんかれいむにしかできない事ってあったけ?・・・それは置いといてれいむも自分に優しく接してくれる。
れいむだけじゃない、この群れの皆はかつて人間さんに捨てられ、行き場のなかったさなえに優しく接してくれた。
そして、いまではかけがえの無い仲間だ。
通常種か希少種か、珍しいか否かでゆっくりの価値が決まるのだろうか?
そんなことはない、断じてない。
少なくとも、さなえは長であるぱちゅりーの頭の良さ、先を見通す能力に感心しっぱなしであり、到底敵うとは思っていない。
まりさやちぇんの素早い動きについていけるとは思っていない。
みょんのように見事な剣さばきを真似することは夢にも思っていない。
ありすのようにとかいはな家具を作ることはできない。
れいむのように・・・なんかれいむにしかできない事ってあったけ?・・・それは置いといてれいむも自分に優しく接してくれる。
れいむだけじゃない、この群れの皆はかつて人間さんに捨てられ、行き場のなかったさなえに優しく接してくれた。
そして、いまではかけがえの無い仲間だ。
通常種か希少種か、珍しいか否かでゆっくりの価値が決まるのだろうか?
そんなことはない、断じてない。
通常種、希少種。
これは人間が勝手に決めたゆっくりの区分であり、元々ゆっくり達の間には特にその様な概念はなかった。
しかし人間がその呼び方を広めるにしたがい、いつの間にかゆっくり達にも浸透し、その事を意識しだすゆっくりが増えた。
一部の希少種の中には本ゆんの能力など棚に上げて、ただ自分が希少種だから偉いと思うものも現れてきた。
また、一部の通常種の間では希少種のせいで自分たちはゆっくりできないという、逆恨みをするものも現れた。
これらは人間と接する機会の増えた、町ゆっくりに特に多い傾向だという。
逆に言えば人間とほとんど接点のないゆっくり達には、まだその概念がなく山奥には希少種と通常種がごく普通に共存する群れもあるとかないとか。
これは人間が勝手に決めたゆっくりの区分であり、元々ゆっくり達の間には特にその様な概念はなかった。
しかし人間がその呼び方を広めるにしたがい、いつの間にかゆっくり達にも浸透し、その事を意識しだすゆっくりが増えた。
一部の希少種の中には本ゆんの能力など棚に上げて、ただ自分が希少種だから偉いと思うものも現れてきた。
また、一部の通常種の間では希少種のせいで自分たちはゆっくりできないという、逆恨みをするものも現れた。
これらは人間と接する機会の増えた、町ゆっくりに特に多い傾向だという。
逆に言えば人間とほとんど接点のないゆっくり達には、まだその概念がなく山奥には希少種と通常種がごく普通に共存する群れもあるとかないとか。
このらんは恐らくあまり良くないペットショップの出身なのだろう。
ペットして売られる希少種は、値段が高いがその分優秀であることが求められる。
このらんは通常種であれば恐らく商品価値なしとして処分されただろうが、なまじ希少種だけに値下げして強引に売られた。
らんを買った飼い主のお兄さんも、あまり深いことは考えなかったのであろう。
希少種を飼っている自分って凄いという優越感に浸りたかったかもしれない。値下げの意味をあまり深く考えずに。
そしてあまりゆっくりに詳しくない人にありがちな、希少種=無条件に賢いという幻想をバラバラに砕かれて、このらんは捨てられたのであろう。
ペットして売られる希少種は、値段が高いがその分優秀であることが求められる。
このらんは通常種であれば恐らく商品価値なしとして処分されただろうが、なまじ希少種だけに値下げして強引に売られた。
らんを買った飼い主のお兄さんも、あまり深いことは考えなかったのであろう。
希少種を飼っている自分って凄いという優越感に浸りたかったかもしれない。値下げの意味をあまり深く考えずに。
そしてあまりゆっくりに詳しくない人にありがちな、希少種=無条件に賢いという幻想をバラバラに砕かれて、このらんは捨てられたのであろう。
「みょーん!さすがめーりんは、ちからもちだみょん!みょんたちだけだと、こんなにたくさんのあきかんさんは、はこべないみょん!」
「じゃお!じゃお!」
「ゆーん!これならば、にんげんさんからぼーなすさんがもらえるかもしれないよ!めーりんのおかげだね!れいむ、ゆっくりおれいをいうよ!」
「じゃおーん!!」
えーりんまだかなーと、さなえは思っていたら、早番として朝早くから空き缶回収に向かっていたみょんとめーりんとれいむ(駅前に行ったのとは別ゆん)が戻ってきた。
「じゃお!じゃお!」
「ゆーん!これならば、にんげんさんからぼーなすさんがもらえるかもしれないよ!めーりんのおかげだね!れいむ、ゆっくりおれいをいうよ!」
「じゃおーん!!」
えーりんまだかなーと、さなえは思っていたら、早番として朝早くから空き缶回収に向かっていたみょんとめーりんとれいむ(駅前に行ったのとは別ゆん)が戻ってきた。
めーりんは、じゃお!としかしゃべれず、そのため他のゆっくりから虐められることも多いが、
この群れはその様なことは決して無く、力強く心優しいめーりんを皆で迎え入れ、やはり仲間の一人として大切に扱っていた。
さなえはめーりんと二匹が協力しあい、また微笑み合い話している様を見て、
そうだ、らんはきっとこれまで他のゆっくりと接する機会があまりなかったのだろうと思う。
この群れはの希少種のゆっくりとやらはさなえとめーりんとえーりんしかいないけど、仲良くやっている。
きっと群れの皆と一緒に暮らしているうちに通常種、希少種関係なくゆっくりできるって分かってくれるだろう・・・と。
この群れはその様なことは決して無く、力強く心優しいめーりんを皆で迎え入れ、やはり仲間の一人として大切に扱っていた。
さなえはめーりんと二匹が協力しあい、また微笑み合い話している様を見て、
そうだ、らんはきっとこれまで他のゆっくりと接する機会があまりなかったのだろうと思う。
この群れはの希少種のゆっくりとやらはさなえとめーりんとえーりんしかいないけど、仲良くやっている。
きっと群れの皆と一緒に暮らしているうちに通常種、希少種関係なくゆっくりできるって分かってくれるだろう・・・と。
しかし、さなえの期待をよそに隣にいるらんの顔はひきつっていた。そして次の瞬間、
「げすなれっとうしゅは!ゆっくりしねええええええー!!!!」
と言って突っ込んでいった。
「みょみょ!!」
突然のことに反応できなかったみょんがふっとばされる。
「げすなれっとうしゅは!ゆっくりしねええええええー!!!!」
と言って突っ込んでいった。
「みょみょ!!」
突然のことに反応できなかったみょんがふっとばされる。
「おまえたちれっとうしゅは!いつもそうだ!めーりんはきしょうしゅなのに!はなせないからゆっくりしていないなんて!
かってなおもいこみで!めーりんをいたぶる!なんのやくにもたたないれっとうしゅのくせに!そんなれっとうしゅはぜいざいじてやる!」
「らんしゃまはかっこいんだねー!わかるよー!」
「せいしゃい!せいしゃい!」
周りにいたゆっくり達はらん一家以外はフリーズしていた。
このらんは一体何を言っているんだろう?自分たちはめーりんを虐めてなんて無いし、とてもゆっくりしていると思っている。
かってなおもいこみで!めーりんをいたぶる!なんのやくにもたたないれっとうしゅのくせに!そんなれっとうしゅはぜいざいじてやる!」
「らんしゃまはかっこいんだねー!わかるよー!」
「せいしゃい!せいしゃい!」
周りにいたゆっくり達はらん一家以外はフリーズしていた。
このらんは一体何を言っているんだろう?自分たちはめーりんを虐めてなんて無いし、とてもゆっくりしていると思っている。
「な・・・なにするみょん・・・」
「とどめだー!!」
そうこうするあいだにらんはみょんにとどめを刺さんと飛び上がる。思わず目をつむってしまうさなえ。
「とどめだー!!」
そうこうするあいだにらんはみょんにとどめを刺さんと飛び上がる。思わず目をつむってしまうさなえ。
「い、いだい・・・めーりん・・・なんで・・・?」
「じゃお!じゃお!じゃおおーん!」
目を開けたさなえが見た光景はめーりんが見を呈してみょんを守り、カウンターを食らったらんが倒れている図であった。
めーりんは元来気性のおとなしい種とされるが、本気で戦うと並の捕食種でもかなわないとされる。
その本気をぶつけられたとあっては、流石のらんも分が悪い。
「じゃお!じゃお!じゃおおーん!」
目を開けたさなえが見た光景はめーりんが見を呈してみょんを守り、カウンターを食らったらんが倒れている図であった。
めーりんは元来気性のおとなしい種とされるが、本気で戦うと並の捕食種でもかなわないとされる。
その本気をぶつけられたとあっては、流石のらんも分が悪い。
「なんでれっとうしゅなんかのみかたをするんだ・・・らんはめーりんのみかたをしているのに・・・」
「じゃお!じゃおおお!」
「そ、そうだろう?れっとうしゅはゆっくりしていない!じゃあなんでらんにこうげきをするんだ!」
「じゃお?じゃおじゃお?じゃおーん!!」
めーりんは心の繋がった相手とはごく普通に会話が通じるという。
ただ、多くのゆっくりはめーりんをゆっくりしていないやつと考えているため、それが叶わないのだがこの群れのゆっくりに関してはそのようなことはなかった。
逆にこのめーりんと言葉が通じていないのは、らんのほうであった。
しかしらんは、ゆっくり特有の思い込みの力で、らんはめーりんの味方でゲスな通常種を制裁するだけなのになぜ邪魔するの?
と聞いたら、ありがとうらん、めーりんはゲスの通常種に卑怯な手を食らって奴隷にされていたんだ。さあ一緒にゲスを倒そう。
と返事されたと思っている。当然両者の話はかみ合わない。
「じゃお!じゃおおお!」
「そ、そうだろう?れっとうしゅはゆっくりしていない!じゃあなんでらんにこうげきをするんだ!」
「じゃお?じゃおじゃお?じゃおーん!!」
めーりんは心の繋がった相手とはごく普通に会話が通じるという。
ただ、多くのゆっくりはめーりんをゆっくりしていないやつと考えているため、それが叶わないのだがこの群れのゆっくりに関してはそのようなことはなかった。
逆にこのめーりんと言葉が通じていないのは、らんのほうであった。
しかしらんは、ゆっくり特有の思い込みの力で、らんはめーりんの味方でゲスな通常種を制裁するだけなのになぜ邪魔するの?
と聞いたら、ありがとうらん、めーりんはゲスの通常種に卑怯な手を食らって奴隷にされていたんだ。さあ一緒にゲスを倒そう。
と返事されたと思っている。当然両者の話はかみ合わない。
「ぺーろぺーろ、だいじょうぶですか?みょんさん」
「いたいのとんでいけーだよ!ゆっくりげんきになってだよ!みょん!」
「あ、ありがとうだみょん、さなえ、れいむ。こんなきずたいしたことないみょん!」
らんがめーりんに足止めされているあいだ、さなえとれいむはみょんの介護をしていた。
さなえは思う。今日は傷ついたゆっくりをよく見る日だなと。
そういえば、駅前で掃除をしているまりさ達は大丈夫かな?そろそろ帰ってくるはずだけど・・・
「いたいのとんでいけーだよ!ゆっくりげんきになってだよ!みょん!」
「あ、ありがとうだみょん、さなえ、れいむ。こんなきずたいしたことないみょん!」
らんがめーりんに足止めされているあいだ、さなえとれいむはみょんの介護をしていた。
さなえは思う。今日は傷ついたゆっくりをよく見る日だなと。
そういえば、駅前で掃除をしているまりさ達は大丈夫かな?そろそろ帰ってくるはずだけど・・・
「よ!ようやくわかったんだな!めーりん!さあいっしょにれっとうしゅをせいさいするんだ!」
「じゃおおおおおお!」
「だったらなんでじゃまするのー!!!???」
「そこまでよ!」
「ゆ?」「じゃお?」
めーりんとらんが口論をしている間、ようやくえーりんが到着した。とたん、らんの様子が一気に変わる。
「じゃおおおおおお!」
「だったらなんでじゃまするのー!!!???」
「そこまでよ!」
「ゆ?」「じゃお?」
めーりんとらんが口論をしている間、ようやくえーりんが到着した。とたん、らんの様子が一気に変わる。
「え!えーりんさまあああ!ごきげんうるわしゅうございます!!!なにか、らんにできることはございますか!!このらん、よろこんでうけたまわります!!!」
えーりんが現れた瞬間、態度を180度かえるらん。
えーりんが現れた瞬間、態度を180度かえるらん。
「・・・話に聞いていた以上ね・・・とにかく、群れのゆっくりに手をださないで」
「わかりましたーーー!!えーりんさまのどれいだったんですね!このらん!それをしらずにとんだぶれいを・・・」
「分かった、分かったからとにかく離れて」
「わかりましたーーー!!」
「わかりましたーーー!!えーりんさまのどれいだったんですね!このらん!それをしらずにとんだぶれいを・・・」
「分かった、分かったからとにかく離れて」
「わかりましたーーー!!」
長ぱちゅりーの読み通り、らんはえーりんの前では絶対服従の姿勢を見せた。これにはえーりんも只々呆れるしか無かった。
「おとしゃん!せいしゃいは?」
「なんでそんなやつのいうことをきくのー?わからないよー」
「なんでそんなやつのいうことをきくのー?わからないよー」
「うるさいっ!!!!!」
「「にゃっ!!!」」
「「にゃっ!!!」」
「えーりんさまのどれいを、せいさいするだと!?そんなことをしたら、いくらちぇんでもゆるさん!!」
「「わ・・・わかりましたー!!」」
「「わ・・・わかりましたー!!」」
「はあ・・・みょん、傷は大丈夫?」
「だいじょうぶだみょん!みょんはこれぐらいのきず、なんてこともないみょん!」
「確かに、見た感じは大丈夫そうだけど、念の為に後で病院に来てね。」
「ゆっくりりかいしたみょん!」
実際、野良生活で鍛えているみょんにとって、らんの攻撃はたいした事は無かった。どちらかというと不意打ちを食らって気が動揺している要素のほうが強かった。
「だいじょうぶだみょん!みょんはこれぐらいのきず、なんてこともないみょん!」
「確かに、見た感じは大丈夫そうだけど、念の為に後で病院に来てね。」
「ゆっくりりかいしたみょん!」
実際、野良生活で鍛えているみょんにとって、らんの攻撃はたいした事は無かった。どちらかというと不意打ちを食らって気が動揺している要素のほうが強かった。
「れいむ、みょんの面倒をよろしくね。」
「ゆっくりりかいしたよ!」
「ゆっくりりかいしたよ!」
「さなえ、めーりん、らんとちぇんはえーりんに着いてきて」
「わかりました」「じゃお!」
「かしこまりました!!!!」
「わかりました」「じゃお!」
「かしこまりました!!!!」
えーりんはらん一家を連れて移動をはじめる。後ろからはさなえとめーりんが付き添い、一家が変な行動を起こさないか見張る。
しかし、らんはえーりんの言うことなので逆らわず動いているが、先ほどまで好き勝手やっていたちぇん親子はまだ状況の変化を飲み込みきれず、まもなく愚痴を言い始めた。
しかし、らんはえーりんの言うことなので逆らわず動いているが、先ほどまで好き勝手やっていたちぇん親子はまだ状況の変化を飲み込みきれず、まもなく愚痴を言い始めた。
「にゃ、かったるいんだねーわかれよー」
「ちぇんはかいゆっくりにゃんだねー!のりゃがさしずしゅなよー!わきゃれよー!ゆぺ!」
「そうれいじょういったら!たとえおちびちゃんでもつぶす!」
「わ・・・わきゃら・・」
「な・・・なにをしてるのー!わからないよー!」
粗相をした赤ちぇんに対して、のしかかるらん。その目には殺意がこもっているのが見て取れる。
「ちぇんはかいゆっくりにゃんだねー!のりゃがさしずしゅなよー!わきゃれよー!ゆぺ!」
「そうれいじょういったら!たとえおちびちゃんでもつぶす!」
「わ・・・わきゃら・・」
「な・・・なにをしてるのー!わからないよー!」
粗相をした赤ちぇんに対して、のしかかるらん。その目には殺意がこもっているのが見て取れる。
「いい加減にしなさい!」
「は!!」
「・・・いいから、黙って着いてきなさい。」
「ゆっくりりょうかいしました!」
「わ・・・わかったよー・・・」
「にゃ・・・おとうしゃん・・・にゃんで・・・」
「は!!」
「・・・いいから、黙って着いてきなさい。」
「ゆっくりりょうかいしました!」
「わ・・・わかったよー・・・」
「にゃ・・・おとうしゃん・・・にゃんで・・・」
赤ちぇんに外傷は無かったものの、今まで目に入れても痛くないほどに溺愛されてきたため、父親からの暴力は精神的に答えたようである。
群れに戻ってきてからえーりんは手の開いているゆっくり達に、余っているダンボール3つを群れの一番奥、もっとも人間に接する機会のないところに移動させた。
そして、らん一家にしばらくここで待機するように、さなえとめーりんは近くで面倒を見るように指示を出した。
群れに戻ってきてからえーりんは手の開いているゆっくり達に、余っているダンボール3つを群れの一番奥、もっとも人間に接する機会のないところに移動させた。
そして、らん一家にしばらくここで待機するように、さなえとめーりんは近くで面倒を見るように指示を出した。
「ゆう・・・こんなところで・・・らんはきしょうしゅなのに・・・かいゆっくりなのに・・・」
「来週までには人間さんと話をつけるわ。それまで我慢して頂戴。」
「は!わかりました、えーりんさまのごはいりょかんしゃいたします」
「にゃー!なんでこんなばしょにちぇんがすまないといけないのー!」
ギロリとらんは母ちぇんを睨みつける。
母ちぇんはこれまでらんのこのような顔を見たことがない。
「来週までには人間さんと話をつけるわ。それまで我慢して頂戴。」
「は!わかりました、えーりんさまのごはいりょかんしゃいたします」
「にゃー!なんでこんなばしょにちぇんがすまないといけないのー!」
ギロリとらんは母ちぇんを睨みつける。
母ちぇんはこれまでらんのこのような顔を見たことがない。
「わ・・・わきゃら・・・」
「いい!?くれぐれも喧嘩をしないで大人しくすること!」
「わかりました!!」
「「わ・・・わかったよー!」」
何度目かわからないえーりんの呆れ果てた口調の指示を受けて一家はとりあえず静かになった。
「いい!?くれぐれも喧嘩をしないで大人しくすること!」
「わかりました!!」
「「わ・・・わかったよー!」」
何度目かわからないえーりんの呆れ果てた口調の指示を受けて一家はとりあえず静かになった。
「二人ともちょっといい?」
「じゃお!」「はい!」
一週間生活するための、簡易な荷物を運んできたさなえとめーりんに声をかけるえーりん。
「じゃお!」「はい!」
一週間生活するための、簡易な荷物を運んできたさなえとめーりんに声をかけるえーりん。
「いい?二人ともあの一家をよく見張っているのよ。間違っても人間さんや、それ以上に飼いゆっくりに接触させないこと。」
「じゃお!」
「え?でもそれじゃあ、ほかのしごとさんはどうすれば?」
「じゃお!?じゃおお?じゃおーん?」
「じゃお!」
「え?でもそれじゃあ、ほかのしごとさんはどうすれば?」
「じゃお!?じゃおお?じゃおーん?」
「二人の仕事は他のゆっくりに任せるわ。心配しないで。」
「じゃ・・・お・・・お・・・ん・・・?」
「そんな!ほかのみなさんにわるいです!!」
「じゃ・・・お・・・お・・・ん・・・?」
「そんな!ほかのみなさんにわるいです!!」
えーりんはなだめるように二匹に話す。
「いい?この仕事はそれだけ大事なことなの。それこそ群れの存亡がかかるぐらい。詳しいことはまたあとで話すから頼んだわよ。」
「はい・・・」
「じゃお・・・」
そう言ってえーりんは病院に跳ねていった。
「いい?この仕事はそれだけ大事なことなの。それこそ群れの存亡がかかるぐらい。詳しいことはまたあとで話すから頼んだわよ。」
「はい・・・」
「じゃお・・・」
そう言ってえーりんは病院に跳ねていった。
二匹はとりあえず、えーりんに言われたことを守るべく、らん達の様子を見続けるが特に動きはない。
どうやら爆睡しているようだ。数日叫び続けていたので疲れているのだろう。
基本的に昼間は働いているめーりんとさなえにとって、このただ見張っているだけという時間は苦痛に近かった。
「じゃおおお、じゃおーん」
「ゆう・・・」
暇というわけでない。
ただ、群れの仲間たちが汗とかその他もろもろを流しながら働いているこの時間に、こんな見張りだけのでゆっくりした仕事でいいのだろうかという不安感が二匹を襲っていたのだった。
どうやら爆睡しているようだ。数日叫び続けていたので疲れているのだろう。
基本的に昼間は働いているめーりんとさなえにとって、このただ見張っているだけという時間は苦痛に近かった。
「じゃおおお、じゃおーん」
「ゆう・・・」
暇というわけでない。
ただ、群れの仲間たちが汗とかその他もろもろを流しながら働いているこの時間に、こんな見張りだけのでゆっくりした仕事でいいのだろうかという不安感が二匹を襲っていたのだった。
3.
「はい、これで手当は終わりよ。とりあえず夕方までここで安静にしていてね。」
「みょーん!えーりんせんせい、ありがとうだみょん!」
「どういたしまして。」
病院に戻ってきたえーりんは休む間もなく、怪我をして運び込まれてきたゆっくりや、入院していたゆっくりの治療にとりかかる。
ゆっくりという生き物は弱い。ちょっとした傷や病気で死に至る。そのくせ、単純な体の構造ゆえ、意外と打たれ強く即死を免れるケースは多い。
それ故、長く苦しんだ末に結局は命を落とすのだが、知識を持った人間やえーりん種が近くにいる場合は、即死さえ回避すればなんとか復活させられることが多い。
「はい、これで手当は終わりよ。とりあえず夕方までここで安静にしていてね。」
「みょーん!えーりんせんせい、ありがとうだみょん!」
「どういたしまして。」
病院に戻ってきたえーりんは休む間もなく、怪我をして運び込まれてきたゆっくりや、入院していたゆっくりの治療にとりかかる。
ゆっくりという生き物は弱い。ちょっとした傷や病気で死に至る。そのくせ、単純な体の構造ゆえ、意外と打たれ強く即死を免れるケースは多い。
それ故、長く苦しんだ末に結局は命を落とすのだが、知識を持った人間やえーりん種が近くにいる場合は、即死さえ回避すればなんとか復活させられることが多い。
努力しようがしまいが、どうせすぐ死ぬ。
野良ゆっくりの多くは自覚がないものの、無意識的にこのようなことを感じて日々生きている。
そのため彼女らは、やはり本ゆんにも気づかないところで半ば自暴自棄になり、理解しがたい行動の末にその生命を散らしているのだが、
この群れにとってえーりんの存在は、生命の保証であり一定以上のモラルを保つのに欠かせない存在であった。
野良ゆっくりの多くは自覚がないものの、無意識的にこのようなことを感じて日々生きている。
そのため彼女らは、やはり本ゆんにも気づかないところで半ば自暴自棄になり、理解しがたい行動の末にその生命を散らしているのだが、
この群れにとってえーりんの存在は、生命の保証であり一定以上のモラルを保つのに欠かせない存在であった。
「むきゅ、お疲れ様、えーりん。」
「長・・・」
ひとまず当面の仕事が終わり、一息ついていたところに長ぱちゅりーが訪れてきた。
「長・・・」
ひとまず当面の仕事が終わり、一息ついていたところに長ぱちゅりーが訪れてきた。
「長・・・あのらん達を一週間でも群れに入れておくのは危険だわ・・・」
「むきゅう・・・やっぱり?」
「あまりにもリスクが高すぎる・・・ここは秘密裏にでも・・・」
「ダメよ!」
「!?」
「むきゅう・・・やっぱり?」
「あまりにもリスクが高すぎる・・・ここは秘密裏にでも・・・」
「ダメよ!」
「!?」
「・・・ぱちぇも、あのらんは十中八九捨てられたゆっくりだと思うわ、でも、もしあのらんの飼い主さんが虐待お兄さんとかだったりしたら?」
「というと?」
「むきゅ。ぱちぇ達の群れは一応は愛護団体・・・ゆっくりんピースの協力があって成立している群れよ。だから全くの無条件で群れが崩壊されることはまずないわ。」
「・・・」
「でも虐待お兄さんの中にはゆっくりんピースこそ最大の敵と見なしている人もいるわ。あの馬鹿どもに一泡吹かせたい、ぬるま湯につかっているゆっくり共に絶望を見せたいってね。」
「それが、あのらんとどの様な関係が?」
「なんでもいいのよ、言いがかりが付けられれば。むきゅ。」
「?」
「ゆっくりんピースはなんだかんだ言っても、飼いゆっくりを第一に守る団体よ。それ以上に利権を・・・ってこれは関係ないわね、むきゅ。
そしていくら大規模な団体でも、結局団員のほとんどはボランティアさんから成り立っているの。そうなると極力争いをさけたがる、むきゅ。
もし、あのらんのお兄さんが、自分の大事ならんが公園の野良のせいで傷ついた!いったいゆっくりんピースは何をやっているんだ!
みたいに愛で派を自称して、ゆっくりんピースに抗議してきたら、ぱちぇ達を守ってくれる見込みは薄いわね。見返りに何を求められるか分かったもんじゃないわ。」
「!!!」
「むきゅ。極端な例よ。」
「でも、確かにほとんど人間さんに躾けられていないゆっくりでも、あの状況では流石に自分が捨てられたことを疑うわ・・・それが全く無いってことは、本当にあのらんは!」
「とにかく用心にこしたことはないの。」
「はい!」
「というと?」
「むきゅ。ぱちぇ達の群れは一応は愛護団体・・・ゆっくりんピースの協力があって成立している群れよ。だから全くの無条件で群れが崩壊されることはまずないわ。」
「・・・」
「でも虐待お兄さんの中にはゆっくりんピースこそ最大の敵と見なしている人もいるわ。あの馬鹿どもに一泡吹かせたい、ぬるま湯につかっているゆっくり共に絶望を見せたいってね。」
「それが、あのらんとどの様な関係が?」
「なんでもいいのよ、言いがかりが付けられれば。むきゅ。」
「?」
「ゆっくりんピースはなんだかんだ言っても、飼いゆっくりを第一に守る団体よ。それ以上に利権を・・・ってこれは関係ないわね、むきゅ。
そしていくら大規模な団体でも、結局団員のほとんどはボランティアさんから成り立っているの。そうなると極力争いをさけたがる、むきゅ。
もし、あのらんのお兄さんが、自分の大事ならんが公園の野良のせいで傷ついた!いったいゆっくりんピースは何をやっているんだ!
みたいに愛で派を自称して、ゆっくりんピースに抗議してきたら、ぱちぇ達を守ってくれる見込みは薄いわね。見返りに何を求められるか分かったもんじゃないわ。」
「!!!」
「むきゅ。極端な例よ。」
「でも、確かにほとんど人間さんに躾けられていないゆっくりでも、あの状況では流石に自分が捨てられたことを疑うわ・・・それが全く無いってことは、本当にあのらんは!」
「とにかく用心にこしたことはないの。」
「はい!」
「わきゃらないよー!おしゃのおはにゃしは、むずかししゅぎりゅよー!」
「れいみゅ、もっちょたのちいおはなちがききちゃい!」
「ゆふふふ、おちびちゃんたちには、むずかしすぎたのかみょん?」
「ゆー!みょんおばしゃんは、わきゃるの?とっちぇもときゃいはね!」
「とうぜんみょん!ぬるまゆさんはとってもゆっくりしていないみょん!(ほんとうは、なにもわからなかったみょん!でも、みずさんがゆっくりしていないのはうそじゃないみょん!)」
「「「ゆわー!、みょんおばしゃんしゅぎょーい!!!」」」
「れいみゅ、もっちょたのちいおはなちがききちゃい!」
「ゆふふふ、おちびちゃんたちには、むずかしすぎたのかみょん?」
「ゆー!みょんおばしゃんは、わきゃるの?とっちぇもときゃいはね!」
「とうぜんみょん!ぬるまゆさんはとってもゆっくりしていないみょん!(ほんとうは、なにもわからなかったみょん!でも、みずさんがゆっくりしていないのはうそじゃないみょん!)」
「「「ゆわー!、みょんおばしゃんしゅぎょーい!!!」」」
当然、この群れで長ぱちゅりーの会話全てを理解できるのはえーりんしかいない。
群れの中でも長ぱちゅりーのお話は面白いことに定評があり、何かと暇な入院生活にあって長ぱちゅりーの話に耳を傾けていたものの、
そういえば、長はえーりんと話すときだけはいつもわけが分からなく、つまらない話しかしない、更には少しゆっくりできないほど早口だなと病院に居合わせた大人ゆっくり達は思い出していた。
群れの中でも長ぱちゅりーのお話は面白いことに定評があり、何かと暇な入院生活にあって長ぱちゅりーの話に耳を傾けていたものの、
そういえば、長はえーりんと話すときだけはいつもわけが分からなく、つまらない話しかしない、更には少しゆっくりできないほど早口だなと病院に居合わせた大人ゆっくり達は思い出していた。
「おしゃー!なんきゃ、おもちろいおはなしして!」
「ゆ!わーくわーくだよ!えーりんせんせいとしているような、つまらないはなしはいやだよ!ゆっくりわかってね。」
「ときゃいは!ときゃいは!」
「まあまあみょん、おさはいそがしいみょん。でもおさ、もしひまがあるのなら、みょんからもたのむみょん。
みょんたちおとなはだいじょうぶだけど、おちびちゃんたちにとって、ただねてるだけってのはきついみょん」
ゆっくりにとって、じっとしているのは苦痛である。かなり難しい。暇をまぎらせるために何か面白い話をしてくれとせがむゆっくり達。
「ゆ!わーくわーくだよ!えーりんせんせいとしているような、つまらないはなしはいやだよ!ゆっくりわかってね。」
「ときゃいは!ときゃいは!」
「まあまあみょん、おさはいそがしいみょん。でもおさ、もしひまがあるのなら、みょんからもたのむみょん。
みょんたちおとなはだいじょうぶだけど、おちびちゃんたちにとって、ただねてるだけってのはきついみょん」
ゆっくりにとって、じっとしているのは苦痛である。かなり難しい。暇をまぎらせるために何か面白い話をしてくれとせがむゆっくり達。
「むきゅ・・・じゃあ、あまりじかんがないからみじかいおはなしだけど『ゆうかのそだてた、おはなばたけさん』っておはなしを、するわ」
「「「「「ゆゆー!!!!」」」」」
「むかーし、むかーし、あるところに・・・」
何か自分たちに分かる話をしてくれとせがむゆっくり達に対して、長ぱちゅりーは微笑みながら話し始めた。
その口調はえーりんと話している時とは180度違った、ゆっくりとして気が落ち着くような、人間からしたら少し間の抜けている話し方だった。
「「「「「ゆゆー!!!!」」」」」
「むかーし、むかーし、あるところに・・・」
何か自分たちに分かる話をしてくれとせがむゆっくり達に対して、長ぱちゅりーは微笑みながら話し始めた。
その口調はえーりんと話している時とは180度違った、ゆっくりとして気が落ち着くような、人間からしたら少し間の抜けている話し方だった。
「・・・そうして、まいにちまいにち、ゆうかはたねさんにおみずをあげつづけて、ついにきれいなおはなさんが、さきはじめました。むきゅ。」
「ゆわー!すぎょいすぎょい!」
「ゆうきゃはとっても、どりょきゅきゃなんだにぇー!わきゃりゅよー!」
「むきゅ。ところが、そこにおもわぬあくしでんとがおきます。」
「「「「「ゆゆ!!??」」」」」
「ゆわー!すぎょいすぎょい!」
「ゆうきゃはとっても、どりょきゅきゃなんだにぇー!わきゃりゅよー!」
「むきゅ。ところが、そこにおもわぬあくしでんとがおきます。」
「「「「「ゆゆ!!??」」」」」
「ふふふ、わざとらしく『むきゅ』って付けてるんだから・・・」
そう、笑いながらえーりんはお日様にあたりに外にでる。
「まったく・・・なんであなたみたいなゆっくりが野良なんてやってるのかしらね?ふふふ・・・」
その口調はどこか可笑しそうな、どこか意地悪そうな、どこか寂しそうそして、儚げなものであった。
そう、笑いながらえーりんはお日様にあたりに外にでる。
「まったく・・・なんであなたみたいなゆっくりが野良なんてやってるのかしらね?ふふふ・・・」
その口調はどこか可笑しそうな、どこか意地悪そうな、どこか寂しそうそして、儚げなものであった。
「・・・そうして、おはなばたけをくいあらした、どすまりさたちはいいました『おはなさんはかってにはえてくるんだよ!ゆっくりできないゆうかはでていってね!すぐでいいよ!』」
「しょんにゃあ!!!」
「ゆえーん!どすはゆっくりしているんじゃないの!?」
「おはなさんは、ゆうかがそだてたものよ!それをかってにはえてくるなんて、いなかものだわ!」
「しょんにゃあ!!!」
「ゆえーん!どすはゆっくりしているんじゃないの!?」
「おはなさんは、ゆうかがそだてたものよ!それをかってにはえてくるなんて、いなかものだわ!」
「むきゅ。ゆうかはぼろぼろになりながら、いくあてもなくどすまりさたちからにげるのでした。くやしくてくやしくて、なんどもなんどもなきました。」
「しょんにゃあ!!!」
「にゃんでにげりゅの!ゆうきゃはわりゅきゅないでちょ!」
「まりちゃ、ぷきゅーしゅるのぜ!」
「れいみゅも!」
「ゆ・・・でも、いくらゆうかでも、どすにはかなわいよ・・・」
「しんだらもともこもないんだねーわかるよー」
「しょんにゃあ!!!」
「にゃんでにげりゅの!ゆうきゃはわりゅきゅないでちょ!」
「まりちゃ、ぷきゅーしゅるのぜ!」
「れいみゅも!」
「ゆ・・・でも、いくらゆうかでも、どすにはかなわいよ・・・」
「しんだらもともこもないんだねーわかるよー」
「・・・でもこのお話何度目かしら?少なくても大人のゆっくり達は10回は聞いているはずなんだけど・・・」
えーりんはえーりんで、長ぱちゅりーのお話は好きだが、長のお話は病院で語られることが多く、しょっちゅう聞いているえーりんとしてはそろそろ新作が欲しいと内心考えていた。
えーりんはえーりんで、長ぱちゅりーのお話は好きだが、長のお話は病院で語られることが多く、しょっちゅう聞いているえーりんとしてはそろそろ新作が欲しいと内心考えていた。
「『ゆー、どすがわるかったよ・・・おはなさんはゆうかが、ゆっくりそだてていたんだね・・・それなのにどすたちは・・・』
『・・・わかればいいのよ』
『よくないよ!どすたちはゆうかにとてもゆっくりしていないことをしたよ!おわびにおはなばたけさんをつくるのをてつだうよ!』
『まりさもてつだうよ!』『れいみゅも!』『ありすもゆっくりつみほろぼしするわ!』
『ありがとう。でもつぎはまえとはべつのたねをうえるわ、のいちごさんのたねよ。』
『ゆー!?いちごさん!?』
『ええ、おはなさんをがまんしないでたべたら、ゆっくりとしたいちごさんがうまれるわ。そしたらみんなでたべましょ?』
『そんな・・・どすたち、ぜんぜんゆっくりしていなかったのに、いちごさんをいっしょにたべていいの?』
『もちろんよ!みんなでたべたほうが、きっとおいしいしゆっくりできるわ』
『ゆうか・・・ありがとう!ゆっくりしていってね!』
『ゆっくりしていってね!』『『『ゆっくりしていってね!!!!』』』
・・・こうしてゆうかと、どすのむれは、なかよくいちごさんをそだてて、ゆっくりとくいつまでもすごしました、めでたし、めでたし。むきゅ」
「ゆおおおおお!!みょんはかんどうしたみょん!!!」
「にゃんてときゃいはなにょ!」
「わきゃりゅよー!みんななかよくするのがいいんだねー!わかるよー!」
「ゆっくち!ゆっくち!」
『・・・わかればいいのよ』
『よくないよ!どすたちはゆうかにとてもゆっくりしていないことをしたよ!おわびにおはなばたけさんをつくるのをてつだうよ!』
『まりさもてつだうよ!』『れいみゅも!』『ありすもゆっくりつみほろぼしするわ!』
『ありがとう。でもつぎはまえとはべつのたねをうえるわ、のいちごさんのたねよ。』
『ゆー!?いちごさん!?』
『ええ、おはなさんをがまんしないでたべたら、ゆっくりとしたいちごさんがうまれるわ。そしたらみんなでたべましょ?』
『そんな・・・どすたち、ぜんぜんゆっくりしていなかったのに、いちごさんをいっしょにたべていいの?』
『もちろんよ!みんなでたべたほうが、きっとおいしいしゆっくりできるわ』
『ゆうか・・・ありがとう!ゆっくりしていってね!』
『ゆっくりしていってね!』『『『ゆっくりしていってね!!!!』』』
・・・こうしてゆうかと、どすのむれは、なかよくいちごさんをそだてて、ゆっくりとくいつまでもすごしました、めでたし、めでたし。むきゅ」
「ゆおおおおお!!みょんはかんどうしたみょん!!!」
「にゃんてときゃいはなにょ!」
「わきゃりゅよー!みんななかよくするのがいいんだねー!わかるよー!」
「ゆっくち!ゆっくち!」
長ぱちゅりーのお話が終わり、大歓声があがるなか、えーりんは一言つぶやきながら病院の中に戻っていった。
「・・・本当は長、あのらん達も救いたいんだろうなぁ・・・」
「・・・本当は長、あのらん達も救いたいんだろうなぁ・・・」
4.
「ゆーん、あまりおいしくない・・・」
「でも、たべないとげんきがでませんよ?さ、がんばってください!」
「じゃおじゃお!」
「「がーつがーつ、むーしゃむーしゃ」」
「ゆぅ・・・らんはきしょうしゅなのに、かいゆっくりなのに・・・」
本日何度目かもわからない程のらんの発言。この群れにとって、このゆっくりフードそれなり~は最高級のごちそうなのに、と思う中さなえはふと思いつく。
「ゆーん、あまりおいしくない・・・」
「でも、たべないとげんきがでませんよ?さ、がんばってください!」
「じゃおじゃお!」
「「がーつがーつ、むーしゃむーしゃ」」
「ゆぅ・・・らんはきしょうしゅなのに、かいゆっくりなのに・・・」
本日何度目かもわからない程のらんの発言。この群れにとって、このゆっくりフードそれなり~は最高級のごちそうなのに、と思う中さなえはふと思いつく。
「・・・らんさん、えーりんさまからのでんごんをつたえます。」
「え!えーりんさまからの!?」
「はい。えーと・・・どんなたべものでも、すききらいをせずにたべなさい。といってました。」
「ゆっくりりかいしました!むーしゃむーしゃ。それなりー。むーしゃむーしゃ。それなりー。」
嘘は悪いことと思いながらも、きっとえーりんがここにいたら同じ事を言うだろうと自分に言い訳をし、さなえは何とからんに食を促すことに成功した。
それから、改めてさなえはらんの生い立ちについて聞いた。辛抱強く、どうしてらんがこうなったのかを知りたかったためだが、らんは事あるごとに自分は希少種だと口走るだけであった。
「え!えーりんさまからの!?」
「はい。えーと・・・どんなたべものでも、すききらいをせずにたべなさい。といってました。」
「ゆっくりりかいしました!むーしゃむーしゃ。それなりー。むーしゃむーしゃ。それなりー。」
嘘は悪いことと思いながらも、きっとえーりんがここにいたら同じ事を言うだろうと自分に言い訳をし、さなえは何とからんに食を促すことに成功した。
それから、改めてさなえはらんの生い立ちについて聞いた。辛抱強く、どうしてらんがこうなったのかを知りたかったためだが、らんは事あるごとに自分は希少種だと口走るだけであった。
さなえは、これまで希少種や通常種についてできるだけ意識しないようにしていた。
とはいえ、本ゆんが希少種である以上、確かにその事を自他共に思い知らされる機会があったのも事実だが・・・
そんな時、さなえはよくえーりんや長ぱちゅりーに相談していた。
とはいえ、本ゆんが希少種である以上、確かにその事を自他共に思い知らされる機会があったのも事実だが・・・
そんな時、さなえはよくえーりんや長ぱちゅりーに相談していた。
「そうね・・・でも、さなえ、希少種と通常種っていうのはあくまで人間さんが便宜上つかているもので、ゆっくりであるさなえやえーりんが気にする必要はあまりないと思うわ。」
「そうですか・・・うん!そうですよね!さなえが、まりささんやれいむさんと、そんなにちがうとはおもえません!」
「そうですか・・・うん!そうですよね!さなえが、まりささんやれいむさんと、そんなにちがうとはおもえません!」
「むきゅ、そう言えば、さなえ種とらん種は数が増えてきたから、通常種にしようかって話が前にあったらしいわ。」
「え!そうなんですか!?」
「・・・でも結局、その話はなしになってしまったそうね。」
「えー!ざんねんです。」
「むきゅ?どうして?」
「だって、さなえはいつもきしょうしゅだっていわれて、ほかのみなさんときょりかんをかんじます・・・さなえがつうじょうしゅになれば、みなさんともっとなかよくなれそうかと・・・」
「むきょきょきょ!さなえは本当に珍しくて面白いゆっくりね。」
「え!?そうなんですか!?」
「むきゅ。そうね。むきゅきゅきゅ・・・」
「え!そうなんですか!?」
「・・・でも結局、その話はなしになってしまったそうね。」
「えー!ざんねんです。」
「むきゅ?どうして?」
「だって、さなえはいつもきしょうしゅだっていわれて、ほかのみなさんときょりかんをかんじます・・・さなえがつうじょうしゅになれば、みなさんともっとなかよくなれそうかと・・・」
「むきょきょきょ!さなえは本当に珍しくて面白いゆっくりね。」
「え!?そうなんですか!?」
「むきゅ。そうね。むきゅきゅきゅ・・・」
(べつにさなえは、きしょうしゅじゃなくたって、さなえであることはかわらないし、もんだいがあるとはおもえません・・・。
でも、このらんさんは、きしょうしゅであることいがいに、じぶんというものをなにかもっているんでしょうか?
もし、おさがいっていたみたいに、らんしゅがつうじょうしゅと、にんげんさんによばれるようになったら、このらんさんはどうするんでしょうか・・・)
でも、このらんさんは、きしょうしゅであることいがいに、じぶんというものをなにかもっているんでしょうか?
もし、おさがいっていたみたいに、らんしゅがつうじょうしゅと、にんげんさんによばれるようになったら、このらんさんはどうするんでしょうか・・・)
らん一家は皆、再び眠りについていた。その様を見ているとさなえも徐々に睡魔に襲われていた。
本来であれば、今日はいつもよりゆっくり寝れるはずであったが、このらん騒動で朝からずっと手間取っていたのだ。その疲れが一気に押し寄せてきた。
本来であれば、今日はいつもよりゆっくり寝れるはずであったが、このらん騒動で朝からずっと手間取っていたのだ。その疲れが一気に押し寄せてきた。
「じゃお~?」
「はっ!めーりんさん、すいません!さなえ、つい・・・」
「じゃお!じゃおじゃお。」
「え、そんな!」
「じゃおん、じゃーおー。」
「ありがとうございます、それではおことばにあまえて」
めーりんがしっかり見てるから、少し休みなよ。という言葉を受けさなえは目を閉じる。まもなくさなえの意識は深い闇に吸い込まれていった。
「はっ!めーりんさん、すいません!さなえ、つい・・・」
「じゃお!じゃおじゃお。」
「え、そんな!」
「じゃおん、じゃーおー。」
「ありがとうございます、それではおことばにあまえて」
めーりんがしっかり見てるから、少し休みなよ。という言葉を受けさなえは目を閉じる。まもなくさなえの意識は深い闇に吸い込まれていった。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「・・・ュッ」
・・・?
・・・?
・・・
「ゆっくち・・・」
・・・!
「ゆっくち・・・」
・・・!
・・・
「ゆっくちしていってくださいね!」
ぼんやりと見える視界に映る小さなゆっくり。
「ゆっくちしていってくださいね!」
ぼんやりと見える視界に映る小さなゆっくり。
(・・・?ああ、これはゆめ、ですね・・・)
(そして・・・あれは、おさないときのさなえ・・・)
(ならば、このあとは・・・)
(そして・・・あれは、おさないときのさなえ・・・)
(ならば、このあとは・・・)
・・・
「ゆっくちしていってくださいね!しゃなえはげんゆんしんなのでしゅ!えっへん!」
「げ・・・げんゆんしん?」
「多分、あらひとがみのことじゃないのかねぇ?おっと、ならば"あらゆんがみ"ってところか、ははっ。」
「ゆ・・・ゆぅ・・・そうにゃのでしゅ!しゃなえはあらゆんがみしゃまなのでしゅ!」
「あははは!」
「どこで、こんな言葉知ったのかねえ?まあ、ちょっと間抜けなところもあるけどなかなか元気で育てがいのありそうなさなえじゃないか。」
「ええ、しっかりと育てれば金バッジも難なく取れるでしょうね。頑張れよ、さなえ、ゆっくりしていってね。」
「ゆっくりしていってくだしゃい!」
「ゆっくちしていってくださいね!しゃなえはげんゆんしんなのでしゅ!えっへん!」
「げ・・・げんゆんしん?」
「多分、あらひとがみのことじゃないのかねぇ?おっと、ならば"あらゆんがみ"ってところか、ははっ。」
「ゆ・・・ゆぅ・・・そうにゃのでしゅ!しゃなえはあらゆんがみしゃまなのでしゅ!」
「あははは!」
「どこで、こんな言葉知ったのかねえ?まあ、ちょっと間抜けなところもあるけどなかなか元気で育てがいのありそうなさなえじゃないか。」
「ええ、しっかりと育てれば金バッジも難なく取れるでしょうね。頑張れよ、さなえ、ゆっくりしていってね。」
「ゆっくりしていってくだしゃい!」
・・・
「はい!じゃあ、さなえは飼い主さんに買われていったらどうする?」
「かいぬししゃんを、ゆっくりちゃちぇます!」
「正解~じゃあ、どうやってゆっくりさせるの?」
「それは、ゆーっと、ゆーっと・・・」
「はい!じゃあ、さなえは飼い主さんに買われていったらどうする?」
「かいぬししゃんを、ゆっくりちゃちぇます!」
「正解~じゃあ、どうやってゆっくりさせるの?」
「それは、ゆーっと、ゆーっと・・・」
・・・
「店長!あのさなえを売りに出すって本気ですか!?まだ、育成途中なんですよ?」
「ああ、どうにも今月苦しくてね。やはり通常種を複数売るよりは希少種をバーンて売ったほうが現金が入るんだ。それに希少種をセールすると客足も増えるからね。」
「そんな・・・!だったらあのさなえをしっかりと金バッジまで収得させたほうが利益だって多いじゃないですか!」
「そんなことはわかっている。しかしだね、とにかく今月中にあの支払い分を入金しなければならん。うちは弱小店だからね。
君も社会人なら不渡りを一度でも出すことがどうゆうことかは分かるだろ?理解してくれ、とにかく早急に現金が必要なんだ。」
「店長!あのさなえを売りに出すって本気ですか!?まだ、育成途中なんですよ?」
「ああ、どうにも今月苦しくてね。やはり通常種を複数売るよりは希少種をバーンて売ったほうが現金が入るんだ。それに希少種をセールすると客足も増えるからね。」
「そんな・・・!だったらあのさなえをしっかりと金バッジまで収得させたほうが利益だって多いじゃないですか!」
「そんなことはわかっている。しかしだね、とにかく今月中にあの支払い分を入金しなければならん。うちは弱小店だからね。
君も社会人なら不渡りを一度でも出すことがどうゆうことかは分かるだろ?理解してくれ、とにかく早急に現金が必要なんだ。」
・・・
「・・・すまんな、もっと色んな事を教えてやるはずだったのに」
「いいえ・・・これまで、おにいさんにはそだててもらって、さなえはゆっくりかんしゃしています・・・」
「・・・」
「こんどは、さなえがおんがえしをするばんです。さなえ、がんばってかいぬしさんをゆっくりさせて、おみせにもきゃっしゅさんをいれられるようにがんばります!」
「ありがとう・・・そうだな、お前は賢いからきっと飼い主さんのところで勉強に励めば金バッジだって取れるさ!」
「はい!さなえ、がんばります!」
「・・・すまんな、もっと色んな事を教えてやるはずだったのに」
「いいえ・・・これまで、おにいさんにはそだててもらって、さなえはゆっくりかんしゃしています・・・」
「・・・」
「こんどは、さなえがおんがえしをするばんです。さなえ、がんばってかいぬしさんをゆっくりさせて、おみせにもきゃっしゅさんをいれられるようにがんばります!」
「ありがとう・・・そうだな、お前は賢いからきっと飼い主さんのところで勉強に励めば金バッジだって取れるさ!」
「はい!さなえ、がんばります!」
・・・
「へぇ・・・さなえのセールって珍しいわねぇ」
「おねえさん!ゆっくりしていってくださいね!」
「はいはい、ゆっくり、ゆっくり。うーんでも値下げしててもまだまだ高いし、この値段で銀バッジじゃあねぇ。」
「ゆう・・・ごめんなさい・・・」
「へぇ・・・さなえのセールって珍しいわねぇ」
「おねえさん!ゆっくりしていってくださいね!」
「はいはい、ゆっくり、ゆっくり。うーんでも値下げしててもまだまだ高いし、この値段で銀バッジじゃあねぇ。」
「ゆう・・・ごめんなさい・・・」
・・・
「店長、やっぱりさなえを値下げしても、あの値段で銀バッジじゃあお客さん買ってくれませんよ。」
「うーん、そうみたいだなあ・・・」
「今からでも遅くありません、もう一度しっかりと教育をして金バッジ取らせてから売りに出しましょう?」
「まぁ、後一日、後一日様子を見よう。」
「明日は連休明けの平日ですし、あまりお客さんは来ないかと思いますが・・・それに私は、代休ですが大丈夫でしょうか。ゆっくり担当のスタッフは私以外にいませんし。」
「お客さんが来ないから、まあ私とバイトさんで回せるから、連休中もありがとうね、ゆっくり休んでまた頑張ってね!」
「はい・・・」
「店長、やっぱりさなえを値下げしても、あの値段で銀バッジじゃあお客さん買ってくれませんよ。」
「うーん、そうみたいだなあ・・・」
「今からでも遅くありません、もう一度しっかりと教育をして金バッジ取らせてから売りに出しましょう?」
「まぁ、後一日、後一日様子を見よう。」
「明日は連休明けの平日ですし、あまりお客さんは来ないかと思いますが・・・それに私は、代休ですが大丈夫でしょうか。ゆっくり担当のスタッフは私以外にいませんし。」
「お客さんが来ないから、まあ私とバイトさんで回せるから、連休中もありがとうね、ゆっくり休んでまた頑張ってね!」
「はい・・・」
・・・
「おー?緑髪のゆっくりなんて珍しいねぇ。」
「ゆっくりしていってくださいね!おにいさん!」
「へっへっへ、可愛いねえ!気に入った。おい!このゆっくり買った!いくらだ?」
「おにいさん、ありがとうございます!ゆっくりしていってくださいね!」
「あ、ありがとうございます!お客様!それでお値段の方ですが・・・」
「ふっ、それぐらいか、問題ねえぜ、ちょうどパチンコで大当たりしてなあ、いくらでもこいってんだ!
そうだな、あの最高級ゆっくりフードって奴とやっぱり最高級のゆっくり用クッションとまあ、その他もろもろも買ってやるよ」
「あ・・・ありがとうございます。それで、お客様・・・今までゆっくりを飼育された経験はおありですか?」
「んー?ねえけど、なんか文句あるか?」
「い、いえ、とんでもございません、それでは特別サービスとして無償でゆっくりの育成マニュアルをお付けいたしますので是非、目を通してください。」
「わーかった、わーかった。」
「おー?緑髪のゆっくりなんて珍しいねぇ。」
「ゆっくりしていってくださいね!おにいさん!」
「へっへっへ、可愛いねえ!気に入った。おい!このゆっくり買った!いくらだ?」
「おにいさん、ありがとうございます!ゆっくりしていってくださいね!」
「あ、ありがとうございます!お客様!それでお値段の方ですが・・・」
「ふっ、それぐらいか、問題ねえぜ、ちょうどパチンコで大当たりしてなあ、いくらでもこいってんだ!
そうだな、あの最高級ゆっくりフードって奴とやっぱり最高級のゆっくり用クッションとまあ、その他もろもろも買ってやるよ」
「あ・・・ありがとうございます。それで、お客様・・・今までゆっくりを飼育された経験はおありですか?」
「んー?ねえけど、なんか文句あるか?」
「い、いえ、とんでもございません、それでは特別サービスとして無償でゆっくりの育成マニュアルをお付けいたしますので是非、目を通してください。」
「わーかった、わーかった。」
・・・
「おにいさん!ゆっくりよろしくおねがいします!」
「おーよろしく、ところで俺は出かけてくるから留守番頼むぞ」
「ゆっくりわかりました!」
「おにいさん!ゆっくりよろしくおねがいします!」
「おーよろしく、ところで俺は出かけてくるから留守番頼むぞ」
「ゆっくりわかりました!」
・・・
「ゆぅ・・・おにいさん、おそいですね、おなかがすきました・・・でもさなえはかいゆっくりなんだから、がまんしないと・・・」
「おー、もどったぞー!」
「ゆ!おにいさん!おかえ・・・」
「きゃあ~!かわいい~!さなえじゃん!どうしたの!?」
「へっへ、おまえが最近ゆっくりにハマっているって言うからな、ちょっと珍しいのを買ってやったんだ。」
「さっすがあ~」
「ゆ?おねえさんはおにいさんの、おともだちですか!?ゆっくりしていってくださいね!」
「あれ、この子銀バッジなんだ・・・?」
「銀バッジ?」
「やだー、そんなことも知らないのー?、あのねゆっくりのバッジシステムってね・・・」
「ゆぅ・・・おにいさん、おそいですね、おなかがすきました・・・でもさなえはかいゆっくりなんだから、がまんしないと・・・」
「おー、もどったぞー!」
「ゆ!おにいさん!おかえ・・・」
「きゃあ~!かわいい~!さなえじゃん!どうしたの!?」
「へっへ、おまえが最近ゆっくりにハマっているって言うからな、ちょっと珍しいのを買ってやったんだ。」
「さっすがあ~」
「ゆ?おねえさんはおにいさんの、おともだちですか!?ゆっくりしていってくださいね!」
「あれ、この子銀バッジなんだ・・・?」
「銀バッジ?」
「やだー、そんなことも知らないのー?、あのねゆっくりのバッジシステムってね・・・」
「・・・それで私、希少種って皆金バッジって思ってたんだけどね」
「まじかよ!不良品掴まされたのか、俺!?」
「お・・・おにいさん、ゆっくりしていってくださいね・・・?」
「あーん!?なにがゆっくりしていって下さいだ!?」
「ゆっ・・・!?」
「ちょっとおー暴力はんたーい、ほらじゃあ金バッジ試験受けさせればいいんじゃないの?」
「んーどうやるんだ、それ?」
「ほら、ここのサイトに・・・」
「まじかよ!不良品掴まされたのか、俺!?」
「お・・・おにいさん、ゆっくりしていってくださいね・・・?」
「あーん!?なにがゆっくりしていって下さいだ!?」
「ゆっ・・・!?」
「ちょっとおー暴力はんたーい、ほらじゃあ金バッジ試験受けさせればいいんじゃないの?」
「んーどうやるんだ、それ?」
「ほら、ここのサイトに・・・」
「・・・ふう、登録完了っと、じゃあゆっくり、二週間後に試験だそうだ、落ちるんじゃねえぞ?」
「に・・・にしゅうかん・・・わかりました、さなえはがんばります。それで、おにいさん・・・さなえにべんきょうをおしえてほしいのですが・・・?」
「はあ?おい、ゆっくりの勉強って何すりゃあいいんだ?」
「えーそこまで分かんないよー。てきとうに本でも読ませればいいんじゃない?」
「あー、そーいえば店員がなんか本をくれたなぁ。おいゆっくり、これでも読んどけ」
「ゆ・・・おにいさん、でも・・・さなえは・・・」
「なあ、それよりもさ久しぶりにどうだい?」
「なにー?スケベなこと考えてるの?エッチィ~」
「なぁ、いいだろ?何でも好きなもん買ってやるからさ。」
「んも~」
「さなえは、ああ、まってください、おにいさん。さなえは、もじが・・・さなえはもじがよめません・・・」
「に・・・にしゅうかん・・・わかりました、さなえはがんばります。それで、おにいさん・・・さなえにべんきょうをおしえてほしいのですが・・・?」
「はあ?おい、ゆっくりの勉強って何すりゃあいいんだ?」
「えーそこまで分かんないよー。てきとうに本でも読ませればいいんじゃない?」
「あー、そーいえば店員がなんか本をくれたなぁ。おいゆっくり、これでも読んどけ」
「ゆ・・・おにいさん、でも・・・さなえは・・・」
「なあ、それよりもさ久しぶりにどうだい?」
「なにー?スケベなこと考えてるの?エッチィ~」
「なぁ、いいだろ?何でも好きなもん買ってやるからさ。」
「んも~」
「さなえは、ああ、まってください、おにいさん。さなえは、もじが・・・さなえはもじがよめません・・・」
・・・
「店長!?さなえは?どこにやったんですか!?」
「ああ、あのさなえなら、売れていったよ。」
「そ・・・そうですか・・・。どのような方に買われていったのですか?」
「・・・」
「店長?」
「あ、あぁ・・・優しそうな方・・・だったよ。」
「そうですか、良かった。」
「あぁ、悪いね。少し他の用事があってね、ここは頼むよ。」
「?・・・せめて最後にお別れいいたかったんだけどなぁ。幸せに生きろよ、さなえ・・・」
「店長!?さなえは?どこにやったんですか!?」
「ああ、あのさなえなら、売れていったよ。」
「そ・・・そうですか・・・。どのような方に買われていったのですか?」
「・・・」
「店長?」
「あ、あぁ・・・優しそうな方・・・だったよ。」
「そうですか、良かった。」
「あぁ、悪いね。少し他の用事があってね、ここは頼むよ。」
「?・・・せめて最後にお別れいいたかったんだけどなぁ。幸せに生きろよ、さなえ・・・」
・・・
「ねえ私、犬がほしい!」
「あぁ?この前ゆっくり買ってきたばっかだろうが?」
「だって、ゆっくり全然可愛くないもん。結局金バッジ試験落ちちゃうし、本見てブツブツ言っているだけだし。それよりも犬買お?チワワ欲しい!」
「うっせーな!昨日競馬ですっちまったんだ、おめーの方が金あるだろうが。」
「なによーなんでも買ってくれるって言ったじゃない!それに私はあんたと違って色々とお金がかかるのよ!」
「あーんだと!こら!だいだい、テメェーは・・・・・」
「ねえ私、犬がほしい!」
「あぁ?この前ゆっくり買ってきたばっかだろうが?」
「だって、ゆっくり全然可愛くないもん。結局金バッジ試験落ちちゃうし、本見てブツブツ言っているだけだし。それよりも犬買お?チワワ欲しい!」
「うっせーな!昨日競馬ですっちまったんだ、おめーの方が金あるだろうが。」
「なによーなんでも買ってくれるって言ったじゃない!それに私はあんたと違って色々とお金がかかるのよ!」
「あーんだと!こら!だいだい、テメェーは・・・・・」
・・・
「・・・なによ!!!だいだいあんたなんて、平日の昼間からブラブラとほっつき歩いてパチンコ行くだけじゃない!!!」
「テメェーだって、連日連日見知らぬ男どもに股開いているような仕事じゃねえか!!!」
「っ!!!・・・出てく・・・」
「は?」
「私、出てく!」
「おい・・・ちょっと待てよ」
「来ないで!」
「待てよ!」
「触るな!!!!」
「・・・なによ!!!だいだいあんたなんて、平日の昼間からブラブラとほっつき歩いてパチンコ行くだけじゃない!!!」
「テメェーだって、連日連日見知らぬ男どもに股開いているような仕事じゃねえか!!!」
「っ!!!・・・出てく・・・」
「は?」
「私、出てく!」
「おい・・・ちょっと待てよ」
「来ないで!」
「待てよ!」
「触るな!!!!」
・・・
「・・・ったくなんなんだよ!」
「お・・・おにいさん?ゆっくりしていってくださいね・・・?」
「・・・そういえば、おめーなんでいんだよ?」
「ゆ・・・」
「金ばっじも取れねーし、あいつも出ていっちまうし、なのになんでなんでおめーはまだいんだよ?」
「す!すいません、さなえのせいで、おにいさんをゆっくりさせられなくて、すいません!」
「つべこべ、うっせーんだよ!」
「ゆび!!いた・・・すいません・・・すいません・・・」
「・・・ったくなんなんだよ!」
「お・・・おにいさん?ゆっくりしていってくださいね・・・?」
「・・・そういえば、おめーなんでいんだよ?」
「ゆ・・・」
「金ばっじも取れねーし、あいつも出ていっちまうし、なのになんでなんでおめーはまだいんだよ?」
「す!すいません、さなえのせいで、おにいさんをゆっくりさせられなくて、すいません!」
「つべこべ、うっせーんだよ!」
「ゆび!!いた・・・すいません・・・すいません・・・」
「はあーなんでこんなもん買っちまったんだろうなぁー」
「すいません・・・すいません・・・」
「なんかもう、冷めたわ。お前もう出てけ。」
「ゆ・・・そんな・・・」
「聞こえなかったのか?出てけ!!」
「おにいざん、ずびまぜんでじだ!ざなえはゆっぐりじでいばい、ゆっぐりでず、ごれがらはおにいざんを・・・」
「うっせーんだよ!次言ったら潰すぞ!」
「ゆぐっ!ゆっぐり、ゆっぐり、ずびばぜん、ずびばぜん、ゆっぐり!ゆっぐりーーー!!!!」
「すいません・・・すいません・・・」
「なんかもう、冷めたわ。お前もう出てけ。」
「ゆ・・・そんな・・・」
「聞こえなかったのか?出てけ!!」
「おにいざん、ずびまぜんでじだ!ざなえはゆっぐりじでいばい、ゆっぐりでず、ごれがらはおにいざんを・・・」
「うっせーんだよ!次言ったら潰すぞ!」
「ゆぐっ!ゆっぐり、ゆっぐり、ずびばぜん、ずびばぜん、ゆっぐり!ゆっぐりーーー!!!!」
・・・
「なに?あのゆっくり?野良みたいだけど、れいむやまりさじゃないよね?」
「あれ、さなえってゆっくりだよ、希少種の。」
「へー珍しいんだー。あれ?じゃあ捕まえて売れば儲かるとか?」
「んー、二束三文にしかならないと思うよ。」
「なんでー?希少種なんでしょ?」
「希少種って言っても、さなえ種ぐらいだったらどこのペットショップにも一匹や二匹はいるからねー。
だから、あれぐらい薄汚れた野良だったら、さなえ種だからって言って買い取ってくれないと思うよ。これがえーりん種とかてるよ種になると話は違うだろうけど。」
「そーなのかー」
「・・・るーみあ種でも結構高く売れるかもね。」
「なに?あのゆっくり?野良みたいだけど、れいむやまりさじゃないよね?」
「あれ、さなえってゆっくりだよ、希少種の。」
「へー珍しいんだー。あれ?じゃあ捕まえて売れば儲かるとか?」
「んー、二束三文にしかならないと思うよ。」
「なんでー?希少種なんでしょ?」
「希少種って言っても、さなえ種ぐらいだったらどこのペットショップにも一匹や二匹はいるからねー。
だから、あれぐらい薄汚れた野良だったら、さなえ種だからって言って買い取ってくれないと思うよ。これがえーりん種とかてるよ種になると話は違うだろうけど。」
「そーなのかー」
「・・・るーみあ種でも結構高く売れるかもね。」
・・・
「ゆぅ・・・さなえは、にんげんさんをゆっくりさせられない、だめなゆっくりです・・・」
「・・・あ!あのおんばしらは・・・まさか、かなこさま!?」
「ゆぅ・・・さなえは、にんげんさんをゆっくりさせられない、だめなゆっくりです・・・」
「・・・あ!あのおんばしらは・・・まさか、かなこさま!?」
「かなこさま!ゆっくりしていってくださいね!かなこさま、さなえはゆっくりしていないゆっくりです・・・さなえは・・・さなえはどうすればいいのですか!?」
「・・・どうして・・・どうしてむしするんですか、おねがいします、かなこさま、さなえにゆっくりおしえてください!」
「・・・はあ・・・ほんとうは、きんばっじは、のらとくちをきいてはいけないんだがな・・・おまえがさなえだから、とくべつにおしえてやろう。」
「ゆ・・・そうだったんですか・・・さなえはしりませんでした・・・」
「しらないだって?こんなこと、きんばっじきょういくのしょほだろうに。おまえみたいな、ゆっくりはきしょうしゅの、はじだ。きえうせろ。」
「・・・すいません、さなえはゆっくりしていないゆっくりでした・・・」
「・・・はあ・・・ほんとうは、きんばっじは、のらとくちをきいてはいけないんだがな・・・おまえがさなえだから、とくべつにおしえてやろう。」
「ゆ・・・そうだったんですか・・・さなえはしりませんでした・・・」
「しらないだって?こんなこと、きんばっじきょういくのしょほだろうに。おまえみたいな、ゆっくりはきしょうしゅの、はじだ。きえうせろ。」
「・・・すいません、さなえはゆっくりしていないゆっくりでした・・・」
・・・
「ゆ・・・ゆっくち・・・」
「お!おちびちゃん!しっかりしてね!ぺーろぺーろだよ!ゆんやー!だれか、れいむのかわいいおちびちゃんのために、あまあまさんをちょうだいね!たくさんでいいよ!」
「・・・どぼじで、だれもあまあまさんくれないのー!?れいむがしんぐるまざーじゃなくなっちゃうでしょー!
ゆ!さなえ!このさいゆっくりでもいいよ!おちびちゃんにあまあまをちようだいね!」
「すいません・・・さなえもあまあまなんて、もっていないです・・・」
「どぼじでぞんなごというのー!きしょうしゅでしょ!いつもれいむたちをみくだしているんでしょ!はやくおちびちゃんをだずげろー!」
「ゆ・・・ゆっくち・・・」
「お!おちびちゃん!しっかりしてね!ぺーろぺーろだよ!ゆんやー!だれか、れいむのかわいいおちびちゃんのために、あまあまさんをちょうだいね!たくさんでいいよ!」
「・・・どぼじで、だれもあまあまさんくれないのー!?れいむがしんぐるまざーじゃなくなっちゃうでしょー!
ゆ!さなえ!このさいゆっくりでもいいよ!おちびちゃんにあまあまをちようだいね!」
「すいません・・・さなえもあまあまなんて、もっていないです・・・」
「どぼじでぞんなごというのー!きしょうしゅでしょ!いつもれいむたちをみくだしているんでしょ!はやくおちびちゃんをだずげろー!」
「ゆ?おちびちゃん?どうしたの!?」
「も・・・もっちょゆっくちちちゃたかった・・・!」
「ゆんやー!れいむのかわいいおちびちゃんが、ずっとゆっくりしちゃった・・・なんで・・・なんでれいむがこんなめにあうの・・・?」
「・・・」
「おまえのせいだよ!」
「・・・そうですね・・・さなえがゆっくりしていないせいで・・・」
「おちびちゃんをころした、くそさなえをせいさいするよ!」
「・・・これで、いいんです。これで・・・」
「も・・・もっちょゆっくちちちゃたかった・・・!」
「ゆんやー!れいむのかわいいおちびちゃんが、ずっとゆっくりしちゃった・・・なんで・・・なんでれいむがこんなめにあうの・・・?」
「・・・」
「おまえのせいだよ!」
「・・・そうですね・・・さなえがゆっくりしていないせいで・・・」
「おちびちゃんをころした、くそさなえをせいさいするよ!」
「・・・これで、いいんです。これで・・・」
「・・・ゆふーゆふー、ていこうしないとはいいこころがけだね!これでとどめだ・・・」
「さっきからうっせーぞ!クソ饅頭が!」
「おぞらをとんでるみた!ゆべ!にんげんさん!なんでれいむをけっとばすのー!わるいのはさなえでしょ!?
ゆ!?すぃーさん!ゆっくりとまってね!ゆんやー!れいむぷくーするy!!!!!!!!!」
「さっきからうっせーぞ!クソ饅頭が!」
「おぞらをとんでるみた!ゆべ!にんげんさん!なんでれいむをけっとばすのー!わるいのはさなえでしょ!?
ゆ!?すぃーさん!ゆっくりとまってね!ゆんやー!れいむぷくーするy!!!!!!!!!」
・・・
「もう、なにもみえません・・・もう、どうでもいいです・・・さなえはいきるべきでない、だめなゆっくりです・・・このままずっとゆっくりするべきなんです・・・
「もう、なにもみえません・・・もう、どうでもいいです・・・さなえはいきるべきでない、だめなゆっくりです・・・このままずっとゆっくりするべきなんです・・・
・・・
「・・・ゆ!?こんなところに、きしょうしゅさんがたおれているのぜ!?」
「ゆ!でもまだ、いきはあるみょん!」
「すぐに、えーりんせんせいのところにつれていくのぜ!」
「わからないよー!えーりんせんせいにみてもらえるゆっくりは、むれのゆっくりと、きょうていをむすんだゆっくりだけなんだよー!」
「それでもまりさは、このさなえをほおっておけないのぜ!」
「・・・ゆ!?こんなところに、きしょうしゅさんがたおれているのぜ!?」
「ゆ!でもまだ、いきはあるみょん!」
「すぐに、えーりんせんせいのところにつれていくのぜ!」
「わからないよー!えーりんせんせいにみてもらえるゆっくりは、むれのゆっくりと、きょうていをむすんだゆっくりだけなんだよー!」
「それでもまりさは、このさなえをほおっておけないのぜ!」
・・・
「あたたかい・・・ここはゆんごくですか・・・?」
「残念だけど違うわ。ここはゆっくりの病院よ。」
「ゆ!あなたはだれですか!?」
「えーりんはえーりんよ。ここで病気や怪我をしたゆっくり達の治療をしているの。」
「ゆ・・・じゃあ、さなえをちりょうしてくれたんですか?」
「まあそうなるけど、むしろそっちで寝ているお寝坊さんに後でお礼を言っておいてね。つきっきりであなたを看病していたんだから。」
「むにゃむにゃ・・・さなえ、ゆっくりよくなるのぜ・・・」
「まりささん・・・?」
「うふうふ・・・まったく、どういう風の吹き回しかしらね。」
「あたたかい・・・ここはゆんごくですか・・・?」
「残念だけど違うわ。ここはゆっくりの病院よ。」
「ゆ!あなたはだれですか!?」
「えーりんはえーりんよ。ここで病気や怪我をしたゆっくり達の治療をしているの。」
「ゆ・・・じゃあ、さなえをちりょうしてくれたんですか?」
「まあそうなるけど、むしろそっちで寝ているお寝坊さんに後でお礼を言っておいてね。つきっきりであなたを看病していたんだから。」
「むにゃむにゃ・・・さなえ、ゆっくりよくなるのぜ・・・」
「まりささん・・・?」
「うふうふ・・・まったく、どういう風の吹き回しかしらね。」
「・・・えーりんさん、たすけてくれてありがとうございます・・・でも、さなえは・・・ゆっくりできないゆっくりなんです、あのままずっとゆっくりするべきでした・・・」
「むきゅきゅ。面白いことを言うわね。」
「あら、長、いらっしゃい。相変わらずタイミングのいいことで。」
「むきゅ。そろそろ目が覚める頃と思ってきたけど正解だったみたいね。むきょきょきょ!」
「ぱ・・・ぱちゅりーさんがこのむれの、おさなんですか?ゆっくりしていってください。」
「ゆっくりしていってね、さなえ。で、ゆっくりしていないゆっくりがどうしたの?むきゅ。」
「さ・・・さなえは・・・」
「むきゅきゅ。面白いことを言うわね。」
「あら、長、いらっしゃい。相変わらずタイミングのいいことで。」
「むきゅ。そろそろ目が覚める頃と思ってきたけど正解だったみたいね。むきょきょきょ!」
「ぱ・・・ぱちゅりーさんがこのむれの、おさなんですか?ゆっくりしていってください。」
「ゆっくりしていってね、さなえ。で、ゆっくりしていないゆっくりがどうしたの?むきゅ。」
「さ・・・さなえは・・・」
「・・・むきゅー。なるほどね、これまで苦労したのね。」
「ぱちゅりーさん・・・でも、もとはといえば、さなえがわるいんで」
「そんなことないのぜ!!!」
「あらあら、おはよう、まりさ」
「おはようなんだぜ!えーりんせんせい!おさ!さなえ!」
「むきゅ。おはよう、まりさ。それで、なんでまりさには、さなえが悪くないって分かるのかしら?」
「なんとなくなんだぜ!でも、きっとさなえはゆっくりしているゆっくりにちがいないのぜ!」
「むきょきょきょ!さなえ?まりさはそう言っているけど?」
「あ・・・あの・・・その・・・」
「ゆ!もうこんなにおそとがあかるいのぜ!まりさはしごとにいくのぜ!おじゃましましたなのぜ!」
「あ・・・まりささん・・・、ゆう、おれい・・・いえませんでした・・・」
「ぱちゅりーさん・・・でも、もとはといえば、さなえがわるいんで」
「そんなことないのぜ!!!」
「あらあら、おはよう、まりさ」
「おはようなんだぜ!えーりんせんせい!おさ!さなえ!」
「むきゅ。おはよう、まりさ。それで、なんでまりさには、さなえが悪くないって分かるのかしら?」
「なんとなくなんだぜ!でも、きっとさなえはゆっくりしているゆっくりにちがいないのぜ!」
「むきょきょきょ!さなえ?まりさはそう言っているけど?」
「あ・・・あの・・・その・・・」
「ゆ!もうこんなにおそとがあかるいのぜ!まりさはしごとにいくのぜ!おじゃましましたなのぜ!」
「あ・・・まりささん・・・、ゆう、おれい・・・いえませんでした・・・」
「むきゅ。さなえ?もし行くあてがないのならば、この群れで暮らさない?」
「・・・!いいんですか?でも、さなえなんかいても、やくにたたないとおもいます・・・。」」
「んーそれじゃあ、こうゆうのはどう?さなえはえーりんの病院の治療費をまだ払っていないわ、だからお仕事をして返してもらわないと。」
「むきゅ!名案ね!」
「わ・・・わかりました。それでさなえはなにをすればいいのですか?」
「そうね・・・まずはゆっくり休んで体を直しなさいな。」
「そ!そんな!」
「さなえ、これは命令よ。そんなフラフラの体じゃ何もできないわ。むきゅ。」
「わ・・・わかりました・・・」
「・・・!いいんですか?でも、さなえなんかいても、やくにたたないとおもいます・・・。」」
「んーそれじゃあ、こうゆうのはどう?さなえはえーりんの病院の治療費をまだ払っていないわ、だからお仕事をして返してもらわないと。」
「むきゅ!名案ね!」
「わ・・・わかりました。それでさなえはなにをすればいいのですか?」
「そうね・・・まずはゆっくり休んで体を直しなさいな。」
「そ!そんな!」
「さなえ、これは命令よ。そんなフラフラの体じゃ何もできないわ。むきゅ。」
「わ・・・わかりました・・・」
・・・
「ゆ、さなえ!すっかりよくなったのかぜ?」
「まりささん!はい、まりささんのおかげです!ゆっくりありがとうございました!」
「ゆ・・・なんのことなのぜ?」
「なにって、まりささんが、さなえをびょういんまで、つれてきてくれたって・・・」
「そ、そんなこともあったのかぜ?ま、そのことはどうでもいいのぜ、さなえ、ついてくるのぜ。」
「は、はい・・・?」
「ゆ、さなえ!すっかりよくなったのかぜ?」
「まりささん!はい、まりささんのおかげです!ゆっくりありがとうございました!」
「ゆ・・・なんのことなのぜ?」
「なにって、まりささんが、さなえをびょういんまで、つれてきてくれたって・・・」
「そ、そんなこともあったのかぜ?ま、そのことはどうでもいいのぜ、さなえ、ついてくるのぜ。」
「は、はい・・・?」
「まりささん?これは?」
「・・・ちょうど、あまっているだんぼーるさんが、あったのぜ。それとほとんどつかわれていないたおるさんも、ぐうぜんてにはいったのぜ。
その・・・かいゆっくりだった、さなえにはあまりゆっくりできないかもしれないけど・・・とりあえずここでゆっくりしてるのぜ・・・」
「ゆわー!まりささんが、さなえのおうちをつくってくれたんですか!?」
「き・・・きにいってくれたのかぜ?」
「もちろんです!ありがとうございます!まりささん!」
「・・・ゆっへへ、よかったのぜ。じゃあ、まりさはいそがしいから、もういくのぜ!」
「え?そんな!」
「またなのぜ!さなえ。ゆーん!」
「ああ、もうあんなところに・・・。まりささーーん!!!ゆっくり、ありがとうございまーす!!!」
「しらないのぜーーー」
「・・・ちょうど、あまっているだんぼーるさんが、あったのぜ。それとほとんどつかわれていないたおるさんも、ぐうぜんてにはいったのぜ。
その・・・かいゆっくりだった、さなえにはあまりゆっくりできないかもしれないけど・・・とりあえずここでゆっくりしてるのぜ・・・」
「ゆわー!まりささんが、さなえのおうちをつくってくれたんですか!?」
「き・・・きにいってくれたのかぜ?」
「もちろんです!ありがとうございます!まりささん!」
「・・・ゆっへへ、よかったのぜ。じゃあ、まりさはいそがしいから、もういくのぜ!」
「え?そんな!」
「またなのぜ!さなえ。ゆーん!」
「ああ、もうあんなところに・・・。まりささーーん!!!ゆっくり、ありがとうございまーす!!!」
「しらないのぜーーー」
・・・
「ゆ!あなたがうわさのさなえね。ゆーなかなかとかいはじゃないの。ゆっくりしていってね、さなえ。」
「ゆっくりしていってくださいね、ありすさん。」
「ゆう・・・ところで、このおうちには、べっどさんいがい、なにもないじゃない。まりさったら、うっかりやさんなんだから。」
「そ、そんなことないです。とてもゆっくりしたおうちで・・・」
「はい、これてーぶるさん。」
「ゆ?」
「あと、はっぱでつくった、おさらさんと、こっちはびにーるさん、おおきいのとちいさいのがあるから、ようとにおうじてつかいわけるといいわ。
それから、このはっぱさんを、いりぐちにおいておくととかいはなにおいがして、しかもむしさんもよりつかないわ。それから・・・」
「あ・・・ありすさん!こんなにたくさんのもの、うけとれません!」
「さなえ・・・あいてのこういはちゃんとうけとめるのが、とかいはなれでぃなのよ?」
「そ、そんな・・・ほんとうにいいんですか?」
「もちろんよ!」
「ゆ・・・ゆっくりありがとうございます!」
「わかればいいのよ、ゆふふ、とかいはね。」
「ゆ!あなたがうわさのさなえね。ゆーなかなかとかいはじゃないの。ゆっくりしていってね、さなえ。」
「ゆっくりしていってくださいね、ありすさん。」
「ゆう・・・ところで、このおうちには、べっどさんいがい、なにもないじゃない。まりさったら、うっかりやさんなんだから。」
「そ、そんなことないです。とてもゆっくりしたおうちで・・・」
「はい、これてーぶるさん。」
「ゆ?」
「あと、はっぱでつくった、おさらさんと、こっちはびにーるさん、おおきいのとちいさいのがあるから、ようとにおうじてつかいわけるといいわ。
それから、このはっぱさんを、いりぐちにおいておくととかいはなにおいがして、しかもむしさんもよりつかないわ。それから・・・」
「あ・・・ありすさん!こんなにたくさんのもの、うけとれません!」
「さなえ・・・あいてのこういはちゃんとうけとめるのが、とかいはなれでぃなのよ?」
「そ、そんな・・・ほんとうにいいんですか?」
「もちろんよ!」
「ゆ・・・ゆっくりありがとうございます!」
「わかればいいのよ、ゆふふ、とかいはね。」
・・・
「ゆう・・・くささん、ちょっとにがいです・・・でもちゃんとたべないと・・・」
「ゆー、さなえはまだ、のらになってからみじかいから、くささんがたべられないんだね。」
「れ、れいむさん・・・はい、でもぜいたくはいってられません、さなえはしっかりたべて、しっかりたべないと・・・」
「ゆーん、いきなり、くささんをたべるのはたいへんなんだよ!まずはこれをたべてね!」
「こ・・・これは、おはなさん?」
「うん、このおはなさんはすこしだけど、あまいんだよ。まずはこれでしたをならすといいよ。」
「そんな、それはれいむさんがみつけた、おはなさんじゃないのですか?」
「れいむはのらになれているから、おはなさんをたべなくてもへっちゃらだよ!これはさなえがたべてね!」
「ゆう・・・くささん、ちょっとにがいです・・・でもちゃんとたべないと・・・」
「ゆー、さなえはまだ、のらになってからみじかいから、くささんがたべられないんだね。」
「れ、れいむさん・・・はい、でもぜいたくはいってられません、さなえはしっかりたべて、しっかりたべないと・・・」
「ゆーん、いきなり、くささんをたべるのはたいへんなんだよ!まずはこれをたべてね!」
「こ・・・これは、おはなさん?」
「うん、このおはなさんはすこしだけど、あまいんだよ。まずはこれでしたをならすといいよ。」
「そんな、それはれいむさんがみつけた、おはなさんじゃないのですか?」
「れいむはのらになれているから、おはなさんをたべなくてもへっちゃらだよ!これはさなえがたべてね!」
・・・
「むきゅ。さなえ、今日もお疲れ様。」
「おつかれさまです、おさ。」
「そういえば、えーりんから伝言があるわ。この前、さなえが見つけてくれた薬草のおかげで、多くのおちびちゃんの病気を治せたって。」
「そうですか、よかったです。」
「だから、さなえの治療費はもう完済でいいって言ってたわ。むきゅ、良かったわねさなえ、これで晴れて自由の身よ。」
「ゆ・・・おさ・・・その・・・」
「どうしたの?」
「さなえを・・・さなえを群れに入れてくれません・・・か?」
「むきゅ。さなえ、今日もお疲れ様。」
「おつかれさまです、おさ。」
「そういえば、えーりんから伝言があるわ。この前、さなえが見つけてくれた薬草のおかげで、多くのおちびちゃんの病気を治せたって。」
「そうですか、よかったです。」
「だから、さなえの治療費はもう完済でいいって言ってたわ。むきゅ、良かったわねさなえ、これで晴れて自由の身よ。」
「ゆ・・・おさ・・・その・・・」
「どうしたの?」
「さなえを・・・さなえを群れに入れてくれません・・・か?」
・・・
「よう、ぱちゅりー、ゆっくりしていってね。最近どうだ?何か問題はないか?」
「むきゅ。お兄さん、ゆっくりしていってね。そうね、えーりんが麻酔用のラムネが少なくなってきたと言ってたわ。」
「ラムネね・・・分かった、次来た時に持ってくるよ。」
「よう、ぱちゅりー、ゆっくりしていってね。最近どうだ?何か問題はないか?」
「むきゅ。お兄さん、ゆっくりしていってね。そうね、えーりんが麻酔用のラムネが少なくなってきたと言ってたわ。」
「ラムネね・・・分かった、次来た時に持ってくるよ。」
「ありがとう、お兄さん。むきゅ、それから新しく群れに入れたい子がいるんだけど・・・」
「へー久しぶりだなあ、いいゆっくりなのか?ってお前が推薦する奴ならまず大丈夫か。」
「でも、群れの加入の最終判断は人間さんがする決まりよ?」
「あーそうだな、わかったわかった。で、そいつは何処にいるんだ?」
「むきゅ。出てきなさい、さなえ。」
「へー久しぶりだなあ、いいゆっくりなのか?ってお前が推薦する奴ならまず大丈夫か。」
「でも、群れの加入の最終判断は人間さんがする決まりよ?」
「あーそうだな、わかったわかった。で、そいつは何処にいるんだ?」
「むきゅ。出てきなさい、さなえ。」
「はい!」
「わ!さなえ!?へー、野良のさなえとは珍しいな。」
「おにいさん!ゆっくりしていってくださいね!」
「ゆっくりしていってね。さなえ、お前に幾つか質問させてもらうぞ、まずは・・・」
「わ!さなえ!?へー、野良のさなえとは珍しいな。」
「おにいさん!ゆっくりしていってくださいね!」
「ゆっくりしていってね。さなえ、お前に幾つか質問させてもらうぞ、まずは・・・」
・・・
「・・・うん、全く問題ない!合格だ、さなえ。」
「あ、ありがとうございます!おにいさん!」
「・・・うん、全く問題ない!合格だ、さなえ。」
「あ、ありがとうございます!おにいさん!」
「むきゅ!これでさなえも、正式な群れの一員よ。改めて歓迎するわ、ゆっくりしていってね。」
「ゆっくりしてくんだぜ!さなえ!よかったのぜ、まりさはしんぱいでしんぱいでしかたなかったのぜ!」
「もー、まりさったら、とかいはなさなえならばだいじょうぶにきまっているでしょ、ゆっくりしていってね、さなえ。」
「ゆーれいむもうれしいよ!ゆっくりしていってね、さなえ!」
「ゆ!みなさんもゆっくりしていってくださいね!よろしくおねがいします!」
「ゆっくりしてくんだぜ!さなえ!よかったのぜ、まりさはしんぱいでしんぱいでしかたなかったのぜ!」
「もー、まりさったら、とかいはなさなえならばだいじょうぶにきまっているでしょ、ゆっくりしていってね、さなえ。」
「ゆーれいむもうれしいよ!ゆっくりしていってね、さなえ!」
「ゆ!みなさんもゆっくりしていってくださいね!よろしくおねがいします!」
「お前ら皆、影で聞いていたんかい。あははは。」
「「「「「ゆはははははは」」」」」
「「「「「ゆはははははは」」」」」
さなえは夢を見ていた。それはこれまでのさなえのゆん生についての夢であった。
さなえはもともとペットショップ出身の愛玩用ゆっくりであった。
両親ともども良餡統、本ゆんの資質も高く、人間の言うことをよく聞き、ゆっくり特有の可愛らしさも保っているさなえは、
しっかりとした教育によって、より人に愛されて、飼い主をゆっくりさせて本ゆんものどかな生活を送る・・・そう思われていた。
さなえはもともとペットショップ出身の愛玩用ゆっくりであった。
両親ともども良餡統、本ゆんの資質も高く、人間の言うことをよく聞き、ゆっくり特有の可愛らしさも保っているさなえは、
しっかりとした教育によって、より人に愛されて、飼い主をゆっくりさせて本ゆんものどかな生活を送る・・・そう思われていた。
しかし、人間の都合に翻弄され、さなえは充分な教育を施されること無く銀バッジで売られることになる。
それでもめげずに、自分を飼ってくれる人間さんをゆっくりさせようと思うさなえ。
それでもめげずに、自分を飼ってくれる人間さんをゆっくりさせようと思うさなえ。
だが、さなえの不幸はそれだけで終わらなかった。
当たり前のことだが、飼いゆっくりが飼い主を選ぶことなどまずできない。
さなえのを買っていった人間は、あえて悪い言い方をするなら、生き物を飼う資格のない人間だったとでも言うべきか。
生き物を飼う資格を言い出すと、虐待お兄さん、お姉さん云々ややこしくなるが、
とにかく早苗の飼い主はお兄さん達とはまた違った人種であり、たまたま臨時の収入があり気が大きくなったところに、珍しいからといった理由等でさなえを購入したものの、
ほとんど世話や教育というものをしようとせず、しかし希少種なんだからという理由で求めるものは、それこそ金バッジにも困難なことを求め、
当然そのことを達成できないさなえに興味を失い、機嫌が悪い時にさなえにあたり、結局さなえはその時に家から追い出されて野良となった。
当たり前のことだが、飼いゆっくりが飼い主を選ぶことなどまずできない。
さなえのを買っていった人間は、あえて悪い言い方をするなら、生き物を飼う資格のない人間だったとでも言うべきか。
生き物を飼う資格を言い出すと、虐待お兄さん、お姉さん云々ややこしくなるが、
とにかく早苗の飼い主はお兄さん達とはまた違った人種であり、たまたま臨時の収入があり気が大きくなったところに、珍しいからといった理由等でさなえを購入したものの、
ほとんど世話や教育というものをしようとせず、しかし希少種なんだからという理由で求めるものは、それこそ金バッジにも困難なことを求め、
当然そのことを達成できないさなえに興味を失い、機嫌が悪い時にさなえにあたり、結局さなえはその時に家から追い出されて野良となった。
生粋の飼いゆっくりとしてこの世に生を受け、その事に誇りを持っていたさなえにとって、自分が捨てられたという現実は重くのしかかった。
だが、それ以上に町ゆく人々の冷たい眼差しは、辛いものがあった。
だが、それ以上に町ゆく人々の冷たい眼差しは、辛いものがあった。
初めのうちはさなえを心配して声をかけてくれる人もいたのだが、さなえが野良とわかった途端、態度が180度かわり冷たくあしらわれ、
捨てられてから数日たって身も汚れてくると、それも無くなったのか、さなえはまるでそこにいないかのように扱われるようになった。
希少種といっても、さなえやらんぐらいのゆっくりは、ゆっくり専門店やすこし大きなペットショップには大抵おいてあり、姿ぐらいならばそこそこ見る機会は多い。
そのため、一度野良に落ちぶれてしまったさなえの扱いも、そこらへんの野良と同じであり、救いの手を差し伸ばしてくれるような人には巡り会えなかった。
捨てられてから数日たって身も汚れてくると、それも無くなったのか、さなえはまるでそこにいないかのように扱われるようになった。
希少種といっても、さなえやらんぐらいのゆっくりは、ゆっくり専門店やすこし大きなペットショップには大抵おいてあり、姿ぐらいならばそこそこ見る機会は多い。
そのため、一度野良に落ちぶれてしまったさなえの扱いも、そこらへんの野良と同じであり、救いの手を差し伸ばしてくれるような人には巡り会えなかった。
そして、人間の眼差し以上に辛かったのは、同じゆっくりからの扱いだった。
通常種の飼いゆっくり達には無様と蔑まれ、希少種の飼いゆっくり達からは稀少種の恥と罵られ、野良の通常種からは八つ当たりを受ける日々。
通常種の飼いゆっくり達には無様と蔑まれ、希少種の飼いゆっくり達からは稀少種の恥と罵られ、野良の通常種からは八つ当たりを受ける日々。
ただ、それでも死ななかったのは、僅かな幸運が全て生存に使われていたためか。
そして、さなえに取り付いていた疫病神はそこで満足したのか、それとも逆に飽きてしまったのか、さなえの不幸の連続はひとまずここで終わる。
そして、さなえに取り付いていた疫病神はそこで満足したのか、それとも逆に飽きてしまったのか、さなえの不幸の連続はひとまずここで終わる。
ある日、さなえはボロボロになりながらも、公園の群れのゆっくり達に発見され保護される。
公園の群れは人間とのトラブルを避けるため、その構成ゆんはかなり厳しい基準があるが、生来聞き分けのよく、物覚え自体も悪くないさなえはこの基準を満たして群れに加わることとなった。
群れでの生活は仕事が多く、忙しい日々であったが、むしろ日々自分が必要とされていることを実感し、充実した生活を送っていた。
そして、この群れに前からいたえーりんとめーりんは、これまでさなえが会ってきた他の希少種のようにさなえをないがしろにしなかったし、他の通常種たちもさなえに対して親切に優しく接してくれた。
公園の群れは人間とのトラブルを避けるため、その構成ゆんはかなり厳しい基準があるが、生来聞き分けのよく、物覚え自体も悪くないさなえはこの基準を満たして群れに加わることとなった。
群れでの生活は仕事が多く、忙しい日々であったが、むしろ日々自分が必要とされていることを実感し、充実した生活を送っていた。
そして、この群れに前からいたえーりんとめーりんは、これまでさなえが会ってきた他の希少種のようにさなえをないがしろにしなかったし、他の通常種たちもさなえに対して親切に優しく接してくれた。
(そうでした・・・かつてはさなえも、きしょうしゅってゆうえつかんをもっていましたね・・・)
人間社会において、希少種であるゆっくり達が自分がそうであると認識せずに一生を終えることはまずない。
故にペット用の希少種は、育成のかなり早い段階のうちにそのことは教えられる。
希少種だから何をしても許される等といった変な思い込みを持たないように、あくまで珍しいだけでありそれにかまけてはいけないと。
人間社会において、希少種であるゆっくり達が自分がそうであると認識せずに一生を終えることはまずない。
故にペット用の希少種は、育成のかなり早い段階のうちにそのことは教えられる。
希少種だから何をしても許される等といった変な思い込みを持たないように、あくまで珍しいだけでありそれにかまけてはいけないと。
とはいえ、自分が特別な存在であると知らされ、全く平然でいられるゆっくりなどそうそうはいないので、
あくまで増長しないように、また通常種の飼いゆっくりを見下さないようにといった点はクリアしつつも、ちょっぴり自慢できることとして自分が希少種なことをあげる飼いゆっくりは多い。
度が過ぎなければ、そのような反応も可愛いものだし、一部の嗜好を持つ人間にはそれこそが良いと思う人もいるらしい。
あくまで増長しないように、また通常種の飼いゆっくりを見下さないようにといった点はクリアしつつも、ちょっぴり自慢できることとして自分が希少種なことをあげる飼いゆっくりは多い。
度が過ぎなければ、そのような反応も可愛いものだし、一部の嗜好を持つ人間にはそれこそが良いと思う人もいるらしい。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・・・・・・
・・・
「でも、やっぱりきしょうしゅは、めずらしい、かずがすくないだけ。ほかのゆっくりとかわらない・・・たぶん、そうおもいます・・・」
夢の世界から静かに戻ってきたさなえは、ぽつりと呟いた。
希少種であるからと言ってその恩恵は無く、むしろ苦しみの種であったさなえにとって、そのような考えに至るのは、まあおかしいことではなかった。
夢の世界から静かに戻ってきたさなえは、ぽつりと呟いた。
希少種であるからと言ってその恩恵は無く、むしろ苦しみの種であったさなえにとって、そのような考えに至るのは、まあおかしいことではなかった。
「ゆぅ、おにいさん・・・なんで・・・zzz...」
「にゃー・・・zzz...」
「おちょーしゃん・・・zzz...」
「にゃー・・・zzz...」
「おちょーしゃん・・・zzz...」
「じゃおーzzz...」
「・・・めーりんさん、あなたもねてたらだめじゃないですか・・・」
5.
「たいっへんなんだぜー!せんせいーっ!たいっへんなんだぜー!おさー!たいっへんなんだぜー!」
あたりが薄暗くなってきた頃、朝早くから駅に向かっていたまりさが戻ってきた。そして真っ先に病院に向かってきた。
「たいっへんなんだぜー!せんせいーっ!たいっへんなんだぜー!おさー!たいっへんなんだぜー!」
あたりが薄暗くなってきた頃、朝早くから駅に向かっていたまりさが戻ってきた。そして真っ先に病院に向かってきた。
「まりさ、どうしたの!?」
「れいむが!れいむがたいへんなんだぜ!せんせい!みてほしいのぜ!」
まりさの尋常でない焦り具合から、えーりんにはれいむの容態が相当悪いものであることが予想できた。
「れいむが!れいむがたいへんなんだぜ!せんせい!みてほしいのぜ!」
まりさの尋常でない焦り具合から、えーりんにはれいむの容態が相当悪いものであることが予想できた。
「ゆ、ゆえ・・・」
「れいむ!しっかりするのよ!びょういんについたわ!あともうすこしのしんぼうよ!」
詳しく診るまでもなく、えーりんはれいむの深刻さを理解した。
肌にはハリがなく、相当吐いたのだろうか、餡子の1/5程が失われ体もひと回り小さくなっている。
「れいむ!しっかりするのよ!びょういんについたわ!あともうすこしのしんぼうよ!」
詳しく診るまでもなく、えーりんはれいむの深刻さを理解した。
肌にはハリがなく、相当吐いたのだろうか、餡子の1/5程が失われ体もひと回り小さくなっている。
「まずは、状況を説明して!」
えーりんの呼びかけに対して、まりさとありさはバラバラに話し始める。なかなか要領を得ない話だったが、えーりんは大枠を掴み現状を理解する。
えーりんの呼びかけに対して、まりさとありさはバラバラに話し始める。なかなか要領を得ない話だったが、えーりんは大枠を掴み現状を理解する。
れいむは人間に強襲された時に怪我をしたが、その時に腐敗の始まった食べ物に接してしまった。
このため傷口から菌が入ってしまったのだろう。
成体ゆっくりであれば、それぐらいは免疫機構が働いて大事に至ならないものなのだが、身体的ダメージに加えゆっくりの成体リズムに合わない早朝からの仕事、
らん一家の対応により生じたストレス、そして人間の出したゴミを片付けていたのにその行為が町を汚すことしか考えてないのかと嘲られたショックが、れいむの免疫能力を落としていた。
加えてこの日は蒸し暑く、排水口の中は湿度も高かった。そのため、余計に菌の増殖が早かったのだろう。このままでは、れいむは生きながら体が腐敗していってしまう。
このため傷口から菌が入ってしまったのだろう。
成体ゆっくりであれば、それぐらいは免疫機構が働いて大事に至ならないものなのだが、身体的ダメージに加えゆっくりの成体リズムに合わない早朝からの仕事、
らん一家の対応により生じたストレス、そして人間の出したゴミを片付けていたのにその行為が町を汚すことしか考えてないのかと嘲られたショックが、れいむの免疫能力を落としていた。
加えてこの日は蒸し暑く、排水口の中は湿度も高かった。そのため、余計に菌の増殖が早かったのだろう。このままでは、れいむは生きながら体が腐敗していってしまう。
「今から、緊急治療を始めるわ!他のゆっくり達は菌が伝染らないように近づかないで!まりさとありすもアルコールで体を拭いて、他のゆっくりに近づかないでね!」
「「ゆっくりりかいしたよ!」」
えーりんは病院の奥から、どこから手に入れたか消毒用エタノールを取り出した。その一部をありすとまりさに渡し、また自分にもふりかけて奥の治療室にれいむを連れて向かっていった。
「「ゆっくりりかいしたよ!」」
えーりんは病院の奥から、どこから手に入れたか消毒用エタノールを取り出した。その一部をありすとまりさに渡し、また自分にもふりかけて奥の治療室にれいむを連れて向かっていった。
「これは・・・相当ひどいわね・・・」
ラムネを食べさせ、意識と痛覚を失っているれいむの治療を始めるえーりん。
まずは、手の施しようのないほど悪くなった餡子を体外にかきだし、なんとか治癒の見込める部分はアルコールを吹きかけてゆく。
確かにえーりんのアロエにも抗菌作用はあるが、やはり人間の作ったものの方が菌には効果があるのだろうか。
ラムネを食べさせ、意識と痛覚を失っているれいむの治療を始めるえーりん。
まずは、手の施しようのないほど悪くなった餡子を体外にかきだし、なんとか治癒の見込める部分はアルコールを吹きかけてゆく。
確かにえーりんのアロエにも抗菌作用はあるが、やはり人間の作ったものの方が菌には効果があるのだろうか。
そして、しっかりと消毒が済んだのを確認してから、これまたどこから入手したのかオレンジパウダーを取り出して塗っていく。
ゆっくりの治療薬としてオレンジジュースが有効なのは有名だが、液状であるジュースは保存に向かないので、えーりんは保存しやすいパウダーをゆっくりんピースを通じて入手していた。
尚、このパウダーの存在を知っているのはえーりんと長のぱちゅりーだけである。
いくら善良で、比較的賢いこの群れのゆっくりであっても、劇物、麻薬になり得るこの粉の存在は隠しておきたかったのだろう。
ゆっくりの治療薬としてオレンジジュースが有効なのは有名だが、液状であるジュースは保存に向かないので、えーりんは保存しやすいパウダーをゆっくりんピースを通じて入手していた。
尚、このパウダーの存在を知っているのはえーりんと長のぱちゅりーだけである。
いくら善良で、比較的賢いこの群れのゆっくりであっても、劇物、麻薬になり得るこの粉の存在は隠しておきたかったのだろう。
続いてえーりんは干しておいた草を噛んで、それを吐き出しれいむの体内に入れていく。万能薬であるオレンジパウダーであっても、減った餡子の替りにはならない。
この草はあまり美味しくないが、餡子への変化効率が高く公園内でよく採れるので群れの主食となっていた。
それを噛んで柔らかくすることでより早くれいむの体内で餡子に変化するようにして、えーりんはれいむの傷口を埋めていく。
この草はあまり美味しくないが、餡子への変化効率が高く公園内でよく採れるので群れの主食となっていた。
それを噛んで柔らかくすることでより早くれいむの体内で餡子に変化するようにして、えーりんはれいむの傷口を埋めていく。
「そんな・・・中枢餡まで・・・」
数刻たっただろうか、既にあたりは暗く懐中電灯の光を頼りに治療を進めていたえーりんだが、最後の傷口を治療していく時、餡子の劣化が中枢餡にまで到達していることを発見してしまう。
中枢餡に関しては、他と違って入れかえれば済むという話ではない。
こればかりはれいむ自身の免疫に頼るしかないし、これだけえーりんが苦労して治療してきたものの、れいむの生存確率がそう高くないことを示していた。
数刻たっただろうか、既にあたりは暗く懐中電灯の光を頼りに治療を進めていたえーりんだが、最後の傷口を治療していく時、餡子の劣化が中枢餡にまで到達していることを発見してしまう。
中枢餡に関しては、他と違って入れかえれば済むという話ではない。
こればかりはれいむ自身の免疫に頼るしかないし、これだけえーりんが苦労して治療してきたものの、れいむの生存確率がそう高くないことを示していた。
「えーりん、れいむの様子は?」
あたりのゆっくりが寝静まった頃、ただ一匹起きていた長ぱちゅりーがえーりんに状況を聞く。
あたりのゆっくりが寝静まった頃、ただ一匹起きていた長ぱちゅりーがえーりんに状況を聞く。
「できることは全部したわ。でも・・・中枢餡まで菌が到達しているから、持つかは半々・・・いいえ精々1/4ってところかしらね・・・」
自身の体にアルコールをかけながらえーりんは答える。
自身の体にアルコールをかけながらえーりんは答える。
「そうなの・・・」
「・・・」
「・・・」
「お疲れ様、えーりん。あなたももう休みなさい。」
「でも・・・」
「あなたが倒れたら、群れの病気や怪我の子はどうするの。」
「分かったわ・・・でもそれは長にも言えることなのよ?長もしっかり休んでね?」
「うん、分かっているわ・・・無理はしない・・・」
「でも・・・」
「あなたが倒れたら、群れの病気や怪我の子はどうするの。」
「分かったわ・・・でもそれは長にも言えることなのよ?長もしっかり休んでね?」
「うん、分かっているわ・・・無理はしない・・・」
翌日、れいむの状況は目に見えて良くなっていた。
「れいむ・・・よかったわ!さすが、せんせいはめいいさんね!とってもとかいはだわ。」
「れいむ、なにかほしいものはないのかぜ?えんりょなくいうのぜ?」
「ゆぅ・・・ふたりともありがとう。まりさ、れいむはだいじょうぶ。きもちだけうけとっておくよ。」
まだ、声は小さいながらも昨日の殆ど話せない状況から比べたら、とてもゆっくりしたものだ。
「れいむ・・・よかったわ!さすが、せんせいはめいいさんね!とってもとかいはだわ。」
「れいむ、なにかほしいものはないのかぜ?えんりょなくいうのぜ?」
「ゆぅ・・・ふたりともありがとう。まりさ、れいむはだいじょうぶ。きもちだけうけとっておくよ。」
まだ、声は小さいながらも昨日の殆ど話せない状況から比べたら、とてもゆっくりしたものだ。
「れ!れいむさん!だいじょうぶですか!?」
そこにさなえがやって来た。らん一家をめーりんに任せて、朝の食事をもらいに来たところれいむの話を聞いたのだ。
そこにさなえがやって来た。らん一家をめーりんに任せて、朝の食事をもらいに来たところれいむの話を聞いたのだ。
「だいじょうぶ・・・だよ、さなえ」
「ああ、そんなにやつれてしまって・・・」
「でも、きのうのじょうたいからくらべたら、だいかいふくなのぜ」
「そうよ。えーりんせんせいの、とかいはなちりょうのおかげね!」
それから僅かな時間ではあるが4匹は談笑し、れいむ以外は病院から出ていった。名残惜しいが、それぞれやるべきことがある。
「ああ、そんなにやつれてしまって・・・」
「でも、きのうのじょうたいからくらべたら、だいかいふくなのぜ」
「そうよ。えーりんせんせいの、とかいはなちりょうのおかげね!」
それから僅かな時間ではあるが4匹は談笑し、れいむ以外は病院から出ていった。名残惜しいが、それぞれやるべきことがある。
「せんせい!ゆっくりしていってくださいね!れいむさんをありがとうございます!」
帰りがてら、さなえはえーりんに挨拶をしたのだが、えーりんの返答は
「ええ・・・分かったわ。さなえもらん達の面倒をよろしくね・・・」
と、どうにも悲しげな、虚しさを感じるような物言いに、一瞬疑問を感じるさなえ。
しかしえーりんが昨日遅くまで治療をしていたことを思い出し、きっとまだ疲れているのだろうと納得し、さなえは戻っていった。
帰りがてら、さなえはえーりんに挨拶をしたのだが、えーりんの返答は
「ええ・・・分かったわ。さなえもらん達の面倒をよろしくね・・・」
と、どうにも悲しげな、虚しさを感じるような物言いに、一瞬疑問を感じるさなえ。
しかしえーりんが昨日遅くまで治療をしていたことを思い出し、きっとまだ疲れているのだろうと納得し、さなえは戻っていった。
それから、数日は特に大事もなく時間が過ぎていった。
ただ、れいむを見舞いに来たゆっくり達は、なかなか快方に向かわないれいむを見て何かゆっくりできないものを感じていた。
ただ、れいむを見舞いに来たゆっくり達は、なかなか快方に向かわないれいむを見て何かゆっくりできないものを感じていた。
そして、事態が動き出したのはらん達が来てから五日後、ゆっくりんピースの人間が群れに訪れる二日前のことだった。
「ゆ゛っ゛・・・!ゆべべべべべ!?ゆご、ゆごごご!!ゆっぐっ!」
「れ!れいむ!?なに、どうじたの!?ちょと!しっかりするのよ!」
偶然見舞いに訪れていたありすが真っ先に異変に気づく。まもなく、えーりんもかけつける。
「れ!れいむ!?なに、どうじたの!?ちょと!しっかりするのよ!」
偶然見舞いに訪れていたありすが真っ先に異変に気づく。まもなく、えーりんもかけつける。
「せんせい!れいむが!!さっきまでふつうにおはなししてたのに!」
とっさにえーりんに泣きつくありす。
とっさにえーりんに泣きつくありす。
えーりんは、えーりん種が持つ独自の力故か正確にれいむの現状を理解してしまった。
「ダメだった・・・ごめんね・・・ごめんね、れいむ・・・」
他のゆっくりには聞こえないほど声は小さかったが、たしかにそう呟いた、そう呟かずにはいられなかった。
「ダメだった・・・ごめんね・・・ごめんね、れいむ・・・」
他のゆっくりには聞こえないほど声は小さかったが、たしかにそう呟いた、そう呟かずにはいられなかった。
れいむの中枢餡は、菌の侵食に勝てなかったのだ。少しずつ少しずつ蝕まれてゆき、遂に臨界点を超えてしまった。
「ゆぼー!!!」
その発言にはもはや意味もなく、ただただ自らの中身を吐いてゆくれいむ。
「ゆぼー!!!」
その発言にはもはや意味もなく、ただただ自らの中身を吐いてゆくれいむ。
「せんせい!たすかるわよね!?れいむはたすかるわよね!?たすけてくれるわよね!?せんせいはとってもとかいはだものね!」
「・・・」
えーりんは何も答えられない。無言でれいむの手当を進めていく。
「ねえ!どうしてだまっているの?なんかいってよ!たすかるっていってよ!ねえ!せんせい・・・!」」
ありすも馬鹿なゆっくりではない。れいむの現状、えーりんの無言から、事態がとてつもなく悪いことに向かっているのは分かってしまった。
「・・・」
えーりんは何も答えられない。無言でれいむの手当を進めていく。
「ねえ!どうしてだまっているの?なんかいってよ!たすかるっていってよ!ねえ!せんせい・・・!」」
ありすも馬鹿なゆっくりではない。れいむの現状、えーりんの無言から、事態がとてつもなく悪いことに向かっているのは分かってしまった。
「ありす、えーりんの邪魔をしてはだめよ」
「おさ!でも・・・。いえ、ゆっくりりかいした・・・わ・・・」
知らせを聞き、病院に訪れてきた長ぱちゅりーは、半狂乱になりながら叫ぶありすをたしなめる。
「おさ!でも・・・。いえ、ゆっくりりかいした・・・わ・・・」
知らせを聞き、病院に訪れてきた長ぱちゅりーは、半狂乱になりながら叫ぶありすをたしなめる。
「せんせい、すいません。れいむをおねがいするわ・・・おねがいします・・・」
「ありす・・・」
そう言って病院を出ていくありす。十数秒後、成体ゆっくりの大きな泣き声が聞こえてきた。
「ありす・・・」
そう言って病院を出ていくありす。十数秒後、成体ゆっくりの大きな泣き声が聞こえてきた。
「れ、れいむさんが!?」
「じゃお・・・」
留守番をしていたさなえは、食料調達から戻って来ためーりんかられいむの事を聞く。
たまらずさなえは、めーりんにらん一家の事を任せて病院に向かう。
「じゃお・・・」
留守番をしていたさなえは、食料調達から戻って来ためーりんかられいむの事を聞く。
たまらずさなえは、めーりんにらん一家の事を任せて病院に向かう。
病院にはれいむと親しいゆっくり達が仕事を早めに切り上げて訪れていた。その顔は一様に暗い。
「さなえもきたのぜ・・・?」
「まりささん、れいむさんは?」
「・・・ついてくるのぜ」
病院の外には泣きじゃくるありす、その横で険しい顔のまりさがいた。さなえはまりさに連れられてれいむと対面する。」
「まりささん、れいむさんは?」
「・・・ついてくるのぜ」
病院の外には泣きじゃくるありす、その横で険しい顔のまりさがいた。さなえはまりさに連れられてれいむと対面する。」
「れいむさん・・・?」
「・・・とりあえず今は落ち着いているわ。」
さなえは見違えた友の姿に愕然とする。これがあのれいむなのだろうか、この状態でもまだ生きているのか。
「・・・とりあえず今は落ち着いているわ。」
さなえは見違えた友の姿に愕然とする。これがあのれいむなのだろうか、この状態でもまだ生きているのか。
その時、ガリガリ痩せたれいむの目がうっすらと開いた。
「せん・・・せい・・・」
「れいむ!?目が覚めたのね、さあこのあまあまさんを舐めてね。らくーに、らくーにしてね?」
目の覚めたれいむは正気を取り戻していた。しかし、その声は消え入りそうなほど小さく、生気というものが感じられない。
えーりんはれいむにオレンジパウダーをなめさせる。それまでのゆん生で決して味わうことの無かった、天にも昇りそうな甘みがれいむの口に広がる。
しかし、それでもれいむがしあわせーを言うことはなかった。感じることはなかった。それ以上の暗いものが、れいむにヒタヒタと近づいているのが分かったからだ。
「せん・・・せい・・・」
「れいむ!?目が覚めたのね、さあこのあまあまさんを舐めてね。らくーに、らくーにしてね?」
目の覚めたれいむは正気を取り戻していた。しかし、その声は消え入りそうなほど小さく、生気というものが感じられない。
えーりんはれいむにオレンジパウダーをなめさせる。それまでのゆん生で決して味わうことの無かった、天にも昇りそうな甘みがれいむの口に広がる。
しかし、それでもれいむがしあわせーを言うことはなかった。感じることはなかった。それ以上の暗いものが、れいむにヒタヒタと近づいているのが分かったからだ。
「せんせい・・・れいむは・・・れいむは・・・れいむはしぬの・・・?」
「・・・」
「やっぱり・・・ね・・・」
沈黙が周囲を支配する。
「・・・」
「やっぱり・・・ね・・・」
沈黙が周囲を支配する。
「どうして・・・」
その沈黙を破ったのはれいむであった。
その沈黙を破ったのはれいむであった。
「どうして・・・どうして、どうして!どうして!!!れいむがしなないといけないの!れいむがなにか、わるいことしたの!!!」
「れ・・・れいむ・・・」
「れ・・・れいむ・・・」
「れいむがんばったよ!むれのみんなとなかよくしたよ!おはなさんにちゃんとおみずをあげたよ!こまっているかいゆっくりだってたすけてあげたよ!
にんげんさんのめいわくにならないようにがんばったよ!あきかんさんをひろったよ!ごみさんだって、ちっともゆっくりしてなかったけどきれいきれいにしたよ!
なのに!なのに!なんでにんげんさんは、れいむたちのことがきらいなの!なんでいじめるの!れいむ、まちをよごしてなんかないよ!
むだだったの!?むいみだったの!?れいむのしてきたことは・・・れいむのしてきたことはぜんぶむだだったの!?」
いったい何処にこれだけの力が残っていたのか、ありったけの声で叫びだすれいむ。
にんげんさんのめいわくにならないようにがんばったよ!あきかんさんをひろったよ!ごみさんだって、ちっともゆっくりしてなかったけどきれいきれいにしたよ!
なのに!なのに!なんでにんげんさんは、れいむたちのことがきらいなの!なんでいじめるの!れいむ、まちをよごしてなんかないよ!
むだだったの!?むいみだったの!?れいむのしてきたことは・・・れいむのしてきたことはぜんぶむだだったの!?」
いったい何処にこれだけの力が残っていたのか、ありったけの声で叫びだすれいむ。
「れいむさん・・・れいむさん!!」
「さなえ!おばえもだよ!!きしょうしゅだからって、いいきになって!そうやってれいむをみくだすんでしょ!ほんとうはれいむがしんですっきりなんでしょ!!」
「!!!」
「さなえ!おばえもだよ!!きしょうしゅだからって、いいきになって!そうやってれいむをみくだすんでしょ!ほんとうはれいむがしんですっきりなんでしょ!!」
「!!!」
「れいむ!!お・・・おちつくんだぜ!!」
「なに!まりさもれいむのてきなの!さなえのみかたをするの!!??どうせれいむなんて!どうせ・・・ゆ゛!!!!ゆべ!!ゆぶぶぶぶ・・・・!」
「いけない!!!」
再び痙攣を起こし始めたれいむに対し応急処置を始めるえーりん。
「なに!まりさもれいむのてきなの!さなえのみかたをするの!!??どうせれいむなんて!どうせ・・・ゆ゛!!!!ゆべ!!ゆぶぶぶぶ・・・・!」
「いけない!!!」
再び痙攣を起こし始めたれいむに対し応急処置を始めるえーりん。
「さなえ・・・いくのぜ・・・?」
さなえは無言でまりさについていく。
さなえは無言でまりさについていく。
「さなえ、れいむのいったことはきにするなのぜ?あれはれいむのほんしんじゃないのぜ。れいむは・・・れいむはこわいだけなんだぜ・・・」
さなえは何も言えない。フラフラと幽霊のような足取りで戻っていく。
「さなえーげんきだすのぜー!なにかあったら、まりさやありすやおさにそうだんするのぜー!さなえー!・・・」
さなえは何も言えない。フラフラと幽霊のような足取りで戻っていく。
「さなえーげんきだすのぜー!なにかあったら、まりさやありすやおさにそうだんするのぜー!さなえー!・・・」
「じゃおーん・・・」
「・・・」
めーりんは戻ってきてからずっと塞ぎこんているさなえに寄り添っていた。
「・・・」
めーりんは戻ってきてからずっと塞ぎこんているさなえに寄り添っていた。
「さなえ、めーりん!ごはんのじかんだな!ゆっくりちょうだいね!」
「ちょうだいにぇ!」
「おなかがすいたんだよー!わかるねー!」
「じゃお・・・」
めーりんは渋々と食事を出す。らん一家は遠慮のえの字もなく食い散らかし始める。
「ちょうだいにぇ!」
「おなかがすいたんだよー!わかるねー!」
「じゃお・・・」
めーりんは渋々と食事を出す。らん一家は遠慮のえの字もなく食い散らかし始める。
「ん?どうしたさなえ?ぐあいがわるいのか?」
貰った食料が殆どなくなってから、ようやくらんはさなえの異変に気がつく。
貰った食料が殆どなくなってから、ようやくらんはさなえの異変に気がつく。
「どうしたんだ、いったい?まさか!れっとうしゅどもにいじめられたのか!?」
「・・・っ」
「やはりそうか・・・まったく、どれいのぶんざいで、みをまきわえないれっとうしゅどもなんか、しんでしまえばいいのにな。」
「!!!」
「しんじゃえばいいんだねー、わかるよー!」
「せいしゃい!せいしゃい!」
「・・・っ」
「やはりそうか・・・まったく、どれいのぶんざいで、みをまきわえないれっとうしゅどもなんか、しんでしまえばいいのにな。」
「!!!」
「しんじゃえばいいんだねー、わかるよー!」
「せいしゃい!せいしゃい!」
これらの発言に対して、ついにさなえは張り詰めていた気持ちの糸がを切らしてしまった。
「あなたが!あなたたちのせいで、れいむさんたちは!あなたたちさえいなければ!!!」
それはさなえのゆん生で初めての憤怒であった。しかしその怒りもすぐにしぼんでしまう。ここでらん達にあたったところで何になるのだろうか。
「あなたが!あなたたちのせいで、れいむさんたちは!あなたたちさえいなければ!!!」
それはさなえのゆん生で初めての憤怒であった。しかしその怒りもすぐにしぼんでしまう。ここでらん達にあたったところで何になるのだろうか。
「れいむさん・・・さなえは・・・」
夜になった。
恐らくれいむはもう、次の朝は迎えられないだろう。
それは分かっていた。
だから、もう一度病院に行かなくては。
分かっていても、さなえはそれが怖かった。
恐らくれいむはもう、次の朝は迎えられないだろう。
それは分かっていた。
だから、もう一度病院に行かなくては。
分かっていても、さなえはそれが怖かった。
「さなえ・・・まりさなのぜ。れいむがよんでいるのぜ。ゆっくりしないでいそぐのぜ。」
踏ん切りのつかないさなえを突き動かしたのはまりさだった。そのまま、二匹は暗闇の中を進む。
「まりささん、さっきはすいません・・・」
「・・・なんのことなのぜ?」
二匹はそれだけ言って、また無言で病院に向かった。
踏ん切りのつかないさなえを突き動かしたのはまりさだった。そのまま、二匹は暗闇の中を進む。
「まりささん、さっきはすいません・・・」
「・・・なんのことなのぜ?」
二匹はそれだけ言って、また無言で病院に向かった。
「さなえ!れいむ?さなえがきたわよ?」
「おねえちゃん、しっかりしてー!」
「れいむのおちびちゃん・・・ゆっくりだよ、ゆっくりぃ・・・」
れいむの周りにはれいむの家族とありす、えーりんと長のぱちゅりーがいた。さなえはここにいるゆっくりに本当によくお世話になっていた。
「おねえちゃん、しっかりしてー!」
「れいむのおちびちゃん・・・ゆっくりだよ、ゆっくりぃ・・・」
れいむの周りにはれいむの家族とありす、えーりんと長のぱちゅりーがいた。さなえはここにいるゆっくりに本当によくお世話になっていた。
「さなえ、れいむがあなたにどうしても言いたいことがあるって・・・」
長ぱちゅりーの一言で、道を開けるゆっくり達。さなえは恐る恐るれいむに近づく。
長ぱちゅりーの一言で、道を開けるゆっくり達。さなえは恐る恐るれいむに近づく。
「さなえ・・・さなえなの?もうなにもみえないよ・・・」
蚊の羽音のごとく弱々しいれいむの声。
蚊の羽音のごとく弱々しいれいむの声。
「よかった・・・もうあえないかとおもったよ・・・このままだと・・・みれんが・・・のこってしまうからね・・・」
「れいむさん・・・」
「さなえ、さっきはごめんね・・・れいむはさなえのことが・・・だいすきだよ・・・」
「!!!れいむさん・・・ありがとうございます・・・ありがとうございます・・・!さなえも!れいむさんのことがだいすきです!!」
「なかな・・・いで・・・さな・・・え・・・みん・・・な・・・れい・・・は・・・しあ・・・せ・・・たよ・・・ゆっ・・・りして・・・い・・・てね」
「れいむさん・・・」
「さなえ、さっきはごめんね・・・れいむはさなえのことが・・・だいすきだよ・・・」
「!!!れいむさん・・・ありがとうございます・・・ありがとうございます・・・!さなえも!れいむさんのことがだいすきです!!」
「なかな・・・いで・・・さな・・・え・・・みん・・・な・・・れい・・・は・・・しあ・・・せ・・・たよ・・・ゆっ・・・りして・・・い・・・てね」
「れいむさん?れいむさん!?れい・・・ああ、ああ・・・」
「れいむ・・・そんな・・・どうして・・・」
「れいむ・・・おそらでもゆっくりしていくのぜ・・・ゆぐう・・・」
「れいむ・・・そんな・・・どうして・・・」
「れいむ・・・おそらでもゆっくりしていくのぜ・・・ゆぐう・・・」
「おねえじゃん!ゆんやー!おねえじゃん!おねえじゃーん!!!」
「おちびちゃん・・・さいごまでがんばったね!えらいよ!ゆっくりしていってね!・・・ゆ、ゆ、ゆわああああぁぁぁ」
「おちびちゃん・・・さいごまでがんばったね!えらいよ!ゆっくりしていってね!・・・ゆ、ゆ、ゆわああああぁぁぁ」
「ごべんねー・・・ゆぐっ、だずげであげられなぐで、ごべんねー・・・」
「えーりん・・・あなたはよくやったわ。そんなに自分を責めないで。
・・・れいむ・・・今まで本当にお疲れ様・・・ゆっくり休んでね・・・」
「えーりん・・・あなたはよくやったわ。そんなに自分を責めないで。
・・・れいむ・・・今まで本当にお疲れ様・・・ゆっくり休んでね・・・」
6.
「はあ・・・で、これがそのゆっくりってわけだな?」
「あたい!」
「むきゅ、そうです、人間さん。その、ゆっくりお願いします。」
「んもー、面倒事を押しつけてくれるざますね。」
れいむが死んで二日後、ゆっくりんピースから定期巡回の人が来た。
しかし、いつも群れに来るお兄さんではなく、五十代女性と二十代の男性であった。また、男性はちるのを連れている。
いつも来るお兄さんは急用で来れなくなったらしい。代わりにこの二人がきたのだが、その様子は見るからに面倒くさそうだ。
「はあ・・・で、これがそのゆっくりってわけだな?」
「あたい!」
「むきゅ、そうです、人間さん。その、ゆっくりお願いします。」
「んもー、面倒事を押しつけてくれるざますね。」
れいむが死んで二日後、ゆっくりんピースから定期巡回の人が来た。
しかし、いつも群れに来るお兄さんではなく、五十代女性と二十代の男性であった。また、男性はちるのを連れている。
いつも来るお兄さんは急用で来れなくなったらしい。代わりにこの二人がきたのだが、その様子は見るからに面倒くさそうだ。
「あー、じゃあこれで終わりだな、ふあーーねみー」
「あたい!げんきいっぱい!ねむくない!」
そう言って、男はゆっくり用キャリーケースにらん一家を詰めていく。
「あたい!げんきいっぱい!ねむくない!」
そう言って、男はゆっくり用キャリーケースにらん一家を詰めていく。
「にんげんさん!らんはきしょうしゅなんだ!そんならんぼうにいれないでね!」
「にゃー!めがまわるよー!」
「きょーろきょーろだよー」
「まあ、なんて下品な言葉使いざます!まったく、うちのてんこちゃんとは比べ物にもならないざます!」
「にゃー!めがまわるよー!」
「きょーろきょーろだよー」
「まあ、なんて下品な言葉使いざます!まったく、うちのてんこちゃんとは比べ物にもならないざます!」
「それでは人間さん、お願いします・・・」
二人はそれに返事するまでもなく、すぐに立ち去ってしまった。その足取りは少しでも早くこの場を離れたいという気持ちが、ゆっくりにも見て取れた。
二人はそれに返事するまでもなく、すぐに立ち去ってしまった。その足取りは少しでも早くこの場を離れたいという気持ちが、ゆっくりにも見て取れた。
「・・・」
その二人をみながら少し考えこむ長ぱちゅりー。
その二人をみながら少し考えこむ長ぱちゅりー。
「むきゅ。めーりん、まりさ、みょん。」
「じゃお?」
「おさ、どうしたんだぜ?」
「みょーん、ただいまさんじょうしたみょん。」
「じゃお?」
「おさ、どうしたんだぜ?」
「みょーん、ただいまさんじょうしたみょん。」
三匹を呼び寄せた長ぱちゅりーは、次のように指示を出した。
「あの人間さんが公園を出るまで、こっそりついていって様子を見ていてくれない?」
「あの人間さんが公園を出るまで、こっそりついていって様子を見ていてくれない?」
同時刻、さなえは花壇の花に水をあげていた。久しぶりの肉体労働であるが、ただじっとしてらん一家の相手をするよりかは遙かに楽しいものであった。
あれからさなえは、らんにれいむの事は話さなかったものの、通常種であっても素晴らしいゆっくりは沢山いるし、その事をもっと知ってほしいと説いたものの
二匹の価値観は常に平行線であり、交わることはとうとう無かった。
あれからさなえは、らんにれいむの事は話さなかったものの、通常種であっても素晴らしいゆっくりは沢山いるし、その事をもっと知ってほしいと説いたものの
二匹の価値観は常に平行線であり、交わることはとうとう無かった。
「きれいなおはなさんね・・・」
ふとさなえは、そう呟いているゆっくりを見た。てんこ種のゆっくりだ。
この花壇の花は実際よく整備されており、訪れる人や飼いゆっくりに人気のスポットだ。
そして、実はこれらの花は殆どが公園の群れのゆっくり達が日々管理をしていたからこそできているものであり、その事は群れの密かな誇りでもあった。
ふとさなえは、そう呟いているゆっくりを見た。てんこ種のゆっくりだ。
この花壇の花は実際よく整備されており、訪れる人や飼いゆっくりに人気のスポットだ。
そして、実はこれらの花は殆どが公園の群れのゆっくり達が日々管理をしていたからこそできているものであり、その事は群れの密かな誇りでもあった。
「ありがとうございます、てんこさん。ゆっくりして・・・」
お花を褒めてくれたことが嬉しくてついつい話しかけてしまうさなえ。しかし、途端にてんこはそこに誰もいなかったかのように去っていってしまう。
そのお飾りは輝く金バッジがついていた。そう、金バッジは原則野良と関わってはいけないのだ。
お花を褒めてくれたことが嬉しくてついつい話しかけてしまうさなえ。しかし、途端にてんこはそこに誰もいなかったかのように去っていってしまう。
そのお飾りは輝く金バッジがついていた。そう、金バッジは原則野良と関わってはいけないのだ。
「ゆっくりしていてはいけません。まだまだおしごとはおわっていません。」
黙々とさなえは作業を続ける。
黙々とさなえは作業を続ける。
しばらくすると、また別の金バッジをつけたゆっくりが花壇に近づいてきた。ありす種のゆっくりである。
「とかいはな、おはなさんね・・・」
今度はさなえからは何も話しかけない。しかし
「とかいはな、おはなさんね・・・」
今度はさなえからは何も話しかけない。しかし
「さなえ、ゆっくりしていってね。このおはなさんは、さなえがそだてているの?」
以外にもありすの方から話しかけてきた。
「い、いえ。さなえだけでなく、むれのみんなでそだてています。」
「ふーん・・・とってもとかいはなむれなのね。」
以外にもありすの方から話しかけてきた。
「い、いえ。さなえだけでなく、むれのみんなでそだてています。」
「ふーん・・・とってもとかいはなむれなのね。」
「ありすさん・・・?どうしてさなえにこえをかけたんですか?かいゆっくりはのらとかかわっては、いけないのでしょう?」
「ゆ、ありすのかいぬしのおねえさんが、このむれのゆっくりはとてもすばらしいって、だからとくべつにちゃんとあいてしてあげてっていってたのよ。」
「そうなんですか!?」
「おねえさんいってたわ、このむれのゆっくりにおせわになったって。ほんとうはおれいにいかないといけないけど、おしごとさんがいそがしくて、なかなかいけないって。
だから、ありすがかわりにおれいをいわないととおもったのよ。そしてじっさいにさなえをみてかくしんしたわ、このむれはほんとうにとかいはだって。」
「そ・・・そんな、さなえがなにか、おねえさんにしたわけじゃないですよ」
「いいえ、さなえはとてもゆっくりしているゆっくりだわ。・・・おしごとのじゃまをしてしまったわね。こんどはおねえさんといっしょにくるわ。」
「ありがとうございます!ありすさんもとってもとかいはですよ!ゆっくりしていってくださいね!」
「ゆっくりしていってね、さなえ!」
二匹はそう言って、さなえは作業に戻り、ありすは別の方向に向かっていた。
さなえの足取りは先程とは違い軽い。
「ゆ、ありすのかいぬしのおねえさんが、このむれのゆっくりはとてもすばらしいって、だからとくべつにちゃんとあいてしてあげてっていってたのよ。」
「そうなんですか!?」
「おねえさんいってたわ、このむれのゆっくりにおせわになったって。ほんとうはおれいにいかないといけないけど、おしごとさんがいそがしくて、なかなかいけないって。
だから、ありすがかわりにおれいをいわないととおもったのよ。そしてじっさいにさなえをみてかくしんしたわ、このむれはほんとうにとかいはだって。」
「そ・・・そんな、さなえがなにか、おねえさんにしたわけじゃないですよ」
「いいえ、さなえはとてもゆっくりしているゆっくりだわ。・・・おしごとのじゃまをしてしまったわね。こんどはおねえさんといっしょにくるわ。」
「ありがとうございます!ありすさんもとってもとかいはですよ!ゆっくりしていってくださいね!」
「ゆっくりしていってね、さなえ!」
二匹はそう言って、さなえは作業に戻り、ありすは別の方向に向かっていた。
さなえの足取りは先程とは違い軽い。
「てんこちゃーん!何処行ったざますー、出てきてざますー」
「ゆっくり、ごめんなさい、おねえさん、てんこはここです。」
「ああ、心配したざます、てんこちゃん!」
「ゆっくり、ごめんなさい、おねえさん、てんこはここです。」
「ああ、心配したざます、てんこちゃん!」
「○○さん、どうして、てんこを連れて行かなかったんすか?」
「もー!てんこちゃんって呼ぶざます!そんなの汚らしい野良にうちの可愛いてんこちゃんを近づけるなんて、絶対そんなの嫌だからに決まってるざます!」
「そ、そうすか・・・」
先程群れに来ていた、ゆっくりんピースの二人は公園の出口の方で、てんこと合流していた。てんこは花壇の花に見とれてしまい、約束の時間に遅れてしまったようだった。
「もー!てんこちゃんって呼ぶざます!そんなの汚らしい野良にうちの可愛いてんこちゃんを近づけるなんて、絶対そんなの嫌だからに決まってるざます!」
「そ、そうすか・・・」
先程群れに来ていた、ゆっくりんピースの二人は公園の出口の方で、てんこと合流していた。てんこは花壇の花に見とれてしまい、約束の時間に遅れてしまったようだった。
「さて、そろそろ行きますか・・・」
男がそう呟いた頃、ちるのが何かを見つけて騒ぎ出す。
「おにいさん!あたい、あれたべたい!」
ちるのが見つけたのは、公園内のソフトクリーム屋さん。ちるの種は甘いモノはもちろん、冷たいものも好む。故にソフトクリームは大好物なのであろう。
「ああ、いいぞ、ちるの。ちるのはほんとうに可愛いなあ」
男がそう呟いた頃、ちるのが何かを見つけて騒ぎ出す。
「おにいさん!あたい、あれたべたい!」
ちるのが見つけたのは、公園内のソフトクリーム屋さん。ちるの種は甘いモノはもちろん、冷たいものも好む。故にソフトクリームは大好物なのであろう。
「ああ、いいぞ、ちるの。ちるのはほんとうに可愛いなあ」
「おねえさん、てんこも!」
「もちろんざますよ!てんこちゃんの欲しいものだったらなんでもかってあげるざます。オーホッホ!」
それぞれの飼いゆっくりにねだられて、頬を緩ませながら応じる二人。
「もちろんざますよ!てんこちゃんの欲しいものだったらなんでもかってあげるざます。オーホッホ!」
それぞれの飼いゆっくりにねだられて、頬を緩ませながら応じる二人。
「ゆ!らんも、そふとくりーむさんたべたいよ!」
「あみゃあみゃー!」
「わかるよー!そふとくりーむさんはゆっくりできるよー!」
ソフトクリームと聞いて、騒ぎ出すキャスター付きキャリーケース内のらん一家。
しかし、人間二人の反応は先程とはうってかわり、女は完全無視。男は舌打ちだけして、一家をその場に置いたままソフトクリーム屋に向かった。
「あみゃあみゃー!」
「わかるよー!そふとくりーむさんはゆっくりできるよー!」
ソフトクリームと聞いて、騒ぎ出すキャスター付きキャリーケース内のらん一家。
しかし、人間二人の反応は先程とはうってかわり、女は完全無視。男は舌打ちだけして、一家をその場に置いたままソフトクリーム屋に向かった。
「わからにゃいよー!ちぇんもしょふとくりーむ、ちゃべちゃいよー!」
「ど・・・どうして?らんはきしょうしゅなんだよ!えらいんだよ!」
そう言って一家は狭いケースの中で暴れだす。
「ど・・・どうして?らんはきしょうしゅなんだよ!えらいんだよ!」
そう言って一家は狭いケースの中で暴れだす。
ガコン!
「「「ゆ?」」」
すると、突然キャリーケースの蓋が開いてしまった。どうやら、ロックをしっかりとかけていなかったらしい。
恐る恐る外にでる一家。そして、らんはさっきのは何かの間違いだ、すぐに人間さんを追いかけてソフトクリームを買わせようと思い、あたりを見回した。
「「「ゆ?」」」
すると、突然キャリーケースの蓋が開いてしまった。どうやら、ロックをしっかりとかけていなかったらしい。
恐る恐る外にでる一家。そして、らんはさっきのは何かの間違いだ、すぐに人間さんを追いかけてソフトクリームを買わせようと思い、あたりを見回した。
「ゆー、にんげんさん、どこー」
しかし、すぐには見つけることは出来なかった。距離はそこまで離れていないのだが、人間や飛行可能な種のゆっくりと違って、地をはうらんの視界はそこまで広くはなかったのだ。
ふと、別方向をみると金バッジをつけたありすを見つける。先程、さなえと話していたありすであろう。
らんは少しためらったが、劣等種といえど金バッジを持っているゆっくりであれば、劣等種は希少種に仕えるべき存在だということは当然知っているだろうと思い、ありすに近づく。
しかし、すぐには見つけることは出来なかった。距離はそこまで離れていないのだが、人間や飛行可能な種のゆっくりと違って、地をはうらんの視界はそこまで広くはなかったのだ。
ふと、別方向をみると金バッジをつけたありすを見つける。先程、さなえと話していたありすであろう。
らんは少しためらったが、劣等種といえど金バッジを持っているゆっくりであれば、劣等種は希少種に仕えるべき存在だということは当然知っているだろうと思い、ありすに近づく。
「おい!そこのくず!にんげんさんはどこなの!?とっとおしえてね!」
人間さんっていったいどの人間さんなのよとありすはまず思い、一瞬だけらんを確認するが、その姿は明らかに野良であり、その態度からも到底先ほどのさなえ達の群れのゆっくりとは思えない。
ありすが、さなえを野良と分かっていても話しかけたのは、あくまで飼い主に公園の群れのゆっくりは無視しなくていい、むしろないがしろにしてはいけないと言われていたからであって、
明らかにそうではないこのらんに対しては、ありすもそのお飾りについた金バッジの威信として、当然相手にしてはいけなかった。
人間さんっていったいどの人間さんなのよとありすはまず思い、一瞬だけらんを確認するが、その姿は明らかに野良であり、その態度からも到底先ほどのさなえ達の群れのゆっくりとは思えない。
ありすが、さなえを野良と分かっていても話しかけたのは、あくまで飼い主に公園の群れのゆっくりは無視しなくていい、むしろないがしろにしてはいけないと言われていたからであって、
明らかにそうではないこのらんに対しては、ありすもそのお飾りについた金バッジの威信として、当然相手にしてはいけなかった。
だが、そのありすの反応にらんは愕然とする。
(なんなの・・・?このくずは!?れっとうしゅは、きしょうしゅのどれいになることでしか、かちがないのに!)
そして、らんはそのまま動き出す。殺す!クズなありすは殺す!誰のおかげで生きていられると思っているんだ!
(なんなの・・・?このくずは!?れっとうしゅは、きしょうしゅのどれいになることでしか、かちがないのに!)
そして、らんはそのまま動き出す。殺す!クズなありすは殺す!誰のおかげで生きていられると思っているんだ!
「ゆっくりしていないごみくずは、しねーーー!!!!」
「!?」
突然のことに対応できないありす。このままではらんに潰されてしまう!
「!?」
突然のことに対応できないありす。このままではらんに潰されてしまう!
「させないみょん!!」
「じゃお!!」
「・・・?」
恐る恐る目を開けた金バッジありすが目にした光景は、らんを食い止めるみょんとめーりん。そして身を呈して金バッジありすを守るまりさの姿だった。
「じゃお!!」
「・・・?」
恐る恐る目を開けた金バッジありすが目にした光景は、らんを食い止めるみょんとめーりん。そして身を呈して金バッジありすを守るまりさの姿だった。
三匹は長ぱちゅりーに言われてから、こっそりゆっくりんピースの人間の後をついていった。
何故、長はあんな指示を出したのだろうか。そう思いながらも付かず離れずの距離をたもつ三匹。
すると、人間さんたちがらん一家を置いて何処かに行ってしまうではないか。ついでケースが揺れたと思うと三匹が出てきてしまった。
何故、長はあんな指示を出したのだろうか。そう思いながらも付かず離れずの距離をたもつ三匹。
すると、人間さんたちがらん一家を置いて何処かに行ってしまうではないか。ついでケースが揺れたと思うと三匹が出てきてしまった。
三匹はこの様子をぽか~んと見ていたが、何を考えたからんは金バッジをつけたありすの方に向かっていく。
この時点で三匹は大急ぎで近寄る。ヤバイ!このままでは何かとてつもなくヤバイことが起きてしまう気がする!。
万が一、飼いゆっくりの、それも金バッジのゆっくりに野良が何かしてしまったら、下手したら一斉駆除につながりかねない!
すると本当にらんはありすに敵意をむき出しにして向かっていくではないか!だが間に合う!この距離なら充分間に合う!
この時点で三匹は大急ぎで近寄る。ヤバイ!このままでは何かとてつもなくヤバイことが起きてしまう気がする!。
万が一、飼いゆっくりの、それも金バッジのゆっくりに野良が何かしてしまったら、下手したら一斉駆除につながりかねない!
すると本当にらんはありすに敵意をむき出しにして向かっていくではないか!だが間に合う!この距離なら充分間に合う!
まりさは、三匹の中で最も素早くありすに近かったため、フリーズして動けないありすを全身で守る。
そして、みょんとめーりんは、らんを食い止めるべく両サイドから挟みこみを仕掛けた。
そして、みょんとめーりんは、らんを食い止めるべく両サイドから挟みこみを仕掛けた。
「めー・・・りん・・・?・・・!!ごみくずが!きたないはだで、らんにさわるな!」
「ごみくずとはなんだみょん!まえはふいうちをくらったけど、みょんはふだんからきたえてるみょん!らんなんかにまけないみょん!」
「じゃおー!」
らんはジタバタとするが、二匹の拘束は固く全く動けない。
「ごみくずとはなんだみょん!まえはふいうちをくらったけど、みょんはふだんからきたえてるみょん!らんなんかにまけないみょん!」
「じゃおー!」
らんはジタバタとするが、二匹の拘束は固く全く動けない。
「ありす、だいじょうなのかぜ?」
「え?ええ・・・まりさたちは、こうえんのむれのゆっくりなの?」
「・・・そう・・・なんだ・・・ぜ。ありす、その・・・」
「ゆっくりありがとう!ふふふ、ありすもたすけられちゃったわね。」
「ありす?・・・とにかくここはきけんなのぜ、はやくにげてほしいのぜ。」
「ゆっくりりかいしたわ。まりさ、またくるからね。」
まりさはありすを非難させたあと、らんはみょんとめーりんに任せて、未だ状況がつかめずポカーンとしていたちぇん親子の牽制に向かった。
「え?ええ・・・まりさたちは、こうえんのむれのゆっくりなの?」
「・・・そう・・・なんだ・・・ぜ。ありす、その・・・」
「ゆっくりありがとう!ふふふ、ありすもたすけられちゃったわね。」
「ありす?・・・とにかくここはきけんなのぜ、はやくにげてほしいのぜ。」
「ゆっくりりかいしたわ。まりさ、またくるからね。」
まりさはありすを非難させたあと、らんはみょんとめーりんに任せて、未だ状況がつかめずポカーンとしていたちぇん親子の牽制に向かった。
「にゃ!?わからないよー!らんしゃまをいじめないでねー!ゆっくりたすけ・・・にゃー!まりさ、じゃましないでねー!」
「そうはいかないのぜ!ここはとおさないのぜ!」
「ゆ!やめろ!はなせ!」
「ぜったいはなさないみょん!」
「じゃお!じゃおお!じゃおーん。」
「そうはいかないのぜ!ここはとおさないのぜ!」
「ゆ!やめろ!はなせ!」
「ぜったいはなさないみょん!」
「じゃお!じゃおお!じゃおーん。」
少し離れたところにはそんな風景を見ながらも動かずにただ傍観している二人と二匹がいた。
「まったく、金バッジを襲うなんてとんだゲスざます!これではてんこちゃんを安心して散歩させられないざます!」
「おお、こわい、こわい。」
「おお、あたい、あたい。」
「はあ、勝手に逃げ出しやがって。ああー!めんどくせー!」
「まったく、金バッジを襲うなんてとんだゲスざます!これではてんこちゃんを安心して散歩させられないざます!」
「おお、こわい、こわい。」
「おお、あたい、あたい。」
「はあ、勝手に逃げ出しやがって。ああー!めんどくせー!」
その後、男が散々文句を言いながららん一家をケースに放り込んだのは、ちるのとてんこがソフトクリームを食べ終わって口周りを拭いてもらった後だった。
7.
「よお、ぱちゅりー、ゆっくりしていってね。」
「お兄さん!むきゅ、ゆっくりしていってね。どうしたの?まだ、見回りに来る日ではないけど。」
翌週、公園の群れにはいつものゆっくりんピースのお兄さんが訪ねていた。
「よお、ぱちゅりー、ゆっくりしていってね。」
「お兄さん!むきゅ、ゆっくりしていってね。どうしたの?まだ、見回りに来る日ではないけど。」
翌週、公園の群れにはいつものゆっくりんピースのお兄さんが訪ねていた。
「ああ、先週は俺が来れないせいで、なんか面倒な事になってしまったらしいからな、なんとか都合をつけて様子を見に来た。」
「むきゅう・・・お兄さんも忙しいのに・・・ありがとう、お兄さん。」
「むきゅう・・・お兄さんも忙しいのに・・・ありがとう、お兄さん。」
「で、先週の件だが、まあ特に何もなし。らんに襲われかけたありすが状況を正しく判断できていたことが幸いしたな。
ありすの飼い主も元々この公園の群れに対して好意的だったみたいだし、むしろお礼を言われてしまったよ。」
「そう、良かった・・・でも、今回はまりさ達の判断が的確だったから大事にならなかったわ。
もしその金バッジのありすになにかがあったら・・・むきゅ・・・もっと安全策を取るべきだったと今は思うわ。」
「おいおい、人間の過失までフォローしようってのかよ、お前は。大丈夫だ、もしなんかあったら俺が・・・いや、俺にできることもそうないか、あはは」
「お兄さん・・・お兄さんは本当にぱちぇ達に良くしてくれたわ。そんなこと言わないで。」
「あはは、まぁ俺にできることだったら土下座だろうがなんだろうがしてやるよ。」
ありすの飼い主も元々この公園の群れに対して好意的だったみたいだし、むしろお礼を言われてしまったよ。」
「そう、良かった・・・でも、今回はまりさ達の判断が的確だったから大事にならなかったわ。
もしその金バッジのありすになにかがあったら・・・むきゅ・・・もっと安全策を取るべきだったと今は思うわ。」
「おいおい、人間の過失までフォローしようってのかよ、お前は。大丈夫だ、もしなんかあったら俺が・・・いや、俺にできることもそうないか、あはは」
「お兄さん・・・お兄さんは本当にぱちぇ達に良くしてくれたわ。そんなこと言わないで。」
「あはは、まぁ俺にできることだったら土下座だろうがなんだろうがしてやるよ。」
しばらく群れの様子を見ていたお兄さんだが、思い出したように話し始めた。
「・・・あの二人な・・・」
「むきゅ。二人?」
「先週ここに来た二人だよ。」
「ゆーあの二人。」
「・・・まっっったく悪びれていないんだ、これが。そもそも自分たちは野良の相手なんかしたくないってね。」
「・・・」
「それだけじゃなくて、あの事を報告すらしてなかったんだぜ?らん一家だけ渡して後はよろしくってな。ありすの飼い主からお礼の電話があってはじめてうちの支部も事情を知ったわけさ。」
「そうなの・・・」
「・・・あの二人な・・・」
「むきゅ。二人?」
「先週ここに来た二人だよ。」
「ゆーあの二人。」
「・・・まっっったく悪びれていないんだ、これが。そもそも自分たちは野良の相手なんかしたくないってね。」
「・・・」
「それだけじゃなくて、あの事を報告すらしてなかったんだぜ?らん一家だけ渡して後はよろしくってな。ありすの飼い主からお礼の電話があってはじめてうちの支部も事情を知ったわけさ。」
「そうなの・・・」
「あと、らん一家だがな、まあどうやら本当にただの捨てゆっくりだったみたいだ。バッジは取られていたけど飾りに目立たないように商品コードがついていてな。
そこから、買ったお店と飼い主を見つけられたんだが、問い合わせたらもういらないから、後は任せますってな。それ以降は着信拒否だってさ。
それで・・・まあ・・・飼いゆっくりに手を出すような危険なゆっくりは、放置しておけないってな、殺処分が決まったみたいだ。いや、もう昨日のうちに済んでいるのかな。」
「・・・」
「殺処分って言ってもラムネで眠らせてから、薬を注射する、まあ安楽死ってやつだけどな。」
「・・・そう、あの子達は苦しまずに死ねたのね。」
そこから、買ったお店と飼い主を見つけられたんだが、問い合わせたらもういらないから、後は任せますってな。それ以降は着信拒否だってさ。
それで・・・まあ・・・飼いゆっくりに手を出すような危険なゆっくりは、放置しておけないってな、殺処分が決まったみたいだ。いや、もう昨日のうちに済んでいるのかな。」
「・・・」
「殺処分って言ってもラムネで眠らせてから、薬を注射する、まあ安楽死ってやつだけどな。」
「・・・そう、あの子達は苦しまずに死ねたのね。」
緩やかな風がふき始めた。すこし暑い今日の気温にこの風は心地よい。
「・・・なんか納得いかなかったりしないのか?れいむが死んでしまった間接的な要因はあいつらにあったんじゃないのか?下手したら一斉駆除の可能性だってあったんだぞ?」
「むきゅ。というと?」
「だから、例えば苦しませて罪を認識させてからとかさぁ、そういうことをお前は考えたりしないのか?」
「むきゅきゅ。お兄さんはゆっくりが虐待されたり制裁されたりするのを見てゆっくりできる人間さんなの?むきゅきゅ。」
「いや、そういうわけじゃないけどさあ」
「むきゅ。というと?」
「だから、例えば苦しませて罪を認識させてからとかさぁ、そういうことをお前は考えたりしないのか?」
「むきゅきゅ。お兄さんはゆっくりが虐待されたり制裁されたりするのを見てゆっくりできる人間さんなの?むきゅきゅ。」
「いや、そういうわけじゃないけどさあ」
「・・・遠目にしか見れなかったけど、あのらんはとても苦しんでいるように見えたわ。自分が希少種であることにすがらなければ精神が持たなそうなくらいね。むきゅ。」
「・・・」
「あんな子でも、時間をかけて手間暇かければ皆と暮らせるかもしれない。でもそんな暇のあるゆっくりも人間さんも殆どいないわ。
結局、苦しくて惨めな経験をしながら、他のゆっくりや人間さんに迷惑をかけながら、全てを呪いながら死んでいくしか無かったかもしれないわ。それと比べたら・・・」
「ぱちゅりー・・・」
「それにゆっくりんぴーすが、虐待や制裁のうえにゆっくりを殺してしまったら、愛護団体として示しがつかないわ、むきゅきゅ。」
「そうだな・・・変なことを聞いてしまってすまん」
「むきゅきゅ。いえいえ。」
「・・・」
「あんな子でも、時間をかけて手間暇かければ皆と暮らせるかもしれない。でもそんな暇のあるゆっくりも人間さんも殆どいないわ。
結局、苦しくて惨めな経験をしながら、他のゆっくりや人間さんに迷惑をかけながら、全てを呪いながら死んでいくしか無かったかもしれないわ。それと比べたら・・・」
「ぱちゅりー・・・」
「それにゆっくりんぴーすが、虐待や制裁のうえにゆっくりを殺してしまったら、愛護団体として示しがつかないわ、むきゅきゅ。」
「そうだな・・・変なことを聞いてしまってすまん」
「むきゅきゅ。いえいえ。」
しばらく黙っているお兄さんとぱちゅりーのもとにえーりんが訪ねてきた。
「お兄さん、ゆっくりいらっしゃい!ゆっくりしていってね。」
「おお、ゆっくりしていってね、えーりん。ちょうど良かった、ほら、これを渡そうと思ってな。」
そう言ってお兄さんはえーりんにオレンジパウダーやアルコールを渡していく。
「お兄さん、ゆっくりいらっしゃい!ゆっくりしていってね。」
「おお、ゆっくりしていってね、えーりん。ちょうど良かった、ほら、これを渡そうと思ってな。」
そう言ってお兄さんはえーりんにオレンジパウダーやアルコールを渡していく。
「ゆわー!ありがとう、お兄さん。これでまた多くのゆっくりが救えるわ!」
「むきゅー、さすがお兄さんは気が利くわね。」
「ああ、れいむの件で大量に消費しただろうからな・・・」
「ええ・・・」
「・・・」
「むきゅー、さすがお兄さんは気が利くわね。」
「ああ、れいむの件で大量に消費しただろうからな・・・」
「ええ・・・」
「・・・」
「なぁ、お前たちに伝えることがあるんだが・・・」
「「ゆ?」」
「「ゆ?」」
「・・・実はお前たちをぜひ飼いたいって言っている人、というか団体がいてな。ぱちゅりーは、△△にあるゆっくり研究所。
・・・研究所って言ってもゆっくりを日々解剖したりする所でなくて、人とゆっくりの真の共存について模索していくところだそうだ。
まぁ、そういう所は色々とおかしなカルト系の息がかかっている事が多いんだが、ここに関してはそういうことはないし、ここの所長は人間的にも尊敬できる人だ。」
「・・・」
・・・研究所って言ってもゆっくりを日々解剖したりする所でなくて、人とゆっくりの真の共存について模索していくところだそうだ。
まぁ、そういう所は色々とおかしなカルト系の息がかかっている事が多いんだが、ここに関してはそういうことはないし、ここの所長は人間的にも尊敬できる人だ。」
「・・・」
「・・・えーりんの方はだな、ゆっくり専門病院の大手の□□ってところでだな、野良ゆっくりの治療経験が豊富なゆっくりを探しているらしい。
最近はゆっくりにも都市発の新しい病気が増えていてな、是非これまでの経験を生かして欲しいそうだ。」
「・・・」
最近はゆっくりにも都市発の新しい病気が増えていてな、是非これまでの経験を生かして欲しいそうだ。」
「・・・」
「まぁ、で、実際どうだ、どっちも不自由はさせないし、きっとお前たちならそこの仕事も面白いと思うが。」
「むきゅ、お兄さん・・・せっかくのお話、悪いけど。」
「遠慮させてもらうわ。」
二匹はそう言って断った。
「むきゅ、お兄さん・・・せっかくのお話、悪いけど。」
「遠慮させてもらうわ。」
二匹はそう言って断った。
「ま、そうだよな!分かった分かった!スマンな、俺も立場上、ちゃんと説明しなければいけないんだ。先方には俺から失礼のないように断っておくよ。」
「お兄さん、毎回毎回、ごめんね。」
「気にするなって・・・」
「お兄さん、毎回毎回、ごめんね。」
「気にするなって・・・」
「あの、すいません。」
二匹と一人の会話を遮るように、一人のお姉さんが声をかける。後ろからは金バッジをつけたありすもついて来た。
二匹と一人の会話を遮るように、一人のお姉さんが声をかける。後ろからは金バッジをつけたありすもついて来た。
「あなたは?どうされたのですか?」
「あの、私の飼っているありすがこの群れのゆっくりに助けられたと聞いて。それから・・・」
「そうよ!たすけてもらったのに、ろくにおれいもしないのは、とかいはじゃないわ!」
お兄さんの問にそう答えるお姉さんとありす。
「あの、私の飼っているありすがこの群れのゆっくりに助けられたと聞いて。それから・・・」
「そうよ!たすけてもらったのに、ろくにおれいもしないのは、とかいはじゃないわ!」
お兄さんの問にそう答えるお姉さんとありす。
「ああ、あなたが!この節は大変お世話になりました!あ、私ゆっくりんぴーすの・・・」
この金バッジありすは先週らんに襲われかけたところを、まりさ達に助けてもらったありすである。
そしてお姉さんはそのありすの飼い主であり、かつて指輪を落として困っているところをれいむに助けてもらった人物でもある。
そしてお姉さんはそのありすの飼い主であり、かつて指輪を落として困っているところをれいむに助けてもらった人物でもある。
「ゆっくりしていってね、ぱちゅりー、えーりん。」
「ゆっくりしていってね。」
お兄さんと挨拶の終えたお姉さんとありすは、ぱちゅりーとえーりんに話しかける。
「ゆっくりしていってね。」
お兄さんと挨拶の終えたお姉さんとありすは、ぱちゅりーとえーりんに話しかける。
「ゆっくりしていってね。」
「ゆっくりしていってね、むきゅ。だいたい事情は分かりました。お姉さん、ありす。今、まりさ達を呼んできます。」
「あ、ちょっと待って、ぱちゅりー。私、この子も探しているんだけど。」
「むきゅ?」
そう言って、お姉さんはぱちゅりーに携帯電話の画面を見せる。そこにはあのれいむが映っていた。
「ゆっくりしていってね、むきゅ。だいたい事情は分かりました。お姉さん、ありす。今、まりさ達を呼んできます。」
「あ、ちょっと待って、ぱちゅりー。私、この子も探しているんだけど。」
「むきゅ?」
そう言って、お姉さんはぱちゅりーに携帯電話の画面を見せる。そこにはあのれいむが映っていた。
「!!!お姉さん・・・このれいむは・・・」
「え!?どうしたの・・・?」
ぱちゅりーはお姉さんたちに事情を話し始める。
「え!?どうしたの・・・?」
ぱちゅりーはお姉さんたちに事情を話し始める。
「・・・そんな・・・あの時、私の相手なんかしなければ・・・もっと早くゴミ拾いも終わっただろうに・・・私が、私のせいで・・・」
「むきゅう・・・お姉さんのせいじゃありません。お姉さんが自分を攻める必要なんて・・・」
「「「「・・・・・・」」」」
「むきゅう・・・お姉さんのせいじゃありません。お姉さんが自分を攻める必要なんて・・・」
「「「「・・・・・・」」」」
「・・・ねえ、お姉さん?れいむのお墓にいかない?」
少し空気が悪くなって、皆なにを言えばいいか分からないところに、えーりんがそう言った。
少し空気が悪くなって、皆なにを言えばいいか分からないところに、えーりんがそう言った。
「ゆぅ、さなえ?さなえもきたのかぜ?」
「はい、まりささんもおはかまいりですか?」
れいむのお墓の前にはまりさとさなえが来ていた。
「はい、まりささんもおはかまいりですか?」
れいむのお墓の前にはまりさとさなえが来ていた。
「れいむさん・・・これ・・・」
さなえはそう言ってお花をお墓の前に添える。
さなえはそう言ってお花をお墓の前に添える。
「そのおはなをどうしたのぜ、さなえ?かだんさんからもってきたのかぜ?」
「ゆふふ・・・まさか。これはかだんさんいがいに、はえていたものです。」
「ゆふふ・・・まさか。これはかだんさんいがいに、はえていたものです。」
「・・・れいむさんが・・・」
「ゆ?」
「れいむさんが、さなえにたべさせてくれたおはななんですよ。まだ、さなえがのらになってみじかく、なかなかたべられるものがなかったときに・・・」
「そうだったのかぜ・・・」
「ゆ?」
「れいむさんが、さなえにたべさせてくれたおはななんですよ。まだ、さなえがのらになってみじかく、なかなかたべられるものがなかったときに・・・」
「そうだったのかぜ・・・」
「「・・・・・・」」
「まりさ?さなえ?ゆっくりしていってね!」
沈黙を破ったのは金バッジありすだった。続けてやってくるお兄さんとお姉さんと長ぱちゅりー、えーりん。
沈黙を破ったのは金バッジありすだった。続けてやってくるお兄さんとお姉さんと長ぱちゅりー、えーりん。
「「「「「ゆっくりしていってね。」」」」」
それぞれ挨拶をするゆっくりと人間たち。
それぞれ挨拶をするゆっくりと人間たち。
「おねえさんはありすのかいぬしさんなのぜ?どうしてれいむのおはかに?」
まりさはお姉さんとしっかりと話していなかったからか、お姉さんのことを覚えていなかった。
それから、お姉さんは以前のれいむに指輪を拾ってもらった時のお話をし始めた。
まりさはお姉さんとしっかりと話していなかったからか、お姉さんのことを覚えていなかった。
それから、お姉さんは以前のれいむに指輪を拾ってもらった時のお話をし始めた。
「ゆう、じゃあおねえさんはあの時の・・・」
「・・・え?じゃあ、まりさはあの時、れいむと一緒にいたまりさなのね。」
そのような会話がまりさとお姉さんでなされた後、ゆっくりとお姉さんはれいむのお墓に向きあった。
「・・・え?じゃあ、まりさはあの時、れいむと一緒にいたまりさなのね。」
そのような会話がまりさとお姉さんでなされた後、ゆっくりとお姉さんはれいむのお墓に向きあった。
れいむのお墓はそこらへんから拾ったであろう割り箸が一本、地面に刺さっているだけの簡素なものであったが、
その回りに添えられた様々なお花や綺麗な小石が、生前のれいむのゆっくりあたりの良さを暗示していた。
その回りに添えられた様々なお花や綺麗な小石が、生前のれいむのゆっくりあたりの良さを暗示していた。
「れいむ・・・遅くなってごめんなさい・・・私、小さい頃にお母さんを亡くしちゃってね・・・あの指輪が数少ない形見の一つだったんだ・・・
あの指輪が排水溝に落ちてしまった時、本当にもうどうしようかって思ったの。だから、れいむがお飾りを傷つけながらも見つけてくれた時は本当に嬉しかった・・・
れいむ、私達と違ってあなた達ゆっくりは顔しか無いのに、それでゴミとか拾ってたんでしょ?人ごみの中で私達人間の足は怖く無かったの?
れいむ・・・私ね、正直に言って野良ゆっくりってもっとゆっくりしていないものだと思っていたのよ。汚らしく、人間に喧嘩を売って、ゴミを荒らして、街の景観を汚しているとばかり。
知らなかったのよ。まさか人間が汚したものを、捨てたゴミを片付けているゆっくりがいるなんて・・・
・・・いいえ、知ろうとしなかったのよ・・・目に見えても、元々の先入観にとらわれて、考えようとしなかった・・・
だから、れいむ・・・あなたに会えて、あなたの仲間にも会えて・・・野良の子でもこんなにいい子がこんなにもいるってようやく気づけた・・・
・・・私、あなたの事忘れません。だから、れいむ・・・あのね・・・安らかに眠ってね?・・・ゆっくりしていってね・・・?」
あの指輪が排水溝に落ちてしまった時、本当にもうどうしようかって思ったの。だから、れいむがお飾りを傷つけながらも見つけてくれた時は本当に嬉しかった・・・
れいむ、私達と違ってあなた達ゆっくりは顔しか無いのに、それでゴミとか拾ってたんでしょ?人ごみの中で私達人間の足は怖く無かったの?
れいむ・・・私ね、正直に言って野良ゆっくりってもっとゆっくりしていないものだと思っていたのよ。汚らしく、人間に喧嘩を売って、ゴミを荒らして、街の景観を汚しているとばかり。
知らなかったのよ。まさか人間が汚したものを、捨てたゴミを片付けているゆっくりがいるなんて・・・
・・・いいえ、知ろうとしなかったのよ・・・目に見えても、元々の先入観にとらわれて、考えようとしなかった・・・
だから、れいむ・・・あなたに会えて、あなたの仲間にも会えて・・・野良の子でもこんなにいい子がこんなにもいるってようやく気づけた・・・
・・・私、あなたの事忘れません。だから、れいむ・・・あのね・・・安らかに眠ってね?・・・ゆっくりしていってね・・・?」
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「おねえさん、ありがとうなのぜ、れいむもきっとよろこんでいるのぜ。」
「おねえさん・・・ありがとうございます・・・」
「とかいはなれいむだったのね・・・れいむ、ありすからもおれいをいうわ、ゆっくりありがとう。」
「おねえさん・・・ありがとうございます・・・」
「とかいはなれいむだったのね・・・れいむ、ありすからもおれいをいうわ、ゆっくりありがとう。」
「はあ、全く困っちゃうねえ、こんな時に限ってハンカチ忘れちまうなんてな・・・」
「れいむぅ・・・れいむぅ・・・ゆっくりね・・・ゆっくりしていってね。」
「むきゅ・・・れいむ、ありがとう・・・あなたのお陰でまた・・・」
「れいむぅ・・・れいむぅ・・・ゆっくりね・・・ゆっくりしていってね。」
「むきゅ・・・れいむ、ありがとう・・・あなたのお陰でまた・・・」
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「じゃあ、まりさはおねえさんとありすを、めーりんとみょんにあわせてくるのぜ。さなえはどうするのぜ?」
「さなえは・・・さなえはもうすこしここにいます。」
「わかったのぜ。じゃあ、さなえ・・・またあとでだぜ。」
「はい!またあとで!」
「さなえは・・・さなえはもうすこしここにいます。」
「わかったのぜ。じゃあ、さなえ・・・またあとでだぜ。」
「はい!またあとで!」
「さなえ、今日はありがとうね。ゆっくりしていってね。」
「さなえ、その・・・のらせいかつはたいへんかもしれないけど・・・とかいはなさなえなら、きっとだいじょうぶよ!ゆっくりしていってね!」
「ありがとうございます、おねえさん、ありすさん・・・ゆっくりしていってくださいね!」
「さなえ、その・・・のらせいかつはたいへんかもしれないけど・・・とかいはなさなえなら、きっとだいじょうぶよ!ゆっくりしていってね!」
「ありがとうございます、おねえさん、ありすさん・・・ゆっくりしていってくださいね!」
あたりは再びさなえだけになる。
先程からふく風はまだ止まらず、あたりには草木の香りがほのかに香る。
「れいむさん・・・」
「きこえていましたか・・・?きこえていましたよね・・・?」
さなえはふと空を見上げる。
まばらに浮かぶ雲の中、ひとつだけ、一瞬だけれいむの形に見える雲があった。
まばらに浮かぶ雲の中、ひとつだけ、一瞬だけれいむの形に見える雲があった。
「むだではありません。むだなんかじゃありません・・・れいむさんのしてきたことは・・・れいむさんのがんばってきたことは、むだではなかったんです・・・」
れいむの形に見えた雲はもう形を変え、さらに他の雲と混じりあり、また別の形へと変わってゆく。
「れいむさん・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・ゆっくりしていってくださいね。」
・・・・・・・・・ゆっくりしていってくださいね。」
初夏の風は穏やかに、そして優しくふきつづけていた。