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ゼロとアニキ-01 - (2007/12/13 (木) 13:00:28) の1つ前との変更点
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ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
通称、ゼロのルイズは喜んでいた。
目の前に赤く、巨大なゴーレムが鎮座していた。
『サモン・サーヴァント』に私は完全に成功したのだ!
「ふ、ふ、ふ、ははは、あーっはっは!」
思わず高い笑い声が出てしまう。てゆうか、笑い声が止まらない。やっぱりわたしは天才ね!
「あのルイズが魔法を成功させた!?」
「な、なんだあのゴーレム。すっげぇ強そうだ!」
「そんな馬鹿な!」
外野の声がうるさい。なんとでも言いなさい、わたしはもうゼロじゃないのよ!
と口笛でも吹き出したくなるような気分でルイズは『コンクラント・サーヴァント』を済ませるためにゴーレムに
近寄った――ところで凍りついた。
ゴーレムの口の中に血にまみれた男が座っていた。
で、今に繋がるワケで。
はぁああああぁ、と声を上げて大きくルイズは溜息を付いた。
あれから散々だった。
血を見て一部の生徒は貧血を起こすわ、吐き出すわ、悲鳴を上げるわ。冷静に対応したのがミスタ・コルベールと
(意外なことに)タバサだけだったし。
慌ててゴーレムから男を引きずり出し、応急処置を施し、タバサの召還したドラゴンに載せ、超特急でトリステイン
魔法学院に担ぎ込んだのが三日前。今はその三日目の夜
その男はまだ目を覚ましていない。一時は本当に危なかったみたいだけど、わたしの財布の中身と引き換えに
男は一命を取り留めていた。うう、これで今月は辛い。
だけど、仕方が無かった。わたしの使い魔は残念ながらこの男となのだ。再召喚は伝統に反する、という理由で
却下されてしまい、使い魔がいないと学院を強制放校。いっそあの時、助けなけりゃ――なんていう考えも浮かばないで
もなかったが、それはわたしの貴族としての矜持に反することおびただしい。
結論。選択肢は、無し。とゆうわけで、未だに意識を回復しないこの男にサクッと『コンクラント・サーヴァント』見事成功。
ちょっと悪い気もしたが、まぁ、平民ぽいし、大丈夫よね、と自己正当化。意識がある時にする方が恥ずかしいだろう。
あとは目を覚ませば――あ
目を覚ました。目をパチパチとさせて……ガバッと起き上がった!
「ど、どこだ、ここは? 一体どうなってやがる」
「あんた、眠ってたのよ、三日くらい。」
「三日……三日!? 戦いは! 戦いはどうなったんだ! シモンは、グレンラガンはどうなった!?」
「シモン……グレンラガン? 何を言っているのかよくわからないけど、あんたが乗っていたあのゴーレムのこと?」
「ゴーレムって何だ? いや、まぁ、それは良い。お前は誰だ? ここはどこだ? どうして俺はこんなとこにいる?」
「順に答えるわ、わたしはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。あんたのご主人様よ」
「ご主人様だぁ? お前が? 俺の?」
目の前の男はくだらなそうに言うと、わたしをじっと見た。なんか今笑った。笑いやがった。
「ハッそんなんでご主人様だぁ? くだらねぇ、おとといきやがれ」
「ちょっとあんた、平民のくせに貴族になんて口利いてるのよ!」
「ヘイミン? キゾク? なんだそれ? 喰えるのか?」
ルイズは頭が痛くなった。とんでもない田舎の平民を呼んじゃったのかしら。の割にはあのゴーレムは一体何?
「……二つ目の質問に答えるわ、ここはトリステイン魔法学園でここはその医務室。サモン・サーヴァントで呼びされた、
あんたは大怪我しててここに運び込まれたの」
「大怪我……そういえば、傷が無くなってるな。死んだと思ったんだが」
「感謝しなさいよ。あたしが薬の手配をしてなかったらきっと死んでたんだから」
「そうか…そりゃすまなかったな、ありがとよ。で、トリステインってどこだよ?」
「はぁ? あんたトリステインも知らないの? 一体どこの出身? ふん、まぁいいわ。あんた、名前は?」
「俺の名前だぁ? よし、耳の穴ぁかっぽじってよ~く聞きやがれ!」
そう言うと男はベッドの上に建ち左手で天井を指差した。
「ジーハ村に悪名轟くグレン団の、ぁ、不撓不屈の鬼リーダー! カミナ様たぁ、俺の事だ!」
ルイズは頭を抱えてうずくまった。どうしよう、田舎者の上に本当の馬鹿だ。泣きたい。てゆうか、泣こう。
ああ、ブリミル様、願わくばわたしに普通の人生を。どうしてわたしだけこんなに苦難が多い人生なのかしら。
「……もういいわ、行くわよ」
「ああん? どこにだよ」
「あんたが乗ってたゴーレムを取りにいくのよ。動かし方知ってるんでしょ? 大きくて重くて動かせないから
置きっぱなしなのよ。邪魔だから早くどかせって先生達から文句言われてるんだから」
「ゴーレムじゃねぇ、グレンラガンだ」
「だから! その、グレンラガンって何なのよ、ゴーレムでしょ?」
「だから、ゴーレムって何だよ。グレンラガンっつったらグレンとラガンが合体して出来たガンメンに決まってるだろ。
お前、ガンメンを知らないなんてどこの村の出身だよ。それともここは地底か?」
埒が開かない。そう感じたルイズはとりあえずこいつがグレンラガン?と呼ぶあのゴーレムまで連れて行って
やることにした。それからゆっくりいたぶって調教してやろう。
平民と貴族の格の違いを思い知らせてやるんだから!
サモン・サーヴァントを行った場所は学院の中庭だったので、距離的にはすぐだけど、そこに行くだけででえらく
時間がかかった。何故なら、カミナが
「うおお、こんなすげぇ石の建物は初めてみたぜ!」
とか
「な、なんで月が二つもあるんだ……!?」
とか騒ぎ出したからだ。
ルイズはさっきの一連で確信したことを更に深く思った。こいつ、本当の本当に田舎者ね。大体、月が二つあることを
知らない、なんて空を見たことが無いのかしら。地底にでも住んでたと言うの? 馬鹿馬鹿しい。ああ、腹立たしい。
「ほら、あれよ」
中庭に到着して、わたしは鎮座しているゴーレムを指差してやった。周囲には灯りが点っている。またミスタ・コルベール
が何やら調べているらしい。ああいう珍奇な行動が無ければ良い先生なのに、と生徒は皆口を揃えて言う。
「お、……ってありゃグレンだけじゃねぇか。ラガンはどこ行った?」
また何か言ってるが付き合うのがいい加減精神的に面倒なので、ルイズは構わずコルベールを呼んだ。
「ミスタ・コルベール!」
「なんだね、ミス・ヴァリエール――おっと、使い魔が目を覚ましたのか!」
コルベールが早足で近づいてきた。
「君が乗っていたゴーレムは一体どこで作ったのだね!? いやぁ、見たこともない金属に見たことも無い機械の構造、
良ければどんな風に錬金したのか教えて頂けると……」
早口でコルベールがまくしたてる。しかし、ルイズは横から冷静に述べた。
「ミスタ・コルベール、こいつはメイジなんかじゃありません。平民とか貴族とかも知らないって言うし、トリステインって
言ってもなんだそりゃ?とか言うんですよ」
「ふむ? ではどうやってあのゴーレムを」
「あー! ゴチャゴチャゴチャゴチャうるせぇ! あれはゴーレムなんていう名前じゃねぇ! あれはグレンだ!
俺のモンだ!」
「あれがあんたの物って言うなら動かして見なさいよ!」
「言われなくたって動かしてやるよ!」
カミナは開きっぱなしのグレンのコックピットに入った。座席に座る。レバーを握る。一応点検をする。
よし、なんも問題なんかねぇ!
軽い機動音と共に金属が擦れて、駆動する音が辺りに響く共に赤い巨大なゴーレム――ガンメン、グレンが
立ち上がった。
「お、お、おおおおおおぉぉぉぉ」
外ではコルベールがおたけびを挙げていた。興奮していた。同時にすげぇ!カッコイイ!とか思っている。
どんなメイジのゴーレムを見たときよりも凄い感動がコルベールを包んでいた。
一方、ルイズは目を見開いて、呆然としている。
あんな、金属の塊が! どうせ色と形がそれらしいだけのハッタリと思ってたのに。まさか、あんなものが……!?
もしかして、とルイズは思った。もしかして、わたしは凄い使い魔を――
「どうだ、見たか! 俺を誰だと思っていやがる!!」
夜の学院にカミナの声が響いた。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
通称、[[ゼロのルイズ]]は喜んでいた。
目の前に赤く、巨大なゴーレムが鎮座していた。
『サモン・[[サーヴァント]]』に私は完全に成功したのだ!
「ふ、ふ、ふ、ははは、あーっはっは!」
思わず高い笑い声が出てしまう。てゆうか、笑い声が止まらない。やっぱりわたしは天才ね!
「あのルイズが魔法を成功させた!?」
「な、なんだあのゴーレム。すっげぇ強そうだ!」
「そんな馬鹿な!」
外野の声がうるさい。なんとでも言いなさい、わたしはもうゼロじゃないのよ!
と口笛でも吹き出したくなるような気分でルイズは『コンクラント・サーヴァント』を済ませるためにゴーレムに
近寄った――ところで凍りついた。
ゴーレムの口の中に血にまみれた男が座っていた。
で、今に繋がるワケで。
はぁああああぁ、と声を上げて大きくルイズは溜息を付いた。
あれから散々だった。
血を見て一部の生徒は貧血を起こすわ、吐き出すわ、悲鳴を上げるわ。冷静に対応したのがミスタ・コルベールと
(意外なことに)タバサだけだったし。
慌ててゴーレムから男を引きずり出し、応急処置を施し、タバサの召還したドラゴンに載せ、超特急でトリステイン
魔法学院に担ぎ込んだのが三日前。今はその三日目の夜
その男はまだ目を覚ましていない。一時は本当に危なかったみたいだけど、わたしの財布の中身と引き換えに
男は一命を取り留めていた。うう、これで今月は辛い。
だけど、仕方が無かった。わたしの使い魔は残念ながらこの男となのだ。再召喚は伝統に反する、という理由で
却下されてしまい、使い魔がいないと学院を強制放校。いっそあの時、助けなけりゃ――なんていう考えも浮かばないで
もなかったが、それはわたしの貴族としての矜持に反することおびただしい。
結論。選択肢は、無し。とゆうわけで、未だに意識を回復しないこの男にサクッと『コンクラント・サーヴァント』見事成功。
ちょっと悪い気もしたが、まぁ、平民ぽいし、大丈夫よね、と自己正当化。意識がある時にする方が恥ずかしいだろう。
あとは目を覚ませば――あ
目を覚ました。目をパチパチとさせて……ガバッと起き上がった!
「ど、どこだ、ここは? 一体どうなってやがる」
「あんた、眠ってたのよ、三日くらい。」
「三日……三日!? 戦いは! 戦いはどうなったんだ! シモンは、グレンラガンはどうなった!?」
「シモン……グレンラガン? 何を言っているのかよくわからないけど、あんたが乗っていたあのゴーレムのこと?」
「ゴーレムって何だ? いや、まぁ、それは良い。お前は誰だ? ここはどこだ? どうして俺はこんなとこにいる?」
「順に答えるわ、わたしはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。あんたのご主人様よ」
「ご主人様だぁ? お前が? 俺の?」
目の前の男はくだらなそうに言うと、わたしをじっと見た。なんか今笑った。笑いやがった。
「ハッそんなんでご主人様だぁ? くだらねぇ、おとといきやがれ」
「ちょっとあんた、平民のくせに貴族になんて口利いてるのよ!」
「ヘイミン? キゾク? なんだそれ? 喰えるのか?」
ルイズは頭が痛くなった。とんでもない田舎の平民を呼んじゃったのかしら。の割にはあのゴーレムは一体何?
「……二つ目の質問に答えるわ、ここはトリステイン魔法学園でここはその医務室。サモン・サーヴァントで呼びされた、
あんたは大怪我しててここに運び込まれたの」
「大怪我……そういえば、傷が無くなってるな。死んだと思ったんだが」
「感謝しなさいよ。あたしが薬の手配をしてなかったらきっと死んでたんだから」
「そうか…そりゃすまなかったな、ありがとよ。で、トリステインってどこだよ?」
「はぁ? あんたトリステインも知らないの? 一体どこの出身? ふん、まぁいいわ。あんた、名前は?」
「俺の名前だぁ? よし、耳の穴ぁかっぽじってよ~く聞きやがれ!」
そう言うと男はベッドの上に建ち左手で天井を指差した。
「ジーハ村に悪名轟くグレン団の、ぁ、不撓不屈の鬼リーダー! カミナ様たぁ、俺の事だ!」
ルイズは頭を抱えてうずくまった。どうしよう、田舎者の上に本当の馬鹿だ。泣きたい。てゆうか、泣こう。
ああ、ブリミル様、願わくばわたしに普通の人生を。どうしてわたしだけこんなに苦難が多い人生なのかしら。
「……もういいわ、行くわよ」
「ああん? どこにだよ」
「あんたが乗ってたゴーレムを取りにいくのよ。動かし方知ってるんでしょ? 大きくて重くて動かせないから
置きっぱなしなのよ。邪魔だから早くどかせって先生達から文句言われてるんだから」
「ゴーレムじゃねぇ、グレンラガンだ」
「だから! その、グレンラガンって何なのよ、ゴーレムでしょ?」
「だから、ゴーレムって何だよ。グレンラガンっつったらグレンとラガンが合体して出来たガンメンに決まってるだろ。
お前、ガンメンを知らないなんてどこの村の出身だよ。それともここは地底か?」
埒が開かない。そう感じたルイズはとりあえずこいつがグレンラガン?と呼ぶあのゴーレムまで連れて行って
やることにした。それからゆっくりいたぶって調教してやろう。
平民と貴族の格の違いを思い知らせてやるんだから!
サモン・サーヴァントを行った場所は学院の中庭だったので、距離的にはすぐだけど、そこに行くだけででえらく
時間がかかった。何故なら、カミナが
「うおお、こんなすげぇ石の建物は初めてみたぜ!」
とか
「な、なんで月が二つもあるんだ……!?」
とか騒ぎ出したからだ。
ルイズはさっきの一連で確信したことを更に深く思った。こいつ、本当の本当に田舎者ね。大体、月が二つあることを
知らない、なんて空を見たことが無いのかしら。地底にでも住んでたと言うの? 馬鹿馬鹿しい。ああ、腹立たしい。
「ほら、あれよ」
中庭に到着して、わたしは鎮座しているゴーレムを指差してやった。周囲には灯りが点っている。またミスタ・コルベール
が何やら調べているらしい。ああいう珍奇な行動が無ければ良い先生なのに、と生徒は皆口を揃えて言う。
「お、……ってありゃグレンだけじゃねぇか。ラガンはどこ行った?」
また何か言ってるが付き合うのがいい加減精神的に面倒なので、ルイズは構わずコルベールを呼んだ。
「ミスタ・コルベール!」
「なんだね、ミス・ヴァリエール――おっと、使い魔が目を覚ましたのか!」
コルベールが早足で近づいてきた。
「君が乗っていたゴーレムは一体どこで作ったのだね!? いやぁ、見たこともない金属に見たことも無い機械の構造、
良ければどんな風に錬金したのか教えて頂けると……」
早口でコルベールがまくしたてる。しかし、ルイズは横から冷静に述べた。
「ミスタ・コルベール、こいつはメイジなんかじゃありません。平民とか貴族とかも知らないって言うし、トリステインって
言ってもなんだそりゃ?とか言うんですよ」
「ふむ? ではどうやってあのゴーレムを」
「あー! ゴチャゴチャゴチャゴチャうるせぇ! あれはゴーレムなんていう名前じゃねぇ! あれはグレンだ!
俺のモンだ!」
「あれがあんたの物って言うなら動かして見なさいよ!」
「言われなくたって動かしてやるよ!」
カミナは開きっぱなしのグレンのコックピットに入った。座席に座る。レバーを握る。一応点検をする。
よし、なんも問題なんかねぇ!
軽い機動音と共に金属が擦れて、駆動する音が辺りに響く共に赤い巨大なゴーレム――ガンメン、グレンが
立ち上がった。
「お、お、おおおおおおぉぉぉぉ」
外ではコルベールがおたけびを挙げていた。興奮していた。同時にすげぇ!カッコイイ!とか思っている。
どんなメイジのゴーレムを見たときよりも凄い感動がコルベールを包んでいた。
一方、ルイズは目を見開いて、呆然としている。
あんな、金属の塊が! どうせ色と形がそれらしいだけのハッタリと思ってたのに。まさか、あんなものが……!?
もしかして、とルイズは思った。もしかして、わたしは凄い使い魔を――
「どうだ、見たか! 俺を誰だと思っていやがる!!」
夜の学院にカミナの声が響いた。
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