ゼロの女帝-22 - (2008/09/22 (月) 21:35:39) の1つ前との変更点
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#navi(ゼロの女帝)
&setpagename(ゼロの女帝 第二十二話)
「・・・・・・・・・・」
「なにやってるのかしら、ヴァリエール」
「うっさいわよ、ツェルプストー」
コックのマルトーがセトやサイトから教わった料理「エビフライ」を突き刺したフォークを手にルイズは唸る。
関係無いがマルトーは最近二人からいろいろな『東方の料理』を教わり、それがまた美味なので評判が高い。
噂では王宮からスカウトが来たとか。
「一昨日の夜からずっとこうなのよ」
「やっぱり?まだスネてるのね」
「納得したでしょ、ルイズちゃん」
「わぁってるわよ」
そう、わかってるのだ。
今度こそ本当に自分の使い魔を、と『サモン・サーヴァント』を行った結果来たのは
あの阿呆で美人と見ればすぐ尻尾振る年中サカリのついた平民だったのだと。
どうでもいいが時折私の胸を見て心底残念そうな、気の毒そうな表情をするのは許せん。
しかしまあ武器持たせればそこそこ役に立つので辛うじて我慢してやってるというのに。
アイツときたらタバサとしょっちゅうどこかに出かけている。
「だからね、ルイズちゃん。
サイトちゃんに実戦経験詰ませる為なのよ」
それは判っている。
仮にもこのわたしの、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔なのだ。
『メイジ殺し』の群れすら無双乱舞とばかりに薙ぎ払うくらいの実力が無ければ困る。
でもしかし主人である自分以外の女の子と数日出掛けるとは何事であるか。
などと右手のエビフライと左手のキシメンをかじりながら考えていたルイズは、キュルケが突然自分の頭を掴んだのに驚き、反応しようとするが
「ヤキモチ焼くのもぉ たいがいにぃ・・・・・・・せんかぁ!」
そのままキュルケはルイズの頭を、自分のヒザに叩き付ける!
「もぎゃもぎゃもぎゃぁ!」
額を抑えて床を転げるルイズをよそにキュルケは右の親指を額に当て「あぽ」と一言。
「何すんのよ!」
と立ち上がったルイズの右手を掴んだキュルケは、そのまま彼女を壁へと放り投げる。
ちなみに食堂のテーブルは既にギーシュがワルキューレで部屋の隅に運んでいた。
何故か壁際に張られているロープの反動で戻ってきたルイズの顔面に足の裏による蹴りを叩き込むキュルケ。
「あぽ」
「もうトサカ来た!」とそのままファイトを始めるルイズ。
この二人の格闘が、のちハルケギニア全てを席巻する人気スポーツ「レスリング」の起源である事は言うまでもない。
「よっし、学園に戻ってきたな」
「あなたには感謝している」
「いや、そりゃこっちの台詞だって」
「あなたは自覚していないかもしれないがあなたの戦闘力は尋常では無い程に高く、
その協力を得ている私の労力は非常に軽減されている。
北花壇騎士団としての任務において生命の危機を救われたのも二度や三度ではない。
今回もあのような少女が吸血鬼というのはあなたが言い出すまで予想もしていなかった」
「ああいう時は『一番怪しくなさそうなのが犯人』と決まってるからな。
一歩下がってみればあの子が不自然なまでに事件に関わって『無かった』。
それに、経験を積む事で心構えも出来るようになってきたから。
『必要とあれば幼い少女すら斬る』心構えなんて経験積まないと出来ないからな。
なにより、お前に手を貸したのは俺だけじゃない、こいつもだろ」
「きゅいきゅい、そうなのね。
お姉さまに手を貸してるのはサイトだけじゃないのね」
「判っている。感謝している」
きゅいきゅいと喜ぶ使い魔をよそに、『守りたいのはヴァリエールだけなのか』などと考え、自分でも理解出来ない『寂しい』という
思いをしながらまたサイトに話し掛ける。
「他にも、あなたを同行させる事でヴァリエールにも貸しを作れるし、セトからは謝礼を貰っている。
私にとってきわめて有益」
「謝礼ってやっぱお金?」
「肯定。他にも薬物やそれに関する知識を」
「よくわからんが助けて欲しい時には遠慮無く声掛けてくれよ。
得とか利益とか貸しとかじゃなく、俺が助けたい相手のひとりなんだからな、お前は」
などと会話をしているうちに二人は学園の中庭に降り立つ。
「じゃあ俺はコイツを洗ってやったあとメシ食わせるから」
「わたしは報告書を。あと・・・・・・・・・・」
「ん?」
「ありがとう」
そのかすかな、しかしお日様の光が結晶となって零れ落ちるような笑みを見る事が出来たのはサイトと、二人を見守っていた瀬戸だけでした。
「くたばれ!地獄突き地獄突き地獄突きぃ!」
「死にさらせ!48の虚無の技がひとつ!ルイズバスター!」
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「・・・・・・・・・・」
「なにやってるのかしら、ヴァリエール」
「うっさいわよ、ツェルプストー」
コックのマルトーがセトやサイトから教わった料理「エビフライ」を突き刺したフォークを手にルイズは唸る。
関係無いがマルトーは最近二人からいろいろな『東方の料理』を教わり、それがまた美味なので評判が高い。
噂では王宮からスカウトが来たとか。
「一昨日の夜からずっとこうなのよ」
「やっぱり?まだスネてるのね」
「納得したでしょ、ルイズちゃん」
「わぁってるわよ」
そう、わかってるのだ。
今度こそ本当に自分の使い魔を、と『サモン・[[サーヴァント]]』を行った結果来たのは
あの阿呆で美人と見ればすぐ尻尾振る年中サカリのついた平民だったのだと。
どうでもいいが時折私の胸を見て心底残念そうな、気の毒そうな表情をするのは許せん。
しかしまあ武器持たせればそこそこ役に立つので辛うじて我慢してやってるというのに。
アイツときたらタバサとしょっちゅうどこかに出かけている。
「だからね、ルイズちゃん。
サイトちゃんに実戦経験詰ませる為なのよ」
それは判っている。
仮にもこのわたしの、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔なのだ。
『メイジ殺し』の群れすら無双乱舞とばかりに薙ぎ払うくらいの実力が無ければ困る。
でもしかし主人である自分以外の女の子と数日出掛けるとは何事であるか。
などと右手のエビフライと左手のキシメンをかじりながら考えていたルイズは、キュルケが突然自分の頭を掴んだのに驚き、反応しようとするが
「ヤキモチ焼くのもぉ たいがいにぃ・・・・・・・せんかぁ!」
そのままキュルケはルイズの頭を、自分のヒザに叩き付ける!
「もぎゃもぎゃもぎゃぁ!」
額を抑えて床を転げるルイズをよそにキュルケは右の親指を額に当て「あぽ」と一言。
「何すんのよ!」
と立ち上がったルイズの右手を掴んだキュルケは、そのまま彼女を壁へと放り投げる。
ちなみに食堂のテーブルは既にギーシュがワルキューレで部屋の隅に運んでいた。
何故か壁際に張られているロープの反動で戻ってきたルイズの顔面に足の裏による蹴りを叩き込むキュルケ。
「あぽ」
「もうトサカ来た!」とそのままファイトを始めるルイズ。
この二人の格闘が、のちハルケギニア全てを席巻する人気スポーツ「レスリング」の起源である事は言うまでもない。
「よっし、学園に戻ってきたな」
「あなたには感謝している」
「いや、そりゃこっちの台詞だって」
「あなたは自覚していないかもしれないがあなたの戦闘力は尋常では無い程に高く、
その協力を得ている私の労力は非常に軽減されている。
北花壇騎士団としての任務において生命の危機を救われたのも二度や三度ではない。
今回もあのような少女が吸血鬼というのはあなたが言い出すまで予想もしていなかった」
「ああいう時は『一番怪しくなさそうなのが犯人』と決まってるからな。
一歩下がってみればあの子が不自然なまでに事件に関わって『無かった』。
それに、経験を積む事で心構えも出来るようになってきたから。
『必要とあれば幼い少女すら斬る』心構えなんて経験積まないと出来ないからな。
なにより、お前に手を貸したのは俺だけじゃない、こいつもだろ」
「きゅいきゅい、そうなのね。
お姉さまに手を貸してるのはサイトだけじゃないのね」
「判っている。感謝している」
きゅいきゅいと喜ぶ使い魔をよそに、『守りたいのはヴァリエールだけなのか』などと考え、自分でも理解出来ない『寂しい』という
思いをしながらまたサイトに話し掛ける。
「他にも、あなたを同行させる事でヴァリエールにも貸しを作れるし、セトからは謝礼を貰っている。
私にとってきわめて有益」
「謝礼ってやっぱお金?」
「肯定。他にも薬物やそれに関する知識を」
「よくわからんが助けて欲しい時には遠慮無く声掛けてくれよ。
得とか利益とか貸しとかじゃなく、俺が助けたい相手のひとりなんだからな、お前は」
などと会話をしているうちに二人は学園の中庭に降り立つ。
「じゃあ俺はコイツを洗ってやったあとメシ食わせるから」
「わたしは報告書を。あと・・・・・・・・・・」
「ん?」
「ありがとう」
そのかすかな、しかしお日様の光が結晶となって零れ落ちるような笑みを見る事が出来たのはサイトと、二人を見守っていた瀬戸だけでした。
「くたばれ!地獄突き地獄突き地獄突きぃ!」
「死にさらせ!48の虚無の技がひとつ!ルイズバスター!」
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