朝もやの中、ルイズとギーシュが馬に鞍をつけていると、ギーシュが心配そうに何かをルイズに頼み始めた。
「頼みがあるんだが…」
「何よ?」
「ぼくの使い魔を連れて行ってもいいかな?」
「連れて行けばいいじゃない?さっさと連れてきなさいよ」
「いや、もうここにいるんだ」
そういってギーシュはみかんのいるあたりを指した。
「え?わたし?」
「ちょっとギーシュ!!みかんは私の使い魔でしょうが!!調子に乗ってんじゃないわよ!!」
「違う、そうじゃないんだよ。おいでヴェルダンデ!!」
途端みかんの足元が盛り上がったかと思うとビッグモールが顔を出した。
「もぐらさん?おっきい!!」
「ああ!!僕のヴェルダンデ!!いつ見ても可愛らしいよ!!」
「あんたの使い魔ってビッグモールだったのね」
ルイズがヴェルダンデを覗き込むとヴェルダンデもルイズを見上げ、そして襲った。
「ちょ!!何よこいつ!!」
「ああ、ルイズ、君の指輪に反応してるんだよ。ヴェルダンデは宝石が大好物だからね」
「ふざけないでー!!」
ルイズとヴェルダンデが格闘していると一陣の突風が吹き荒れヴェルダンデを吹き飛ばす。
「な!!誰だ!!僕の可愛いヴェルダンデに何をする!!」
ギーシュの問いかけに上空よりグリフォンに乗った羽帽子の貴族が返答を返す。
「いや、すまないね。婚約者がモグラに襲われていたものでつい、ね」
「こんやくしゃ?」
グリフォンが降り立ち、長身の男がルイズを抱きかかえる。
「ああ、僕はグリフォン隊隊長ワルド子爵だ」
「頼みがあるんだが…」
「何よ?」
「ぼくの使い魔を連れて行ってもいいかな?」
「連れて行けばいいじゃない?さっさと連れてきなさいよ」
「いや、もうここにいるんだ」
そういってギーシュはみかんのいるあたりを指した。
「え?わたし?」
「ちょっとギーシュ!!みかんは私の使い魔でしょうが!!調子に乗ってんじゃないわよ!!」
「違う、そうじゃないんだよ。おいでヴェルダンデ!!」
途端みかんの足元が盛り上がったかと思うとビッグモールが顔を出した。
「もぐらさん?おっきい!!」
「ああ!!僕のヴェルダンデ!!いつ見ても可愛らしいよ!!」
「あんたの使い魔ってビッグモールだったのね」
ルイズがヴェルダンデを覗き込むとヴェルダンデもルイズを見上げ、そして襲った。
「ちょ!!何よこいつ!!」
「ああ、ルイズ、君の指輪に反応してるんだよ。ヴェルダンデは宝石が大好物だからね」
「ふざけないでー!!」
ルイズとヴェルダンデが格闘していると一陣の突風が吹き荒れヴェルダンデを吹き飛ばす。
「な!!誰だ!!僕の可愛いヴェルダンデに何をする!!」
ギーシュの問いかけに上空よりグリフォンに乗った羽帽子の貴族が返答を返す。
「いや、すまないね。婚約者がモグラに襲われていたものでつい、ね」
「こんやくしゃ?」
グリフォンが降り立ち、長身の男がルイズを抱きかかえる。
「ああ、僕はグリフォン隊隊長ワルド子爵だ」
一向が港町ラ・ロシェールにつく頃にはすでに日が傾いていた。
皆一刻も早く休みたいとそうそうに宿を決め酒場で今後の方針を話し合う。
ちなみに部屋割りはルイズ・みかん、ワルド・ギーシュである。
ルイズがワルドとの相部屋を恥ずかしがったための部屋割りだ。
ワルドが小さな女の子の前で食い下がることに気がひけたことや、ギーシュの意見もありこの部屋割りとなった。
まずワルドが口を開いた。
「さて、明後日にならねば船が出港しないことや途中襲ってきた盗賊の話などいろいろ話たいことはあるのだが、何よりもまず君たちは一体何だ?」
キュルケが嬉しそうに答える。
「はじめましておじ様♪私は微熱のキュルケ。こっちは雪風のタバサ。あんまりにもおじ様が素敵だからこっそり後をつけてきましたの」
ワルドは少し困ったよう答える。
「そうか…。助けてもらっておいて何だが、僕にはルイズという婚約者がいるのでね。残念だが君の気持には答えられない。」
「そんなぁ~!!」
キュルケがなおもワルドに言い寄っている隣では、タバサがみかんを見つめていた。
「……」
「な、なぁに?タバサお姉ちゃん?」
「別に」
「…(やっぱりあやしまれてるのかな?もういっそ話しちゃう?…でも、やっぱり秘密にしといた方がいいよね)」
みかんが自分の力を下手に秘密にするべきではなかったかと少し後悔し始めるころには話合いが終わっていた。
「じゃあ、今日は解散にしようか?ああ、そうだ、ルイズ」
「なにかしら?」
「大事な話があるんだ、ちょっとついてきてくれ」
「ええ、分かったわ」
席を立った二人を見てキュルケが口を開く。
「じゃぁ、タバサ、お部屋に戻りましょうか、明日も早いみたいだし」
視線を本から話すことなくうなずくタバサと驚きを隠せないギーシュ。
「なんだい?もう君たちが来た目的は無意味になったじゃないか?まだ付いてくるのかい?」
「あら、確かにおじ様は振り向いてはくれなかったけど、なんだか面白そうな話じゃない?」
「面白そうだからって君、これは内密な任務で」
「それじゃあおやすみなさい♪」
気にする風もなく酒場を後にするキュルケ。
「全く…しょうがないな」
ギーシュ自身偶然一緒に来ることになっただけだということはあまり覚えていないらしい。
皆一刻も早く休みたいとそうそうに宿を決め酒場で今後の方針を話し合う。
ちなみに部屋割りはルイズ・みかん、ワルド・ギーシュである。
ルイズがワルドとの相部屋を恥ずかしがったための部屋割りだ。
ワルドが小さな女の子の前で食い下がることに気がひけたことや、ギーシュの意見もありこの部屋割りとなった。
まずワルドが口を開いた。
「さて、明後日にならねば船が出港しないことや途中襲ってきた盗賊の話などいろいろ話たいことはあるのだが、何よりもまず君たちは一体何だ?」
キュルケが嬉しそうに答える。
「はじめましておじ様♪私は微熱のキュルケ。こっちは雪風のタバサ。あんまりにもおじ様が素敵だからこっそり後をつけてきましたの」
ワルドは少し困ったよう答える。
「そうか…。助けてもらっておいて何だが、僕にはルイズという婚約者がいるのでね。残念だが君の気持には答えられない。」
「そんなぁ~!!」
キュルケがなおもワルドに言い寄っている隣では、タバサがみかんを見つめていた。
「……」
「な、なぁに?タバサお姉ちゃん?」
「別に」
「…(やっぱりあやしまれてるのかな?もういっそ話しちゃう?…でも、やっぱり秘密にしといた方がいいよね)」
みかんが自分の力を下手に秘密にするべきではなかったかと少し後悔し始めるころには話合いが終わっていた。
「じゃあ、今日は解散にしようか?ああ、そうだ、ルイズ」
「なにかしら?」
「大事な話があるんだ、ちょっとついてきてくれ」
「ええ、分かったわ」
席を立った二人を見てキュルケが口を開く。
「じゃぁ、タバサ、お部屋に戻りましょうか、明日も早いみたいだし」
視線を本から話すことなくうなずくタバサと驚きを隠せないギーシュ。
「なんだい?もう君たちが来た目的は無意味になったじゃないか?まだ付いてくるのかい?」
「あら、確かにおじ様は振り向いてはくれなかったけど、なんだか面白そうな話じゃない?」
「面白そうだからって君、これは内密な任務で」
「それじゃあおやすみなさい♪」
気にする風もなく酒場を後にするキュルケ。
「全く…しょうがないな」
ギーシュ自身偶然一緒に来ることになっただけだということはあまり覚えていないらしい。
ギーシュとみかんが少しだけ談笑をした後に各々が部屋に帰ると、困惑気味のルイズがベッドに腰かけていた。
部屋に入ってきたみかんに気づいていないわけもないだろうに何の反応も示さないルイズにみかんは違和感を覚え声をかけた。
「ねぇ、ルイズお姉ちゃん、どうしたの?」
「私、この任務が終わったら結婚するわ」
「え?!」
いきなりそんなことを言われればだれだって驚く。
みかんだって驚く。
しかもこんな状況ならなおさらだ。
「けっこん?!いきなり?!」
「いきなりではないわ、婚約者だもの。いずれ結婚することはずっと前から決まっていたもの」
確かにいいなずけ同士が結婚したところで何もおかしくはないんだが、なぜこのタイミングで?
それに、ルイズが手放しで喜んでいるようでないことも気になる。
いくら年が離れているとは言ってもみかんも女性である。
恋の悩みに関しては少なくとも男よりは敏感である自信がある。
「でも、あんあまりうれしそうじゃないよ、どうして?」
言葉に詰まったようにうつむくルイズを見てみかんはこれはいよいよたたごとではないかもしれないと思い始めた。
結婚そのものも重大な問題ではあるが、それ以上にルイズを悩ませている何かがあるとすればそれはいったいどれほど大きな問題なのだろうか?
しばらく悩んだ後に、みかんはルイズにはっきりと声をかけた。
「ルイズお姉ちゃん」
「何?」
「なにかなやみがあるなら、なやめばいいよ。答えを出すのは本当に今じゃないとダメ?」
「……!!」
ハッとした。
確かにその通りではないか。
ワルドの強引な求婚に少しばかり混乱してしまっていたようだ。
別に今結婚する必要はない。
それでワルドが自分を突き放すようになるかもしれないという不安もあるにはあったがその程度まぁ待ってくれるだろうと楽観して考えることができた。
いや、今すぐに結婚することには自分自身もともと否定的だったではないか。
自分は誰かにそれを肯定してほしかったのだ。
そう考えると一気に気が楽になり途端に疲れを強く感じたのでベッドに潜り込んだ。
みかんと逆の方向を向いて、ぼそぼいそと、しかし聞こえるようにつぶやく。
「…ありがとう」
その声を聞いたみかんはルイズと左右反対にベッドに潜り込んだ。
ここで下手に返事を返すほどに野暮ではない。
しばらくして、部屋には二人と一頭の規則正しい寝息のみが残された。
部屋に入ってきたみかんに気づいていないわけもないだろうに何の反応も示さないルイズにみかんは違和感を覚え声をかけた。
「ねぇ、ルイズお姉ちゃん、どうしたの?」
「私、この任務が終わったら結婚するわ」
「え?!」
いきなりそんなことを言われればだれだって驚く。
みかんだって驚く。
しかもこんな状況ならなおさらだ。
「けっこん?!いきなり?!」
「いきなりではないわ、婚約者だもの。いずれ結婚することはずっと前から決まっていたもの」
確かにいいなずけ同士が結婚したところで何もおかしくはないんだが、なぜこのタイミングで?
それに、ルイズが手放しで喜んでいるようでないことも気になる。
いくら年が離れているとは言ってもみかんも女性である。
恋の悩みに関しては少なくとも男よりは敏感である自信がある。
「でも、あんあまりうれしそうじゃないよ、どうして?」
言葉に詰まったようにうつむくルイズを見てみかんはこれはいよいよたたごとではないかもしれないと思い始めた。
結婚そのものも重大な問題ではあるが、それ以上にルイズを悩ませている何かがあるとすればそれはいったいどれほど大きな問題なのだろうか?
しばらく悩んだ後に、みかんはルイズにはっきりと声をかけた。
「ルイズお姉ちゃん」
「何?」
「なにかなやみがあるなら、なやめばいいよ。答えを出すのは本当に今じゃないとダメ?」
「……!!」
ハッとした。
確かにその通りではないか。
ワルドの強引な求婚に少しばかり混乱してしまっていたようだ。
別に今結婚する必要はない。
それでワルドが自分を突き放すようになるかもしれないという不安もあるにはあったがその程度まぁ待ってくれるだろうと楽観して考えることができた。
いや、今すぐに結婚することには自分自身もともと否定的だったではないか。
自分は誰かにそれを肯定してほしかったのだ。
そう考えると一気に気が楽になり途端に疲れを強く感じたのでベッドに潜り込んだ。
みかんと逆の方向を向いて、ぼそぼいそと、しかし聞こえるようにつぶやく。
「…ありがとう」
その声を聞いたみかんはルイズと左右反対にベッドに潜り込んだ。
ここで下手に返事を返すほどに野暮ではない。
しばらくして、部屋には二人と一頭の規則正しい寝息のみが残された。
早朝、みかんは昨日の疲れが幼い体にはきつかったのか、誰よりも遅く目を覚ました。
隣で待機していたオルトロスを連れ一階に降りると、ルイズをワルドが説得しているのが目に入る。
どうやらまだ任務が終わってすぐの結婚をあきらめていないようだ。
しかしルイズにまともに取り合っている様子はない。
ワルドの勇敢さや有望さを褒めつつも結婚はもう少し後だとはっきりと口にしていた。
それどころか自分をなだめるワルドの言葉に酔っているようにも見える。
それに気付かないワルドでもないのだろう、どちらかといえば本気というよりもいかにルイズを満足させるかを考えて言葉を選んでいるように見える。
苦笑交じりにみかんが二人に近づくとワルドがこっちに気づいたのか手を振ってくる。
こちらも振り返そうとはしたのだが、周りに集まっていた面々の微妙な表情を見てその手が止まった。
タバサの表情こそいつもと同じだが、明らかにおかしい。
「どうしたの?みんな?」
ルイズが俯き、ギーシュが申し訳なさそうに答える
「いや、実はだね……」
その言葉を引き継ぐかのようにワルドが口を開いた。
「君に決闘を申し込みたいのだよ」
隣で待機していたオルトロスを連れ一階に降りると、ルイズをワルドが説得しているのが目に入る。
どうやらまだ任務が終わってすぐの結婚をあきらめていないようだ。
しかしルイズにまともに取り合っている様子はない。
ワルドの勇敢さや有望さを褒めつつも結婚はもう少し後だとはっきりと口にしていた。
それどころか自分をなだめるワルドの言葉に酔っているようにも見える。
それに気付かないワルドでもないのだろう、どちらかといえば本気というよりもいかにルイズを満足させるかを考えて言葉を選んでいるように見える。
苦笑交じりにみかんが二人に近づくとワルドがこっちに気づいたのか手を振ってくる。
こちらも振り返そうとはしたのだが、周りに集まっていた面々の微妙な表情を見てその手が止まった。
タバサの表情こそいつもと同じだが、明らかにおかしい。
「どうしたの?みんな?」
ルイズが俯き、ギーシュが申し訳なさそうに答える
「いや、実はだね……」
その言葉を引き継ぐかのようにワルドが口を開いた。
「君に決闘を申し込みたいのだよ」