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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 気さくな王女-18

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

気さくな王女-18

最終更新:2007年10月07日 20:17

匿名ユーザー

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 フウリンとかいうガラスのベルがチリンチリンと小うるさい。
 許可なく窓から押し入ってきた涼風が、部屋の中にこもっていた臭気を洗い流す。
 幽霊が、町外れから掘り起こしてきた捻り花で鉢植えをこさえている。
 わたしは肌着一枚で寝台の上に寝そべっていた。夏ばてとは縁遠く、無尽蔵の体力と精力を誇る鬼畜者とはいえ、長期間にわたる大労働の後では疲れも残る。

 ため息が出た。最近本当にろくなことがない。
 怨敵スキルニルを打倒し、王女の座を勝ち取ってから一ヶ月。
 その間ただ遊びほうけていたなんてことはもちろんなく、本職も裸足で逃げる集中力で新しい杖を作り上げた。
 装飾性を極力廃し、それでいながら実用性一辺倒というわけでもない。造りではなく素材と使いやすさに凝っている。
 最高級の黒檀を使った王女にしか許されない一品物。いかにも鬼畜的な色合いで艶やかに黒光りしている。
 女子供が見れば、それだけで恐怖にむせび泣こと請け合いという代物で、わたしはこれの出来に大満足だった。
 これならシャルロットのウィンディ・アイシクルでへし折られることもないでしょう。

 せっかく作ったんだから見せつけてやろう、自慢してやろう、悔しさに涙を流す様を指差して笑ってやろう。
 そんな目論見からシャルロットに使いを出したのに、あいつは留守をいいことにわたしの誘いを断ってくれた。
 留学に行っておきながら留守にして遊びほうけているというのも大問題だけど、留守にかこつけてわたしの命令を無視するのは大大大問題。
 怒りを込め、すぐにこちらへ来るようもう一度使いをだした。でも留守。さらに使い。また留守。再度使い。でも留守。
 何をやってるの何を。アルビオンがトリステインに宣戦布告した、なんて話も聞こえてきているのに、連絡がつかないってどういうこと?
 これは反省させるために心細い思いをさせてやるしかない。というわけで連絡を打ち切ったら当然のように音信不通になった。
 ……空気を読みなさいよ。祖国に切り捨てられたんじゃないかという強迫観念に打ち震え、鼻汁を流して許しを乞うのが筋というものでしょうに。

 ひと月。ふた月。み月。時が経つにつれて彼の地のきな臭さは色濃くなっていった。
 戦を避けて里帰りしてきたところを怒鳴りつけてやればいいはずだったのに、シャルロットは一向に帰ってこない。
 死んだという報もないので生きてはいるみたいなんだけど、息災を伝えるような便りもない。
 トリステイン魔法学院が賊に襲われた、などという嘘か本当か冗談のような噂話がまことしやかにささやかれている。

「そんなに心配だったら見にいけばいいじゃない」
 戯言でわたしの心を惑わそうとする幽霊は頭ぐりぐりの刑で黙らせた。
 わたしがシャルロットを心配する義理はないっていうの。
 むしろ逆よ。戦いに巻き込まれてくたばってくれれば、王位がより磐石なものになるじゃないの。
 ただね、わたしが知らないところで生死不明になんてことになれば気分が悪い。
 このたびめでたく戴冠しました、これでわたしがガリアの女王です、て時に「ちょっと待った!」なんて出てきてこられたもうたまらない。
 簒奪を企む連中はこれ幸いとシャルロットを担ぎ出し、わたしの暗殺を企んだり、市井で誹謗中傷を撒き散らしたりする。
 国は荒廃し、わたしは王として認められず、エセ鬼畜者どもがのさばり、何一ついいところがない。これはよくない。

「ボクたちでシャルロットちゃんを助けに行こう!」
 シャルロットの無礼を一切を無視した幽霊の発言はお尻ペンペンの刑で却下した。
 助けてほしいと額を地面に擦りつけて頼まれたならともかくとして、なぜわたしがあいつの所へ駆けつけなければならないの。
 それだけでなく、わたしの靴を舐めさせて、三遍回ってワンと言わせる。
 それと、庭園に舞台を作らせてその上で全裸で躍らせて……それくらいすれば考えなくもない。
 そう、考えなくもない。考えなくもないのに。なんで返事がないのよ。なんで!

「お姉ちゃんも素直じゃないんだから」
 もう幽霊に罰を与えることにすら飽きてしまった。
 結局、世界最強の大国であるガリアが参戦したことで、トリステインゲルマニア連合は、棚から落ちたクックベリーパイが口の中に飛び込んでくるような幸運に見舞われ勝利を手にした。
 虚無がどうしたなんて眉唾物の風聞もあったけど、いやよね。胡散臭い伝説にすがるしかない弱者どもって。
 鬼畜的な書物にもあった。弱い人間は敗北が間近くなるととんでもないものに頼ろうとするのが常らしい。
 動くはずもない超兵器や、成功しようがない大作戦での一発逆転を狙うようになる。とても見られたものじゃない。
 そんなみっともない事態に陥らないよう、普段から自分を鍛えることを怠らないようにしましょう。
 というのが鬼畜者の心構えなんだけど……はぁ。世の中には運のいいやつっていうのがいるものね。ええ、ぜんっぜん納得いかないわよ。

 トリステインが奇跡的な勝利を手にしても、相変わらずシャルロットからは音沙汰が無かった。
 ここまで徹底されると、もはやわたしに対する挑戦としか思えない。
 どうすべきか。ここで退いては事実上の敗北になる。部下に逃げられた間抜けな王女の烙印はまぬがれえない。
 ただただ使いを出すというのが下策であることはすでに証明済みよね。ここ数ヶ月で百から二百は使いを出したけどなしのつぶて。
 かといって、こちらから様子を見にいけばつけあがらせるだけ。気分が悪い。
 シャルロットはいつもわたしの足を引っ張る。あいつのせいで枕を高くして眠れない。
 そしてシャルロットという外の患いだけではなく、わたしは内にも憂いも抱えていた。

 有事に備えて平生から鍛錬を欠かさず、より質の高い鬼畜、より優れた王女を目指すため、わたしはちょくちょく宮殿を抜け出して街に繰り出した。
 小言は全て黙殺し、閉じ込めようとする馬鹿どもの裏をかくことで、わたしは簡単に抜け出した。
 だんだんとわたしを閉じ込めようとする者はいなくなり、「王女殿下は悪い仲間と遊んでいるらしい」という不本意な噂が流れることになったけど、それでもわたしは自由を手にした。
 はじめからこうしておけばスキルニルなんか必要なかったのにね。ちょっと反省。

 街では鬼畜行為を実行する相手に事欠かない。これが宮殿の中では対象も狭く、行為そのものもより小さくなってしまう。
 城下での噂話を集めることで、平民どもの不満を知り、それを元に生かさず殺さず支配することもできるようになる。
 ただ残念なことに、噂話というものは都合のいいことばかり耳に入ってくるというものではないのよ。
 そりゃもちろん為政者の悪口や、施政に対する不満や愚痴なんてものは耳障りが悪い。
 でもそれはいいの。わたしはそういうものが聞きたくて噂話を集めていたわけだからね。
 問題はそんな分かりやすいことじゃなく、もっと気色の悪いこと。

 ガキを追い込み、若い連中をいじめ、年寄りだろうと容赦しない。
 わたしが城下での鬼畜活動に力を入れるにつれ、奇妙な噂話が平民どもの口にのぼるようになった。
 その女は鬼畜者を標榜する。そのくせ、偽善丸出しなエセ善行に励む。
 憎まれ口をたたき、ぶっきらぼうな態度をとりながら、困っている人間を助けたり、街をよりよくするために働いたりするのだとか。

 あああああああああああああああ、やだやだやだやだやだ! 聞くだけで背中が痒くなる!
 そんなエセ鬼畜以下の偽善者馬鹿が鬼畜者を名乗るだなんて、絶対に許せることじゃない。
 もし見つけたら、二度とそんな真似ができないようにきっちりと調教してくれる!
 固く固く心に誓い、だけどそいつに出会うことはなく、わたしが頑張れば頑張るほど偽善鬼畜の評判は高まっていく。
 今では親が子に「あんたも鬼畜者みたいに立派な人になるんだよ」などと的外れな説教をする始末。

 そして、ここからが何よりの一大事で、陰謀の匂いが隠し切れなくなる部分。
 聞けば、その偽善鬼畜は年若い女だという。
 もっと詳しく聞くと、その髪の長さ、人相、背格好、服装、雰囲気、全てが変装したわたしに酷似しているらしい。
 ほら、陰謀の匂いが漂ってきた。
 急に消えたシャルロット。それに加え、城下で偽善を働く自称鬼畜者。これら二つから導き出される解答は一つしかない。
 シャルロットはわたしが鬼畜者であり、そのことに誇りを持っていることを知っていた。
 この部分を突き崩せばわたしそのものを崩壊させることができると考えたに違いない。
 戦争を機に地下へもぐり、偽善鬼畜として鬼畜者の評判を落とす活動に従事していた。
 これで全てのつじつまが合う。シャルロットの恩知らずめ、あじなことをしてくれるじゃない。
 でもね、それでわたしがあきらめると思ったら大間違いよ。

 今まではやり口がぬるすぎた。
 保管庫から持ち出した秘薬を使ってみすぼらしい怪我人を治してまわり、貧乏人ではけして手に入れられぬ圧倒的な力を見せつける。
 エセ鬼畜の代名詞的存在であるスリやこそ泥を殴りつけたうえで座らせ、涙を流すまで説教して憂さを晴らす。
 ああ、あまりにも! あまりにも小さい! こんなこと、鬼畜じゃなくてもできることじゃないのさ!
 もっとこうなんというか、スケールの大きな鬼畜行為で偽善鬼畜との差を思い知らせてやらなければならない。

 草木どころか石や土でさえ眠る真夜中、こっそりと宮殿を抜け出した。たたき起こした幽霊を従え、城下のドブ川をまわる。
 ドブ川をさらうことで川の流れをよくし、臭気がそこかしこへうつるようにする。
 さらに、うっかり踏み入れてしまえば急な流れに足をとられ転ぶという二重の嫌がらせ。
 これを城下全体でやることおよそ二週間。事は非常に困難を要した。
 心無い輩が始終投げ込んでいるらしく、とんでもない量のゴミが堆積していて、その処理に苦労することしきり。
 わたしの体にドブ川の臭いが染み付き、幽霊はいかなる場所でも舟を漕ぐようになり、目の隈は濃くなり、肩が重くなり、意味不明の言葉を口走るようになった。
 そんな苦難の道のりを超え! このたび! ようやく! 宮殿の堀をさらうことでドブさらいを完了した。やった。わたしはやったのよ。
 これで近日中に鬼畜者の恐ろしさが喧伝されるようになり、偽善鬼畜の馬鹿女がほぞを噛む。ああいい気味。

「というわけで何か出しなさい」
「どういうわけなのさ」
「お祝いよ、お祝い。ドブさらい完遂記念。いつもお世話になってるわたしに感謝の意をあらわすため、何か出せって言ってるの」
 小さな恩を大げさに言っているわけではなく、カツアゲしたいわけでもない。こいつは本当にわたしに世話をかけさせている。
 食べ物や寝る場所といった基本的なものにとどまらない。例えばこの部屋。わたしの趣味にかなう瀟洒な佇まいは今や昔。
 毒々しい色の魚が描かれたフウリン。風が一吹きするたび鳴り響いて安眠を妨害する。
 部屋中に張り出されたヘタクソな絵。わたしが笑い、シルフィが笑い、幽霊が笑い、シャルロットが笑う。シャルロットが笑う? モデルを無視するにも程度ってものがあるわよ。
 この馬鹿幽霊は笑顔しか描くことができないらしく、絶対に笑わない一名を含めて皆が皆大口を開けて太平楽に笑っていた。とても気色が悪い。
 さっきから作っている捻り花の鉢植え、紙で折って作った鶴、ぶっさいくな鳥のぬいぐるみ、針金の花、ドラム缶の住居、自転車。ここは何? 王女の居室? それともできの悪い子供部屋?
 ここまでやりたい放題を許したのだから、幽霊は当然わたしに尽くす義務がある。自転車を借りてるだけじゃ追いつかないわよね。

「いいものなんてないよぉ」
 自信なさげに手を振っていたけど、こいつの評価はいつだって正しくない。
 つまり、いいものを持っているということになる。
「何かあるでしょう」
「なにかって言われても……うーん……これくらい?」
 幽霊の取り出した小さな箱には、異様に緻密で写実的な絵が描かれていた。色使いはひたすら派手で目に悪い。
 絵の中では、ドロドロに溶けた茶色の粘液が、真っ白い穀物とともに皿の上に盛りつけられている。
「食べ物なのこれ? とても美味しそうには見えないんだけど」
「とってもおいしいんだよ、これ」
「……胡散臭い」
「そんなことないってば。いつどんな時でも好きな食べ物ランキングの上位にあるんだよ」
 妙に熱く語るわね。かえって怪しいような……わたし、また騙されようとしてない?
「それにね、レトルトでもカレーはカレーだっておじさんが言ってたもん」
「レトルト? カレー?」
 怪しい響きね。見た目的には、食べ物よりも排泄物に近いような……それともそういう部分が鬼畜的だってことなの?
「ボクね、一回でいいからお外でカレーを食べてみたかったんだ。キャンプとか、林間学校とか、飯ごう炊飯とか」
 カレーの箱を胸に抱き、おさげ髪を左右に揺らし、夢見る少女の顔でわたしを見ている。
 そんな顔をされてもねぇ。わけの分からない単語ばかり並べ立てられては憧れを理解することができるはずもないでしょう。
 キャンプというのは野外で寝泊りするキャンプ? ハンゴウ? スイハン? それに……輪姦学校? どんな鬼畜学校よ。

「おじさんたちのバーベキューについていったりもしたんだけど、お肉食べさせてもらえなかったんだ」
「お前はよく食べるからね。でも王女であるわたしはそんなケチくさいこと言わないわよ」
「ほんとう?」
「もちろん」
「ありがとうお姉ちゃん!」
 愚かな生き物ね。カレーをもらうのはわたしなのに、恩を着せられている構図に気がつきもしない。ほほほ。

 場所は手近なところでプチ・トロワの庭園に決定し、かまどの製作は幽霊が、鍋と火種の調達はわたしが担当することになった。
 カレーに添えられていた白い穀物はパンでも代用できるとのことで、わたしは鍋とともにパンを探す。
 コック達がちらちらと見るけど気にせず厨房を徘徊。適当な鍋を探し、パンも幾種類か皿に盛り、鍋に水を張って、鬼畜者の習性でゴミも漁る。
 ほほう。けっこういい物が捨てられてる。……ちょっとこれ……食べられるものまで捨てられるみたいね。
 コックどもめ、食材の使い方がなっていない。平民どもの髄の髄まで搾取しきらなければ王族とはいえないのよ。
 カレーを食べ終わったら腹ごなしに説教してやることを心の予定帳に記し、鍋をかつぎ、パン皿を持って中庭へ向かった。

「まず、枯葉を集めます」
「今回は厩舎から持ってきた寝藁ね」
「そして火をつけます」
「はい、発火」
「それではおなべを火にかけまーす」
 幽霊が石と土とで作った簡易かまどは見た目よりも頑丈で、水で満ち満ちた満腔の寸胴鍋を受け止めた。
「カレーを入れまーす」
 箱の封を切り、中に入っていた銀色の……入れ物?
「その中にカレーが入っているのね」
「そして煮えるまで待ちまーす」
「それだけでいいの?」
「レトルトカレーはかんたんにおいしく作れるからいいんだよ」
 ぐつぐつと沸く鍋を前に、二人で緋色に染まる顔を並べる。
「まだ?」
「もうちょっと」
 ぐつぐつぐつぐつ……ぐつぐつぐつぐつ……ぐつぐつぐつぐつ……ひゅー……ぐつぐつ……あれ?
「今おかしな音がしなかった?」
「なにも聞こえなかったよ」
「おかしいわね。聞き間違いかしら。ほら、こんなふうにひゅーっと何かが落ちてくるような」
「だからー、そんな音聞こえな」

 幽霊は最後まで言い切ることができなかった。
 発言の中途で確かな音が耳に入り、わたしと幽霊は音の聞こえる方向を見上げた。
 わたしの口は「あ」、幽霊の口は「い」で固定され、確かな音は大きな音になり、大きな音は慎みの無い轟音になり、轟音は天から落ちてカレーの入った鍋をひっくり返した。
 水蒸気がもうもうと立ちこめ、わたしは強張ったままで立ちすくみ、幽霊は頭を抱えてしゃがんでいて、見たことのある大きな尻にカレーが押し潰され、その中身は地面にはみ出し……。

「シルフィィィィィイイイイイイイイイッ!」
「お姉ちゃん落ち着いて! シルフィちゃん大丈夫? どこから落ちてきたの?」
「熱い! 熱い熱い熱い! このお鍋とっても熱い! それでもってお尻がもっと熱いの!」
「返せ! わたしのカレーを返せ!」
「そんなもの知らない! だいたい中庭で火を起こすなんて非常識にもほどがあるのね!」
「空から全裸で落下するほうが一兆四千億倍非常識なんだよ!」
「イザベラさまいかがいたしました!? 賊でございますか!」
「賊……というか、裸族?」
「うまいこと言ってるんじゃない馬鹿幽霊! お前このカレー元に戻せ!」
「無理だよー」
「こ、この者はいったい……?」
「シルフィの話を聞きなさい! 大変なことが起こったの!」
「現在進行形で大変なことが起こってるんだよ! 煮えるのをじっと待ってたのに! わたしのカレー返せ! いますぐ返せ!」
「イザベラさま、いったい何事が?」
「話を聞いて!」
「シルフィちゃん、服着たら?」
「カレー!」
「あのう……」
「静かにーっ!」
「寒くないの?」
「わたしのカレェーッ!」




<嘘予告>
「シャルロットを襲ったのがエルフだったなんて……さすがに相手が悪いわね」
「お姉ちゃん、エルフがこわいの?」
「無知なお前は知らないかもしれないけどね。この世界でエルフほど恐ろしい敵はいないのよ」
「そんなことないよ。ボクもエルフだもん」
「ええっ!?」
「おじさんもエルフだよ」
「ええええええええっ!?」
「この前エルフのオールスターゲーム大会についていってさー」
「え、え、え、エルフのオールスター……!?」
「『だついまーじゃん』とかいうゲームをやってたんだ。エルフの人たちはみんなやさしかったよ」
「むこうはエルフ一匹……対するこっちはエルフオールスター……勝てる……この戦い勝てるわ!」


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