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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • もう一人の『左手』-13

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

もう一人の『左手』-13

最終更新:2008年02月23日 13:15

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  • もう一人の『左手』


「ズゥゥゥゥゥカァァァァァァ!!」

 悪鬼のごとき形相で迫るカメバズーカ。
「ぐっ!?」
 それを迎え撃とうとするV3の全身に走る、高圧電流のような激痛。
 思わず腰が砕けそうになるが、こんな状況で、膝を屈するわけにはいかない。懸命に大地を踏みしめる。
 そんな隙だらけのV3の懐に、カメバズーカは一気に飛び込み、その勢いを殺さぬままに、二本の剛腕で、V3の首根っこを、握り潰さんばかりに引っ掴む。

「ちぃっ!」

 しかしV3は、カメバズーカの勢いを利用して、柔道の巴投げの形で、怪人を後方に放り投げる。
 大地にのけぞって倒れたV3。その彼によって、大地に転がされたカメバズーカ。
 だが、そのままむくりと身を起こすカメバズーカを、予期せぬ攻撃が襲う。――彼の足元の地面が、いきなり爆発したのだ。
「がはっ!?」
 衝撃波をまともに食らって、カメバズーカがすぐ傍の樹に叩き付けられる。
 ルイズが、怪人の足元に転がっていた石に、『練金』をかけたのだ。
「くっ……、何をしやがったズ~カ~!?」

 勿論、デストロンの改造人間からすれば、そんな程度の爆発など、物の数ではない。
 だが、ルイズの放った、二発の『失敗魔法』の結果は、恐慌状態に陥っていた、キュルケ、タバサ、そしてフーケの、3人のトライアングル・メイジの精神に平衡をもたらすには充分だった。
(魔法が効いてる……? この化物には、魔法が通用する!?)

 いかに人に畏怖を撒き散らす“ばけもの”といえど、それと戦おうとする者がいる限り、人の心はいつまでも凍てついたままではいられない。『ともに戦う』という選択肢を投げ捨てて逃亡するには、この世界のメイジたちの気位は高すぎるのだ。

 フーケが、怪人の足元に『練金』をかけ、両足を大地に埋め込ませる形で動きを封じ、
「今だよっ!!」
 そのフーケの声に呼応するように、キュルケが『フレイムボール』を放ち、カメバズーカの甲羅を、紅蓮の炎に包み込む。
 だが、それでも、怪人の表情が変わったのは一瞬だけだった。
「ズ~~カ~~、悪いがお嬢ちゃん、こんなヌルい火じゃあ、水ぶくれ一つ作れねえぜぇ」

――が、その時、フーケが自分に残った最後の魔力で、キュルケの炎に巻き上げられた木の葉を“油”に錬成し、同時にタバサが、特大の『エアハンマー』をお見舞いする。

「なぁっ!?」

 急激に、大量の油と酸素を補給された炎は、それこそ爆発的なまでの燃焼を引き起こし、カメバズーカの全身を覆い隠すほどの勢いを見せる。それは普通の人間なら、一瞬で気化してしまうほどの高熱だった。

「やるじゃないか、お嬢ちゃんたち」
「あんたもね、おばさん」
 だが、そのキュルケの余計な一言に、フーケがブチ切れる暇さえなかった。

「よし、今のうちだ。全員、早くここから逃げるんだ! アイツは俺が引き受ける!!」

「なっ、何言ってるのよアンタっ!? ここまで来て、手柄を独り占めする気なのっ!?」

 そのV3の台詞に、やはりと言うべきか、真っ先に反応したのは、ルイズだった。
 さっきの二発の失敗魔法こそが、怪人への反撃の先鞭だったと思っている彼女にとっては、眼前の怪物を追い詰めているとおぼしき今の情況で、敵前逃亡する事は考えられない事だったからだ。
 永年、『ゼロ』のレッテルを貼られ続けた彼女は、――無理からぬ事だが――それほどまでに、自らの汚名をすすぐ栄誉に貪欲だった。

「そうよカザミ、悪いけど、いまさらあの獲物を、あんたに譲る気は無いわ」
 キュルケも調子に乗って、ルイズの尻馬に乗る。
「人を散々ビビらせておいて、蓋を開けりゃあ、とんだ張子の虎じゃないの」
 このキュルケという少女は、こと虚栄心の一事に関しては、ルイズをさらに凌ぐ。
 そして何より、自分をこれほど怯えさせた存在が、戦闘を開始してみれば、案外恐れるに足ら無かったという事実が、悔しくて仕方が無いのだ。
 その思いは、何もキュルケだけではない。
「まったくね。これじゃあ、私としても、何で腰まで抜かして、こいつから逃げたのか分からないよ」
 フーケもぼやくように呟く。
 フーケにしても、眼前で、あっさり火だるまになっているカメバズーカを見て、拍子抜けした事は間違いないのだ。
 タバサだけが、いまだ鋭い眼差しを怪人に注いでいたが、それでも、油断していないだけで、勝負はついたと判断しているようだった。

――だが、それでもV3には分かっていた。
 自分たち改造人間は、この程度のことで死ぬような、ヤワな存在ではない事を。


「ズゥゥゥゥゥカァァァァァ!!」


 推定一千度以上の高熱で炙られ、完全に活動を停止したかに見えたカメバズーカが、突如、広大な森林に響き渡るような声を轟かせた。
「なっ……!?」
 彼女たちは、先程までの余裕はどこへやら、その咆哮を聞いた瞬間に、顔色を失ってしまう。

 そしてカメバズーカは、自らを包む巨大な炎球を、内側から弾き飛ばしたのだ。……かつてV3が、コルベール相手にそうしたように。

――これほどの炎ですら、改造人間カメバズーカを焼き尽くす熱量には、至らなかったのだ。

「危ない!!」

 カメバズーカが弾き飛ばした炎球は、一千度に及ぶ高熱を含んだ弾丸となり、四方八方に、放射状に撒き散らされる。
 もしV3が、とっさに盾にならなければ、彼女たちは、その炎球破裂の余熱だけで、黒コゲになって即死していただろう。

「きゅいっ!!!?」
 数cm大の小さな炎が、仰向けにひっくり返って気絶していたシルフィードを、叩き起こす。だが、その程度の火傷で済んだのは、この風竜にとっても、果てしない幸運だったと言えるかも知れない。
 カメバズーカが撒き散らした、高熱の火炎弾は、周囲の木々を一瞬にして火だるまにし、その炎は瞬く間に、燃え広がっていったからだ。

 それほどの高熱をまともに浴びたV3である。
 いま、怪人から攻撃を喰らえば、例え彼といえど、無事には済まなかったであろう。
 だが、カメバズーカとしても、全くの無傷というわけではない。
 鱗状の人工強化皮膚は、ところどころ焦げ付き、焼けただれ、ぞっとするような傷痕を晒している。
「ズ~~~カ~~~」
 口から、ごほっと黒煙を吐くと、カメバズーカはガクリとよろめいた。

(いま……だ……!!)
 V3は、怪人と同じく、焦げ痕の残る自らの肉体を引きずりながら、渾身の鉄拳を、硬い皮膚によろわれた、そのほおげたにめり込ませる。
 カメバズーカは、悲鳴すら上げられず、暗い森の奥に殴り飛ばされていった。

(くぅぅ……っ)
 膝を着きそうになるのを、かろうじてこらえ、V3は振り返る。
「もう一度言うぞ……お前らでは、あいつと戦えない。ここは俺に任せて……逃げろ!!」
「カザミ……」
「――聞け」
 V3は、言葉を続けた。

「あの怪人――カメバズーカの体内には、爆弾が仕込まれている。――それも、ただの爆弾じゃない。核爆弾だ」
「かく……爆弾……?」
 タバサが未知の単語に反応し、眼鏡を嵌め直すが、フーケはその言葉に思い当たっていた。
「それって、まさか、ガンダールヴの坊やが言っていた――ゲンシ爆弾とかいう……?」
「そうだ。爆発すれば、半径数十リーグ以内の物は、何もかも吹き飛ぶ。何もかも、だ」

「うそ……でしょ……?」
 キュルケが呟くように訊き返すが、V3が冗談を言っていないことは、その語調の空気からして、歴然であった。

「今すぐ魔法学院へ飛んで、Mr.オスマンに伝えるんだ。大至急、学院にいる全ての人間を退避させろ、と。分かったな?」
 顔面蒼白になりながらも、タバサは頷く。
 それを確認すると、V3は彼女たちに背を向けるが、
「待ちなよっ!!」
 フーケが、その背中を、怒鳴るように呼び止めた。
「私たちはドラゴンで逃げる。それはいい。でも、アンタは……どうする気なんだい?」

「あいつは俺の――“仮面ライダー”の敵だ。お前らの手を煩わせるわけにはいかない」

 その場にいた全員が、その言葉の正確な意味を理解できなかったであろう。だが、この異形の両者の間には、余人には計りがたい深き因縁が存在するのだろう。それだけは分かった。
「ヴァリエール」
「えっ――?」
「平賀に、……優しくしてやってくれ」

 目だけで振り向いて、そう答えると、V3は、カメバズーカを殴り飛ばし、転がっていった方向に走り出し、姿を消した。――ルイズには、その背中が僅かだが、寂しく微笑んだような気がした。

「カザミィィィッ!!」

 ルイズの叫びを合図としたように、紅蓮の炎に染まる森の奥から、バズーカ砲弾の爆音が響く。
 それは、人間には介入できない、改造人間同士の戦闘開始の号砲であった。

――ズキンっ!!

 カメバズーカに、地面に放り投げられ、脳震盪を起こしかけていた才人は、ようやく眼を開けた。手首から走る鋭い痛みが、気付け薬代わりになったようだ。
 指は――動く。かなりの痛みを伴う事に変わりは無いが、それでも、骨は折れていないようだ。
 その事実を、才人は暗澹たるショックとともに受け止める。
 改造人間のパワーを以ってすれば、カルシウムの足らない現代人の骨など、文字通りひとひねりだったはずだ。にもかかわらず、おれの右手は無事なままだ。
 何故だ。
――考えるまでも無い。疑問の余地すらない。余りに単純明快な、その答え。

「風見……さん……」

 体を起こす。
 それに気付いたルイズが、こっちに駆け寄ってくる。
「サイト! 無事だった!? ケガは無い!?」
 そんなわきゃねえだろ、と思いながらも、脂汗を流しながら、かろうじて笑って見せる。
「良かった……!」
「ルイズ」
「取り敢えず……取り敢えず、撤退するわよ。こんなところでグズグズして、カザミの志を、無下にするわけにはいかないわ」
「ルイズ」
「急いで! カザミは言っていたわ! あの“ばけもの”が自爆したら、魔法学院さえ巻き込むほどの大爆発を起こすって!! だから――」
「見捨てるのか? ――風見さんを」

 その言葉を聞いた瞬間、ルイズのからだは凍りついた。

「風見さんは、お前にとっても“使い魔”の一人だろう?」
「……」
「そんなあの人を、見捨てるのか?」
 そう問い掛ける才人の、射抜くような瞳をルイズは、真っ直ぐに正視することは出来なかった。
「……かっ、カザミは……カザミは死なないわっ!! サイトだって知っているでしょっ!? アイツはただの人間じゃない。それに……」
「だからって見捨てるのかっ!?」
「ただ見殺しにするんじゃないわっ!! 今こうしている間にも、あの“ばけもの”が自爆するかも知れないのよっ!! 一秒でも早く私たちは、学院に帰って、みんなを避難させなきゃならないのっ!! それに――」
「いま、ここにいても、私たちに出来ることはない、――か?」

 才人に台詞を奪われて、ようやくルイズは彼に向き直った。――駄々をこねるな、と言わんばかりの目で、少年を睨み返す。


「――そうよ。悔しいけど、あの“ばけもの”を相手に戦えるのは、カザミだけ。私たちじゃない。だから私たちは、私たちに出来ることをするしかないの」
「きゅいきゅいっ!!」
 むこうで、シルフィードが呼んでいる。
「なにやってるの二人ともっ!! 早く来なさいっ!!」
 キュルケが焦れたように叫んでいる。
 そう、こんな無意味な口論をしている暇は無い。
 一刻も早く、ここから脱出しなければ、純粋に命が危ないのだ。
 そんな事ぐらい、才人にも分かっている。
 核爆発の威力の凄まじさは、世界唯一の被爆国民たる平賀才人が、この場にいる誰よりも承知しているからだ。
 だが、それでも、……釈然としない。あの二人を置いて、自分たちだけおめおめと逃げるなんて出来るわけが無い。特に、彼の“記憶”を知ってしまった以上は。

「ルイズ、確かにお前の言う事は正しい。でも……やっぱり納得できねえ」
「何言ってるのよサイトっ!? 私たちに、他に出来ることがあるわけ――」
「戦いを止めさせる」
「なっ……!?」
「おれが二人を止めて見せる。そうすれば、何も起こらず、誰も死なずに済む」

 ルイズには、この使い魔の少年が、もはや何を言っているのか分からなかった。
 普通の人間が、まさに怪物同士というべき、あの二人の間に入って、どうやって戦闘を止めさせることが出来るというのだ。
「何ふざけたこと言ってるのっ!! あの“ばけもの”が説得の効く相手だと、本気で思ってるの!? 巻き込まれて、犬死にするのが関の山じゃないのっ!!」
「“ばけもの”って言うなっ!!」

 そう叫んだ才人の目は、純粋なまでに真っ直ぐな目をしていた。
 ギーシュのゴーレムに、瀕死の重傷を負わされても立ち上がり、カメバズーカ相手にナタ一本で立ち向かおうとした時の、――あくまでも退く事を知らない眼差し。
 ルイズは知っていた。
 この眼をした才人には、もはや一切の理屈は通用しないという事を。

「あの人は……好きでバズーカや甲羅を背負ってるわけじゃねえんだ。――あの人は」
「サイト……」
「あの人は……人間だ」

 言い切るように言うと、才人はそのまま、少女を置いて駆け出した。
 二人の改造人間が戦う――いまや炎が逆巻く、紅蓮の森に。

 カメバズーカが撒き散らした炎は、いまや瞬くうちに延焼を重ね、月下に森厳と静かにあるはずだった森林は、まるで昼間のように明るかった。しかし、樹木を照らすのは日輪ではない。さながら煉獄のような白熱の炎である。

 才人は、ハンカチで口元を覆い、煙を吸い込まないようにして、走った。
 もし、こんな山火事の中、方向を見失ったら最後、確実に自分は死ぬだろう。カメバズーカの自爆や、森の延焼に巻き込まれるまでもない。一酸化炭素中毒で、あっさり窒息してしまうはずだ。
 だが、それでも、才人には確信があった。
 自分が、間違いなく風見の――V3のいる方向に向かっている事を。
 そして、自分が話せば、二人が戦うことの無意味さを、必ず理解してくれるであろう事を。

「ズゥゥゥゥゥカァァァァァァ!!」
 カメバズーカがV3を、燃え盛る大木に叩きつける。
 その衝撃で、稲妻に打たれたように、巨木が縦に真っ二つになるが、そんな程度の攻撃で仮面ライダーが動けなくなるとは、怪人も思ってはいない。――当然V3本人も。
 ダメージが残る重い身体を、意地だけで動かし、迫り来るカメバズーカのみぞおちに、前蹴りを返す。
 よろめくカメバズーカに、さらにジャンプからのキックを見舞うが、一瞬走った激痛が、半呼吸ほど隙を作ってしまう。怪人は身を翻し、躱されたV3の蹴り足が大地を抉る。
「くっ!」

――正直、このコンディションでは、格闘戦はキツイ。
 V3は、そう思わざるを得ない。
 だが、殺意だけで活動しているような、今のカメバズーカを相手に時間を稼ぐためには、近接戦闘が一番確実なのだ。
 こいつに考える間を与えてはならない! もし、こいつが通常の“怪人”としての思考を取り戻す余裕を与えれば最後、いつ自爆という確実な手段に出るか分からないからだ。

 その時だった。

「――やめろぉぉっ!! 風見さんも平田さんも、もう止めてくれぇぇっ!!」
 パーカーのあちこちから、いや頭髪からも白い煙がくすぶらせ、才人が血を吐くような叫びを上げていた。

「ひ、らが……!?」
「小僧……!?」

 次の瞬間、V3は反射的に動いていた。カメバズーカから才人を庇う位置に。
「馬鹿なっ!? 何故お前がここにいる!? 俺の戦いを無意味なものにする気かっ!!」
「……ええ、無意味な戦いです。だから、おれはここに来たんです」
 そう言うと、才人は、V3の背からすり抜けて、二人の中間地点にに立った。
 V3もカメバズーカも、眼前の少年の意図がまるで分からず、呆気に取られている。


「平田拓馬……昭和XX年X月X日生まれ。アマチュアレスリング・フリースタイル、全日本選手権優勝二回。世界選手権優勝一回、準優勝二回」

「おい……小僧……!!」
 カメバズーカの顔から表情が消える。

「その後、靭帯を傷めて現役引退。平成XX年、XX大学レスリング部に顧問として招聘を受ける」

「――何のつもりだ……小僧……!!」
 カメバズーカの背が震える。

「その3年後、同大学非常勤講師の某女性と結婚。同年、妻との間に長男・拓也誕生。その翌年現住所に自宅購入。その翌年……」

「小僧ぉぉぉっ!!」
 もはや、カメバズーカの声は、絶叫と化していた。しかし才人は、いささかもたじろぐ事無く、そんな彼を真っ直ぐ見つめたまま、最後の一言を発する。


「――デストロンに誘拐、身柄を拘禁され、第一次改造人間計画候補素体とされる」


「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」
 カメバズーカは膝を着き、耳を塞ぎ、まるで本物のカメのように小さくなってしまっている。
 V3は、そんな“敵”の姿を見て、呆気に取られていた。

「平賀……お前がいま言ったのは……?」
「風見さん」
「……本当なのか。洗脳が……?」
 才人が、頷く。
「ここにいる方は、もう“怪人”ではありません。人の記憶と意志をもった人間です。デストロンという秘密結社が、このハルケギニアに無い以上、お二方がこれ以上争う必要はないはずです」

「……」
 V3には信じられなかった。
 ショッカーやデストロンといった暗黒組織の科学力はダテではない。
 やつらが施した“脳改造”という名の洗脳固定は、改造人間本人の生存本能よりも更に上位に、組織の価値を置く。つまり脳改造を受けた者は、いわば、組織という名の宗教の殉教者になるということだ。
 それほどの洗脳が、そう簡単に解除されるはずが無い。それになにより、このカメバズーカは自分の存在を確認した瞬間、問答無用で襲い掛かってきたではないか。

 だが、そう思う一方で、やはり才人の言う事も一考の余地はあると思っている。
 自分とて、召喚される前は半壊していたはずのダブルタイフーンが、復元していたではないか。洗脳によって破壊された、改造人間の自我も復元しないとは、誰が言い切れる?


「確かに……」
 カメバズーカは、顔を上げた。
「俺の名は、平田拓馬……俺自身、ほとんど忘れかけていた名だがな……」
「じゃあ、やっぱり、――洗脳は解けていたんですね?」
「ああ。お前が、俺の前で意地を張っているのを見て、その時ようやく気付いたんだ。……自分の記憶が戻っている事にな」
 それを聞いて、才人は、顔をほころばせた。
 あの時、自分を嬲るように、右腕を捻り上げたカメバズーカが、そのまま才人の手首をへし折らなかったのは、やはり、人としての意識が回復していたからだ。
「だったら、……だったら、もう止めましょうよ! これ以上二人が戦う意味なんて無いじゃないですか!?」

「悪いが……それだけは無理だ」
 カメバズーカは、そう言うと、さっきまでと同じ、殺意にまみれた目で、V3を睨んだ。
「コイツは、俺を殺した……俺自身の仇の片割れなんだ。絶対に、許せねえ……!!」

 才人は失望しなかった。
 カメバズーカの、その答えは、半ば予想できるものだったからだ。
 しかし、それでも確認は取れた。もはやここには、組織に狂信的な忠誠を尽くす、“怪人”はいない、と。それが分かっただけでも、充分だった。
 だから才人は、この場を静める最後の賭けに出た。
 ポケットから、さきほど砕け散ったナタの一部――といっても、かなり大きな破片だったが――を取り出し、自分の首筋に当てた。

「平賀……?」
「――おい、小僧……何の真似だそりゃあ?」
「見た通りの眺めですよ」
 才人は、緊張で、頬を引きつらせながら、
「平田さん……あなたの恨みや怒りはもっともだと思います。……でも、でも、それでも敢えてお願いします。――おれの首に免じて、この場は矛を収めてください!!」
「小僧……!!」
「おれに、あんたたち改造人間を腕ずくで止める力は無い。でも、せめて……覚悟ぐらいは……あんたらにも……!!」
 そう呟くと、少年は唇をかんだ。


「くっ……」
「ふふっ……」
「くははははははっ!!」
「くっくっくっ……!!」

 才人がぽかんと口をあける。
 それはそうだろう。いくら何でも、仮面ライダーと怪人が、並んで笑い合っている光景は、視聴者として育った少年には、シュールすぎる“絵”だったからだ。

 ひとしきり笑い終えると、カメバズーカは全身から煙を噴出し、見る見るうちに、――人間の姿になった。 筋骨隆々の、体格のいい、五十代の男に。
「まったく、度胸だけは一人前だな、小僧」
「平田さん、――あんた……!!」
 V3は驚かない。
 ハンマークラゲやテレビバエ、マシンガンスネークといった怪人たちも、人間形態への変身機能を備えていた。ならば、このカメバズーカに同じことが出来たところで、驚くには値しない。
 おそらく、この男こそが、改造人間カメバズーカの、世に在るべき、本当の姿なのだろう。

 しかし、同じく変身を解いた風見志郎に、男――平田が向けた眼差しは、先程と変わらぬ鋭いものであった。

「今日のところは、小僧に免じて見逃してやる。――だがV3、いつか必ず、俺は貴様と決着をつける。それだけは覚えておけ……!!」

 そう言い捨てると、男は才人に、優しい、だがそれ以上に寂しい目で笑いかけ、そのまま森の奥に姿を消した。
 燃え盛る炎が渦巻く、金色の森の中へ。

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