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  • マジシャン ザ ルイズ 3章 (39)

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

マジシャン ザ ルイズ 3章 (39)

最終更新:2008年10月13日 03:21

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マジシャン ザ ルイズ 3章 (39)病魔の進行

朝。あの舞踏会の夜から一週間ほども経過したある日の朝。

変わらぬ朝の変わらぬ目覚め。彼女はいつも通りに自慢の髪の毛の手入れを済ませ、食堂へ向かうべく支度を整えていた。
年の頃は十代の中頃、流れるようなブロンドと、絹のようなきめ細かい肌、顔に残ったそばかすは彼女が少女と淑女の境目にいることを示している。
彼女の名前はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。ちなみに名前と名字がほぼ同じなのは、彼女の家の伝統で、長女はそう名乗ると決められているからである。

季節は本格的に秋へと近づきつつある。
あれほど厳しかった日差しも、今ではやや斜めに差すようになってきている。騒がしかった虫達の合唱も、今では聞き苦しいほどではない。
モンモランシーにはつい先日までの緩やかな時間、学院でお茶をしながら他の沢山の生徒達とともに過ごしていたあの日々が、まるで遠いように感じられて仕方がない。
本来なら、そろそろ学院の夏期休業も終わりに差し掛かって、慌ただしく準備が始まる頃合いである。
しかし、彼女が今寝起きしているのは本来居るはずだった寮の自室ではなく、客人としてアカデミーから与えられている一室である。

あの日、襲撃した機械竜と降り注いだ巨石の雨によって、トリステイン魔法学院は見るも無惨な姿に壊滅した。
人づてに聞いた話だと、跡には瓦礫の山だけが未だ手つかずで残されており、きちんと形の残っている建物は何一つ無いということである。
当然、学院再開の目処は立っていない。
彼女はその事件の際に、ある少女に連れられて学院を脱出して難を逃れ、その後の紆余曲折を経て、今、この部屋に身を置いている。
紆余曲折と一言に片付けるには、あまりに様々な体験をしたのだが、それは彼女が今ここに滞在している、いや、滞在させられていることに深く関わっている。
彼女を始め、あの事件の中核にいた人間は、一人を除いて、皆その身を王都トリスタニアに置いている。
特に、学院関係者達は全員がアカデミーに集められているという状況だ。
様々な理由を提示されたが、要するに自分は知りすぎてしまったということなのだろうと、彼女はそんなふうに理解していた。

一方、トリステインでは今、未曾有の規模の徴兵と貴族の動員が進められている。
近く、浮遊大陸攻撃のためにゲルマニア領への大々的な侵攻作戦がかけられるらしい。
女王陛下がその旨の宣言を正式に発布を行って、男達は貴族から平民に至るまで、気勢をあげて続々と兵士としてトリスタニアへと集ってきている。
彼らが口々に叫ぶところは、『誓約の女王アンリエッタ』。
それが彼らの命を背負っている者の二つ名である。

モンモランシーは部屋に一つだけある窓へと近づいて、厚いカーテンを開けた。
二階に位置するモンモランシーの部屋の窓。そこからは、アカデミーの空き地に集められた士官候補である若きメイジ達の訓練風景が見えた。
「……ふん、何が誓約の女王よ」

モンモランシーは、世間では女王が始祖と契約したとされている事件の、本当の真相を知っている。
その正当な功労者が、誰であったかも知っている。
それでも、彼女はそのことで声を上げたりはしない。
女王という重責、責任、それらついて想像もつかない苦労があるであることは彼女も理解しているし、それに今の状況を女王が望んだわけでないというのも何となく分かっている。
それでも、呟かずにはいられない。

「あんなの、嘘っぱちじゃない」
心からあふれてこぼれた言葉の意味。
別に女王の行いに不満がある訳ではない、ただ純粋に悔しいのだ。

ルイズが目覚めたその日、モンモランシーはアンリエッタが人々から『誓約の女王』と呼ばれていることと、その経緯をかいつまんでルイズに教えた。
そのとき、涙を流して彼女はこう言ったのだ。
『うれしい。私なんかが姫殿下のお役に立てるなんて……こんなうれしいことは、他にないわ』
、と。
そうして、自分のことのようにそのことを喜んでいたルイズを思い出して、モンモランシーは薔薇色のその美しい下唇を噛んだ。

「だったらなんで……あの子を助けてやらないのよ……っ」
そう言ってモンモランシーは、テーブルに置かれている一冊の本を見た。



「ルイズ、どうしたのかしら」
舞踏会の翌朝、前日の分かれ際のルイズの様子が気になったモンモランシーは、とりあえず朝食の場で本人から詳しい事情を聞き出す腹づもりでいた。
「おはよう、モンモランシ」そんな風に声をかけてきた幼なじみ、グラモン家の三男坊ギーシュと食堂に向かった彼女だったが、問題のルイズはその場に一向に姿を見せなかった。
きちんと待ち合わせはしている。ルイズはどちらかというと時間に正確な方である。遅刻をするのは珍しい。
心配してそわそわした様子でルイズの部屋を訪ねると言い出したモンモランシーに、「どうせお腹でも壊したに違いないさ。昨日も変なものを食べたみたいだったしね」とギーシュは軽く言って、その言葉を受け流した。
その幼なじみの物言いに呆れたモンモランシーが、ギーシュをその場に残して一人ルイズの部屋へと向かおうとしたそのとき、食堂の入り口に件のルイズがその姿を見せた。

腰を浮かしていたモンモランシーが待つ席へと、ルイズはゆっくりとした足取りで近づいてくる。
その顔色は、心なしか青い。

そして、テーブルから三歩ほど離れた場所で足を止めると、ルイズは小さく、区切りながら言った。
「ごめん、食事は当分、一人で部屋で取ることにするわ」
その何かが張り詰めたような彼女の様子に、モンモランシーは不審を抱いた。
「ちょ、ちょっと何よ、藪から棒に。別に一人で食べたいっていうならそれで良いけど、理由くらい言いなさいよね」
ルイズはそのモンモランシーの言葉に目をつむり顔を伏せて、絞り出した声で応じた。
囁くように一言。
「……ごめん」
彼女はそうとだけ言うと、モンモランシー達に身を翻してしまった。
「ちょっとっ!?」
とっさにルイズを捕まえようとしたモンモランシーの手が、虚空を掴む。
モンモランシーの引き留める声にも耳を傾けず、ルイズは混み始めた食堂の人混みに紛れてしまった。
「っ!」
直感的に、追いかけなくてはいけないと感じたモンモランシーが席を立って、見えなくなったその背を追いかけようとする。
しかし、そんな彼女の勢いを、横からぬっと突き出された杖が遮った。

「やめたまえ」
いつの間にかそこには、男が立っていた。
その白い髪の毛は燃え立つ炎のイメージ、眼下の奥に潜むその目は色眼鏡によって窺い知れない。年月を刻まれた皺はまるで元からそうであったかのようにぴったりと彼自身の堅牢さと組み合わさって隙がない。
あの日、ルイズに呼ばれ『この世界』へと現れた男。姓は分からない、只名前だけがある男、彼の名はウルザ。

「邪魔しないで頂戴。あたしが何をしようと勝手でしょ。どこのメイジだか使い魔だか知らないけど、あたしの行く手を阻む権利はあなたにないでしょう」
キッと睨んでそう声をかけるモンモランシーに、ウルザは抑揚のない平坦な声で言った。
「……彼女を追いかけたとして、それで君は彼女になんと声をかけるのかね?」
「そ、……」
「彼女は君に何も語ろうとはしないだろう。それは君達を守るため、何の力もないただの学生である君達を巻き込まないために」
「だったら! 無理矢理でも聞き出してやるんだからっ!」
その言葉に、ウルザは出来の悪い生徒を前にした教師のようにゆっくりと首を振った。
彼のその所作にモンモランシーの血がますます上る。
しかし、次の言葉が氷の刃となって、モンモランシーを突き刺した。
「それで、君は彼女に何ができるのかね? 何の力も持たない小娘である君が、虚無の運命を背負った彼女に、どんな手助けができるのだね?」

息が止まる、決定的な宣告。
自分とルイズの間にある溝は深く、広い。
ルイズを捕まえ、彼女から事情を聞き出したとして、それで一体何ができるというのだろう。
伝説でも天才でもない自分に、何ができるというのだろう。

答えは、何も、できない。

……自分は、無力。
何のことはない、そんな自覚。


現実を突きつけられ、己の無力を目の当たりにしたモンモランシーに、ウルザは更に畳み掛けるように言った。
「彼女は恐ろしく強大なものと、この世界の全てをかけて立ち向かわねばならないさだめにある。そして、彼女の隣に君達の並び立つ場所はない。彼女の苦しみは大きく耐え難い。だが、君達にはそこに立ち入るための資格がない」
唇を噛みしめる。
それは、あえて考えないようにしてきたこと。
『ゼロのルイズ』は『虚無のルイズ』で、自分たちとは比べものにならない尊い存在だという、歴然たる事実。
しかし、それでもモンモランシーは、ルイズの側に駆け出していきたかった。
理性では彼女は既に遠い世界の人だと分かっている。
けれどルイズは命の恩人で、何より彼女は臆病な自分に勇気をくれた、

大切な、友達なのだ。



一瞬だったのかそれとも数分だったのか。
気づいたときには、すぐ側からその声が聞こえた。
「もしも」

その言葉に、心を打ち据えられたモンモランシーはのろのろと、見上げる形でいつの間にかすぐ側まで近づいていた長身の老人の顔を見た。
「それでも君が、彼女の力になりたいと、分不相応の願いを持つというのなら」
ウルザは杖を持たぬ左手をぬっと差し出した。
「この本が助けとなるだろう」

そう言って、ウルザがどこからか差し出した本を目にしたモンモランシーは、突然ぐらりと世界が傾ぐのを感じた。
視線が本へと吸い込まれた。そして、それを見ているだけで彼女の平衡感覚が不確かになっていく。
まるで自分と自分以外の境界が薄れるような、不可思議。

ウルザの手にあるのは皮の装丁をした、鍵の封印が施された、やや大きい一冊の本。
表面には綺麗な字で何事かが書き込まれている。
モンモランシーは、まるで現実感が希薄となったような夢遊の心地で、それを両手で受け取った。

そして渡したウルザは身を屈めて、モンモランシーの手に本を握らせながら、
「きっと彼女も喜ぶだろう」
耳元でそっと優しく囁いたのだった。



『ドミニア異邦』
簡素なそれが、そのとき手渡されたその本のタイトルであった。
その中身は、ウルザが書いた魔法理論研究の解説書であるらしかった。
『らしかった』と言うのは、未だモンモランシーにも、まだその本の大部分を理解するには至っていないからである。

そこに書かれている内容は大きく分けて三つ、『ドミナリア』のウィザードと呼ばれる人々が使う魔法の概要論、『ドミナリア』の魔法と『ハルケギニア』の魔法の比較論、『ハルケギニア』向けにアレンジされた『ドミナリア』魔法の実例。
そのうち彼女が読み終えたのは最初の項目、『ドミナリア』魔法の概要論だけである。

ウルザが生まれたというその世界『ドミナリア』。そこにはモンモランシー達が知る魔法とは似て非なる魔法があり、そしてその土地では魔法を使うもの達をウィザードと呼ぶらしかった。
ウィザード達は、土地からマナと呼ばれる力を引き出して、それを己で精練して、魔法という形に加工して世界に変化をもたらすのだという。

そこに記された土地からマナを引き出すという感覚は、モンモランシーには今ひとつ分からない概念だった。
『ハルケギニア』のメイジは、普通、魔法を使う際には、精神力という自分の力を消費して行使する。
一方ウィザードは、自分の力は使わずに引き出したマナを使って魔法を行使する。
そもそも、根本、力の組成からして違うのである。そんな異界の魔法、異界の知識を一朝一夕、すぐに理解するというのは、一介のメイジであるモンモランシーには少々荷が重いと言えた。
強いて言えば、ウィザードのそれは、周囲の精霊から力を借りるという、先住魔法に近いのかもしれない。
モンモランシーに分かるのはその程度である。

「でも……もしも、ここに書いてある異界の魔法が、本当に使えたら……私だって」
――ルイズの力になれるかもしれない、とは続けられなかった。
力を手に入れて、特別な存在になって、でもそれだけですぐに人を助けられるようにると思うほど、モンモランシーは思い上がってはいなかった。
確かに、平等な立場にはなれるかもしれない。
しかしそれだけである。
真に、ルイズの抱えた問題に関わろうとするなら、まだ何かが足りない。
モンモランシーにはそう思えて仕方がなかった。

「………あ、」
ふと再び窓へと目線を戻したモンモランシーは、開いた門からこちらへと歩いてくる、マントを着けた数人の人影を確認した。
それを見たモンモランシーの体が雷が落ちたように硬直する。
そして続いて慌てて窓から離れ、本を乱暴にベットに放り投げると扉を勢いよく開いて外へと飛び出した。

そう、彼女が目にした数人の中心にいた、その女性こそは、




『爆発/Explosion』
呪文に応え、爆発が巻き起こる。

ここはアカデミーの一室。地下に用意された攻撃魔法の実験を行うための一面に真っ白な部屋。
その一面にある、何重にも固定化や硬質化が掛けられた壁が、無残にも木っ端微塵に破壊されて、周囲に石の破片をまき散らしていた。

『空想/illusion』
一瞬の後、砕け散った壁が瞬時に元の形に再形成される。
いや、元の形に戻ったように見えた。

『解除/Dispel』
幻影の効果が強制的に解除され、まやかしの壁が消え去って、そこに真実の姿がさらけ出された。


「はぁ……はぁ……」
一連の呪文を唱え終わったルイズは、はずむ息を鎮めるように右手を胸にやる、そして左手が滝のように落ちる汗を払おうと額に伸びた。
ルイズの手には、彼女のサイズに合わせた手甲がはめられており、それがほんのりと薄く光を放っていた。

「その三種の魔法の扱いに関しては、ほぼマスターしたと言って良いだろう」
少し離れた場所で腕組みをして様子を見ていたウルザが、そうルイズに声をかけた。

「……まだいけるわ。どんどん、次の魔法を……」
口では強がっているが、その実情、疲労困憊という様子でそう口にしたルイズを見ながら、ウルザは腕組みを解いて自分の髭を撫でた。
「その籠手の力は、あくまで君の力を補強するものにしか過ぎない」
彼女が今、手につけている籠手は、ウルザが製作したアーティファクトの一つである。
魔力の集中を助け、本来であれば霧散しやすい魔力を余すことなく活用することで、マナの効率を倍加させるというものである。

「過剰な魔力の使用はやはり君の肉体を破壊する。無理は結果に繋がらない。続きはミス・ルイズの体力と精神力が回復してからにしよう」
ウルザのその言葉に、ルイズは何かを言いたげに含みのある表情を浮かべたが、結局はそれを飲み込んでこくりと頷いた。

正直なところ、ルイズは既に『始祖の祈祷書』に記された虚無のスペルについて、その全てを読むことができていた。
しかし、実際にそれを行使することに関しては、ルイズの病の症状を進行させることに繋がるとして、ウルザから厳しく戒められているのである。
加えて、ウルザは普段魔法を使う際には、必ずその籠手を着用することを義務づけていた。
籠手はルイズの体に掛かる負担を最小限に抑え、症状の進行を遅らせることができるとのことである。

兎も角、訓練の時間は終わった。
ルイズはその場に立ち尽くして、足早にその場を立ち去っていくウルザの足音を聞きながら、胸元に下げられた懐中時計の針を見た。
時刻は昼をいくらか過ぎた頃合い。
彼女は思った以上に時間が経過しているのに驚きを覚えつつ、自身もその場を立ち去るべく始祖の祈祷書や風・水のルビーといった貴重品をまとめ始めた。
この後には、彼女にとってとても大切な予定が入っているのである。適うことなら身を清めてから出向きたかった。



それから小一時間ほど。
ルイズは扉の前で、未だ薫る石けんの匂いを吸い込んだ。
そうしてその前で深呼吸一つ。緊張の末にヘマをしないように、入った後の行動を頭で再現しながら、心を落ち着ける。
じっくり三呼吸ほども間を取ってから、ルイズは扉を三度ノックした。
「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。参りました」
「どうぞ、お入りなさい」
中から涼やかな声が響いた。
「はい」

扉が開かれて、視界が広がった。
正面の理事席に座っていたのは、彼女が心から敬愛する女王陛下であった。
奥に座するアンリエッタは、春の日差しのような穏やかな笑みでルイズを見ている。
彼女の服装はお忍びと言うことを意識したのか、普段よりは幾分か簡素で、華やかさが抑えられたものであったが、それでも事務一辺倒の部屋を華やかな空間に変えてしまうには十分であった。

しかし、そのアンリエッタの姿以上にルイズを驚かせたのは、その前に立ってルイズに背を向けていた、二人の大男を従えた一人の女性の存在である。

例え背中であっても分かる、特徴的な燃えた立つような赤毛、首筋から覗く褐色。
その姿は、見間違えようがない。

「ツェルプストー!?」
そう、そこにいたのは夏期休暇の前に別れ、ゲルマニアへと帰郷したはずの級友であった。
「な、なんであんた、こんなところにいるのよっ!? ゲルマニアに戻ったんじゃなかったの!? それに……その髪、ずいぶんさっぱりしちゃってどうしたのよ!?」
驚きの声をあげるルイズに、キュルケがくるりと振り返った。
にやりと笑ってルイズの方を向いたキュルケの髪は、最後に会ったときに比べて明らかに短い、かつては背中まであったその髪は、今は肩のところで綺麗に切りそろえられていた。
キュルケは以前と変わらぬ動作で後ろ髪を払う動作をすると、笑いを含ませてルイズに言った。
「相変わらずせっかちねぇ。そんなにいっぺんに質問しないで頂戴。それにあんた、今は女王陛下の御前よ? 頭下げなくて良いの?」
「あっ!」
にやにやと笑うキュルケの指摘に、ルイズは今最も重要なことを思い出して、大慌てでその場にひれ伏した。
「ひひひひひ、姫殿下、じゃなかった女王陛下っ! も、申し訳ございませんっ!」
なんということだろうか! いくら驚いたからといって、女王陛下を蔑ろにして良いわけがない!

顔を真っ赤にしてバネ仕掛けの人形のように頭を何度も下げるルイズを見て、アンリエッタはくすくすと笑った。
「良いのですよ、ルイズ。あなたは私のお友達ではありませんか、気を楽にして頂戴」
「はっ、ははっ! きょ、恐縮です」
カチコチに固まってしまったルイズに、アンリエッタは更に続けて言った。
「それにね。あなたに来てもらったのは他でもありません。彼女との再会を喜んでもらおうと思ったからなのです」

   ハァ?

流石にこの言葉には、ルイズも間抜けな返事を思わず返してしまったのだった。



                           第二、第三段階は色彩感覚、温度感覚の変調
                                         ――ウルザ


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