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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 虚無と狂信者-05

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

虚無と狂信者-05

最終更新:2008年08月01日 08:52

匿名ユーザー

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院長室に入る四人の中で、アンデルセンは頭を下げることもせずにオスマンの所へ進む。
ルイズが慌てて止めようとするが、間に合わない。机の上に銀の箱を置く。
「これを一体どこで手に入れたので。」
オスマンは白い髭をいじりながらいう。
「何?これを知っているのか。」
アンデルセンは言外に圧力を込めて言う。顔つきは険しい。
「これは我々ヴァチカンの、カトリックの物だ。それが何故異世界にある?」
オスマンは驚きアンデルセンを見上げる。そしてその口から出た言葉に異界の二人は戦慄する。
「もしやそなたはイスカリオテか?」
アンデルセンの顔に驚愕が、アーカードの顔に狂喜が浮かぶ。オスマンは話始めた。

三十年程前に近隣の村に吸血鬼がいると聞き討伐に向かった。この世界の吸血鬼は先住魔法と呼ばれる
強力な魔法と一人だけ忠実なグールにするという能力を持つ。だがそこにいた吸血鬼は違った。確かに魔法は
使わない、グールを操り人も騙さない。しかしオスマンは死にかけた。その吸血鬼の身体能力と
無限に現れるグールに。なにせオスマンが呪文を唱えようとしても一瞬で間合いを詰められる。
氷の矢を放っても避けられる。ゴーレムを作るも上に飛び移ってくると散々だった。しかし、オスマンに
一人の男が助太刀に来た。その男は強力な銃器と正体不明の方術であっさりと吸血鬼を倒した。
だが、男はすでに何者かの手により致死の傷を負っていた。いまわの際に彼は自分が異世界から来たこと。
ヴァチカン13課イスカリオテ機関という組織に所属し、銀の箱の奪還任務を受け。果たしたこと。
この銀の箱を同じ世界から来た人間に託してほしいこと。遺体をグールにならぬよう燃やしてほしいことを告げた。


「じゃからそれはお主に渡そう。」
アンデルセンはじっと箱をみる。これがあるならヴァチカンの戦力は強大なものとなるだろう。
(帰る理由が出来たな。)
「さて、皆御苦労であった。しかし、この件は学院自体の件なのでわしのできる範囲の報酬しか与えられんが。」
そこでキュルケは休みを、アーカードは弾薬を錬成してもらうこと、アンデルセンはその機関員の他の遺品を、
それぞれ要求した。ルイズはおずおずとオスマンに尋ねた。
「あの平民はどうなるのでしょうか?」
「あの子か……。さての……。」
「ではあの人をここで預かり、帰る方法を探して下さい。」
ヴァリエール家の三女として命の恩人に何もしないことはありえない。オスマンは笑って頷き、
「もちろんそのつもりじゃ、それに異世界なんてものに興味津津の男に心当たりがあるしの。」

四人が退出した後、例の興味津津の男がやって来た。
「異世界の住人、実に興味深い。」
予想通りの回答にオスマン老は目を細める。コルベールは我に返り、本来の報告をする。
「ミスヴァリエールの使い魔の胸にあるルーンですが、各属性の兆候がないのですよ。そして、似たルーンも無い。
いくら古い書物を漁っても。」
オスマンは笑って言う。
「のう、普通魔法は失敗すると魔力が拡散し何も起こらん。だがミスヴァリエールは爆発する。おかしいの。」
「は、はあ。」
オスマンは笑って言う。
「まあ、ルーンの件はこの際置いておきなさい。それよりあの少年じゃ。もしもあの子がおらず、
そのままミスヴァリエールが死んでおったら偉い事じゃったぞ。」
コルベールは身震いする。管轄外とはいえ、この国で最も強大な権力を持つ公爵家の三女
が死亡する。
責任は必ず問われる。おまけに現公爵家当主は大の家族思いという。言葉のとおり首が飛んでいたかもしれない。
「あの子は我々にとっても恩人じゃ、丁重に扱う様に。」
「は、はい。」
コルベールは青ざめた顔で頷いた。


昼間、目を覚ました少年とアーカードを除いた三人で話をする。アーカードは曰く眠いらしい。
とりあえず自己紹介をし、状況を説明する。異世界、魔法についてはキュルケの実演で理解した。
しかし、もう一方は彼の許容量を超えた。
「吸血鬼がいるってことはわかる。すげーよくわかる。ファンタジーやメルヘンには付き物だからな。」
サイトはわなわなと震える。
「けどそれが俺の世界から来たってのはどういうことだ?そんなもんいたら人類なんてとっくの昔に絶滅してるっつの。」
「本当だ。」
アーカードが現れた、壁から。サイトはベッドの上から転がり落ちた。
「ん、んなわきゃ「ハルヒ」」
「…………」
「ドラえもん、クレヨンしんちゃん、明日のナージャ、セイバーは俺の嫁…。」
「もういい…。」
その言葉にはっとした後なぜかサイトはつっぷした。二人の少女がアンデルセンに聞くが、
彼もジャパニーズアニメに関する知識は持ち合わせてないらしい。
「じゃあ、その人は何だよ。」
アンデルセンを指して言う。
「神父だ。」
「嘘つけーー!!」
サイトは立ちあがる。
「どこの世界に傷が瞬時に治って傷を治して笑いながら人の首を刎ね飛ばす聖職者がいるんだ!!」
「お前がもと居た世界だ。」
「ちょっと黙ってろあんた!」
最強の吸血鬼にアンタ呼ばわりする少年に二人の少女は無知の怖さを見る。そんな少年にアンデルセンは穏やかな笑顔で、
「それはあれが化け物だったからです。いいですか?暴力を振るっていいのは悪魔共と異教徒だけです。
逆に言えば悪魔共と異教徒には暴力を振るっていいのです。」
と言う。笑顔で。サイトは口を開け呆けたが、何かを諦めたかベッドに膝を抱え座る。そして仕切りに、
「異教徒でもダメだろ、異教徒でもダメだろ。」
と呟き始めた。



「とにかくあなた暮らす当ても無いし、帰る方法もわからないんでしょ?だから学院で働いてなさい。
その間に先生方が帰る方法を探してくれるわ。」
その提案はサイトにとってかなり魅力的だった。断る理由もなく頷いた。
「全く、私が学院長に掛け合ったんだから感謝しなさいよ。」
その言葉にキュルケがジドっとした目で見る。アンデルセンは「汝欺く勿れ」とポツリと呟いた。ルイズは横を向いて言う。
「あー……助けてくれて、ありがとう。」
サイトは笑って言う。
「あー別にいいよ。何か夢中でやったことだから。」
ルイズは息を吐き出し、駆けて行った。サイトは戸惑い、アンデルセンに尋ねた。
「俺なんか悪いことしました?」
アンデルセンは首を横に振る。サイトはアンデルセンとアーカードに頭を下げ
「すいません気が動転して、何か変な言葉使って。」
と謝った。アーカードは欠伸をし退室する。キュルケは投げキスをして出て行った。残ったアンデルセンを
サイトはまじまじと見据える。穏やかな顔だがその実顔には傷が多い。聖書を捲る手はごつく、自分の倍はあるように思えた。
「助けてくれてありがとうございます。」
「別段気にすることはありませんよ。あなたを巻き込んだのは私ですから。」
アンデルセンは彼を無視して戦い、その存在を忘却した自分が感謝されるのをむず痒く感じた。サイトは彼に構わず質問する。
「あの…回復法術ってなんですか。」
「神に仕える者が行使できる技術です。」
サイトはカトリックの神父は凄いんだなあと感心した。無論色々間違っている訳だが。
「じゃあ、僕でもカトリックになれば使えるんですか。」
アンデルセンはサイトの目をみる。サイトはその眼に幾分か真剣なものを感じとった。
「回復法術を行使する為に神を信ずる。それは神の力に仕えることだ。神に仕えることとは違う。」
サイトは強い物言いに驚いたが、そこに幾ばくかの悲しみを見、押し黙った。アンデルセンはしばらく遠くを見ていたが、すぐに優しい神父の顔に戻り、
「まあ、興味が湧いたら私に言って下さい。信者でなくとも迷える者が居れば救うのが本来の神父の仕事ですから、」
と言った。それは以前まで本来とは違う仕事をしていたのかと少年は思ったが、あえて言わなかった。


サイトは独りベッドの上で呆けながら、改めて偉いことになったと頭を抱えた。
「まあ、吸血鬼になるよりマシか。」
頭の中で最大限譲歩した後、昨夜の光景を思い出す。切られても貫かれても突き進む男、
それに対する自己の恐怖と驚き以外の感覚に気づく。
少年はその正体を疑問に思い自問したが、すぐに検討がついた。
それは子どものころに持っていた、今まで忘れていた気持。
力への羨望、欲求
ふと現れた己の野心に気づき、胸に手をあて、確認した。それは幸せだが平凡な日常の中で忘れていた、愛しい感覚だった。

結局、俺は学院でマルトーさんの元、下働きを始めた。異世界からきた俺に皆分け隔てなく接してくれたし、
コルベール先生には特に気に入られ、異世界の話をしては感心される。度々ルイズが来てはちょっかいをかけてきたが。
適当にあしらっていると怒り出し意味が分からない。そんなに平民平民言うんなら来なきゃいいのに。
そしてその話をマルトーさんに相談すると、「お前は大した奴だ」と肩を叩かれる。意味が分からない。
アンデルセン神父は時たま聖書の話をする。こっそりと。何やらブリミル教以外の宗教は弾圧されているらしい。
正直道徳の時間に習うようなことばかりだが、それでもこの世界の多くの人たちにとっては凄い事らしい。
さらには算数、理科の話もするから公教育なんて理念の無いこの国では人気にもなるというものだ。
あと、これは俺自身の変化だが、体を鍛えるようになった。朝早く起きて走り、プッシュアップなどで筋肉をいじめる。
原因は、俺の中で燻っている憧れだ。もっとも普通にやってたんでは、あんなんにはなれないとはわかってる。
というかどうやっても成れない気がする。


一週間程経った日、いつものように厨房に行くとマルトーさんがあたまを抱えている。
「どうしたんですか?」
「おお、サイト!実はな、すぐ北の町から野菜が来るはずなんだが昨日から来てねえんだ。今夜分はなんとかなるが…お前ちょっと見て来てくんねえか?」
「はあ、でも…」
俺は自分の格好を見る。麻布のシャツに継ぎ接ぎだらけのズボン。旅に耐えられるだろうか。
「まあ、馬で六時間の距離だから大丈夫だろうが、ちょっと軽装だな。」
そこにアンデルセン神父がやって来た。
「ふむ、それならいいものがある。」
そう言いしばらくして戻ってくると、何やらコートらしきものを持ってきた。
「それは?」
「同僚の遺品です、使ってもらった方が彼も喜ぶでしょう。」
無骨で機能性を重視したデザインが気に入った。お礼を言って貰う。自分の世界の物に親近感が湧く。ちょっと大きめだが。
「あとは剣かな、この辺は魔法学院の近くだから治安はいいが……。」
アンデルセン神父は懐から一本の銃剣を取り出し、俺に手渡した。結構重い。
「んじゃあ、シエスタと一緒に行ってくれ。夕方には着くだろう。」

「なあ、シエスタ。」
「はい?サイトさん」
馬で駆けながらシエスタの腰にある物に目を向ける。
「それ何?」
「剣ですけど、何か?」
サイトはその湾曲した形と柄に見覚えがあった。
「ひいおじいちゃんの形見なんです。」
「もしかしてそれ日本刀って言って、ひいおじいさんは異世界から来たっておっしゃってませんでしたか?」
「?なんで知ってるんですか?」
降って湧いた手掛かりに喜びつつも、今最大級の懸案事項を口にする。
「もっとペース落としてくれ。尻が……」
尻に手を当て、ふとコートのポケットの中に何かを見つける。
「それパイナップルですか?カワイイですね。」
サイトは黙ってそれをポケットに戻した。やはりあの神父もその同僚とやらも普通ではないらしい。


厨房の休憩時間、アンデルセンが皆に話をする。
「イエス様は嫌われものの貴族にも優しいんだな」
「ええ、なぜなら。」
言いかけた時急に扉から男が入って来た。息を切らしているが顔色は蒼白だ。マルトーが駆け寄る。
「おいどうした?」
「化け物だ…」
その言葉にアンデルセンが反応する。
「詳しい話をお聞かせ下さい。」
男の話を要約するとこうだ。村で以前から変死体が発生していた。その死体はもれなく首に穴があり、枯れて死んでいた。
殺された時間はいずれも夜、領主は吸血鬼の仕業としてメイジを派遣した。怪しいのはブリミル教の神官だとして、尋問に行った。
その神官は昼間外に出なかったからだ。時刻はご丁寧に夕方。
「メイジ様が殴られただけで弾け飛んだんだ!スイカみてえに!村の皆は逃げたけど何人生きてることか。
おまけに死んだ奴は片っ端からゾンビになっちまった。」
「場所はどこですか?」
「北に馬で六時間。」
マルトーが声を震わす。
「サイトとシエスタが…」
アンデルセンは駆けて出た。顔には焦りがある。
「おい、待てよ!アンタが行ってどうなる。」
「オスマン氏に連絡を。」
聖書のページが空を舞う。さっきまでと違う重圧ある声で言う。
「きっとそれは私の世界の吸血鬼です。私の専門で我々の獲物です。」
アンデルセンの姿は掻き消え、光る紙の群れは北の空に消えた。その姿を見たマルトーが呟く。
「イエス様を信じるとあんなことも出来るのか。」


「すっかり遅くなりましたね。」
「ゴメンなさい…」
「いえいえ」
サイトは腰に手をあて謝る。サイトの為に休憩を多くとったからだ。もう辺りはどっぷり暗い。馬を置いて村に入る。
「まあ元から泊りですからね、べつにいいですよ。」
「しかし道中は何も無かったけど何で野菜が来ねえんだ?」
村を見ると何人かが道にいる。
「ん?歓迎されてるのか。」
サイトは彼らに近づく、二つの月の月明かりはサイトに彼らの状態をいち早く視認させた。サイトは止まる。
「どうしたんです……か……」
シエスタも見た。肉が崩れ、蠢く人だったものを。
「食人屍(グール)」
ここでアンデルセン神父に憧れを持つ高校生平賀才人が行った行為は当然かつ最善の物だった。それは逃走。
シエスタもまたあっさりと従った。彼らが乗って来た馬に駆け寄る。しかし馬に群がるグール達に二人は毒つきながら横をすり抜ける。
「シエスタさん。本当にゴメンナサイ!」
「いえいえ!」
グールの足は速くない。というか走らない。よってサイトは想像した最もありがちかつ最悪なケースを叫ぶ。
「シエスタ!絶対コケルな?ゆっくりでいいから絶対コケルなよ!」
「はい!!」
彼らは足元に注意しつつ走った。


眼前をグールの群れが襲う、サイトは銃剣を払い、シエスタは抜刀により血路を開いた。
「意外とやるね。」
「サイトさんも。」
おぞましい外見だが所詮は生ける屍、動きは遅く、たいしたことはなかった。そのまま逃げようとする彼らの前に一人の男が現れる。神官だろうか。
「やあ、こんばんは。」
二人は立ち止った。後ろから迫るグールの群れより目の前の男が危険と判断したからだ。サイトはその正体に気づく。
「吸血鬼か。」
「その通り、あきらめたまえ。グールに喰わせるには惜しい。特にそちらのお嬢さんは。」
震えるシエスタの前にサイトが立つ。なんとしても彼女を逃がす。それは学院への恩義であり、女の子を守るというポリシーの為である。
「あきらめる?いやだね!」
シエスタを抱きよせ、耳元で囁く。シエスタは非常事態にも関わらず顔を赤らめる。
「時間は稼ぐ。」
吸血鬼が襲いかかり、サイトの首筋に食らいつく。シエスタが悲鳴を上げる。しかし吸血鬼は顔をしかめる。
食らいついたのはサイトの左腕だった。激痛に顔を歪めながら、唯一一度きりのチャンスに銃剣を心臓に向け突き刺す。
だが、左腕の痛みと掴まれた右肩によって外してしまう。渾身の一撃は脇腹を貫くに留まった。吸血鬼は木の枝まで退き、血の塊を吐き出す。
「なんだ、これは?この剣は?傷が治らんぞ!無敵の体の筈じゃないのか?」
サイトは立ち上がり、挑発する。
「は!こんだけ殺しておいて!こんなことしやがって!脇腹切られたくらいでピーピー泣くんじゃねえよ、甘 えん 坊!」
左腕は折れて骨が見える、右肩は砕けたように痛い、足は震えた。しかしシエスタを逃がす為に下手な挑発をした。
怒りの顔を見せる吸血鬼、その顔が少女の背に隠れる。
「シエスタ!!逃げろよ。」
「嫌です。サイトさんがあんなのになるなんて嫌。サイトさんがあんなのに殺されるなんて!サイトさんを見捨てるなんて絶対嫌!」


わずか一週間ほどの付き合いだったが、シエスタはサイトを仲間と思っていた。
見ず知らずの貴族の少女を、命がけで救った勇敢な少年を尊敬していた。
サイトは彼女の啖呵を嬉しく思うも、状況の最悪さは変わらない。吸血鬼は激昂しシエスタに飛びかかる。
サイトはシエスタを右に突き飛ばした。代わりに押し倒されるサイト。吸血鬼は舌打ちをするもサイトを睨みつけた。
「まあまずはお前でいい、訂正しろ!甘えん坊だと?ただの人間が!私は吸血鬼だ!
不老不死の、最強の生物だ!お前らとは違うのだ!あきらめておとなしく食われろ!」
「うるせえ!人間舐めんな元人間!不老不死?最強生物?笑わせるぜ!
好き勝手暴れて人殺しまくっておいて、脇腹刺された位で喚くんじゃねえ!
俺達と違う?そりゃそうさ!俺はただの人間だ!人間を舐めんな化け物!
さあ戦ってやるぞ吸血鬼!戦い尽くしてやる!」
蒼くなる吸血鬼。サイトはシエスタに叫ぶ。彼の一連の行動は全てシエスタを生かす為にあった。
「ふせてろ!!」
そして右ポケットから、パイナップルを取り出し、ピンを抜く。
「何だ?それは?」
「人類の叡智だ。」
サイトは手榴弾を転がした。最後の力を振り絞り吸血鬼が壁になるよう身を捩った。

その手榴弾を何者かが、蹴飛ばした



手榴弾は飛んで行く、グールの群れに。弾ける死肉と轟音にその場にいた全員が振り向く。そして胴体に突き刺さる無数の銃剣に吸血鬼はよろめいた。
「体が……崩れる!」
けたたましい叫び声を完全に無視し、乱入者アンデルセン神父はサイトを抱え、震えたと思うと、突然仰け反って笑い始めた。
「ははははははは 聞いたかシエスタさん!聞いたかフリークス!雲霞の如きグールに迫られ、吸血鬼に圧し掛かられ、
喚くな?戦ってやる?
ゲァハハハハッ!よく言った!取った行動が自爆でなければもっとパーフェクトだったがな。」
その顔は優しい神父ではなく、イスカリオテの鬼札の物だ。彼は呻き声を上げる吸血鬼に嬉しそうに近寄る。
「く。くるな。」
「五月蠅い!!死人がしゃべるな!!」
「た、助けて。」
「死人が命乞いをするな!!」
首を刎ねる。ゴロリと落ちたそれを一瞥し、今だ向かってくるグールに視線を移す。
(主が死んでなお動くか、天然ではなくナチのインスタントか。)
「今日は機嫌がいい。藁の様に容赦無く殺してやろう。」
そう言い、笑いながらグールに突撃する。死にぞこないが宙を舞い、死んで行く。シエスタはサイトに駆け寄る。
彼女はその光景を畏怖の念を持って見ていたが、サイトに宿ったのは別の感情だった。羨望、驚嘆、力への欲求。それらが溢れ、口を突いて出た。
「かっけえなあ。」
「?」



俺を強くしてください、と土下座と言う(確か由美江がマクスウェルに休暇を乞う時やっていた。)ポーズをする少年を見、思案する。
どんどん布教したいが、主人が快く思っていない。
主人はこの少年に好意を抱いている。
ピンと来た神父は少年の肩を叩く。
「いいですか主は……。」


「全くもう!あの使い魔何処行ったのかしら。強いのはいいけどちゃんとご主人様の側に居なきゃだめでしょう。」
ルイズはそう言いながら中庭を歩き回ると神父の姿を発見する。叫んで呼ぼうとするも、シエスタに止められる。
「今神聖な儀式の最中らしいです。」
「……はあ?」
アンデルセンがサイトの頭に水をかけている。アンデルセンの体が少し光った気がした。その後なにやら話をして終わった。その間ずっとサイトは手を合わせていたが。
「何してたの?」
「ええ、サイト君に洗礼を。」
「え?なんで?」
「いやあ、本当は司教でないと駄目なんですが、略式でね。」
「いや、そうじゃなくて。」
サイトが答える。
「あ、ありのまま起こったことを話すぜ、『神父みたいに強くなるにはどうすればいいか』と聞いたら、
いつのまにか洗礼を受けていた。」
「何を言ってるか分からないわ。」
カトリックという宗教自体は良いが、アンデルセンの性質に不安を抱く。
「アンデルセンはそれでいいの?そんな理由で。」
「神の兵が増えるのはいいことです。」
さらっと重大なことを言ってのけた神父に頭を抱えた。シエスタの方を見る。
「仕方ないですね、男の子って。」
サイトもまあいいかと呑気な顔だ。
みんなだめだ…とルイズは諦めた。


教皇庁13課イスカリオテ残存兵力 2名



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