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  • 鋼の使い魔-48

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

鋼の使い魔-48

最終更新:2009年07月02日 10:37

匿名ユーザー

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「こいつは参ったな……」
 駅場に到着して周囲の風景を見渡し、ここにいないルイズの使い魔ギュスターヴの口から出たのはその一言だった。
 ギュスターヴ、モンモランシー、ギーシュの三人がたたずんでいるのは、厩と馬車を引き込むひさしが付随した駅場の建物だ。石畳の街道に面しているのだが、石畳が先5リーグくらいから地面に沈み込んでいるのが見える。街道を挟んでいる耕地も畦が崩れて泥濘に塗れていた。
「ラグドリアン湖が広がって周囲を浸食し始めているという噂は事実だったみたいね」
 陥没を免れている石畳の上もじっとりと濡れ、嫌そうに投げ出した鞄に腰掛けたモンモランシーが言った。
「手はずではモンモランシーの血を与えたロビンを湖に放って、水の精霊を呼び寄せるってことだったけど、岸辺が殆ど湿地なんじゃなぁ……」
 そういうギーシュは大きな鞄を用意したモンモランシーとは対照的に、袋一つの荷物を身体に縛り付けていた。
「嫌よ私、泥濘を歩いていくなんて」
「も、モンモランシー。わがまま言える立場じゃないんだよ?僕達」
「いや、足を取られるような場所を歩いていくのは危険だろう。そうだな……」
 と、思案に耽ろうとしたギュスターヴの視界に、駅場の端で青果を広げている露天商が見えた。
 ふむ、とギュスターヴの目に不敵な光が宿る。
「なんか思いついたみてーだね、相棒は」
 忘れず持参したデルフがギュスターヴの腰元で嬉しそうな声を上げた。
「ちょっと待っててくれ」
「どうかしたかね?」
「買い物に行ってくる」
「ハァ?道草食ってる暇なんてないのよ」
 呆れ返るモンモランシーの声を無視して、ギュスターヴはうなだれる露天商に向かい合った。

「景気はどうだい?」
「さっぱりでさ。村が湖に沈む前は結構儲かってましたがね。近頃はとんと」
 話す露天商は疲れた目でギュスターヴを見上げる。ギュスターヴは、なんて事の無い客のように並べられている青果をためつすがめつしながら、懐をまさぐって一枚の銅貨を取り出して露天商に渡し、林檎を一個受け取った。
「この辺で湖に面した岸辺がありそうなところってあるかな」
「この辺で……ていいますと、トリステイン側でですかい?」
「んん?」
 少し要領を得ない返事をしながら、ギュスターヴは林檎にかぶりつく。しなびた皮が切れ、口の中に呆けた味が広がった。
「トリステイン側はごらんのとおりの有様ですがね、ガリア側に行けばまだマシな岸辺や村があるみたいですよ」
「越境はしないのかい?こんなところで商品を広げるよりも旨みがあるだろう」
「ほっといてくだせぇ。関所を通るには身分証明がなきゃあ時間が掛かるんですよ。それこそ貴族の方じゃなきゃすぐには通れませんぜ」
「ふぅん。そうか……」
 林檎を平らげてから、ギュスターヴは再び懐をまさぐる。そして一枚の金貨と厚紙の紙片を取り出し、露天商に投げて寄越した。
「ちょ、ちょっと!こんなにもらえませんよ」
「いいからとっておけ。それと、王都に出て仕事をする気があるんなら、そこに書いてある所に行ってみるといい。ここで呆けてるよりは身の立ち様があるだろう」
「あ……ありがとうございます……」
 いきなりの事態に身を固めて動転する露天商に手を振ってギュスターヴは離れた。

 二人のところへ戻ってみると、モンモランシーに睨まれ、ギーシュからは苦い笑いを返された。
「あんた本当に私らに解除薬作らせる気あるの?やけにのんびりしているような気がするんだけど」
「考えるより動いてた方がマシな口でね。……さて、問題はタバサとキュルケの居所だが……」
「そのことなんだけど、ギーシュ。ヴェルダンテ呼べる?」
 突然の問いにギーシュは一瞬、首を傾げたが、次には未舗装の地面に降りて杖先で地面を軽く突いた。
 すると瞬く間に地面が盛り上がり、その下から動物の黒い鼻が突き出てきた。
 ぐもぐも。
「おお、ちゃんとついて来てくれたねヴェルダンテ」
 ぐもぐもも。
 ギーシュの声に応えるようにヴェルダンテは穴から這い出る。大型犬ほどに大きな土竜である。
「で、僕のヴェルダンテに何をさせるつもりなんだい?」
「ちょっと待って……あった。この匂いを探させて。ヴェルダンテに手紙を持たせてね」
 モンモランシーは小瓶を取り出し、ハンカチにしみこませてギーシュに手渡す。
「『ブルー&ルージュのマジックキングダム』は特徴的なフレーバーだからすぐに分かると思うわ」
「ブルー&……なんだって?」
「キュルケのつけてる香水よ。私も興味が有ったから少し持ってるわ」
 よくわからないな、とギュスターヴは頭を掻いていた。そうしている間にもギーシュはヴェルダンテに紐で手紙を括りつけ、ひくつく鼻先に香水を嗅がせていた。
「いいかいヴェルダンテ。この匂いのする人を探すんだ。その人に手紙を渡すんだよ」
 ぐもも。
 応えたヴェルダンテは出てきた穴を戻って地面の中へ消えていった。
「さて、これで多分彼女らが迎えに来てくれるだろうね」
「多分ね」
 提案しながらモンモランシーは不安気に言う。
「あとは水精霊に会う方法だが、水に侵されてない岸辺がいるんだろう?」
「そうよ。水精霊と交渉するには彼らをこっちに呼び寄せなきゃいけないんだけど、その時彼らに触れないようにしなければいけないわ。湿地に踏み込んで会おうものなら一瞬で精神を取り込まれるわね」
「け、結構危ないんだね水精霊って……」
 青い顔でギーシュは遠くに見える湿地帯を見る。
「ま、礼を尽くせば大概怒ったりしないわよ」
「そうか。しかし……どこにいるんだろうな、タバサとキュルケ」
 しっとりと温む風の吹く景色を一望してギュスターヴは言った。
「参ったな……」



 『巨湖の主、ここに』



「で、あなた達も『水精霊の涙』欲しいから来たってわけね」
 シルフィードから降り立ったキュルケはモンモランシーとギーシュを一瞥してそう言った。
「必要なんだからしょうがないでしょう」
「私とタバサが取って来てあげるから高く買ってくれる?」
 タバサに荷物運びを頼んでいたギュスターヴはそれを聞き、渋い顔をしてキュルケを見た。
「冗談ですわ。……人手は多い方がいいわね。ラグドリアン湖は今こんな有様だし」
 陽が昇り切った頃合で、日照が水気を曇らせ蒸し暑さを感じる。ラグドリアン湖周囲の湿地帯が現状、如何に人の住みづらい場所か、そのようなことをギュスターヴも考えていた。
「あんた達、水精霊の涙を取ろうとしてここに居るんなら、今まで何やってたのよ」
 いかにもキュルケたちの手を借りるのが不満気というモンモランシーだった。
「それはまぁ、ね。タバサに水中歩行【ウォーターウォーキング】をかけてもらって湖の中に入ってみたりしたけど。それらしい影も見当たらなかったわ」
「当然よ。人に見える形で漂ってたりなんかしないわ」
 ふふん、とモンモランシーが小鼻で笑うと、キュルケは髪をかきあげて視線をそらした。
 どこか剣呑な空気が漂いそうになったところで、ギュスターヴが切り出す。
「トリステイン側には湖に接する適当な陸地がなさそうでな。出来ればガリア側に渡りたいんだが」
 そういうと、キュルケはさりげなくタバサの顔を窺った。いつもの無表情が少し落ち着かない様子なのが気に掛かった。
「タバサ、どうするの?」
「……頑張る?」
 疑問符がつく返事をしたのは、タバサが使い魔の風竜に聞いたからだった。シルフィードは鱗の煌く首を縦に振って、細く鳴いた。
 きゅい、きゅるるる。
「重たいけど頑張るって」
「だそうよ。よかったわねー、モンモランシー」
「どういう意味よ?」
「さぁ?」
 険悪な雰囲気を作る二人の間に立っていたギーシュは言葉も出せずに苦しそうに喘いでいる。
「キュルケ……」
「冗談ですわ」

 ラグドリアン湖上空を突っ切り、一同が降りたのはトリステイン側の岸辺にあった村の廃墟から、ちょうど向かい側と思われる岸の一角だった。石や岩が多く、波止場や船着場に適さないために放置されているような場所である。
「ここでいいだろう。あとはモンモランシーが水精霊を呼び寄せるそうだ」
「あら、そんなことが出来たのね。期待してるわ」
 シルフィードの背から荷を降ろしていたキュルケの声に、モンモランシーの背中がピクリと震えた。
(……気にしちゃ駄目。いちいち反応してたらきりが無いわ)
 息を大きく吐いて深呼吸し、モンモランシーは気持ちを切り替えた。水精霊は人とはまるで違った存在で、気を抜くとなにが起こるかわからない。
「さ、出番よロビン」
 モンモランシーの一声で、荷物の中から黄色と黒の斑模様の蛙が飛び出す。べたり、と湿った音を立ててロビン……モンモランシーの使い魔の蛙は主の足元に擦り寄った。
「ふふ、いい子ね。いい?ロビン。貴方達の支配者、旧ぶるしき一族と、私は対話を希望するわ」
 そういって、モンモランシーはいつも提げている道具袋から片手に乗る程度の小さなナイフを取り出した。鞘に収まったそれはとても古そうで、抜き身にすると刀身の輝きは、長く見ている者におぞましい恐怖に駆られて発狂させるのではないかと思うほど、複雑な反射をしていた。
 皆が見守る中で、モンモランシーはロビンの上でナイフの切っ先を手のひらに当て、一息で切り裂いた。
「モンモランシー?!」
「黙っててギーシュ。……っ……ロビン、私の名代。かの旧ぶるしき者達に、交渉者の一族の到着を告げなさい。名の記されぬ昔よりの契約に従い、私達の前に現れてくれるように伝えなさい」
 ロビンに血を降りかけながら、モンモランシーは時折、記すに難しい発音の古い言葉を何度か唱え、最後にロビンの背中にルーンを一文字指で書いた。
 ロビンは主人の要望を心得たと見て、湖に飛び込んでいった。それを認めてモンモランシーは血の止まらない手のひらにハンカチを当てた。
「ふぅ。これであとはロビンが水精霊をつれてきてくれるはずよ。それまでは待機ね」

 静かな湖畔を眺めながら一同は何もない岸辺に屯する事になった。キュルケは『水精霊の涙』を受け取る為の鍋を抱えており、タバサはシルフィードの横腹に寄りかかって本を開いていた。モンモランシーは湖が気になるらしくじっと湖を見ていた。ギーシュとギュスターヴは、荷物の中から干し肉と保存食用のワインを取り出して軽い食事を取っていた。
「んーっ、この旅行用のワインは何度飲んでもきついね。喉が焼けそうだ」
 唾液を欲してそう言いながらギーシュは干し肉をがしがしと齧りはじめる。旅人が携帯する場合、ワインには度数の高い蒸留酒の一種が混ぜられるのだ。
 一方ギュスターヴは短剣で干し肉を丁寧に削いで、腰掛けた場所から全員の様子を観察していた。モンモランシーから、キュルケに対する漠然とした警戒感が漂っているように、ギュスターヴは感じた。
「なぁギーシュ」
「ん?なんふぁい?」
 干し肉についていたオリーブに手をつけながらギーシュは振り返る。
「モンモランシーはお前にとっての何だ?」
「ぶふっ?!」
 いきなり噴出したギーシュに女性陣の視線が一瞬集まる。
「ゆっくり食えよ。……あまり大きな声でしゃべるなよ」
「げぇっほ、げっほ……な、なんだい藪から棒に」
「ことの発端は、モンモランシーがお前に幻覚剤を使ってでも同衾を願ったことだ。そうだな」
「ん……まぁ、そういう、こと、だね」
 口重そうにギーシュは応える。
「照れるなよ、いい男が。……で、だ。前々からそういう関係を強固に願われていたわけだな?お前は」
「う、うむ……」
 ギーシュとモンモランシーとケティがちょっと昼間には明言できない爛れた関係『らしい』、と学院で噂されていることくらいギュスターヴも知っている。
「そこで、老婆心ながら思うのだが、お前は一体モンモランシーをどう捉えたいのかと俺は気になるのさ」
「む、……そ、そうだね……」
 口重く、ワインに口をつけながらギーシュはぶつぶつと呟く。
「も、勿論、僕はモンモランシーを愛している。そこに揺るぎはないけどさぁ、もっとこう、さぁ……」
「だらしのない。男なら受ける愛情くらい受け止めたらどうなんだ?半端に袖にしてるからこういうことになったんだろうが」
「うぅ……」
 ぐうの音もでないギーシュは口寂しいのかかっぱかっぱとワインを飲んでいくが、最後の一瓶をギュスターヴはギーシュの手元から掏り取った。
「あ……」
「お前は女性は受身で待っているものだと決めて掛かってないか?女性は強い。男はそれを受け止めるものだ」
 ぐっと一気にワインを飲み干し、ギュスターヴは立ち上がってモンモランシーのところへを歩いていった。
「……はぁ」
 水精霊に会う前に、なんだかすっかり疲れてしまうギーシュだった。

 じっと湖を見ているモンモランシーの隣にギュスターヴが立つと、アルコールの香りがモンモランシーの鼻に臭った。
「臭いわね」
「それは失礼。……ところで聞きたいんだが、そもそも『水精霊の涙』というのはどういうものなんだ?まさか本当に涙なんてことはないだろうしな」
「当たり前でしょ。……水のメイジが使う図録や調合書などでは“水精霊の体の一部”とされているわね。入手には私みたいに交渉を行える資質があるか、或いは能力の高いメイジが水精霊と交渉して手に入れるか、水精霊から直接切り取ってみるしかないわ。もっとも、水精霊と戦うなんて、無謀と勇気を履き違えているとしか思えないけど」
「そんなに強いのか、水精霊というのは」
「そうね……水精霊に触れると、人はその精神を冒されて廃人になるとされるわ。それに普段は水に同化しているからどこにいるのかわからないし、火か風の魔法でもないと大した攻撃は出来ないはずよ。ま、大丈夫よ。敵対者でなければ攻撃しては来ないし、貴方達は待っていれば良いわ」
 そう話している間に、ギュスターヴはふと湖の気配が微妙に変わったことに気付いた。潮騒が引いて自然音がしなくなっているのだ。風が木々を揺らす音も消えていた。
 岸辺から10メイルほど先の水面が黒く濁っている。かと思えばぼこぼこと沸き立ち、水面が盛り上がり始めた。液体のはずの湖面がジェリーのような実体感を伴い、高さにして5メイルほどまで立ち上がった水の塊は、その奥に不気味な光を孕んで岸辺を覗いているようにも見えた。
 視線が上を向いていたその時、不愉快な破裂音のような鳴き声が足元より聞こえる。ロビンがモンモランシーの元へ戻ってきていた。
「おかえりロビン。いい子ね。……古ぶるしき一族の者よ。血と契約を覚えていて感謝するわ。願わくば私達に理解できる姿と声でもって言葉を返してもらいたいわ」
 モンモランシーの声に応じて盛り上がった水塊……水精霊は、日光を乱反射しながら変形を始めた。それはまるで透明な泥団子を捏ね回しているようであり、その形を引き伸ばすたびに布を引き裂くような悲鳴の如き音を立てた。耳を貫くようなその音は、脳裏をたやすくかき乱すに足るもので、平然と立つモンモランシーを除いた全員が強烈な不快感に襲われていた。ギーシュにいたっては酒と干し肉を詰め込んだ胃がひっくり返ったようで顔を真っ青にしてうずくまっていた。
 水精霊の変形は音をたてつつも徐々に収まっていき、最終的にその形は、全長5メイルになる漠然とした人型になって納まった。中に湛えた光を頭にして、幼児が殴り書いたような、辛うじて人の形を模しているのだろうと判断できる姿であった。
「覚えているぞ、外つ者。貴様と最後に会ってから、月の光は五十と二、交わった」
 粘着質の泡を吐き出すような音を混じらせながら水精霊は応えた。
「応えてくれて感謝するわ。早速で悪いのだけど、貴方にお願いがあるの。貴方のからだの一部を分けてくれないかしら」
 モンモランシーの言葉を受けて、水精霊はまた変化を始める。今度は形を変えず、体の表面を細かく波打たせていた。その振動が空気を伝えるようで、低く呻くような音が広がっていた。
「ほんの少しでいいの!お願いだから分けてくれないかしら……?」
 低い音が聞こえる中でモンモランシーは懸命な呼びかけをした。ここで断られたら立つ瀬がないではないか。キュルケの嘲笑、ギーシュの失望、そして学院に禁薬作成を知られて家名を汚したとして多くのものから屈辱を浴びねばならなくなる。
「お願い!お願いだから……」

 だが、水精霊は感情なき声で応えた。
「ならぬ。外つ者」
「どうして?!」
「我は今、我が領域を広げることに身を砕かねばならない。“契約にて縛られぬ”今、我はそれこそが全てである」
「ちょっと待って!……契約に、縛られないって……?」
「契約は月が三十ばかりまじわる昔、『アンドバリ』を外つ者の一人が外したゆえ、すでに解かれている。我は今、血に応じて貴様に見えたまで。『血』のみで我を御することならず」

 ウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥ

 聞こえる低重音がその音量をどんどんと上げ始めていた。見下ろす水の人型がまるでモンモランシーを睨みつけるように、中に孕んだ光を強くしていた。
「契約なき未熟な外つ者よ。我を斯くの如きことで呼び出したなるは、報いを受け取りてその身を果てよ」
「はっ?!」
 モンモランシーが確とした敵意を認識した時、既に水精霊は行動を済ませていた。巨大な水塊が伸びてモンモランシーの頭上を迫っていたのだ。
 そして“一人を除いた”その場の全員が呆然と水精霊とモンモランシーのやり取りを見つめ、モンモランシーが水塊に叩き潰されてしまうのを見届けてしまった……はずだった。

 砂砂利の岸辺をすり抜ける、不均等な人影がギーシュの視線の脇によぎる。
「自分の大事な人くらい、いの一番に守れるようになれよ、少年」
 はっとして振り返ったギーシュのすぐ横に、モンモランシーを抱えて空いた手にデルフリンガーを握るギュスターヴが立っていた。
「よっと……」
「あうっ」
 モンモランシーを無造作に降ろすと、腰の抜けたらしいモンモランシーから頓狂な声が上がった。
「さて……」
 一旦デルフを鞘に戻し、ギュスターヴは湖に振り返る。人型成す水精霊は全身を激しく震わせて空を割るような咆哮さえ上げて明らかな敵意をこちらに向けていた。
「ミスタ。どうなさるつもり?」
「交渉は失敗した。だが俺達は水精霊の涙が欲しい。となれば方法は一つしかないな」
「あ、あんたたち。戦うっていうの?!す、水精霊と」
 腰立たないままモンモランシーはキュルケとギュスターヴを交互に仰ぎ見て言った。
「モンモランシー、あんたはそこで見てていいわよ。戦いになったら邪魔だから」
「な?!」
 空の鍋をほっぽり出して身体を解し始めるキュルケは杖を抜いてゆるりと構える。それに呼応するようにタバサも杖を握り、シルフィードの横腹を叩く。シルフィードは主の意図を察したかのようにばさりと空に上がっていった。
「ぎ、ギーシュ、あんたはこんな馬鹿な真似に加わったりしないわよね?!」
 そう言われて、とっさに杖を抜こうとしていたギーシュが応える前に状況は更なる変化を起こし始めた。
「来るぞ!」
 ギーシュとモンモランシーがギュスターヴの声に反応した時、水精霊の人型が巨大な波となって岸辺へと押し寄せてきていたのだった。


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