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  • 疾走する魔術師のパラベラム-05

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

疾走する魔術師のパラベラム-05

最終更新:2010年06月02日 00:25

匿名ユーザー

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第五章 それが恋だと気づくのに

   0

ガンダールヴ/ [Gandalfr]――勇猛果敢な神の盾と伝えられる始祖ブリミルの使い魔。詠唱の時間、主人を守るために特化したとされる。あらゆる武器を扱ったと謳われ、左手に大剣を、右手に長槍を掴み戦ったという。

   1

 片付いた教室を後にして、食堂に向かう。昼食には間に合うだろう。
 シエスタも給仕の仕事があるため、ルイズと一緒に向かう。ルイズはシエスタに椅子を引いてもらった。
「それでは私は失礼します」
「ええ、助かったわ」
 シエスタがぺこりと頭を下げ、厨房へと消えていった。
 ルイズは少し寂しく感じるが、食欲を満たすことに専念し始める。
 久しぶりに体を使ったので、お腹が減ったのだ。
 今朝とは違い、料理人たちが技の限りを尽くした豪華絢爛な食事をルイズは楽しむことにした。

「ミス・ヴァリエール、デザートにケーキはいかがですか? ガリアの新鮮なフルーツで、マルトーさんが腕によりをかけて作ったものですよ」
 ほどよくお腹がいっぱいになってきたところで、シエスタの声が後ろから聞こえた。
 振り向けばシエスタが、大きな銀のトレイを持って微笑みかけている。
 トレイの上には真っ白な雪のようなクリームに色とりどりのフルーツを盛り付けたケーキがいくつも乗っている。

――甘いものは別腹ね。

「ベリーは入っているかしら?」ルイズが気取った態度で問いかけて。
「ええ、甘くて大きなのが」シエスタがそれに合わせて、伏せ目で答える。
 視線が交差して、二人とも思わず小さく笑った。
 シエスタは、一番大きなベリーの乗ったケーキをルイズに配る。赤色や緋色の果物で上品に飾られたケーキを、銀のフォークで口へ運ぶ。
 口に入れると、上品な甘さと酸味が口の中に広がった。
 白くふんわりとしたクリームは舌触りも完璧で、それに加えてフルーツの酸味がクリームの甘さに変化を与えている。爽やかな酸味は心地の良い刺激となり、次の一口を誘うようだ。
 大粒で張りのあるベリーを噛めば、甘酸っぱい果汁が飛び出し、スポンジに挟まれた色鮮やかな果物は目にも楽しい。
 トリステイン魔法学院の料理人は、実に有能だ。
「美味しい! 甘くて酸っぱくて絶品ね」
 思わず笑みが浮かんでしまう。それほど美味しいのだ。
「まぁ、コック長が聞けば喜びますわ」

 ニコニコしたシエスタとフォークで一口大にしたケーキを見て、ふと思いつく。
「シエスタ」
 不思議そうな顔をしながらルイズの手招きに応じて、顔を近づけるシエスタ。意地の悪い笑顔が顔に浮かぶのを感じながら、ケーキの乗ったフォークをシエスタの口元に運ぶ。
「はい、あーん」
「ふぇ!?」
 予想通り、シエスタは顔を真っ赤にして、可愛らしい反応を見せてくれた。慌てて体を引きそうになるが、手に持つトレイのせいで急な動きはできない。
「み、ミミ、ミス・ヴァリエール?」
「シエスタも甘いものは好きでしょう? 今日、手伝ってくれたお礼に、ね」
 傍から見ていて面白いくらいに顔を真っ赤にさせるシエスタ。耳まで真っ赤にして、目を白黒させている。
 だがここまで、可愛らしい反応をされるとこちらまで恥ずかしくなってきた。
 もしかして、いや、もしかしなくてもこれは恋人同士がやるような仕草ではないのか。
「は、早くしなさいよ! わ、私だって、その、恥ずかしいんだから・・・・・・」
 なんだかシエスタの顔を見れずに俯いてしまう。上目遣いでシエスタの方を見ると、真っ赤な顔になんだか泣きそうな表情を浮かべていた。
「で、では! ・・・・・・あ、あーん」
 何か決心したような声を上げ、口を開けるシエスタ。なぜか目まで閉じている。
「あ、あーん」
 震える手でシエスタに、ケーキを運ぶ。なんだかドキドキしてしまう。
 今、シエスタの口にケーキが入った。
 フォークを咥えながら、もぐもぐと口を動かしてケーキを味わうシエスタ。顔は真っ赤で、目尻には涙が滲んでいる。体は小刻みに震えていて、銀のトレイがそれに合わせキラキラと光を反射していた。
そんなシエスタの様子がなんだか官能的に映ってしまうのは、何故なんだろうか。
 というか、その、これは・・・・・・。

――間接キス、よね。いやいやでもシエスタは女だし私も女だしそもそもシエスタはメイドでこのケーキは今日のお礼なんだし深い意味はその無いんだし――

 意識しだすと、もう止まらない。
「・・・・・・お、美味しかった、です」
「そ、それは良かったワ!」
 シエスタの声で我に返った。思わず声も裏返った。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
 二人とも顔を赤くし、俯いてしまう。両者の間に、なんだか気まずい沈黙が流れる。
「み、ミス・ヴァリエール、私、仕事が残ってますので・・・・・・」
「え、ええ、そうね、引き止めて悪かったわ。頑張ってね、シエスタ」
 そういえばシエスタはまだ給仕の途中だ。これ以上、手を止めると怒れてしまうのかもしれない。
「いえ、すごく美味しかったです、ありがとうございました!」
 ようやく落ち着いたのか、シエスタは仕事に戻っていった。

――私、どうしてあんなことしたんだろう?

 確かに『力』を手に入れて、ルイズは少し『余裕』を手に入れた。
 物事を前よりも冷静に考えられるようになり、視界が開けたようだ。シエスタとも貴族とメイドでありながら、親しい関係になりつつある。
 失敗魔法も前向きに捉えて、自分の持てる『力』として認識ができるようになった。
 どれも以前のルイズでは考えられないことだ。
 使い魔を召喚し、『力』を手に入れてルイズは変わった。それが良い事なのかはルイズ自身にはわからないが、少なくても悪くは無い、と思う。
 だが、しかし。

――さっきのやり取りはやり過ぎじゃないかしら。

 ルイズは頭を抱えた。思い出すだけで顔に朱に染まるのがわかる。
 シエスタに『例の行為』をしたフォークで、食べるケーキは相変わらず美味しい。甘酸っぱくて、まるで本に出てくる初恋の味のようだ。
そもそも、シエスタは――

 パンッ! と。ルイズがそこまで考えた時、食堂に乾いた音が響いた。

   2

 シエスタは胸の高まりを未だに抑えられずにいた。あのルイズと間接キスをしたのだ。
 ドキドキと早鐘のようなリズムを鼓動が刻む。顔はまだ赤いだろう。風邪を引いた時のように、体が熱くて仕方が無い。
「あら?」
 足元に何かが当たった。屈んで手に持ってみると、綺麗なガラス瓶だった。
 細かな細工が施されたそれには、紫色の液体で満たされていた。花弁が浮かんだ半透明な液体は、見ようによっては桃色にも見える。

――微かに甘い、花の匂いがしますね。この匂いは薔薇でしょうか?

 おそらく香水だろう。平民には高価で手に入り難いものだ。このガラス瓶でさえ買うのは難しい。
 誰か学院の生徒の落し物だろう。
 周りを見渡せば目立つ集団が一つ。友人らしき男子生徒に囲まれた金髪の生徒がいた。
 細い金色の巻き毛とフリルのついた派手なシャツに身に纏った生徒。
 ギーシュ・ド・グラモン。女性のような整った顔立ちと、軍人の家系という恵まれた血筋を持つ少年。ギーシュの薔薇を模した杖はよく目立つ。
 かなりの女好きで、様々な女生徒と関係を噂されている。顔は良いのだが、その浮気性からメイドたちの人気はいまひとつ。
 おそらくこの香水はギーシュのものだろう。辺りに女生徒は見当たらないし、集団の中で香水を使いそうな男性はギーシュぐらいだ。
 瓶の装飾は繊細で、女性が喜びそうなものだ。これから誰かに渡すか、誰かから受け取ったプレゼントなのだろう。
「なぁ、ギーシュ! お前、今は誰と付き合っているんだよ!」
「誰が恋人なんだ? ギーシュ!」
「付き合う? 僕にそのような特定の女性はいないのだ。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」
 気取った動きですっと唇に指を当てる仕草は、なるほど、さまになっている。ご丁寧にウィンクまでしてるのだから、たいしたものだ。
 しかし、シエスタの好みではない。シエスタの好みは気高く強い人だ。

――っと、そんなことを考えている場合ではありませんね。ケーキも早く配らないと乾いてしまいますし。

 ルイズと『色々』としていたために、仕事は遅れている。急がないと貴族にどんな文句をつけられるかわかったものでは無い。
 平民であるシエスタは、貴族のきまぐれでどうなるかわからないのだ。
 シエスタに何かあれば、故郷にいる多くの妹や弟が飢えて苦しむ。
 シエスタの従姉妹もトリステインで働いている。シエスタも働かなければいけない。働かざる者食うべからず、祖父の言葉は正しい。
「ミスタ・グラモン、小瓶を落とされませんでしたか?」
 拾った小瓶を、音を立てぬようにギーシュのテーブルの端に置く。なぜかギーシュの顔が苦虫を噛み潰したようになった。
「これは僕のじゃない。君は何を言っているんだね?」

――ミスタ・グラモンの物では無いのかしら? でも、じゃあこれは・・・・・・・?

「失礼致しました」と謝り、香水の持ち主を探そうと香水を手に取ろうとすると、横から伸びた手が香水を先に手に取る。
「おお? この香水は、もしや、モンモランシーの香水じゃないのか?」
 香水を手に取った小太りの生徒が興奮気味に騒ぎ始めた。
「そうだ! その鮮やかな紫色は、モンモランシーが自分の為だけに調合している香水だぞ!」
「ギーシュ! お前がそれを落としたってことは、つまりお前は今、モンモランシーと付き合っている! そうだな?」
「ち、違う! いいかい? 彼女の名誉のために言っておくが――
 ギーシュがそこまで言った時、後ろのテーブルに座っていた少女が突然立ち上がり、コツコツとギーシュに歩み寄った。
 茶色のマント、一年生だろう。栗色の髪をした愛嬌のある顔をした少女だ。だが今は、その鳥の雛を思わせる大きく可愛らしい瞳に涙が溜まっている。今にも零れてしまいそうだ。
「ギーシュ様・・・・・・」
 とうとう少女の瞳からボロボロと、大粒の涙が零れ始める。
 気付けばいつの間にか生徒は皆、こちらに注目している。自分たちの雑談もやめて、突然の演劇を見物しようと身を乗り出す生徒までいた。
「や、やはり、ミス・モンモランシ、と・・・・・・」嗚咽交じりに訴える少女は見るもの心を締め付ける。
「彼らは誤解しているんだ。ケティ。いいかい、僕の心の中に住んでいるのは、君だけ――

 またギーシュの言葉は最後まで言うことができなかった。ケティと呼ばれた生徒が、思いっきりギーシュの頬に平手打ちを食らわせたのだ。
「その香水をあなたが持っていたのが何よりの証拠ですわ!」
 涙を零しながらではあるが、先ほどとは違い一息で言い切った。
「さようなら!」
 それだけを短く言い切るとケティは走り去ってしまった。慌ててその後をケティの友人らしき少女が追いかける。
 ギーシュは頬をさすりながら、走り去るケティの背中に手を伸ばしかけてやめた。
 ギーシュの背後でバンッという大きな音が聞こえたからだ。
 シエスタがそちらを見ればそこには、肩を怒らせた見事な金色の巻き毛を持った少女が立ち上がる様子がよく見えた。どうやら先ほどの音は、彼女が怒りから机を叩いた音らしい。
 カツカツと聞こえる足音に怯えた様子で、振り向くギーシュ。
「モ、モンモランシー。誤解だ、彼女とはただ一緒に、ラ・ロシェールの森へ遠乗りをしただけで――

 やはり、ギーシュは最後まで言うことができなかった。
 モンモランシーが遮るように問いただす。
「やっぱり、あの一年生に、手を出していたのね?」
 ケティとは対照的に落ち着いた穏やかな声音だった。しかし、言葉、表情、態度、全てから怒りが滲んでいるように感じる。
 ギーシュは冷や汗を掻きながら、必死に舌を回す。
「お願いだよ、『香水』のモンモランシー。誤解しないでくれ、咲き誇る薔薇のような君の笑顔が、まるで造花の様じゃないか! この僕まで悲しくなってしまう!」
 モンモランシーは静かに目を閉じ、息を吐いた。そしてテーブルに持ったワインの瓶を掴み、ギーシュの頭にたっぷりと浴びせる。見る見るうちにシャツは薔薇のような赤に染まっていく。正しくは葡萄だが。
 そして。
「嘘吐き!」
 そう一言だけ言い放ち、モンモランシーは走り去った。最後のその一言だけは震えていた。
 食堂に沈黙が流れた。
 ギーシュはハンカチを取り出し、葡萄酒で赤くなった顔をゆっくりと拭き、それから芝居がかった仕草で呟いた。
「あのレディたちは、薔薇の存在の意味を理解できていないようだ」
 食堂にいくつもの呆れのため息が漏れた。

   3

「そこのメイド」
 目の前で行われた色恋騒動を目の当たりにして呆然としていたシエスタは、ギーシュのその声で我に返った。
「君が軽率に香水の瓶を拾い上げたせいで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」
「そ、そんな私はただ瓶を拾っただけで・・・・・・」
 椅子に座り、足を組んだギーシュの顔は引きつっている。
 ようやくシエスタは混乱から抜け出し、事の重大さに気付いた。
 間接的とはいえ、ギーシュの色恋を邪魔した。それは平民であるシエスタにとって致命的ともいえるようなことだ。
 シエスタは魔法学院に奉公するメイドだが、学院長や国家によって保護されることはない。建前としてはそういった『綺麗事』も存在するが、所詮は平民。
 貴族にとっては目障りならば叩き潰せばいい、虫けらのような存在なのだ。
 不幸中の幸いかここには人目があるし、このような事態になったことを知る人間も大勢いる。命は助かるだろうが、どれだけ痛めつけられるか、あるいは。
 あるいは、自分の肉体か。女好きで有名なギーシュだ。そういう事もありえるだろう。
 しかし、それだけは。それだけは嫌だ。
 俯いて床しか見えない視界の端にあるギーシュの靴が近づいてくるのが見えて、シエスタはぎゅっと目を瞑った。

――怖い!

 体が小刻みに震えるのが止まらない。涙が滲むのがはっきりとわかる。
 ギーシュがルーンを唱え、杖を振ればシエスタは簡単に死ぬだろう。火に焼かれるか、水で溺れるか、石の槍で貫かれるか、風で切り刻まれるか。

「止まりなさい」

 凛とした声が食堂に響いた。静かではあったが、その裏には怒りが感じられる。そして、それはシエスタが心の何処かで待ち望んでいた声だった。
 ハッと顔を上げれば、そこには小さな背中があった。流れるように揺れる艶やかな髪は、ほんの少し桃色が混じっている。
 シエスタがあの夜、心に刻んだ理想。何からも逃げない、そんな最高の女性が今、目の前にいる。
「・・・・・・ミス・ヴァリエール」
 ルイズがギーシュからシエスタを守るように立っていた。
「ルイズ、邪魔をするな。僕は、これからそこのメイドに『教育』をしなければならない」
 ふぅとルイズがため息をつくのが聞こえた。シエスタからギーシュの姿はもう、見えない。
「ギーシュ、あんた最低よ」
「なんだと?」
 今まで、形だけは装っていたギーシュの仮面が剥がれ始めた。シエスタ相手に浮かべていたサディスティックな薄笑いは消え、怒りだけが残った。
「二股かけてた挙句に、バレればメイドに責任転嫁? それも自分の面子を保つためだけに?」
「違う。僕は彼女たちの名誉を守ろうとしている。そこのメイドがほんの少しでも、機転を利かせることができたならばケティもモンモランシーも傷つかずにすんだのだよ」
 ルイズの顔をちらり、と窺った。こめかみに、太い血管が浮かんでいる。

――怒っている。

「・・・・・・何が名誉よ。あんたが本当に大切なのは自分の身でしょう? 本当に愛しているなら、どうしてすぐに追いかけないの? あんたに貴族を名乗る資格は無いわ。平民にも劣る誇りしか持ち合わせていない男にはね。もう一度、言うわ」
 ルイズはそこで一度、言葉を区切って最後の一言を突きつけた。
「最低よ、ギーシュ・ド・グラモン」
 食堂がまた静かになった。誰も口を開かない。シエスタも、ルイズも、そしてギーシュも。
 沈黙を破ったのはギーシュだった。
「・・・・・・魔法すら使えない『ゼロ』に、貴族の誇りについて説教されるとはね。少々、気が動転していたようだ。このような事態になったことを恥ずかしく思うよ。貴族のような機転を、そこのメイドに求めた僕が馬鹿だった。ルイズの侮辱も許そうじゃないか。魔法の使えないそこの『二人』の平民は下がっていいよ」
 やれやれ、と肩をすくめてギーシュはそんなことを言った。

 自分の体が震えるのをシエスタは感じた。今度は恐怖ではない、怒りだ。ギーシュはルイズのことを平民と呼んだ。シエスタにはそれが許せない。
「待ちなさい」
 立ち去ろうとしたギーシュをルイズが呼び止めた。振り向いたギーシュの胸に手袋が当たり、床に落ちる。ぱさりと乾いた音がした。
「何の真似だい? ミス・ヴァリエール」
 先ほどとは変わって、丁寧な口調でルイズにギーシュは問いかける。
「貴方のお好きな騎士の真似事ですわ、ミスタ・グラモン」
 からかうような、面白がるような声音でルイズはギーシュに応じた。
 ルイズはくるりとギーシュから目線を外して、シエスタの方を向く。
 呆気にとられたシエスタの前に、手が差し伸べられた。目の前の小さな少女が差し出す、小さく力強い手。
 考えるより先に体が動いて。シエスタはその手を掴んで立ち上がっていた。あんなに震えていた体が、今はもう震えていない。
「決闘よ」
 振り向いてルイズはそう、静かに宣言した。
 振り向く時に一瞬だけ目線が交差した。ルイズの目には強い輝きが見えていた。そしてルイズは笑っていた。

 その笑顔を見た瞬間、何もかもがどうでも良くなった。ギーシュも周りの貴族の視線も、何もかもが色褪せた。
 どうなってもいい。どうなってもいいから、この人の側にいたい、と思った。
 結局、『一目惚れ』だったのだろう。あの夜、あの力強い誇りを見た時から。

――私はそれを貴族だとか、平民だからとか誤魔化しておさえつけていたが、もう誤魔化せない。

 シエスタはルイズに恋をしていたのだ。


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