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  • 疾走する魔術師のパラベラム-04

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

疾走する魔術師のパラベラム-04

最終更新:2010年06月02日 00:18

匿名ユーザー

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第四章 そんな笑顔が

   1

「ミセス・シュヴールズからミス・ヴァリエールの教室の片付けの手伝いを、と申しつかりましたメイドのシエスタでございます」
 嵐が過ぎ去ったかのような惨状を見せる教室に入ったシエスタはそう言って、スカートの端を摘まんで、スッとお辞儀をする。顔を上げるとそこには、一人の少女。
 シエスタの身長よりも低い小柄な体躯を持つその少女。鳶色の大きな瞳は宝石のような輝きを湛えており、腰の辺りまで伸ばした細く艶のある髪は、僅かに桃の色が差している。陶器のような張りと白さを湛えた肌と合わさり、まるで花壇に咲き誇る一輪の花のようだ。
 ほかの学院の生徒たちと同じ黒いマントと白のブラウス、灰色のプリーツスカートといった装飾の少ない制服を着用しているのにも関わらず、まるでルイズの姿に合わせたかのように似合っている。
 学院就きのメイドであるシエスタにとっては見慣れた姿だが、ここまでの美少女は中々いない。
 そんな可憐な姿はシエスタの印象に強く残った。なんというか猫の魅力に近いものを感じたのだ。
「ああ、あなたが先生の言っていたメイドね」
 ミス・ヴァリエール――ルイズがその声を聞き、いくらか和らいだ表情で振り向いた。
「ちょうど良かったわ。シエスタ、そっちを持ってちょうだい」
 見ればルイズは倒れてしまった教室の机の一つを立てようと、机の中央の辺りを持ち力を込めているところだった。
 小柄なルイズでは大きな机のバランスを取るような持ち方はできないし、そのような力も足りない。
「あ、はい!」
 傍から見れば小さな子供が重い荷物を持ち上げるようで微笑ましい光景だったが、シエスタはルイズの手伝いをする為にここに呼ばれたのだ。
「では、私はこちらを持ちますので、ミス・ヴァリエールはそちらをお願いできますか?」
「わかったわ。・・・・・・せーの!」
 ルイズの掛け声に合わせて二人は机を起こそうと力を込める。常日頃から女性の身ながらも、それなりに力を使う機会の多いメイドであるシエスタのおかげか、机はなんとか立ち上がった。
 何人かが同時にかける教室の机はかなりの大きさだったが、なんらかの魔法でも掛かっているのか、女性二人の力でもバランスさえ取れれば起こすのはそう難しくはない。
「ふぅ、それじゃあ残りの机も起こしてしまいましょう」
 シエスタとルイズは二人で机を運んでいく。手際よく、とは行かなかったが手馴れたシエスタのおかげでなんとか全ての机を運び終える。
 シエスタが新しいガラスを運び、ルイズは雑巾で教室を包んだ煤を磨き落とす。
 掃除などあまりやったことがないであろうルイズの手際は悪く、シエスタは見かねて手伝う。すでにガラスは全て運び終えていた。

   2

「一段落付きましたね」
 太陽が上の方まで上がり、影が短くなってきた頃には教室はほぼ片付いていた。
「ええ、あなたのおかげね、シエスタ。ありがと」
「い、いえ、そんな! ミス・ヴァリエールが手伝ってくださったからです」
 貴族であるルイズが平民であるシエスタに対してお礼を言う。そのような状況はなかなか無い。
 ここの生徒はプライドが高く、こういった事は珍しい。
 平民との距離が近い弱小貴族の子供などであればこういった事は時々ではあるがある。しかし、トリステイン魔法学院は国立ということもあり、通うことのできる貴族はある程度の地位を持った者に限られる。
 少ない例外はゲルマニアからの留学生であるキュルケぐらいだ。ゲルマニアでは財産次第で貴族になることができるので、名門でも平民との距離が近いのかもしれない。
「平民の私にお礼だなんて・・・・・・」
 恐縮してしまったシエスタが発した声は、語尾が掠れててしまい聞き取れないような大きさだった。
 ルイズの実家、ヴァリエール家はトリステイン王国中にその名を轟かせる名門である。領地は広大であり、領主は代々優秀なメイジ。戦争となれば王国の杖として戦い、平時では国境を任せられるほどである。
 そんな名門の生まれであるルイズが、たかが学院のメイドにお礼を言うなど考えられないことだった。

「確かに・・・・・・ほんの少し前の私ならこんな事は言わなかったでしょうね」
 ルイズはそう言って、変えたばかりの曇り一つ無いガラスが嵌まった窓に背中を預ける。視線をシエスタから外して窓の外を眺めるルイズは美しかった。
 昼前でも春の日差しはまだ強くはなく、ぽかぽかと気持ちがいい。空気を入れ替えるために開け放った窓からは、爽やかな春風が教室を満たす。微かに花の香りを乗せた風は心地いい。
「私は魔法が使えなかった。家でも使用人からも馬鹿にされ、中には平民との子供じゃないか、なんて言う人間までいたわ」
 当時を思い出しているのか、語るルイズの顔はどこか悲しげで。そんなルイズの顔を見るとシエスタはなんと声をかけていいのかわからない。
 なんだか胸が締め付けられるような、そんな表情をルイズは浮かべていた。
「だからかしら、私は誰を信じていいのかわからなくなった。名門ヴァリエール家の娘、優秀な両親や姉妹、そんな中で私だけが魔法が使えない。私の唯一の心の支えは『貴族の誇り』って看板だけだった。必死になったわよ。それでも魔法は成功しないの。悔しかったわ、とってもね」
 そう語るルイズの目はどこか暗くて、吸い込まれてしまいそうだ。
『ゼロ』の噂はシエスタだって知っている。
 魔法の使えない貴族。魔法成功率0%。爆発により備品などを壊し、時折シエスタたち使用人の仕事を増やす。そして本人は悪びれようともせずに平民をほかの貴族と同じように使う。
「『ゼロ』のくせに」そんな嘲りの込められた愚痴を、シエスタも何度か同僚から耳にしたことがあった。
 平民と同じように魔法が使えないのに、貴族の服を着て、貴族の食事を取り、貴族のベッドで眠る。ただヴァリエール家に生まれただけで、と。嫉妬も色濃く込められたそんな呟きを込められた声を聞くと、シエスタは耳を塞いで逃げ出したくなる。

 シエスタは見てしまったことがある。ルイズが入学していくらか経った日の夜に、たまたま臨時で入った仕事が長引いてようやく自分の部屋に帰るという時に爆音が聞こえたのだ。
 驚いたそちらに向かってみると一人の少女がいた。月明かりで浮かんだシルエットは杖を持っていたので、すぐに貴族とわかり、声を掛けるのを躊躇った。
 少女は何度も呪文を唱え杖を振る。その度に大小遠近様々な爆発が起きる。時々近くで起こった爆発は、少女の小さな体躯は簡単に吹き飛ばした。
 それでもなお少女は立ち上がり、杖を振り続けた。
 一瞬、雲の切れ間から顔を覗かせた月が照らした少女の頬は濡れていた。
 泣くまいと歯を食いしばりながら杖を振る少女をシエスタは見ていられなくなり、逃げるように自分の部屋に戻った。ルームメイトは既に寝起きを立てていた。
 その日、シエスタは胸が高鳴って眠れなかった。そしてその少女はルイズだ。
 シエスタはルイズの努力を一端とはいえ知っていた。シエスタはルイズの苦しみを一端とはいえ知っていた。だからシエスタはルイズの陰口を言うことはなかった。
 その夜の出来事があってから、数日と間を空けずに学院に『ゼロ』の噂は広がった。

――私はあの時、逃げてしまった。

 シエスタは逃げたのだ。どうして逃げたのかはわからない。だがルイズが必死に努力しているのを見つめ続ける事がシエスタにはできなかった。
 そして、あの時のルイズの顔を見ていなければ、シエスタは同僚と一緒に愚痴を言っていただろう。そんな自分自身がとても嫌だった。

「でもね、昨日初めて魔法に成功したわ。私は使い魔を召喚して『力』を手に入れた。私はもう、『ゼロ』じゃない。『ゼロ』なんかじゃ、ないわ」
 自分の左手を見つめながら、ルイズはそう締めくくった。
 その目には先ほどと違い、強い光が宿っていた。気高さを感じるその瞳はまるで大剣か、それとも槍のような鋭い輝きを湛えている。
「以前の私なら平民の名前なんて覚えようともしなかったわね。自分以外はみんな私を笑っているように思えた。けれども今は違う。私は『力』を手に入れたわ。それからようやくよ。私がちゃんと物事を見れるようになったのはね。だからあなたが初めてよ、シエスタ。・・・・・・いい名前じゃない、可愛らしくてよく似合ってる」
 そういってルイズは笑った。その笑顔はまるで花のようで、でも悪戯好きの猫のようでもあって。
 そんな笑顔が、とても素敵だと、シエスタは思った。

「ありがとうございます!」

 自分の笑顔はどんな風になっているかわからなかったが、シエスタも笑っていた。
 胸の奥が熱くなるのをシエスタは感じていた。

   3

 二つ名は『炎蛇』。系統は『火』で、クラスはトライアングル。
 『炎蛇』のコルベールはトリステイン魔法学院で二十年も教鞭をとった教師である。その確かな実力と一風変わった授業により生徒にもそれなりに慕われている。
 顔には今まで生きてきた年月を感じさせ、頭は悲しいかな、輝かんばかりに頭皮が自己主張をしている。
 手に持つ大きな杖にも、身を包むローブにも薬品の匂いが染み付いているのはコルベールの変わった気性が原因である。コルベールはハルケギニアのメイジには、珍しく魔法ではなく『技術』で人々の生活を支えたいと考えていた。
 火のメイジは基本的に好戦的である。操る熱気がそうするのか、炎のような気質を持つものが多い。
 しかしコルベールは自身の火を敵ではなく、何かを作ることに向けたかった。長年、教師をする傍らで常に火を生活に生かすことができないかと考えていた。
 コルベールは人の役に立ちたかったのだ。誰かを傷つけるのではなく、誰かを育てる。それが目指した理想だった。
 そんなコルベールは今、図書館にいる。

 トリステイン魔法学院の図書館は、食堂がある本塔の中にある。
 本棚は人の身長の何倍も高く、膨大な量の本が納められたその光景は見るものを圧巻する。高さはおおよそ三十メイルにも及ぶ本棚が並ぶ、この壮大な光景を見ることができるのはハルケギニアでもなかなか無い。
 この図書館には始祖ブリミルがハルケギニアに新天地を築いて以来の歴史が、様々な人間の想いとともに蓄えられている。
 図書館の中の一区画、教師のみが閲覧を許されている『フェニアのライブラリー』にコルベールはいた。
 昨日、ルイズが召喚した『植物の種』。
 あれはコルベールの知識にはないものだった。もちろん専門ではないために、コルベールの知らない植物だと本人も思った。だが使い魔の目録を作る際に、種類がわからないのではなんとも味気無い。それにコルベール自身もルイズの召喚したものがなんなのか知りたかった。
 落ちこぼれと蔑まれてきた生徒がようやく召喚したのだ。少しでも力になってあげたい。

――しかし種類がわからないのでは、育てるのも大変だろう。水のやり方などになにか手順があったりすれば、枯らしてしまうことになるかもしれない。

 それに珍しいモノ、というものはそういった事情を抜きにしても好奇心を刺激される。
 そうして図書館でルイズの召喚した植物がなんなのか調べていた、のだが。

「この本にも載っていませんか・・・・・・」
 呟きに落胆の色を見せながら、手に持つ図鑑を本棚へと戻す。
 見つからない。
 初めはこんなことになるとは思っていなかった。植物図鑑の類を探せば見つかるだろうと。しかし図鑑には載っていなく、様々な本を探したが結局見つからなかった。そうして様々な理由から閲覧が制限されているフェニアのライブラリーにまで手を伸ばしたのだが。
 やはり見つからない。
「もしやミス・ヴァリエールの召喚した植物は新種・・・・・・?」
 そうだとしたら見つからないのは当然であるし、ルイズは偉大な発見者だ。もしかしたら新しい食料や薬になるかもしれない。
「それはそれで喜ばしいのだが・・・・・・ん? 薬?」
 彼の目に留まった一冊の本。タイトルは『エルフの薬草』、どうやらエルフたちの使う薬草にまとめた本のようだ。
 その本を何気無く手に取り、コルベールは一つの考えに至る。

――もしかしてロバ・アル・カリイエの植物では?

 遥か東方の地、ロバ・アル・カリイエ。エルフが支配するサハラのさらに果てにあるというその土地には、こちらでは見られない工芸品などがあるという。
 最近では『緑茶』と呼ばれる淡い緑色と独特の味わいを持った茶葉などが、少ないが東方からハルケギニアに輸出されている。もしかするとそういった『緑茶』と同じく、ルイズの召喚した『使い魔』は東方の地のものかもしれない。
 さっそく、手に持つ『エルフの薬草』を開く。
 いくらかページを捲ると、そこにはエルフが使うという『丸薬』が載っていた。

   4

「ミセス・シュヴールズからミス・ヴァリエールの教室の片付けの手伝いを、と申しつかりましたメイドのシエスタでございます」
 爆発の影響で倒れた机を立て直そうとしている時に背後から声が聞こえた。
 振り向いてみると、そこにはメイド服を着た少女が一人。
 年相応に凹凸のある女性らしい体つきとハルケギニアでは珍しい黒い髪。スカートの端を指で摘まんで、スッとしたお辞儀にはよく手馴れた様子が感じられる。
「ああ、あなたが先生の言っていたメイドね」
 上げた顔は素朴で、野に咲く花のような素朴な雰囲気を漂わせる。カチューシャでまとめた髪と同じ色をした瞳は、メイドの少し変わった顔立ちと調和が取れており、微かな異国の赴きを感じさせた。そばかすもこのメイドの可愛らしさにアクセントを加えている。

――助かったわね。この机、私一人では持ち上がりそうも無いもの。

 自然とルイズの表情も和らぐ。ルイズの小柄な体では教室で使う大きな机は持ち上がらなかったのだ。
「ちょうど良かったわ。シエスタ、そっちを持ってちょうだい」
 一人でなんとか立て直そうと、真ん中の辺りに手を掛けていたのだが当然、ルイズの力では持ち上がらない。
「あ、はい!」
 ルイズの様子に気づいて慌ててシエスタが机の端を持つ。
「では、私はこちらを持ちますので、ミス・ヴァリエールはそちらをお願いできますか?」
「わかったわ。・・・・・・せーの!」素直にシエスタの指示に従い、ルイズも反対側の机の端を掴む。
 ルイズの掛け声に合わせて二人が力を入れると、机はなんとか立ち上がった。メイドというのはなかなか力があるらしい。
「ふぅ、それじゃあ残りの机も起こしてしまいましょう」
 一息ついて教室を見直す。まだルイズの爆発がなぎ倒した机はたくさんある。
 しかし壊れた机は一つも無い。煤に塗れて汚れてしまっているが、それだっていつもの被害に比べれば格段に少ない。窓ガラスも何枚か割れてしまっているが、ほとんどが無事だ。
 ルイズは僅かに口の端を吊り上げて笑顔を作る。
 ルイズの『失敗魔法』は『ゼロ』などではない。これから試行錯誤を重ねれば、もっと正確な戦力がわかるだろう。
 自分の出来る事を知る。それがルイズの現在の最優先事項だ。情報は金にも勝る価値を持つことがあるのだから。
 他所事を考えながらも手は動かす。ルイズ一人ではびくともしなかった机も、シエスタと二人ならばなんとかなる。ルイズが集中できずに、効率的とは言い難いがそう時間も掛からずに全ての机は元の位置に戻った。
 シエスタが窓ガラスを取り替えるのも慣れたもので、ルイズが考え事をしながら机を拭いている間に全ての窓を取り替えてしまった。
 ようやくルイズも真面目に取り組むのだがどうにも効率は悪い。見かねたシエスタが慣れた手際で机を雑巾で拭う。
 スムーズに掃除をこなす姿を見て、小さな対抗心からルイズも掃除に取り組んだが、やはり本職であるシエスタの仕事は洗練されていた。

   5

「一段落付きましたね」
 気温が上がり、教室を春の温もりが満たし、そろそろ胃袋が空腹を訴え始める頃には教室の掃除は大体終わっていた。
 シエスタがいなければ、こんなに早くは終わらなかった。
「ええ、あなたのおかげね、シエスタ。ありがと」
 気がつけばルイズは感謝の言葉をシエスタに送っていた。
 ルイズは自分でもプライドや気恥ずかしさが先立ってしまい、素直になることができない、という自分の短所は自覚していた。それだけに感謝の気持ちをそのまま伝えられた自分に驚いていた。
「い、いえ、そんな! ミス・ヴァリエールが手伝ってくださったからです」
 驚いた様子で手をバタバタと振る仕草がなんだか可笑しくて、自然とルイズの表情が綻ぶ。
 朱が差したシエスタの頬は可愛らしく、大きく黒い目がくりくりとよく動くのは見ていて飽きない。
 ルイズはそんなシエスタの様子を見て、自分が使用人たちにこんな仕草を見たことが無いことに気づいた。
 ハルケギニアの貴族のほとんどがそうであるように、ルイズも平民が『貴族に仕えて当たり前』と思っていた。
「平民の私にお礼だなんて・・・・・・」
 恐縮して俯いてしまったシエスタの様子を見たら、なんだか心がもやもやした。
「確かに・・・・・・ほんの少し前の私ならこんな事は言わなかったでしょうね」
 自分の心境に変化が起きていることに気付いたルイズは、自分の心を確かめることも兼ねてシエスタと少し話しを聞いてもらおうと思った。独り言のようなものだ。
 シエスタが取り替えたばかりの窓は開け放たれている。空気を入れ替えるためにシエスタがルイズの気付かぬ間にやったのだろう。くすぐったくなるような気持ちのいい春風だ。
「私は魔法が使えなかった。家でも使用人からも馬鹿にされ、中には平民との子供じゃないか、なんて言う人間までいたわ」

 まだルイズが幼く屋敷にいた頃だ。
 優秀な二人の姉。英雄と呼ばれた母。強かな父。そんな中でルイズ一人が魔法が使えない。貴族の証明である魔法が、使えない。
 ルイズは魔法を使う度に爆発を起こし、その度に叱られた。『物覚えが悪い』『集中力が足りない』『やる気が無い』。
 そんな風に叱られる度に、ルイズは涙を滲ませた。
 違う、スペルは全部覚えている。
 違う、いつも周りがわからないほど集中している。
 違う、杖を握り締めて、文字通り『必死』に魔法を使おうとしている。
 違う、違う、違う!
 それなのに、それなのに魔法は成功しない。
 ある時、屋敷の使用人たちが会話しているのを耳にした。
『ルイズお嬢様はまた失敗したのかい?』『ああ、まただよ。全く掃除するのはこっちだっていうのに』
『やれやれ、困ったもんだね。カトレアお嬢様もエレオノールお嬢様もトライアングルだっていうのに、ルイズお嬢様はゼロのまんまだ』『ゼロ?』
『ドットでもないんだからゼロじゃない? ゼロクラスのメイジだよ』
『はっはっはっ! そりゃあいいや、俺たちもゼロクラスのメイジ様だ!』
 噛んだ唇から血が滴るのを感じて、ルイズは使用人たちの笑い声から逃げた。

――いつか、いつか私は力を手に入れる。貴族として、理想の貴族であるために。ルイズとして力を手に入れる。

 幼き日の小さく、強い誓い。この誓いがあったからこそ、ルイズは今まで研鑽を積み重ねてきた。

「だからかしら、私は誰を信じていいのかわからなくなった。名門ヴァリエール家の娘、優秀な両親や姉妹、そんな中で私だけが魔法が使えない。私の唯一の心の支えは『貴族の誇り』って看板だけだった。必死になったわよ。それでも魔法は成功しないの。悔しかったわ、とってもね」
『貴族』というのはルイズを縛る鎖であり、ルイズを支える柱でもあった。それが正しいことなのか、ルイズにはわからなかったが、正しいと信じないと心が折れそうだった。
「でもね、昨日初めて魔法に成功したわ。私は使い魔を召喚して『力』を手に入れた。私はもう、『ゼロ』じゃない。『ゼロ』なんかじゃ、ないわ」

――私は成功した。私はもう無力じゃない。『ゼロ』では、無い。

 自分の左手を見つめる。手袋は掃除の際に外していた。
 手の甲に確かに刻まれた成功の証。これは『力』の証明だ。

「以前の私なら平民の名前なんて覚えようともしなかったわね。自分以外はみんな私を笑っているように思えた。けれども今は違う。私は『力』を手に入れたわ。それからようやくよ。私がちゃんと物事を見れるようになったのはね。だからあなたが初めてよ、シエスタ。・・・・・・いい名前ね、可愛らしくてよく似合ってる」
 心地のいい風を感じながら、シエスタの方を振り向く。
 自分の顔がどんな笑顔になっているかはわからなかったけれど、ルイズは久しぶりに気持ちよく笑うことができた。

「ありがとうございます!」

 そういって笑うシエスタの顔は、なんだか気持ちよさそうだ。
 そんな笑顔が、すごく可愛らしいと、ルイズは思った。

――私は変わった。まだまだ問題は山積みだけど、今はとりあえず、この使い魔に感謝しよう。


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