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  • The Legendary Dark Zero 25a

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

The Legendary Dark Zero 25a

最終更新:2012年04月30日 12:23

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  • The Legendary Dark Zero



結局、夜が明けるまで時空神像の記憶をベッドの上で寝そべったまま観賞し続けていたルイズはアルビオンでの任務で溜まりに溜まっていた疲労によって、自分でも気づかぬまま眠ってしまっていた。
時空神像から映し出されるフォルトゥナの様々な映像をルイズは度々質問してきたため、スパーダは昔を思い出しながら簡単に説明もしてやった。
フォルトゥナは外界と離れた島国という土地柄である以上、あまり外からの来訪がなく島の土着の人間しかほとんど住んではいなかった。
だが、スパーダは数年だけとはいえその島の領主として留まったのである。……そこでも、魔界の悪魔達が暗躍していたからだ。
ルイズは異国のフォルトゥナに強い関心を抱き、領主として統治していたスパーダの行動を見てははしゃぎ、それが余計に彼女を疲れさせることにもなっていたのである。

とにかく、この状況では今日の授業には出られないことだろう。だからといって無理に起こすこともない。
スパーダは時空神像の映像を消し、完全に熟睡しているルイズを起こさぬように部屋を出ると、そのままアルヴィーズの食堂へと赴いた。
「おお、スパーダ君。おはよう」
食堂へ足を踏み入れた途端、現れたのは〝炎蛇〟と呼ばれている学院の教師、ジャン・コルベールであった。
「私の生徒達が世話になったようだね。君には感謝するよ。しかし、ミス・ヴァリエールはどうしたのかね?」
「まだ眠っている。昼までは起こさん方が良いだろう」
「今日の授業は欠席、か。まあ、仕方があるまい。色々と大変な目に遭っただろうからね」
「それで何の用だ」
何やらやけに興奮している様子のコルベールだが、自分に用件があるのだということをすぐに察して問いただす。
「ああ、すまないね。こんな所で話すのも何だ。我々の席に来てくれたまえ」
そうしてコルベールは食堂の上階、教師用のテーブルへとスパーダを連れていった。
スパーダはいつも厨房の賄い食を口にしているので貴族達の食卓はほとんど目にしていないのだが、朝だというのに無駄に豪勢な食事に少し呆れた。
ただ、教師達の食事は生徒達の物と比べると少し量が少ないので適量とも言える。
そして、そのテーブルには既に何人もの教師達が席についている。

多くの教師達がスパーダの姿を目にするなり嫌悪を露わにした視線で睨んでいた。
「……何故、あの男がここにいるのだ?」
「没落貴族め……」
多くの教師達はスパーダを異国の平民上がりの没落貴族だと見下しており、彼が貴族の食卓へと堂々と足を踏み入れるのが気に入らないらしい。
特に、以前彼に言い負かされて大恥をかかされていたギトーは完全にスパーダに対して敵意を剥き出しにした視線を向けている。
今にも杖を抜いて追い出そうとしかねない殺気を放っているが、それでも飛び掛ろうとしないのは貴族としてのプライドと、教師としての礼儀だった。
「あら、ミスタ・スパーダ。珍しいですわね、こちらで食事をなさるなんて」
反面、スパーダを快く受け入れるシュヴルーズをはじめ、秘書のロングビルや学院長のオスマンはスパーダがこの場にいることを特に問題としていなかった。
スパーダの正体を知るロングビルはもちろんのこと、彼を立派な貴族として認めているのはこの二人と、そしてコルベールだけである。

やがてスパーダはコルベールの隣の席へと招かれていた。
「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかなる糧を――」
そして、スパーダも初めて聞くことになる祈りの唱和とやらだがブリミル教徒ではないスパーダは唱和には参加せずにコルベールの隣で腕を組みながら軽く聞き流していた。
「不信者め……」
「所詮、平民上がりだ」
ギトーを初めとする多くの教師達は祈りの唱和を行わないスパーダに対して非難と軽蔑の視線を浴びせていた。

「見てくれたまえ。昨晩、ようやく完成したのだよ!」
食事をしながらコルベールが楽しげにスパーダに見せてきたのは、小石程度の大きさをした緑色に光る星型の石。バイタルスターであった。
「ほう。意外にやるものだ」
以前、スパーダがパンドラや時空神像の使い方などを教えてからというものの、研究者であるコルベールはスパーダがやって来たという異国の技術に強い関心を抱いていた。
特に時空神像が作ったバイタルスターなどの未知の秘薬などには多大な興味を示し、アルビオンへ発つ前にはその作り方についても尋ねてきたのである。
時空神像からの受け売りとはいえ、その製造法については通じているスパーダは異世界の錬金術をコルベールに授けた。
スパーダから教えられた知識により、コルベールは自らの手で異世界の錬金術に手を染め秘薬を作ることに成功したのだった。
時空神像が作るものに比べれば魔力の純度はかなり低いのだが、スパーダが関心すべきは教えてからたった数日で低純度とはいえバイタルスターを完成させたことにある。

コルベールはバイタルスターを製造する時の苦労や工程を、まるで子供のようにはしゃぎながらスパーダに語り続けていた。
研究者としての血が騒ぎ興奮しているコルベールの姿にスパーダは少しうんざりしたが、黙って最後まで話に付き合ってやったのである。
「――今日はこれから私がミス・ヴァリエールのクラスの授業を受け持つのだが、スパーダ君も来てはくれないかね?」
「何故だ」
「私が長年続けていた研究を、生徒達に伝えてやるのだよ。だが、私は生徒達からも教師達からも変わり者と見られている。私はそれに不服はないが、簡単に私の研究を受け入れてくれるとは思えない。
そこでスパーダ君、異国の人間である君の意見もぜひ聞かせてもらいたいのだ」
やや興奮を残しつつもコルベールは真摯な面持ちでスパーダに願い出てきた。
(研究、か……)
どうせルイズが授業に出られない以上、自分が変わりに出てやるしかないのだ。
コルベール自身がどのような研究を続けていたのかは知らないが、内容次第では少し述べてやるのも良いだろう。別に断る理由もない。
「いいだろう」
「おお! そうか! それでは頼むよ!」

朝食を終えると、上機嫌なコルベールは足早に食堂を後にし、何処かへと去っていった。これから行われるという授業の準備なのだろう。
一体、その授業で生徒達に何を教えてやろうというのか。それは授業に出てみなければ分からない。
「おおーい! スパーダ君!」
教室へ入った途端、高らかにスパーダを呼びかける声があった。
その声の主、ギーシュはスパーダの姿を見つけるなり、席から立ち上がっていた。
「ちょっと! 待ちなさいよ、ギーシュ!」
「すまない、モンモランシー! 後で!」
隣の席に座っていたモンモランシーが呼び止めるが、ギーシュは立ち止まらずスパーダの元へと歩いていった。
彼女は朝食の席から今まで、昨晩や数日間留守にしていた件について問い詰めていたのだが、ギーシュは一切口を割らなかった。
アンリエッタ王女からの密命はもちろん、スパーダの正体を簡単に口にするわけにはいかない。
「ルイズは君を受け入れてくれたみたいだね」
ギーシュの表情はとても清々しく、そして安堵に満ちていた。
たとえ悪魔でも、自分の師であるスパーダがこの学院に残ってくれることを心から望んでいたのである。
「……しかし、彼女はどうしたんだい? 朝食でも見かけなかったが」
「しばらくは休ませておく。それより、用件は何だ?」
「実は先ほど、ミス・タバサに頼んで昼休みに手合わせを行うことになったんだよ」
「ほう」
突然のギーシュの宣言にスパーダはちら、と席について静かに本を読むタバサを見やった。
すると、その隣にいたキュルケはスパーダの視線に気づくと、いつもと変わらぬ生き生きとした笑顔で手をひらひらと小さく振っていた。
「それで、スパーダ君もそれに立ち会って欲しいんだ。君にあれだけ鍛えられた僕の力を試す良いチャンスなんだよ」
スパーダに剣術を叩き込まれてから数週間、ギーシュの剣の腕はまだ荒削りではあるものの既に立派な戦士として成長していた。
腐っても魔法衛士隊の隊長であったワルドを相手にタバサと二人がかりだったとはいえ、ある程度善戦できたことからも明らかだ。
結局は負けてしまったが、ギーシュは自分がまともに戦うことができたことに自信がつき、更に自分を高めようと考えているのである。
そのためにも、シュヴァリエの爵位を有するほどの実力者であるタバサとの手合わせを望んだのだ。
何しろ、ワルドとの戦いはスパーダに見てもらえなかったのだから。傷だらけのギーシュの姿を見て、ある程度粘ったことは察していたようだが。
「いいだろう。どれだけ腕を上げたか、見せてもらう」
スパーダは冷徹な表情を変えぬまま、すぐにギーシュの願いを聞き入れた。
弟子がどれだけ力をつけたのか、存分に見せてもらうことにしよう。
「頼むよ!」
まるで父親に対してせがみ、それを受け入れられて喜ぶ息子のようにギーシュは歓声を上げていた。

「何よ……ギーシュったら……いつも、彼とばかり……」
モンモランシーからしてみれば、それはあまり面白くない光景だった。
ギーシュがスパーダの弟子になってからというものの、モンモランシーが彼と付き合う時間はめっきりと減っていた。
昼休みになれば他の男子達と共にスパーダから剣術を教わり、特にギーシュはそれ以外の時間でもしきりにスパーダに「剣を教えてくれ」とせがむのである。
確か先日アンリエッタ姫殿下がこの学院に訪れた日より二日ほど前、ようやくギーシュを捕まえて一緒の時間を過ごしたのだが、そこでモンモランシーは彼に
「ミスタ・スパーダから剣を教えてもらうのもほどほどにしなさい」と、言い聞かせようとしたが、ギーシュは憧憬と誇らしさに満ちた顔でこう答えた。
「僕にとって、彼は父にも等しいんだよ。彼は立派な貴族だ。あんなに男らしい貴族は他にいないと思うんだ。
ああして剣を交わして彼と接していると、彼の誇りが僕にも伝わってくるんだよ。……ああ、あれが異国の貴族の風格なんだな――」

異国の貴族にああも憧れ、惚れ込み、夢中となるギーシュの姿を見るのは初めてだった。
憧れるのは良い。父のように愛してくれても構わない。
だが、それでも自分を置き去りにはしないで欲しい。
モンモランシーは怖いのだ。
ギーシュがスパーダと共にいる内に変わってしまうのではないか、自分の手が届かなくなってしまうのではないかと。
他の女の子にデレデレされるよりかはマシだが、ああも夢中になっている姿を見ると、スパーダにギーシュを取られたように感じてしまう。
「何か、良い手はないかしら……」
どうにかしてギーシュの心を捕らえているスパーダから自分に振り向かせられないか、モンモランシーは考え込んだ。


スパーダは教室の一番後ろの壁に寄りかり腕を組んだまま、授業が始まるのを待っていた。
その間、生徒達はがやがやと談笑を続けていたが、コルベールが姿を現すと同時に静まり返る。
コルベールはスパーダの方をちらりと視線をやった後、教卓の上にでん、と妙な物をと置いていた。
円筒状の金属の筒、金属のパイプが金属の箱に繋がれ、その上部や側面には風車や車輪のようなものが取り付けられている。
その機械的な物体をスパーダは何の感情も窺えぬ顔でじっと見つめていた。
生徒達もまた、その装置を興味深そうに見守っていた。
「えー、どなたか私に〝火〟系統の特徴をこの私に開帳してくれないかね?」
妙にウキウキとしているコルベールは教室を見回すと、スパーダを除く教室中の視線が〝微熱〟の二つ名を持つ火のトライアングルメイジ・キュルケへと向けられた。
「〝情熱〟と〝破壊〟が〝火〟の本領ですわ」
だが、当のキュルケはというと興味がなさそうな様子で爪の手入れを続けており、さらにその作業をやめぬまま気だるそうに答えていた。
「良いかね、ミス・ツェルプストー。情熱はともかく〝火〟とは破壊だけではないのですよ。戦いだけが〝火〟の見せ場ではない」
魔界において、火とは全てを焼き尽くす地獄の業火を象徴する。まさにキュルケが言った通りだが、コルベールはそれを否定している。
「トリステインの貴族に、〝火〟の講釈を承る道理はございませんわ」
自信たっぷりに言い放つキュルケだが、コルベールはそんな嫌味に動じずにこやかな表情を崩さずに続けた。
「で、その妙なカラクリは何ですの?」
「よくぞ聞いてくれました。これは私が長年の研究をかけて開発した装置です」
コルベールは卓の上に置かれた装置を腕を広げて差し、得意げに言う。
そして、彼は足でふいごを踏み円筒の横から杖の先端を差し込み、〝発火〟の呪文を唱えた。
ふいごを踏むことで円筒の中に気化した油が入り込むらしく、その油を発火剤として円筒の中で小さな爆発を起こした。
円筒の上に取り付けられているクランクが動き出し、車輪と風車を回転させる。回転する車輪は箱に付いている鉄の扉を開け、中から歯車を介して蛇の人形が飛び出てきた。
外に飛び出ては戻り、飛び出ては戻る。その動作を繰り返させる装置に取り付けられた様々な部品が忙しなく動き続けていた。
「ほう……」
コルベールが長年の研究をかけて開発したという装置を見て、スパーダは珍しく感嘆の呻きを漏らしていた。
「ほら、見てごらんなさい! この金属の円筒の中では気化した油が爆発する力で上下にピストンが動いている!
その動力により車輪と風車を回し、こうしてヘビくんが! 顔を出してご挨拶するのだよ!」
自分で作ったからくりだというのに、コルベールは子供のように興奮しはしゃぎながら装置について力説していた。
だが、それを見せられている生徒達はと言うと……誰一人として全く関心がなく白けた様子で見つめていた。
「で? それがどうしたって言うんですか?」
「今はこうしてヘビくんが顔を出すだけだが、この装置を応用した物を荷車に載せて車輪を回させる。すると馬を使わずとも荷車や馬車は動くのだ。
それだけではない! 船の両脇に大きな水車を付け、この装置を使って回せば帆を使わずとも大きな船を動かすことができる!
そしてさらに! 改良を重ねればこの装置は魔法を使わずとも動かすことができるのだ!
今はこうして火の魔法に頼っているが、断続的に点火できる方法が見つかれば半永久的に動かし続けることも可能となる!」
研究者としての血が騒ぎ、自らの研究の持論を熱心に生徒達に伝えるコルベール。

だが、スパーダを除き誰も彼の研究の素晴らしさに理解を示すものはいなかった。
「そんな物、魔法で動かせば済むことじゃないですか。何もそんなヘンテコな装置をわざわざ使わなくたって……」
「そうですよ。魔法の力があれば何も困ることなんてありません」
「魔法とメイジの力にも限界がある」
生徒達が口々に反論する中、生徒達とは異なる一人の声が上がった。
その鶴の一声に、生徒達の視線が教室の一番後ろに立つスパーダへと向けられた。

コルベールはスパーダが意見をしてくれることに期待を膨らませていた。そして、ついに彼が動き出したことにその期待はさらに膨れ上がっていた。
自分の研究を彼はどう思ってくれているのか、楽しみで仕方がなかった。

スパーダもコルベールの研究は素直に素晴らしいものだと評価している。
非常に原始的ではあるが、紛れもなくあれは熱を利用した動力機関だ。人間界では何百年も前から技術そのものは存在しているが、未だ大きな発展はしていない。
一応、彼からは意見を述べて欲しいように頼まれていたため、約束通り自分の意見を話すことにした。
「如何に魔法と言えど、それを使うのは人間だ。そして、魔法を持続的に使えば当然お前達メイジの精神力は削られるだろう。途中で精神力も尽きるか途切れる。
それこそ、コルベールが言ったような馬車や船を動かそうものならなおさらだ。メイジでは長時間、それらを動かし続けることはできない」
「あら? だったら、数人がかりで協力するか交代して動かせば良いんじゃないかしら?」
キュルケが意見を述べるが、スパーダはさらに続ける。
「そのためには人員が多く必要になる。そもそも作業を交代するという行為そのものが効率が悪い。お前は一々、そんなことをしてまで馬車や船を動かしてみたいか」
「嫌よ。そんなことするくらいなら、普通に座ってる方がマシだわ」
他の生徒達もキュルケの言葉に同意したのか、渋い顔を浮かべていた。
「コルベールの研究はメイジが数人がかりで行うことを、将来はあの装置一つで為すことが可能となる。
燃料さえあれば途中で作業を中断させずとも長時間に渡って持続させられる。発展させれば燃料の消耗を抑えることもできるだろう」
魔界においても、〝永劫機関〟という魔力の動力源を用いて大規模な装置を動かしたりもするのだ。
装置を動かすのに多数の悪魔達を回せばそれだけ戦力も減ることを意味する。その手間を省くためだ。
「でも結局、その燃料が切れれば動かなくなるんじゃないかい?」
「それじゃあ大して変わんないよなぁ」
「やっぱり、魔法で動かした方が手っ取り早いよ。その燃料だって用意するのが面倒だし」
マリコルヌの他、数人の男子生徒達が異論を唱えた。
「ならば聞こう。スクウェアの風メイジ四人が一時間おきに交代し、全力の魔法で巨大なフネを飛ばしたとする。
それに対し、約六時間おきに樽一杯分の燃料を交換するあの装置一つで今言った規模のフネを長時間飛ばす……。
乗るのであればどちらが良い?」

スパーダの主張に対し、他の生徒達はもはや反論ができなくなってしまった。
確かに短時間で作業を中断して交代するより、長時間おきに交代した方が実に効率が良かった。
そもそも長時間、馬車や船を動かすのは退屈でならないだろう。途中で精神力が切れれば止まってしまう。
それに対し精神力も必要ないあの装置は、燃料一つで延々と馬車やフネを動かすことができる。
スパーダが述べると妙に説得力があり、生徒達は複雑ながらも納得するしかなかった。
だが、やはり彼らは魔法至上主義の環境で生まれ育ったのだ。
「魔法の方が便利に決まっている」「あんな鉄クズなんかに魔法が負けるはずがない」などと反論を抱く者は多かった。

(中々良い発想をしている)
魔法至上主義社会の中でコルベールのような考えを持つ人間がいることにスパーダはとても強い関心を抱いていた。
コルベールのメイジとしての魔力はトライアングル……しかもキュルケなど全く足元にも及ばないであろうほどの力を有していることをスパーダは感じ取っていた。
それはもはや、スクウェアクラスにも達しようかというほどのものであった。
それほどまでのメイジとしての力を持つはずの人間が、やがては魔法を使わず平民でさえも取り扱うことができる技術を生み出そうとしているのだ。

コルベールはスパーダが自分の研究をここまで理解してくれていることに心から満足した。
しかもここまで深く考察していることにはコルベール自身も予想していなかったため、逆に驚かされもしたのである。
きっと、彼の故郷ではこのような技術が広まっているのだろう、そう思い込んでいた。
「そう! 良いかね、我らの魔法は確かに便利かもしれない。だが、それだけで満足していてはいけないのだよ。
常に技術は進歩しなければならない。技術は魔法と違い、才能がなくとも全ての人間が平等に扱うことができる。我らの生活は更なる発展を遂げることになるだろう!」
拳を握り締め、コルベールが熱く語っていた時、教室の扉が開かれた。

「おお、ミス・ロングビル。どうしたのかね」
現れたのは今はオスマンの秘書として収まっている女性、ロングビルであった。
「ミスタ・スパーダがこちらにお出でになっているそうですが……」
知的な秘書としての態度を装っているロングビルが事務的に用件を告げてくる。
「彼ならそちらに」
「ミスタ・スパーダ。アカデミーよりあなたに客人が見えています。すぐに学院長室へと来てください」
(客だと?)
確か、アカデミーというのは王都トリスタニアに設置されている王立魔法研究所の略だったかと思う。以前、コルベールと意見交換をしている中で聞かされた。
新しい魔法の研究やマジックアイテムの解析などを行う研究機関らしいが、研究のためにはあまり手段を選ばない傾向があるらしく、学院長のオスマンもあまり信用していないらしい。
伝説の使い魔たるガンダールヴを引き渡そうものなら躊躇せず解剖するなどのことは行うらしい。
コルベールもまた、その機関に対してあまり良い思い出がないのか浮かない顔をしていたのを覚えている。
もっとも、時折マジックアイテムの保管を依頼されてもいるらしく、あの時空神像も元々はアカデミーとやらから預けられたものだというが。
……そんなアカデミーが、自分に直接用がある?
「おお、ついに来たのか。スパーダ君、すまないが学院長室へ急いでくれないかね。君のことを待っているはずだ」
コルベールはそのアカデミーからの来訪者が来るのを知っていたらしい。
自分に用件があるのならば行かないわけにもいくまい。スパーダはロングビルと共に教室を後にし、学院長室へと向かっていった。
「アカデミーから客人など初耳だ」
「私だって同じよ。何でもあなた達がアルビオンに出発した次の日に来ていたみたいよ。
でも、客の一人はアカデミーの主席研究員。私もひと月前に一度会っているわ。彼女はね……」
「言わなくて良い。直接会うまでだ」


コルベールの授業が始まる直前、学院の敷地内には一台の馬車が停まっており、オスマンが控える学院長室にはその馬車から降りてきた二人の貴族の女性が足を運んでいた。
一人は眼鏡をかけ、黒髪を後ろに束ねた20代半ばの女性。もう一人もまたメガネをかけている見事に美しい豊かな金髪を伸ばした理知的な魅力で溢れた女性だった。
20代後半ほどのその女性の目付きはとてもきつく、見るからに高飛車な印象を感じることができる。
「いやあ、済まないね。エレオノール君、ヴァレリー君。何度も足を運んでもらってな」
「いえ、お気になさらずに。それより、私の妹が戻ってきているそうですね」
労をねぎらうオスマンに対し金髪の女性、エレオノールは凛とした冷ややかな声でまるで気にした様子もなく用件を尋ねる。
「ああ、昨日アルビオンから戻ってきたばかりでな」
「そしてルイズの使い魔という、異国の貴族の男も戻ってきていると」
「うむ。彼は今、ミスタ・コルベールの授業に出ておるはずじゃ。ミス・ロングビル、済まないがミスタ・スパーダを呼んできてはくれんかね」
「かしこまりました」
オスマンの横に控えていたロングビルが秘書の態度を装ったまま軽く一礼をすると、学院長室を後にする。
「ヴァレリー、少し落ち着きなさい」
「だって、いよいよあのマジックアイテムが使われる所を見られるのよ?」
まるで子供のように弾み、浮き立っているヴァレリーを諌めるエレオノール。
ひと月も前、彼女が勤務しているアカデミーがこの魔法学院に預けていたマジックアイテム――それはとても奇妙な形をした黄金像。
エレオノールも何度かその像を調べてみたりしたのだが、威厳に満ちた声を発して何かを要求してくるだけであり、結局は詳細が分からなかった。
やむを得ずこの学院で預かってもらい、半月に一度定期調査に訪れていたのだ。

そして、つい先日もその定期調査で訪問した際、オスマン学院長やコルベール先生が朗報を伝えてきた。
「例のマジックアイテムの所有者が現れた」
そう。あのマジックアイテムを使えるという人間が現れたのだ。
時空神像という名を持つあの黄金像は魔法の秘薬を作ることができる物らしく、コルベールは実際にそれで作られたという秘薬を見せてくれた。
その秘薬を見て、エレオノールとヴァレリーは驚愕してしまった。

星の形をした緑輝く神秘的な石。
色は違えど、二人はその石に見覚えがあったのだ。

だが、その様子をすぐに見ることはできなかった。所有者が不在であるからだ。
そのため、所有者が戻ってきたらすぐに手紙をよこしてくれるようにオスマンに頼んでおり、昨夜その手紙が届いたのである。
そうした経緯もあり、エレオノールとヴァレリーは再びこの魔法学院へ足を運んでいたのだ。

(まったく、勝手にアルビオンに行ったりして何をしているの。ちびルイズ!)
これから時空神像とやらの力が見られるというのに、エレオノールは憤慨していた。
定期調査で学院に訪問する際、ついでにこの学院に在学している一番下の妹の成果を観察してやっていたのだが、相変わらず魔法は失敗ばかりのようだった……。
誉れ高いヴァリエール公爵家の娘だというのに、どうしてああもあの子は魔法の才能が無いのだろうか。ヴァリエール家の恥である。
だからといって、エレオノールは慰めたりはしなかった。あえて突き放してやることで、失敗を恐れさせずに前へ進ませてやるしかない。
エレオノールもまた、どうしてあの子が魔法が使えないのかを調べたりもしていたが、未だその原因は分からない。

姉がこうして影ながら手助けをしてあげているというのに、あの子は勝手に内乱中だったアルビオンへ赴いたというのだ。
しかも、オスマンやコルベールに問いただしてみると、姫殿下からの密命を受けたのだという。
昔から世話を焼かせる困った子だと思っていたが、本当にもう今度ばかりは許さない。一度、実家に連れ帰って母様と父様に叱ってもらうべきかもしれない。
その前に、自分からも厳しく言いつけなければならないが。

「それに、あなたの妹の使い魔だっていう、スパーダ? どんな殿方なのか、楽しみじゃない」
(スパーダとやら……どんな従者なのか、たっぷり拝ませてもらうわよ)
そんな妹が春の使い魔召喚の儀で、失敗せずに使い魔は呼び出せたらしい。
……まあ、そこは褒めてやるべきだが、その使い魔はどうやら人間であり、しかも遠い異国から来た元貴族なのだという。
そのため、使い魔ではなく従者として見ることになるだろう。オスマンやコルベールはそのスパーダという男のことを絶賛していたようだが、実際はどうなのか。
(あまり期待はできないわね……)
元貴族、ということは異国から流れてきた没落貴族ということではないか。しかも、あの野蛮なゲルマニアのようにメイジではなく平民上がりの貴族なのだとか。
本当にあの子はちゃんとした使い魔も呼べないのか。エレオノールは頭を痛めてしまう。

そしてその使い魔が、時空神像の所有者だということをエレオノールは聞かされていた。


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