ウルトラマンゼロの使い魔
第百六十二話「ハルケギニアはウルトラマンの星」
死神
最強合体獣キングオブモンス
巨大顎海獣スキューラ
骨翼超獣バジリス
根源破滅天使ゾグ 登場
第百六十二話「ハルケギニアはウルトラマンの星」
死神
最強合体獣キングオブモンス
巨大顎海獣スキューラ
骨翼超獣バジリス
根源破滅天使ゾグ 登場
根源的破滅招来体。それはある次元宇宙の地球を外宇宙より突如として襲った、謎の存在。
ワームホールから送り込まれた宇宙戦闘獣コッヴを皮切りに、様々な種類の怪獣による攻撃、
電子生命体や精神寄生体を用いた工作活動、人間に対する洗脳などの心理攻撃、果ては天体生物に
よって地球そのものの破壊を狙うといった、ありとあらゆる手段で地球人類の抹殺を目論んだ。
その正体は、最後まで不明のままであった。どんな姿をしているのか、本拠地はどこなのか、
何故執拗に人間の抹殺を図ったのか、その全てが今もなお謎に包まれている。しかし地球に生きる
ものたちが根源的破滅招来体の最大の戦力を撃破して以降は、一度の例外を除いて地球にその魔の
手が伸ばされることはなくなった。地球は救われたのである。
――だが、やはり根源的破滅招来体そのものが壊滅した訳ではなかった。今度は次元震によって
一時的につながった別宇宙にある惑星ハルケギニアを狙い、再度活動を再開したのであった!
その尖兵として送り込まれた死神は、強烈な破滅願望を抱いていたジョゼフに目をつけ、アルビオンを
通してヤプールを裏から利用させたり、願望を実現する赤い球を授けて次々と怪獣を召喚させたりと
いった支援を……いや、いいように利用していた。そして今、弟の真実を知って心を入れ替えた
ジョゼフに見切りをつけ、彼を粛清するとともに遂に自らが人類絶滅に乗り出した。
しかし根源的破滅招来体と同じ宇宙から、次元を超えて希望がやってきた! 彼らの名は
ウルトラマンガイアとウルトラマンアグル。根源的破滅招来体に正面を切って戦い、長い苦闘の
末に勝利をもぎ取った英雄なのだ。
ガイアとアグルはハルケギニアの人々の命を守るために、ゼロとともに今再び根源的破滅
招来体の陰謀に立ち向かうのである!
ワームホールから送り込まれた宇宙戦闘獣コッヴを皮切りに、様々な種類の怪獣による攻撃、
電子生命体や精神寄生体を用いた工作活動、人間に対する洗脳などの心理攻撃、果ては天体生物に
よって地球そのものの破壊を狙うといった、ありとあらゆる手段で地球人類の抹殺を目論んだ。
その正体は、最後まで不明のままであった。どんな姿をしているのか、本拠地はどこなのか、
何故執拗に人間の抹殺を図ったのか、その全てが今もなお謎に包まれている。しかし地球に生きる
ものたちが根源的破滅招来体の最大の戦力を撃破して以降は、一度の例外を除いて地球にその魔の
手が伸ばされることはなくなった。地球は救われたのである。
――だが、やはり根源的破滅招来体そのものが壊滅した訳ではなかった。今度は次元震によって
一時的につながった別宇宙にある惑星ハルケギニアを狙い、再度活動を再開したのであった!
その尖兵として送り込まれた死神は、強烈な破滅願望を抱いていたジョゼフに目をつけ、アルビオンを
通してヤプールを裏から利用させたり、願望を実現する赤い球を授けて次々と怪獣を召喚させたりと
いった支援を……いや、いいように利用していた。そして今、弟の真実を知って心を入れ替えた
ジョゼフに見切りをつけ、彼を粛清するとともに遂に自らが人類絶滅に乗り出した。
しかし根源的破滅招来体と同じ宇宙から、次元を超えて希望がやってきた! 彼らの名は
ウルトラマンガイアとウルトラマンアグル。根源的破滅招来体に正面を切って戦い、長い苦闘の
末に勝利をもぎ取った英雄なのだ。
ガイアとアグルはハルケギニアの人々の命を守るために、ゼロとともに今再び根源的破滅
招来体の陰謀に立ち向かうのである!
「デュワッ!」
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
「デアァッ!」
「キイイィィッ!」
「セェアッ!」
「キ――――――――!」
次元の彼方の地球から時空を超えて、ハルケギニアを救いに来てくれたガイアとアグル、
それと並んだゼロが同時に三体の怪獣に飛び掛かっていった。怪獣たちはウルトラ戦士一人
ずつを迎え撃ち、それぞれ一対一の構図となる。
ガイアが突進してくるキングオブモンスの首を抑えて止め、アグルが素早くスキューラの
上にまたがって頭頂部に拳を打ち込み、ゼロはデルフリンガーを召喚してバジリスのカマと
鍔迫り合いする。
「すごい! 三人ものウルトラマンが怪獣と戦ってる!」
「あの二人もゼロの仲間だろうか!」
「そうに決まってるさ! 行けぇウルトラマンッ! 怪獣を倒せぇーッ!」
怪獣軍団の脅威に見舞われていたロマリア、ガリア両軍の兵士たちは三人のウルトラ戦士の
そろい踏みに興奮し、互いに立場を忘れてゼロたちの応援の声を力いっぱいに飛ばしていた。
シルフィードの上のルイズも歓喜しながらも、ガイアとアグルの参戦に非常に驚いていた。
「この状況に助けに来てくれるなんて! 彼らはどこから来たウルトラ戦士なのかしら?」
「……」
タバサは呆けたように、しかし頬をかすかに朱に染めて、特にガイアの勇姿に見入っていた。
「オアァァァ―――――!」
「キイイィィッ!」
スキューラを抑え込んだアグルがヒコーキ投げを決め、地面に盛大に叩きつけた。反撃に
転ずるかと思われたアグルだが、予想に反し背を向けたまま一直線に逃走していく。
「フッ!?」
「キイイィィッ!」
スキューラはリネン川の下流へ向かって走っていき、川が一旦途絶える湖畔に飛び込んだ。
アグルはそれを追いかけて飛び、自らも湖の中に突入する。
「デェェアッ!」
「キ――――――――!」
ゼロの剣圧に押されたバジリスは、急に羽を広げて飛翔。高スピードではるか上空へと
上昇していく。
『待ちやがれッ!』
ゼロはデルフリンガーを戻して追跡。ぐんぐんと高度を上げていくバジリスとゼロが、
ルイズたちの前方を通り抜けていった。
「きゃッ!」
一瞬発生した気流に煽られるルイズたち。バジリスとゼロはそのままどんどん小さくなって
いき、遂には大気圏を抜けて宇宙空間に戦いの場所を移した。
「ゼロも、青いウルトラマンも行っちゃったわ……!」
アグルとゼロがルイズたちの目の届かない場所へ移動していったことで、人間たちの視線は
自ずと、ガイアとキングオブモンスの対決に集まることとなった。
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
「デュッ!」
自身に肉薄しているガイアに、キングオブモンスは腹部に縦二列に並ぶ牙を伸ばして突き
刺そうとする。だがガイアはその牙をはっしと受け止めた。
「オオオオオ……! デヤァァッ!」
そして牙を掴んだまま、キングオブモンスの巨体をバックドロップ!
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
「おぉぉッ!」
脳天から叩きつけられるキングオブモンス。戦いを見守る人間たちからは一斉に驚嘆の
声が発せられた。
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
すぐに起き上がったキングオブモンスはクレメイトビームで反撃。しかしそれを読んでいた
ガイアのウルトラバリヤーがビームを乱反射して防ぎ切る。
最大の攻撃を防がれたキングオブモンスが一瞬たじろいだ。
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
「デアァッ!」
「キイイィィッ!」
「セェアッ!」
「キ――――――――!」
次元の彼方の地球から時空を超えて、ハルケギニアを救いに来てくれたガイアとアグル、
それと並んだゼロが同時に三体の怪獣に飛び掛かっていった。怪獣たちはウルトラ戦士一人
ずつを迎え撃ち、それぞれ一対一の構図となる。
ガイアが突進してくるキングオブモンスの首を抑えて止め、アグルが素早くスキューラの
上にまたがって頭頂部に拳を打ち込み、ゼロはデルフリンガーを召喚してバジリスのカマと
鍔迫り合いする。
「すごい! 三人ものウルトラマンが怪獣と戦ってる!」
「あの二人もゼロの仲間だろうか!」
「そうに決まってるさ! 行けぇウルトラマンッ! 怪獣を倒せぇーッ!」
怪獣軍団の脅威に見舞われていたロマリア、ガリア両軍の兵士たちは三人のウルトラ戦士の
そろい踏みに興奮し、互いに立場を忘れてゼロたちの応援の声を力いっぱいに飛ばしていた。
シルフィードの上のルイズも歓喜しながらも、ガイアとアグルの参戦に非常に驚いていた。
「この状況に助けに来てくれるなんて! 彼らはどこから来たウルトラ戦士なのかしら?」
「……」
タバサは呆けたように、しかし頬をかすかに朱に染めて、特にガイアの勇姿に見入っていた。
「オアァァァ―――――!」
「キイイィィッ!」
スキューラを抑え込んだアグルがヒコーキ投げを決め、地面に盛大に叩きつけた。反撃に
転ずるかと思われたアグルだが、予想に反し背を向けたまま一直線に逃走していく。
「フッ!?」
「キイイィィッ!」
スキューラはリネン川の下流へ向かって走っていき、川が一旦途絶える湖畔に飛び込んだ。
アグルはそれを追いかけて飛び、自らも湖の中に突入する。
「デェェアッ!」
「キ――――――――!」
ゼロの剣圧に押されたバジリスは、急に羽を広げて飛翔。高スピードではるか上空へと
上昇していく。
『待ちやがれッ!』
ゼロはデルフリンガーを戻して追跡。ぐんぐんと高度を上げていくバジリスとゼロが、
ルイズたちの前方を通り抜けていった。
「きゃッ!」
一瞬発生した気流に煽られるルイズたち。バジリスとゼロはそのままどんどん小さくなって
いき、遂には大気圏を抜けて宇宙空間に戦いの場所を移した。
「ゼロも、青いウルトラマンも行っちゃったわ……!」
アグルとゼロがルイズたちの目の届かない場所へ移動していったことで、人間たちの視線は
自ずと、ガイアとキングオブモンスの対決に集まることとなった。
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
「デュッ!」
自身に肉薄しているガイアに、キングオブモンスは腹部に縦二列に並ぶ牙を伸ばして突き
刺そうとする。だがガイアはその牙をはっしと受け止めた。
「オオオオオ……! デヤァァッ!」
そして牙を掴んだまま、キングオブモンスの巨体をバックドロップ!
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
「おぉぉッ!」
脳天から叩きつけられるキングオブモンス。戦いを見守る人間たちからは一斉に驚嘆の
声が発せられた。
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
すぐに起き上がったキングオブモンスはクレメイトビームで反撃。しかしそれを読んでいた
ガイアのウルトラバリヤーがビームを乱反射して防ぎ切る。
最大の攻撃を防がれたキングオブモンスが一瞬たじろいだ。
「デュアッ!」
「キイイィィッ!」
湖中ではアグルが反転して突っ込んできたスキューラを、相手の顎を押さえて止めるが、
その瞬間にスキューラの顎は何と胴体の半分以上の位置まで開き、常識外の大口でアグルを
くわえ込んだ。
「ウアァッ!?」
顎の中に引きずり込まれたアグルは万力のような締めつけと牙の食い込みでギリギリ痛め
つけられる。……しかし、アグルのボディは数いるウルトラ戦士の中でも突出した強固さを
誇るのだ!
「デアァッ!」
スキューラの締めつけを耐え切って上顎を押し返し、見事脱出。スキューラから距離を
取るとすかさず額からほとばしる光線を頭上に伸ばした。
「デュアァァァッ!」
その光線をスキューラに叩きつけるように繰り出す! アグルの必殺技の一つ、フォトン
クラッシャーだ!
「キイイィィッ!!」
フォトンクラッシャーを口内に撃ち込まれたスキューラは、一瞬にして粉々に吹っ飛ばされた!
「キイイィィッ!」
湖中ではアグルが反転して突っ込んできたスキューラを、相手の顎を押さえて止めるが、
その瞬間にスキューラの顎は何と胴体の半分以上の位置まで開き、常識外の大口でアグルを
くわえ込んだ。
「ウアァッ!?」
顎の中に引きずり込まれたアグルは万力のような締めつけと牙の食い込みでギリギリ痛め
つけられる。……しかし、アグルのボディは数いるウルトラ戦士の中でも突出した強固さを
誇るのだ!
「デアァッ!」
スキューラの締めつけを耐え切って上顎を押し返し、見事脱出。スキューラから距離を
取るとすかさず額からほとばしる光線を頭上に伸ばした。
「デュアァァァッ!」
その光線をスキューラに叩きつけるように繰り出す! アグルの必殺技の一つ、フォトン
クラッシャーだ!
「キイイィィッ!!」
フォトンクラッシャーを口内に撃ち込まれたスキューラは、一瞬にして粉々に吹っ飛ばされた!
「キ――――――――!」
「シャッ! シェアッ!」
宇宙空間でゼロとドッグファイトを展開するバジリスは光球を連射。それにゼロはゼロスラッガーを
飛ばし、切り裂いて全て撃ち落とす。
「キ――――――――!」
光球を破られたバジリスだがそのまま加速。カマをギラリと光らせながら最大速度でゼロに
突進していく。すれ違いざまに真っ二つにする気か。
だがそんなものをむざむざと食らうゼロではなかった。
「セェアァァァッ!」
相手の狙いを読んで、渾身のワイドゼロショットを発射した! 必殺光線がバジリスの
顔面に突き刺さる!
「キ――――――――!!」
バジリスは全身が炎上して進路がゼロから外れ、ハルケギニアの引力に捕まって転落。
地上に戻ることなく、大気圏で盛大に爆散した。
「シャッ! シェアッ!」
宇宙空間でゼロとドッグファイトを展開するバジリスは光球を連射。それにゼロはゼロスラッガーを
飛ばし、切り裂いて全て撃ち落とす。
「キ――――――――!」
光球を破られたバジリスだがそのまま加速。カマをギラリと光らせながら最大速度でゼロに
突進していく。すれ違いざまに真っ二つにする気か。
だがそんなものをむざむざと食らうゼロではなかった。
「セェアァァァッ!」
相手の狙いを読んで、渾身のワイドゼロショットを発射した! 必殺光線がバジリスの
顔面に突き刺さる!
「キ――――――――!!」
バジリスは全身が炎上して進路がゼロから外れ、ハルケギニアの引力に捕まって転落。
地上に戻ることなく、大気圏で盛大に爆散した。
スキューラとバジリスが立て続けに撃破され、残る怪獣はキングオブモンスのみ。そして
ガイアもまた勝負を決める大技に打って出ていた。
「オォォォォ……デュワアァァッ!!」
うずくまるように頭部を抱えて姿勢を下げると、ガイアの頭部に光子が集まって弁髪の
ようなムチの形状となる。それを敵に対して一挙に繰り出す、光の斬撃フォトンエッジだ!
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
これに対してキングオブモンスは翼から発生したエネルギーシールドで全身を覆って防御。
フォトンエッジはバリアと拮抗するが、
「ジュワアァァァッ!」
ガイアが更にエネルギーを注ぎ込んだことで、フォトンエッジはバリアを突き破って
キングオブモンスに命中!
「ヴォオオオオオオオオオオ……!!」
全身をズタズタに切り裂かれたキングオブモンスはその場に崩れ落ちて、大爆発の中に
消えていった。
「やったあああぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「怪獣を全て倒したぞぉぉッ!」
一時は比喩でなく空を埋め尽くしていた怪獣軍団が全滅したことに、人間たちは一斉に
大歓声を巻き起こした。その声を一身に受けているガイアの元にアグルとゼロも戻ってきて、
勝利を確認するようにうなずき合う。
だがしかし……怪獣たちはあくまで呼び出されたものに過ぎないことを忘れてはならない!
『これで終わりではないぞぉッ!』
突然、人々の喜びをさえぎるような叫声が起こった。ゼロたちが、ルイズたちがその方向へ
顔を向けると……。
「あッ! さっきの奴! まだあいつが残ってたんだったわ!」
空の一角に死神が浮遊していた。その存在に気がついたゼロたちは警戒を強めて身構える。
ガリアに潜んでいた真の悪は、憤怒の表情を見せたままガイアたちに向かって怒声を放つ。
『憎きウルトラマンどもめ……再び我々の障害となろうとは! 貴様らさえいなければ上手く
いったというのに! 許してはおけぬッ!』
と叫ぶ死神の頭上の空間が歪み、ワームホールが開かれる。しかもそれは、ガイアとアグルが
通ってきたものの十倍以上ものサイズであった!
「ウッ!?」
『今度こそ貴様らを、踏み潰してくれるぞぉぉぉぉッ!!』
死神はそのワームホールの中に飛び込んでいった。その直後に!
「キャア――――――――――ッ!!」
ウルトラ戦士たちをはるかに上回る超巨体の怪獣がワームホールから地上に落下!
カルカソンヌの一画を丸ごと潰して崩壊させてしまった!
「何だあれは!? で、でかいッ!!」
「あんなのがまだ残っていたとは……!」
怪獣の異常な巨体に度肝を抜かれる人間たち。ただでさえ途轍もない大きさなのにケンタウロス
型の体躯が威圧感を高めている図体に、カラフルだがおぞましい雰囲気を湛えた翼、顔貌はどこか
怒りと憎しみに猛っているように見える。そして全長は地球の単位で666メートル、終末を暗示する
獣の数字を持ったこの怪獣の名は、根源破滅天使ゾグ! かつてガイアとアグルがなす術なく叩き
潰されたほどである根源的破滅招来体の最強の戦力であり、しかも今回は初めから真の姿である
第二形態であった!
『忌々しいウルトラマンどもめぇ! 醜い人間どもと一緒に滅びてしまえぇぇぇぇッ!』
死神はこのゾグと融合し、その中からウルトラ戦士に怨嗟の言葉を浴びせてきた。
「キャア――――――――――ッ!!」
死神の叫びを合図とするように、ゾグが衝撃波を連続で飛ばして攻撃してくる。
ゾグにとっては通常攻撃だが、あまりのサイズ差故に一発一発がゼロたちの身長を超える
規模である!
「ウワアアアアァァァァァァァッ!!」
三人のウルトラ戦士はたちまちの内に衝撃波の引き起こす爆発の中に呑まれて、姿が見えなく
なってしまう……!
「あぁッ! う、ウルトラマンたちがッ!」
アンリエッタを始めとしたほとんどの人間が、まさしく地獄絵図に顔面蒼白となった。
だがルイズは違った!
「姫さま、大丈夫です!」
ルイズはこの状況においても力強さが消えない声で呼びかけた。
「ゼロたちは……どんな逆境に立たされても決して負けません! それが、ウルトラマン
なのですから!」
「ジュワッ!!」
その言葉を肯定するように、爆発の中からゼロたち三人が勢いよく飛び出してきた!
そのままゾグに向かって、少しの恐れも抱かずに飛んでいく。
「おぉーッ!」
ウルトラ戦士の、巨大な絶望にも屈しない頼もしい姿は人々の心に希望を取り戻させた。
「セェェェェェェアッ!」
「デュワァッ!」
「ドゥアァッ!」
ゼロはツインゼロソードDSを握り締めてゾグの全身に纏わりつくように飛び回り、剣を
振るって裂傷を走らせる。ガイアはクァンタムストリームをゾグの背面に浴びせ、アグルは
地上からリキデイターに回転を加えたフォトンスクリューを放ってゾグの身体を穿っていく。
「キャア――――――――――ッ!!」
ゾグは三人を叩き潰そうと己の肉体を振り回すものの、ゼロたちは攻撃の手を止めないまま
ゾグの肉体をかわす。恐怖に負けない心を有する戦士たちには、どんな巨躯で襲い掛かろうとも
脅しにはならないのである。
ゾグの手はゼロたちをまるで捕らえられず、ダメージは蓄積されていくばかり。それに
苛立つように死神がゾグの中から怒号を上げる。
『ウルトラマン! 何故貴様たちは人間に寄り添う!』
ゾグのガイアを捕まえようとする手が空振りする。
『人間! つまらない生き物ッ! 生きる価値など、どこにもないッ!』
傲慢さをありありと含ませて喚く死神に返すように、ゼロが断言する。
『別に理由なんてねぇよッ!』
ウルティメイトブレスレットが光り、弓型のウルティメイトイージスになった。ゼロが
光の弦を引き始めると、後ろに回ったガイアとアグルがエネルギーをイージスに送る。
『ずっと昔からそうやってきた……!』
三人の力が一つになることで瞬く間にエネルギーが充填され、ゼロがゾグに向かって
ウルティメイトイージスを射出!
『ただ、それだけのことだぁッ!!』
ファイナルウルティメイトゼロ・トリニティがゾグに命中し――貫通。超巨体にドでかい
風穴を開けた!
「キャア――――――――――ッ!!!」
ゾグは自重を支え切れなくなり崩壊。全身至るところが弾けて消え失せていく。
『ぬああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――ッ!!!』
ゾグと融合した死神も道連れとなり、これで本当にハルケギニアから根源的破滅招来体の
勢力は消滅したのだ。
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――ッ!!」
ウルトラ戦士の完全勝利を見届けた人間たちは自然と息をそろえて、割れんばかりの大歓声を
上げた。今この瞬間は、誰の立場も関係なく、皆の顔に希望の輝きが宿っていた。
『お前みたいなのが人間の価値を語るなんざ……二万年早いぜ』
皆の歓声の下、ゼロの決め台詞がこの大決戦の幕を下ろした。
ガイアもまた勝負を決める大技に打って出ていた。
「オォォォォ……デュワアァァッ!!」
うずくまるように頭部を抱えて姿勢を下げると、ガイアの頭部に光子が集まって弁髪の
ようなムチの形状となる。それを敵に対して一挙に繰り出す、光の斬撃フォトンエッジだ!
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
これに対してキングオブモンスは翼から発生したエネルギーシールドで全身を覆って防御。
フォトンエッジはバリアと拮抗するが、
「ジュワアァァァッ!」
ガイアが更にエネルギーを注ぎ込んだことで、フォトンエッジはバリアを突き破って
キングオブモンスに命中!
「ヴォオオオオオオオオオオ……!!」
全身をズタズタに切り裂かれたキングオブモンスはその場に崩れ落ちて、大爆発の中に
消えていった。
「やったあああぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「怪獣を全て倒したぞぉぉッ!」
一時は比喩でなく空を埋め尽くしていた怪獣軍団が全滅したことに、人間たちは一斉に
大歓声を巻き起こした。その声を一身に受けているガイアの元にアグルとゼロも戻ってきて、
勝利を確認するようにうなずき合う。
だがしかし……怪獣たちはあくまで呼び出されたものに過ぎないことを忘れてはならない!
『これで終わりではないぞぉッ!』
突然、人々の喜びをさえぎるような叫声が起こった。ゼロたちが、ルイズたちがその方向へ
顔を向けると……。
「あッ! さっきの奴! まだあいつが残ってたんだったわ!」
空の一角に死神が浮遊していた。その存在に気がついたゼロたちは警戒を強めて身構える。
ガリアに潜んでいた真の悪は、憤怒の表情を見せたままガイアたちに向かって怒声を放つ。
『憎きウルトラマンどもめ……再び我々の障害となろうとは! 貴様らさえいなければ上手く
いったというのに! 許してはおけぬッ!』
と叫ぶ死神の頭上の空間が歪み、ワームホールが開かれる。しかもそれは、ガイアとアグルが
通ってきたものの十倍以上ものサイズであった!
「ウッ!?」
『今度こそ貴様らを、踏み潰してくれるぞぉぉぉぉッ!!』
死神はそのワームホールの中に飛び込んでいった。その直後に!
「キャア――――――――――ッ!!」
ウルトラ戦士たちをはるかに上回る超巨体の怪獣がワームホールから地上に落下!
カルカソンヌの一画を丸ごと潰して崩壊させてしまった!
「何だあれは!? で、でかいッ!!」
「あんなのがまだ残っていたとは……!」
怪獣の異常な巨体に度肝を抜かれる人間たち。ただでさえ途轍もない大きさなのにケンタウロス
型の体躯が威圧感を高めている図体に、カラフルだがおぞましい雰囲気を湛えた翼、顔貌はどこか
怒りと憎しみに猛っているように見える。そして全長は地球の単位で666メートル、終末を暗示する
獣の数字を持ったこの怪獣の名は、根源破滅天使ゾグ! かつてガイアとアグルがなす術なく叩き
潰されたほどである根源的破滅招来体の最強の戦力であり、しかも今回は初めから真の姿である
第二形態であった!
『忌々しいウルトラマンどもめぇ! 醜い人間どもと一緒に滅びてしまえぇぇぇぇッ!』
死神はこのゾグと融合し、その中からウルトラ戦士に怨嗟の言葉を浴びせてきた。
「キャア――――――――――ッ!!」
死神の叫びを合図とするように、ゾグが衝撃波を連続で飛ばして攻撃してくる。
ゾグにとっては通常攻撃だが、あまりのサイズ差故に一発一発がゼロたちの身長を超える
規模である!
「ウワアアアアァァァァァァァッ!!」
三人のウルトラ戦士はたちまちの内に衝撃波の引き起こす爆発の中に呑まれて、姿が見えなく
なってしまう……!
「あぁッ! う、ウルトラマンたちがッ!」
アンリエッタを始めとしたほとんどの人間が、まさしく地獄絵図に顔面蒼白となった。
だがルイズは違った!
「姫さま、大丈夫です!」
ルイズはこの状況においても力強さが消えない声で呼びかけた。
「ゼロたちは……どんな逆境に立たされても決して負けません! それが、ウルトラマン
なのですから!」
「ジュワッ!!」
その言葉を肯定するように、爆発の中からゼロたち三人が勢いよく飛び出してきた!
そのままゾグに向かって、少しの恐れも抱かずに飛んでいく。
「おぉーッ!」
ウルトラ戦士の、巨大な絶望にも屈しない頼もしい姿は人々の心に希望を取り戻させた。
「セェェェェェェアッ!」
「デュワァッ!」
「ドゥアァッ!」
ゼロはツインゼロソードDSを握り締めてゾグの全身に纏わりつくように飛び回り、剣を
振るって裂傷を走らせる。ガイアはクァンタムストリームをゾグの背面に浴びせ、アグルは
地上からリキデイターに回転を加えたフォトンスクリューを放ってゾグの身体を穿っていく。
「キャア――――――――――ッ!!」
ゾグは三人を叩き潰そうと己の肉体を振り回すものの、ゼロたちは攻撃の手を止めないまま
ゾグの肉体をかわす。恐怖に負けない心を有する戦士たちには、どんな巨躯で襲い掛かろうとも
脅しにはならないのである。
ゾグの手はゼロたちをまるで捕らえられず、ダメージは蓄積されていくばかり。それに
苛立つように死神がゾグの中から怒号を上げる。
『ウルトラマン! 何故貴様たちは人間に寄り添う!』
ゾグのガイアを捕まえようとする手が空振りする。
『人間! つまらない生き物ッ! 生きる価値など、どこにもないッ!』
傲慢さをありありと含ませて喚く死神に返すように、ゼロが断言する。
『別に理由なんてねぇよッ!』
ウルティメイトブレスレットが光り、弓型のウルティメイトイージスになった。ゼロが
光の弦を引き始めると、後ろに回ったガイアとアグルがエネルギーをイージスに送る。
『ずっと昔からそうやってきた……!』
三人の力が一つになることで瞬く間にエネルギーが充填され、ゼロがゾグに向かって
ウルティメイトイージスを射出!
『ただ、それだけのことだぁッ!!』
ファイナルウルティメイトゼロ・トリニティがゾグに命中し――貫通。超巨体にドでかい
風穴を開けた!
「キャア――――――――――ッ!!!」
ゾグは自重を支え切れなくなり崩壊。全身至るところが弾けて消え失せていく。
『ぬああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――ッ!!!』
ゾグと融合した死神も道連れとなり、これで本当にハルケギニアから根源的破滅招来体の
勢力は消滅したのだ。
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――ッ!!」
ウルトラ戦士の完全勝利を見届けた人間たちは自然と息をそろえて、割れんばかりの大歓声を
上げた。今この瞬間は、誰の立場も関係なく、皆の顔に希望の輝きが宿っていた。
『お前みたいなのが人間の価値を語るなんざ……二万年早いぜ』
皆の歓声の下、ゼロの決め台詞がこの大決戦の幕を下ろした。
ガリアの激戦に決着は着いたものの、人間たちは一連の戦いの流れに興奮が冷めやらぬ
様子であった。いや、しばらくは口伝てにウルトラ戦士の活躍が伝播して、騒ぎはむしろ
拡大していくかもしれない。
そんな人間たちの喧騒の間隙を見つけて、才人たちは変身を解いた我夢、藤宮の両名と
対面していた。
「ありがとうございます、ガイア、アグル。あなたたちのお陰で戦いに勝ち、この星を救う
ことが出来ました」
才人が代表して我夢、藤宮と固い握手を交わす。それに続いてルイズ、アンリエッタ、
ミラー、グレンが二人に呼びかける。
「本当に助かったわ。この恩は決して忘れないわ」
「あなた方が救って下さったこの世界、必ずや平和に導くことをお約束致します」
「M78星雲以外のウルトラ戦士、お会い出来て光栄です」
「すぐに帰っちまうのが寂しいくらいだぜ」
我夢と藤宮は一人ずつの手を取って握手を交わしていく。
「ありがとう。みんなのあきらめない心があれば、どんな敵が来ようとも世界は滅んだりはしない!」
「どんな絶望にぶつかっても、決して折れないで立ち上がるんだぞ」
最後に我夢の前に立ったのは、タバサであった。
「君は、確か……あの森にいた……」
タバサは少し気外そうにしながらも、コクリとうなずいた。そして手を差し出し、小さい
声ながらもはっきりと告げる。
「ありがとう……」
「……うん! 君も、何だか色々と事情があるみたいだけれど、最後まであきらめずに頑張ってくれ!」
我夢は彼女の手を握り、満面の笑みを向けた。
そして我夢たちとの別れの時。二人がアドベンチャーに乗り込み、元の世界へと帰還して
いくのを、才人たちが微笑みながら見送る。
「ありがとなのねー! いつかまたお会いしましょうなのねー!」
「パムパムー!」
シルフィードとハネジローが大きく手を振る中、アドベンチャーは我夢と藤宮を乗せて、
彼らの世界へと帰っていったのだった。
様子であった。いや、しばらくは口伝てにウルトラ戦士の活躍が伝播して、騒ぎはむしろ
拡大していくかもしれない。
そんな人間たちの喧騒の間隙を見つけて、才人たちは変身を解いた我夢、藤宮の両名と
対面していた。
「ありがとうございます、ガイア、アグル。あなたたちのお陰で戦いに勝ち、この星を救う
ことが出来ました」
才人が代表して我夢、藤宮と固い握手を交わす。それに続いてルイズ、アンリエッタ、
ミラー、グレンが二人に呼びかける。
「本当に助かったわ。この恩は決して忘れないわ」
「あなた方が救って下さったこの世界、必ずや平和に導くことをお約束致します」
「M78星雲以外のウルトラ戦士、お会い出来て光栄です」
「すぐに帰っちまうのが寂しいくらいだぜ」
我夢と藤宮は一人ずつの手を取って握手を交わしていく。
「ありがとう。みんなのあきらめない心があれば、どんな敵が来ようとも世界は滅んだりはしない!」
「どんな絶望にぶつかっても、決して折れないで立ち上がるんだぞ」
最後に我夢の前に立ったのは、タバサであった。
「君は、確か……あの森にいた……」
タバサは少し気外そうにしながらも、コクリとうなずいた。そして手を差し出し、小さい
声ながらもはっきりと告げる。
「ありがとう……」
「……うん! 君も、何だか色々と事情があるみたいだけれど、最後まであきらめずに頑張ってくれ!」
我夢は彼女の手を握り、満面の笑みを向けた。
そして我夢たちとの別れの時。二人がアドベンチャーに乗り込み、元の世界へと帰還して
いくのを、才人たちが微笑みながら見送る。
「ありがとなのねー! いつかまたお会いしましょうなのねー!」
「パムパムー!」
シルフィードとハネジローが大きく手を振る中、アドベンチャーは我夢と藤宮を乗せて、
彼らの世界へと帰っていったのだった。
こうしてまた一つの大きな戦いが終わったのだが、まだハルケギニアが平和になったとは
言い難い。むしろ、人間という種族の中での一番の障害が消えて、ロマリアは更に聖戦を
推し進めようとすることだろう。エルフとの関係も、まだどうなるか分かったものではない。
次の戦いの火種は既にくすぶっているのかもしれない。
しかし、才人たちは決して負けない。次にどんな敵が現れようとも、心の中に光を持ち
続けることを、時空を超えてやってきた勇者たちに誓ったのだから。
彼らはいつかハルケギニアを、ウルトラマンのような光が瞬く星にするのだと心に定めた
のであった。
言い難い。むしろ、人間という種族の中での一番の障害が消えて、ロマリアは更に聖戦を
推し進めようとすることだろう。エルフとの関係も、まだどうなるか分かったものではない。
次の戦いの火種は既にくすぶっているのかもしれない。
しかし、才人たちは決して負けない。次にどんな敵が現れようとも、心の中に光を持ち
続けることを、時空を超えてやってきた勇者たちに誓ったのだから。
彼らはいつかハルケギニアを、ウルトラマンのような光が瞬く星にするのだと心に定めた
のであった。