ティムVSゴーレム

 希望報酬:防御結界のコモンルーン

片手には変哲もないショートソードを携え、4mのストーンゴーレムと対峙する。
この巨体から繰り出される一撃を食らえば四肢は木っ端微塵になるだろうことはティムにも分かっていた。
「一撃も食らうわけにはいきません。」
ジリジリと間合いを計り、ティムの周りには同じ姿が1人、また1人と増えていた。
全部で8人、それら全ての姿がうっすら霞がかっていた。
即行術式で“鏡像(ミラーイメージ)”を用い、そこに“霞(ブラー)”も付加することで回避確率を上げたのだ。
何とも消極的で慎重な作戦か。

ストーンゴーレムは腕を振りかぶり、8人のティムの1人に攻撃を放ったが、虚像にすら当たらない。その隙をつき、ショートソードを頭部めがけて斬りつけたが、当然のように弾かれる。
「これは、自分の非力が泣けてきますね。」
と、冗談混じりに苦笑いする。ストーンゴーレムは8人の虚像を見比べているようだった。

「残念ながらまともな魔法の武器を持っていないもので……こうするしかありませんね。」
というと、ショートソードは影のように黒く、金属独特の輝きを失った。
「変成術“霊的武器(スペクトラルウェポン)”ならば非力でも貫ける。」

ストーンゴーレムは相変わらず鏡像を相手に巨躯を振り回し、まともな攻撃を繰り出せずにいる。ティムの動きを完全に見失ったゴーレムの腕の関節を狙い、煙のように渦巻く影が尾を引きながら剣の一撃。
次は、足。
一撃一撃ではゴーレムは動きを止めなかったが、連撃を関節に的確に当てていくと、大して時間は掛からなかった。
数瞬の後、ゴーレムは関節に支障をきたした。
「勝者、ティム!」
と告げられるとティムは安堵の表情を浮かべた。
「どうも、真正面で戦いあうのは疲れます。動きが遅くて助かりました。」

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最終更新:2011年06月28日 16:48
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