成り立ち
数百年前、空から隕石が落ち、その衝撃で生まれた亀裂から広大な地下遺跡が発見された事が、街の始まりである。
そこから得られる利潤を求めて人々が集い、やがてそれは集落となり、都市国家へと発展していった。
隕石の落ちた夜、空に虹がかかったという話から取って「アルコ・イリス(虹)」の名を戴き、初めに建てられた賢人たちの研究施設である一本の『塔』を中心として、広がる七本の大通りを持つ。
大河と街道に接するという立地条件、そして遺跡からもたらされる古代の遺物や知識・技術が遣り取りされることから、アルコ・イリスには多くの人、物が集い、大いに賑わっている。学者、職人、商人とその徒弟が主な市民。
通りごとに気風や売りとなるものは異なっており、それぞれ通りと同じ色の称号を持つ顔役が取り纏めている。
人が集まればその分、事件や騒動にも事欠かず、また遺跡の存在もあり、アルコ・イリスを本拠とする冒険者も多い。
元より外からの入植者が集まってできた街であり、基本的に自由な街であるため、他を追われてこの街にたどり着いた者も少なくない。
地勢
- 大河と街道が近くにある。
- 地下には全容が明らかではない広大な遺跡がある。
気候
余りに極端な気候ではない模様。虹が出るということはある程度多雨か?
少なくとも乾燥地帯ではないはず。
街の雰囲気
- 多くの人、物が集い、大いに賑わう。学者、職人、商人とその徒弟が主な市民。
- 通りごとに気風や売りとなるものは異なる。
- 大陸中の人・魔法・物資、世界の全てが集う。その名を知らないものは居ない。
- タブーの少ないリベラルな気風と、一定の審査を潜り抜けトラブルを起こさなければどんな者も受け入れるという都市性を、一部から敵視されている。
- 時に不条理なテロが起きることも。
- 遺跡、気風、厄介事の多様性などから冒険者が飯の種に困らない。アルコ・イリスは英雄が生まれる街とも。
- 野菜などはこの街通すだけで良い値が付くらしい
都市名
- 「アルコ・イリス」は「虹」を意味する。都市ができるきっかけとなった星の落ちた日、空に月虹が架かったことから、という説有り。
- 「アルコ・イリス」と言う語は星と虹を司る古い女神の名前。
- 背徳の都や七罪都市といった不名誉な仇名で呼ばれることもあるらしい。
※アルコ・イリスはスペイン語で虹の意。wikiによると、虹は共存、多様性、神との契約、約束の徴などを表すとのことなので、この混沌とした街はなるべくしてなったのかもしれない。
統治・制度
- 都市国家である。
- 七つの大通りは、それぞれ通りの名前と同じ称号を持つ顔役が治める。
- 議会が存在している。遺跡の立ち入り制限、『特区』の承認など、様々な決定権を有している模様。
- 外部との有形無形の争い、圧力に負けない程度には、議会は優秀。
- 顔役が集まり極秘サミットが開かれることもある。
- 『魔術協会』という、魔術に関するあらゆる事を管理、決定する魔術師たちの統治機関がある。
- 少なくとも銀貨は存在し、使われている(アルコイリス公用銀貨という記述があるため)。
- 魔術関連の様々な資格・免許・検定が存在(魔法建築免許、マジック・アイテム鑑定士免許、魔香調香師資格等)
- アルコ・イリス市役所には地域安全課が存在。通称"泉の守り手(ラグナ・ガーディアン)"と呼ばれる。、『アルコ・イリス大法典に基づく街の治安維持』を行う独立警察機構。
- 「アルコ・イリス大法典」なる法律規範がある。大法典は種族による差別を禁じ、如何なる存在、如何なる社会的身分の者にも、行動によってのみ罪を科す。
- 「議員を即座に処刑」との記述から、議員が存在する模様。
- 様々な法が整備されているようで、法制度はかなり確りしている。
軍事・組織
噂・慣習
- 一部で噂される『闇色の王』なる存在がいる(連続殺人事件の指示などを行ったらしい)
- 『特区』は危険な魔物が闊歩してるとか、毒が沸いてるとか。入ったら帰ってこれない、気が狂う、記憶が飛ぶ、等々物騒な噂に事欠かない。
- 妖精には世界の意志が宿るという伝承があり、妖精を殺すと世界から呪われる、という古い警句もある。妖精殺しは罪深いこと。恐れられる。
- アルコ・イリスの成人年齢は14歳。
アルコ・イリスの国際的価値
都市国家であるアルコ・イリスが、他の列強国家に国力の面で劣ることは言うまでもない。
では何故、国際的に本来弱体であるアルコ・イリスが、今日の繁栄を享受することが可能なのだろうか。
理由の1つは、アルコ・イリスの持つ地政学的価値である。
大陸北西部と南部大半島を結ぶ街道に面し、かつ大河のそばという地理的要素が組み合わさって、アルコ・イリスは通商の中継地として、絶好の条件を備えている。
また、地下遺跡での発掘物や遺失技術は、格好の通商物資であり、それらの発掘に関わる冒険者、また冒険者にまつわる商人も集まることで、
さらにアルコ・イリスの流通分野における地位は高まり、今日の経済的発展に繋がった。
また更に理由のもう1つに、アルコ・イリスの外交的価値が挙げられる。
大陸中央に位置するアルコ・イリスは、周囲を列強各国の勢力圏に囲まれている。
高度に発展した諸国間の関係は、かつての諸国家乱立時代のような身軽な軍事行動を不可能にした。
軽率な出兵は第三国の介入を招き、戦役の膠着化・泥沼化へと容易に発展する。
軍事手段による国際問題の解決に限界を感じた列強は、外交手段による課題解決の道を探り始めた。
そこで浮上したのが、アルコ・イリスという「舞台」である。
協定によってアルコ・イリスを中立国として規定し、国際的にその地位を保障・維持することで、外交活動を公平・公正に行うことを目指そう、というものだ。
アルコ・イリスもこの方針に賛同、各国の大使館を街の
中央区に受け入れ、『虹星の叡知“アルマゲスト”』のフロアを外交活動に提供するなど、積極的に外交都市化の推進に務めた。
中央区の中でも大使館エリアは、特に治安レベルが高く維持されている地区であり、都市首脳が外交産業を重視している証拠である。
また、各国の大使・公使と共に駐在する館員や武官が、スパイ行為をはじめとする非合法活動を行っている、という噂も絶えない。
治安的観点から言えば、都市首脳はこれらの非合法活動を規制・検挙すべきであるが、あえて活発な情報戦を野放しにすることで、アルコ・イリスの外交的価値を高めるという都市首脳の意図なのではないか、という解釈もある。
〈アレグリウス・タキトゥルス著 『虹の街』より一部抜粋〉
入国管理について
各通りに街の外へ通じる城壁門はあるが、全ての門が常に開いているわけではない。
特に他国からの商人・旅行者・冒険者などを受け入れる入管業務が行われているのは、スカイブルー、ハニームーン、ゲンティアナの各門。
他の門は通行用途が限られていたり(フィアンマでは業務関係、搬入出など)、そもそも門が使われていなかったり(苔むしたネフライト門)する。
入管施設は、市役所の入国管理部の管轄によって運営されており、門毎に数人の管理職が赴任している。
主に入管業務を行うのは、各門が属する通りの顔役が任じた、地元の事務官である。
入国者はまず、事務官による入国目的の口頭確認を受け、他国の市民資格(に類するもの)を持つ者は、それを提示する。
また交易を目的として物品を持ち込む者は、事前に交易許可証を市役所より交付されている必要がある。
事務官による審査を終えた入国者は、次にアルマゲストの術師が設置したゲートを通過する。
このゲートには各種感知魔法がエンチャントされており、入国者の装備や付与魔法を感知することが出来る。
(編者注:空港の金属探知ゲートに、センス・マジックがかけてあるヤツと思ってもらえれば)
このゲートに感知された入国者は、別室でアルマゲストより派遣された魔術師による、センス・ライ付きの入国試問を受けることとなる。
これら入管施設全体を、
虹剣兵団より派遣された小部隊が警備しており、有事に備えている。
七つの大通り+α詳細
塔を中心として広がる七本の通り。それぞれ虹の七色にちなむ名前が与えられている。通りの名前と同じ称号を持つ顔役が治める。
アルコ・イリスは、各大通りを中心とした区域と中央塔周辺──大まかに七と一つの区画に分けられている。
施設
中央塔"虹星の叡知"
魔術学院
中央広場
市役所
〈赤〉石榴石通り
施設
「アルコ・イリス クロニクル」本社(新聞社)
カフェ「アチェッロ」(喫茶店)
「時謳う教会」(教会)
〈橙〉夕煌通り
施設
「Kokua」(花屋)
「グリューエン」(武器防具工房)
〈黄〉蜜月通り
施設
Bar「髪長姫(ラプンツェル)」(酒場・表から一本入った通り)
〈緑〉翡翠通り
NO DATA
〈青〉天空通り
施設
竜の足音亭(冒険者の宿・表通り)
踊る荒獅子亭(旅籠・裏通り)
浮遊する魔術の店(魔術具店)
〈藍〉瑠璃通り
NO DATA
〈紫〉竜胆通り
施設
黒猫館(ソルティレージュ(PC)自宅・表通り)
チェリウス商会(マジックアイテムを扱う大商店・裏通り)
外縁部虹影区域
所在地不明
夢見通り
賑やかで煌びやかな歓楽街。
そこを一本道を抜ければ景色は一転。
そこは薄暗い路地。
色褪せた看板の店立ち並ぶ花街。
化粧と酒と煙草の匂いが入り混じった場末感満載の通りである。
表通りでは満足できない偏執的な嗜好の人物や変わり者が訪れることが多い。
特殊な要望に応えるサルーンが多いこととからも所謂知る人ぞ知る店的な場所と言える。
(歓楽街から一本道を抜けた薄暗い路地にある花街。特殊嗜好対応の店多し。名前は初出時は登場せず)
アルコ・イリス闘技場
(詳細不明。運営委員会が存在)
遺跡関連
- 調査の為にほぼすべての区域が開放されている。 出入りの管理は"虹星の叡知(アルマゲスト)"が担当。
- 既に探索・討伐が済んでいる踏破地域は申請せずとも入れる。
- 例外的に、踏破地域内にありながら、様々な原因から議会が立ち入り禁止と定めた『特別危険区域』が存在。通称『特区』。
【"召還門(サモンゲート)"の罠】
"召還門"の罠とは文字通り、特定の条件で異界や遠距離と繋がる扉を開き、指定されている存在を場に召還、命令を果たさせるトラップ。
呼び出される存在は千差万別、多岐に渡る。猛獣、魔獣の類から魔法生物、ゴーレムなどが一般的。中には異界の怪物を呼び出すような悪質な物も。
概ねそれらは発動は一度切り。呼び出された存在も目的を果たすか倒されれば消えるというのが通例だ。
稀に性質が悪いものがあり、一度発動したら最後、"門"が壊れるか術式を停止するまで延々指定された存在を呼び続けるタイプの"召還門"が存在する。
更に更に悪質を重ねると、送還の条件が目的の達成ではないものまである。"門"の破壊や術式の消去が行われて尚残留し、退治されるまで破壊を振りまき続ける。 アルコ・イリスの迷宮では史上何度かこの最悪の"召還門"が発動したことにより、踏破の停滞や中継点の後退を余儀なくされてきた。
ダンジョンに携わる者たちはこういった類稀にして凶悪な"召還門"を"災厄門(ハザードゲート)"と呼ぶ。
【中継点】
アルコ・イリス地下遺跡の、安全な踏破区域と危険な未踏区域の境界であり防壁となる場所。
遺跡の踏破状況によって存在する場所は変動する。
未踏地域の奥から魔物が這い出てくる魔物退治や、不法侵入者の取締りの為、各中継点毎にシフトを組んで交代しながら二十四時間体制で十人前後の兵士が常に詰めている。この兵士たちは
境界警備隊という。
踏破地域の拡大に伴って中継点は増えたり減ったりしてきたが、現状機能している中継点は七つだ。今のところ、地上の通りの色に倣って色の通称がつけられている。
各中継点と名称の対応は以下の通り。
第一中継点=レッドポイント
第二中継点=イエローポイント
第三中継点=オレンジポイント
第四中継点=グリーンポイント
第五中継点=ブルーポイント
第六中継点=インディゴポイント
第七中継点=パープルポイント
概ね中継地の詰め所は、監視や検問をするための利便性から出入り口が一つしかないフロアに作られる。
最終更新:2011年07月10日 12:47