からっぽな空の下で

52話 からっぽな空の下で

リゾート街にて仲間二人の命と引き換えに、参加者の首輪を手に入れた保土原真耶
その後仲間二人と襲撃者の装備を回収し、山を迂回して田園地帯に辿り着く。
そこで彼女は空に立ち上る黒煙を発見する。

「あれは?」

焚き火かとも思ったがそれにしては煙の規模が大き過ぎるし、
何よりこの殺し合いの最中に焚き火をしている者が居るとも思えない。
万一に備え右手に大型リボルバータウルスレイジングブルを握り、黒煙の元と思われる場所へ真耶は歩いて向かう。

「何これ……何があったって言うの?」

そこで見付けたのは、全壊し燃え上がっている民家だった。
門柱に「松林」と言う表札が掲げられたその民家は母屋と納屋に分かれていたようだが、
母屋が完全に倒壊し黒煙を上げて炎上していたのだ。
周囲には母屋の物と思しき破片が散らばっており、どうやら爆発したらしかった。

「そう言えばさっき歩いてる時、爆発音みたいなのが聞こえたけど、
ここのだったのかな……多分そうだよね。何が有ったんだろ」

いくら殺し合いの最中とは言え家一軒が爆発するなど余程の事であろう。
爆発物を支給された参加者が、松林家を襲撃したりでもしたのだろうか。
炎上する瓦礫の下には、犠牲者の死体が埋まっている可能性もあった。

「あんま想像したくないや……何も無さそうだし行こう」

いつまでもここにいても仕方無いと、真耶は松林家を後にした。



【午前/D-4・E-4境界線付近/松林家】

【保土原真耶】
[状態]右脇腹に擦過銃創
[装備]タウルスレイジングブル.500S&Wマグナムモデル(4/5)
[持物]基本支給品一式、.500S&Wマグナム弾(10)、スパタ、十八年式村田銃(1/1)、11.15mm×60R弾(7)、
    コルト ジュニア(6/6)、コルト ジュニアの弾倉(3)、コンラートの首輪
[思考]1:殺し合いをする気は無い。
    2:首輪を解析したい。
[備考]※特に無し。



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最終更新:2014年03月03日 21:12