倫助(りんすけ)
繰人村で左近が出会った、右近と瓜二つの容姿を持つ少年。右近同様、快活な性格をしている。
小泉春香の幼馴染で、彼女の屋敷で使用人として働いていたが、黒川弦之助を殺害した疑いを掛けられ、追われる身にある。
- ドラマCDでは、左近と出会った時点では、黒川殺人は起こっておらず、容疑者になっていない。
- 10年前の大洪水で家や家族を失い、身寄りのないところを先代卯之助に引き取られ、育てられた。(小説)
- ドラマCDでは一本杉の下に捨てられたところを先代卯之助に拾われ、育てられている。
- 幼少時は倫助も人形を作っていたが、才能がないと自覚しており、春香を一人前の人形師にする事が先代卯之助の恩に報いる事だと考えている。
- ドラマCDでは春香との身分の差を気にしている描写がある。
- 一度は轟に捕まるが、警察署に侵入した左近により脱走。左近によって無罪が証明された矢先、逆上した轟と春香が揉み合った際に銃弾を受け負傷。
動揺する春香に逃げる準備をするよう促した後、彼女の罪を自分が被るべく小泉邸から逃走し、その後命を落とした事が示唆されている。
小泉春香(こいずみ はるか)
繰人村にて左近が出会った少女。代々人形細工を生業とする小泉家に生まれ、現在は若くして卯之助の名を襲名している。
先代の卯之助である父が村人のために負った借金を抱え込んでおり、没落の危機に瀕している。
いわゆる箱入り娘として育てられたらしく、世間知らずなところがあり、倫助によく窘められている。
- 自分が使用人であるを負い目に感じている倫助とは対照的に、身分の差を気にしない少女として描かれている(ドラマCD)。
- 先代卯之助の借金は、飢饉の年に村の長として、他の人形師の家を救うために黒川から借りたもの。
本来は村人が返さなければならないものだが、皆食べていくので精一杯だったため、結局春香が一人で背負う事になった。(小説より)
- 左近により倫助の無罪を証明された後、彼を射殺しようとした轟を阻止しようとして揉み合いになり、誤って轟を射殺。
故意ではなかったものの倫助にも重傷を負わせてしまう。
- 倫助の死後は、思い出の一本杉で、七日七晩、飲まず食わずで全身全霊を込め、彼の髪の毛を用いて右近を作った。
- 三代目小泉卯之助の正体は彼女である。
黒川弦之助(くろかわ げんのすけ)
村で金融業を営んでいる男。元は先代の卯之助の元で働いていた人形師だが、数年前に職替えをし、金貸しとなった。
金貸しとなった後は高い利子で暴利を得ており、春香に対しも先代卯之助に貸していた金の返済を迫っていたが…
小説では45歳。
- 既婚。しかし女癖が悪く、あちこちに愛人を囲っており、妾になる事を条件に借金を棒引きにすると春香に迫った事も。
- 妻も半ば愛想を尽かしていたようで、通夜の日には時折笑みを浮かべていた。(小説)
- 悪徳な商売や人柄は村人達からは嫌われており、通夜の場でも非難が飛び交っていた。(小説)
- 彼の被害に遭った村人の中には、田畑を売ったり一家離散に追い込まれた者も多かったようだ。
轟遊介(とどろき ゆうすけ)
村の警察署長。黒川の用心棒でもあり、金貸しという職業上敵の多い彼の毒見役も兼ねている。
黒川殺害の容疑で倫助を追っている。小説では39歳。
- 博打に失敗して多額の借金を背負い、黒川に泣きつき肩代わりして貰っている。そのために黒川から横暴な振る舞いを受け、蓄積した不満が動機となっている。
- 原作では「警察署長」だったが、ドラマCDでは「政府の役人」に変更。
更に、討幕運動に参加した維新志士という設定が追加され、役人になったのは、足の怪我で村に戻ってきてからとなっている。
- ドラマCDでは出世欲を秘めており、殺害動機も黒川の横暴からの解放の他に、彼の金で新政府の長官になる事を目論んでいた事が追加されている。
- 金への執着の強さは、負傷後に村の役人という身分への不満も関係している。
最終更新:2010年06月19日 21:36