もしかしたらそれは、仕事を片づけてしまうともう自分のすることがない=自分は不要な存在だと思われるのが嫌いだからなのではないか、と思うことがある。しかしそれは思い上がった態度だ。しかも仕事を先送りにして締め切りをロクに守らず周囲に迷惑をかけていることを知っているのになお手をつけようとしないことの説明にはならない。周りに迷惑をかけ、遅くまで仕事をしているフリをし、仕事がたくさんあるフリをし、しかし実際にこなしている仕事の内容も量も大したことないぐらい、周りの人は知っている。それに気づかない振りをしてなおサボっているとは度し難い態度だ。何故そんなことをするのか。それは、全力で仕事に取り組んでしまうと、そこで自分の能力の限界を思い知ることが恐いからだ。手を抜いているうちは、理由が立つ。しかし全力で当たったときの言い訳は“能力不足”だ。それを直視するのが恐いのだ。無能とは言わない。が、他の人と比べて同じか少し劣る程度しかないとわかってしまうことをプライドが許さないのだ。
ほら「少し劣る」って、謙遜していて心の中では“そんなことないさ”って思っていることが透けて見える。