遠き家路を

「遠き家路を」

~今回予告~

1つの絆があった。
やがて絆は歪み、壊れていった。
だがたとえ壊れても、それは消えてなくなってしまうわけではない。
壊れた絆の跡に残るのは――怨恨の糸か。妄執の鎖か。

それとも――。

Beast Bind New Testament
 「遠き家路を」

汝、人の心と向き合わん。


■プレセッション

茶千:今晩は

シヴァ:こんばんは。今日はよろしくお願いします

氷野 水亜:こちらこそー。初めてなので勝手が判らないところもあると思いますが。
あー、ドキドキしてきた^^;

シヴァ:あー、私も久しぶりなのでちょっと緊張気味ですよw
ふと履歴を見れば最後に参加したのは半年前。どうりで久しぶりなはずだ・・・

氷野 水亜:半年ぶりですか。じゃぁ、今日は尚更楽しまないといけませんね。

Karly:ただいまです。お待たせしました

茶千→GM:それでは全員そろったようですし、ぼちぼちと…

まず今回のレギュレーションについて
・登場判定は不要です。PC登場不可のシーン以外は、宣言だけで出て頂いて構いません。
・絆チェックは不要です。取得の宣言は表で行って下さい。
・登場回数は9回で計算します。

PL一同:レギュは了解しました。

GM:では、PCの自己紹介をお願いします。

氷野 水亜:やべぇ。自己紹介できるかな(待

シヴァ:私も最初は恐かったなぁw>自己紹介


・PC1  推奨:善人、お人よし等(家族を大切にするキャラだと、更に良いと思います)
シナリオ絆/エゴ:美香(みか)  関係:(任意)

ある日のこと。
キミが普段は通らない辺りを歩いていると、空き地に一人で立つ影を見かける。セーラー服の少女だった。
こんなところで何をしているのだろう?
怪訝に思ったキミが、よく目を凝らすと――なんと、彼女の姿はぼんやりと透き通っている。
「あたし……どうしてこんなトコにいるんだろう?」
美香という少女の幽霊は、記憶が混乱し、自分の事さえも分からなくなっているようだった。
成仏させようにも、未練の中身が分からなければ難しい。
幸い、手は空いている。放っておくのは寝覚めが悪いし、万一悪霊になられでもしたら困るし――。
キミは彼女の記憶探しを手伝う事にした。


Karly→八兵衛:

山田 八兵衛/おっぱい神の巫女
ブラッド:マジシャン/イレギュラー カヴァー:高校生
性別:男 年齢:16

母親を死なせるために、自分の思いとは裏腹に、魔の世界の事件を解決しようとがんばる、おっぱい少年。
世の中の全ての不幸をなんとかしたりはできないけれど。泣いているヤツが居たら手を差し伸べる。
人も魔も関係ない。そういう正義感の強い少年なのだ。
男の子でありたいけど、なかなか上手くいかない。涙目になって頑張る。いつでも一所懸命。こけつまろびつ頑張ります。
HAは《魔法の国よ》《歩く影法師》《ヴォイド》
http://eguru.wiki.fc2.com/wiki/%E5%B1%B1%E7%94%B0%20%E5%85%AB%E5%85%B5%E8%A1%9B


・PC2  推奨:高校生、教師など
シナリオ絆:下田 有希(しもだ ゆき)  関係:友情など

下田有希はキミの友人だ。
明るくて気さくで、可愛らしい彼女は、友達も多かった。キミも彼女には、人並以上の好感を抱いている。
しかし、最近の彼女はどうにも元気が無いようだ。
しつこく問い詰めてみたところ、彼女は躊躇いながらも口を割る。
「最近……夢枕に、亡くなった姉が立つの。
『どうしてお前は、まだ生きてるんだ。早くこっちに来い』って、とても怖い顔で迫ってきて」
注意してみると、彼女の周囲から、微かに妖気が感じられた。
どうやらタチの悪い魔物が絡んでいるらしい。
キミは彼女の周囲に気を付ける事にした。


シヴァ→要:

羽吹要(はぶきかなめ)/闇翼天弓 ビースト/マジシャン

一族の中ではおちこぼれだった有翼人種の少女。
現在は自分に足りないものを埋めようと修行中。
前向きで隠れ努力家。空回りも多いが、それでも進もうと努力するタイプ。
正義感も強い方なので突っ走ることも。
HA《獣の生命》《獣の盾》《万色の魔術》
http://eguru.wiki.fc2.com/wiki/%E7%BE%BD%E5%90%B9%E3%80%80%E8%A6%81

PLはシヴァです。皆さんよろしくお願いします


・PC3  推奨:警察官、またはハンター、退魔師など
シナリオ絆/エゴ:長沢遼  関係:(任意)

キミは今、死霊課から請け負った仕事を抱えている。
しばらく前から都内で起こるようになった、不可解な火災。
火元が不明瞭である事、そしてなにより、現場に残されていた妖気から、魔物の仕業と見て間違いはなかった。
しかし、中々相手に迫れる手掛かりが見つからない。――そんなある日、キミは長沢に呼び出される。
なんと警察署内で、魔物の仕業らしき不審死が起こったのだという。
死んだのは、殺人容疑で拘留されていた2人の男。残されていた妖気は、あの事件のモノと同じだった。
何故彼らが狙われたのか――ともあれ、これは新しい手掛かりに違いない。
キミは改めて、この件の調査に乗り出した。


氷野 水亜→導:では。

御ヶ西 導(みがにし しるべ)/“死神”水仙
ブラッド:デーモン/セレスチャル カヴァー:探偵 性別:男 年齢:29
池袋の裏路地に日当たりの悪い事務所を構えた探偵。
人当たりは良いが、薄気味の悪い影を背負った男。
半魔になりたての死神で、よく死霊課から仕事を請け負って働く姿が見られる。
HA:《歪曲する真実》《死に至る病》《アドベント》
http://eguru.wiki.fc2.com/wiki/%E5%BE%A1%E3%83%B6%E8%A5%BF%E3%80%80%E5%B0%8E

PLは初参加、氷野 水亜です。皆様、よろしくお願いします。
以上です。


GM:PC間絆はPC①→PC2→PC③の順に取ってください。

八兵衛:PC間絆は要に「カッコ付けたい」かなw

要:PC間絆は導さんに絆/知己 ちょっと影のある探偵さん、と認識してます

導:PC間絆は八兵衛に対して「興味」。本当に男の子? みたいな。
一応八兵衛は最初女の子と間違えますが、言ってくれれば、その後は男の子扱いするつもりなので。

八兵衛: はいな。

要:まぁ、そのネタ振りは鉄板ですよねぇ。

八兵衛:楽しみにしてますw

導:やばい、期待されると怖い^^;;;


GM:ありがとうございました。GMは茶千です。まだまだ到らないところもありますが、どうかよろしくお願いします。
それでは、準備がよろしいようでしたら、OPから始めていきたいと思います。


■オープニング
・PC1 山田八兵衛

GM:ある日の事。
キミはちょっとした用事で外出し、いつもの生活圏からは外れた街区を訪れた。
…その用が終わった帰り道。家々の並ぶ街路を歩いていると、道の先に、ぽつんと開けた空き地が見えてくる。
更地になってから多少の時間が経っているようで、あちこちに雑草が生え、また空き缶などのゴミが投げ込まれているが――
その真ん中に、人影が立っている。 
セーラー服の女の子だ。
彼女は何をするでもなく、荒れた更地の真ん中に、じっと立ち尽くしている。

八兵衛:「まったくよう。頼まれたから行ってみたら、『もう済みました』とか。ふざけんなーつーの……って、あれ? 
よーよー。ねーちゃん、どしたー?」>セーラー服の女の子
そのまま空き地に入っていきます

GM:近寄って見ると、すぐに気付くね。
彼女の体はぼんやりと透き通っている。どう見ても、生身の人間ではない。

八兵衛:「うおっ!?」

GM:幽霊「……ん?」

八兵衛:「ゆ、ゆゆゆゆ幽霊!? 祟るのか? 呪うのか?」びくびくびくっ

GM:幽霊「え?……あぁ、あんた、あたしが見えるの?」

八兵衛:「ああ、バッチリ。生憎と俺は見えなくてもいーものは見えるんだ」
しくりと押さえ込んでいる胸が痛んだ

GM:彼女はおもむろにキミに近づくと、正面から向き合う。
――間近で見ると、かなり可愛い子だ。
卵型の顔に、シャープな顎のライン。薄い眉に、くりっとしたアーモンド形の目。
我が強そうではあるけど、かなり美人なのに違いは無い。――具体的には、「神の恩恵」持ち(ぇ)。
ただ……ショートボブの髪には、ほとんど金髪に近い色合いにまで、強いブリーチが掛かっている。
また、セーラー服の襟元は、鋏が入れられているのか、大きく開いていて、大胆に着崩されている。
かなり派手な――『派手すぎる』女子高生の部類に、生前は入っていたようだ。

八兵衛:「うお……」ちょっと好みでは、無い。しかし八兵衛はロマンチストなのだ。
「ここで見捨てたら男がすたるよな。まあ、ねーちゃん、良ければ話聞くぜ? 
ああ、俺は、八兵衛。山田八兵衛って言うんだ。あんたの名前は?」

GM:幽霊「……美香。だった、と、思う――」

八兵衛:「覚えてないんか?」

GM:美香「うん――あたし、なんでこんなとこにいるんだろう?」

八兵衛:「あやー。しらないんかー……」

GM:美香「気が付いたら、ここに居て……自分の事も、はっきり思い出せなくて」

八兵衛:「うん」

GM:キミの知識で、思い当たる事があります。
幽霊には死んだ時のショックで記憶が混乱したり、逆に死後時間がたってから“化けて出た”場合、
記憶が飛んでしまったりといったケースがありますね。

八兵衛:「うーんうーん、このままほっとくのもなー」すでに親身になってる八兵衛
「よし、決めた。どうせ暇になったんだ。つき合ってやる」

GM:美香「――え?」

八兵衛:「おい、美香。あんたがなんでこうなったか、調べてやる」

GM:美香「どういう、事?」

八兵衛:「一緒に来いよ」

GM:一瞬、唖然とした顔をしてから、彼女は怒ったように、目を吊り上げる。
美香「な、なんで。だってそんなの、あんたに何の得もないじゃん!」

八兵衛:「ある。女の子に優しくするのは、男の義務だ!」胸を張る……男なのになぜか存在する胸を

GM:美香「そ、そんなの、無いよ! こんな自縛霊なんかに協力したって、なんにも良い目なんか見れないのにっ」

八兵衛:「……見捨てて欲しいのか? そうして欲しいなら、そうするぜ?」

GM:美香「っ、あたし、は……」

八兵衛:「あんたの言うとおり、俺にはなんの得もないもんな。人の親切は、受け取る物だぜ」にかっと笑う。
「それにさ、俺は人助けをするといろいろ、個人的に嬉しいことがあるんだよ」

GM:美香「そ、そうっ。でも、わざわざ幽霊なんかに肩入れするなんて……お人よしだね」
小馬鹿にしたような口調で、そう言うが――声が震えている。
そして、キミから少し顔を逸らしながら――
「でも――その、1人で心細かったのは、本当だから、一応お礼言っとくね。――アリガト」

八兵衛:「おう」にぱーーっ
「しばらくは一緒だぜ。じゃ、いこうか。俺んちでいいよな?」

GM:美香「うん」

八兵衛:「まさか自縛霊だから動けないとか?」

GM:さて、そんなところで気づく事が一つ……彼女の足元に、何か落ちている。

八兵衛:見てみる

GM:ブローチだね。青緑の玉石を加工した品で、高い物ではなさそうだけど、それなりにちゃんとした造りをしてる。
彼女の霊気は、そこに強く縛られている。どうもこれが依代になっているようだ。

八兵衛:じゃ拾ってみる

GM:美香「――あ」
美香の体が、ちょっと浮いたようだ。これで連れまわす事が出来るようだね

八兵衛:「自縛霊じゃなくて物縛霊なんだな。じゃ、いこうぜ」

GM:美香「う、うん」

八兵衛:「いつも通りのある日のこと、君は立ち上がり突然言った~♪」
歌いながら
「今夜、星を見に行こう~♪」

GM:ではここで、〔SA:美香を助ける〕を配布します。

八兵衛:はーい

GM:何もなければ、シーン終了という事で。

八兵衛:はい。ああ、美香との絆もここで取得、と。

GM:そうですね。

八兵衛:「庇護:ほっとけない」で。ところでエゴですか? 絆ですか?

GM:任意です。どちらでも良いように

八兵衛:では、絆で

GM:はい



・オープニング2 羽吹要

GM:キミには下田有希という友人がいる。
明るくて優しい子で、学校でも人気者なのだが――最近、どうも彼女の様子がおかしい。
自分の机に座りこんで、俯いたまま押し黙っていたり、友達と話している時も、憂鬱な顔をして何か考え事をしていたり。
そんな様子で、日増しにやつれていく彼女を放っておけず――
キミはある日の放課後を捕まえて、思い切って問い詰めてみた……。

要:「……っと。有希、今時間大丈夫?」呼び止めて

GM:有希「…え? ああ、要。どうかしたの?」無理をした感じで、キミに微笑みかける

要:「ちょっとお話したいかな、って。…迷惑かな?」その笑顔を見て、より一層心配になり

GM:有希「ううん、そんな事ない。なに?」 

要:「……えっと、有希、最近元気無いからさ。今だって、ちょっと無理してるでしょ?だから、ね」困ったように笑って。
「もし、あたしで良ければ相談に乗るけど……聞いて、大丈夫かな?」

GM:有希「うん……要、色々と心配かけて、ごめんね」 さすがに、ちょっとばつの悪そうな顔で、そう言う。
「でも、本当に何でもないの。ちょっと……夢見が悪くて。それだけだから。
私……姉さんがいたの。もうだいぶ前に亡くなったんだけど」

要:「……うん」

GM:有希「その姉さんが、最近夢枕に立つの。……とても、怖い顔で。
『なんで、あんたはまだ生きてるの』――そう、言うんだ。
『あたしは死んじゃったのに、なんであんたはまだ生きてるの』って」

要:「……っ…。それが、毎日?」

GM:有希「…うん。……でも、大丈夫。ここ2、3日は見てないし、きっとすぐ忘れちゃうからっ」

そんな風に、彼女は快活な笑顔を作って見せる。
しかし、改めて注意深く様子を窺うと――
彼女の体から、微弱だが、妖気が感じられる。
ほの暗い、陰の気――これは……死神や悪霊、不死者の類が纏うものだ。

要:「……。うん、何か心配事があるのかもね。それじゃ、今回の埋め合わせも兼ねて今度どこか遊びに行こっか?」
その気に気付いたのを悟られないようにわざと明るく

GM:有希「――うんっ、私も気晴らしがしたいし、行こうよ」 キミに応えて、有希も快活な笑みを見せる。

要:「んじゃ、約束だよっ」そう笑いつつ…少し、調べないとね、と心の中で呟く

GM:はい。それではここで〔SA:有希を救う〕を配布します。

要:拝領します。それと、有希への絆は友情で。

GM:はい。なにもなければ、こんなところで。



・オープニング3 御ヶ西 導

GM:導のOPは、最初は回想、それから現在のシーンとなります。

GM:回想シーン。

キミは世田谷区にある、火災現場の1つを訪れていた。
キミがいるのは家の居間。
柱や天井は黒く焦げ付き、辺りには煤が散っている。
同じく焦げた床には――白チョークで引かれた人型が、全部で3つ。

導:「……」無言でその白チョークを見つめています。

GM:靴音を立てて、キミの背後から、依頼人も身を乗り出す。
長沢「ひどいもんだな。一家4人の所帯――父は会社員、母は主婦。長男は受験浪人だが、長女はいいとこの大学生。
近所からは、ごく普通の、それなりに仲の良い家庭と評判だったらしい。
だが――1か月前、長男が自殺。原因は受験ノイローゼと診断された。そして今回のボヤだ。
今回『も』火元はよく分かっていない。表の見解は、まあ単なる失火に落ち着くだろう。ただ……」

導:「匂いますね。死の匂いのほかに……」

GM:言いながら、長沢はビニール袋から、端の焦げた写真を取り出す。

導:「それは?」

GM:家族旅行の時に撮ったものだろうか。笑顔で写る4人の姿。
――だが穏やかな絵と裏腹に、この写真には、暗い妖気がこびり付いている。
長沢「裏を見てみろ」

導:見てみましょう。

GM:『オマエらが俺を殺した 地獄にひきずりこんでやる』――そう、殴り書きがある。
長沢「筆跡は、長男本人の物と確認できた。お前さん、『化けて出た』奴の専門家だろ? 
力を借りたいと思ってな。…引き受けてくれるか?」

導:「なるほど。これは私の専門分野のようですね」その依頼を引き受けた、と目で言いましょう。



GM:そして現在。警視庁、史料編纂室。

導:はい。とりあえず定例の報告でしょうか。

GM:引きうけてはみたものの、あれから手掛かりはつかめず、やきもきしていたところに……長沢からの連絡が入ったのだが…
キミを迎えた長沢は、不機嫌な仏頂面を隠そうともしなかった。
長沢「よお――」 社交的な彼には珍しく、低い声で、ただ一言だけ挨拶する。

導:では「不機嫌そうですね」と苦笑しよう。こちらも中々手がかりを見つけられない手前、ばつが悪い。

GM:長沢「先日、都内の拘置所で拘留中の2人の容疑者が死んだ。死因は心臓発作、という事になっているが……。
連中には、別に心臓の病気なんか無かった。前日までピンピンしていたらしい。体の方はな」

導:「……外からやられた、ということでしょうか?」真面目な顔になって。

GM:長沢「『死亡する2日前くらいから、悪夢を見ていたようだ』と所轄から報告がある。
過去に殺した被害者が夢に出た、とな。
念のためと、ウチの捜査員をやって現場の留置所を調べたところ――こんな物が見つかってな」

導:「良心の呵責に苛まれていた……というわけではなさそうですね」

GM:言って、長沢はシャーレを取り出す。中に収められていたのは――黒い羽。
感じるのは、ほの暗い妖気。あの時のモノと同じだ。

導:「これは……何かの羽、ですか?」と言って、その妖気に気づく。「これは……」

GM:そして、今ならはっきりと分かる。
重いガスのように、じっとりとまとわりついてくる感触――これは『死を運ぶモノの匂い』だ。
どうやら相手はキミに近い存在らしい。

導:では、目を閉じて。「この仕事、やはり私が適任でしたね。
新しい手がかりも得ましたし、勝負はこれからです」と言って、笑いましょう。

GM:長沢「どうやら俺たちは、よりにもよって捜査中のホシに、別件の容疑者を警察署内で殺されたわけだ。
――報告を上げたら、上は大層なお冠だよ。
しかも、そいつの追跡を続行させた捜査員は、24時間前に連絡を絶ち、そのまま行方不明ときた」
言いながら、長沢は額に手をやってかぶりを振る。
「……こうなった上は、絶対に逃がすわけにはいかん。なんとしても突きとめてくれ。
やり方は任せる。ただ、報告だけは上げてくれ。こちらから情報を回せることもあるだろうからな」

導:「ええ、了解しました。この件にしかるべき結末を」と言って、長沢との連携を新たにします。

GM:はい。ではここで〔SA:犯人を突き止める〕を配布します。
何もなければ、ここでシーンを切りたいと思いますが。

導:OKです。では長沢には、 絆:連帯感 で。

GM:はい



■ミドルフェイズ

GM:ここから情報収集のシーンにしたいと思います。
基本的に1キャラクターが1シーンにできる判定は1回とします。合流して複数の項目について調べるのは構いません。
シーンはPC番号順に回していきたいと思います。

・ミドル1
シーンプレイヤー:山田八兵衛

GM:美香を連れ、キミは自宅に戻ってきました。

八兵衛:自宅は古びたアパート。一人暮らしです。

GM:美香「…家の人とか、いないの?」

八兵衛:「いない」顔を歪めて。「とーさんは会ったこともない。かーさんは……死にぞこなってる」

GM:美香「え?」

八兵衛:「美香と似たような感じさ」

GM:美香「それって……」 聞こうとして、口にしていいのか、戸惑ったように言い淀む。

八兵衛:「要するに。死んだけど、生き返って……でも、上手くいかないから、俺がなんとか、死なせてやろうって。
そういう話なんだ。
俺が美香をほっとけなかったのは、そういう理由」

GM:美香「……そか。悪かった、かな。変なこと、訊いて」
もじもじと、手をこすり合わせながら。

八兵衛:「いいよ。かーさん、死に損なってるけど元気だし。とりあえず、なんか食うか?」

GM:美香「うーん、こんなふうになってから、物を食べた事なんてないけど……食べられるかな」 苦笑しながら。

八兵衛:「一人で食うのも味気ないからな。いやまあ、かーさんが居るときは二人で食うけど……」

GM:美香「それじゃ……お言葉に甘えて、試してみようかな」

八兵衛:「よーし」腕をまくって。ああ「美香、忘れてた。着替えるからちょっとまっててくれ」

GM:美香「うん、いいよ」 言って、その場を動かず。じっと見つめる。

八兵衛:物怖じせずに脱ぐ。……どたぷーん。

GM:美香「わっ、大っきい……な、あんた、ブラのサイズはいくつ?」

八兵衛:「んーと、86のF、だったかな」

GM:美香「うわ、マジでっ!? すご、うらやましい~」 悔しそうな目で、キミを見る。

八兵衛:「う、うーーっ」悔しそうな顔をする。「欲しければやるよっ。いらねえよこんなもんっ!」
楽な恰好に着替える。

GM:美香「なっ!? あんた、その言葉は胸にコンプレックスのある多くの女子に対して、失礼すぎでしょ! 
持てる者の余裕ってヤツ!?」

八兵衛:「こんな重いもん、俺は欲しくなかったんだよ! くっそー!
……でも、みかりんは、言うほどちっちゃくない気はするぞ?」

GM:美香「あ、そ、そりゃ、あたしはまあ……」 ちょっと照れくさそうにする。

八兵衛:「ちっちゃかったら、その服装は出来ないだろ?」
胸元が開いているセーラーを見て。そして、美香の胸元を見てしまって赤面する。
「ご、ごめん」

GM:美香「――ん、も、もう! 胸の大きな女に慰め言われても、複雑だよ!」 勘違い発動中。

八兵衛:「……おーれーはーおーとーこーだーーっ!」

………
……


GM:まあ、そんな感じで交流が進んで…。
情報項目に関しては、今は一番の基本という事で、こちらから指定させてもらいます。

八兵衛:はい

GM:・美香(〈情報:すべて〉)

八兵衛:では噂話で判定。情報屋を使用します。

GM:はい、どうぞ

八兵衛:まあ、普通。達成値13

GM:全て出ましたね。
・美香(〈情報:すべて〉)

5 正体のわからない少女(の浮遊霊)。ここら辺では見かけない顔だ。
7 1か月前にテレビのニュースで見た顔に、よく似ている。埼玉の山中で発見された、遺体の身元人だ。
  名前は下田美香。
9 両親と、妹が一人の、4人家族だったらしい(住所情報などを入手)。 

GM:以上です。隠し項目などはありません。

八兵衛:はい。ということは、次はこの住所に行けば良いんだな。

GM:また、これにより新たな情報項目「下田美香」が調査可能となります。以上で。
他に何もなければ、シーンを閉じたいと思いますが。

八兵衛:はい

GM:絆の変更は……まあ誰も登場していないか。

八兵衛:ああ。自分の初期エゴをひっくり返して起きましょう。

GM:はい

八兵衛:『絆:確信:俺は男だ』で

GM:りょ、了解です(笑)


・ミドル2
シーンプレイヤー:PC2  他PC登場不可

GM:OP後のシーンです。
学校からの帰り道、キミは有希と一緒に帰途に就いている。
道すがら、有希はぽつぽつと、キミにちょっとずつ、話をしてくれる。
有希「姉さん――美香姉さんは、私より6つ上だった。
ちょうど6年前、16歳の時に出て行って、それっきり、行方が分からなかったの。
でも……この間捕まった男の人が、取り調べの最中に、殺人の余罪を告白して……それが、姉さんだったの」
なんとなく、歯切れの悪い感じで、彼女はポツポツと話す。姉を語る言葉にも、なんだか曖昧なものが多い。

要:「……そう、だったんだ…。有希は、お姉さんのこと、どう思ってたの?」

GM:しばしの間、彼女は押し黙る。

要:「あ、ごめん…。聞かない方が良かったかな」申し訳なさそうに。

GM:有希「よく覚えていない――っていうのもあるけど……
正直言ってね、私、姉さんにはあまりいい思い出がない。
小さかったから、詳しく覚えてないってのもあるけど……漠然と、怖かったっていう印象の方が大きいの。
両親が私ばかり構うって、よく怒ってた。だからよく大声を上げたり、物を取り上げたり……」
言いづらそうに、ぽつぽつと。

要:「…。うん、分かる気がするな。あたしも兄ちゃんが何人か居るし」

GM:有希「父さん達は、それでも公平に扱おうとしてくれてたと記憶してる。
けど、親戚の人たちは……姉さんには厳しくて、私には甘かった。
親戚とは言っても、結局は他人の子だもの。聞きわけの良い方を可愛がるのは、仕方ないかもしれない。
でも、それで姉さんはますます……」

要:「成る程。…それで、怖かった印象が強いんだ」

GM:有希「うん。
――たまに、機嫌が良い時には、私の髪を結ってくれたり、お菓子を奢ってくれたり、とてもいい姉だった。
……だけど、そんな事は滅多に無かったかな」
言いながら、遠くを見るような目をして、寂しそうに微笑む。

要:「そんなお姉さんが夢に出てる、か。そりゃ、気に病んじゃうねぇ」そんな顔をするのを、少し辛そうに見て。
「(あと、これは言えないけど…あたしと似てるかもね。今の兄ちゃんたちとは、そんな感じだし)」心の中で呟いて。

GM:有希「要は、一人っ子だったっけ?」

要:「違うよー。上に3人兄ちゃんが居るんだ。あたしは末っ子。……今は一人暮らし中だけどね」

GM:有希「そう――お兄さんたちは、みんな、お元気?」 

要:「んー、多分。時々連絡はしてるから…」

GM:有希「そう。余計なお節介だろうけど――仲良く、ね」 少し影のある微笑みで、言う。

要:「……っ…。肝に銘じておくよ。それと、そんな顔しないしない!」誤魔化すように軽く背を叩き、無理に笑って。

GM:有希「きゃっ……ふふっ、ありがと」 少し明るさを取り戻して、有希は朗らかな笑みを浮かべるね。

要:「ん、そうやって笑ってる方が可愛いって、絶対。あたしが保障するよ」少し戯けてみせて。同時に安心する。

GM:さて、そんなふうにじゃれ合っているところですが……ここで1つ、〈知覚〉の判定をどうぞ。

要:技能は無し、素振りになりますね。11です。

GM:はい。ふと、キミは何かの気配に気づく。
――誰かに見られているような気がする。
どこかから、粘りつくような視線が、じっと注がれているような……。

要:「……」何気なく、その方向をこっそり伺ってみます

GM:辺りを見回しても誰もいない。
道ばたのゴミ箱に乗っかった黒ネコ、電柱の上のカラス達――人の姿は、どこにも無い。
有希「…? どうかした?」

要:「…んー、気のせいだったみたい。何でもないよ」笑って でも、視線はまだ感じます?

GM:そうですね。
ではキミたちがそう話している傍で、電柱の上に集まっていたカラス達が、甲高い声で鳴き交わしながら、一斉に飛び立つ。
――夕陽の加減だろうか、そのうちの一羽の目が、熾火のように赤く輝いた――ような気がした。

要:「何か嫌な感じがするなぁ。ついでだから送ることにしよう。今決めた」有希の手を握る

GM:有希「――」有希の表情が、少し強張っている。

要:「……あれ、有希?」

GM:有希「ごめん。その、何でもないの。ちょっとカラスに驚いただけ。
過敏になってるのかな……カラスの鳴き声を聞くと、それで気分が悪くなっちゃって……ゴメンね。
ホントに、何でもないから」

要:「んー、そっか。……それじゃ、行く?」安心させようと、少し強めに手を握り

GM:有希「うん――ごめんね」 申し訳なさそうに謝りながらも、彼女はどこかほっとしたような様子だ。

要:「謝ることは無いよっ」でも、本格的に調べないとマズそうだなぁ、と思っています。

GM:はい。ではこちらは以上で。


・ミドル3
シーンプレイヤー:御ヶ西 導

GM:導のシーンですが、こういう風に動きたい、とか、これを調査したいという要望はあるでしょうか?

導:そうですね……一応、2つの事件について調査することになっているわけですが、
まずは新しい手がかりから探っていきますかね。
留置所内で殺されたという2人の男について調べられますか。

GM:はい。では
・死亡した容疑者(〈情報:警察〉〈情報:裏社会〉)
となります。

導:では技能もある裏社会で。18です。

GM:うぅむ、さすが。全部出ました。

・死亡した容疑者(〈情報:警察〉〈情報:裏社会〉)
5 死亡したのは、武田と二階堂という、2人の男。コンビを組んで、チンピラまがいの犯罪を繰り返していた。
  主な行為は、恐喝や盗み、売春の斡旋、ポルノビデオの作成販売などだが、ただ一件、殺人の容疑が確定していた。
6 殺されたのは、下田美香という女子高生。6年前に2人と知り合い、後に殺されたという。
  当初は交友関係にあり、事件当時は2,3日ほど一緒に暮らしていたという。
  しかし金銭をめぐるトラブルで口論となり、ついカッとなって殺したのだという。
7 不審死の数日前から、2人は悪夢に悩まされていたようだ。
  殺した下田美香が、恨み事を言いながら迫ってくる夢だったらしいが……。
10 また2人は、「カラスの声が聞こえる」などとうわごとを言って怯えていたという。
   「夢の中でも、カラスが鳴いている。俺たちの罪を嗤っているんだ」と。

GM:以上です。隠し項目はありません。

導:なるほど。これはまず、下田美香という女子高生が怪しいかな、という結論になりますね。
カラスは現場に落ちていた黒い羽根とも一致しますし、不吉の象徴みたいなものですか。
ふむ……まずは、下田美香について調べるため、その親族などを当たっていくことにしましょう。

GM:はい。

導:では馴染みの情報屋に「今日も良い情報をありがとう。また世話になるよ」
とにこやかな笑みを浮かべて、影の中に立ち去ります。
「不吉な影……もしかすると、根は深いのかもしれないな」と一言残して置きましょうか。

GM:情報屋「ああ……気をつけろよ。最近、裏の世界も騒がしいからな」
その背中に忠告を投げつつ……。こちらからは以上ですかね。

導:「忠告ありがとう。気をつけることにするよ」と振り返らずに答えて、退場、ですかね。

GM:はい。絆の変更などは……まだ無い、でしょうかね(苦笑)。

導:OKです。とりあえず、絆の取得、変更はこのシーンではナシで。はい。


・ミドル4

シーンプレイヤー:山田八兵衛

GM:さて、八兵衛のシーンですが……どう動きます?

八兵衛:うーん。とりあえず、美香の住所に行きましょう。ついでに誰かと合流を狙いますよ。

GM:はい。美香の――下田の家は、都内の住宅街の静かな一角にあります。
家の前まで来るのには、特に支障はありませんでした。

八兵衛:はい

GM:美香「……見覚え、ある。――ここ、知ってる……気がする」

八兵衛:「美香、ここか?」ブローチを持ってきて。「よし」ドアチャイムを押そうとする。

要:「……あれ、はっちんじゃん。有希の家に何か用事があるの?」登場ー

八兵衛:「お、要!」嬉しそうな顔になる。
「有希ってのは誰だか知らないけど、ここは美香の家らしいから、やってきたんだ」

要:「やっほー。有希っていうのはあたしたちと同じ学年の子で、あたしの友達だよ。
…美香さんって隣の人? もしかして彼女サン?」

八兵衛:「かっ!」真っ赤になる

GM:美香「ちょっ!?」 こちらも慌てたり。

要:「あはは、分かりやすい反応だねぇ」ころころと笑って。

八兵衛:「ちちちちち、ちがっ、ちがうっ! 
もしそうならすごくうれしいけど、おれはおんなにはもてないし、
だいたいみかはあったばかりで、そーゆーのとはちがってだなっ」

要:「照れなくていいんだよ、はっちん。男の子だもんね」したり顔で頷いてる(ぁ

八兵衛:「ちっがーうっ! それはみかりんにしつれーだろっ」真っ赤になって(八兵衛は色素が薄い)抗議。

要:「……そなの?…そういえば、ちょっと透けてる、かな…?」目を細めてじーっと見る

八兵衛:「うん。みかりんはゆーれいだ。な?」美香に同意を求める

GM:ちょっとどころか、昔のSF映画のホログラムみたいに、青白く透けてます(爆)
美香「そ、そそそ、そうだよっ。ハチベーは、あたしに、き、協力してくれてるっ、だけでっ」

要:「へー。……って、はっちん動じないんだねぇ。それで、協力って何してるの?」

八兵衛:「動じないって幽霊ってことに動じるって事か? それならもういっぱい動じたからいいんだ」
無意味にいばる。
「うん、みかりんはちょっと記憶があやふやなんだ。だから、彼女の記憶を尋ねてるんだ。
で、ここでみかりんの家、だったみたいなんだよ。それが協力って事だ」

要:「……。………。えーっと、ごめん。あたし心当たりがあるんだけど…」

八兵衛:「心当たり?」首をかしげる……無意味に女らしく。

導:ではここで「失礼、その心当たりというのを聞かせてもらえますか?」と要の背後から登場しようかな。

八兵衛:「うひひゃう!?」導にびびる。

要:「うわっ!?」ビクッ、とその場で跳ねる。

八兵衛:「あんた、どっから現れた!?」

導:「どこからって……普通に、そこの道から、ですよ」と笑顔で。

要:「……あ、探偵さん。脅かさないでよ、もぅ」はぁ、と息を吐き。

導:「探偵をしている、御ヶ西です。よろしくね、お嬢さん方」と八兵衛と美香に。

八兵衛:「……たんてー?」

要:「うん、探偵。ちょっとだけ顔見知り、って言えばいいのかな?」

八兵衛:「へえ、すげえっ! 
あれだろ、煙草を吸うと頭が働いて犯人見つけられるんだろ!? はーどぼいるどなんだなっ!?」

導:「はは……私はそんな硬派な男じゃないですよ」と言って笑いますか。

要:「えーっと、導さんまで来ちゃったけど…ずっとここに居たら迷惑になるから移動しない?」

八兵衛:「家に入っちゃまずいのか?」

導:「ああ、私はこの家の方に話を聞こうと思って来たんですがね」

要:「んー、ちょっと、ね。もしかして、っていうのがあって。それも後で説明するから、ね?」

八兵衛:「みかりん、じゃあ、家にはいるのは後で良いか?」>美香に確認

GM:美香「あ――うん、いいよ。別に、急いではいないから」がっかりしたような、ほっとしたような――

八兵衛:「うん。じゃ、かなめっち」

GM:ともあれ、緊張の抜けた様子で、彼女は言う。

八兵衛:「どうするんだ?」

要:「そだね。近くの喫茶店でも行く?」

八兵衛:「俺はそれで良いぜ」

導:「それには私もついていっていいのかな?」と要に。

要:「あたしとしては導さんの話も聞きたいし、是非とも、だよ」

導:「良かった。こちらも、貴女に話を聞けるなら好都合です」と美香に。
「私は今、都内連続火災と、ある殺人事件について調べています……おそらく、貴女に関係している……ね」

GM:美香「っ、う、うん」――答えながらも、彼女は八兵衛の後ろに隠れます。
本能的に、キミの死神の気配を感じて怯えているようですね。

八兵衛:「どーゆーことか分からないけど、説明してくれるんだろ?」美香をかばいながら。
「みかりん、へーきだ。俺はみかりんの味方だぞ」美香を撫でる

導:「勇ましいですね。私よりよっぽど男らしいじゃないですか」

要:「導さん、女の人を怯えさせちゃ駄目だよ? それと、はっちんは否定してた割にそれっぽいよねぇ」ニヤ

八兵衛:「へっへーん!」いばる。たゆん。「う、うるせえっ! かっこつけさせろよっ!」>彼女らしいといわれて

GM:美香「うん…だい、丈夫、大丈夫……だよ」 深呼吸して、落ちつきながら、美香は顔を上げる。

要:「まぁ、いいや。それじゃ行こうか~」 という訳で場所変えてもいいでしょうか?

導:OKです。

八兵衛:はい。

導:では美香の様子を見て。
「(ふむ……他者を殺すために積極的に動いている風でもない。無意識の犯行なのか、それとも……?)」
と思案しておきましょう。

GM:場所換えとなると、一度シーンをきりましょうか。絆の変更など、ありましたらどうぞ。

八兵衛:では導に絆を結んでおきましょう。内容は「尊敬:探偵かっこいー」で

要:では、八兵衛に絆/興味を。反応が面白いなぁ、と思ってます

導:ではこちらは……先に顔見知りの要に取りますか。とりあえず絆:友情で。要も言動がいちいち面白い。

GM:はい。では以上で。


・ミドル5
シーンプレイヤー:羽吹要

GM:直後のシーンとなります。
場所は…PLにお任せですが、前の流れだと喫茶店――エンジェルハートとかかな。

要:了解しました。

導:じゃぁ店内に入って、悠木天衣に「個室いいか?」と目で。

天衣「あら……。ええ、奥の個室が空いているわ。出る時には、カウンターに声を掛けていってね」
それだけ言って、彼女は奥に通します。

要:「…それじゃ、あたしから話すけど……先に美香さんには謝らないといけないかも」
席について。オズオズと、美香の方を見て。

GM:美香「う、うん。……?」 よく分かっていないような顔で、頷く。

八兵衛:「?」

要:「えっと、あたしが止めた理由は有希に関係してるんだけど…」
少し悩んでから、有希の夢の話など、こっちが知ってることを全部話します。
本人の霊が来るなんて出来すぎてるから関係あるでしょうし。

八兵衛:「みかりん、お前そんなことしてたのか?」

導:では、美香の挙動や返答を注視します。

GM:美香「あ、あたし――そんなこと――してた――の?」
戸惑った感じで、逆に尋ね返すように、そう呟くが――。

八兵衛:「やってないなら、そう言えよ。俺は信じるぞ」

GM:美香「わか、らない。
あたし、気が付いたら、あそこで――ハチベーと会った場所にいて、その前の事、覚えてなくて……。
でも、……なんだろう、有希――妹がいたって聞くと――なんか、胸の奥がもやもやして、苦しくなる――」

八兵衛:「みかりん。なら決まりだ」

要:「そんなことがあったから、あたしは止めたんだけど…記憶が無いんだったら、悪いことしちゃったかな」
しゅん、と萎れてます。

八兵衛:「その妹さん、有希ちゃんと会おうぜ」

導:「……記憶があやふやで、シロと断定できない今の時点では、迂闊な行動は取らない方がいいでしょうね」
と静かに言いますか。
「その有希くんという少女……危ないかもしれません」と言って、こちらの情報を話しましょう。
容疑者二人が下田美香を悪夢に見て数日後に、不審死を遂げたという話を。

要:「……夢に出てきて…カラスが………どっちも、有希に当てはまっちゃう」さっと顔が青くなる

八兵衛:「みかりん、何も知らないんだぜ。白に決まってる! 
悪いのはあれだろ。その鴉だろ」当てずっぽうで適当いう八兵衛。

GM:ふむ、皆にその情報を打ち明ける、と。

導:そうですね。美香に聞かせるのは不安ですが、まずは反応を見てみるということで。

GM:では、聞いた美香ですが、「武田……二階堂……」
名前の響きを確かめるように、口の中で呟いて考え込むと……
やがてスゥッと布でふき取ったように、彼女の顔から表情が落ちる。
「……知ってる。その2人、思い出して、きた」

導:では、音もなくスッと立ち上がり。「美香さん?」と呼びかけてみます。

GM:美香「ああ――お金が欲しいって、言った。体を張ったんだから、あたしにもっと分け前をって――
そしたら、あいつ、不機嫌になって――目玉が、どこかに飛んでっちゃいそうなショックで――
ああ、殴られたんだって、遅れて気付いて――どうしようって、あいつが言った。
そしたらもう一人が、埋めちまおうって――体を持ち上げられて、物みたいに運ばれて」

八兵衛:「みか、りん……?」

要:「……え、美香、さん?」どうすればいいのか分からずオロオロと

GM:美香「車で――泥くさくて埃っぽいとこに――土が、あぁ……あたしの、顔に――」
話しながら、彼女の体が小刻みに震え始める。「それから、それから……鳥の、カラスの、声が」

導:「……カラスがどうしましたか?」とそのまま質問を続けようとしますが。

GM:美香「……ん、よく、分から、ない」がっくりと虚脱状態になって、彼女は言葉を切る。

要:「……ごめん。悪いことしちゃったかな」その様子を見て

導:「いいえ。要くんが聞かなくても、私が聞いていました」と言って座りなおします。

八兵衛:「……な、なあいまの……みかりんの、最期の……?」

要:「多分ね。それ、思い出させちゃったんだと思う」

八兵衛:「……こ、殺された?」

要:「……もうちょっと、調べなきゃ、だね。多分、その時に何かあったんだよ」

導:「6年前、美香さんが失踪した後のことですね。
下手に裏社会に関わってしまったのなら……仕方のないことと言えるかもしれません」

八兵衛:「みかりん、どうする?」

GM:美香「あ……え?」 のろのろと、生気の薄れた顔を持ち上げる。

導:では、心配は八兵衛に任せて。美香からカラスを辿る線は今のところまでかな。
一応GMに確認ですが、美香自身からカラスの気配はしますか?

GM:ふむ…では〈魔力〉で判定をどうぞ。

導:ぶふw 〈魔力〉は苦手です^^; 10。

GM:うむ……よく分からない。が。…心なしか、先ほどより彼女の気が暗くなっているような印象を受ける。

導:魔の側に引きずられている、ということですかね。あまり突っ込みすぎるのも良くないか……?

GM:確かに、あまり良い霊気とはいえないね。広い意味では…キミの感じた気と同質のものだから。

八兵衛:「みかりん。
俺は頭が悪いから、なにが最善かは分からないけど。俺はみかりんの味方だと決めたし、協力するぜ。
どうしたい? 家に行くか? それともこのカラスについて調べるか?」

GM:美香「ハチベー……どうしたら、いいかな。あたし、こわく、なってきちゃった。このまま、本当の事、知るの」

八兵衛:「うん。そうだよな。けどさ、みかりん。
俺、無責任なことしか言えないけど、これ、人の命、かかってる臭いじゃん。
だからさ。出来たら、調べたほうが良いと思うんだ」

GM:美香「あたし……」 少し、躊躇うようなそぶりを見せるが…こっくりと、頷く。

八兵衛:「なあ、妹さんのこと、どう思ってた?」

GM:美香「……漠然と、思いだしてきた。あたし…あの子が、好きじゃなかった。
あの子は…可愛くて、頭もよくて、優しくて……皆が構ってくれる。あたしは……」
言葉を切って、かぶりをふる。

八兵衛:「いいじゃん、嫌いでも」

要:「美香さん。あたし、有希から色々と話を聞いたんだ。
確かに、貴方が言うように好きじゃなかったのかもしれないけど…
でも、時々、凄く良いお姉さんの表情を見せてくれることもあるって。
美香さんは…好きじゃなかったのかもしれないけど、本当に嫌いだったのかな? 
あたしは、違う、って思いたいな。
まだ、はっきりとはしないかもだけど、あたしは違うと思うんだ。根拠も何もないんだけどね」

GM:美香「……どう、なのかな?」 自分の感情の事なのに、自信のない声で、言う。

八兵衛:「だからさ。いいじゃん、それは慌てなくても。良いじゃん、嫌いでも」

GM:美香「うん……有希と、会うの……やっぱり、すごくこわい。けど……会うよ、私」

八兵衛:「えらいっ」また笑いかける。

GM:美香「えへっ」 年相応に、はにかんだように笑う。

導:「決まりだね。要くん、有希くんのケアを頼めるかな?」と振っておこう。

要:「りょーかい。寧ろ、あたしはそうするつもりだったからね。
……何か悪いことが起こっても、何とか対応できれば一番なんだけど、ね」

導:「ええ。ただ、これははっきりさせましょう」と八兵衛に、
「私はまだ美香さんを完全にシロだとは思っていません。何か起きた時には、相応の対処をします」と言っておこう。

八兵衛:「いいぜ。俺はみかりんをそうじゃないと思ってる。だから問題ない」

要:「おー、はっちん格好いいねぇ。惚れちゃうかも?」茶化して笑い

八兵衛:「うるせーー」照れる赤くなる

要:「でも、有希が狙われてる? でいいのかな。
兎に角、良くないことが起こってるのは確かだから、それについての情報は導さんに任せて大丈夫かな?」

導:「任されました」と。こちらは八兵衛に対してはふっ、と笑うだけで。

GM:では…こんなところですかね。絆などの変更はありますか?

八兵衛:ないでーす。

要:んー、今は保留で。

導:では導は、美香に対してエゴ:追究を取っておきますかね。最終的にひっくり返るでしょう。

GM:ふふ…そうなるといいですね(謎笑)


・ミドル6
シーンプレイヤー:御ヶ西 導

GM:さて、有希に会う、という結論をだして、喫茶店を出たところですが……。導の携帯に、着信が掛かります。

導:出ます。「はい、御ヶ西ですが」長沢さんかな?

GM:その通りです。「もしもし、御ヶ西か? 調査はどんな塩梅だ?」

導:では「たった今、関係者……下田美香さんとの接触に成功したところです。
これから、より詳しい話を聞こうと言うところです」
美香の名前も出してしまいましょう。

GM:長沢「下田美香……だと? どういうことだ? その名前は、確か殺された被害者の……」

導:「ええ……留置所内で死んだ武田、二階堂が殺害した被害者です」と一息置いて、
「どうやら、幽体として現世に留まってしまったようです。時間によるものか、記憶は一部欠落していました。
現在のところ彼女が犯人であるという証拠も、火災事件との関連も見つかっていません。
これから、武田、二階堂と同じような悪夢を見ているという、下田家の妹さんのところで話を聞いてみるつもりです」

GM:長沢「なるほどな……そんな事になっていたとは。
こちらも手掛かりになりそうな情報を集めていたが、その下田家について、ちょっと気になるものがあった」

導:「伺います」 うむ、下田家に何かあるかとは思っていたが……何だろう?

GM:長沢「下田家では1週間くらい前から、夫人が伏せっているらしい。
近所の噂では、『娘の霊の祟りだ』となどと囁かれているようだ。
今のお前さんの話を、裏付けるような情報だな。一度、その家にしっかりと話を聞きに行った方がいいかもしれん」

導:「娘の霊の祟り……ですか? 何か理由があってのことですか?」母親の夢枕にも美香が立っているのかな?

GM:長沢「……一時期、家庭がひどく荒れていたそうでな。
それと、娘の失踪当時の状況について……噂の種になるエピソードがある」

導:ふむ。美香の事件が明るみになって広まったのかもしれないな。
「それは気になりますね。本人が忘れてしまった、現世への未練の手がかりになるでしょう」

GM:長沢「下田美香の失踪届が出されたのは、彼女が死んで4日ほど経った後の事だった。
彼女が失踪――家出をした時点からは、丸々2週間近くが経っていたという事だ」

導:「随分と、失踪届が出たのが遅かったのですね」心配してもらえなかった恨み……ということになっているのかな。

GM:長沢「その長いブランクについて、色々な話が立っている。
中には、家族連中は美香が死ぬのを待って警察に届けたんだ、というものも混じっている」

導:それについては噂の種になるだろうなぁ。「なるほど……では、その辺りもそれとなく確認してみましょう」

GM:長沢「ああ。お前の身元は、こちらで手配しておこう。警察官のふりをして、堂々と乗り込んでいけばいい」

導:「それはどうも。活用させて頂きますよ」
美香が死ぬのを待って、か。普通は死んだかどうか判るものでもないだろうが……。少し気になるかな。

GM:長沢「頼む」 ――そこまで離して、電話が切れる。

導:了解です。「では」と言って、皆の方に戻りましょう。
「お待たせしました。では行きましょうか」と戻ってきます。

要:「あ、お帰りなさい。何か新しいことでも分かったのかな?」登場します。

導:「ええ。美香さんの死亡当時の下田家の動きについてだったのですが……少し、詳しくお話を聞く必要がありそうです。
……何か、あるかもしれません」真剣な目で。

要:「……思ったよりも深刻だなぁ。有希の話じゃ両親はちゃんと接してたって言ってたんだけど」
GM、その当時の下田家について調べる事って出来ますか?

GM:そうですね……「下田美香」の項目で、出る事にしましょうか。

導:「まぁ、下田家に何かあるというのは、私の勘です。推測ではお話は出来ませんからね」とちょっと笑って。

GM:・下田美香(〈交渉〉〈情報:噂話〉) となります。

導:「何にしろ、美香さん自身について、もう少し詳しく調査する必要がありそうです」と。

要:「それじゃ、ちょっと調べてみないとね。今のままじゃ曖昧な所が多くて判断が難しいし」
という訳で噂話で判定します。技能、情報屋アリで。
ふむ、なかなか。15です。

GM:はい。これで全部出ました。

導:では、これは任せたことにしましょうか。

・下田美香(〈交渉〉〈情報:噂話〉)
5 6年前に亡くなったという女子高生。
  1月前、暴行容疑で捕まった男達の告白により、埼玉県の山中より白骨化した遺体で発見されている。
7 存命当時の彼女の評判は、はっきり言って悪かった。相当な不良少女で、悪い仲間と派手に遊んでいたという。
8 我儘を言ってばかりで、家族とも不仲だった。
  当時から無断での夜遊びや外泊も珍しくなかったので、
  失踪後に捜索願が警察に届けられたのは、家出から2週間が経った後だった。
  この時、既に彼女は亡くなっていた。
  「家族から見放されていたのだろう」と、当時を知る人間の大半は証言している。

GM:以上となります。……あまり真新しい情報は無かったかな。
補足として、当時の彼女の荒れ具合が、相当なものだったという話を聞けます。警察にも補導歴がありました。

要:「あー、特に変化無しかぁ。……普段の行動も、関係してたみたいだね」

導:GMに確認します。非行の原因が家族との不仲なのか、家族との不仲の原因が非行なのか、どちらに見えますか?

GM:さて……情報からは、そこまでは読み取れないでしょうね

導:なるほど、了解しました。

要:私からはこれくらいですかね。

導:では、そんなところで。話を聞きに下田家に突貫してみますか。

GM:はい。何もなければ、一度シーンを切ろう思いますが…。絆の変化などはありますか?

要:特に変化は無しで

導:こちらもまだなしで。

GM:はい。ではシーンを切ります。


・ミドル7
シーンプレイヤー:山田八兵衛

GM:相談を終えて、下田家の前に戻ってきました。改めて、皆で玄関の前に立っている…という状況です。

導:「お待たせしました」と八兵衛たちに追いつく感じですかね。

八兵衛:「おそいぞー」膨れて「じゃあ、いくぞ」チャイムを押そうとして「みかりん、いいか?」確認を取る。

GM:美香「……うん」 強張った顔で、こくんと頷く。

八兵衛:ではチャイムを押す

GM:有希「――はい。どちらさまでしょう」 玄関のドアを開けて顔を見せたのは…有希だ。

要:「………」少し後ろで様子を覗っています

八兵衛:「こここ、こんにちわこんにちわ」緊張している

GM:見比べてみると…確かに美香に似た面影もあるけど、彼女は優しそうな顔立ちで、確かに人好きがする雰囲気をしている。

八兵衛:「おお、おおれは、えっと、やや、山田八兵衛と言います。
そそ、それで、えっと。みかりん、じゃない。みみ、美香さんのことについて」

GM:有希「あ、その、まあ落ち着いて――っ、ねえさ……姉の、ことについて?」

八兵衛:「おお、うか、がい、しまし、た。あい」

GM:有希「……何故、姉の事を知りたいんです」 少し警戒したように目を吊り上げる。
……そうすると、八兵衛は美香によく似た顔になるのが分かる。

八兵衛:「おおお、おねーさんにたのまれて……」しどろもどろに

要:「あー、有希、信じられないかもしれないけど、ちょっと話を聞いてもらっていいかな?」少し困ったように。

GM:有希「え? 要?」 

要:「そ、あたし。いきなりで途惑ってるだろうけど、ちょっとお話聞いて貰いたいな、って。
それと、はっちんも少しリラックスしたほうが良いよ」苦笑

導:「(八兵衛くんは頑張っているなぁ……)」と微笑ましく見つつ。

GM:有希「よく分からないけど……要の友達なのね。それで、そちらの方は――?」  困惑したように、導に目をやって

導:では「池袋署の方で美香さんの事件の捜査協力をしています、御ヶ西と申します」と名乗りましょう。
「……まぁ、雇われの探偵ですが」と。

GM:有希「っ――警察の、方ですか。先ほど、連絡がありました……」

導:「美香さんの失踪当時の詳しい状況等のお話を伺いに参りました。少し、お時間よろしいですか?」

GM:有希「それは……正直言って、私はあの当時の事、何も知らないし、覚えていないのです。
お話は……父が承るそうです」 顔を伏せながら。

八兵衛:「あぅぅ……」みんなに落ち着けといわれて涙目

導:ではそこで
「ああ、それだけではないのです。それともう一つ。
貴女が最近見ていたという夢についても、少し教えていただきたいことがあります」と補足を。

GM:有希「――っ、夢、ですか」 青ざめた顔で、有希はキミを見る。「それは……捜査に必要な事なんでしょうか?」

導:薄く笑って、「ええ。この事件の捜査に関しては、不確かなものを信じ、見つめる心が必要だと考えています」

GM:有希「分かりました。どうぞ奥へ……」 皆を中へ案内してくれます

要:「あぁ、もう。そうやって不安にさせるようなことを言って…」ため息ひとつ。
ところで、美香さんの反応はどうかな?

導:「ふふふ……良いではないですか。
彼女には夢見が悪いと言うだけのことを、本気で心配してくれる友達がいるのですから」と、要に笑いかけておきます。

GM:美香「……。…また、少し思いだしてきた。…美人になったね」
懐かしむような、羨むような声音で、美香は有希の後ろ姿を見つめる。

八兵衛:「うん。けど、えっとえっと。みかりんも美人だぜ」

GM:美香「――あはは、ありがと、ハチベーっ」 少し寂しそうな笑みを浮かべる。
…要なら、気付くかな。そんな顔をすると、有希に印象が似てくる事に。

要:「………」ああ、本当に姉妹なんだなぁ、と思ってます

導:じゃ、「お邪魔します」と言って、音もなく有希の後に続きますよ。

八兵衛:「お邪魔しまーす」

GM:さて奥に案内されると、先に待っていた一人の男性がキミたちに…というより、導に向かって、深々と一礼します。

導:では、礼を返します。

要:「えっと、あたしたち、居ない方がいいのかな」ぼそぼそと八兵衛さんに

GM:男「下田浩一です。……あの子の事で、お話があるとか」
印象は――良く言えば真面目で大人しそうな――悪く言えば、気弱そうな風貌をしている。

八兵衛:「そうみたいだな」ぼそぼそ>要

導:「はい。お話を伺います。……おそらくは、少し深いところまで」と。

GM:では、そんな後ろの年少組の気配を察して、浩一が口を開きます。
浩一「申し訳ありません。妻がふせって、家の中の事がおざなりで、
来客があるのに、お茶菓子も切らしているというありさまで……
有希、皆さんのお菓子を買いに行ってきてくれるか?」
有希「あ、はい。……要、それと、お友達の方も……よかったら、手伝ってもらえますか?」

要:「あ、うん。分かったよ」ほっとしたように。

八兵衛:「八兵衛だ。手伝うぜ」

GM:有希「――ふふっ、ありがとう。それじゃ、行こうか」

要:「……」そっちは任せたと導さんに目配せしておきます

導:では、一応「どうぞ、おかまいなく」とは言いますが、こちらも目で要に「そちらは頼みましたよ」、と合図。

GM:それでは、PCが分かれるので、ここでいったんシーンを切りたいと思います。絆の変更などはありますか?

導:こちらはナシで。

八兵衛:なしです

要:無いです

GM:それでは 


・ミドル8
シーンプレイヤー:羽吹要

GM:有希と共に近所に買い物に行く途中です。
有希「ごめんなさいね。居心地の悪い思いをさせちゃって」

要:「ん、あれは仕方がないって。それに、あたしは有希に用事があったから丁度良いし」

GM:有希「夢が知りたい……か」 暗い顔で、有希は呟く。

要:「今、有希がそれについて悩んでることも知ってるし、悪いとは思うんだけど、ね。本当に、ごめん」頭を下げて

GM:有希「あれ以来、しばらく見てないから……ただの夢だとは思うんだけど……それで、何? 
私に用って? やっぱり…夢の話?」

要:「ん、そうだね。あれから色々と気になっちゃって。有希、本当に見てて不安だったから」

八兵衛:「なーなー。夢?」

GM:有希「前にも話した事以上には、あまり話せる事もないけれど……
姉さんが出てきて、恨み言を言って、私に迫ってくる……」

要:「でも、しばらく見てないんだ…。何か、変わったことでもあった?」

GM:有希「……ああ、それと……カラスの声が聞こえたんだ。
夢の最後の方で、甲高い鳴き声のカラスの声が――なんだか笑っているみたいな、気味の悪い声だった」

要:「それは、前には言ってなかったね。……やっぱり、お姉さんのこと、気にしちゃう?」おずおずと

GM:有希「うん……やっぱり、姉さんは私を怨んでるのかなって……」
美香「……」
有希「姉さんは、私を良く思ってなくて……私も、姉さんが怖くて……だから……。
どうして……こんな風になっちゃったんだろ。なんで、仲良くできなかったんだろ」

要:「……ごめんね。
こうやって色々と聞かせてもらってるのに、何が正しいのかは、答えられそうにないや。本当に、ごめん」

八兵衛:「……俺もさー。かーさんがあーなってから、本当に後悔したしさー。あ、横からごめん」

要:「ううん、あたしじゃこれ以上は無理っぽいし…お願い」

GM:有希「うん? あなたも、もしかして……?」 気を遣って、控えめな言葉を掛ける。

八兵衛:「うん。まあ、そんな感じ。
いつでも居ると思っていたら、いつの間にか……それでもできることをするしかないんだけどさ」

GM:有希「出来る事……今から私に、何ができるのかな――」

八兵衛:「あるさ。おねーさんの事、好きだったろ? 俺は好きだったぞ。だから忘れないであげれば良いんだ」

GM:有希「――あ、わた、し――」 
『好きだったろ?』という言葉を聞いた瞬間――有希の顔が、はっきりと強張った――。

要:「……有希?」

GM:それと同時に、どこかから、しゃがれたカラスの声が聞こえてくる。声は、徐々に大きく……。

要:「……!?」周囲を見渡して声の元を探ります。

GM:声は木霊するように、わんわんと空から鳴り響いてくる。
同時に、辺りの電柱の、電線の上に、本物のカラスが、無数に群れ始めた。
そのまま、無数のカラスの群れは、君たちめがけて突っ込んでくる。

八兵衛:「うっえっ! なんだぁ!?」

要:「うわっ!?」有希を庇うように立ちます。

GM:ただのカラスだが、数が多すぎる。
黒い奔流にのみ込まれて、もみくちゃにされ、君たちは立ってるのか、倒れているのかもわからない状態になり――。
気が付くと――どうにか君たちは無傷のままだ。――キミたち2人は。

要:「……あ、れ…。有希、は…」思わず周囲を確認します。

GM:有希の姿は無い。…そして美香の姿も。

八兵衛:「ええっ!? あ、みかりん!?」

要:「え、二人とも!?」

GM:目に見える手掛かりはないが――巨大な妖気の塊が通り過ぎて行った痕跡が続いている。

要:追いかけることは可能ですか?

GM:可能です。ただ……直感でわかります。この先は敵の領域になっている、という事が。

八兵衛:「いくぞっ」躊躇せずに追いかけます。

要:「あぁ、言っちゃうの!? ……よし!」導さんに連絡を入れてから、こちらも追いかけます

GM:はい。こんなところで、いったんシーンを切ろうと思うのですが…絆の変更などはありますか?

八兵衛:まあ、有希に取ります。そろそろクライマックスと見た。取るのはここらのタイミング。絆/同情:大変だったな。

要:美香に絆/救済を。彼女も何か苦しんでいるので。それと、八兵衛の絆を尊敬に変更します。
さっきの言葉は自分には出来なかったものなので。

GM:はい。それでは、シーンを切りたいと思います。


・ミドル9
シーンプレイヤー:御ヶ西 導

GM:お待たせしました。時間が少しまき戻り…3人が出て行った後のシーンです。
キミの質問に、浩一はぽつぽつと、話を始める。
「私たちは……家族として上手くやれていたとは、言えませんでした」

導:黙って聞きます。

GM:浩一「物心ついてしばらくしてから、美香はよく我儘を言うようになり……
最初はそれでも、どうにか折り合いを付けていられました。
しかし有希が生まれて、私たちがそちらの育児に時間を取られるようになると、美香の態度は目に見えて荒れて行きました
親の私が言うのもなんですが……有希は素直で聞き分けのいい、良い子です。対して美香は我が強く、気難しい子でした。
2人を比べて、貶めるつもりなんて無かった……そう、振舞っていたつもりです。
しかし美香には、そうは見えなかったのかもしれません。
やがて、悪い仲間と付き合い、悪い遊びを覚えるようになって……何度か止めようとしましたが、ダメでした。
6年前――有希の誕生日の事です。私の姉――娘達からすれば伯母です――が、有希にブローチをプレゼントしました。
それを、美香は取り上げたのです。
姉は行儀や礼儀に厳しい人間で、普段から有希を可愛がり、美香には厳しく当たっていました。だからあの日も……。
すぐ見つけた私たちと口論となり、腹を立てた美香は、そのまま家を飛び出して行きました。
あの時にはもう、家には週のうち3日ぐらいしかいないような状態でした。だから……いえ、何を言っても言い訳ですね。
ええ、そうです――白状すれば、私ももう、あの子を更生させるのは、半ば諦めていました。
だから帰ってこなくても、深刻に考えなかった。
……今も時々、考えます。――もし、もしあの時、すぐに警察に捜索願を出していたら――と。…………今更ですね。
――聞き苦しい話をしてしまいました。すみません」
言って、浩一は頭を下げる。

導:「いえ……」話している最中の浩一の様子はどうでしたか?

GM:怪しい気配はありませんでしたね。
「……警察は、私どもを疑っておいでですか?」 静かな声で、浩一は訊く。
「近所で、なんと噂されているかは存じております。
娘の霊の祟りなどと言われていますが――あるいはそうかもしれない、と、思ってもいます」

導:「正直、ご家族を疑うべき点はありません。しかし、世間の噂はそのようになっていますね。
あなた方が失踪届を遅れて提出したのは、美香さんが死んでしまうのを待ったからだと――何か心当たりでも?」

GM:浩一「人づてに聞いたのですが……あの子の遺体が発掘された時、カラスがブローチと骨の一部を盗っていったと……
あれも、何かの験しだったのかもしれません」

導:「つまり、カラスに取られていったブローチと骨が、美香さんの恨みを現世に残している、と……?」

GM:浩一「かも…しれません」 顔を伏せて、呻くように浩一は言う。
――さて。
カラスに関する情報が揃ってきたので、判定ができます。

・カラスの魔物(〈知識〉、〈情報:魔物〉)

導:ここは最高出力で行きましょうか。情報屋と出自の記録者まで使います。
〈情報:魔物〉で2d6+11……低めか。16。

GM:全部出ましたね。

・カラスの魔物(〈知識〉、〈情報:魔物〉)  *開示条件:浩一から話を聞いた
5 死体や死者の霊魂を餌にする魔物と考えられる。
7 陰摩羅鬼(オンモラキ)という妖怪ではないだろうか。死者の想念から生まれ、同じ霊を餌とする妖鳥である。
  燃えるように光る目を持ち、体内に黄泉の炎を宿すと言われる。
  死体から霊の残滓や、未練、末期の念などを啜りあげて、自らの力としている。
9 年を経た、力のあるオンモラキは、他者の邪念を嗅ぎとり、心を読む事が出来ると言われている。
  また『その目を見た者は、自らの悪心を焼かれて自滅する』などとも伝えられる。
  それらの力で、浮遊霊を悪の道に引き込んで悪霊とし、自らの手先として使役する。
  また生者を誑かして、死に引き込み、その魂を貪るという。

GM:以上です。隠し項目はありません。

導:なるほど……。
では。「恨み、後悔……負の感情により人の魂を滅ぼし貪るもの、陰摩羅鬼……ですか」と。
静かに、浩一には聞こえないように。「火災事件とのつながりも、これでできましたね……」

GM:では、そんなところで、携帯に着信が来ます。

導:では「お話、大いに参考になりました。ありがとうございます」
と言ったところで、長沢からかな? と携帯の画面を見てみると……。

GM:要から――で、いいですかね?>要

要:はいな。

導:では「ああ、要くん。こちらは重要なお話が聞けましたよ」と。

要:「ごめん! 余裕無いから一方的に言うよ!」と起こった事情を簡潔に説明します

導:「……それは本当ですか!?」通話内容を浩一にバレないようにしつつ。「解りました。至急向かいます!」

要:「うん、お願い!」そう言うと通話は切れる。

導:では、「捜査に進展があったようです。突然ですが失礼しますね」
と動揺を気取られないように、急いで連絡のあった場所に向かいます。

GM:では、こんなところでシーンを切ろうと思いますが…絆の変更などはありますか?

導:陰摩羅鬼に[絆:執行]を取得し、美香のエゴを[絆:救済]に、初期の使命のエゴを[絆:希求]に変更します。
宿命に従い、鎌を振り下ろすこと。それが誰かの希望につながれば……。というところで。


・ミドル10
マスターシーン Pc登場不可

GM:通常の方法では登場は出来ません。つまり……というシーンです。

無人の街の一角。
美香はぼんやりと、独りでたたずんでいる。
やがて、夢から覚めたように我に返り、慌ててあたりを見回す。

美香「――え? ハチベー? カナメ? 探偵さん?
誰か――誰も、いない?
独り――あたし、独り、なの?
嫌だよ……独りは、嫌だよ……
どこにも居場所が無い……あたし、あたし……」

?「カカッ、そうだなァ、お前は独り、誰にも受け入れられない。だからオレの言葉を聞けた。そうだよなァ?」

耳障りな声とともに、美香の前に、夕空から1羽のカラスが舞い降りる。
その目は――炉の中の炎のように、赤々と燃え盛っている。

美香「なっ、あ、あんたは……」

オンモラキ「カカッ、探したぞ美香ァ。死霊課の犬に邪魔されたせいで面倒なことになったが、それもここまでだァ。
カカッ、さあ思い出せよ、お前の未練をよォ」

赤い目が、美香の目と正面から合わせられる。美香の目に、赤い輝きが映り込む。

オンモラキ「まだ若かったのに、お前は死んだ。誰のせいだ? 
家族の、妹のせいだ――仕返ししたいって、そう思ったよなァ?」

美香「あたし……は……」

オンモラキ「土に埋められる寸前、思ったよなァ? 
『有希のせいだ。有希のせいで、あたしはとうとう命まで無くしちゃった。悔しい』
――カカッ、その恨み、晴らさなくていいのかァ?」

美香「……あ、あ……」

オンモラキ「そして……お前も死ぬべきなんだよォ、カカッ、分かるだろォ、有希ィ?」

オンモラキが首をめぐらせると――そちらにはやはり虚脱状態の有希がいたが…我に返ると、悲鳴を上げる。

有希「ね、ねえさ、ん!?」

オンモラキ「カカッ、有希ィ、お前の罪を、償う時が来たぜェ? さあ美香、殺しちまえよォ、ひと思いによォ」

美香「あ……ああ」 

美香の体から、黒い――悪霊のまとう瘴気が立ち上り始める…

美香「思い、出した……」

オンモラキ「そうだなァ、そして、オレが教えてやったことも、思いだしたろォ?」

美香「有、希ぃ――あんたは――あんたばかり――いつも、いつも――あんたの、せいで――」

赤く光る眼で有希を見つめながら、美香はそろそろと近づく。

有希「ひぃっ!? やだ、やだやだやだ!?」

オンモラキ「『なんで私が、こんな目に遭わなくちゃいけないの?』
そう、思ったなァ? カカッ、それがお前の罪だなァ。
お前の事は、何でも知っている。本当は、美香が嫌いだった事もなァ!
すぐ自分を叩いたり、ひがんだり、意地悪をしてきたり――怖かったよなァ? 迷惑だったよなァ? 
だからいなくなって、ほっとしたよなァ。子供心によォ。
カカ、美香の骨が見つかった時、思ったよなぁ? 『可哀そう』って。それから『良かった』って。
そして、こうも思ったよなァ、――『自業自得、ああはなりたくないな』ってよォ!」 

有希「やだ、やめてぇっ」 子供のように耳を塞ぎ、首を振って、有希は泣き叫ぶ。

オンモラキ「今は、こう思っているなァ? 
『なんで今更、姉さんなんかに祟られなきゃいけないの。
勝手に飛び出して行って、勝手に事件に巻き込まれて、自業自得の癖に』。
カカ、『早く成仏して、消えて、イナクナッテ』
『姉さんは疫病神だ。私の人生にどこまでも不幸を運んでくる。死んでからも離してくれない。もう嫌だよ』
カカッ、『いっそ、最初から居――』」

有希「っ!! ぃやぁぁっーー!! ゆるして! ゆるしてぇぇ!!」 
有希は座り込んで、泣き出す。

オンモラキ「カカ、ひでえ妹だよなァ、――どうするよォ美香ァ? こいつらをよォ。
お前の事なんか、要らないんだってよォ。
カカッ、殺しちまえよォ~、お前の事なんか、要らないって思った家族なんかよォ」

美香「あ…たしは…は…」

直前まで近づいて――そこで美香は足を止める。
オンモラキ「どうした美香ァ? やらねえのかァ?
カカッ、いいのかァ? 誰もお前を気にかけてないのに。
お前のいなくなった場所で、みんな、みィんな幸せ――ただ一人、お前を除いてなァ、カカカカッ! 
それで、いいのかァ? 許せるかァ?」

美香「っ!、ゆる……せない」

オンモラキ「なら、やちっちまえよォ。カカ、カカカカッ!」

要:〔SA:有希を救う〕を使用。登場します。

GM:はい

要:「あー、ホント、嫌な鳥さんだねぇ」唐突に声が響き。符を構え、周囲を切り取るようにして現れる。
「人の弱みを刺激して、自分は高見の見物? 趣味悪いったらありゃしないよ」そう良いながら、有希の前に立つ。

GM:オンモラキ「カ? 魔の匂いがするなァ、お前、半魔かァ」

要:「……知られたくはなかったんだけどねぇ。…大丈夫、有希?」

GM:有希「ごんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい!」 キミの声が届いて居る様子はない…。

要:「……。許さない。あたしは、あたしの友達をこうしたお前を許さないよ」睨み付けて

GM:オンモラキ「カカッ、オレの力は本物だァ。本当に、その娘の心から汲み取ったもの。
有希はなァ、ずっと隠してきたのよォ、醜い本心ってやつをよォ。
なのに何故、オレが責められる、カカカカッ」

要:「清廉潔白なんてありえない、と思ってるから。誰もが絶対、知られたくない本心を持ってるから。
そしてそれを無理に暴くお前は気に食わないし、許さない。……これじゃ不満?嫌な鳥さん」

GM:オンモラキ「カカッ、それで、どうする気だァ? まさか一人で、オレを倒すつもりかァ?」

導:[SA:犯人を突き止める]で登場。ぬるりと要の影から立ち上がります。
「連絡を受けて、後を追って来たんですが……遅くなってしまいましたね」

要:「大事なところに間に合えば大丈夫だよ。……それよりも、助かった」

導:「まさか。一人で純粋な魔と戦わせるわけにはいきませんからね」と笑います。

GM:オンモラキ「カッ? お前、死神かァ。カカッ、冥府の小役人風情が、不愉快なツラを見せるか。
お前らには何度も、食事の邪魔をされたからなァ。こんなところまで邪魔に来るかァ」
キミを見て、憎々しげに言い放つ。

導:その笑みを消して陰摩羅鬼の方を向き。「妖鳥陰摩羅鬼……火災からつながる今回の事件、あなたの仕業でしたか。
私たち死神は、死者に安らかな眠りと、新たな運命をもたらすのが役目。
死者に永劫の苦しみを与え、生者に理より外れた死をもたらすあなたを、見逃しておくわけにはいきませんね」

GM:オンモラキ「カカッ、どこまでも邪魔な奴らだァ……だが、今回は遅かったなァ」
不敵な声で、オンモラキは笑う。
「美香ァ! さっさとこいつらを片づけろォ! お前の未練を晴らすためになァ!」

八兵衛:「そこまでだ!」SA:美香を助けるで登場します。

GM:美香「う…ああ! あ、あたし…は…あた、しは」

八兵衛:「みかりんっ! しっかりしろっ」

GM:オンモラキ「カカッ、まだ仲間がいたかァ。
――ホォウ、小僧、お前も、何か『憑いている』なァ? 
カカカッ! なら分かるだろうゥ? 霊にとって、未練は何よりも重要なものだという事をォ? 
上っ面の言葉なぞ、未練を曲げることなど出来ない。カカカッ!」

八兵衛:??「お黙りなさい!」八兵衛の背後から巫女服の女性が現れる
峯子(《守護者》)「言葉とは、人と人が分かり合うためにあるものです。
言葉を持つものは、言葉を大切にしなければなりません。
上っ面の言葉を使うのはあなたでしょう。言葉を愚弄し、姉妹の思いを愚弄したのはあなたです」
「母ちゃん!」勝手に出てきた《守護者》に驚く。

GM:オンモラキ「カカッ? お前かァ。
ただの浮遊霊ではないようだが……カカッ、なら、お前の言葉で、そいつを変える事が出来るのかァ? カカカカッ!」

八兵衛:峯子(《守護者》)「八兵衛、美香ちゃんにいうことがあるでしょう?」
「うん。なあ、みかりん」

GM:美香「……ぅ、ぅぅ……ハチ、ベー?」

八兵衛:「おう、はちべーだ。しっかりしろ。こっちみろ」

GM:美香「あたし……独りだったよ…誰にも、あたし……」

八兵衛:「一人じゃないだろ。一人だって思ったら、一人になっちゃうんだぞ。
誰かが居るって、信じたら一人じゃないんだ」

GM:美香「あ、あたし……」

八兵衛:「なあ、みかりん。俺を信じろよ。短い間だけど一緒にいたろ?」

GM:美香「う……ん」

八兵衛:「俺、みかりんを信じてるぜ。だからさ。みかりん、やめろよ、そんなこと」

GM:美香「あたし……あたし…」

八兵衛:「なあ、妹さんに言うこと、あるだろ? 今言わなかったらいついうんだ? 
もう、みかりんには後がないんだぜ? でも、でもみかりんは、妹さんに言葉がかけられるんだぜ? 
すっげー運が良いじゃないか! 
だから、恥ずかしいとか。そういうの抜きで、妹さんになんか言ってやれよ」

GM:美香「あたし……の、言うべき、こと……」
オンモラキ「グッ、美香ァ、忘れるなァ! お前の未練は何だァ!?」
美香「あたしの……心残りは……あたしの、未練は……。
…………帰りたい。帰って、謝りたいよぉ……あたし、帰りたいよぉ!」

八兵衛:「謝れるじゃないか!」

GM:美香「出来る、かな?」

八兵衛:「出来る!」断言する。「まだ、こうやって話が出来るんだ。できるだろ!」

GM:美香「うん――うんっ、あたし、謝るよ、話すよ――!」
美香の体から、瘴気が薄れていく。

導:よし。では内心で。
「(魔の侵蝕を受け、悪霊になりかけた魂を正道に引き戻すとは……)」
八兵衛への絆を[絆:感服]に変更し、即座に固定。八兵衛にAGPを1点渡します。
「(この子は、強い心を持っている……)」

GM:オンモラキ「クァワァッ! クソッ、肝心なところでェ。
……だが、これでも十分だァ。有希の魂を食らって、もっと力を付けてェ、お前らを皆殺しにしてやらァ!」

八兵衛:「やらせるか!」

要:「……させないよ。只でさえ腹が立ってるんだから、そんなことは絶対にさせない!」

導:手の中にいつの間にか鎌を持っています。
「残念ですね。どうやらそれには、あなたの計画は杜撰すぎたようです。事は成りませんよ」

八兵衛:峯子「八兵衛!」峯子の身体が光り、白い液体が溢れて牛乳瓶の形で要と導の二人に渡されます。
というわけで、このタイミングで《守護者》の使用&《錬金術》の使用を宣言。
《守護者》で4、《錬金術》3×2。人間性を10点減らします。

GM:はい

八兵衛:「せっかく、家族が分かり合えそうなんだ。こんなところで邪魔なんかさせるかっ」

要:「人の心、気持ちを利用するヤツなんかに、負けてたまるかっ!」滑らかな動作で弓を構える

導:「悲劇はこれで終わり、これからは人の強さの物語と参りましょうか」

GM:オンモラキ「――クカカッ、感じるぞォ、お前たちの怒りを、憎悪を――オレと戦うという事が、どういう事なのか。
その恐ろしさ、たっぷりと教えてやる、カカカッ!」
不敵に笑って、オンモラキも黒い翼を翻し、飛び立つ。
さて、以上、何もなければシーンを閉じたいと思いますが…いいでしょうか?

八兵衛:はい

導:OKです。

八兵衛:オンモラキにエゴを取ろうー。内容は「怒り:許さねえっ」かな

要:ではラスト1枠、オンモラキにエゴ/報復を。そして初期エゴの自己への劣等感を絆/肯定に変えます。
こんな自分でも出来ることはある!

導:こちらは既に一杯です。変更なしで。

GM:はい。それではシーンを閉じます。


■クライマックスフェイズ

GM:戦闘となります。敵はオンモラキ1体のみ。
配置ですが、PCの後方には、自失状態の有希がいます。また美香は戦闘には参加しません。

(オンモラキ)――(PC)(有希)

付記 美香はエキストラで、愛を1点、PC側の望むタイミングで渡してくれます。

GM:オンモラキの行動値は10。なので行動順は、
要(12)→導(10)→オンモラキ(10)→八兵衛(9) となります。

要:有希もエキストラでしょうか?

GM:はい。彼女もエキストラです。それと戦闘前に、〔SA:オンモラキを倒す〕を、皆さんに配布致します。

要:エンゲージ間はマイナー、メジャーのどちらか一回で移動ということでいいですか?

GM:はい。その通りです。それでは、戦闘に入りたいと思います。


・ラウンド1
・セットアップ

GM:行動はあるでしょうか?

要:ありません

八兵衛:ありません

導:導が《殺戮の宴》を宣言します。

GM:はい。こちらは《絶対先制》を使用。
《資産:支配》を使用。対象は有希。エキストラなので自動的に成功とします。

要:ぶっ!?

八兵衛:はい

GM:オンモラキ「有希ィ、苦しいようだなァ。カカッ、その苦しみから解放してやろゥ。こっちに来い」
赤い目に見つめられると、有希は人形のようなぎこちない動作で立ちあがり、フラフラと近寄り始める…。
ラウンドの最後に、有希はPC側のエンゲージに入ります。以上、行動終了。

八兵衛:了解。

GM:通常のイニシアティブです。最初は行動値12の要から、なのですが……ここでさらに、こちらの行動です。
要はオンモラキに対して、【エゴ:報復】を持っていましたね。

要:持ってますねぇ。とても嫌な予感が……。

GM:なので…HA《死神の瞳》を使用します。
オンモラキ「カカッ、分かるぞォ、『憎い、こいつは許せない』――そう、思っているなァ?
カカカッ! もっと怒れェ! 憎めェ! 憎しみが、自分自身を焼き尽くしてしまうまでェ!」
燃えるような目が、キミの視線と正面からぶつかり――瞬間、キミの視界は、赤一色に塗りつぶされる。
目の奥が熱を持ち、頭痛と共に、激情が頭の奥から滲み出てくる――。痛みを伴うほどの熱が、体を内側から炙り出す。
――そんなわけで、次に受けるダメージが+10D6されます。

要:了解しました

GM:以上です。それでは、お待たせしました。行動をどうぞ!

要:「……成る程。これは強烈だ。確かに心が折られそうになっちゃうよ。でも……有希」有希の方を見て。
「キミは、罪悪感を持ってるんだろうね。お姉さんのこと、思ってたことを無理矢理暴かれてさ。
……でも、あたしはそう思わなくても良いと思うんだ。
本当に、嫌で、どうしようもないことって人は忘れるように出来てるんだから。
でも、キミは忘れていなかった。どういう感情であれ、お姉さんのことを気にとめていた。
…はっちんも言ってたけど、覚えているってだけで、大きいんだよ」

GM:人形のような無表情のまま、有希は反応しないが……その体がピクリ、微かに震える。

要:「……だから、周囲がどう思おうと、有希がどう感じようと…あたしは有希が悪いなんて、欠片も思わないよ。
……それでも辛かったら一緒に何とかしよう。だから…そこまで追い詰める必要は無いんだよ、有希!」
ここで有希の絆を固定。愛を有希に投げます。

GM:はい。正気には返りませんが……次の展開が、PC側に有利になりました。
具体的には、こちらの使用できるAGPとHAが、減少しました。

要:「…さて。あたしの友達にこうしてくれたんだ。覚悟はしてもらうよ!」
 という訳でマイナー:ハンティングスタイル、メジャー、普通の射撃で攻撃します。 人間性9

GM:はい

要:クリティカルならず。21です

GM:こちらの防御。《霧変身》+《修練:意思》+《高貴なる血》+《レルム:個体》
2d6+7 (K_Dice) _GM_T -> 2D6+7 = [5,2]+7 = 14。 クリティカルはせず。当たりです。

要:はい。ダメージ出します。27点刺ダメージ。

GM:丸ごと受けて……魔獣化ですね。

要:流れるようにドローイング。そこから瞬時に矢を放つ!

GM:《超魔の命》を使用。AGP7点消費です。
オンモラキ「グァァ!? 力が、抜けていくゥ…オノレ、まだだァ!」黒い怪鳥の姿になります。

要:「清めた矢の一撃だからね、喰らうでしょ?」ニヤリ、と笑う

導:「いやはや。さすがですね、要くん」と続く……っと、よろしいでしょうか?

要:どうぞ!

GM:はい。では次は導の行動、どうぞ。

導:マイナーでオンモラキにエンゲージ。メジャーで通常攻撃をします。

GM:どうぞ

(オンモラキ・導)――(要、八)(有希)

導:2d6+12 《殺戮の宴》、《特務天使》。Cr値は11。……達成値18です。

GM:こちらの防御。先ほどと同じ組み合わせで。14。うーん。《胡蝶の夢》でふり直します。
(K_Dice) _GM_T -> 2D6+7 = [6,4]+7 = 17。よし、クリティカル。
防御に成功。さらにここで《略奪》を発動。攻撃してきた導に反撃します。

導:ぬは!?^^;

GM:AA《虚無の手》《魂狩り》《魔の深淵》 Maj《地獄落とし》
達成値19で特殊攻撃を行います。防御は〈意志〉です。

導:では「早い!?」と驚いて。〈意志〉は低いなぁ……。

八兵衛:カバー必要?

導:まだ魔獣化もしていませんから大丈夫です。
2d6+5 《殺戮の宴》で+3ですが……。達成値9。ま、無理ですね。

GM:ではダメージ…、〈炎〉属性ですね。22点で。

導:う、それはピッタリ0ですね。魔獣化します。

GM:陽炎のように姿が揺らめき、回避と同時に、炎を吐きだします。

導:では、燃え盛る炎の中に黒い影となって消えていきます……
が、唐突に炎が消えると、黒を基調とした着流しの姿でゆらりと立っています。

GM:オンモラキ「カカッ、本性を現したなァ、死神ィ」 警戒するように、羽ばたいて距離を取る。

導:「はは……目が覚めました。これから本気で行かせてもらいますよ」
その顔には普段よりもさらに寒気を呼び起こす笑みを湛えています。
では、そんな感じで。FPは12まで回復しました。

GM:はい。では行動値9で、こちらの行動です。ここはやはり、敵の固まっている後衛を狙うかな
Min《人外魔境》 AA《虚無の手》《魂狩り》《魔の深淵》 Maj《地獄落とし》で19。

八兵衛:範囲攻撃ですね?

GM:はい。

要:2d6+1 回避 技能ありで6。うん、無理だねw

八兵衛:《黒鉄の機神》だけでカバーリングを宣言。

GM:はい。ではダメージは38。

八兵衛:当然、魔獣化。

GM:はい。

八兵衛:一瞬にして、学生服(だったんですよ!)から、紅白の巫女服に着替えさせられ、
そして、はち切れんばかりの胸が揺れる。

GM:オンモラキ「カッ? お前の魂の色…確かに男だったと思ったが…??」 状況を忘れて、一瞬戸惑う。

要:「………。ありがと、助かったよ。だからツッコミは後にしてあげるね」ちょっと複雑そうな顔で

八兵衛:「うるせーっ! どうせ俺はおっぱいだよっ!」

GM:では、こちらは行動終了。改めて、八兵衛どうぞ!

八兵衛:では美香に話しかけます。

GM:はい。

八兵衛:「おい、みかりん、みかりんっ。しっかりしろ! 妹さんが、ああなってるのを黙って見てるんじゃない! 
みかりん、みかりんは臆病だから。家族に対して遠慮していたから“こうなった”んだぞ。
本当に正しいこと。やらなきゃならないことをしろよっ! 
なあ、みかりん。俺、さっきみかりんに言ったろ? 今ならまだ、間に合うって。
みかりんが、有希ちゃんをどう思ってるか。有希ちゃんに言ってやれよ! 
家族だったんだろ? 家族なんだろ? 心残りがあったんだろ? 
謝りたいんだろ、有希ちゃんに! 謝ってさ。あの家に帰るんだよ!」
というわけで、「美香に有希に愛を渡してくれるように頼み」ます。

GM:はい。
美香「あっあたし…あたし…」 少しの間、逡巡するそぶりを見せるが……。
美香「…うん」 はっきりと頷いて、有希の前に進み出る。
美香「有希……聞こえてないかもしれないけど、今、言うね? 
あたし…ずっと有希が羨ましかった。…妬んでた。
あんたが、あたしの幸福を全部吸い取ってるって思って…ううん、そう思い込んで、自分を騙して……。
仕返ししたいって、化けて出て……今のあんたの姿……あたしは、それをこそ、望んでいたはずだったのに。
……でも、どうしてだろう。今のあんたを見ると、すごく胸が締め付けられるみたいで…つらい。
有希…ごめん、ごめんね。あたし、ばかだよね。嫌な奴だよね――今更こんなこと言っても仕方ないの、分かってる。
でも……本当に、ごめんね」
――その言葉で、有希の目に、一瞬、光が戻る。
有希「ねえ、さん……」
呟いて、一筋、涙を流した後……彼女は崩れるように気を失う。
これで有希の行動は止まりました。ラウンド最後の移動は行われなくなります。

八兵衛:はい。では改めてこちらの行動ですがマイナーでマジックリング使用。メジャーで《元力:雷》で攻撃。

GM:はい

八兵衛:FP三点消費で残り4。達成値は21。

GM:特殊攻撃なので、こちらの回避は通常の〈意思〉のみとなります。13。命中です。ダメージどうぞ。

八兵衛:「テメエのっ! そのなんでもかんでも自分の思い通りになるって面ァ! 気にくわねえ!」
ゆっさゆっさと胸をゆらしつつ、指先からほとばしる雷。17点雷。

GM:受領します
オンモラキ「グァ!? くぅ、力が、抜ける……! オノレェ! 人間の怨念がある限り、オレは滅びないィ!」
全員行動したので、これでラウンド終了となります。


・ラウンド:2
・セットアップ

要:ありません

八兵衛:ありません

導:魔獣化したので《真なる魔》を宣言します。鎌がより黒く鋭く光り、死の気配を漂わせます。

GM:こちらは2発目の、そして最後の《絶対先制》を使用。
オンモラキ「小僧ォ、憎らしい奴よォォー! 代わりに、お前の魂を食らってやるァ!」
こちらは後衛エンゲージを攻撃します。

八兵衛:「へっへーん!」お尻ぺんぺん

GM:先ほどの攻撃に加えて、HA《死者の微笑み》をAGP3点で乗せます。
惜しい…クリットせず…31です。

八兵衛:では例によって《黒鉄の機神》を宣言します。

要:では、回避は放棄。

GM:ではダメージは52。

八兵衛:倍にして104点もらいまーす。で、《ノイズメーカー》を宣言。

GM:はい。

八兵衛:52点をお返ししまーす。

GM:受けました。

八兵衛:「うあぁぁぁっ!」巫女服が破れて下着姿になり。その巫女服が紅白の嵐になってオンモラキを襲う。
「真の死」です。下着姿のまま倒れてます。

GM:オンモラキ「グ、グァ!? これは――!」 巫女服の残骸がまとわりついたところから、体内の炎が漏れ出して燃え始める。
こちらの行動は終了。
では、通常のイニシアティブフィズの処理に移ります。

GM:まずは12の要。どうぞ。

要:はい
「………ッ…ちょっと、待っててね。すぐ、終わらせるから!」八兵衛に感謝し。
という訳で、マイナー《符術》:《ハンティングスタイル》+そちらのエンゲージへと移動。
そして射撃。ちっ、低い。18です。

GM:いつもの防御で10。うーん、ここで振り直しを。
(K_Dice) _GM_T -> 2D6+7 = [6,6]+7 = 19

要:あちゃー。それは仕方がない。

GM:では、回避+《略奪》の反撃です。

導:待ってください。敵に《略奪》があるのが判っていますから、ここは《死に至る病》で命中させましょう。

要:「……導さん!」導さんの絆固定。愛投げます。

導:はい。もらったAGPで《死に至る病》発動。オンモラキの回避をファンブルにします。
「おや、背後の注意がお留守ですね。死は何人にも平等に訪れますよ……背後からね」
鎌が、オンモラキの影を縫い止めます。

GM:オンモラキ「グッ、つくづく邪魔なヤツめェ……!」
改めて、要の攻撃は命中しました。ダメージどうぞ。

要:はい。30<刺>ダメージです。

GM:食らいましたが、まだ健在です。

要:「……そこっ!」走りながら、上に飛び。眉間を狙ったポイントショット!

GM:オンモラキ「グゥッ――!」かなりフラフラですね。

(オンモラキ・導・要)――(八)(有希)

GM:続いて導の行動となります。どうぞ。

導:はい。では、そこで追い討ちをば。マイナーで牛乳、メジャーで通常攻撃です。現在の人間性はマイナス5です。

GM:はい。

導:達成値は20。

GM:《夜の貴族》の効果で、こちらは回避不能です。ダメージどうぞ。

八兵衛:よし。《万色の魔術》をそこに突っ込みましょう。

要:了解

導:あいさー。

要:では、AGPぷりーず

八兵衛:母への絆、「俺は男だ」の絆(初期エゴひっくり返した)、要への絆、導への絆。以上4点を進呈。

導:虚無、使命、要、長沢、陰摩羅鬼への絆固定で5点を要に。

要:はい。それと、オンモラキへのエゴを固定して10点で《万色の魔術》23d6増えます

GM:どうぞ

導:ありがたく頂戴します。これでダイスは30個ですね。
109点、軽減不可です。

GM:50点もオーバーキルですね。
ですがここで最後のHA《永劫より》を使用。真の死から復活します。

八兵衛:《ヴォイド》を宣言。

GM:どうぞ。

要:八兵衛、初期の絆を固定。AGP2点投げます。

八兵衛:了解。では、その2点で《ヴォイド》を起動。

GM:了解です。

導:それが通ったなら、さっきの一撃に台詞を付けておこうかな。

GM:導の鎌が一閃し、黒い怪鳥を両断。一瞬、怪鳥は復元しようとしますが――
やがて2つに断たれ、内側から炎を吹いて燃え上がり始めます。真の死ですね
オンモラキ「――カ? ……カカ、カカカカッ! オレが、オレが負けるゥ!? クァァ!」

導:「残念でしたね、妖鳥陰摩羅鬼。私がただの死神だったなら、まだ付け入る隙もあったでしょうに。
……知ってました? 私、半魔なんですよ。仲間の力を合わせた一撃、効いたでしょう?」
そして深々と礼をして「お別れですね。さようなら」

GM:オンモラキ「……カ、カカッ、『これで終わった』と、思っているなァ? 
人間の邪念が、怨念がある限り、オレはいつか戻ってくる。覚えてろォ、いつか、お前らの魂も食ってやるからなァ。
カカ、カーッカカカッ!」
耳障りな哄笑を上げながら、オンモラキの体は炎に飲まれ、燃え尽きていく。――後には灰すら残らなかった。
戦闘終了です。

導:では、八兵衛を復活させようと思います。《アドベント》用の愛プリーズ!

要:はい、美香さんの絆固定して投げます。

八兵衛:はい。美香と有希の絆を固定して投げます。

導:ではもらったAGPで《アドベント》。八兵衛はFP1で復活です。

GM:はい。

要:「……もう、友達には手を出させないよ」呟いて 「……それで、はっちんは大丈夫!?」ぱたぱたと近付き。

導:「八兵衛くん、起きてください。あなたからは死の匂いがしませんでしたから、判ってるんですよ?」
また元の笑顔で起こしに行きます。

八兵衛:「うーにゅう……もう食えないよ……」
寝ぼけながら起きます。

導:「見事にボロボロなようですが、無事で何よりです。……本当に」噛みしめるように。

GM:美香「はっ、ハチベー…生きてるの!?」 美香が心配そうな顔で覗き込んでくる。

要:「……本当に言う人初めて見たよ。…っとそんなこと言ってる場合じゃ無かった!」
慌てて自分の上着八兵衛に押しつける。

八兵衛:「おうっ。生きてるぜっ」>美香
「なな、なんだよっ」自分の姿に気が付いてない。

導:「おっと、お嬢さんの下着姿はまじまじと見るものじゃありませんでしたね。失礼」顔をそむけます。

八兵衛:「おーれーはーー……男だぁぁぁぁぁぁっ!!」

GM:美香「よ、良かったよぉ、あたし…あたし…」
キミの怒鳴り声を聞いていないような調子で、美香はポロポロ泣き出すのであった。


GM:クライマックスはここまでとしまして、人間性の回復とEDに移りたいと思います。
まず人間性の回復を行いたいと思います。

八兵衛:人間性は-7。絆は6。
というわけで、ダイスロール -7+6D6 = -7+[4,4,2,6,5,3] = 17 無事生還。

GM:はい。

要:おかえりなさーい。

導:おかえりなさい。導は人間性マイナス5で絆7つ。振るまでもなく帰れました。

GM:はい。

要:そして私は人間性は+2。今回は全力コンボ撃たなかったので安全域です。

GM:はい
皆さん無事帰還されましたね。それでは、EDに移りたいと思います。


■エンディング
・共通エンディング
GM:戦いは終わった。……オンモラキの展開した領域は、主を失って揺らぎ、消えかけている。
有希は気を失ったまま、目を覚ます様子はない。
美香「……」

導:「ドミニオンが揺らいでいる……話をしている暇は無さそうですね。一先ず、ここを脱出するとしましょう」
と全員を見渡して。

GM:美香「あの……有希の、ことだけど」

八兵衛:「うん?」

要:「…多分、気を失ってるだけだと思う。今は何とも言えないけど…」

GM:美香「目が覚めたら……全部、思いだすんだよね」

要:「……うん。美香さんの言う通りだと思う。アイツは、記憶を封じるようなことしてなかっただろうし…」

GM:美香「それで、いいのかな……こんな記憶を持っていて、それで……普通に生きていけるかな」

八兵衛:「うーんうーーーんーー……うーん……」悩み出す。
「みかりん。でもさ。せっかく仲直りできたのに、忘れたいかな? 
俺はそれなら忘れたくないな。そのへん、むしろ有希ちゃん当人に聞いたほうが良いんじゃないか?」

要:「あたしも、そう思うな。辛いことも、苦しいこともあるけど…有希が、どう思うかが一番だと思う。
辛くても、忘れたくないんだったら、友達として、支えてあげたいしね」

導:「…………」瞑目して成り行きを見守る方向で。

GM:美香「……うん。じゃ、有希と、話をする」
美香がそう言ったのと同時に、ドミニオンが消滅し、元の街並みへと戻ってくる。
有希「……っ、――あ」
小さく呻き声をあげながら、有希が目を覚まし――ぼんやりと透き通った美香を、まじまじと見る。
有希「――夢じゃ、なかったね。――ねえさん」


・エンディング1 御ヶ西 導

GM:警視庁近くの公園。
報告を受けた長沢は、キミに向かって1つ頷いた。

導:「いやー、すみません。犯人、消滅しちゃいました」 たはは、と頭をかいて、長沢に笑って顛末を報告します。

GM:長沢「いや、ご苦労だった。これで事件は解決だ。……ひとまずは、な」

導:「……っと、犯人なんていない、んでしたね。今回は」

GM:長沢「ま、いつもの定石どおりさ」
肩をすくめて答えて、長沢はぼんやりと視線を公園の中にさまよわせる。
公園の中には、数人の子供たちや親子連れが、仲睦まじげに過ごしているのが見える。
長沢「――どんなに平凡そうに見えても……どこの家庭にも、誰の人生にも、なにがしかの不和の種はある。
その内の幾つかは、大きくなって、やがて犯罪にも繋がる」

導:「ええ」相槌を打って「しかし、それが全てじゃない」
「不幸な行き違いこそあれ、生来から憎み合っている者なんていないんです」

GM:長沢「そうだな…俺もそう信じたい」 ぽつりと、遠い目をして、長沢はキミに頷く。
長沢「……ふふっ、警察官ともあろう者が、『信じたい』は無かったな。職務上、許されない甘さだ。忘れてくれ」
思い出したように、照れくさそうにそう言って、長沢は笑う。

導:「ええ。しかし、良いのではないでしょうか。
……だって私は今回、普通では考えられない不幸の中で、それに辿り着いたほどの絆を目の当たりにしたんですから」
一緒に笑いましょう。

GM:そんな風に笑っているところ、キミはふと、視線を感じる

導:「?」ではそちらの方を見てみますが。

GM:近くのゴミ箱にとまったカラスが、じっとキミを見つめている。
その目は――黒い。ただのカラスだ。
カラスは一声、「ガァ~」と、くたびれた様な、しゃがれた声で鳴くと、飛び去って行った。

導:では、ふっ……と笑って。「『人の心に邪念がある限り、俺は滅びない』……か。
……なら、私はその度に、あなたに会うのでしょうね」目を背けて、
「ま、祝いに軽く一杯行きましょう」と長沢と連れだって公園を去っていって……エンド、というところで。

GM:はい


・エンディング2 羽吹要

GM:事件後の休日。
街を歩いていたキミは、偶然有希と出会う。
有希「あ、要……ふふっ、偶然だね」

要:「あ、有希。ん、確かに偶然だねっ」ニカッ、と笑って。

GM:私服姿の彼女の胸には、以前は見慣れなかった、青緑の石のブローチが留められている。

要:「……あ、それ…」ブローチに気付いて、どう言おうかと迷い。

GM:有希「――幾つもの思い出が、これにはあるから…私も、少し複雑」 微かに笑って、答える。

要:「…すぐに慣れちゃうのは、あり得ないし、ね。……やっぱり、ちゃんと覚えてるんだ?」

GM:有希「最初に叔母さんから貰った時は、それなりに嬉しかった。
姉さんに取り上げられた時は、悲しくて、悔しかった。でも……」
有希「姉さんから返してもらった時、すごく、すごく嬉しかったから……私にとって、これは姉さんとの、仲直りのしるし」
愛おしそうにブローチを撫でながら、有希は遠い目をする。
有希「要と、皆のおかげだよ。皆のおかげで、私、姉さんに会えた」

要:「……。うん、よかった。有希が、そういう顔出来て。頑張った甲斐があるよ」照れ隠しに冗談っぽく笑って

GM:有希「ありがとうね……本当に、ありがとうね……仲直りなんて……もう出来ないって……。
姉さんは私を嫌ったまま死んでいって、もう、どんな思いも言葉も届かないと思っていたから。
……だから、グスッ、ありがとうね」 話しているうちに、彼女はべそをかきだす。

要:「……うん。もう、届かないって思っていた言葉がちゃんと届いたんだよね。
それで、仲直りできたんだよね。
……本当に、良かった。だから、ね。悲しくて泣くんじゃ無いんだよね?」諭すように、頭を撫でて。

GM:有希「うん……今日も、これからお墓参りに行って……たくさん、たくさん話してくるの」
泣き笑いの顔で、有希は精いっぱい、キミに向かってほほ笑む。

要:「それじゃ、とびっきりの笑顔じゃないとお姉さん、心配しちゃうよ?」優しく微笑んで、涙を拭ってやり。

GM:有希「――うんっ! ありがと。 それじゃ、行ってきます」
もう一度、キミに向かってクシャクシャの笑顔を見せてから、有希は歩き出した。

要:「うん、いってらっしゃい!」それを笑顔で見送って。
「……あたしも、いつか兄ちゃん達と仲直りしないとなぁ…」そう呟いて、空を見上げ。

GM:では、そんなところでいいですか?

要:はいー。

GM:はい。では


・エンディング3 山田八兵衛

GM:事件の翌日。
キミは美香と一緒に街を散歩し――いつしか、最初に出会った空き地まで足を進めていた。
美香「なんか……あっという間だったな」

八兵衛:「だなー。みかりんと会って、まだ2日なんだよなー」

GM:美香「うん…たった2日の事なのに、ハチベーには一生分の世話をかけちゃったね。
――生きてた頃のあたしってさ、自分も、周りの事も、何もかも信じてなくってさ。
独りが嫌なくせに、近づく人間、全部が信じられなくて……今から考えると、どーしよーもなく、ムジュンしてた、あたし。
あの時……記憶がなかったからかな。ハチベーの言葉が、ただただ嬉しくて……付いて行こうって思えたの」

八兵衛:「そっかー。まあ、世話とか気にしないで良いぜ。
困ってる女の子を助けるのは、男子の本懐だ!」えっへん。……ぶるん。
「まあ、喜んでもらえたら良かったぜ」嬉しそうにニコニコと。

GM:美香「その顔と、そのバストで、男だって言い張るのが、未だに信じられないけどね」
ちょっと目線がずり下がって。

八兵衛:「う、うるせーなっ! 俺だって好きででかいおっぱいしてるんじゃねーよっ」

GM:美香「あー、ゴメンゴメン。でも、ホントにハチベーに会えて良かったよ。
ハチベー、優しくてカッコよくて……あたしが保証するよ、きっと将来、ハチベーはモテるよ!」

八兵衛:「そ、そっかな。でへへへ……」でれでれ。

GM:美香「うん……(小声で)あたしも、惚れちゃいそうなくらい」

八兵衛:「……え? 聞こえないぞ? なんかいったか?」

GM:美香「う、ううん。なんでもないよ。……それじゃ、そろそろ時間かな」
さっぱりとした表情で、美香はそう言う。

八兵衛:「そろそろ、お別れか?」

GM:美香「うん……未練が晴れた霊の、行くべき道ってヤツかな」

八兵衛:「そっかー。まあ、また会おうな。今度は迷うんじゃないぜ」

GM:美香の存在は、徐々に希薄になっていく。その姿も、宙に溶けるように、薄れかけていくが……
不意に、彼女はキミに向かって、ぴょんと飛びついてきた。

八兵衛:「わぁっ?」わたわた。

GM:一瞬――ほんの一瞬、唇に温かい感触を、確かに感じて――。

八兵衛:「あ……」きょとん。

GM:美香「アリガトッ、そして、さよなら! ハチベーのお母さんも早く成仏できるよう、あたし、祈ってるから!」
照れ隠しなのか、泣き顔を見られたくないのか、彼女は震える声で言い、顔をそむけると、虚空に消えていった。

八兵衛:「おう。ありがとうな」こちらもじーんと来て、涙ぐんで。
「また会えたら、会おうな。そん時も困ってたら……手伝ってやる。そんなことは、ないだろうけどな。
……あーちくしょー! 男の子は泣かないんだぞーっ!」
ぐすんぐすんと泣きながら、八兵衛は空き地を後にした。

GM:はい。では、そんなところで。



GM:セッションは以上となります。長時間のお付き合い、ありがとうございます。皆さん、お疲れ様でした。

八兵衛:お疲れ様でした

要:お疲れ様でしたー

導:お疲れ様でしたー。楽しかったです^^ ありがとうございました。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年06月17日 14:21