「ねぇねぇ、こちにさん。ここの問題なんですけどー。」
「おっ、僕の恋人、歌恋ちゃんじゃないかっ!!なんだいなんだい??」
「あはっ、もう、冗談やめてくださいよ~♪……本気にしちゃいますよ?ふふっ」
先に言っておく。ここは中学校だ。学び舎だ。真面目にオベンキョウするところだ!
「っていうのに・・はぁ~。なんであの人たちの周りってあんな空気なわけ?」
と、ある日の俺、ムスカはひとりごちた。
「う~ん、ナルシとぶりっこが合体したらあんなんになるんだねぇ、ムスカも混ざれよ♪」
と、冗談混じりにおちゃらけるのはR。俺の悪友だ。もちろん、悪友と書いてしんゆうと読む。
「やめとく。俺には無理。」
「えぇ~、面白いと思うんだけど(笑)」
「おい、『(笑)』が隠しきれてないぞ。」
そう言いながら二人の方を見る。クラスでもいろんな意味で浮きに浮いている二人だ。
そのふたりが揃うなんて、注目を浴びないわけがない。
「さっきこちにさん、発表してたじゃないですか、だから、わかるかな~って。」
「お、おぉ!それね!…うん、僕がわからない訳ないよ!ちょ、ちょっとノートとってくる!待っててね。」
今言うべきではないかもしれないが、こちには、すっっっっっごく頭が悪い。
いや、本人に言うと殴られるので(グーで)言わないが…。
なのでさっきの授業中に発表したのも、偶然横の席にいた福沢に答えを聞いたからだった。
そんなこちにとは対称的に、歌恋はすごく頭がいい。たしか、学年主席だったはずだし。
なので、彼女が質問している姿は珍しかった。まあ、いつもの媚び媚びぶりっ子だろうとが思うが。
「や、や、やばいよおおおおお助けてよおおおお」
こっちのほうに来るなり、こちには小声で泣きついてきた。
「えー、お前が見栄なんてはるからだろ?知らねぇよ。」
「俺は授業中目ぇ閉じてゲームやってたからわかんね。」
Rは高性能Androidなので勉強しなくても平気らしい。それにしてはこの前国語で赤点取ってたような…。
しかし、まぶたの裏にゲームのディスプレイまで表示できるとは……
「「お前、ほんと便利な体してるよな。」」
俺とこちには本心から感心した。
「っって!!!そうじゃないだろ!!俺の彼女からの好感度の問題なわけ!だからまじ!お願い助けてまじ……」
こちには本格的に泣きそうになっている。さて、どうしようか。
と、ちょうどいいところに福沢が通りかかった。ちょうどいいし、彼女に聞こう。
「あ、福沢、ちょっといいか?」
「えっ……ムスカく…え!?なななななななななななな何っっ!?」
福沢は俺が声をかけるなり、慌てたような感じで制服を直したり髪を触ってからこちらを振り返った。
俺はそれを不思議に思ったけど、今はとりあえず悪友へ助け舟を出してやることにした。
「さっきこちにに答え教えてくれた問題あったろ?あれの解き方、教えてやってくんね?」
「あっ……な、なるほど、そういうことかぁ~」
福沢は安心したような不満なような顔で、俺の席で持っていたノートを広げ始めた。
「ありがとうございます一生忘れませんついていきます付き合ってください……」
「あはは、そんな大したことじゃないよ~。それに、ついてこられても困っちゃうよ…」
こちにのきまりきった口説き?文句をかわしながら福沢はこちにに解き方をわかりやすく教えているようだった。
これでこっちの方は大丈夫だろう。福沢も、目立ちこそしないが、頭はいい。
学年主席とまではいかなくとも、次席にはなれるくらいのレベルだと聞いたことがある。
問題は、いつまでもこちにのことを待つことに飽きたのか、もう自分の席に戻り、窓の外を見て物思いにふける少女の方だ。
福沢の方をちらちらと見ては、不満そうな顔をしている。ぶりっこもここまでくれば大したものだとは思うが…
「ちょっと、からかってやるかな、暇だし。」
生憎もうひとりの悪友は目を閉じている。さっきのゲームの続きをしているようだ。こうして見ると寝ているようにしか見えない。
「よ、こちにを福沢に取られてご立腹?」
「バカ、そんなんじゃないわよ。」
『あの一件』以来、歌恋は俺に対してだけこんな感じだ。まあ、気負いしなくていいから楽なんだけど。
「それにしても、お前ホント二重人格だなあ」
「うるさいわね、ほっといてよ。」
歌恋は、他の人(主に男子)に聞こえないように小声で悪態をついた。
「お前さ、他の奴らにもそうしとけよ。そのほうが人気でるかもだぜ?こちにとかそっちの方が好きそうだし。」
「はぁ?……コホン、なんでそうなるわけ?別に、あの人がいいとかじゃないわ。ただ、権力者だから近づいただけ。」
つい大きな声が出てしまったのだろう。咳払いをしてから歌恋は悪態をつづけた。
「はぁ、権力者、ねえ。」
こちにの方を振り返る。そこには福沢が何度教えてもそれを理解できないらしく、涙目になったこちにがいた。
「馬鹿ね、勉強面じゃないわよ。女子に人気かどうかって話。まあ、それがわかってて私も勉強のこと聞いたんだけど。」
「おま、うへぇ…ひどいことしやがるぜ……。こちにのやつあんなに必死なのによ。」
「フン、知らないわよ。ただ、あんな醜態を私に見せるなんて、無いわね。ま、それでも近づくけど。」
「……よくやるぜ…お?Rじゃん」
ゲームにも飽きたのか、暇を持て余したRがこちらにやってくる。
「ムスカ、お前歌恋さんと仲良かったっけ?」
「いや、こちにがあんなんだし、代わりに俺が教えようかな、なんてな、俺のほうが教わってたぜ。」
「ふふ、やだわ。ムスカさんもテストでは結構いい点数をとってらっしゃるんでしょう?Rさんだって平均以上だって聞きましたよ♪」
「んー、俺はメモリにインプットされてるからな。テストの度に親父に頼み込んでさ。」
俺は少しだけ焦った。Rはどこか抜けている。Rがロボだってことは一部の人間にしか知られてはいない。もちろん歌恋にもだ。
幸い、歌恋の方はそれをゲーム好きなRのギャグだと思ったらしい。
「あら、Rさんたら面白いんですね。お父様に勉強を教えてもらってるんですね、ちょっと羨ましいです。」
なんて言って笑っていた。
「え~?羨ましいか?歌恋さんは一人で勉強してんの?」
「ええ、私は……お父様がお忙しいですから。」
Rの鋭く残酷な質問にも、歌恋は笑顔で答えて見せた。もちろん、歌恋の内心なんてわかりっこないのだが。
「あっ、こちにさん。もうすぐ休憩終わっちゃうみたいだよ?」
「なんてこったぁああああ!!!!!全然わかんねえええええ!!!!」
向こうの席で、こちにが叫んでいる。大方理解できなかったのだろう。
「じゃ、ムスカ。俺らも戻ろうぜ~チャイム席チャイム席っ」
普段チャイム席なんて気にしないRが俺を茶化してそんなことを言った。
「あ、ああ、じゃあまた、歌恋サン」
「はい、またお話しましょうね♪Rさん、ムスカサン」
俺の歌恋の呼び方に少しだけ……といっても周囲の人間に気づかれないくらいだが……頬をヒクつかせて、
ご丁寧に俺の呼び方だけ違和感丸出しにしつつ、歌恋は別れの挨拶をした。
授業中、歌恋の方を見ると、彼女はまた窓の外を見ながら物思いにふけっていた。
「ムスカ…さん。先ほどの続きをしたいのですが。少し、お時間いいですか?」
授業も終わり、昼休みになった。今日は給食センターが休みを取っているので弁当になっていた。
先生達が、少しだけならと気を効かせてくれたのか、どこで食べるかは自由にしてくれた。
それならいつもの悪友どもと食べようかな、と、俺が席を立った矢先、歌恋が話しかけてきたのだった。
「ん、別にいーけど。ちょい待ち、奴らに先に食っとけって言っとく。」
「ええ、お願いしますね。」
周りの反応を思ってのことだろう。歌恋はよそ行きの笑顔を崩すことはなかった。
それも当たり前のことといえばそうだ。歌恋がこんな風に誰かを誘って二人きりになろうとするのは初めてだった。
今までは、教室内や授業中に男子に近づくことはあっても、プライベートでそういう噂は聞くことはなかった。
なので、当然のように俺と歌恋は注目の的(男子からは恨みの的)になっていた。
……なぜか福沢までぷるぷるしていた。
「ってーわけだから、お前ら先食っててなー」
「んー(もぐもぐ」
Rはもうすでにお弁当に手をつけていた。ロボなのに食欲だけは人間のそれだな。
「俺もいいぜ……ってかかか歌恋ちゃん!?!?!?ああああああのさっきはごめんねっていうかなんでムスカと!?」
「あら、こちにさん。気にしないでくださいね♪また、お時間あるときに、ゆっくりお願いしますね。」
「ひゃ、ひゃい……」
こちには颯爽と教室を出て廊下で待とうとする歌恋を、ポーっと見送ったあとで
「な ん で ! ! お 前 が か r「あーはいはい後でな~」」
なにか面倒なことになりそうだったのでとりあえず流すことにした。あとで面倒なことになるなぁと思いながら、
俺は教室を出て、おとなしく歌恋についていくことにした。
「ん、やっぱ先越されてるわね。」
家庭科室についたとき、その中には数人のギャルグループがいた。歌恋は小さく舌打ちをした。
どうやらここでお昼を取る予定だったらしい。
言わずもがな、歌恋が素の状態で話すためには、誰も見ていないところに行かないといけない。
となると、校舎から少しだけ離れた家庭科室は、条件にぴったりだったのだろう。彼女にとっては。
「おー、そういうことな。歌恋、ついてこいよ。」
「えっ?どこによ…って待ちなさいよ!」
自慢じゃないけど、俺には悪友がいる。人気のないサボリ場所なんて網羅しているのだ。
俺が歩き出すと、歌恋は不満そうにしながらも後ろについてきていた。
「ふ、ふ~ん、こんなとこがあったのね。」
教室や主な部屋がある校舎北棟とは違い、誰も来そうにない校舎南棟の、
更に人っ気のない3階の、人なんて来るわけない資料室の扉の前に、俺たちはいた。
「おう、俺に任せたほうがよかったろ?」
学年主席を降参させた俺は、ドアの横のポスターの裏から鍵を取り、ドヤ顔で歌恋を見た。
「べっっつに?っていうか……なんでアンタがこんな部屋の鍵持ってんのよ。」
「俺たち3人組は不良だぜ?なんつってな~」
適当にあしらいながら資料室の中に入る。最近は授業をサボることもめっきりなくなったので、
このたまり場も少し埃っぽくなっていた。
「ありゃ、またRのおそうじ機能使わないとな…」
「Rクンかわいそ。へぇ~、資料室っていっても畳とか色々あるのね。」
Rのロボっぽい機能を口にしてしまい、俺は少し焦ったが、
歌恋はそんなことよりも、住みやすい(?)この部屋を気に入ったらしい。
「さっ、まずは食べましょ。」
歌恋は汚れてなさそうな畳の上をハンカチではらってから、そのハンカチを広げてその上に座った。
その仕草は、どこからどう見ても正真正銘のお嬢様のソレだった。
俺は、昼飯のメロンパンをかじりながらその流れるような仕草をただ眺めていた。
「んでよぉー、話って何?」
俺は早々にメロンパンを食べ終え、コーヒー牛乳も飲みきっていたので、暇つぶしに歌恋にそう尋ねた。
「んっ、私の…事なんだけど。」
歌恋は最後のトマトサンドを飲み込み終えると、それを片付けながら喋り始めた。
「ほら、私って、すっごくお嬢様なわけじゃない?」
「お、おう…それは知ってるつもりだぜ?」
「ん、それで、なんだけど。おか…母に認めてもらうためには、頂点にたたなきゃいけないの。」
「ほぉ~、頂点、ね。大変そうだな。」俺はコーヒー牛乳のパックをつぶしつぶし答えた。
「勉強や運動なら誰よりもうまくできてる自信はあるの。でも……」
「でも?」
と、
「恋愛、って…どうやったら頂点に立てるのかしら?」
目の前のお嬢様は、突拍子もないことを言い始めた。
「だ、だって、こちにくんは問題児だけど、女の子からの人気は厚いじゃない?」
「うーん、確かに…」
そう、こちには性格にこそ難有りだが、案外フェミニストなところが人気で、意外とモテモテな一面もある。
「だから擦り寄ってみて、何か得ようと思ったんだけれど……正直、私には何がいいのかわからなかったわ。」
歌恋はさらっと言ってのけるが、悪友といえど友達なわけで。
俺は、ムズムズとかイライラとか、そういうモヤモヤに苛まれた。
そのせいかは分からないが、俺はとうとう、
「お前さ、何がしたいわけ?」
言ってしまった。
歌恋が何に対しても本気で取り組んでいるのは知っている。そんな姿を思い返すと心が痛んだ。でももう遅い。
「なっ、だから私は頂点に……」
「いや、だから、それは自分の意思なのかよ、って聞いてんだけど。」
「え……?あっ、そ、そんなの当たり前、でしょ……」
俺は驚いた。歌恋ならいつものように威勢良くあったりまえ!と答えると思っていたからだ。
俺の予想とは打って変わって歯切れ悪く答えた歌恋は、しかしそのあと苦虫を噛み潰したかのような顔で、
「あんたに……何がわかるのよ。」
そう言った。
「わかんねぇよ?だから聞いてんじゃん。」
わからない、それが俺の最大限の譲歩だ。ここでキレることもできた。でもできなかった。
こんなに苦しそうで、何かに押しつぶされそうにおびえている歌恋は初めて見たからだ。
「お母様は、私のことなんて嫌いなの。……きっと、お兄様もだわ。いつも比較されて生きてきた。」
歌恋は、ぽつりぽつりと自分のことを話し始めた。
「お兄様はいいわよ。なんでもできちゃうんだもの。私は、たくさん努力しないとお母様に見向きもされなかった。ううん、努力したところで見てくれるのは一瞬だけ。ふーんって言って、それで終わりよ!」
最後の方は搾り出すように、歌恋は悲しく叫んだ。
「だから……だから嫌だったのよ!!アンタ、なんでこんな身分の私がこんな公立中に居るか不思議に思ったこともないんでしょうね!あんなに大切にしてくれるお母さんがいるものね!」
大切どころではないむしろ嫌気がさしている。もちろんこの空気で言えるわけはないのだが。
自分はいかに 普通 なんだろう、と俺はぼーっと考えていた。
……いや、今思っても、どう考えたって普通ではないよな、うん。
「私、小学校までは私立に通ってたの。」
「ああ、そういえば小学校の頃は知らなかったなあ。」
「家がこんなんだし、私もこんな感じで接してたから、妬みも買ったし嫌がらせもされたわ。」
なるほど、と俺は変に納得していた。家柄も良くて容姿端麗、頭脳明晰、文武両道、どんな言葉だって歌恋には似合う。
それが死ぬほど憎らしい、と考えてしまう人は、どうしてもいるものだもんな、と。
「でも、そんなこと両親に言えないじゃない?親身になって守ってくれたのは私の両親に顔を売りたい教師だけだったわ。」
「うわ、ひどい環境だな……。」
「ん……それからは何もかもめんどくさくなって、勉強も家でするようになって、中学も家庭教師を雇おうと思ってたんだけど、お兄様が公立校に進学しろ、人と関われって行ってきて……いいわよね、なんでもできちゃう人はなんでも言えて。もちろんお母様も私のことなんてどうでもよかったのね、いつの間にかそういう手続きになっていたわ。」
「え、親父さんとかはそれでよかったのか?」
「お父様は……最後まで反対していたわ。せめて遠くでいいから私立、ってね。だけど、お母様が一枚上手だったの。気づいた頃には手続きも終わってて、私も無反応で否定も反対もしなかったから、ここに来ることになったの。」
「それからは、お母様とお兄様に認めてもらえるように、新しい環境で1番になろうって、そう決めたの。」
だから、頂点に立とうとするのは私の意思。とでも言わんばかりに決意しきった目で、歌恋はそう言い捨てた。
「いや、でも、それじゃ……お前自身の感情はどうすんだよ!」
「あら?意外と今の生活、気に入ってるんですよ?ムスカさん。」
歌恋はわざとらしくぶりっこモードに戻ってそういった。
「それは強制されてそうなっただけだろ?お前はそれでいいのかよ。」
「ん~♪それは仕方ないんじゃないですか?ふふ、私は『歌恋』なんだし。」
「もうやめろよ!!なんだってお前はそうなんだよ!!意味わかんねえよ!!!何無理してんだよ!アホらしい!」
その瞬間、歌恋はさっきの怯えた顔に戻って、
「……だって、仕方ないじゃない。」
そう、呟いた。
「これまでの……私を否定したら…努力はどうなるの?……今の『歌恋』はどうしたらいいのよ……」
やがて、歌恋の目からは涙がこぼれはじめた。
「……ごめんなさい…でも、あなたになら話してもいいと思ったから……これも『歌恋』の思い出だと、思ったから。」
そして、さめざめと泣く歌恋を、俺は---、
1、慰め、頭を撫でた。
2、優しく抱きしめた。
3、何をすることも、できなかった。
4、罵倒した。
はぁ!?何これ↑のやつ!はぁ???なんで選択肢とか出ちゃってるわけ!??!?!?!?
俺別に主人公じゃないよね!?!?!?
いや、いろんな意味で主人公だけどさ!!え?え?ついに僕母もそうなっちゃったわけなの??
いやいやいや!!ありえないでしょ!そしたら俺母さんとか攻略させられそうになるわけ!??!?!?!?
…………おい、今母さんを攻略させたいとか思っただろ。
ふざけんなよ!!!何が「ばれたか」だよ!!!!!こんなのありかよ!!!!!!はぁあ!?!?!?!?!?
とか、頭の中で考えていた。
その瞬間だ、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り始めた。掃除の時間だ。
生憎俺と歌恋は教室での班が違うため、掃除の場所はバラバラだ。
「歌恋、お前「ん……さ、掃除よ掃除。馬鹿、何焦ってんのよ。」」
歌恋は俺の言うことを遮って、涙を拭いながら笑った。
俺って、つくづくダメだなあと感じた。結局俺には困惑することしかできなかったのだ。
そして、精一杯のことを話してくれたのに、かえって気を使わせてしまった。
「いいわよ、聞いてくれただけで。まっ、他の子のときはがんばんなさいよね!」
なんてことまで言うのだ。そんな気を使われても今はただ虚しいだけだ。
「わり……俺……」
「……ありがと、次の授業には元に戻ってるから、安心して。そして!明日からはまた可愛い歌恋ちゃんよ♪」
「お前なぁ……よくやるぜ。」
「そうそう、いつものアンタでいなさいよね♪あと、このことは他言無用!さ、そろそろ行かないと叱られるわよ。」
歌恋はそう言って颯爽と立ち上がり、優雅に資料室を出て行った。
俺は、その日結局掃除をサボった。(そこ、いつものこととか言わない!)
サボったのは俺だけかと思いきや、どうやら歌恋も4限が始まるまで戻ってこなかったらしい。
4限の時の歌恋と言えば、憑き物でも落ちたかのように上機嫌だった。横の席のオタク君にまで笑顔で話しかけている。
それから、歌恋は俺に対してだけしていた、あの態度をやめた。
俺は拍子抜けして、しばらくは戸惑ったが、歌恋なりの結果なのだろう、と思う。
そして、資料室での出来事から、丸々一週間だったが、それまでにこちには結局あの問題の解き方がわからず、
福沢と歌恋(と火焼先生)にみっちり指導されたらしい。
歌恋が俺を昼食に誘う前の授業、つまり3限、席替えをして念願の窓側の席を手にした俺は、窓の外を見ていた。
窓の外では、クラスは違うが見たことのある男子が、女の子と仲睦まじく準備体操をしていた。
確か、年子の兄妹だったはずだ、と俺はぼんやり思った。
(終わり)
はーい!ナオだよ└(^o^)┘
見ての通りわかったと思うけど、バッドエンドだよ♡←
あの選択肢、間違えなかったら歌恋ルート入れたと思うんだ……!
まあ、歌恋シナリオ~とか考えてもなく、行き当たりばったりで書いたらああなったんだけどね☆(ゝω・)vキャピ
途中、やべえこれシリアスすぎね??とか思ってたんだけど、ギャグに戻そうとしたのね!
頭で何も考えずにね!打ってたらね!歌恋ちゃん泣いちゃったのね!もうすっごく焦ったよね!
だから無理やりギャグにしていっそのこと休憩時間終わらせようって思ったの!
そしたらね!もうこうしてムスカを何もできないクズにするしかなかったのね!
これやばいんじゃないかなってね!ナオもね!結構焦ったよ!?でもね!こうするしかなかったの!!
そしたらね!歌恋ちゃんがなんか、吹っ切っちゃったのね!あれ?こんなつもりじゃって思ったよね!
それでね!それで……ナオ、死にたくなったのね……。
だって、結局なーんもハッピーじゃないんだもん……ふと気づいたら、歌恋ルート手前で、
ふと気づいたら、ムスカさんフラグへしおってるんだもんね……。
そりゃ、死にたくも、なるよね。
ちなみに掃除時間の歌恋さん↓
「なによ!馬鹿!!馬鹿!ばっかじゃないの!?最低!死んじゃえ!」
私は歌恋、何事も頂点に立つお嬢様だ。でも今はそんな肩書きさえもどうでもよかった。
今の自分はお嬢様とは程遠く、ただのトイレで泣いている女子中学生だ。
……あれが自分の精一杯だったのに。なのに、彼はそれにもきづきやしない。
「鈍感!そうよ!愚鈍だわ!トーヘンボクだわ!朴念仁だわ!もう!もう・・!」
あとからあとから涙があふれて、私には止めることすらできない。
なんてことだ、と私は思った。自分はなんでもできると思っていた。
けれど、今、自分の涙を止めることさえ、私にはできないでいるのだ。
「バカは……私よ……」
めいっぱい虚勢を張って、自分をひた隠して、そんなんだから、私がこんなだから……
「お兄様……助けてよ、お兄ちゃん……」
なんて悲惨、なんて人生。自分は友達はたくさん出来ても、その先に踏み込めない。
痛いほど思い知った。
「そうよ、なら変わるわ。私は高嶺の花よ。」
……今に見てなさい。私を選ばなかったことを後悔するほど、すごい女になるわ。
H26.1.30 要望があったら選択肢別に書く気マンマンな ナオでした。
いや、要望あったらまじで書くからね?ま じ で じ ま だからね??
最終更新:2014年01月30日 14:34