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「なんで…だよ…おい、冗談やめろよ。」

しかし、目の前のRは目を開けなかった。
「…残念だけどムスカ、もう…Rは……。」
隣のこちには心底悲しそうな目で首を振る。どうやらここに置いていくつもりらしい。

嘘、だろうか。嘘だ。こんなのは、信じちゃいけない。
そうだろ?だってオレたち、ずっと一緒に過ごしてきたはずだろ?
親友だったよな。そりゃ喧嘩もしたよ。最初は仲も悪かったよな。

「冗談だよな?…こちに。お前…こいつを置いていくのか?」
「そうするしか、ないだろ?俺は死者を生き返らせる方法なんて知らないぜ。」

こんな世界は、間違っている。

「あ、あの…ムスカくん…急がないと…。」
「福沢…お前まで…!」
「きゃっ…ごめんなさい!」
オレは思わず、福沢にまで殴りかかろうとしていた。
「あっ……その、わりぃ」
「ううん、でも…ちょっと冷静にならなきゃ…。」
その通りだとは思う。でもオレ、もう耐えられねぇよ…。
なんでみんな冷静でいられるんだよ…。

「クソッ…オレは…憎むべきなのは……あいつだろ…?」

そう。そうだ。
オレが、オレ達が憎むべきなのは…。

この小さな、ひどく小さな世の中を支配している者。

「魔王荒地ッッ!!絶対に倒してや…

ブチッと、その時大きな音が部屋に響いた。




「アーーーーーーッッっっ!!!!R!なんで今リセット押したんだよ!!!!」
ブチッという音の正体は、Rがプレイポート、通称プレポーのリセットボタンを押す音だった。

「だって、俺死んだし。これ、一人でも死んだら負けイベなんだよ。ウィキ情報だからわかんないけど。まー勝つまでやろーぜ。」
「っていうか、なんでこのゲーム、クラスメイトの名前で埋め尽くされてるんだよ。お前の名づけのセンスやばいね。」
外野二人がわめく。
もともと、オレは今日発売の新作RPGをお年玉をはたいて手に入れ、土日で暇だったのでさっそくプレイしようとウキウキしていたんだ。
要するに!じっくりプレイするのを本当に楽しみにしていたんだ!
なのになのにこいつらときたら、打ち合わせでもしたかのようにオレの家に訪ねてきやがった。

「なんで勝手にうち来てオレのゲーム画面見てリセットしたり文句言ったりすんの!?」

これは正当な言い分だ、と自分でも思った。

「だって俺もこのゲームしたかったけど、もう貯金無くて…」
「僕も顔のコロコロ買ったらお金なくなっちゃって…もとはといえばこの前お前が壊したんだぞ。」

「お前ら帰れ。まじで帰れ今すぐ帰れ!!!!!」

オレはもう、虚しいような悔しいような気持ちでいっぱいだった。せっかく中盤で面白くなってきたのにリセットされ、
名づけには文句を言われ、あげくこの状態だ…。ああ、オレの土日…。

「ま、いいじゃん。どーぞ進めてくれたまえよ!」
「そーそ、僕らはこうしてみているだけで幸せだよ。(コロコロ…)」

「とか言いながらお前らまた文句言うんだろ!好きにさせろよもー!」

そういいつつも、もう一度「続きから」を選んでゲームを始める。
オレの、「土日中にクリアするぞ計画」は、結局こいつらのせいで達成されないどころか、
いつもの倍以上の時間がかかってしまったということは、オレはまだ知らない…。



いえいナオだよ。研究室なうだよ(勉強しろ)
なんとなくで書いた短編です。
こんな日常だったら面白そうだなーって。

2014.5.16 ゲームはじっくりプレイするのが好きなナオでした。
最終更新:2014年05月16日 06:16