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「ねえ、京。」
「ん、どうしたの?」

いつもの週末。
いつもどおり校門に迎えに来た京子に、歌恋は話しかけた。

「買いたいものがあるのだけれど、付き合ってくれる?」
「もちろん。」

このような会話はよくあるものだったが、
そんな会話を目ざとく(みみざとく?)聞いていた少年がいたことに、二人は気づかなかった。
その少年の名は……。


京子、シゲミチとの出会い


「それでね、ボクもいってやったのさ」
「まあ、京ったら。ふふっ」

談笑しながら歩く二人の後ろを隠れるように付ける少年はシゲミチ。
ちょっと変わり者の彼は、最近学校に現れるようになった京子に興味を抱いていた。
「ふむふむ、あの子が京というのか……ちょっと、会話が聞き取りにくいなぁ」
シゲミチはメモを取りながら慎重に二人の後をつけていた。……はずだった。

「それで、歌恋。後ろの彼は、友達なのかな?」
「えっ?」

「えっ?」
京子の一言で、驚いたのは二人。
すぐに後ろを振り返った歌恋と、慌てて電柱に隠れそこねたシゲミチだ。
「重道、さん?」
「あ、か、歌恋さん、放課後ぶりですねえ、はは……」

そうして、不思議な三人組ができた。
歌恋は対応こそ丁寧だったが、困ったような怒ったような声でシゲミチを近くのカフェに誘った。

「あ、僕はドクターペッパーでお願いします。」
「私は紅茶にしようかしら、ストレートで。」
「じゃあボクは歌恋と同じで。」

「……で、重道さんは私に何か御用があったのですか?」
「え、いやあ、はは……歌恋さんに、というか、今日はそっちの子が気になってねぇ」
「えっ?ボクに?」
「へえ、君が最近流行りのボクっ子かぁ……ゲヘヘ」
「……重道さん?」
「あ、ごめんごめん、歌恋さん」
シゲミチは脳内で、そんなにヤキモチを妬かないでおくれよ。と付け足した。

「えっ、と、ボクに何の用?」
「いやぁ、君の制服、実に素晴らしいよ。」
シゲミチは京子の着ている私立のお嬢様学校の制服を指さして言った。
「僕らの学校て、セーラー服じゃない?ねえ、歌恋さん」
「え、ええ、そうですね」
「僕はブレザーも大好きなんですよぉ、ははは」
「そ、そうなのですか?それは素敵」
歌恋は無理して会話をしているようだった。

「そうなんです!特に前世僕はブレザーの制服の高校にかよっていたような……」
「まぁ、前世、神秘的なご趣味をお持ちなのですね。」
意気揚々と語るシゲミチ。
美少女二人と変わり者の少年の組み合わせでの会話はどこかぎこちなく進んだ。

「それに、です」
シゲミチはキッと京子の方をむいた。
「ん?なに?」
ストレートティに飽きて、
テーブルに置いてあったミルクを注いで紅茶をかき混ぜていた京子が顔をあげた。
「君のようなはつらつとした子が!そんなかわいい制服を着ているのがたまらない!」
「え?……そうかなあ?」
「そうです!こんな可愛い子がおんなのこなはずがない!!!」
「はは、ひどいなぁ、ボク、女の子なのに」
と京子が言うと、シゲミチは立ち上がって
「そういう態度がたまらなくかわいいんだ!」と叫んだ。
「は、へ?」
京子はもはやポカンとしていた。しかし、徐々に笑顔になって

「ボク、初めて女の子扱いされたよ。シゲミチ、ありがとね。」
と言った。
「ちょっと、京!」
歌恋は少し不機嫌になって言った。
「……」
シゲミチは立ち上がったまま真っ赤な顔で固まっていた。

「ふふ、ボクのお姫様を怒らせちゃったから、今日はここまで。じゃね」
「京……!」
京子は不機嫌そうに睨む歌恋を撫でながら立ち上がった。そして、
「機会があったら、また。ボク、キミのような子はキライじゃないよ」
それに、ボクの名前は京子だよ、と付け足し、
シゲミチの肩にポンと手を置いて、レジへ向かった。

そうして、見たこともないカードを店員にちらつかせて
京子は歌恋を引っ張りながらカフェを後にした。
その顔はどこか楽しそうで、まるで新しいおもちゃを前にした子供のようだった。

「京子……ちゃん」
取り残されたシゲミチは彼女の名を忘れないうちに口にして、

「うん、彼女もヒロイン候補に追加決定だ」
と、ひとりごちた。


おわり


あとがき
はい、ナオです。
たまにはコメディも書いて見たかった。
そーいうわけで、今回は京子とシゲミチの出会い、ぷらんえーです。
ぷらんえー、というからには、もうひとつの出会い方も考えていたりしてます。
今回は好意的で、京子のキャラもフランクな感じでしたが、
もうひとつの方は、あくまでビジネスライクな京子を演出しようと思っています。
といっても、おもいつきで書いてるから、全然違ったものになるかもしれません。
まあ、そこらへんは柔軟に、ということで←
あと、結局どっちのプランでいくのか、とかは紀紗さんと相談で( ̄▽ ̄)
それでは、ぷらんびーでおあいしましょー

H26.12.7 ナオ
最終更新:2014年12月18日 19:40