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いつもの授業中、瑠璃はそれはもういつもどおりに妄想に心を躍らせていた。
(もし私がお姫様だったら……ムスカくんがきっと王子様だよね)
お昼前のだらけた教室内で、一人生き生きと目を輝かせる少女の脳裏には、とてつもないお花畑が広がっている。
そしてもう一人、お花畑を広げている少女がいた。
(俺がおっ、お姫様だったら……あ、あ、あ、Rが王子様……キャー…)
お昼前のやる気のない教室内で、ノートもろくに取らないまま二人は妄想を繰り広げていた。

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「あらっ!かわいいかわいいお姫様のお出ましよ」
「本当だわ、きっと王子様のもとへ行くのね」
「そうに違いないわ。とってもお似合いよね」
「ええ、とっても」
そんな声を後ろに聞きながら、私は走る。
スカートの裾を上手に持って、転ばないように。
誰に教えられたものでもない、いつの間にか身についていた作法の一つだ。
私はこの国の姫。近隣に国は無く、平和に今まで暮らしてきた。
「ああ、なんて美しいのかしら」
「姫はまるで美しいお花のようだわ」
「馬鹿ね、それ以上に決まっているじゃない」
「ええ、とっても」
だけど最近、遠くの山をいくつも越えて、ある人がやってきた。
そう、その人こそ……

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(私の王子様、ムスカくんなの…)
(俺の王子、Rなんだよなっ!)
二人は、同時に身悶えた。
そして、同時に意中の相手を盗み見て、また身悶えた。

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「お待たせして申し訳ございません、姫」
「いっ、いいえ!」
「おや、これは……フフッ、僕のために、そんなに急いで来られたのですか?」
「あ、いや…これは、その」
王子は笑って私の髪をとくように撫でる。
「美しい髪を、こんなに乱してまで…」
「あっ、やめ…」
やめてください、とはどうしても言えなかった。
その手に、もっと委ねていたかったから…。
「姫…会いたかった。」
「えっ、ぁ…」
「姫は、違うのですか?」
「やっ…」

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(私もっ!ずっと会いたかったよムスカくん!!!)
(俺もっ!ずっと会いたかったぜRうう!!!)
二人は、またしても同時に身悶えた。
そして、同時に意中の相手を盗み見て、また身悶えた。
ムスカとRは、原因不明の悪寒が身をよぎるのを感じた。

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「ああ、姫と王子が並んでいるわよ」
「なんて素敵なのかしら」
「美しすぎて絵にも描くことができないわ」
「ええ、とっても」
しずしずと、王子の横を歩く。
さっきはみっともないところを見せてしまった。
だから、せめて女の子らしく、もっと可愛いって思ってもらえるように…。
「姫、どうしたのです?あなたらしくもない」
そんな私を心配そうに覗き込む王子に、またしても胸が高鳴ってしまう。
ああ、どうしてこの人の前だと、こうも素直に反応してしまうのだろう。
「さ、僕の腕に。」
そう言って、組みやすいように腕を差し出してくる王子。
なんて心遣いなのだろう。なんてお優しいお方。
「…嫌ですか?」
「い、嫌じゃないです!」
私が固まっていたからだろう、王子は不安そうに問うてきた。
そんな姿も、たまらなく愛おしいのだ。
「いいでしょう、姫はお疲れのようですし。」
と、王子はふわりと私を抱き抱えた。
「お、王子っ!」
「…これでは、不満ですか?姫」

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(ああっ!ムスカくん…!不満なわけないよぉ!むしろ…むしろいいのっ!!)
(ああっ!Rぅ…!不満なわけねーじゃねぇか!むしろ…むしろいいぜっ!!)
二人は、まるで口裏合わせたかのように同時に身悶えた。
そして、同時に意中の相手を盗み見て、また身悶えた。
ムスカとRは、先程より強く悪寒が身をよぎるのを感じた。

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そして、私はお城のバルコニーまで抱き抱えられたままだった。
恥ずかしいので、目をつぶっていると、王子が私に優しく笑いかけるのがわかった。
「ちょうどいい、このまま宣言してしまいましょう」
「な、何をですか?」
王子は、先ほどの優しい顔とは打って変わって、いたずらを思いついた少年のように笑った。
「僕たちの、婚約宣言ですよ」
「なっ…!」
「あれ、聞いていませんでしたか?」
王子はニヤリと笑って、既に集まりきっている国民の方に振り向いた。
「この国の者に告ぐ!!私は、姫と結婚することをここに誓う!!」
沸く国民。何がなんだかわからなかった。
王子が、私と…結婚?
「こ、困ります!」
「おや?僕は一切困りませんが?…あなたを、一生かけて幸せにしてみせますよ、姫」
な、なんて、なんて…っっ!

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「「なんて幸せな夢なの(んだ)ーーーーっっっっ!!!!!!」」
だらけきった昼休み前の授業中、とある生徒が同時に立ち上がり、叫んで、鼻血を出し、倒れたと、
その日の話題は不思議なニュースでもちきりになったという。




おわり


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あとがき

はいナオで…全力ですまんかったーーー!!!
アホなやつも書いてみたかったんだよ、許してちょ。
てなわけで、最初はすみと瑠璃ちゃんのお話を書くつもりが、
二人、一回も会話してないし、謎のシンクロしてるし…。
いやほんと、ごめんねー(棒)
かいてて楽しかったです!ではまたおあいしましょー!

H27.1.17 ナオ
最終更新:2015年01月17日 04:12