ジャック・クレマン

【元ネタ】史実
【CLASS】アサシン
【マスター】
【真名】ジャック・クレマン
【性別】男性
【身長・体重】170cm・62kg
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力D 耐久E 敏捷B 魔力C 幸運A 宝具C
【クラス別スキル】
気配遮断:B
 サーヴァントとしての気配を絶つ。
 完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。
 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【固有スキル】
信仰の加護:A+++ 
 一つの宗教観に殉じた者のみが持つスキル。
 加護とはいうが、最高存在からの恩恵はない。
 あるのは信心から生まれる、自己の精神・肉体の絶対性のみである。
 ……高すぎると、人格に異変をきたす。

抑制:A
 攻撃寸前まで殺気の一切を表に出さない暗殺者の秘奥。
 Aランクともなれば、武器を手に握る瞬間まで殺気が窺えない。

プランニング:C
 対象を暗殺するまでの戦術思考。
 軍略とは異なり、少数での暗殺任務のみに絞られる。
 なお、自己の生還は考慮しない。

【宝具】
『地獄の創造物(セ・ランフェル・キ・マ・クレエ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 クレマンがアンリ三世を暗殺するのに用いた短刀。
 当時広まった彼の名を捩ったアナグラムに由来してか、この短刀に刺された者は、その霊魂を地獄の業火で焼き尽くされる。
 ただし、冥府から生還した逸話を持つ英霊には無効。

【解説】
 ユグノー戦争におけるカトリック同盟側の修道士にして暗殺者。
 フランス王アンリ3世を暗殺しヴァロワ朝を断絶させた人物。

 当時フランスはカトリック同盟とプロテスタント(ユグノー)の信仰に由来する内戦状態にあり、
 フランス国王アンリ3世はカトリック同盟に属してプロテスタントと戦っていた。
 しかし、アンリ3世はカトリック同盟の英雄ギーズ公を疎み、彼を暗殺してプロテスタント側へと寝返ってしまう。
 これに激怒したカトリック側はアンリ3世を国王とは認めないと表明し、徹底抗戦の構えを見せた。
 このような状況の中で登場したのが、カトリック側に属するドミニコ会の修道士ジャック・クレマンである。

 ジャック・クレマンの背後関係について分かることは殆ど無い。
 暗殺の動機に関しても不明瞭で、何者かが手を引いたのか、彼の信仰心から来る独断だったのかは闇の中である。
 ともあれ、1589年8月1日、クレマンはサン=クルーに滞在していたアンリ3世に謁見を求めた。

 王の側近達は「見ず知らずの人物に会うことはない」と進言したが、
 アンリ3世は(カトリック教徒が尽く彼に敵意を抱いていたことを知っていたにも関わらず)会見を承認する。
 会見の場でクレマンは携えた書状をアンリ3世に渡すと、読もうとした隙を突いて短刀で襲いかかり、致命傷を負わせた。
 クレマンはその場で護衛に殺されたが、カトリック同盟は彼を殉教者と讃え、ローマ教皇も祝福したという。

 ちなみにクレマンの名「Frere Jacques Clement(修道士ジャック・クレマン)」という名前の綴りを変えると
「C'est l'enfer qui m'a cree(私を創造したのは地獄だ)」(j=iと見なす)となる。
 この言葉遊びの通り、クレマンはヴァロワ朝にとっての地獄の使者となったのであった。
最終更新:2017年11月05日 17:35