外田一刀斎

【元ネタ】史実 鐘巻自斎、伊藤一刀斎 同一人物説
【CLASS】セイバー
【マスター】
【真名】外田一刀斎(鐘捲自斎通家・伊藤一刀斎景久)
【性別】男性
【身長・体重】181cm・75kg
【属性】中立・中庸
【ステータス】筋力B 耐久B 敏捷A 魔力B 幸運C 宝具A
【クラス別スキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:B
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

【固有スキル】
蔵知の司書:C
 多重人格による記憶の分散処理。
 LUC判定に成功すると、過去に知覚した知識、情報を、たとえ認識していなかった場合でも明確に記憶に再現できる。

鬼種の魔:B
 鬼の異能および魔性を現すスキル。
 天性の魔、怪力、カリスマ魔力放出、等との混合スキル。

水月移写:A
「月、無心にして水に移り、水、無念にして月を移す、内に邪を生ぜれば、事よく外に正し」
 柳生新陰流・水月に相当する一刀流の究極の境地。
 自身の心は動かさず、相手の心の動きを読み取る。

【宝具】
『鐘捲外他一刀流(かねまきとだいっとうりゅう)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大捕捉:1人
 鐘捲自斎・伊藤一刀斎、その人格と剣技が宝具に昇華されたもの。
 鐘捲自斎・伊藤一刀斎という二つの人格を適時切り替える事で太刀筋を変化させ、相手に攻撃を見切らせない。
 また、両者が修めた奥義の数々――
 すなわち高上金剛刀、妙剣、絶妙剣、真剣、金翅鳥王剣、独妙剣、切落、払捨刀、夢想剣といった秘剣の全てを使いこなす。

【Weapon】
『瓶割刀』
『朱引太刀』

【解説】
 戦国時代の剣豪。
 鐘巻自斎に鐘捲流を学んだ。
 やがて剣の妙機を自得し、師の剣が発する瞬間の虚を、自然体の実の剣によって打ち、三度破る。
 かくて師に認められた景久は高上極意五点の奥義を授かり、師の別名、外田一刀斎から拝借して伊藤一刀斎を名乗った。
 その後、さらに剣の深奥を極め、払捨刀、夢想剣といった奥義を開眼したという。
 しかしながら柳生氏の記録では剣の師は鐘巻自斎ではなく山崎盛玄とされており、他の事績も謎が多い。
 後世、伊藤一刀斎は一刀流の祖とされるが鐘捲流の二代目とする史料もある。

 なお、伊藤一刀斎と鐘巻自斎には同一人物説がある。
 両者が外田(とだ)一刀斎(戸田一刀斎という記述も)を名乗っていたことに加え、
 鐘巻自斎は一時期、鐘捲外他流を、伊藤一刀斎の高弟は外他一刀流を名乗っていた為である。 

 †

 伝説では、若かりし頃の伊藤景久(一刀斎)は鬼夜叉、島天狗とも呼ばれる暴れ者だったという。
 その真実は伊藤景久=鐘巻自斎が鬼の血を継ぐ魔であるが故の衝動。
 すなわち伊藤景久とは鐘巻自斎の小我。祖先に鬼を持つが故の反転人格だったのだ。

 鐘捲自斎は剣者の高みを目指し「富田の三剣」に数えられるまでとなったが、
 自らの血統故に反転人格が表出し、猛々しく振る舞うのに悩み苦しんでいた。
 心技体を高めて宿業を乗り越えようとしたが叶わず、
 やがてこれを伊藤景久と名付けて虚――つまり別人格として分離させ、無理矢理に抑え込んだ。

 その後は外田一刀斎を名乗って穏やかに剣の道を邁進していたが、
 自身の魔性を虚として切り離す不徳故に真なる剣の高みへは届き得なかった。
 一方、景久は心中奥深くに封じ込められながらも、主人格の修行を心で見て学んでいた。
 その剣法のみならず心法も学んでいた景久は、自らの猛々しさを収める術を習得し、
 別人格を抑え込まんとする邪念がある主人格・外田一刀斎を圧倒する剣者に成長していたのである。

 やがて外田一刀斎は景久の人格を抑え込めなくなり、両者は心中にて三度勝負を行う。
 しかし、この勝負は景久が三度に渡って勝利する結果に終わる。

 敗れた外田一刀斎は、景久がその猛々しさを制御しつつあるのを察した。
 宿業を乗り越えず切り離したが故に自分の剣は“虚”であり、邪念なく見習った景久の剣は“実”である事を悟った。
 故に、鐘巻自斎は自らの夢と一刀斎の名を景久に譲り、人格の主導権を譲り渡した――実と虚が入れ替わったのである。

 その後、一刀斎は剣を極め「一刀流」の祖となった。
最終更新:2017年11月29日 12:03