【元ネタ】史実、中世の伝説
【CLASS】アーチャー
【マスター】
【真名】プリトヴィーラージ・チャウハーン
【性別】男性
【身長・体重】179cm・62kg
【属性】中立・善
【ステータス】筋力C 耐久B 敏捷A+ 魔力E 幸運C 宝具B
【クラス別スキル】
対魔力:C
二工程以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法等、大がかりな魔術は防げない。
彼自身の対魔力は皆無なのだが、半ば殉教者として祈りを捧げられた影響か、ある程度のランクで所持する。
単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。
【固有スキル】
護国の鬼将:C
あらかじめ地脈を確保しておくことにより、特定の範囲を“自らの領土”とする。
この領土内の戦闘において、領主であるプリトヴィーラージャは高い戦闘力のボーナスを獲得できる。
仮に北インドで召喚された場合は、このスキルのランクアップと同時に、
ゴール朝との十七度の戦いを再現する宝具も付いてきた。
無窮の武練:A+
ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。
心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。
盲目の恋:A
恋人に対する強い愛情と、それに伴う近視眼的な性質を表すスキル。
魅了効果に対する完全耐性と引き換えに、生前の愛妻、サムユクタが絡む事柄には視野が狭まるデメリットがある。
【宝具】
『盲目の矢、恋のように彼を射抜け(ダルティ・カ・ヴェール・ヨーダ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:一人
インド弓術における絶技中の絶技。シャブダ・ベディ・バーン。
相手がアーチャーの存在を認識し、何らかのアクション(声をかける、攻撃する、その場から逃げるetc)を起こした際、
それを視覚以外で知覚していれば相手を標的としてロックオンできる。
彼は対象の所在を常に認識でき、また自分の矢を対象に向けて自動追尾させられる。
雨のような無数の矢に敵を追わせたり、対象の位置座標を把握して非追尾攻撃と組み合わせることも可能。
両目を潰されながらムハンマド・ゴーリーを射殺したという伝説と、プリトヴィーラージャ3世の愛と復讐への執着の具現。
民間伝承によればプリトヴィーラージャは、この妙技を森で出会った
アシュヴァッターマンから
伝授されたという。
【Weapon】
『シャブダ・ベディ』
英雄叙事詩において度々言及される、視覚情報ではなく音を頼りに標的を射抜く弓術。または矢。
意味は文字通り「音を穿つ」。技術を指してシャブダベディ・バーン(矢)、シャブダベディ・バン・ヴィディヤ(矢の教え)とも。
実在の人物でこれを達成したものはごくわずかと伝えられる。
習得者は暗中や遮蔽物越しでも正確な射撃を可能にする。
【解説】
中世インドにおける代表的な抗イスラムの英雄、チャウハーン朝最大の君主プリトヴィーラージャ3世。
ラージプート諸王朝を糾合してアフガニスタンからの異教徒の侵攻に立ち向かったが、
最終的にゴールのムハンマドに敗北し北インドへのイスラム流入を許した。
同時代の碑文が少なく、中世の誇大化された叙事詩によってその伝説に彩られた生涯を知られる。
歴史家に捧げられた賛辞においては(南インドでは彼以後も依然として強力なヒンドゥー政権が興隆したにも関わらず)
最後のヒンドゥー皇帝と称されるヒンドゥー教の英雄。
知られるところによれば11(?)歳で即位した後、近親者の反乱を叩き潰し、パラマルディン王チャンデーラ朝を圧倒、
幾つかのラージプート王朝と交戦した。
インド中世ロマンスの傑作『プリトヴィーラージ・ラーソー』によれば、
かくの如く英名を轟かせたプリトヴィーラージャはガーハダヴァーラ朝の王ジャヤチャンドラの娘、
サムユクタ(サンヨギータ)を熱愛したという。
立像を使った嘲弄、劇的な駆け落ち、寵妃に耽溺するあまりの国務放棄などの伝説の史実性は全く疑わしいが、
曰くこれによって生じた確執や国力低下がタラーインの戦いでの敗北に繋がったのだという。
伝説によればプリトヴィーラージャは特に弓術に秀で、
「シャブダ・ベディ」という視覚に依らずして目標を射抜く技を体得していた。
二度目のタラーインの戦いで捕虜になったプリトヴィーラージャは両目を焼き潰されたが、
ムハンマドの前で"耳で聞いて矢を当てる技"を実演し、思わず感嘆の言葉を吐いたムハンマドを射殺したという。
その後ゴール人の手にはかかるまいと、股肱の臣たる詩人チャンド・バルダイと相撃って自刃した。
この王を語るには欠かせない劇的なこの逸話は明らかに伝説であり、
実際には彼はムハンマドにより属王に配されるかしたが反乱を企み処刑されたと思しい。
反イスラム感情によってか、ヒンドゥー主義によってか、伝説化の著しいプリトヴィーラージ・チャウハーンだが、
伝説のベールが剥がされがちな昨今でもなお支持者からは厚い敬意を表され、
インド史上最強の戦士とすら呼ばれる。
原典でキャラが濃すぎて困るおじさん。バーサーカー適性も高そう。
というかシャブダ・ベディってそんな意味だったのかよ。
最終更新:2020年03月22日 20:48