破城剣

はじょうけん

ジョン・アデルの所有する武器のひとつ。
全長6メートル(!)もの恐るべき威容を誇る巨大な剣。
幅広の刀身は大剣よりもむしろ盾のようですらある。
握りのついた鉄板と形容するのが正しいのかもしれない。

元はアルメリア王国の王都キングヒルの武器庫に所蔵されていたもの。
6メートルというのは実に2階建ての家屋の高さに匹敵し、
一般的な兵士の持つ片手剣を6本縦に並べたものと考えるだに途方も無い大きさである。

言うまでもなく人間用ではない。
王宮お抱えの鍛冶師曰く、とあるモンスターに持たせる用に製作されたもので、
本来は武器毎に決められている理想重量、質量を無視し、
威力と切れ味だけを追求した、いわば真正面から叩き切る、潰す事をメインにした一品だという。

サイズに違わず非常に重量があり、フィジカルにおいては人類トップクラスのジョンですら、
一回振ることだけで精一杯だった。
それでも十分狂った腕力ではあるが…

『創世の』バロールの計らいで異邦の魔物使い(ブレイブ)への物資提供が行われた際、
武器庫の片隅で誰にも振るわれることなく眠っていた破城剣をジョンが譲り受け、
アコライト外郭における防衛戦で実戦投入された。

巨大であること、重いこと、頑丈であることが特筆すべき事項の全てであり、
いわゆる魔剣や遺物、付与武装の類ではない。
常軌を逸したサイズであること以外に特別な能力はなく、ただの工業製造品である。

しかしひとたびこれを振るうことの出来る持ち主と出会ったならば、
その威力において余人の想像を裏切ることはないだろう。

超レイド級の巨龍アジ・ダハーカですら、
単純な攻撃力と防御力のぶつかり合いでは破城剣の一撃を防ぎ切ることができず、
その首のひとつをジョンによって切り落とされている。

規格外の大剣と、規格外の人類。
決して交わることのないはずだったふたつは異世界で出会い、
おそらく地上で最強の『名剣』が完成した。

それは剣と言うにはあまりにも大きすぎた  大きくぶ厚く重くそして大雑把すぎた  それは正に鉄塊だった

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最終更新:2021年02月27日 10:26