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小松左京『復活の日』角川文庫

最終更新:

匿名ユーザー

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August 14, 2005

小松左京『復活の日』角川文庫

今更読んだ。
つまらんかった。
ただ宇宙空間にあったウイルスを使って突然変異させた猛毒のインフルエンザウイルス(生物兵器)が盗み出されて事故によりばら撒かれ人類のほとんどが絶滅するというだけの話。しかも、民衆の視点からの描写がほとんどなく、パニック小説色は皆無。したりげなABC兵器やウイルスの説明、薀蓄、もったいぶった演説や議論の場面が大半を占める。視点が一貫して「上からの」ものである上に、人物描写も皮相的で感情移入は無理。「士農工商*****SF作家自分」なおれにとって、こういう物事をえらそうに大所高所からしか描かないタイプの作品は激しく苦手なタイプ。しかも書かれている薀蓄の大半が概説書の引き写しのような陳腐で面白みのない内容で独創性が皆無。「何故人類が功もあっけなく滅びなければならないのか」という嘆きの文章が繰り返し繰り返し、あたかもページ数稼ぎのように何度も長々と差し挟まれ、読み飛ばさないのは至難の業である。
最終的には南極を除くすべての大陸の人間が全員死に、米ソ両国の核ミサイルが地震によって自動発射(相互に&南極に)されることを恐れた生き残りメンバーが米国核施設に行くが阻止に失敗、ソ連ミサイルの自動核反撃で被爆する。ところが南極はターゲットに入っておらず無駄死にであったことが判明。米国にいった者の中で唯一の生き残りである日本人が乞食のような姿で放浪しているのを助けに行った南極の連中が発見する。最終的に中性子爆弾によって猛毒ウイルスは無毒化され、わずか1万人の人類の生き残りが南極から大陸へ移住を始めるというエピローグ。
はっきりいって陳腐なアイデアと平板なストーリーを冗長に書き連ねただけの粗大ごみ作品。唯一エピローグだけが無駄に感動的でよくできている。これほど酷い作品とまでは想像しておらず、かなりショックであった。
テーマ性  ★★★★★
奇想性   ─
物語性   ★
一般性   ★★★
平均    2.25
文体    ★
意外な結末 ─
感情移入力 ─
主観評価  1/2(8/50)
silvering at 22:04 │Comments(2)読書

この記事へのコメント

1. Posted by 手下X22   August 15, 2005 23:59
中一の頃に鞍不和君か洋一郎君から借り(て後日買い直し)た。
当時の読解力・理解力では到底及ばない長大さだったと思うが、借りた意地で読了したが、最近は二度ほどチャレンジして挫折。
出だしの潜水艦から日本をのぞく辺りから、その逆ベクトルに非凡な伝達イメージ力にうんざりした気がする。
小松左京の作品とは相性が悪いので悪口がいっぱいでとても満足。
とはいえ、レンズマンよりましなのね。レンズマンがひどすぎるんだが&&
2. Posted by slg   August 16, 2005 02:36
>逆ベクトルに非凡な伝達イメージ力

的確な表現に快哉を叫びました。
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