「…佐助」
いつも、その行為の後に幸村は彼女の名を呼んで抱きしめる。
まだ、余韻の熱が篭った体には少々毒だ。
そんな事を思いながら、佐助は苦笑しながら幸村の頬に唇を触れさせる。
「なーに深刻な顔をしちゃっているのさ、真田の旦那」
あっけらかんとした口調は、まるで先刻まで激しく抱き合っていた事など微塵も感じさせない。
「これも俺様の仕事の一つだって」
主の健康状態を管理するのも自分の役目だと割り切り、こうして時々幸村の相手を始めてどのぐらいが経ったのだろうか。
別に恋愛感情などない。
…いや、あっては困るのだ。
だから唇は絶対に合わせない、情が移りそうで怖いからだ。
「ほら、いつまでも裸でいると風邪引くでしょ」
今、火鉢を持ってくるから布団でも被っていて、と言い残し、佐助は床を出た。
かるく薄物を羽織っただけの彼女の後ろ姿をぼんやりと眺めながら、幸村は唇を噛み締めた。
いつも、その行為の後に幸村は彼女の名を呼んで抱きしめる。
まだ、余韻の熱が篭った体には少々毒だ。
そんな事を思いながら、佐助は苦笑しながら幸村の頬に唇を触れさせる。
「なーに深刻な顔をしちゃっているのさ、真田の旦那」
あっけらかんとした口調は、まるで先刻まで激しく抱き合っていた事など微塵も感じさせない。
「これも俺様の仕事の一つだって」
主の健康状態を管理するのも自分の役目だと割り切り、こうして時々幸村の相手を始めてどのぐらいが経ったのだろうか。
別に恋愛感情などない。
…いや、あっては困るのだ。
だから唇は絶対に合わせない、情が移りそうで怖いからだ。
「ほら、いつまでも裸でいると風邪引くでしょ」
今、火鉢を持ってくるから布団でも被っていて、と言い残し、佐助は床を出た。
かるく薄物を羽織っただけの彼女の後ろ姿をぼんやりと眺めながら、幸村は唇を噛み締めた。




