絶え間なく繰り広げられている、東西の姉貴達によるマシンガントークは、周囲
の何者も寄せ付けないでいた。
下手に間に入ろうものなら、たちまちふたりの巻き添えを食らって痛い目をみる
のは熟知していたので、伊達・長曾我部両軍の面々は、それぞれに宴を楽しむ事
に神経を注いでいた。
しかしそのような中、伊達家の重臣・片倉小十郎だけは、常に政宗の動向に注意
を払い、彼女達とは付かず離れずの場所で事の成り行きを見守っていた。
の何者も寄せ付けないでいた。
下手に間に入ろうものなら、たちまちふたりの巻き添えを食らって痛い目をみる
のは熟知していたので、伊達・長曾我部両軍の面々は、それぞれに宴を楽しむ事
に神経を注いでいた。
しかしそのような中、伊達家の重臣・片倉小十郎だけは、常に政宗の動向に注意
を払い、彼女達とは付かず離れずの場所で事の成り行きを見守っていた。
(…ったく、毎度毎度良く飽きねぇよな。まあ、政宗様もコイツの前では肩肘を
張らず、自然体でいられるのは良い事だと思うが……)
張らず、自然体でいられるのは良い事だと思うが……)
奥州筆頭として伊達軍を率いる政宗は、普段は相当張り詰めた生き方を余儀な
くされている。
女でありながら、血の気の多い伊達軍の荒くれ者たちを纏め上げなければならぬ
他に、内外に敵を持つ政宗は、実はあまり気の休まる時がないのだ。
そんな政宗にとって、年上の元親は数少ない同性の仲間であり、何だかんだ言
って、政宗の毒舌に文句を言いながらも付き合い続けてくれる、姉のような貴重
な存在なのだ。
ふたりとも似たもの同士の負けず嫌いなので、些細な衝突はあるものの、心の奥
底では互いを認め、想い合っている事は、誰が見ても明らかである。
だから、一見物騒な口論という名のふたりのコミュニケーションを、一同は温か
く(?)見守り続けているのだ。
(──少々どころか、かなり喧しいのが難点だがな)
心の中で独り愚痴ると、小十郎は、政宗の揶揄に頬を膨らませている元親に視線
を移した。
背丈だけでなく、元親の動きに合わせて震動している大きな胸や尻、それでいて
引き締まった腰の括れと長い脚は、弥が上にも男を惹きつけてやまない。
くされている。
女でありながら、血の気の多い伊達軍の荒くれ者たちを纏め上げなければならぬ
他に、内外に敵を持つ政宗は、実はあまり気の休まる時がないのだ。
そんな政宗にとって、年上の元親は数少ない同性の仲間であり、何だかんだ言
って、政宗の毒舌に文句を言いながらも付き合い続けてくれる、姉のような貴重
な存在なのだ。
ふたりとも似たもの同士の負けず嫌いなので、些細な衝突はあるものの、心の奥
底では互いを認め、想い合っている事は、誰が見ても明らかである。
だから、一見物騒な口論という名のふたりのコミュニケーションを、一同は温か
く(?)見守り続けているのだ。
(──少々どころか、かなり喧しいのが難点だがな)
心の中で独り愚痴ると、小十郎は、政宗の揶揄に頬を膨らませている元親に視線
を移した。
背丈だけでなく、元親の動きに合わせて震動している大きな胸や尻、それでいて
引き締まった腰の括れと長い脚は、弥が上にも男を惹きつけてやまない。
『あんまり元親の前で身体の事は言うなよ。アイツ、凄ェ気にしてんだから』
元親本人は、自分の外見に相当な劣等感を持っている、と以前政宗が話していた
が、むしろおおらかな彼女に相応しい良い体躯ではないか、と小十郎は純粋に考
えていた。
(ガキにゃ興味ねぇが…ま、正直あれくらいの身体なら、一度くらいお相手願う
ってのも、悪かねぇかもな……)
遠目にも判るほど、揺れ続ける元親の巨乳を盗み見ていた小十郎は、ほんの少し
だけ口元を綻ばせようとしたが、突如背後に尋常でない殺気を覚え、顔つきを変
えた。
「…っ?」
さり気なく周囲を窺ってみたが、つい今まで痛いほど背に受けていた負の気配は、
もはや微塵も感じられない。
(長曾我部の者か…?それにしてもこのオレを、ここまで構えさせるとは……)
が、むしろおおらかな彼女に相応しい良い体躯ではないか、と小十郎は純粋に考
えていた。
(ガキにゃ興味ねぇが…ま、正直あれくらいの身体なら、一度くらいお相手願う
ってのも、悪かねぇかもな……)
遠目にも判るほど、揺れ続ける元親の巨乳を盗み見ていた小十郎は、ほんの少し
だけ口元を綻ばせようとしたが、突如背後に尋常でない殺気を覚え、顔つきを変
えた。
「…っ?」
さり気なく周囲を窺ってみたが、つい今まで痛いほど背に受けていた負の気配は、
もはや微塵も感じられない。
(長曾我部の者か…?それにしてもこのオレを、ここまで構えさせるとは……)
己の慢心を戒めつつ、小十郎は今一度気を引き締めた。




