その頃、佐助は武田道場の側の離れで幸村のおやつの準備をしていた。
所が、時間になっても、幸村が来る気配は一向にない。
何かあったのだろうかと佐助が心配しだした矢先に、いつもの元気は何処へやら、幸村がとぼとぼと帰ってきた。
所が、時間になっても、幸村が来る気配は一向にない。
何かあったのだろうかと佐助が心配しだした矢先に、いつもの元気は何処へやら、幸村がとぼとぼと帰ってきた。
「旦那ー、どうしたんですか?おやつの時間に遅れるなんて、珍しいっすねえ〜。」
「佐助。…最近、氏政殿と二人きりで逢っている様だが…一体何をしているのだ?」
「え?」
「佐助。…最近、氏政殿と二人きりで逢っている様だが…一体何をしているのだ?」
「え?」
他人の詮索など殆どしない幸村に、自分の動向を訊ねられるという滅多に無い状況に、返答するより先に佐助は変な声を上げてしまった。
こちらをまるで思いつめたような顔で見ている幸村の顔は何故か赤い。
幸村は、眼を泳がせながら、しどろもどろで言葉を続けた。
幸村は、眼を泳がせながら、しどろもどろで言葉を続けた。
「氏政殿は…その…あの忍と蜜月の関係に…」
「あ、それは俺様も知ってますよ。…って、何で旦那が知ってるんですか?」
「あ、それは俺様も知ってますよ。…って、何で旦那が知ってるんですか?」
まるで何でもないといった表情であっさりと答える佐助に、幸村は目の前が真っ暗になった。
それを知りながらも佐助は、氏政殿と逢っている。
…何のために?
…もしや、あの忍から氏政殿を略奪しようと…?
…何のために?
…もしや、あの忍から氏政殿を略奪しようと…?
身内はおろか、周囲にも忘れられがちだが、幸村も年頃の娘である。
女であるにも関わらず「虎の若子」などとあだ名されてはいても、恋愛小説のひとつも読むし、星空や黄昏を眺めて溜息を洩らす事もある。
その乙女特有の逞しい想像力がこの時、フルに発揮された。
女であるにも関わらず「虎の若子」などとあだ名されてはいても、恋愛小説のひとつも読むし、星空や黄昏を眺めて溜息を洩らす事もある。
その乙女特有の逞しい想像力がこの時、フルに発揮された。
「は、破廉恥、破廉恥でござるううう!!佐助の破廉恥いいいいい!!!」
「だ、旦那?!」
「だ、旦那?!」
滂沱の涙を流しながら、幸村はその場から一刻でも早く逃れたいとばかりに、ひた走った。
幸村は乙女である。
長身で、そこいらの男よりよっぽど精悍な体つきをしてはいるが、心はそこいらの女よりよっぽど純真無垢で女らしかった。
お館様に憧れ、お館様のお役に立ちたい・強くなりたいと、女だてらに戦国武将となったが、その反面、女としての自分に強いコンプレックスを持っていた。
長身で、そこいらの男よりよっぽど精悍な体つきをしてはいるが、心はそこいらの女よりよっぽど純真無垢で女らしかった。
お館様に憧れ、お館様のお役に立ちたい・強くなりたいと、女だてらに戦国武将となったが、その反面、女としての自分に強いコンプレックスを持っていた。
どうせ俺は、氏政殿の様に、おなごらしくない。
身体も他のおなごに比べて大きいし、おなごらしい嗜みは苦手だ。
しかし、佐助もなんだっ!決まった相手がいるおなごに現を抜かして…
氏政殿に接している時、少しだけ顔が緩んでる事位、俺もお見通しだ!
許せんっ!悪だ悪っ!
身体も他のおなごに比べて大きいし、おなごらしい嗜みは苦手だ。
しかし、佐助もなんだっ!決まった相手がいるおなごに現を抜かして…
氏政殿に接している時、少しだけ顔が緩んでる事位、俺もお見通しだ!
許せんっ!悪だ悪っ!
「オヤカタサアアアアアアアア!」
色んな想いが脳内を掻き回し、幸村は冷静でいられなかった。
ただ、脚が動かなくなるまで走り続けた。
ただ、脚が動かなくなるまで走り続けた。
佐助は、幸村のあまりの気迫に気圧されて、しばし呆然と幸村の背中を見送っていたが
我に返るとスグ追いかけた。
我に返るとスグ追いかけた。
二人の追いかけっこは、日が暮れるまで続いた。
つづく。(…次こそ真田主従メインでorz)




