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全長 | 130~150cm |
重量 | 2.0~2.5kg |
地域 | 西ヨーロッパ |
年代 | 17世紀 |
トゥハンド・フェンシングソードは戦場で使われたわけでも、決闘で使われた武器でもない。
両手剣の重さに慣れる為の練習用の刀剣である。
日本で言う竹刀のように、握りを両手でどのように持つかの感触や持ったときの重さを実際に経験するためのものである。
切先が丸められているため存在せず、リカッソの部分が持つための部分ではない(刃がついている)のが特徴で、あとは「トゥハン・ソード」と大差は無い。
一応、切れるよ程度の刃は付いているが、実戦を想定したものではないため、切れ味は鋭くない。(モノによっては刃は無い)
また、あまり寿命は長くない。(頑丈には作られていない)
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1 | 剣身:ブレイド(Blade) |
2 | リカッソ |
3 | 柄:ヒルト(Hilt) |
4 | 鍔:ガード(Guard) |
5 | 握り:グリップ(Grip) |
6 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
「トゥハンド・ソード」、「ツヴァイハンダー」、「クレイモア」といった両手剣が全盛したときに、両手剣での振るい方を学んだりするためのトレーニング武器として生まれた。
剣を振るうことは技術を要することで、特に両手剣は非常に扱いが難しい。
そのため、日本で言う「竹刀」に近い形のトゥハンド・フェンシングソードが生まれた。
トゥハンド・フェンシングソードを使った様々なトレーニング方法は、挿絵になって今日にも残されている。
しかし、両手剣が戦場で使われなくなったと同時にこの武器も役目を終え、使われなくなっていった。
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まず、握り方。
日本刀のように右手はガード近くを握り、左手はポメル側を握る。
使用方法は少々違い、真一文字に切り落とすのではなく、横殴りに掠め切ったり輪切りにする。
この違いはある意味では至極当然と言える。
西洋の刀剣、特に両手剣は対金属鎧を想定しているため威力で叩き切ることを目的としている。
対して日本刀は、刃と対象が直角になるように切ることによって、最大の切断力を発揮することが出来る。
この大きな違いによって、刀剣自体の訓練方法も自然と違ってくるのである。
2008年 10月26日更新
新紀元社 | 武器事典 | 市川定春 著 | ||
ダイヤグラム・グループ | 武器―歴史、形、用法、威力 | 田島優 北村孝一 著 |