"K" -奴の名は- "Chapter 1-2




森ノ宮「……!(ただの徒手じゃねえ、下手すりゃ、というかタイミング的にさっきの連中に近い技とすれば、正面からは不味い…!)(飛び掛かってくる二人に視線を向けながら構えを取りつつ…二人の攻撃に合わせるよう、真横に大きくジャンプして回避を狙う) 」


シャン「ハイィッ!!(落下の勢いと共に森ノ宮に向かって飛び蹴りを放つも、タイミングを合わせた森ノ宮に避けられる。しかし…)ツィン! 」

ツィン「ああ!横だな、シャン兄さん!!(横に跳んだ森ノ宮に素早く反応し、一瞬で方向を転換して)『絶招』ッ!(超高速で森ノ宮に向かって低く跳ねながら拳を突き出し、着地の隙を狙って一撃を叩き込む) 」

森ノ宮「(横に跳んだところを、ってのは想定済み、幸い何とか防御は間に合……)(両腕でガードを上げ、素早くツィンの攻撃の防御を試みる
が……)お゛っもっ……!!(ツィンの攻撃の"重さ"、森ノ宮の現在の肉体の"脆さ"、そして身体が変わった感覚の"拙さ"……それらを読み違えた結果、ガードした腕ごと小さな胸にツィンの拳がめり込み、ボールの様に吹き飛ばされて橋の欄干に叩き付けられる)がっ……! 」

ツィン「("残心"の様に森ノ宮を見据えながら、拳を突き出した構えを取り)……兄さん、あの跳躍、あとガードされた時の感覚……多分、"錬気"だ。笑えるね、僕らの模倣じゃあこんなものか……見た目通りの脆さだ 」

シャン「(首を鳴らしながらツィンの横に並び)立つまで待ってやっても良いぜ、まだ一発しか入って無いのにいたぶるモードに入ったって燃えないしさ 」

森ノ宮「げ……え゛っ……(欄干に叩き付けられ、欄干にもたれながらずるずると崩れ落ち…えづきながら胃液と血液の混じった液体を地面に吐き出し)(一発で……腕の感覚が……胸にもこれ…折れてねえだろうな…?)いや……何なんだあんたら……通り魔か…?(欄干に手を突きながら、ふらふらと立ち上がり) 」

シャン「それっぽい怪しい奴がいたら適当にさ、連れて来いって言われてるんだよね。はい、回答終わり。まあ頑張って抵抗してよ、錬気、使えるんだろ?気動の出涸らしの劣化コピーの大道芸(へらへらと嘲る様に森ノ宮を見ながら、余裕綽々と歩いて距離を詰めていく) 」

ツィン「殺すな、って言われてるだろ?……ま、いいか。今ので立てるだけ多少は頑丈なんだろうし(シャンに合わせて森ノ宮に向かって歩く) 」
ブロロロロロ…… ┣¨ッ ┣¨ッ ドッ  (河川敷へ『オンボロです』と主張している軽バンが通りかかり、暗中にあった三人をヘッドライトが照らした) 」

グウェン「\ジャスビレー!!/\ビレー!!/\ビ… ブツッ  (大音量のBeat itを流していたスピーカーが事切れ、軋んだドアが開く)ちょっとちょっとお兄さん。こんな時間に良い子相手に何してるんです。免許書見せてもらっていいかな、おまわりさんです(目深に被ったキャップ、燻んだ白髪に黒い作業着。ロシア系の少年か或いは少女か定かでない若者が降り立つ。レンタルビデオの会員証を印篭よろしく見せつけへらへらとそいつは笑った)あ間違えた。まあいっか 」

シャン「お兄さん、いやお姉さん?まあどっちでも良いや。今時あんたみたいなのはこういうんだ、”正義厨”ってね。今なら見逃してやるよ、下手に首突っ込んで痛い目に遭いたく無いだろ?……こんな風に(ポケットから数個のパチンコ玉を取り出し……)……さ!(親指だけで森ノ宮に向かって弾丸の様な速度でパチンコ玉を撃ち出し、へらへらとした表情ながらグウェンを睨みつけ) 」

ツィン「そういう事だ、まあ、家で楽しく映画でも見て忘れるんだね(森ノ宮の傍まで歩き) 」

グウェン「えー、うそだぁ。帰って早々お掃除係が待ち構えてるんでしょ念のため消しとけみたいな。ホラー映画とかでよく見ますよぅ(ひぇーとでも言いたげに両手で口元を抑え)あーでも正義の味方いいですよねぇ。お子様からおじいちゃんおばあちゃんに人気だもの。”お子様に”人気だもの グリンッ(朗らかな笑みを浮かべ刹那的に森ノ宮に一瞥を与える)いやだからやめなさいてばぁ(おもむろにジャケットのポケットに腕を突っ込み10円高価を取り出す。一度それを掌の上で弾ませ) ピンッッ (手裏剣さながらの回転を効かせ、行く手を阻むようにしてシャンの足元に突き刺さる)おじょうちゃーん、パパとママはリッチかな?(ニッコニッ 」

森ノ宮「……姉ちゃん逃げろ、あと気を付けろ、こいつら普通の人間じゃ…(ふらふらの身体でシャンに撃ち出されたパチンコ玉を避けようとするも、見事に腹部に直撃し)ぐう……っ…(そのまま再び崩れ落ちる) 」

シャン「……へえ、良いね。"指銃"ってのは政府じゃあ貫手の名前らしいけど、俺達はこうやって弾を撃ち出す技の名前なんだよね……どうでもいいや、逃げないならさっさと来なよ、じゃないとそこのガキはサッカーボールになっちまうぜ?(グウェンの方に向き直り、手先で挑発しながらゆっくりと歩いて距離を詰める) 」

ツィン「(森ノ宮が動けないと悟り、シャンの後ろからグウェンに向かって歩く)……ま、やり合うならこっちのが楽しめそうだね 」

グウェン「あー指でやるやつっしょぉ、部位鍛錬の量どんだけよってあれよねぇ。あでもあれ痛そうでいいですねえへへぇ(上体をゆらゆらと揺らしつつ動かない森ノ宮からシャン、ツィンと順に見やり)サッカーだなんてひどぅい、可愛いお顔が台無しになったらどうするんで—————よいしょォーーー!!(談笑しながらさりげなく軽バンの運転席に腕を刹那的に入れ『ノコギリ』を抜き取り、それを投げナイフのようにツィンへ投擲) トン  トン   トン  よぉしSHINE!!!!!(爪先のみを床につける独特の歩法でシャンの懐へ飛び込み、しなる右腕で顎下を掴みに……否、『折り』にかかる) 」

緑髪の少女「…(河川敷を歩いている)ん…!?(崩れ落ちた森ノ宮を見て)えっ…あの…大丈夫ですか!?(森ノ宮に駆け寄る) 」

シャン「悪くない技だとは思うけどね、指なんて関節の多い物を真っ直ぐ突き出すのがそもそもナンセンスなんだよね……(軽バンに手を突っ込んだ

グウェンに素早く反応し、此方も一足飛びに距離を詰め……鋸を素早く身をよじって避けるも、続くグウェン本人への反応が遅れ)……本命はこっち、しかも"組技使い"(グラップラー)か……っ!!(掴まれ、極め切られる寸前でグウェンに前蹴りを入れ、反動で後方に飛び退いて掴みから逃れようとする) 」

ツィン「(緑髪の少女に向かって此方も一足飛びに距離を詰め……全身を捻っての逆水平チョップの様な動作で、しかし鋭さは比べ物にならない”手刀”で緑髪の少女の肩口を切り裂きに掛かる)前の景色が見えないなら、仕方ないな!! 」
緑髪の少女「…ひっ!?(ツィンが近くに迫った瞬間にとっさに後ろに飛びのいて手刀を避ける)いきなり何を……ま、まさかこの女の子を傷つけたのも…! 」

グウェン「あだだっ……(蹴りが直撃、後方へ仰け反りよろめく。シャンへ帰る感触から彼女が並程度に脆い事が伺えるが……) にぃ 。(笑
顔。”脱力”した状態を維持し、千鳥足に酷似した足運びで一歩、仰け反りそのまま仰向けに倒れ————) ブ……    ン ッ  (るかと思いきや、左足を軸に駒のように半回転し鞭同然にしなる右回し蹴りをシャンの胴体へ浴びせようとする) 」

シャン「(感触からして、恐らくあのガキみたいな錬気の使い手じゃあない、勿論気動のそれでもない……)ウーゼイさんにゃあ怒られそうだが、少しは手の内見せてやるよ…!『速』ッ!(青く、躍動する"気"を放ち、一瞬で体制を立て直してグウェンに突っ込み)崩れたな!精々後悔しろ、もう一発……!(叩き付けるような軌道の飛び回し蹴りを放ち、倒れ込んでいる様に見えたグウェンを地面に叩き付けようとする、が…)かっ…!?(眼前の相手を侮り、勝ちを確信した油断……完全に意識の範囲外から飛んで来たグウェンの回し蹴りが狙い通りにシャンの脇腹に突き刺さり……衝撃で身体がくの字に折れ曲がり、吹き飛ぶ) 」

ツィン「だったら、何だ?……ハイ!!ハイ!!ハイィッ!!(避けられ手も尚、掛け声と共に勢いのまま回転し……さらに鋭さを増した手刀の連打を緑髪の少女に向かって放つ) 」

グウェン「 おいしょー、一丁あがり………。とは行きそうもありませんねー……同業者さんのようでぇ、えへへ親近感湧きますねぇ(振り払い終わった足を付け、上体を起し首を二、三度捻る。笑みこそ絶やさないが緑髪の少女、ツェンに横目で一瞥をやる)…………。(拾うのは子供だけ……でいいんですけどここで死体が一つ上がっても私の立場が危ういですからね。さっきみたいな油断を突いてのお祈りキックも二度は当てさせてくれないだろうし) 」

笠間「ちょい、ちょい!(近くの建物の屋根を次々に駆けながら猛スピードで一行のど真ん中に、文字通り跳んでくる)っちょーい!色々アレで慌てて飛んで来たら………何すかこれ!?どえらい音するしなんか……何すかこれ?意味わかんねえ…(幼女先輩と化し、ボロボロで倒れる森ノ宮と他の面々を見渡し) 」

緑髪の少女「……これはちょっと…ま、しょうがないですね…!(手を突き出すと、指揮棒のような形をした 」

緑髪の少女「……これはちょっと…ま、しょうがないですね…!(手を突き出すと、指揮棒のような形をした剣が発現。手刀の連打に合わせて剣を拳目掛けて突き出す) 」

グウェン「あ、保護者さんですねー!どうもぉどうもぉ、命の恩人ですぅ私ぃ。えへへへぇ助けちゃいましたぁ(幼女先輩と化した森ノ宮をぬいぐるみのように抱き上げ笠間へ手を振る)お礼弾みますよねぇお礼。幾らお出ししてくれます?えへへぇ(迫真ごますり) 」

ツィン「(魔力の剣…!)こいつ……!(即座に”気動”を用いて手刀の強度を上げ、緑髪の少女の剣を受け止め、後方に飛び退く)……兄さん、兄さん!?(後方に振り向き、飛んで来た笠間と倒れた状態から立ち上がろうとするシャン、そして森ノ宮を担ぐグウェンが目に入り)……チッ、兄さん、人が増えすぎだ。……ここは……退こう(素早いバック転でシャンの許に移動しながら) 」

シャン「(僅かによろめきながらも立ち上がり、まだ余力を十分に残している様に構えるが)……あの二人、少し面倒だな。マジでやればともかくだけど……もう一匹飛んで来たのはマジモンの人外だ、隠してるが気配で分かる……そうだな、ツィン…あの錬気のガキは気掛かりだが、こいつら全員"面は覚えた"……今はウーゼイさんにこの事を伝える方が優先だ。こいつらを肉団子にするのはその後にしよう 」

森ノ宮「分かった………分かったから……俺が言う病院に連れてって……かかりつけ医が居るから……(担がれたままグウェンを力なくぺちぺちと叩
き)胡桃ぃ……俺だよ俺俺……森ノ宮つったら信じる…? 」

グウェン「も”り”ッ……?(森ノ宮の名を聞くや目を皿のように丸くし硬直)……。……………。パチクリ(抱き上げたそれをじっと見下ろし気まずい沈黙が流れ)ス…………(そっと森ノ宮を床に下ろす)…………。(マジ?と聞きたげに森ノ宮を指差し笠間をじぃっと見つめる) 」

笠間「その煙草の臭いがいつまで経っても消えないコート着てる時点で関係者だとは思うんすけど、まさか隠し子とかじゃ……いやだって本人からの臭いが別……加齢臭しねえし…(困惑しかないという表情でグウェンと森ノ宮を交互に見る)……とりあえず、ほら、本人の言ってるかかりつけ医とやらのとこまで、行きません…?怪我してるし… 」

シャン「ひいふうみい……三人。他は居ないな……行こう、ツィン。楽しみが増えた(一瞬の溜めの跡、凄まじい勢いのジャンプで橋の欄干を飛び越え……夜の闇に消えて行く) 」

ツィン「だな、兄さん……また会おう、木人共(全員を一瞥し、シャンの後ろを着いて行く) 」

緑髪の少女「んっ…!(飛び退いたツィンを見て)…消えた…!(後を追おうとして、足を止める) 」グウェン「……。(まあこの局面で深追いはしてこないでしょ。この人……人?らしきなにか只者じゃないし……) えへへぇ、世の根草狭すぎ笑えるぅ(先とは異なり明らかに雑に森ノ宮を担ぎ上げ)ま、乗りかかった舟だし運びますけどぉ……。あ、じゃあナビお願いしますねナビ。乗ってきます?(軽バンを指しながら軽い足取りで歩き出す) 」

森ノ宮「痛ぇって!雑…!!!(再びグウェンに担がれ)市街地の外れ……氷川診療所ってとこがあるから……そこで…もう喋りたくねえ……痛ぇって… 」

笠間「多分気配、というか匂い的に追っては来ない…逃げたと思うっすよ、あの二人……お姉さんも大丈夫っすか、今から病院、行きます?(緑髪の少女に) (知ってる所だ……)(露骨に顔が引きつるが、なんとか表面上は取り繕い)……うん、まあ…カーナビとかで出るんじゃないっすかね、多分…(グウェンについて行き) 」

緑髪の少女「…あっ、あの…大丈夫ですか…!?(森ノ宮に) 」

緑髪の少女「…あっ、私は大丈夫です……でも、私も付いていきます、あの人心配で…(森ノ宮を見て笠間に)…はぁ、入学早々大変なことに巻き込まれたなぁ…(ボソッとつぶやく) 」

笠間「……じゃ、まあ、三人乗車でお願いします…(グウェンに) 」



←————To be continued



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最終更新:2021年05月22日 12:02