ヒ ュ ォ ォ ォ … ――― カ ラ カ ラ カ ラ … (平穏という静寂に包まれる夜の
寄宿舎。やにわに吹き出した突風に、屋根の風見鶏が音を立てながらくるくると回転する)
× × ×「 バ サ バ サ …… (吹きつける風に黒い外套は靡く)―――― 懐かしい"風"が吹いているなァ…(青年は白い両手をその黒いポッケに突っ込む。三日月を背景に回り続ける風見鶏を仰ぐと口角を上げ、白い歯を覗かせる) 」
× × ×「…うん、そう…この"風"こそが、ボクの居場所。ボクがここに生きていた証なんだな。フフッ…♪(首を右へと振り抜き、長い前髪をその方向へ寄せる) 」
× × ×「―――― 「 た だ い ま 」 (翡翠目の青年はそのまま建物の中へと歩みを進めた) 」
来ヶ谷唯湖「 (
寄宿舎にて ソファーで寛いでいた)む……… ………気のせいか。 」
キ ィ … (古い宿舎の木造床の軋む音が鳴る。それは誰かが歩いてくることを示していた。ゆっくりと、ゆっくりと)
来ヶ谷唯湖「 …………。(息を潜め、じっと…微かな物音にさえ耳を研ぎ澄ませている) 」
× × ×「――― キ ィ … キ ィ … (優雅な足取りでフローリングの床上を進み、ロビーへと出る)…ふぅむ…管理人は不在のようかな…(遠くから受付を見据え、そこに誰もいないことを察し辺りを静かに反時計回りに見渡してみる)…おや。(落した視線がちょうど来ヶ谷の姿を捉え、無表情に明りが灯る)こんばんは、マダム。(彼女に笑顔で挨拶する) 」
来ヶ谷唯湖「 ………うん…?(×××を見て)……どちら様かな?見ての通り、ここの担当者はいない…ゆえに現在は、言わば、自由の象徴と化している。 」
インクリング(女)「 ガラガラガララガラ(
寄宿舎外壁の塗装が剥げた部分にインクローラーをかけて整備)ヨシ! 」
× × ×「……!「自由の象徴」、かァ…♪(その言葉に感化されたかのように身を震わせる)それはとっても素晴らしい表し様だね。そう、ここは誰もが「自由」にいられる場所だった。誰もいるはずなどないのにお喋りをして、お腹が空いているわけでもないのに食事をして、可笑しなことなど何もないのに笑って、悲しいことなど何もないのに泣いて、争うことなどないのに怒って… 理由とか、理屈とか、そんなものなくたって、みんな、「自由」だった。ボクがここへ帰ってきたことだって、そして、ここでキミと出逢ったことだって…ネ?(ふふっと口角を上げながら) 」
ペンキ屋猫(二級塗装技能検定資格)「ヨシ!(インクリングの技術に感心する) 」
来ヶ谷唯湖「 (自分の顎に手を添える)ふむ……どうやら私は、無意識のうちに、きみにとってのベストアンサーを引き出してしまったようだ。かくいう私もつい最近、この場所へ帰ってきたところだ。(×××に) 」
ジュウザ「――――自由!いいな、実にいい響きだぜ若いの。俺も充分に若いが(なんの前触れもなく西風と共にやってくる)俺は雲のジュウザ!雲が如き誰よりも自由な男!礼節を持って接するのも自由!! どうも今晩は。初めまして(きっちり斜め90度のお辞儀) 」
叛逆のショッカー戦闘員「イーッ!(ショッカーの部下を辞めて
寄宿舎のアルバイトをしている) 」
× × ×「Yeah(その通り)♪(彼女に逆さにした人差し指を向け相槌を打つ)共に懐かしき場所へと帰ってきた、これはまさに運命、かな?♪(ハハッと笑う)自由!フリーダム!人はみなは自由の下に生きているのさ♪ チャオチャオ♪(礼儀正しいジュウザにフランクな挨拶) 」
来ヶ谷唯湖「 Do get there…(ジュウザに。英語っぽく英語っぽい英語のようで英語な英語じみた発音だがどうやら「ドゲザ」と言っているようだ) 」
ジュウザ「ニーハオ(挨拶の言語も自由!) 俺は雲のジュウザ、誰よりも自由な男ッ!誰の指図も受けぬわーッ!!(反り返して見下す!見下しすぎて逆に見上げているッ!) 」
来ヶ谷唯湖「 運命か……。もしもこれを運命と名付けるならば、この先にはきっと、何か意味がある。――――――――私達が、今、ここに、集結。……するように仕組まれたように。(意味深な発言を漏らす) 」
通りすがりのんったわ「わわわっ…!
レインド…すっごく…可愛い!!!!!!!(ソファ下に隠していた
レインドさんのブロマイドを見て鼻血を出す。その後、"わっ嘆"しすぎた彼?は出血多量で他界するのだった…) 」
× × ×「ず、図が高すぎて頭が地面にめり込もうとしている…ッ!!(迫真)…時代は進む。けれど、変わっていくもの、変わらないものも一緒に。「ボクたち」はその新たな時の流れに乗って、何処かへ進もうとしている。そのゆくさきは、きっと誰も見たことのない未来… ボクたちはきっとそのレール上で、偶然にも集ったのかもしれないね。(と、経年劣化で崩れた棚から落ちてきた大きな写真立ての角に後頭部が激突する) D a m n ! ! 」
× × ×「わっ!!!!!!!!!(死にかけのんったわにわっ嘆する)…「
レインド」…?……何処かで、聞いた事がある…ような…そうでもない様な……ん?(先程落ちてきた写真立てを拾い上げる) 」
来ヶ谷唯湖「 Oh…(×××に降りかかる災難を目の当たりにして)……ん?…何か落ちたが。 」
随分と埃被った古い写真立て。それは、たくさんの個性的な人々が笑い合っている集合写真だった。
神父「んったわは死んだ。過萌死化(カモシカ)だった。彼は獣だったのだ。 」
来ヶ谷唯湖「 (………!)これは……… 」
× × ×「(手で写真表面の埃を払い、そこに視線を落とす)…………(写真の隅々に映る人物たちの顔を見て思わず何かを懐かしむように噴き出した)……何かがあったはずなんだ。なにか、とても大切な何かを。だけど今のボクにはそれを思い出せるだけのものがない。まるでインクの切れた空っぽのボトルのように。だから時に、世界がモノクロ写真のように映ってしまうことがある。この写真のように、ネ。(そう言ってもう一段上の棚にそれを置き直す) 」
来ヶ谷唯湖「 ……皆、一様に、良い顔をしているようだが。ひょっとして………なにか、足りないのか?(×××に問いかける) 」
× × ×「……(彼女の問いかけに答える様に踵を返し、改装されても尚、何処か古さを忘れないロビー全体を見渡しながら数歩進む)ボクは「自由」に生きすぎた。そしてその分だけ、永く眠っていた気がするんだ。瞳を閉じ、再び開けた後、この目に映る世界の色は変わっていたようで、何も変わっていなかった。その理由さえ分からない。ただ…はっきりとしていることがあるとするならば… 」
× × ×「"今のボクにあるのもの"。(ゆっくりと彼女の方へと振り返る)…それは「郷愁」にも近い曖昧な感情と―――――(首を振り抜き、長い前髪を右へと寄せる。すると、隠された翡翠色の片目が露わとなる) 」
× × ×→
ミシェル「―――― 『
ミシェル 』 ―――― その名前だけだ。 」
来ヶ谷唯湖「 ……! 〝
ミシェル〟……その名は、どこかで聞いたことがある。……様々な歴史の中で、幾度となく荒波に揉まれ…………姿を消したと。 」
ミシェル「そう、ボクは一度、この世界から"消えた"。…だけど何故か、再びこの世界に目覚めた。そしてどういうわけか、ここに辿り着いた。まるで何かに誘われたかのように。そう、それこそキミが言っていたように、まるで"仕組まれた"かのように、ネ。…でも、ま!(急に表情が明るく一変する)思い出せない事とか、失われたものとか、そんなものは、そのうち全部何とかなるよ。そっ ――― セ・ラ・ヴィ(なんとかなるさ)♪ 」
来ヶ谷唯湖「 ………ふっ。(笑みを零し、改めて
ミシェルの顔立ちを窺う)……こうして見ると………きみは中々、愛らしい顔をしている。(フフッ♪) 」
ミシェル「What?(まるで不意を突かれたかのように目をぱちくりさせる)愛らしい…か… そう言われると、なんだか嬉しいね。(小っ恥ずかしいに頬を掻きながら)…愛らしい…… 「愛」…か……(ふむと口元を摩る)……ねェ、「愛」って…なんだろう? 」
来ヶ谷唯湖「 ……? さあ………それについては、私では語れない。 」
ひこにゃん「 恋は現実の前に折れ、現実は愛の前に歪み、愛は、恋の前では無力になる。 」
?「――――――愛ちゃ~ん!どこにおると~?」 ?「愛はん…愛……愛~~~?……あい~~~♪」 ?「ちょ、
ゆうぎりさん…wなんか、愛ちゃんで遊んどらん…?(汗) 」
ミシェル「(通りすがるひこにゃんを右から左へ受け流す)…ん~、そっかぁ… 簡単には語れそうにないもんね。…ボクはたくさんのものを失った。だけどそれは"気がする"だけで、もっと決定的に喪失したものがある。それがきっと、「愛」… ボクは今、「愛」への好奇心が高鳴って来ている。身体が、心が、それを欲しているんだ。それを知る為に、いや…取り戻す為に、きっとボクはここにいるんだ。…って、そう思う。(瞳を閉ざす) 」
源さくら「 ――――――――あのっ!いきなりすみません。「愛」ちゃん…知りませんか?(寄宿舎を訪れ、唐突に
ミシェルに声をかけてくる) 」
ミシェル「 I DON'T KNOW (知らない)! でもボクも「愛」を知りたい!!(誤解) 」
二階堂サキ「 …おい!こいつ(
ミシェル)……ひょっとして……〝愛の追っかけ〟ってやつじゃねーか? 」
ミシェル「What(ほわっ)!?これってもしや…誤解って奴…カナ…?(ははっと顔をひきつらせる) 」
源さくら「 追っかけ……あぁ!ファンさんのことやね!(ぇ)あ、えっと…この度は、応援してくださって、ありがとうございます。それでその…うちの「愛」を見なかったでしょうか。 」
ミシェル「Fun?(Fan違い)ああ、とっても楽しいさ♪「愛」を追求しようとする瞬間はね♪わくわくするもんだよ。(謎が謎を呼ぶ展開)キミも…「愛」を探しているのかい…?奇遇だね。ボクも「愛」を探し求めているところなんだ。 」
二階堂サキ「 おうてめー……「愛」を知りてぇだぁ?何しよるつもりだこら。言っとっけどな……ウチのもんに手なんざ出したら、まずはこのアタシが承知せん、よぉーっく憶えとけや?こら(誤解の続いたまま) 」
ミシェル「なんということだ…!「愛」を知るってことは、こんなにハードなことなのか…(わなわな) 」
源さくら「 え、えぇ… 。。。(この人、そんなに愛ちゃんのこと……) …あ、はい。〝途中まで一緒だった〟んですけど……いつの間にか、おらんようなって。(
ミシェルに) ちょ、ちょっとサキちゃん!初対面の人にいきなりそんな、いかんて!いや初対面じゃなくてもいかんけど… 」
アーデルハイト「待て待て待てーい(ズザザザと音を立てスライド移動してくる)アイドルのポップな歌と詩人の紡ぐ歌は似て非なるものだ、言語が違うのだから誤解が生じるのは無理ない。どうも、弁護士です(名刺ピラー)こちらのお兄さんを誤解なされていそうなので私からわかりやすくお伝えしましょう。こちらのお兄さんはね、『愛』とは旧知の仲だったのに離れ離れになってしまったの。そんな愛おしい『愛』を狂おしいほどに探し求めているのサ( 誘 導 尋 問 ) 」
源さくら「 わわっ!な、なん…!?えっ……そ、そうだったんですか!?幼馴染…?ひょっとして、「愛」ちゃんのお兄さん……あれ、でも「愛」ちゃん、自分にそんな人がおるなんてそんなこと一言も…。(
アーデルハイトの介入によりさらに誤解の渦へ) 」
ミシェル「なん……だと……!?(「途中まで一緒」…だった…!?)ぁ…「愛」っていうものは、気まぐれなんだね…は、ははは…(驚愕の真実(?)を知り迫真の表情で動揺している)なんだか可愛らしい弁護士さんが来たね。Exactly(そのとおりでございます)。 」
アーデルハイト「しかし「愛」とはダイヤモンドのように永遠かと思えば存外移ろいやすいもの。彼"の"愛は"途中まで一緒"だったけれどもまた何処かへ……そう、愛とは平等に誰の元にも訪れるのです(『愛(ちゃん)』にとってはこの上なくなん股もかけていると誤解を招きやすい言い回し) 」
源さくら「 気まぐれ?全然そんなことありませんよ。むしろ「愛」ちゃんは、〝物凄く真面目〟で〝真っ直ぐ〟ですから。(
ミシェルに) あ、「愛」ちゃん……そっか。「愛」ちゃん、〝みんなのアイドル〟やもんね。それなら納得です。な~んだぁ…途中でおらんようなったから、私てっきり、「愛」ちゃんに何かあったのかと…… 」
アーデルハイト「ハッ――――――(しまった、これでは愛ちゃんが誰にでも平等に笑顔を振りまく天使になってしまう……そこは誰にでも腰を振るクソビッチと勘違いするような言葉選びを的確にすべきだったのにぐぬぬ……っ) 」
二階堂サキ「 …ぁ、あぁん??? おいおい、なんだかワケわかんねーぞ…(ちんぷんかんぷん) 」
ミシェル「平等で、誰の下にも訪れるもの…それが…「愛」、か…(深く感心したように頷き始める)それなら焦って追い求める必要もないね。きっと近いうちにボクのもとにも現れるかもしれないからね。ありがとう。キミたちのお陰で、また一つ「愛」について知ることが出来た。 」
源さくら「 あ、あん…?んー…まあ、何はともあれ、無事だったっつーことだな!あ~あ、無駄に気ぃ揉んだら疲れちまった。先帰ってるわー…(去っていく) 」
アーデルハイト「フッ ―――――ま……まままた一人愛に迷える子羊を救ってしまった……(腕を組みドヤ顔で頷く。手には汗がべっとり) 」
んったわの友達たっわん「わったんも、
レインドへの、ふか~~~~~~~~~~~~~~~~い、愛があるょ!!!!!!!!(
ヴォイドの自室から何食わぬ顔で現れ、何事もなかったかのように部屋へ戻った) 」
源さくら「 ううん、私のほうこそ。「愛」ちゃんにこんな素敵な知り合いがおって、なんだかちょっと、自分の事のように安心したけん。あの…これからも、「愛」をよろしくお願いします!(
ミシェルに) 」
通りすがりの稔ちゃん「愛はお金で買えます。むしろ、お金で買えないものなんてありません。(掃除道具を両手に
ヴォイドの自室へ入る)\
ヴォイドさん!いつのまにこんなペット飼ってたんですか!?費用はどうするんです!!?/ \ ヴ ォ イ ま し ん ! / 」
源さくら「 ……な、なんだろう。なんだか急に、周りが騒がしく…(汗) 」
アーデルハイト「専門家にお任せ!!(ばーんと音を立て
寄宿舎に侵入)とりあえずこのswitchでスマブラをさせつつ、レモンの香りをつけたこのブロマイド(青いレモンの切り抜き)で深い森まで誘導してください。いいですね、
寄宿舎が見えなくなるまで渡してはいけません。十分な距離を離れたらこの写真を特へシューッッ!!これでゎったんは
寄宿舎への帰り道を忘れます。ちゃんちゃん 」
ミシェル「あ…う、うん…!こちらこそ、よろしくネ♪(無事?解決して満面の笑み)みんな、「愛」に愛されているんだな… こんなに素敵な気持ちを抱いたのはいつ以来かな… フフッ…♪ ああ…What a lovely day it is today(なんて素晴らしい日なんだろう)♪ (高らかに両手を上げながら、更に「愛」を知るべく、彼はその場所を後にしたのだった) 」
――――――――さくら! やっと見つけた!どこいっちゃったかと思えば……こんなところにいた。あんたいったい今まで何してたの…
源さくら「 えっ、だって愛ちゃん、どこか遠くに…… 」
水野愛「 は、はぁ…?あんたが急にいなくなるから捜してたのよ。 」
源さくら「 えっ?いやいや、私、愛ちゃんがおらんようなったっちゃけん、それで、捜してて…… 」
水野愛「 何言ってんの、はぐれたのあんたのほうでしょうが。 」
源さくら「 え、えぇ……ええぇ…???(混乱)もう、わけわからん…… 」
水野愛「 …もういいから。ほら、さっさと帰るよ、さくら。(そう言って
寄宿舎をあとにする) 」
源さくら「 え、えぇう、うん…あっ、待って愛ちゃん!(『愛』を追うように、
寄宿舎をあとにする) 」
その頃、とある都会の街――――
深夜の街並み―――雑踏もなく、ビルの明かりも消え、喧騒の街が寝静まった頃。上空から三日月の月光が差し込み、路地裏の猫が人気のない路を駆けていく。
♪~(そんな静寂に包まれた空間に、透き通る様な美声が夜風と共に流れ込んでいた)
× ×「どこどこ言う 機会の音~ 今は少し止んでほしい~ ビルの底 沈む夕日に 目が離せずに立ち止まった~(あるビルの屋上に、その街には似つかわしくない容貌をした少女がいた。彼女は手すりに両肘をつき、街に差し込む三日月の光を仰ぎながら、音楽プレイヤーのイヤホンから流れる音楽を口ずさんでいた) 」
× ×「風の吹く音 夜空の星座 そういうものには勝てない ただ少しだけ 君のこととか 思い浮かべて眠った 」
× ×「Ah~♪……(静かに瞼を閉じる。再び開かれた蒼い双眸は洗練された湖のような透明感で、月光をどこまでも呑みこんだ)……ス…―――――(踊るように優雅に踵を返し、その場から立ち去った) 」
最終更新:2024年01月24日 21:36