シルダッタ「トランプ占い」

妄想あり




シルダッタ「アレストロ、ご飯まだ?」

アレクシス「待ってて。今用意してあげるから」←アレストロ

シルダッタ「早くしてくれよー?お腹空いてもう動けないよ俺〜」グダー

アポーネ「お疲れさん。今回のクエストはどうだったよ」

シルダッタ「俺とブレイブとギンネ、シナノだけで行ったよ。もうクッタクタ。チョコラ連れてきて癒してもらうんだったよ」

アポーネ「アレッシーの手料理がテメェを癒してくれんだろ。今回のクエストは調味料と思え。誰も怪我してないみたいだしな」

シルダッタ「アポーネはギンネが怪我してなけりゃ何だっていいんじゃあないの〜」

アポーネ「否定はしねぇが肯定もしねぇよ。ヘヘッ」

シルダッタ「ったくよぉ〜……つか、皆もう食べ終わっちゃってんの?スッカラカンだねぇ今日の食堂は」

アレクシス「無理もないよ。君達が討伐クエストに赴いている間、僕達はこの家を掃除していたんだから」コト

シルダッタ「え、そうだったの?そりゃお疲れさんって感じだね〜。でもなんで二人は疲れてないんだよ」モグモグ

アポーネ「俺は元々屋敷の使用人してたんでな。効率良い掃除方法知ってっから疲れはしなかったな」

アレクシス「僕ももう、慣れちゃったから」ハハハ

シルダッタ「俺は掃除が大嫌いだぁ……これなら討伐クエストに参加して良かったよ」

アレクシス「君の中での嫌いの基準が分からないよ」

シルダッタ「ハハハ、そうだ。占いやらない?」

アポーネ「占い?何を占うってんだ」

シルダッタ「リクサツ占いって言ってね。俺の故郷の占い方法なんだ」

アポーネ「ほー。まぁ座興にはもってこいだな」

アレクシス「確かに。今後の自分がどう心がけるかも、少しだけ傾きそうだ」

シルダッタ「ほんじゃ……やろっか。トランプをっと」スッ

アポーネ「お前、それ何処から持って来たんだよ」

シルダッタ「予め、このテーブルの下に貼付けておいたのさ〜」ドヤッ

シルダッタ「んじゃ、早速開始〜」スチャスチャ

アポーネ「……」

アレクシス「……」

シルダッタ「……」スチャスチャ

アポーネ「……この間は暇なんだな」

アレクシス「なんだか念入りにカード並べてて眠くなっちゃいそうだよね」ハハハ

シルダッタ「よし出来た。んじゃ二人共、好きなのを2枚引いて」

アポーネ「はいよ」スッ

アレクシス「これにしようかな」スッ

シルダッタ「ついでに自分もやっとくか」スッ

シルダッタ「それじゃあ、まずアポーネから見せて」

アポーネ「ほらよ」

♣のA ♠の4

アポーネ「真っ黒だな。んで、意味は?」

シルダッタ「……♣のAは始まり、最初の意味。出発点…。♠の4は退却、墓、棺桶…♠自体の意味で剣や槍、そして”死”を現している…最初の死…?」

アレクシス「……」

アポーネ「おいおい…物騒すぎんだろお前の占い」

シルダッタ「……なんとなく、当たっちゃいそうで怖いんだ……この占い」

アポーネ「人の命を占いで計ってんじゃねぇよ」

シルダッタ「ごめんねアポーネ……、でもそうならないように、俺は全力を尽くすよ」

シルダッタ「それに、最初ってのは可笑しいけれど、今まで死んだ戦士達の数は少なくはないんだ……俺はアポーネには死んでほしくないんだ…」

アポーネ「シルダッタ……」

シルダッタ「そりゃ勿論、アレクシスもそうだ。他の皆にだって、誰一人として死んで欲しくない……」

シルダッタ「だからこそ、俺はアポーネのいるクエストには絶対に出るよ」

アレクシス「僕もだ。僕もアポーネの参加するクエストには出来る限り出るよ」

アポーネ「んだテメェら……俺はガキんちょかよ。テメェら二人10代の癖に生意気じゃねぇか」

シルダッタ「ハハハ、誰も君を殺させはしないって意気込みだよ…それじゃ、次はアレクバーロだね」

アレクシス「はい」

♥の7 ♠の3

アレクシス「僕のはどんなのだい?」

シルダッタ「♥の7は幻想、ある程度の成功、永続的な物ではないもの……これは君の過去についての結果だね。もう片方、♠の3……これは撤退、断絶、哀しみ…だね。妙に心苦しい占い結果だなぁ…」

アレクシス「そんなものだろうとは思ってたよ。断絶だけは嫌だけどね」

アポーネ「気にするこたねぇよ。テメェが撤退する時は俺の馬に乗っけてやらぁ」

シルダッタ「最後は俺か。どんなかな」

♣のキング ♥の5

シルダッタ「♣のキングは田舎の男性、正直、良心的かー」

アポーネ「そのまんまテメーじゃねぇか」

シルダッタ「♥の5は損失…なんだよ、全員なんか一喜一憂した占い結果だね」

アポーネ「テメェぐらいだろ」

アレクシス「僕とアポーネは残念な結果だったね」

シルダッタ「ハハハ、次から別の占いにしよっか。出来るだけいい結果だけの奴」

アポーネ「それじゃ意味ねぇだろうが……まぁそっちの方がモチベーションはあがるわな」

アレクシス「楽しみにしているよ。いつかのクエストが終わった時にしようか」

シルダッタ「うん、約束だ!」




アレクシス「そんな事も……あったね」

シルダッタ「ハハハ、本当、困ったもんだよ。占いやって、運命はその通りに動いてしまったって」

アレクシス「…………」

シルダッタ「アレクシス…俺は怖い……怖いんだ……灰色の戦士は皆、哀しい想いを抱いて生きている人物しかいない」

シルダッタ「それだと言うのに、その無念を晴らせずにあの世に逝っちまう彼らを見て、俺は辛い」

シルダッタ「その度に俺は壊れそうだ………ガラスに罅が入って、いつ壊れても可笑しくないぐらいに、壊れそうなんだ」

アレクシス「……シルダッタ、僕達は『なんだ』?」

シルダッタ「……」

アレクシス「灰色の戦士…白でも黒でもない。灰色なんだ。そこに幾ら理不尽な始末が届いたからって……君が壊れたら僕達戦士達を捨てたも同然じゃないか」

シルダッタ「…違う、それは……」

アレクシス「……僕は灰色の戦士に依存している。それは分かっている。だから君にはどんな事があってもしっかりしていて欲しいし、前を向いていて欲しい」

アレクシス「僕には無駄に重いクエストかもしれないけれど、君を精一杯支える任務は必ず果たすよ……」

アレクシス「それにほら、アポーネならここでも『気にするこたねぇよ』なんて言ってそうだしさ」

シルダッタ「……ありがとう、アレクシス……そうだね、俺達は灰色の戦士だ……哀しい戦士達だ。だからこそ、生きている皆に救いの手を伸ばさなきゃいけない」

シルダッタ「あのトランプ占いの事が本当なら、アレクシス、俺は君を断絶なんてさせないよ」

アレクシス「お願いするよ……」

シルダッタ「あぁ……生きて、生きて俺達の人生に、光を照らそう——!」

fin

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最終更新:2024年04月11日 01:24