紅夜「ついに俺達のバンド、マッドドックイヌカイザーはめでたく5年目を迎えたわけだ、はい拍手」
アンジュ「………」パチパチ
ロゼ「………」パチパチ
紅夜「ここんところ俺達は軌道に乗りCDの売り上げは右肩上がりでコンサートも満席だ、なんら問題はない筈だった」
紅夜「だが、前回のライブ思い出してみろよ………客は表面上良い反応をしてくれたが…俺から見れば最悪の出来だったぜ?なんていうかもうこれ一時の流行りでしたって感じで終わりそうな気配全快だよ」
ケビン「あんなもんじゃ満足できねえってか?それ考えすぎだろーがよ、なぁロゼ?」
ロゼ「うん、まあ普通に客受けは良かったよね、特別良かったと言う訳じゃないけど勢いはキープできてると思うよ」
アンジュ「ああ、まあ目立った問題は無い」
紅夜「てめェが言うんじゃねェよ白々しいんだよこのど低脳がァァァアァァァーッ!!」
ケビン「は!?…え、何お前俺のせいだっていうのかよ!ああ!?」
紅夜「ったりめーだろ!?お前あれいっつもネタだよな?キャラ付けでやってるんだよなァ!?ざっけんじゃねーぞクッソ寒いわ!!」
ケビン「ッはァ!?わけわかんねーぞお前!あと髪引っ張るな乱れる!乱れるから!」
ロゼ「まあ落ち着けよ、二人ともな。っていうかべによる、君はいったい何をそんなに焦ってるんだよ」
紅夜「べによるはやめろァ!落ち着いていられる訳がねーだろふざけんな!お前あれか!?テンション上がると自分達がどんな曲やらかしてるかわからなくなるタイプか!?」
アンジュ「曲…?ああ、この前やったのは確か……混沌カタルシスだっけ?」
紅夜「ちっげェーよそれ俺達が最初にやった奴ゥゥゥゥ!!『絶望グリード』だよ!テメエが作詞とメインボーカルやった奴だよッ!!」
ケビン「は?…………てめぇ、もう一回抜かしてみろ。てめぇの被害妄想が全部、全部俺の終わった青春全てをぶちこんだリーサルウェポンのせいだってのか?」
ロゼ「あーあ、おこになりましたよ、おこですよー………っていうか君まだ19だけど青春終わっちゃったの?かわいそw」
アンジュ「火に油注いでんじゃねーよ!」
ケビン「てめーぶっ殺す、顔も自宅も知ってるんだかたらな、マジ許さねぇ」
紅夜「許さねぇのは俺だよッ!!テメーの青春はコメディーなのか!?」
ケビン「なんでだよ!どこがコメディーだってんだおおん!?」
紅夜「おう、こいつマジでイカれてるわ、もう一辺振り返ってみようじゃねーか、前回のライブ」
ケビン「渇望ゥゥゥゥそれは願ゥゥゥゥ力ァァァァァァァッ!!」
ロゼ「チカラー♪」
ケビン「『満足』したい、まだまだ足りないィィィ!!成し遂げたいィィィ君にィ会いたいィィィッ!!『満足』ゥゥゥゥできなィィィこのままじゃァァァァ終われないィィィ!!」
アンジュ「I want satisfaction♪ I want satisfaction♪」
ケビン「(間奏)だったら………満足するまで求めればいいだろう、ここで満足できないなら、君が満足するまで、俺が満足するまで、この不満足な世界の真ん中で満足の無いこの世界で『満足』を叫ぼう、もう戻れないあの頃に満足できなかったなら、どうやったって、あの頃に望んだどでかい満足はできない、だったら 今 し か な い だ ろ ?」
ロゼ「イェァァァァァァァアアアアアアアアwwwww」
ケビン「(サビ)野望ゥゥゥゥ!それは個々を拒むこの世界に叫ぶ満足ゥゥゥゥーッ!!それはァァァァ!明日の満足へとォォォォ続くゥゥゥゥ願いィィィィイィッ!!満足ゥゥゥゥそれはァァァァッ!!満足ゥゥゥゥ!!それはァァァ!!満足ゥゥゥゥソレハァァァァァァ!!」
紅夜「一本満足のCMじゃねぇェェんだよォォォォォォォォォーッ!!t」
紅夜「どんだけ『満足』強調すれば気が済むんだよお前はッ!もう二番のサビ入る前からグダグダだったじゃねーか!間奏とかもう訳わからねーよ!満足を叫ぶってそれおう満足してるじゃねーか!っていうかこれサビのメロディラインがどっかで聞いた事ある奴なんだけど!」
ロゼ「ごめん楽譜作ったの僕なんだ、ほら流行ってたじゃん雪の女王、アカデミー賞取ったやん、CDに売り上げ凄いじゃん」
アンジュ「どうりでお子さままで乗ってると思ったわ、どうりで夢の国の鼠が睨み効かせてると思ったわ」
紅夜「確信犯かッ!まともにやってるの俺とアンちゃんだけじゃねーか!どうすんだよこれェェェェ!?D社に消されるぞ下手したらァァァァ!!」
ケビン「おい待て紅夜、何がいけないっていうんだ、ロゼだってアンジュだって乗ってくれてたろ、お前が少数派だぞぶっちゃけ」
紅夜「二人とも含み笑いしてたのが見えなかったのお前ッ!?」
ロゼ「いやー、突っ込むタイミング逃しちゃったっていうか、楽しかったしいいかなってw」
アンジュ「決まって満足って言う度変なポーズしてたしな(\(^o^)/)←こんな感じの」
紅夜「とりあえず、次一言でも満足って歌ったらメンバーから外すから、あと変なポーズも禁止な、とりあえず禁満な」
ケビン「は!?ざけんなよお前!俺が抜けたら誰がボーカルやるんだよ!?」
アンジュ「実は私の後輩にかなり弾き語り上手い奴が居てな」
ケビン「この裏切り者オオォォォォォォォォォォォォォーッ!!!」
アンジュ「だがべによ………紅夜、この際だから私も君
に言っておきたい事がある」
紅夜「え、俺?」
アンジュ「この前のライブでお前の配置が最前線じゃなくて私の配置になっただろ」
紅夜「あ、ああ、だってメインボーカルが目立たないっておかしいだろ、仮にあんなボーカルだとしてもよ?」
アンジュ「私はそのあんなボーカルよりも君を先に『斬って』しまいたいと思ったよ………ッ」ゴゴゴゴ
紅夜「嘘だろアンちゃん、嘘だろアンちゃん………!ここでゼロシフトする気か!?この建物って言うか町が地図から消えちまうんだけど!?」
ロゼ「謝って、べによるあやまって」
アンジュ「謝っても緩さない、こっちはお陰様で耳鼻科、外科!精神科まで受診したんだからなッ!」
紅夜「なにそれいつの間に!?っていうかそれ俺のせい!?マジで俺のせい!?」
アンジュ「ボカロカバーをやってる時のテメーに聞いてみろ」
アンジュ(ボーカル)「ロンリーガールはいつm\ズギュゥゥゥゥゥーン/
紅夜「\ギュィィィィィンドギュゥゥゥン/」
アンジュ「(うるせぇ……これは声で対抗できるレベルじゃないだろ)騒ぐ頭の中を\シャングゥゥゥンンバァッァァァァァァァァッァァァン/
紅夜「\ギョーンギョーン/」ヒュンヒュンガスッガスッ
アンジュ「(ギター振り回してんじゃねーよ!っていうか痛い!すっごい痛い!)もう一回もい\メメタァァァァァァァ/
紅夜「うっとり」ブォンブォン
アンジュ「(終いには踊り出しやがった……!っていうかいてえってんだよォォッォオ!!普通に蹴り入ってるじゃねーか!)ローリンg\WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYyyyyy/
紅夜「\ドジャァッァァァァンメッギャァァァァンウィーンウィンウィンウィーンバッグォォォォォンガオンガオンズッキュゥゥゥゥゥゥン/
アンジュ「」
アンジュ「もう泣きたくて仕方がなかった、いやメインの曲じゃないし黙ってたけどお前が自分の所業はいざ知らずボーカルのせいにし始めた事には殺意を抱いた」
ロゼ「べによる死ね」
アンジュ「本当にべによる死ねって思うけど今回限りは許してやる」
紅夜「いやいや待て待て!確かにハイになってお前を傷付けたのは悪かったよ!けどお前の声が小さいのが問題じゃ
アンジュ「客が『あーいたたたた』って顔して耳塞いでただろーが!っていうかほぼこれお前の伴奏しか聞こえねーよ!新しいエレキとアンプ買ってはしゃぎすぎてたお前の独壇場だよいい加減にしろ殺してやろうか!」
ロゼ「じゃ、次回でオーバーヒートしたらメンバーから外しましょうね」
紅夜「うわぁぁぁぁやめろぉぉぉぉWRYYY!!っていうか俺以外にエレキやれる奴この面子でいたのか!?」
ロゼ「実は僕の知り合いに優秀なギタリストが居ましてね」
紅夜「ちょっ……おま!?」
アンジュ「願わくば今すぐにでも後退して欲しいぐらいなんだけれど」
ロゼ「お前もな」
アンジュ「は?私が?」
ロゼ「君ほどアンジュ、このバンドでふざけてる奴はいなと思った」
アンジュ「いや、僕は一方的被害者だろ」
ロゼ「じゃ、前回のライブ振り返りましょうねー、最初の曲から」
オープニング終了時
\キャァァァァァァァ/
アンジュ\キラッ★/
紅夜「はい!遠路はるばる皆様よくおいでくださいまいした!今日は生憎の雨でね!お足元大丈夫?転んでなかった?お怪我はありませんかー?」
紅夜「ほな、まーうちの追っかけやっえくれてるバディ達はまー知ってると思うんやけど!うちのメンバー紹介しわすわ!」
アンジュ(うっうー!)シャカシャカ
ロゼ(大人しく待ってられないのかこいつは)
アンジュ「 ζ*'ヮ')ζはいさーい!」チラッチラッ
ロゼ「出てるウウウウウゥゥゥゥッ!!幕から姿余裕で出てるってばああああああああッ!!出るの早いってばああああああああ!」
二曲目終了時
アンジュ「(キラ★)」
三曲目終了時
アンジュ「(きゅるりん★)(某アイドルの振り付け)」
四曲目終了時
紅夜「お前ら愛してる!本当にありがとうなッ!!ッ!!」
アンジュ「くっきー★(きゅぴっ★)」
*
紅夜「嘘だろアンジュ」
アンジュ「あ、ああ嘘だよ」
ロゼ「嘘じゃねーよ、正直言って怖かった、っていうか最後もろ大声でくっきー★とか言っちゃってたし聞こえてたらどうしようって思ったっていうか、聞こえてた、普通に隣にいた僕まで痛々しい視線浴びたし、ていうかなんで君一人だけいきなりキラ★してるんだよ」
ケビン「それは思った、なんでキラ★なんだよ、ジョジョ3部の『行くぞっ』のポーズで統一って打ち合わせしなかったっけ」
紅夜「俺気付いてなかったけどなにそれこわい」
アンジュ「やだなーべにー君!君はどっちの言うことを信じる気なんだい?私だよな?このバンドの売りとか言われてるのボーカルと私のキーボードだよな?」
ロゼ「エセアイドル気取りがほざくなよ」
アンジュ「出来心でした、あの…….彼女とか見に来てるかなっと思ってつい」
ロゼ「ベースを隣でやらされてる僕の身にもなってくれよ頼むから、後生だから、次やったらメンバーから外すから」
アンジュ「や、やだなぁ、私の代わりにキーボードの勤まる人なんて….」
紅夜「実は俺の後輩がキーボードの天才でな」
アンジュ「勘弁してくださいよ…….」
ケビン「けどお前も人のこと言える立場じゃないよなロゼ」
ロゼ「は?」
ケビン「これ、ぶっちゃけポジション的に俺しか気付いてなかったようなんだがお前の連れってどうなってんの、どんだけ修羅場なのよ」
ロゼ「いやまって、ワケわかんない、僕は大真面目にベースとコーラスに全力を注ぎ込んでたんだけど」
ケビン「最前列にいるお前の彼女に愛情も注ぎ込んでたよな」
ロゼ「あっ」
アンジュ「妬ましい死ね」
紅夜「妬ましい死ね」
ロゼ「だいたい罪状を晒された君達に言う権利あるのそれ、っていうか君達のやったことに比べれば微々たるものじゃ
ケビン「階乗に届けられてた花束、全部、演奏中に公然とくれてやってたよな」
ロゼ「えっ」
ケビン「….ま、それ以上にやめて欲しいっていうか怖かったのはだな、お前の妹だか友達だか知らねぇが」
*
メイプル「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
槭「…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
*
ケビン「殺気放って最前列で仁王立ちしてるんだよ、身の危険を感じた」
ロゼ「なにそれ怖いっていうかそれ僕のせいなのか!?」
ケビン「明らかにお前のこと見てたろーか!!そこだけ客が避けてるぐらい酷かったぞあいつらァッ!!今すぐどうにかしろ!!でねーと次のライブ終わった後外すからな!メンバーからッ!!」
ロゼ「っはァ!?僕以外にベースとコーラスの両方が勤まる人材がいると思ってんの!?調子乗ってるんじゃないぞこのワカメがッ!!」
ケビン「実は俺の後輩にコーラスといい感じにベース引ける奴がないいてだな」
ロゼ「畜生オオオオオーやっぱり居たあああああぁぁぁぁぁぁっ!」
紅夜「よし決まりだな、とりあえず各自、次回のコンサートで問題起こす奴がいたら即メンバーから外す、俺はごめんだがな」
アンジュ「私もそれは遠慮させてもらう」
ロゼ「僕だって嫌だよ」
三ヶ月後
Alvis「えーと、ボーカルのケビンさんがやたら満足というワードを使うのと変なポーズをやめなかったので代わりにボーカルを勤めることになりました、
Alvisです」
サリー「えーと、前任のべによるさんがギターを尾登割れさせるのと過度なパフォーマンスでメンバーを怪我させたので代理で編入されました、サリーです、ギター担当です」
音流「キーボード前任のアンジュさんがアイドルみたいなパフォーマンスとやたら彼女へのアピールをやめなかったので代理編入されました、音流です、よろしくお願いいたします」
ルーベンス「前任のロゼが彼女への過度なサービスと家庭の問題を持ち込むのをやめなかったため何故か編入されました、
ルーベンスです、ベース担当です」
「「「「よろしくおねがいしまーす」」」」
Alvis「って、あれ、これもうマッドドックイヌカイザーのメンバーじゃありませんよね」
サリー「なんだかんだ言って結局酷いライブだったらしいしねー」
音流「正直このまま引き継ぎってやばくないですか、印象悪いし」
ルーベンス「賛同、このまま汚名を引き継ぐのは非論理的」
Alvis「んー、じゃ、僕達髪色同じだしそれにちなんだ名前でいきましょっか、グレイシー・ダイヤモンドダストとか(笑)」
サリー「うん、いいんじゃない」
音流「うん、もうそれでいいよ」
音流サリー「これでー、いいのー♪」
「「「「すがーた見せるのよー♪」」」」
一同(キラッ★)
俺達の満足は、これからだ!
終われ
最終更新:2024年04月11日 02:03