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ニル「――――……(また、あの人に助けられた… 私も…もっとしっかりしないと……)(
見観子本人の参戦を経たお陰で先へと進む最中、自身の中で決意を固め直していた) 」
黒フードの人物「―――――――― ブ ワ ァ ッ (迷宮通路を進行するニルたちの前に立ちはだかる黒衣の人物。黒い―部をはためかせ、仁王立ちするように待ち構えていた)…………っはは…!これは奇遇だなァ…!まさか、こんなところで"また"会えるなんてなァ……!?(フードの内側から発せられたのは青年らしき声であった) 」
ニル「――――――――― ビ ク ッ ! ? (立ちはだかる者。素顔を隠しているが、そこから発せられる青年の声に聞き覚えがあるのか、全身が一瞬震えだした)……あ…っ………―――――(まさか… と、自身の中で悪い予感が走る――――) 」
黒フードの人物 → 墨田奏斗「 ブ ワ サ ァ ――――――― よォ、弱虫ちゃん。久しぶりだなァ…? (黒衣を脱ぎ去ったその正体は、かつてニルと同じパーティにいたあの青年であったのだ――――) 」
―――――――― 【エゼルダーム】 "編入者" 『 墨田奏斗 』
ニル「……あ…っ……ぁ………?(曝け出された正体を前に、思わず気弱な一面が強調されていく。思い出されるは23層をはじめとする最初期の攻略戦。パーティ内で何度もかの青年に虐げられていた苦しい過去がリフレインし、トラウマを掘り起こされたことで言葉を失いかけていく) 」
ミツキ「……?なになに、ニルみーの知り合い……??(ただならぬ様子を浮かべるニルを怪訝そうに伺いつつ、対峙する青年の不気味な笑顔に眉を潜める) 」
ヒサメ「忌まわしき過去って奴だねぇ。喋れるし物理的接触ができるし最悪の更新までしてくるってのが厄介なとこだ。ソレ以外は”どうでもいい存在”っていう認識で間違いないと思うよ。覚えてないけど(しっしと手で払うような動作をしながら) 」
墨田奏斗「あれあれェ~?なぁんか前いた時より様子変わったァ?まあ、どうだっていいけど。こうしてもう一度鬱憤を晴らせにこれらたんだからさァ…! そう…俺は「あの時」――――――― 」
― 回想 ―
墨田奏斗「――――……クソが…ッ゛…!二度とやらねーよ、こんなクソゲー…!(強制退場を命じられて以降、幻影の巨塔から追放された男子高生は苛立ちながらその地を立ち去ろうとしていた) 」
黒衣の集団『 ザ ザ ッ (だが、その時だった。何処からともなく現れた謎の集団が、幻影の巨塔から現れた青年を取り囲んだ。皆一様に襤褸切れの黒衣を身に纏いその素顔を覆い隠している) バ ッ (そして、有無を言わさず青年を拉致していく)』
墨田奏斗「なッ…?!んだよテメェら……ッ…!?ちょ、離せッ…触んなって…!!おいッ…やめろ…ッ!!離せよッ、おいッ!!やめろ ァ ァ ァ ア ア ア ――――― (謎の集団に取り押さえられた挙句、訳も分からず人気のない場所へと誘拐されてしまった―――――) 」
墨田奏斗「チッ……んだよここ…!おいッ!!俺を出せ!!どこなんだよここはァ!!(陰湿な空間に閉じ込められて奇声のような怒号を喚き散らかす) 」
PoH「 ギ ィ ィ ー ー ー ー … (青年が荒ぶる一室に、一人の男が入り込んでくる) よォ…お前、
エリノラの野郎に追い出されたんだってなァ…?同情するぜェ…「俺たち」も、お前と同じだからなァ。(フードの内側でニタニタと笑いながら、いきり立っている青年を宥めるように手で静止のジェスチャーを取る) 」
墨田奏斗「……誰だよおっさん。つーかここどこなんだよ…! 」
PoH → ヴァサゴ「俺の名はPoH…いや、ヴァサゴの兄貴と呼んでくれてもいいぜ。(パサリ、と頭部を覆っていたフードを脱ぎ取り素顔を晒す) 俺もお前も「レッドプレイヤー」。幻影の巨塔から追い出されたはみ出し者だ。俺たち『プランダラ』は、そういう奴に声をかけて復讐を企てているのさ。どうだァ…?お前も、エリノラ共にし返してやりてぇと思わねえか?このまま引き下がれねぇんだろう? 」
墨田奏斗「………へぇー…?俺のこと知ってんだァ……?復讐か……っはは…いいねェ…どの道アイツらはいつか必ずぶっ壊してやりたいと思ってたところだし… 乗ってやるよ、その話。 」
ヴァサゴ「ケケッ…!潔い程のヒールっぷりだなァ…好きだぜ、そういうの。歓迎するぜェ…――――『 プランダラ 』へよォ! 」
墨田奏斗「――――……んで、今こうしてさァ…戻ってきたってわけ。このクソゲーを本気で潰しに来た。"願い"なんて叶うわけのねェー嘘っぱちの宣伝文句を謳うクソみたいな運営もエリノラも、そんなもんを本気で信じ込んでるお前らクソプレイヤーも全員、この手で打ち砕きになァ…! 」
ヒサメ「(あー……ドヤ顔で語ってるあたり情報が周回遅れ臭いなぁ……いやそこ煽ってもしょうがないね。こいつの目的は――――)――――説得も会話も意味はなさそうだ。全員でタコ殴りにするのが手っ取り早いと思うけど、どうする? 」
ニル「……っ……!(「願い」――― それを本気で信じている自分にとっては、彼の嘲笑に対し否定意思が芽生えた) ………みなさん… 先へ行ってください…っ……!あの人は……私が、相手します……っ…!もう…あの時の自分とは、違う……! それに…エリノラちゃんや、"願い"を信じている人たちを貶されて……黙っていることなんて、もうできない…っ…!(あの時の気弱な少女が、一歩、踏み出す。彼女なりの過去との決別、抗いの意思が、はじめて強調された瞬間だった) 」
ミツキ「(なんか訳アリっぽい…?加担するのは野暮って奴かな……)……じゃあ、先行くけど…戻っては来ないからね?多分大丈夫だろうって思ってるから!一応…先輩が認めるだけの実力を持ってるんだし…?少しくらいは認めているんだからね…!ささっ、いきましょ先輩! 」
肆々玖「成る程、落伍者の末路か。(見覚えのある男、その風貌に視線は淡々と冷えていた)……やるのか、ニル。なら―――(そっとニルの肩に手を置き、ゆっくりと、ルーチンワークのように宥める)お前はもう一人じゃない。"後ろ<過去>"は向くな、"前<今>”だけ見てろよ。 」
閻魔・恋・大王「我々に立ちふさがる存在は皆地獄道へ導かれることでしょう・・・ 」
白ローブの男「………………(まるでストーキングするように彼らに付いてきた白ローブの男は、沈黙を貫いている) 」
墨田奏斗「へェ~…随分強気に言うようにになったじゃん。やっぱ少しは変わったっぽいね。お友達もたくさんできたみたいだし、今のパーティが恵まれている感じ?よかったねー。「今」が楽しそうでー。だけどね弱虫ちゃん、俺はさァ…幸せな人間を見ると――――――― 」
墨田奏斗「 ―――――― 壊 し た く な る ッ ! ( \ DESIRE DRIVER / )(張りぼての笑顔から瞬く間に悪意を孕む憤慨に切り替わり、デザイアドライバーを装着する) \ SET / (懐から取り出したマグナムバックルをドライバー右側へ装填する) 」
墨田奏斗「―――――― 変 身 ッ ! 」
墨田奏斗 → 仮面ライダーダパーン「 \ MAGNUM / \ READY FIGHT / (マグナムバックルのリボルバーを回転させてからトリガーを引くことで、パンダの仮面に黒スーツの素体へ変身。白の装甲が上半身に装着されることで仮面ライダー「ダパーン」・マグナムフォームへの変身が完了する) チ ャ キ リ ッ … ――――(マグナムシューター40Xを肩に乗せるように構えだす)……リベンジマッチだ。今度はゲームじゃなくてリアル。跡形もなくぶっ壊してやるよッ!(咲へ進もうとする者たちへ銃口を突きつけ、トリガーを引き抜こうと指を掛けた――――――) 」
ニル「――――― ガ ギ ィ ィ イ ン ッ ! (ダパーンが射撃を行う寸での所で彼の懐へ瞬時に潜り込み、その銃身を漆黒の剣で斬りあげるように弾き、銃弾の軌道を頭上へとずらした)―――――― はいッ! (肆々玖たちに応答するように応え、そのままダパーンを抑え込む) 」
仮面ライダーダパーン「―――― ! ( ダ ァ ン ッ ―――― ! )(弾かれた銃身より放たれた銃弾が暗闇の天蓋へと撃ち上げられていく)…テメェ……!弱虫のクソザコプレイヤーだったくせに、俺に歯向かうつもりか?舐めやがって…ッ…!いいよ…楽に殺させはしねェー。徹底的にトラウマを刻み込んで二度と立ち上がれなくしてやるよッ!! 」
ニル「……もう…あの時とは違う……!今度こそ証明してみせる…私の…"願い"への本気を…ッ!! 」
――― Vs. 【 エゼルダーム】 仮面ライダーダパーン ―――
仮面ライダーダパーン「ッハハ!一丁前にかっこつけてさぁ…?一人だけ残ったはいいけどさぁ…?お前みたいな弱虫ちゃんが俺に勝てると思ってんの?散々俺の腰巾着だったザコのくせによ!(ダキュン、ダキュン、ダキュゥン!!)(マグナムシューターによる射撃を繰り返し、ニルを牽制する) 」
ニル「っ―――――(銃弾と共に放たれる悪意ある雑言。弾丸の直撃こそは回避で受け流すものの、言葉の弾丸は彼女自身の心に今もねじ込まれていく) 」
仮面ライダーダパーン「そうやってさぁ…逃げ続けていればよかったじゃんね。デスゲームになってもまだ誰かさんの背中で隠れてさぁ…抜けるに抜けられなくなった感じでしょどーせ。ハハハ…バカだねぇ~ww それともなんだ、どうせ殺されるなら俺にされる方がよかったとか?なら喜んで殺してやるよ。嫌なら泣いて逃げてみろよ!ヒャハハハ!(距離を取るニルを追跡するようにゆっくりと前進。右手に握られた銃を突き付け、簡単な射撃遊戯で愉に浸る) 」
ニル「……っ…!(次々と前進をかすめる銃弾から免れようと柱へ旋回するように飛び込み、ホログラムで形成された無機物に背中を密着させ、呼吸を整える)………(耳を傾けちゃダメ… あの人は…そうやっていつも相手を煽り、逆上した隙を狙う。常に一定の距離を保ち、その射程距離間に味方を挟むことで無傷(アンハ-ト)を獲得し続けてきた… なんとかして、接近戦に持ち込めば――――) 」
仮面ライダーダパーン「怖いか?怖えだろ?殺されるんだぜ、今から俺にさぁ!頼れるなかっまはみぃ~んな先に行っちゃまったしなぁ…もう誰も助けてくんねーぜ?さあぁ~後は誰に縋る?親にでも泣きつくか?泣きわめけよ。パパー!ママー!助けてー!って。キャハハハッ!!(\ RIFLE MODE /)(マグナムシューターをライフルモードに切り替え、狙撃態勢に入る。ニルが逃げ込んだ唯一の柱。それを貫通するつもりで照準を合わせる) 」
ニル「―――――!(彼の扇動に、心臓がどくりと強く胸打つ。父と母。自分がここに来た最たる理由。すべては愛する両親のために、勇気を振り絞ってこのゲームに参加した。もう遠い記憶のように朧気になっていく回想。その中で、父と母と思わしき二人がこちらに向かって手を差し伸べている光景だけが思い出される。灰色の記憶の中で症状が見上げると、現実の光景と重なる。見上げた先にあるもう一つの柱が視界に入り―――――) 」
仮面ライダーダパーン「(一思いに貫いてやるよ―――) \ CHARGE / \ TACTICAL SHOOT / (マグナムシューターの打鉄を引いてエネルギーチャージ。高エネルギーが収束する銃口を、ニルが潜む柱に突きつけると――) バ ギ ュ ゥ ゥ ゥ ウ ウ ン ッ ! ! (トリガーを引き、威力を高めた赤いエネルギー弾が閃光のように発射された) 」
―――― ボ キ ゙ ャ ア ア ァ ン ッ ! ! (赤い閃光が、電脳柱を撃ち貫く。激しいノイズを走らせ大穴が開かれる―――)
仮面ライダーダパーン「……いっちょあがりっと。(ライフルの銃身をぽんぽんと手で弾ませながら悠長な足取りで歩み、ニルが潜んでいた柱の向こうへと顔を覗かせる) 」
だが、そこに少女の遺体はなかった――――
仮面ライダーダパーン「 !? (いない…ッ!?)(ニルの消失に狼狽し、思わず周囲を見渡す。柱から視線を外したことなどない。左右から移動することも、ましてや奥へ逃げていくような足音も聞こえなかった。ならば彼女はどこへ消えた…?)――――――!(考えうる残りの選択肢は一つ。その結論に至って"上"を見上げた) 」
ニル「――――― ッ ッ ッ ! ! (ダパーンの推測通り。撃たれる寸前に壁を蹴り上げて銃撃を回避しつつ、次の反撃の一手に出る。彼の頭上から漆黒の剣を振りかざしたまま急降下落下し、そのままためらいもなく斬撃を思いきり振り下ろした) 」
仮面ライダーダパーン「 ぐぁ…ッ…?! (咄嗟に突き出した銃身で斬撃を受け止めにかかるが、対応に遅れたことで迎撃姿勢が間に合わず、そのまま体制を崩されるように吹き飛ばされる)こいっつ―――――(ズザザザァーーッ!)(退くように滑る足を踵で踏み抜き、銃口を突き出そうと腕を振り上げるが―――) 」
ニル「 ッ゛ ! ! (ダパーンが動き出すよりも先に、常に接近姿勢を維持したニルが彼の懐へ潜り込む。あらかじめ振りかぶられた剣による横薙ぎの一閃で斬り崩しにかかった) 」
仮面ライダーダパーン「 がァ…ッ!? (斬撃に薙ぎ払われ、走行が火花を散らしながら今度は無様に転倒する)……ッ゛……テメェ……!!(怒り心頭したように声を震わせて起き上がる)やってくれたなァァァァ……?ダメージなんて受け取たのはゲーム参加した当初以来だよ。まさか俺に一矢報いるくれぇ強くなったかァ…?けどさァ……調子乗んないでくれる?強くなったのは何もテメェだけじゃねェ。(そういって懐から取り出したのはビートレイズバックル。それを―――) 」
仮面ライダーダパーン「 \ SET / \ BEAT / (ドライバー左側スロットに装填し、レイズバックルを起動する) \ 「MAGNUM」 & 「BEAT」 / \ READY FIGHT / (未武装だった下半身の素体にアンプを思わせる音楽機材装甲が装着され、マグナムビートフォームになった) いよっ! ( ♪ ♪ ♪ )(新たな装甲を得た下半身、その足でタップを刻むと音符や五譜線などの形をした波動エネルギーが生み出され、衝撃音波として放たれた攻撃がニルに襲い掛かる) 」
ニル「……!?あう…っ…!(新武装を搭載したダパーンによる音波攻撃に吹き飛ばされるも、受け身を取って保たれた距離からその様子を伺う)………(今のは…衝撃波……!弱点だった接近戦をカバーしてきたなんて……) 」
仮面ライダーダパーン「まだまだこんなもんじゃねェ…―――― \ DUAL ON / (そこからさらにドライバーを一回転させるとダパーンの上下装甲まで入れ替わり、今度はビートマグナムフォームに切り替わる) シ ャ キ ィ ン … ! (武器がマグナムシューターより、ギター型武器「ビートアックス」に持ち替えられる)これはねェ…俺を応援してくれるプランダラからの贈り物さァ…!無能なオーディエンスどもはいつまでたっても俺に支援してくれなかったけど、プランダラは俺をいろいろ持ち上げてくれてねェ…"こっち"に移ってから最高に気分がいいよ!ハハハッ!! 」
ニル「………本当に、そうですか……っ…? 」
仮面ライダーダパーン「……ああ? 」
ニル「……こんなことが……本当にあなたの本心なのですか…?だって……!あなたの"願い"は…最初はこんなことじゃなかったはずなのに…っ!! 」
仮面ライダーダパーン「………何を知ったかぶってんのさ?これが俺の望みだよッ!!!幸せそうにしてる連中を見ると虫唾が走るんだよ…ッ!!誰も俺の不幸に目もくれず、自分だけが幸せになればいいってこっちを見て鼻で笑ってんだ!どいつもこいつも俺を嘲笑う… ムカつくんだよ……ッ…!だから全部ブチ壊すッ!!今度はテメェらが不幸に落ちろってな!!お前も…一人だけ幸せに軟化させてやんねーぞ!!(グゥォオンッ!!)(ビートアックスを逆手持ち、刃部を剥きたてて斬りかかる) 」
ニル「くぅ…ッ!!( ガ ギ ィ イ ン ッ … ! ! )(激昂を乗せた重い斬撃を水平に構えた刀身で真っ向から受け止めにかかる)…っ……私だって……本当は自分が幸せだなんて思ってなくて…だから、小さな希望を…「もしかしたら」って奇跡を求めてこの塔を登ろうとしてきたんです…!私も…あなたにだけじゃなく多くの人に笑われて…恥ずかしくて、怖くて…逃げ出したいと思ったことだって何度もあった……っ… 」
仮面ライダーダパーン「テメェみたいな底辺はそれがお似合いだからだろッ!根暗で弱虫で、どうせ失うもんなんか何もねえんだからなァ!!(ギリギリと火花を散らしながらさらに両腕に力を込めて重圧をかけていく) 」
ニル「そう……だから…"私たちは似た者同士"だった。貴方についていったのは…無意識に、私自身を重ねていたからなんだと…今になって気づきました……っ…(ついに片膝をつかれるまでに姿勢を崩される中で、それでも視線をダパーンから背けなかった) 」
仮面ライダーダパーン「……はァ゛……?俺と……テメェが……"同じ"……?? 」
ニル「憧れていた夢を失って、挫折し…それでも「もしかしたら」と思い、この塔に希望を馳せた。これ以上失うものがないなら、藁にも縋る思いで目の前の希望に手を伸ばせるだけ伸ばしたい。たとえ手が届かなくたって…失敗してまた誰かに笑われることになったって……もう散々失ったのなら何も怖いものなんてないはずだから……!(余力。その華奢な体が少しずつ上昇し、重い斬撃に強かな抵抗を見せ始める。弱弱しい声音が、歯切れしない啖呵へと強まっていく) 」
ニル「でも……ッ!私はそれでも、"願う"ことを諦めたくなかった!!また初めからやり直しになったとしても、きっと私は前よりも"願い"に貪欲になると思うから…!そう思わせてくれた人たちにここで出会えたから!!(黒髪の少女、無愛想の中に愛想を持つ男、勇気を示してくれた超人悪魔、そして…ここまでの過程で肩を並べてきた者たち。彼・彼女たちが自分の"願い"を笑わず肯定してくれたことが、きっと今の自分を形作ってくれたのだと、心の片隅で信じている) 」
ニル「 ガ ッ゛ ギ――――――― ィ゛ ン゛ ッ゛ ! ! (そして、これまでの呪縛を自ら斬り払うように、拮抗する斬撃を退ける。スローモーションになった世界で、弾けた火花が少女が流した汗のように煌めいていた) 」
仮面ライダーダパーン「―――――― ッ゛ ッ゛ ッ゛ ! ! ? (優位だったはずの態勢を斬り崩され、大きく上半身を反らしながら退かれていく)……ッ……!!テメェと…」テメェみたいなのと一緒にすんなァッ!!!!(あらぶり始めた獣のように鈍器を乱雑に振り回し強襲を仕掛ける) 」
仮面ライダーダパーン「テメェに何がわかるッ!?俺のッ、なにがッ!!なにがァッ!!!(ガン、ガンと叩き割るような斬撃を何度も乱暴に振り上げる) 」
ニル「(自暴自棄に乱雑な行動に出た相手に対し、伐刀者としてこれまで培ってきた立ち回りと剣術で冷静に対処。無理に受け止めず、少ない挙動で斬撃を華麗に受け流していく中で、視線だけは彼から逸らさない)……あなたの気持ちに気づいていながら、それでも何も言えなかったのは…あの時の私が今よりずっと臆病だったから。同じ気持ちを抱え合って勝手に安心しようとしていた、私の弱さ。何度慰めようとしても涙は止まらなくて、きっとこのままじゃ変わらない。だから―――――― 」
―――――――「悪魔」にでもなってみるか?
ニル「 いっそ「悪魔」になって自分の舌を嚙み千切る。そしたらもう、「だって」なんて言い訳なんかできないから。 (ダパーンの振り下ろした斬撃がついに直撃する―――と思われた次の瞬間、その体が陽炎のように揺れて消失する) 」
仮面ライダーダパーン「 !!? (再び姿を消したニルに動揺し、慌てて周囲の左右上下を見渡し始めるが―――) 」
ニル「 ヒ ュ オ ―――――― "業慢《 ゴウマン 》" ―――――― ア (再び姿を現したときにはダパーンの死角。その隙だらけの脇腹に叩き付けるような斬撃を炸裂させ、柱へと叩き付けた) 」
仮面ライダーダパーン → 墨田奏斗「――――― ご は ァ … ッ゛ … ! ! ? (―――― ズ ッ ギ ャ ア ア アア ァ ァ ァ ア ア ン ッ ! ! ! )(空ぶった姿勢から強烈な一撃を叩き込まれ、水平に吹き飛んだ先にたたずむ柱へと盛大に激突。砂塵に紛れる中でついに力尽き、変身が強制解除されてめり込んだ柱からずり落ちる) 」
墨田奏斗「……ハァ…はぁ……ッ……――――――クソがッ゛!!!(悔しそうにダァン!と背後の壁に拳を打ち付ける)クソがクソがクソが…ッ゛!!なんでだ……なんでよりもによってお前みたいな……お前みたいな奴に…ッ゛!!! 」
ニル「………(これ以上の戦闘の意思はないと伝えるように固有霊装を解除。**(確認後掲載)の姿勢のまま青年の前に佇み、じっと見つめ合う。憐憫でも嘲笑でもない、何かを訴えかけるような強かな眼差しを) 」
墨田奏斗「どうせあの時も今も、俺のことを心から嘲笑ってたんだろッ!?俺が脱落して喜んでたんだろッ!?さらに不幸に落ちた俺にざまぁ!って思ってたんだろ!?なァ゛…!?なんとか言えよ…ッ゛!!!……なんで……なんで…ッ、さっきからだんまりなんだよ…ッ…!!テメェの…!そういうところがッ…!!ずっと気に入らなかったんだよッ!! 」
墨田奏斗「………ああ、見てたよ……見てたんだよ全部ッ…!俺が脱落してからテメェらの攻略戦をずっと見てたよ!! どいつもこいつも願いを叶えるんだー!ってほざきやがって…そういうのを語るときだけ幸せそうな顔をしやがって…!!くだらねェ…ほんッとに下らねェッ!!!俺のお陰で上り詰めてきた奴らが!!そんな恩人である俺を出し抜きやがって!!クソがクソがクソがァッ!!!だから全部めちゃくちゃにしてやりたかった!!同じ不幸に突き落としてやりたかった!!なのに…なのにッ――――― 」
ニル「――――― それでもあなたにも「幸せ」になれる権利はあるはずなんです。 」
墨田奏斗「……! 」
ニル「………(青年に深く頭を下げる。それは感謝の念か、謝罪の意か。彼がその真意を知る由はないが、真摯な眼差しと共にとった行動の後、少女はそれ以上は告げずに踵を返して駆け出していくのだった) 」
墨田奏斗「…………んだよそれ……っ…―――――――(彼女が最後に残した言葉の真意を理解できないと小さく舌を鳴らすが、ふと冷静に帰って思い出したことがある。それは――――) 」
彼女だけが、青年のかつての願いや後悔を、一度も笑わらなかったことを――――――
墨田奏斗「…………(自分が正規のプレイヤーだった頃を思い出す、長いようで短い、そんな束の間のゲーム。他者との衝突や離反を繰り返す中で、ニルだけが自分についてきてくれたことさえも。最初は自分が手名付けた都合の良い駒だと思い込んでいた。反論することも裏切ることもない、言いなりに動いてくれるだけの都合の良い人間。だからこそ、そんな彼女が自分を差し置いて先へ向かうことに、プライドが許さなかった) 」
墨田奏斗「………(だが…そんな彼女だけが、荒んだ心の吐き口でもあり、己が"願い"を否定しない唯一の心の拠り所だったことも、今になってようやく気付いてしまい―――) んだよそれ…っ……――――(やり場のない感情を拳に込めるも、もう柱を殴りつけるだけの気力は失せていた――――) 」
最終更新:2026年04月12日 22:00