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― 大会会場・選手控室 ―
ノルムー「ふむふむ……!ふぅむふぅむ……!すごい…すごいのだぁ!!診れば診るほど未知の技術がどんどん発見されていくのだ!!これまでの試合で
フレイミスが見せたあの速さに加えた安定感の秘密…!姿勢制御装置が良いのか、それとも関節が特殊なのか…!この駆動系はどうなっているのだ!?もっと奥まで見てみたいのだ~!(目を輝かせながらフレイミスの義体を専用器具を両手にまじまじと観察している) 」
フレイミス「(上半身のみ服装を脱いだ姿勢で控え室のベンチに座ってされるがままにされている)はぁ……他人にこんなに体を見続けられるのは姉ちゃんだけで勘弁してほしかった…(デカいため息を吐き出す) 」
ノルムー「ふぅぅぅぅぅ~~~~~~む~~~~~~………!よぉしよしよし……だいたいのことはわかったのだ!流石のノルムーでも、内部構造まで手を付けるのは至難の業なのだ…!それぐらいこのシフトギアシステムが自在の先駆けを行き過ぎた完成品ということなのだ!流石は『
ゲルニカ』が手掛けた発明品…!その名を聞いたときはノルムーも驚いて脱帽しちまったのだ!(※被っている帽子=ボンプが驚きで本当に脱げるように落ちてしまう) 」
フレイミス「ていうか…なんでノルムーがゲールのおっちゃんのこと知ってんだ? 」
ヒロ「(焼肉弁当を食べている) 」
ノルムー「はぁ!?知ってるも何も…『ゲルニカ』はノルムーたちの業界じゃ有名も有名、超有名人なのだ!!この世に存在するありとあらゆる発明の根幹には…ゲルニカ印がつけられているようなものなのだ!どこぞの発明家が100年かけてやっと閃いた世紀の大発見も、既にゲルニカによって通過されているようなもの!悔しいが…ノルムーの発明だってゲルニカには遠く及ばないのだ…!ノルムーが奴に対抗できるとすれば、あれが手掛けるスパゲッティみたいにごちゃついた深層コードをもっと単純明快に簡略化することぐらいなのだ! 」
カズネ「ヒロ…美味しそうなもの、食べてる……(ぐぅぅ…とお腹が鳴っている) 」
フォックス「おっ!焼肉弁当か!けど野菜が少ないんじゃないか?うちの採れたてのゲームボーイなんてどうだ?(ヒロの弁当にゲームボーイを入れる) 」
ファルコ「フッ…!そんなもんより、俺はそうめんの方がいいぜ(ヒロの弁当にめんつゆを流し込む) 」
ウルフ「テメェら勝手が過ぎるだろ…… 」
フレイミス「はぁ……(おっちゃんがすげえ人なのは俺にもわかるが……ノルムーのいた時代まで名を届かせるぐらいの偉人だったなんてな……)(思い返せばあまり会話を交わしたことが少ないなと気づき、ゲルニカの側面に触れて静かに感心する)……そういやさっき…ノルムーも未来から来たって言ってたよな…? 」
ノルムー「そうなのだ!まあ、フレイミスの言う「未来」とは…少しニュアンスが違うかもしれないけどな!なにせノルムーがいた時代…正確には世界とは、この
ケイオスとはかけ離れた別世界線なのだ!時の遷移っていうよりも、そもそもが住む世界が違うのだ。フレイミスは数十年先の未来からきたらしいが…「ノルムーたち」はケイオス由来の時空じゃなく、いわば惑星外の、それも時間軸や概念すらこことは大きく乖離したところからきたのだ。(フレイミスのボディを視察するようにぺたぺたべたべたと触り続けている)」
フレイミス「はーん……?よくわかんねえが……ん?「たち」ってことは……ノルムー以外にも誰かいるのか? 」
ヒロ「おや、カズネちゃんじゃないか。腹が減ったのかい?それならちょっと分けt…………(フォックスやファルコのトッピングでとんでもない状態になった弁当を見て)……………なんか奢るよ 」
ノルムー「ああ、『ヴェリナ』のことなのだ?ノルムーはアイツの付添人なのだ。今頃世界政府本部で面倒な業務に勤しんでいる頃なのだ! 多分大会には顔を出せねえと思うから、今回の一件は全部ノルムーが請け負うことにしたのだ!まっ、ノルムーには優秀な家来のボンプたちがたくさんいるのだし…ここで得られる情報網は全部あいつらにかき集めさせているのだ!だからノルムーはここで安心してフレイミスの改造実験を行えるのだ♪ありがたいことこの上ないのだ♪ 」
カズネ「嬉しい……でも、大丈夫。お金…使わせるの、良くない。 」
フォックス「本当かい!?俺たちになんか奢ってくれんだってさ! 」
ファルコ「俺はそうめんがいいぜ 」
ウルフ「いい加減にしろお前ら 」
フレイミス「ボンプ…あのちんちくちんのことか…? 」
ユビィ「誰がちんちくりんだってク〇ガキ???(フレイミスの背後から憎悪が走る!!!) 」
フレイミス「うわああああああああああ!!!??(突然すぎてベンチから横転する)はー…はー…っ…!ちょッ……マジ心臓止まるかと思った……! な、なんだぁ…!?(ユビィを見上げながら) 」
ユビィ「ふんっ…!ギルド「トライアンフ」のリーダー、ルドナ・ユビィよ!いつかこの名前を大きく轟かせるんだから覚えておきなさいよね!(腰に両手を上げ、自分を見上げるフレイミスを不敵な笑顔で見下している) 」
ノルムー「あ、さっきあの化け物剣士(
ルドゥラ)にコテンパンにされてたチビ助なのだ! 」
ユビィ「チビって言うな!!!!あと負けたのは事実だけどコテンパンにまでされた覚えはないし!あともうちょっとってところだったんだし!!(よく見ると全身の至る個所に包帯が巻かれている) 」
フレイミス「あ、あぁ…… 俺はフレイミス…チーム「N.F.K.」のリーダーをやっているんだが…… ギルドか…そういうの、なんかいい響きだな… (よっ、と声を上げて起き上がりながらもう一度ベンチに腰掛ける) 」
ヒロ「ん、優しいんだな。カズネちゃん……ご飯は大丈夫か?(カズネに) あんたら……(フォックスとファルコを見て額に指を当てる)1つだけな… 」
ユビィ「言っておくけど…ウチのギルドに入りたきゃ身長制限があるから!アンタはあたしより高いからダメだね。 」
フレイミス「身長制限!?!?!?!?!?しかもリーダー基準!?!?!?!?!?んなもんほとんどがアウトだろ!!!!!! 」
ユビィ「あたしが底辺だっていうのか!!!!!!!!!💢(※身長の話) 」
ノルムー「やめるのだ!!どんぐりの背比べはやめるのだ!!!!まあノルムーの方が貴様らより身長も頭脳も勝っているのだが!!!! 」
ユビィ「テメェそれブーツとヘンテコ帽子でイカサマしてるからだろうが!!!反則行為止めろって!!!💢💢 」
ノルムー「なーーーーーーーーーーーー!!!!!???このステキハットを馬鹿にするなーーーーーー!!!!!!💢💢 」
フレイミス「(こいつらがドングリだろもう……)(叫び散らかし合う二人の板挟みになっているせいで委縮している) 」
カズネ「後で、弁当屋さん(カワサキ)から、買う………喧嘩、してる……(ヒロとの会話中に聞こえてきたユビィとノルムーの口喧嘩を見る) 」
ヒロ「………ん、ほんとだ…(カズネの言葉を聞いて2人を見る)でっか、声でっか… 」
萌香「は~~~…ハラ減った~~~!やっとハナさんからもらったお弁当食べられる………ん゛???(弁当袋を引っ提げて控室へ入ってきた瞬間、偶然にも二人の幼女?に板挟みにされているフレイミスを見かける)………アンタ、何やってんの…小さい女の子怒らせちゃって…… 」
フレイミス「俺じゃねえし!あ、てか…小さいって言ったら…… 」
ユビィ「あんだテメェ????(フレイミスの頭部を真上からグイッと押さえつけながら萌香にメンチを切るように睨み上げる)言っとくけど小さいのは"こっち"の方ね?(ノルムーを親指で指し示す) 」
ノルムー「まだいうか貴様ァ!!!この天才技術者のノルムーに舐めた口きくとボッコボコノギッタンギッタンにしてやるのだ!!……って、ウチのネイヴがそう言っているのだ!!!(責任転嫁) 」
悪魔博士「みんな蟹にしよう!(飯の魔法)おう、俺様DA!鉄よりかてえブリキの弁当箱で調達してやるでよ、ブリキだぞおめぇ!!(カワサキを悪魔の魔法でオロロンチョチョパァした悪魔博士が蟹弁当を振る舞う) 」
ユビィ「へぇ~~~~~…?このチビッコロがねぇ……?(ようやく自分より圧倒的身長差のあるネイヴを発見し、勝ち誇ったようなゲス顔で見下している)……あんだよ。なんか言いてえのかよ。小せえなって思ってんだろお前らもよ(ヒロとカズネに)あっ……あんたはまだどっこいどっこいかもね。(カズネと自分の身長を見比べてやっと落ち着きを見せる) 」
カズネ「私……小さい、けど……どう、なんだろう……?(ユビィの強い視線を受けて無表情だが困惑しているのがわかる)……弁当屋さん…ブリキの鎧でカチカチになっちゃった…… 」
萌香「いや小さいって……いいじゃん… 女の子っぽくて…ちょっと羨ましいというか……ボソボソ……(次第に言葉が尻すぼみになっていく) 」
ノルムー「なんなのだぁ~!?声が小さくてなんも聞こえないのだ!!(イライラで萌香に八つ当たりしだす) 」
ユビィ「また小さいって言ったかテメェ!!!!💢 」
ウルストラスーパーネイヴデラックス「ポヨンナ…… Z u n (ストーンストーンをコピーし天井に頭がつくでかさになる) 」
ノルムー「声の話なのだ!!!!貴様こそ器も身長も小さいのだ!!!!!💢 」
ユビィ「やんのか~~~~~~~~!?!?!?!?💢💢 」
ノルムー「やるのだーーーーーーーーー!!!!!!💢💢 」
バンガロール「 >>>>> 私は " 大 " 砲よ <<<<< 」
ジョシュア「はっはっは!全員俺よりチビ!!反則負けで無様を晒したデカブツより優秀なレディと少年達、それで万事良しとしようじゃないか、仲良くな!(べんべんっと広辞苑のように分厚く古代な掌がユビィとノルムーの頭を押さえつけるように) ンン?政府御用達の天才技術者ノルムー女史に……開幕パフォーマンスで場を盛り上げたフレイミス少年。それと……おお(確か……ええーーーーーとーーーー)新進気鋭のトラアンフ、ユビィ殿か。妙な組み合わせだな 」
ユビィ&ノルムー『ムキィーーーーーーーーー!!!!!!💢💢(ジョシュアに押さえつけながらお互いに届かない腕をぐるぐるさせている)』
フレイミス「……!?(で、でけぇ……!!)(圧倒的巨漢!圧倒的筋肉質なジョシュアを見上げて愕然としている)……あ、あぁ……そうだが… 名前、いろんな奴らに覚えられているな…… 」
ヒロ「……?小さいことの何が悪い?むしろ可愛らしいじゃないか(ユビィに) 」
悪魔博士「前任者(カワサキ)は見本だで、サンプルだで、できる料理はレトルトだけとすう。俺は科学実験に失敗したが悪魔の魔法をYO!チョチョイと習得した悪魔博士だよ!(自己紹介)コックもなんてこちゃーねぇ。スージー(カズネ)ちゃんとスージー(ユビィ)ちゃんと、スージー(萌香)ちゃんと、スージー(ノルムー)ちゃんは飯何すう!? ただしガンロック(ヒロ)おみゃーはだめだ 」
ヒロ「(うそだろぉ〜?)(悪魔博士に飯抜きにされて) 」
ジョシュア「何事も第一印象が大事だ。初戦で派手に名乗りを上げ、互いのポテンシャルを最大限以上に引き出す試合内容だった。観客は思うだろう、この大界はレベルが高いと。 そうなりゃ既に面白い物を見れたという経験から以後の試合がどうあろうと結構な割合で客席に残るもんだ。『まともな主催者なら』感謝してるだろうさ。(徐に酒のボトルを懐から取り出すが)……っと、いかんいかん。未成年の戦士が多いんだったな(それを仕舞い、腕を組んで背を壁に預ける)部下もみんなお前さんぐらい勢いがあれば面白かったんだがなぁ 」
ノルムー「うおッッッッッ!?(ラーリンの登場に目を疑う)……あ、赤い肌の女……いやそれよりも…(おっぱいが)でっけえのだ!!!!ヴェリナに引けを取らねえくらい(π乙が)でけぇのだ!!!!(ラーリンのアレを見ながら叫ぶ) 」
萌香「(最近の女の子ってみんなこうなの……?わかんないわ……)えっ……いや、アタシは別に… ハナさんの弁当あるし…… 」
フレイミス「はぁ……そいつはどうも…(かしこまりながらジョシュアに会釈する) 」
盛ペコ「 スッ・・・・・ (ラーリン・ハイネの胸の前に浮遊する) ハ゛ナ゛ァ゛ーーーーーは゛や゛く゛き゛て゛く゛れ゛ぇ゛ーーーーーーー!!!!!!!! 」
ユビィ「デカい奴は存在そのものが罪づくりだと思う(と、ラーリンのプロポーションを妬ましそうに見ながらヒロにコブラツイストしている) 」
ラーリン・ハイネ「アハハ、嬉しいコト言ってくれるねぇ。いろいろ自信はあるほうだよ(とノルムーににこやかに) 」
ポリゴン2「 スッ そうだぞ、デカイのは罪だ。誇れ、お前は偉い。 」
ヒロ「なんで俺!?(コブラツイストを食らいながら) 」
ハナ「(一方その頃、客席―――)―――― ックシュン!……?鼻がむずむずする… はあ… 萌香ちゃん、お弁当気に入ってくれるかな~…? 」
ラーリン・ハイネ「う˝お˝あ˝!?なにこの生き物!?(盛るペコにどっきりし)あ、でもちょっとかわいいかも、ハグしていいのかな?」 」
カズネ「ヒロ……強く生きて…(ヒロに向けて合掌する) 」
盛ペコ「ピンソロでも一向にかまわんペコ(節操なし) 」
フォックス「大変だ!ヒロが大変な目に!俺も手伝うぞ!(助ける…と思いきやヒロの首に腕を回して締め上げる!!!!) 」
ファルコ「そんなもんより、俺はそうめんの方がいいぜ・・・・(ヒロの両腕をそうめんで縛り上げる!!!!) 」
ウルフ「テメェらヒロ好き過ぎだろ 」
ピカマン「カを貸そう…(ヒロに"カ"を分け与える…) 」
ノルムー「やめるのだ!!このドラマはちびっこも見ているのだ!!爛れたシーンは勘弁なのだ!!(ラーリンのアレと盛るペコの存在そのものにモザイクをかける) 」
ユビィ「おい誰か今ちびっこって言ったよな……?言ったよなぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!???(ギリギリギリギリギリィ!!!!!!!!)(ヒロへの締め上げが強くなっていく!!) 」
ファルコ「あ!力がカタカナのカになってるー!(ピカマンから「カ」を奪う) 」
ウルフ「だまれトリ(「カ」を取り上げてゴミ箱にぶち込む) 」
ジョシュア「俺も一戦混ざってみたかったがなぁ……いやお前さんは対抗ブロックだから決勝まで勝ち上がらないといけないか。スゥー…… (ここでふとノルムーを横目に見、すぐにフレイミスへ目線を戻す) 勝ち上がれなければならない"理由がある"っていうのはなかなかに難儀なもんだな? 」
ラーリン・ハイネ「ほりゃ(盛るペコを胸の中に抱っこ)……あーあー、すごいことになってる。試合よりもえげつないや」 」
フレイミス「……?そうだな……それは俺にもプレッシャーになる。早い段階で負ければ「縁がなかったか…」って諦めもつくが、勝ち進めばその分「もう引き返せねえ」って圧が強くなっていくしな… 実際、俺にも背負うものがたくさんできてしまった。この大会に参加しただけでも…な……(うわ言のように呟きながら) 」
ヒロ「後で美味しくいただかせろ!お前ごと!(ファルコがそうめんで縛り上げたのに対して)2vs1は卑怯だろぉ!?(締め上げられて死ぬ) 」
萌香「おーおー……すごい、本物のプロレスより迫力あるかもこれ…(いろんな方面から締め上げられているヒロを見ながらランチの弁当を貪っている) 」
盛ペコ「 (悲しみのUCのテーマ) 」
キイロスズメバチちぃちゃん「(全員を標的にしようとしている) 」
杉下右京「バタンッッッッ!!!!(控え室へIN)何をしているんですかッッッッッ!!!!!!!あなたが死ぬべきは…ここじゃないだろうッッッッッ!!!!!精一杯、生きなさいッッッッッッッ!!!!!!(くたばったヒロの口にあつあつの紅茶を流し込み、死者蘇生(物理)させる) 」
バナナ猫「ハッピー!ハッピー!ハッピー!(ラーリンのアレを見てバナナ猫のバナナがむっくむく♪) 」
ジョシュア「(初戦の一幕が脳裏をよぎり、顎に拳を当て)――――まあそうシリアスになるなぁ、挑戦したならこの大会に"負け"はない。勝者がそこにあり、お前がそうしたように先を歩むだけだ。そん時は客席で行くすえを見守るなりしてもいい。 子供が責任なんざ重苦しいものを抱えてたら、そいつを支える大人達がもっと苦しくなっちまうだろっ?(『もっと周りを頼れ』、そう言いたげに片目を閉じフレイミスの背を軽く肘で小突いて歩き出す) 全力で今を遊べよ少年!世界とはすなわち冒険の地図であるっ! 」
杉下右京「〇ね、恥知らずな愚かなバナナ(バナナ猫にも激熱紅茶を注ぐ) 」
バナナ猫「イィ~~~~~~~イィ~~~~~~~~😭 」
ヒロ「あっぢいいいいいいい!!!(熱湯で蘇生) 」
フレイミス「うおっ……!?(大きな肘に背を乞使えて思わず呻き声のようなものを上げる)……そうかも、しれねぇな…(この場にはいないが、客席で見守ってくれているハナたちや、今も空の向こうで見てくれているかもしれない『父親』の顔が脳裏を過る)……ああ、気持ちが軽くなった気がするよ。ありがとう。 」
杉上左狂「いいかげんにしなさァい!!!!!!我が国では…………民主主義は恥ずかしいことなんですよ!!!!恥を知りなさァァーーーーい!!!!! 」
カズネ「あ…ヒロ、息を返した… 大丈夫…?(紅茶塗れになったヒロの顔をハンカチで拭く) 」
杉下右京「などという言い訳が!通用するとお思いですかッッッッッ!!!!!!(左狂さんを叱責) 」
ポリゴン2「💢💢💢大丈夫かいヒロ💢💢💢(ヒロへはかいこうせんをぶっ放す) 」
ヒロ「あぁ、大丈夫そうだ……ありがt(はかいこうせんが直撃し死ぬ)大丈夫じゃなさそう 」
志村けん「鬼畜にもほどがあるだろバカヤロー!!(ポリ2の頭を叩く) 」
アナウンサー「さあさあさあ!続けてまいりましょう!!!次なる第27試合は…――――『 高嶺の花騎士 』vs『 Ver.milion 』でぇえす!!!出場選手は、ステージへどうぞぉ~~~~!!! 」
萌香「スゥ…ハァー……っし!(既に固有霊装を顕現した姿でステージへあがっていく)………(なんとか三回戦まで駆け上がれた… もしもこの試合で勝てれば、フレイミスや光姫様たちのチームにあたるかもしれない。それならそれで、アタシの実力の成果を見せつけることができる。何としても勝たないと… でも……)(それでまだ、肝心な「何か」を掴めていない。憧れの光姫に一向に認めてもらえない、自分自身に欠けているというたった一つの要素。その答えも分からないまま、ここまで来たことに一縷の不安が渦巻いていた―――) 」
フレイミス「萌香の奴もいい感じに上ってきたよな。……?あれ…姉ちゃんは…? 」
ホタル「えっと…ハナさんなら、さっきお手洗いへ行くっていって席を外しているよ? 」
フレイミス「またかよ!これから萌香の試合だってのに… まあいいや…そのうち戻ってくるか… 」
カブトムシエレン「 ムッシャムッシャ (代わりにハナの席に居座っておやつのポップコーンをたいらげている) 」
紅蓮「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!萌香あああああああああああああああ!!!!そのまま勝ち続けろおおおおおおおおおお!!!!! 」
光姫「うるさい 」
コ ツ ン … コ ツ ン … ――――――― (萌香の向かい側の通路の奥より、小気味より足音共に一つの人影が姿を現す。フローラルな香りと共に、リズミカルで美しい歌声を乗せながら―――
10尺20のフラワーガール その手で触れて この花びら全部 整えてよ~♪
その鼻歌…
いや、「花歌」は独り言のようなボリュームでありながら、何故か会場一帯に轟くように広がっていく
Wow Wow 愁いのフラワーガール ガラスの器の中で願うのは あの笑顔~♪
女性が口ずさむ歌は、
聴く者に希望と勇気を与えるかのように、眩しく響く
花騎士「 Flower Girl Flower Girl 土の奥へ 根を張り 世界を見る 空に高く注ぐ 光浴びて 日々は続いてゆく Flowers (歌を乗せて。花を乗せて。『彼女』はついにこの舞台に現れる。誰も知らないはずなのに、誰もが知っているこの物語という舞台に) 」
萌香「……!(美しい歌声を口遊みながら登壇した女性を呆然と見つめていた)……(あれが…三回戦の相手……) 」
ホタル「わぁ~…♪なんだか綺麗な人だね…♪歌を歌いながらやってくるなんておしゃれかも~♪それに…スンスン……?気のせいかな…?あの人が現れてからなんだかすっごく良い香りがしてきたかも…?お花の香り……かなぁ……? 」
フレイミス「そうかぁ~…?なぁんか変な奴だなぁって思うんだが……スンスン…(ホタルに促されるように臭いを嗅ぎだす)……ぁ~……んだろうな……俺はなんか苦手だな…これ…(思わず腕で鼻元を覆う) 」
光姫「………(ふむ、騎士か。萌香にとって不足ない相手となりそうだが…… さて…あの者の装い… どこかで見覚えが……)(花騎士が身に纏う甲冑や仮面などの装飾品を遠めに凝視しだす) 」
花騎士「こんにちは、可愛い騎士さん。今回は楽しい試合にしようね。(相対する萌香に対してクスリ、と妖艶に口元を緩める) 」
萌香「ふぇっ…?あっ……よ、よろしくお願いします…!(我に返ると慌てた様子で会釈する) 」
ヨネ「では、両チームの代表者…前に出てじゃんけんをしてください。 」
萌香「えと…じゃんけん…ぽん…!(グー) 」
花騎士「じゃ~んけ~ん…ぽんっ♪(パー) 」
ヨネ「…では、バトルスタイルの選択権は花騎士様に与えられます。殺傷戦と蓄積戦…どちらにいたしますか? 」
花騎士「う~ん……そうだね~…(わざとらしく顎もとに人差し指を添えて考えるジェスチャーをする)……君の試合を見ていたけれど、ここまで結構傷を負って戦ってきたんだよね?それは君にとってかえって有利なのかもしれないけれど…… ここはあえて蓄積戦を選ぼうかなっ?私はこっちの方が都合がよいからね~。 」
ヨネ「承知しました。第27試合は蓄積戦に決定しました。続いてステージを展開いたします。(後ろ歩きでステージを離れていく )―――――仮想フィールド展開 (片腕を上げて合図を下す) 」
グ ニ ョ ――――― ァ ン ッ (ステージに搭載された拡張現実システムにより、平面なバトルステージが移ろい変わる。神秘的にして虚ろなる城内「ホロウバスティオン」にへと変化する)
アナウンサー「今度のバトルステージは「ホロウバスティオン」だああぁぁーーー!!!さあさあ!!手に汗握る戦いを見せていただきましょう!!それでは第27試合!!Ready……―――――― バトル・スタート!!!!! 」 」
――― 『 高嶺の花騎士 』vs『 Ver.milion 』 ―――
萌香「……!(変わりゆく風景の中で、一切動きを変えず佇む花騎士を前に身構える)砕け、『ランペイジ』…!(解号と共に自身の周囲を焔が渦巻き、それらが顕現させたハルバードを手繰り寄せた) 」
花騎士「 おいで、楽しい愉しいダンスの始まりだよ (女性が手繰り寄せたのは剣よりも小さく、レイピアよりも細い、宛ら指揮棒のような黄金色に輝く細剣。戦場とは無縁な指揮者が振るうタクトと同じ構えで、闘争心を滾らせる萌香を優雅な佇まいで迎える) 」
萌香「やぁぁぁぁああああーーーーッ!!!(花騎士の挑発に受けて立つように怒涛の勢いで差し迫り、熱を灯した戦斧を豪快に振るって進撃する) 」
花騎士「 キ ィ ン ―――――(荒々しい猛攻を前に避けるでも防ぐでもない姿勢。ただ手首のみを捻り細剣の切っ先で虚をなぞり、萌香の振るう戦斧のは先に近づける。このままではいとも容易く両断されるかと思われたが―――)―――― ツ ィ ン ッ (細剣はその刃先を受け止める出なく、軌道を反らすように捻られた) 」
萌香「 ぇ っ (瞬きを一つ下直後、気が付けばその体は花騎士の真横を掠めるように促され、空ぶった斬撃が空しく虚を穿った) ッ…!?つぇぁぁぁあああーッ!!(何かのまぐれだと思い込み、振り向きざまに横一文字による薙ぎ払いを畳みかける) 」
花騎士「 ツ ィ ン ――――(今度は上半身を前かがみに屈折させ、細剣を緩やかな軌道で突き上げるように振りかざす。すると、それは萌香の薙ぎをあらかじめ看破していたかのように、燃ゆる刃先を真下から突き上げることで頭上へと空ぶらせたではないか) よっ (――― ヅ ン ッ ! )(右足の踵を軸に華麗なターン。今度はこちらの番という様に萌香の脇腹に突きを入れ込む) 」
萌香「 ぃ゛ッ…!? (あの態勢から、あんな動きで斬撃をいなされるとは思ってもみなかったのか。かつてないほどの驚愕で唖然としてしまい、思考が一時的に停止。だが、その隙を突かれたかのように脇腹に刺突を受けて滑るように突き飛ばされてしまう) 」
紅蓮「おいおいおい…ッ!!なんだよアイツ…!あんな縫い針みてーな軟な武器だってんのに萌香の霊装を悉く空かしてやがる…!! 」
光姫「細剣(レイピア)は刺突に優れた剣。そもそも刺突とは限られた一点に集中した斬撃の一種。薙ぐことで相手を斬るただの剣と比べて予備動作が少なく、速撃に特化して相手を牽制することに強さを発揮する。だが、最たる強みはそこではない。一点集中型だということだ。 」
ホタル「どういうこと…? 」
光姫「針のように鋭く尖った先端は、確かに剣身自体の耐久値は皆無に等しい。だが、突きと共に繰り出された先端部にかかる力には余分な膂力がかからないからこそ、無駄なく注ぎ込まれた力がそのまま一点集中の貫通力として発揮し、対象を射抜く矛となる。そして貫けぬものに対しては推進力として働き、そのまま対象を押し出す力に変換される。あの騎士は、萌香の斬撃の軌道を見抜き…自分が被弾する範囲を寸でのところで萌香の刃先を押し出すことで攻撃を空かしている。卓越した剣聖や剣豪でも困難を極める神業だ。 」
フレイミス「なるほどな…光姫の目だからこそ見抜けたことなんだろうが…俺には何が何だかさっぱりな動きだったぜ今のは… 萌香がその仕組みに気が付けばいいんだが… 」
萌香「(なに…今の動き…っ… だったら…!)――――― はぁぁあああああああーーーーっ!!!(グルングルングルングルンッ!!)(宛ら大道芸人のように、右から左、そして左から右へ交互にハルバードを振り回しながら切っ先に灯る焔の熱量を増加させていく)でりゃぁぁああああっ!!(その勢いを止めることなく8の字を描くような回転斬撃で畳みかけていく) 」
花騎士「 ♪ (苛烈する回転撃に対し指揮棒を振るうことはない。ただ、萌香が前進する毎に、花騎士もそれに合わせてすり足で少しずつ退いていく。その余裕ある後退は萌香に圧倒されているというよりも、まるで自分のテリトリーに引き込むかのような挙動であった―――) 」
花騎士「 ほっ (―――― ヅ ィ ン ッ )(回転させ続けることで必ず見せる疲弊した瞬間を見定め、微かに緩んだ回転斬撃の間隙を縫うように細剣を忍ばせ、ついに萌香の斬撃を停止させる) 最初から飛ばし過ぎると疲れちゃうよ (フフッ、とペルソナマスクの内側で目元が緩むと同時に、Z字の軌道を描くような構えから萌香の胸部に連続刺突を見舞う) 」
萌香「なッ―――― づ ぁ … ! (次々と繰り出される刺突連撃に突き飛ばされて横転するが、すぐに受け身を取ることで保たれた距離から花騎士を見据えるように睨み上げる) 」
アナウンサー「こおおおおおおれはすごい!!!!花騎士選手!!萌香選手の怒涛の攻撃を次々といなし、華麗なる反撃で返していくゥーーーーッ!!! 」
花騎士「スゥ…―――――― フ ゥ ー ♪ (口元に手を添えて軽く息で吹き付けると、どこからともなく桃色に輝く無数の花弁が流れるように吹き荒れ、萌香の視界を遮る) 」
萌香「(何か仕掛けてくる――――)―――!?(花騎士の一挙一動に注視していたが、予想外にも吹き付けられてきた花弁によって瞬く間に視界を遮られてしまう)なん、だ…これ……ッ!(うざったそうにハルバードを何度も振り抜き、周囲の花弁を焼き尽くそうとするが…) 」
花騎士「 花は芽吹くよ、君の足元にね (焼き尽くされた花弁の目と鼻の先に、既に突きの態勢を構えていた花騎士が迫っていた) "花占"(はなうらない) (―――― ヅ ィ ン ッ ! )(至近距離から刺突による突き飛ばしを繰り出す。だが、それだけでは終わらない) 好き――好きじゃない――好き――好きじゃない――( ヅィン―――ヅンッ――ヅゥン―――ヅィンッ! )(一手、二手、三手…突き飛ばしては追うように駆け抜けてまた突き飛ばしの動作を何度も繰り返し、萌香を場外へと追い立てていく) 」
キルビス「今度は向こうが攻めてきたな… それにしても、世界にはいろんな剣士がいるもんだな。 」
ミオリ「ちょっとキーくん?もしかしてあの女性の人に目移りしてない?可愛い妹にガールフレンドまで傍にいるのにねー? 」
キルビス「ちっ、ちげえよ!そういうことじゃねえ…! 」
カズネ「綺麗なだけじゃ、ない… 気高く咲く花…きっと、とてつもなく強い… 萌香…どう出る…… 」
萌香「んあぁ゛…っ…!!(ま…ずい…ッ!このままじゃ――――)(何度も突き飛ばされていく最中にこの窮地を脱する策を巡らせる)――――ぐっ、ぁぁああああああッ!!!(―――― ガ ァ ン ッ ! ! )(仰け反った姿勢から前方に向けて叩き割るような姿勢でハルバードを思いきり振り下ろし、花騎士の進撃を阻止すると同時に突きばされかけた自分の体を辛うじてステージに釘づける荒業に打って出た) 」
ジョージ「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花とは、よく言ったものだ。いいねぇ…美しい女性同士の闘いというものは。 」
花騎士「おっとと…!(最後のひと突きを浴びせようとしたのも束の間、萌香が振り下ろした斬撃を前に間一髪踏み止まることで攻撃を中断。後退する)へぇ~…いいね。"好き"かも、君…♪でも…まだまだ、かな。もっともっと"本当の自分"を曝け出してみなよっ!( ブ ワ ァ ――――― ! )(高らかに、両腕を広げる。美しい花弁がステージを超え、花の香りと共に会場の観客席にまで一気に広がっていく) 」
花びらが舞う。会場一帯に。花園に包まれたような光景が花の香りと共に広がっていく――――
フォックス「…ムズ……なんだ…?なんか無性にあっちの女の方を応援したくなってきたような…? 」
ファルコ「それもそうか、あっちの方がそうめんより強そうだしな…!頑張れ花騎士!! 」
ウルフ「逆にそうめんより弱い奴の顔が見てみてえよ。それはそれとして俺も花騎士を推すぜ。 」
浦橋龍助「なんだ・・・・?この気持ちは・・・・?まるで奏やミオリに一目ぼれした時のような気持ちが・・・・!名前も顔も知らないはずなのに、俺はあの女のことが・・・・!(ステージで戦う花騎士を見て顔を赤らめる) 」
ブラックさん「このブラック=サン!!彼女の美しさに男泣きッッッッッッ!!! 」
カズネ「…みんな…花騎士を推している… 不思議…でも、私も、似たような気持が……? 」
観客者『 \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / 』 」
紅蓮「うおおおおおおおおおおおおお!!!!花騎士!!!!!!花騎士がんばれ!!!!!! 」
ホタル「ちょっと紅蓮!?萌香を応援しないと…!さっきまであんなに声援送っていたのに…!が、がんばれ花の騎士さん…!! 」
フレイミス「いや待てホタル。お前まで言っていることがあべこべになってんぞ。どうしたんだお前ら急に… つか…さっきからあの匂いがだんだんキツくなってきた気が…(ずっと鼻を抑えている)……っ…(萌香……) 」
花びら舞う会場に集う誰もが、花騎士に黄色い声援を送る。その熱狂は、どこか異様にも感じられたが…その異変に気付く者はほとんどいない―――― 」
萌香「はあ……はぁ……っ……(花騎士による連続攻撃によって蓄積されたダメージによるものか、呼吸が乱れ始めてくる。そこに加える様に、四方八方から轟く歓声が、いつの間にか花騎士だけを推している現状にプレッシャーがかかり、焦燥感によって脈動がばくばくと高鳴ってしまう) 」
萌香「…はぁ……はあ……("本当の自分"って……?そんなの…わかんないよ…… こんな……大勢の観客が見ている中で……何を曝け出せばいいの…?レゼリアの名前を背負っているんだ……光姫様たちに恥をかかせるようなことだけは……) 」
花騎士「……花はね、誰かを魅了するものだよ。人も、虫も、鳥も。ただそこに咲いているだけなのに、風に吹かれているだけなのに。不思議だよね。なんでだと思う?それはね… 」
花騎士「――――― それが"ありのままの姿"だから。嘘という刺も、穢れという毒もない。まるでこんな自分を見てほしいって願う様にさ、すべてを曝け出すように花びらを広げてそこに咲いている。だからこそ美しいものなんだ、花って。 」
花騎士「私は『 花騎士 』。ただ流れる微風に身を委ねるように剣を振るうだけの騎士。風が私を運んでくれるから、君の攻撃は私には届かない。でも、君がその風の流れを変えるきっかけを掴めたのなら、きっと今よりもっと美しく舞えるはずだよ。 」
花騎士「 ねえ… "君のままの君"を、咲かせてみなよ 」
萌香「…っ……(ほんとの…アタシは…―――――――) 」
幼い頃のアタシと言えば、
それはそれは女として振り返るほど恥ずかしくなるようなものだった―――
萌香(当時5歳)「 はははっ!!アタシに勝とうなんざ500年早いんだよ!!出直してくるんだなッ!(ビシィ!) 」
悪ガキども『くっそ~…!んだよアイツ…! 女のくせに強すぎだろ…! 覚えてやがれ~~!!』 」
少女たち「ひぅっ…萌香ちゃん、ありがとう…! 萌香ちゃん、ケンカ強いからいつも助けてくれて助かるよ…! 」
萌香「へへっ、任せなって!あんな奴ら100人かかってこよーが敵じゃねえぜ! 」
ヒソヒソ… ねえ、あの娘ってさ… ヒソヒソ… うん…なんか、怖いよね… 男より男っぽくて…近寄りづらい… 」
萌香(6歳)「…………(んだよ…どいつもこいつも…アタシを見て避けてばっか…) 」
父「おう、萌香!もう帰ってきたのか!今日は早かったな………?ん、どうした……?いつもより元気ねえみてえだが…… 」
萌香「……………んでもねえよ…… 」
少女たち『ねえ聞いて!ついにカレシができたの~♪ えっ、おめでとう!○○ちゃんって可愛いからあたりまえだよね~! わかる~!』
少年たち『いいよなぁ…やっぱり気品さみたいなのがあって。 俺が守ってやる!って思わせてくれるような気弱な娘とかタイプだけどな、俺。 しらねーよwwやっぱ乙πだろ女はww』 」
少女たち / 少年たち『 萌香みたいなのは論外だよね / だけどな 』 」
萌香(9歳)「…………… 」
母「どうしたの萌香…?急におめかしなんかしはじめちゃって… あなたは私の可愛い娘なんだから、そこまでしなくても… 」
萌香(10歳)「いいんだってそんなの…!かあちゃ……ンンッ、お母さんはほっといて…っ…! 」
母「あの娘…最近どうしちゃったのかしら…… 」
父「………成長だな… 俺たちは黙って見守るしかあるまい… 」
光姫「萌香、いよいよ中学へ入学するのだな。心なしか最初に会った頃より印象がかなり変わったような気がするが…何か心境の変化でもあったか…? 」
萌香(11歳)「い、いえ…っ!別に、なんでもないz……ないです…… 」
光姫「………そうか。まあ、なんだ…あまり気負いするな。私は貴殿の成長に期待はしているが、己自身を見失うなよ。 」
萌香「は、はぁ…… 」
――― いつからだろう…?日々が少しずつ息苦しく感じてきたのは
気楽に腹の底から笑う機会も減っていって…誰も見ていないはずなのに自分を糺してしまう癖がついてしまって
やりたいこととかたくさんあったはずなのに、それを自分から捨ててしまうこともあって
誰かに嫌われないために自分を捨ててきた。でも、強くなるためには捨てたはずのものをまた拾わなくちゃいけない
結局アタシは、どこへ進んでいるのかわからなくなっていた
迷って、悩んで、苦しんで… ただただどっちつかずの現状を維持することでしか、辛うじて意識を保つことしかできなくなってしまった
だからいつまでたっても憧れた理想に辿り着けない。強くもなれないし、美しくもなれない
そうして理想からどんどん離れていくことにすら、気づかないまま――――
萌香「―――………(わかってんだよ、本当は…っ… このままじゃいけないってことくらい…!でも、わかんねえんだよ…ッ……!どうすればいいんだよ… どうするのが正解なんだよ…!?わっかんねえんだよッ…!!)(ハルバードを握り込む手が微かに震える) 」
観客者『 \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / 』 」
萌香「(ああ…結局今も昔も変わんねえじゃん… 不器用でガサツで、頭も悪くて…ただ力だけが取り柄でしかないアタシなんか…一生このままだよ。誰かに認めてほしくて、変わろうと努力したって…やっぱり何も変わんない…変えられない…) 」
観客者『 \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / 』 」
萌香「(…こんなアタシが…光姫様のようになれるわけがないんだ。無理な話だったんだ。強く、美しく…レゼリアのような人間になろうとして憧れても… そんな上手くなれるはずもなくて… ) 」
観客者『 \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / \ Flower Girl ! / 』 」
萌香「………(…アタシは……アタシは、もう…っ……――――――――) 」
フレイミス「…… ス ゥ ー ……(花弁が舞う会場を黄色い歓声が染め上げる中で、ずっと抑え込んでいた鼻に思いきり空気を溜め込んだ――――) 」
フレイミス「 萌香ァ゛ーーーーーーーーーーーッ!!!!! (そして、腹の底から精一杯、張り叫んだ) 」
萌香「 ! ! ! (統一された声援の中に、輪を乱すように叫ばれた少年の叫びに覆わず振り返った) 」
フレイミス「外野がうるせえよなァッ!!?こんな耳障りな歓声なんか気にするなって言ったって無理な話だよなァ!?だからよ……お前の「声」でかき消してやれェッ!!! 」
フレイミス「周りがどうだとか関係ねえッ!!誰になにを思われようが知ったこっちゃねえッ!!お前は、お前がどうありたいかだけ考えろッ!!たとえ世界がお前を認めなくたって… 」
フレイミス「――――――― 俺はお前のことをずっと見てるからなァ˝ーーーーーーーーッ ! ! ! 」
萌香「……フレイ、ミス…っ……―――――― 」
ああ、そうか…っ…――――
~回想~
フレイミス「 ッ ス ゥ ー … ―――― (手渡されたマイクを掴み、すぅと大きく吸う――――) 」
フレイミス「 俺達はッ!!示しに来た!!人に!!国に!!世界にッッ!!俺達の在り方を!!よく聞け、俺達は『 NFK 』… 新たな戦士だ!! 」
フレイミス「 俺達は勝つぜ 」
――――……フレイミスだって、そうだった。自分のことを誰も知らない大勢の前で、堂々と自分を曝け出していた。
あんなにも迷いがないから…あの光姫様だってフレイミスの強さを認め、全幅の信頼を寄せていたんだ
……思い返せばそうだったかもしれない
一緒に訓練をしていた時、フレイミスと時間を共に過ごしているときだけ、いつもより心が軽くなった気がしたのは…
フレイミス「……んでそんなくねくねした構えとってんだよ。もっとどっしり構えろって。 」
萌香「いや、でもっ…… 」
フレイミス「そんなんじゃ俺から一本なんかとれねーぞ。それともなんだ。こうなったら俺がなっちまおうかな…親衛隊ってやらに(やや挑発気味に肩をすくめる) 」
萌香「なッ―――!?舐めんじゃねぇーーーーッ!! 」
フレイミス「うおっ!?っはは…!!やるじゃねェかァ!!その勢いでかかってきやがれ、萌香ァッ!! 」
萌香「望むところだコンチキショーッ!! 」
萌香「……憧れているんだ、光姫様に。いつかあのお方のように美しく強い女性になりたいんだ。 」
フレイミス「ふぅん……?よくわかんねえけどよ…"萌香は萌香のままで"よくねえか…? 」
萌香「……は…?どゆこと……? 」
フレイミス「いや…俺もあんまり上手いこと言えねえけどよ… ただ、俺にもそういう時期があったんだって。憧れてた『親父』のようになろうとしてさ…親父のことを知る人たちから期待の目で見られることも結構あったんだが…なんかそういうのに疲れちまって… 」
フレイミス「だから…俺さ、『親父』のことは本当に憧れてるけど、同じようになろうとする考えはやめたんだ。だってさ、息が詰まりそうなんだよ。誰かに言われて、自分じゃない何者かになりつづけることって。そこに「俺自身」がいるわけじゃねえし。 」
フレイミス「おかげで今は…気がすげえ楽なんだ。『親父』のことを尊敬しながらも、親父とは違う道を歩むことで、俺は親父の息子「フレイミス」として生きていいんだって思えて。……親父もそう思ってくれてるといいなって… 」
萌香「………… 」
フレイミス「だからさ…お前が光姫の奴をどう思うがお前の自由だけどよ… 俺は、萌香のことも"萌香として"気に入ってんだぜ。俺はいつか『親父』を越えてやる。だから…萌香も光姫の奴を越えてやろうぜ。今は…そのための世界大会だ。お互いにベストを尽くそうぜ。 」
萌香「……!………ああっ…♪ 」
―――……っはは… なんだ…そんなことだったんだ… ハナさんが言っていたことって…
~回想~
萌香「光様は…アタシに足りない「何か」を知っている……でも、それに気づくべきアタシがいつまでも答えを掴めないから、今もまだ未熟なままなんだって… このままじゃ……アタシは…光姫様のようになれない… ずっと、ずっと……不出来なままに……――― 」
ハナ「……そっかぁ… でも今の話を聞いて、私にもわかったかもしれない。今の萌香ちゃんに足りないその「何か」ってのを。 でも光姫さんの言うとおり、それは自分で気づかなきゃ…きっと萌香ちゃんが変わるきっかけにならないと思う。……ううん、変わるというより… "変わらないこと"の大切さに気付く…とでもいうのかな? 」
萌香「……"変わらないこと"……? 」
ハナ「うん。ウチのフレイミスもね…今はもうお父さんはなくなってしまったんだけど…生前はものすごく偉大なお父さんだったんだって。そんなお父さんに憧れて強く生きようとしててね……でも、まったく同じ道を辿ろうとはしなかったんだ。誰よりも強く憧れていたはずの人の背中を追い続けていたはずなのに……なんでかわかるかな? 」
ハナ「フレイミスはね……信じ始めたんだ、"自分自身"のことを。お父さんができなかったこと、お父さんにはないものを、自分で見つけてその憧れを超えるために。 」
ハナ「人は誰しも、その人だけの憧れがいて、その背中を追い続ける。じゃあ、もしも理想叶って追いつけたら?そこでお終い?結局その憧れを追い続けてきた本当の意味に問うことはできるのかな?答えは人それぞれだと思う。その中でフレイミスはね…追い抜くことを選んだんだ。物心がつく前に亡くなってしまったお父さんが歩むはずだった未来を…その先を今度は自分が走るんだって。お父さんが好きだから…そんなお父さんから生まれた自分に誇りを持っているから。 」
ハナ「…だから、あの子は父親のようになりたいと思いながらも、自分自身の"在り方"を曲げようとはしなかった。あんなにも無邪気で純粋で…どんな悩みにだってまっすぐに向き合う強さを得たのかなって。自分自身を信じられるから…他の誰かの心にだってより添えられる。あの子が、ホタルちゃんや光姫さん…この国中の人たちと絆を結べた由縁なのかなって。もちろん、萌香ちゃんにもね。 」
萌香「……それが…"変わらないこと"の大切さ… あのフレイミスも……アタシと同じように…強い憧れを抱きながらも…あんなに真っ直ぐに…… 」
ハナ「難しいことじゃないといえば、違うかもしれないけどね。だって、フレイミスは男の子で、萌香ちゃんは女の子なんだから。 性別の違いという観点もある。でも、人間は誰でも考え方ひとつで変えられるものだよ。萌香ちゃんが…本当になりたい自分は何なのか… もう一度振り返ってみるといいかもしれないね。私は、フレイミスと接しているときの萌香ちゃはすごく可愛くて好きだけどな…♪ 」
萌香「えぇっ……?また、そういう……でも、アタシ…自分がそういう時どんな顔をしているのかよくわからなくて…… アタシ……アタシって……本当は…どんな風に見えているのかな…… どう…ありたいのかな……… 」
――――…探す必要なんてなかったんだ。答えはいつだって「自分≪アタシ≫の中」にあったんだから
萌香「――――……… ギ ュ ゥ ッ (解けかけた握力を強め、霊装のハルバードを強く握り返す) 」
萌香「 ス ゥ ゥ …… ハ ァ ァ ……――――――(深呼吸を一つ。肺いっぱいに溜め込んだ空気が体内に灯る熱に吹き込まれ、鎮まりかけた闘志の火が蘇るように燃え上がりだす――――) 」
バカだから気づくのにかなり時間がかかった。
でも、気づけばなんてことはなかったんだ。ありがとう、フレイミス。だから、アタシも――――
萌香「――――――― ド ァ ン ッ ! ! (気品さもない堂々した姿勢。恥もプライドも捨て、ただ目の前の相手を駆ることだけに集中した牙突の構え。今の今まで隠し続けて見せることのなかった姿を曝け出し――――) 」
萌香「 アタシの魂《こころ》を…滾らせるッ!!アタシだけの…アタシにしか出せない炎でッ…!! ( ズ ボ オ オ ォ ォ ァ ア ア ア ッ ! ! ! )(かつてないほどの熱量を帯びた焔が全身から暴発し、周囲を漂う花弁を焼き尽くしていく。焔色に輝く瞳が鋭く尖ると、構えていたハルバードの剣身がかつてない輝きを帯び始める) 」
フレイミス「……ヘッ…それが、誰でもない「お前」だもんな。(ただ不敵に、ほくそ笑んだ) 」
轟々と火がりゆく火花が空を漂う花弁に引火し、次々と焼き溶かしていく――――
ホタル「……あ、れ……?私…なんで頭の中から萌香のことが抜けていたんだろ……?が、がんばれ萌香…!負けないでっ! 」
紅蓮「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!萌香ァァァァアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッ!!!!!ファイトだこのやろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!! 」
光姫「うるさい 」
光姫「………(だが、確かに我ながら妙な気はしてた。まるで意識が朦朧とする感覚に近いような。だが…今は何とも感じない。それよりも…萌香のあの霊装の炎…未だかつて見たことのない輝きを帯びているな。もしかすると…ようやく理解したようだな、己に足りなかったもの。否…"最初から己自身にあったもの"を。) 」
花騎士「……――――― ク ス ッ ♪ (決意を露わにした萌香の心境の変化を感じ取り、ペルソナマスクの内側で目元が緩んだ) 」
花騎士「素敵な顔色になってきたね。じゃあ…ここから――――― 火花を散らすような激しいバトルを楽しもうよっ!(火花と花弁が交錯するステージにて、指揮棒のような細剣を高らかに掲げた) 」
萌香「(行くぞッ、「九音萌香」…!誰になんて思われようが、アタシはアタシの――――)―――魂を貫き通すッ!!( ダ ァ ン ッ ! ! )(地盤を穿つような強い踏み込みを経て、花騎士へと特攻した) 」
花騎士「 カ ツ ゥ ――――― ン … ッ … ! (華麗な一回転から細剣を足元へと軽く叩きつける) 」
ズ グ グ グ ッ ―――――― ボ ッ グ ゥ ォ ア ン ッ ! ! (花騎士が小突いた音に呼び覚まされるように、ステージの地盤が隆起しだし、地中より茨と花で構成された巨大な花の塔が勢いよく飛び出す。花の塔は螺旋階段のように回転を繰り返しながら天高くどこまでも伸び出し、根元からステージ全体を刺々しい茨の海に書き換えていく)
花騎士「 “神聖域『 薔薇園 』(エルドラード「フィロソニー」)” (浮遊する花型の足場へと飛び乗り、まるで萌香を誘導するように花の塔の表面に沿って浮上していく) 」
アナウンサー「こッ…これはァーーーーーッ!!!ステージがみるみると茨の海に呑み込まれ、足場がなくなっていくぅぅぅううううーーーーッ!!!?萌香選手、このままでは絶体絶命だぁぁぁああーーーーーッ!!!! 」
萌香「――――!(アタシは…もう嫌なんだっ…!このまま自分自身を押し殺すことなんて…!ほんとはもっと我儘に生きたい…!だから、ここからは――――)(見上げれば足が竦むような巨大な刺の塔。だがそんな足元に津波の如く容赦なく広がる茨群。だが、躊躇いはしない。何故ならもう―――) 」
萌香「―――――― なりふり構わず暴れてやるッ!!! "導火"(ヒューズ)ッ!! ( ド ヒ ュ ゥ ン ッ ! ! )(全身を包み込むような爆炎を蓄え、第一波となる茨の波へと突撃。次々と焼き尽くし、そのまま茨で構成された花の塔の壁を蹴り上げることで花騎士を追跡するように自力で駆け登っていく)だりゃあぁぁぁぁああああああああーーーーーッ!!!(身を纏う爆炎は次第に激しさを増し、壁のように立ち塞がる茨の塊を悉くぶち破るように突撃していく) 」
ユビィ「は…ぁ゛…?正気かよ…!あんなバカデケェ塔を自力で登ってんのか…ッ!?踏み込めばたちどころに刺でダメージが蓄積していくってのに…! 」
レイジェ「正気ではない。だが勝利はその正気を捨てた先にある。ヒヒッ…いいな、あのガッツ。嫌いじゃねえェ。 」
花騎士「美しい花には刺があるものだよ。さぁ、君はどれくらい高く咲き誇れるかな? 」
ブ ワ ァ ッ ――――――― ヒュッ、 ヒュヒュッ、 ヒュ、 ヒュンッ ! ! (螺旋状に回る塔に咲く花が一斉に散らした花弁。それらが意思を持つように流れを形成し、塔を駆けの上がろうとする萌香に対し鋭い斬撃の礫のようになだれ込む)
萌香「ぐぅ…ッ!!ぅ゛…ッ!(ズビッ――――!)(なだれ込む幾万もの花弁の波にのまれ、全身をいくつも霞めていく。蓄積戦故に出血はしないが、恐ろしい勢いでダメージが蓄積され、いつ場外へ吹き飛ばされてもおかしくない状態に陥っていた。だが―――) ぃゃぁぁぁあああああーーーッ!!!(優雅さをかなぐり捨てた泥臭い前のめりの態勢で立ち向かう姿勢を維持。高鳴る闘争心が具現化した霊装が萌香の意思に呼応するように高熱を帯びた炎が更に燃え広がり、花弁を焼き尽くしていく) 」
ホタル「すごいっ…!ダメージを追い続けているのに…萌香の勢いが衰えるどころか増しているような気がするよ…! 」
光姫「伐刀者(ブレイザー)の礼装は、魂の強さの表れ。すなわち、どれだけ腕っぷしに自信があったとしても…精神が不安定である者はその真価をいつまでも発揮できない。萌香は長期間に渡る苦行の鍛錬のみで霊装の顕現に至ったが、そこからどれだけ修練を重ねても進化する兆しは見られなかった。心の奥底でせき止めていた奴自身に対する羞恥心が、強くなることで失うものへの恐怖を助長していたが故だ。 」
光姫「だが、きっとフレイミス様の叫びを得て…その軛を断ち切ったのだ。魂が強くなればなるほど、霊装はその限界を超えて際限なき進化を遂げる…!今の萌香は、誰にも止められまい。この私ですら。フッ……やはり、私の目に狂いはなかったな。(どこか誇らしげに、猪突猛進に魂を燃やす萌香の雄姿にほくそ笑んだ) 」
フレイミス「あったりめーだ。アイツは"強ェ"んだ。なんども組手を交わした俺にだってわかる。勝つさ、アイツは。(そう信じてやまない。強い眼差しで見守り続ける) 」
花騎士「花は桜木、人は武士。君はこの大会で…ううん、きっと今この瞬間に至るまでの日々の戦いの中で、きっと最高潮に輝いているはずだよっ♪ でも撒かぬ種は生えない…だから私が水を注いであげる。これから先、君が 手折れる/倒れる ことがないように。( ヒ ュ バ ッ ――― ! )(浮遊する花から前傾姿勢で飛び降り、塔を駆けあがり続ける萌香の頭上から細剣による突きの姿勢を繰り出しながら落下していく) 」
萌香「――――ぅう˝ッ!!(――― ギ ッイ˝ ン ! ! ! )(頭上り迫る花騎士の突きを勢い良く薙ぎ払いで弾き返す) 」
花騎士「 "偽造花" ( フ ワ ァ ――― ! )(縦真っ直ぐに突き立てた姿勢から全身を花弁が覆い尽くし、吹き流された直後には花騎士の姿が三人に別れていた) "十返花" (とかえりのはな) ( シ ュ バ ァ ッ ――― ジ ュ シ ィ ッ ――― ズ ォ バ ァ ッ ! ! ! )(本体と分身二体による三位一体の同時攻撃。塔を駆けあがり続ける萌香の進路を遮ろうと三方向から次々と斬りかかっていく) 」
氷冬「あれは…残像剣…!?あんな芸当もできるなんて…かなりの手練れみたいだけど… 」
萌香「しェりャあ゛ッ!!( ガッ ギ ギ ィ˝ン ! ! ) づぇぁあ゛ッ!! (ッ ギ ィ˝イ ン゛ッ ! ! ) に˝ゃらぁぁあああーーーっ゛!!!(ギャ ギ イ˝ ィ˝ ン˝ ッ ッ ! ! !)(荒々しさの中に巧みな棒術を駆使した乱回転で死角から差し迫る斬撃をひとつずつ確実に弾き返し、火花を散らしながらも踏破への進撃を止めずに上り続ける) 」
花騎士「月に叢雲、花に風―――君が歩んだ過酷な茨の道が、剣を伝って私にも感じるよ。本当によく頑張ってきたね。でも、報われるかどうかは自分次第だよ。君はどうありたい?その答えを…私を打ち破って教えてくれる?(後ろ歩きで軽々としたステップを踏みながらも、常に萌香の頭上を維持するように花の塔を駆け上っていく) 」
光姫「(それにしても、突っかかる…あの騎士の姿… そう…あれは……――――)……!!そうか、思い出したぞ…!あの騎士の装い……どこかで見覚えがあると思えば、あれは…―――― レゼリアの先代女王が召されていたという鎧だ! 」
ホタル「先代の女王様ということは…お母様よりも前の…?どういうこと…? 」
光姫「国王様の王室には、ご家族の写真だけではなく先代の王族たちの肖像画も飾られていることは周知のはずです。その中でも、レゼリアの歴史上…唯一戦場にて剣を振るった先代女王… そのお方が着用していた鎧を、代々に渡って厳重に保管しておりました。あの騎士の装いはそれに非常に酷似しているが…… こんな偶然があるものか……?(訝しむように傾げる) 」
紅蓮「んなもんただの偶然かなんかだろ。服とか鎧なんて似たもんがたくさんあってなんぼだろう。 」
光姫「…そうだな……私もそう思いたいものだが…――――(腕を束ね、花騎士の姿を注視しながらも勝負の行方を見届けるように目を鋭く細める) 」
萌香「アタシは…―――――(忌避されてきた過去… 受け入れられようとする現在(いま)… 先の見えなかった未来が、少しずつ良い方向に向かっていることにようやく気付けた今だからこそ、少女はもう答えに躊躇わない) アタシはただ、アタシでありたい!!誰に何を言われたって…こんなアタシを受け入れてくれるものがあるなら!!もう変わろうなんて思わない。ありのままのアタシを…これからも燃やし続けるだけだァァァアアアアアアアーーッ!!!」
シュボォァ… ボボォァ… ―――――― ボ オ˝ ォ˝ ァ˝ ア˝ ア˝ ッ˝ ! ! ! (少女の本心が導き出した叫びに、魂が震えだして心火を燃やす――――!)
――――― 【 伐 刀 絶 技 】 ―――――
萌香「 "ランペイジ・ヴァーミリオン" ッ˝ ッ˝ ッ˝ ! ! ! (それは大槌のように先端に高密度にして最高度に及ぶ熱量の塊が纏われる。圧倒的質量と圧力を誇る超膨大にして巨大な炎刃を思い切り振り抜いた) 」
―――――― ズ オ˝ バ ァ˝ ッ˝ ! ! ! ! (それは彗星のように一直線で、太陽のように眩しく熱い。眩く滾る高熱の一閃が、分厚く堅牢に編み上げられた花の塔を一瞬で両断。やがて塔は倒れだす――――!)
フレイミス「―――――!!(すげぇ。思わず身を乗り出したくなるほどに、萌香が繰り出した全身全霊の一撃に驚愕する) 」
光姫「……!(伐刀絶技《ノウブルアーツ》…!?そうか……ついにその領域へと突破したか…!)フッ…フフッ……!(一番弟子が見せた急激な成長ぶりに、思わず腹の底から笑いが込み上げてくるのを我慢できなかった) 」
アナウンサー「こおおおおおおおおおおれはすごいぞおおおおおおおおおおおおおお!!!!!萌香選手渾身の一撃が!!!花騎士選手の絶対領域に一手をかけたああああああああああああ!!!!! 」
フォックス「あれ……?なんだかあっちの女の子の方が素直に応援したくなってくるな…?が、がんばれー!! 」
ファルコ「あんな塔より、俺はそうめんタワーを登りたいぜ 」
ウルフ「はいはいめんつゆめんつゆ(ファルコの口に致死量レベルのめんつゆを無理やり注ぎ込む)………なんか一瞬記憶が飛びかけていたが…気のせいか? 」
カズネ「萌香の必殺技…炸裂……!ここで、勝負、決まる…… 」
花騎士「…っ……!(倒壊する花の塔。地響きによって古上がる足場に両脚を踏み込みながらも、空中に手真横に倒れたまま落下する塔の残骸の上で萌香と相対する)あっはは…!いいねっ!最高に楽しくなってきたよっ♪(五芒星を描くような軌道で細剣を巧みに振りながら構え直す) 」
花騎士「蝶よ、花よ、風よ……私たちを取り巻くすべての生きる希望に感謝を込めて、これから大きく羽ばたいていく君へとっておきの花を贈ってあげる。さあ、いくよっ!!(ダァンッ!と勢いよく駆け抜けて、刺突の姿勢を維持したまま水平的に高速移動する) "花車" (ギャルンギャルンギャルンッ―――― ヒ ュ オ バ ッ ! ! )(身を捻りだしての回転を繰り返し、遠心力を加えた刺突を勢いよく繰り出す) 」
萌香「ぅぅぅぅううううああああああーーーーーーッ˝ ! ! ! (―――― ッ˝ ギ ィ ン゛ ン˝ ! ! !)(重力に従い落下する花の塔。揺れ動くその上で振動に突き動かされぬ確固たる進撃を行い、花騎士の刺突を薙ぎ払って彼女を大きく突き飛ばす) 」
花騎士「――――!(刺突を弾かれた衝動で全身が後方へと吹き飛ばされるがすぐに受けみを取って構え直す)ギャルルルルゥッ―――― ズ ォ ギ ィ イ ッ ! ! (今度は更に回転を増して。弾かれた独楽が再び相手を打ち負かすために接近するような挙動で萌香に鋭い突きを繰り出す。たとえ二度目が弾かれようとも、三度目、四度目と回転数を徐々に釣り上げて、圧倒しようと試みる) 」
萌香「 ッ˝ ! ! ( ッ˝ ギ イィ ン ―――― ガ ギィ イ ンッ ―――― ギギ イ ィン゛ ッ ―――― ! ! ! )(弾くたび、力を増す花騎士の斬撃。だがそれは萌香も同様であった。受ける度に…反撃の手がより熱く、激しく燃え盛る。互いの刃が衝突する度に弾ける衝動は宛ら"花火"のように美しくも熱く弾け続けていた―――!) 」
フレイミス「 い ッ けぇ゛ーーーーーーーーーァ˝ ッ˝ ! ! 萌 香˝ ァ˝ ーーーーーー ッ˝ ! ! ! 」
萌香「(フレイミスの渾身の声援が届いたかどうかは定かではない。だが、彼の叫びが木霊した瞬間、周囲へと放出された余剰熱が全身へ、そして全身からハルバードの切っ先へと燃え移り、洗練された聖なる焔が大きく瞬いた)――――― シ ュ ダ ァ ン ッ˝ ! ! (足元を勢いよく踏み潰すような助走をつけて盛大に跳び上がった。最後の一手を、畳みかけるために――――) 」
萌香「 "オーバード・ウェルム" ッ˝ ! ! ! (どこまでも際限なく伸び出した炎の刃。その長さは崩壊する前の花の塔にさえ届くような勢いな圧倒的質量を誇る炎熱の一刀。もはや持ち主である自分自身がありのように小さく見えるほどの超巨大な刃を、花騎士が立つ塔の残骸へ向けて思い切り振り下ろしたのだったー―――!) 」
花騎士「 ! ! (それはまるで太陽を至近距離で見上げるような光景。眼球が眩しく、焼き焦がされるような衝動に体がぴたりと停止し、ただ太陽に呑まれるその瞬間を待つしかなかった。たとえ、そうだとしても…――――)――――――― ♪ (ハナの騎士は、どこか愁い層にほくそ笑んで、花の塔共々太陽に呑まれていった――――) 」
ステージが真っ白な世界に包まれる。
残されたのは、焼き焦がされて跡形もなくなった大地の上に、ただ一つ朦朧としながらも立ちづける萌香の姿のみであった―――
アナウンサー「・・・・・・・!!(しばらく唖然ととしていたが、萌香以外何も見当たらない景色に思わず我に返った)き、き・・・決まったああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーッ!!!!熾烈な激戦の末に勝ち残ったのは……萌香選手だああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああーーーーーーーッ!!!!! 」
観客者『おあああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!(最後まで勝ち残った萌香只一人に、大勢の観客が祝福を投げるように大歓声が広がった)』 」
萌香「……っは、ぁ……はーっ… はぁ……っ… はぁ……!(全力を出し切り、完全燃焼した全身からありったけの蒸気が吹き零れていく)………アタ、シ…… やった、の…か……?(伐刀絶技―――伐刀者がほこる固有の必殺奥義。今の今まで発動させることのできなかった大技を無意識とはいえ繰り出すことに成功した自分自身に、驚きを隠せずにいた) 」
花騎士「あっはは…負けちゃったぁ~…(暢気な口調で人差し指で頬を搔きながら歩み寄ってくる)…ふふっ、おめでとう♪この試合は君の勝ちだよ。でも君は、試合に勝つ以上に良い結果を残せたみたいだね。 」
萌香「……!(歩み寄ってきた花騎士に振り返る)……あ、あのっ…――――― 」
花騎士「 シ ー … (何かを告げようとする萌香の唇にそっと人差し指を添える) 君の言いたいことはわかるよ。でも、そういうのは言わぬが花。 私はただ、全力の君と戦いたかっただけ。そこにそれ以外の意図なんてない……と思うよ。(まるで他人事のように、悪戯っぽくウインクを飛ばす) 」
花騎士「枝を矯めて花を散らすのは人の常だけど…そこから大切なことに気づけた人だけ、明日も咲き誇ることができる。薪に花…それが君の良さだよ…♪(萌香に添えた指先で彼女の鼻先をツン、と優しく小突いて踵を返す) 」
花騎士「私は花騎士。名もなきただの花。だからこそ、素敵な名前をした可愛い君に花を持たせないとね♪じゃあね、萌香さん。きっともう会うことはないと思うけれど… 君のこれからの成長を、ずっとそばで見守っているからね…♪(そうして、花の騎士は満足げな声を零して、控え室へと続く通路の奥へと消えていくのだった―――) 」
萌香「……!(ミステリアスな雰囲気だけを残して颯爽と消え去る花騎士の香しい花の残り香と言葉に、不思議と勇気をもらえた気がしたのか、高鳴り続けていた鼓動が少しずつ落ち着きを取り戻していくのを感じた)………!(最後に言葉を交わすことはできなかったが、代わりにその背に向けて深くお辞儀をしたのだった) 」
ホタル「やったね、萌香…♪さすがの光姫も、もう萌香のことを認めざるを得なくなっちゃったんじゃない? 」
光姫「ん゛っ、ん゛ッ…!そ、それとこれとは別の話です。まだ大会は終わっていないのです。萌香が優勝するにしろしないにしろ、最後の最後まで全力を出し切ってから此度の決断を下すだけです。 」
カブトムシエレン「(勝利の祝いで寿司(出前で頼んだ)を食している) 」
フレイミス「まあ、そうか… 萌香も一皮むけたみてーだし、俺たちも負けてらんねーよな。次の試合で俺たちが勝てばそのまま萌香とマッチングだ。アイツとは全力を出し合って闘り合いてえからな。必ずそこまで辿り着いてやるぜ。………ていうか…姉ちゃん、結局トイレから戻ってこなかったよな… なにしてんだ…? 」
ハナ「わ~、ごめんごめん~…!💦(ぱたぱたと慌てて席へ戻ってくる)女子トイレがかなり混んでて…なかなかお席に戻れそうになくってさ… 」
フレイミス「うおいっ!んだよ今更戻ってきて… もう萌香の試合終わったんぞ…! 」
ハナ「えへへ……あ、でも…!席へ戻る時間が惜しくて、違うところで萌香ちゃんのさっきの試合はちゃんと最後まで見届けたよ!一番近い…"最高の特等席"でね…♪(嬉しそうに表情をほころばせる) 」
フレイミス「………?(ハナの発言に首を傾げる)…にしても…萌香のあの対戦相手…何者なんだろうな… 光姫が言うにはレゼリアと何か縁がありそうな感じだったし… なんか只者じゃない感じがしたんだが……ん~……なぁんか…どっかで見たような気がするような…しないような……(本気で頭を悩ませている) 」
ハナ「ミステリアスって感じだったよね~!あっ、そんなことより…次はフレイミスたちの試合だよ!のんびりしてていいの?ほらほらっ、急がなくっちゃ! 」
フレイミス「あヤベッ!!萌香の試合に熱中してて準備に遅れた!!次の試合は俺一人での出場だったな…!悪ぃ、行ってくる!(慌てて席を跳び上がっていく) 」
その頃、大会会場に広がる地下空間…その最深部の一室―――――
――――― ピ ィ ヨ ォ ン ッ (真っ暗な一室にある一台のモニターが、再び独りでに起動される)
ジィー………――――― ピ コ ン ッ ♪ (画面には、あの意味不明な文字数コードが縦続きに下へ下へと高速スクロールされていく。やがて【COMPLETE】の白い文字が中央に出現し――――)
テロリロリン♪テロリロン♪( 【 100% 】――――― その文字を最後に、画面は消失した)
―― 世界大会会場・地下・運営本部 ――
デュー「―――……世界大会は大盛況。ええ感じにすべてが進んでいる。既に収集された選手たちの戦闘データと『 SCORPION 』との同期状況は? 」
アルフィー「既に完了しております。ノルムー博士が手掛けたAIプロセッサに異常の検知なし。すぐにでも『 計画 』を実行に移せます。 」
デュー「よしよし。素晴らしい。ならあとは、あの『 魔女 』をひっかけるだけだな。そろそろ奴の試合が始まる頃だろう…わかっているな、ヨネ。 」
ヨネ「心得ております。(腹部に片手を添えたまま首を下げる) 」
刀仙「 コツ… コツ… コツ… ――――― 大会の方は順調のようですね、デュー。(三人だけの密会に、もう一つの影が忍び寄る。妖艶な黒衣に身を包む麗しい女性が―――) 」
――― 世界大会運営本部"大目付"『刀仙』
デュー「……!貴女は… フ、フフッ……!お待ちしておりましたよ…―――――「 刀仙 」さん (にやり、と不敵な笑みを浮かべてその人影を迎え入れる) 」
刀仙「私が上層部に掛け合って譲りいただいた『 賢者の石 』は有効的に扱えているようですね。 」
デュー「ええ、おかげさまで。『石』は他の石と惹かれ合い、共鳴する。『アマダム』……いや、『グラトニィ』がいつにもまして強い輝きを放つのは―――― 」
刀仙「―――― "賢者の石の所有者がこの大会に現れている"ということ、ですね。貴方の目論見通り、『魔女』は石の力に魅入られてこの地に誘われた…と… 」
デュー「ええ。そしてこれより「魔女」が隠し持っているであろう賢者の石を奪い、結果…二つの石が世界政府の管理下におかれる。この功績をもって、私は将校…いや、大将の座に昇格してみせる…!ク、ククク……!!そしてすべては計画通りに進んでいる。あとは、魔女をこの手に落とし込むだけです。 」
刀仙「その経過報告が聞けただけで良かったです。いや…もはや経過どころではないほどに順調に進みすぎているくらいに、計画は最終段階へ移行しているのですね。このまま本部へとんぼ返りする手間が省けそうで何よりです。 」
デュー「刀仙さんには念のため、私の護衛を務めていただきたい。万が一、魔女が我々の計画を察して賢者の石を出し抜いてかっさらっていってしまうようでは本末転倒ですからね。あとのことは、我々にお任せを。 」
刀仙「期待しているわ。今宵は魔女の血でより一層とお酒が楽しめそうです。クスクス…♪ 」
アナウンサー「さあ続けてまいりましょう!!!次なる第28試合は…――――『 NFK 』vs『 翠玉の魔女 』でぇえす!!!出場選手は、ステージへどうぞぉ~~~~!!! 」
フレイミス「~~~~っし、いくかぁ~~~~!って……アイツぁ…確か…――――― 」
ベール「う、ぐ、おおぉぉ……!!緊張でお腹が腹痛で痛くなってきたぁぁぁぁ……!!下痢ピーしちゃうよこれぇぇぇぇぇ……!(わざとらしくお腹を押さえつけながら登壇する)…… ぁ (そんな中、ステージ上でフレイミスと互いに相対するように鉢合わせとなり、静かな空気が流れる) 」
ベール「……へえ…?ここまできたんだ……いいね。(先ほどまでのおふざけなノリから一転。妖艶な魔女のように下をぺろりと出しながらフレイミスを見下ろすように見つめる) 」
フレイミス「………(レゼリアにある父親の墓の前にいた、素性の掴めない謎の女性。父とどのような関係があるのか、ただただその疑問符だけが過っていた)……ちょうどいい機会だ。アンタには一つだけ聞きたいことがあった。 」
ベール「へぇ?お姉さんをナンパ?ませてるねぇ意外と。でも今はダメ。どうしてもっていうなら…この試合で君が勝てたら、なんでもしてあげちゃおうかな。 」
フレイミス「面白ぇ……乗った。(ベールの挑発に乗り、闘争心に火が付いたかのように口角が吊り上がる) 」
ヨネ「……では、両チームの代表者…前に出てじゃんけんをしてください。 」
ベール「おじゃ魔女じゃんけん!じゃんけん…ぽーんっ!あたしゃグーを出したぞ!(グー) 」
フレイミス「ほい(チョキ) ッチ…まあいいか…… 」
ヨネ「…では、バトルスタイルの選択権はベール様に与えられます。殺傷戦と蓄積戦…どちらにいたしますか? 」
ベール「ショタをいたぶる趣味はないんでね。蓄積戦でいーよ。 」
ヨネ「…………………… 」
ヨネ「………すみません。よく聞き取れなかったので、もう一度よろしいですか?(ずいっとベールに近寄る) 」
ベール「…あん?聞こえなかった?蓄積戦って――――― 」
ヨネ「――――― 「 」―――――(その時であった。ベールの耳元まで近づいた審判の男が、囁くほどに聞き取れない小声でベールに何かを告げる様に、口元を動かしていた―――) 」
ベール「 ぁ ―――――――――― ? (その瞬間、前髪に微かにかかっていた翡翠色の瞳から―――――ハイライトが焼失した) 」
ベール「―――――…………………殺傷戦で。 」
フレイミス「 ぁ……? いや、おい待て…今さっき蓄積戦って―――― 」
ヨネ「承知しました。第28試合は殺傷戦に決定しました。 」
フレイミス「ちょっ…いいのか、おい…!?確かに二度も蓄積戦って希望を出していたはずじゃ―――― 」
ヨネ「続いてステージを展開いたします。仮想フィールド展開 ――――(淡々とした口調で業務に徹する男は、そのままバトルフィールドを展開しようと後ずさるが―――) 」
ベール「 グ ッ ――――――― バ シ ュ ゥ ゥ ッ ! ! (そんな審判の男に、少女は… 否、「魔女」は歪に輝いた手を伸ばしだし、その腹部に魔弾をめり込ませるように打ち込んだ) 」
ヨネ「 !!? (突然の挙動不審に陥ったベールに魔弾を撃ち込まれた男は―――)―――――ッ゛!!(―――― ズッガァァァアアーーーンッ!! )(呆気なく壁に叩き付けられてしまった) 」
フレイミス「なッ――――――!?(突拍子もなく審判を吹き飛ばしたベールの奇行に目を見張る)……アンタ…いきなり何してやが―――― 」
ベール「 ク ル ン ッ ―――― (フレイミスを無視し、彼とは正反対に踵を返したかと思えば―――)――――― バ シ ュ ゥ ゥ ゥ ウ ウ ウ ン ッ ! ! ! (なんと今度は、観客席側に向けて掌を突き付けると――――) 」
――――― ズ ッ ガ ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (魔女より放たれた破滅の閃光が、客席の一部へ盛大に炸裂。数十名状の観客者が吹き飛ばされてしまい―――) 」
観客「う、ぁ……―――――― 」
う わ˝ あ˝ あ˝ あ˝ あ˝ ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛ーーーーーー ッ˝ ! ! ! ! (会場は瞬く間に騒然。慌てふためくように、被害者の周辺に似た者たちが左右へ別れる様に逃げ出していく)
光姫「 紅蓮、如月ッ!! (その光景を目にし反射的にホタルを庇うように立ち上がり、チャキリと大太刀の鯛口を切る) 」
紅蓮「 わーってらァッ!! (両拳を擦り合わせるように席から起立しホタルやハナたちを庇う様に身構える) 」
カズネ「ベール……急に、何かあった… ただ事じゃ、ない…っ…… 」
如月「心得た(淹れたてのカップ麺を庇うようにスッとブロッキングの構え)……。(スッとホタルの前にスライド移動しブロッキングの構え) 」
アナウンサー「なッ…ぁ……っ…?!こ、これ…は……??!(突然の出来事にマイクを持つ手が震えだす) 」
ポリゴン2「どうしたんだあのBBA!?BBAの日でイライラしてるのか!? 」
マッシブーン「言い方ァ・・・・・・・・。 」
萌香「な…ッ!?(紅蓮や如月立たちより一足遅れて反応するように構える)ちょっ……何が起こってやがるんだ……?いきなり、客席を……?! 」
フレイミス「………(被弾により大きな陥没の痕を作った客席側から、ベールの方へと視線を鋭く切り替える)……何の真似だ…ッ……?(少年の表情が、いつになく険しくなっていく) 」
魔人ピィ「(バビディを炊飯器から引っ張り出し首をキュッ❤と占める)バビディ、おまえ、わるいやつ。おまえ、なにかしたか? した。 グシャアアアアアア(返事を待たず握りつぶす)ああああああああああああ!!!!!エプロンが汚れちゃったああああああ!!!!! 」
杉下右京「何をしているんですかッッッッッッ!!!!!!!!!いい加減にしなさぁいッッッッッ!!!!!!!!!!!(客席で優雅なティータイムをしていたのに衝撃で零れて激おこな右京さん) 」
ベール「―――――(要約フレイミスの方へ振り替えると、そこには……目に生気の光を失った魔女がただひとり。自信を睨み付ける者たちへ襲い掛かるように、その破滅の魔法を繰り出そうとしていた) 」
フレイミス「ッ˝―――――!?(ベールより放たれた魔弾をバックステップで回避していく)…ぉい……テメェ……!聞こえてんのかァ!!?(ガァンッ、ガァンッ!!)(ガントレットを左右に振るって魔弾を殴り返していく) 」
ブラックさん「ムッ!!!これはいかん!!!あの少女を止めねば!! ッハ!!危ない!!!トォーーーーーァッ!!(ベールに立ち向かおうとしたが、その時だった!流れ弾の魔弾が罪もなき一般人に向かって飛んでいくのを見て、ブラック=サンは庇うように飛び出した!)ぐあああああああ!!!(代わりに自らが犠牲となり、階段から転げ落ちていく・・・・!)ぐぅ・・・・!(当たり所が悪かったのか、復帰にかなり時間がかかるようだ・・・・) 」
ユビィ「なんだあいつ…頭狂ってんのかァ…!?(いてもたってもいられなくなり客席をかき分けながらステージの方へと向かっていく) 」
X・ドレーク「……錯乱したか。だが、いったい何故……(騒然とする客席側にて、困惑しながらも冷静にベールの様子を俯瞰している) 」
マッシブーン「いかん、よい子のみんなが危ない!ポリ2!俺とフェローチェにスピードスワップを!! 」
ポリゴン2「あいよ(にゅっと腕が生えフェローチェとマッシブーンの触覚をむしり、付け替える) 」
フェローチェ「 は? (触覚をむしり取られる) は? (マッシブーンの触覚を頭に植えられる) は? (めっちゃ自分の動作が鈍くなる) は????????? 」
門矢士「……!?(『特異点』が暴走した…?何故だ……いったい何が……)……ッ! 変身! (カ シ ャ ン ッ ! )(カードをバックルに装填)\KAMEN RIDE/ ガ チ ャ ン ッ ! (その状態から更にハンドルを押す) 」
門矢士→仮面ライダーディケイド「 \DECADE !/ カ シ ャ カ シ ャ カ シ ャ カ シ ャ ――― シ ャ キ ィ ー ン ッ ! ! (仮面ライダーディケイドに変身し、ステージへと飛び出していく)おい、待てお前ッ!!(そのままベールを組み倒そうとタックルを敢行する) 」
マッシーチェ「よっしゃーーー!! ドギュウウウウウウンシュインシュインシュインシュインシュイン!!!!!!!!!! マッシブーンとフェローチェの合体でマッシーチェってとこかな・・・・・? そして!! (拘束で観客席から観客席へ飛び交い、魔導弾の流れ弾を全て大胸筋で受け止める!)これがスーパーマッシーチェのタゲ取り!!!! 観客の事は俺達に任せろ!!その姉ちゃんはお前らに任せるぞ!! 」
ベール「 ヒ ュ オ ッ (背後から突撃してくるディケイドをひらりと紙一重で受け流し、すれ違いざまにその背中に回し蹴りを叩き込む) キ ラ ン ッ ――― ヒ ュ バ バ バ バ ァ ッ ! ! (手中に蓄えた魔力の光を頭上へと打ち上げ、空中で爆ぜた光球が鳥かご状に広域へと広がって未曽有の被害を引き起こしていく) 」
鳴滝「おお…!特異点の魔女が…いよいよ分岐点に踏み込んだか…!ここから私が望んだものが見られるか…!?さあ、そのままディケイドを排除するのだ…!!(混乱渦巻く客席に紛れて、謎の男が怪しく嗤う) 」
???「 ―――――力を貸すよ! 『エッグシードマウス! セパレード!!』 はアアアァァァァァァァーーーーッッッ!!!!!! (宙空にオーロラカーテンが出現。ディケイドのタックルに合わせ電流の車輪の中を人間ハムスターの中で何者かが滑走し現れる。電撃の車輪は垂直に急降下し、ベールへ襲いかかる) 」
折原臨也「いやぁ~、暇つぶしに見に来てみたけれど、これは面白いことになってきたねェ。人間が理性の範疇を越えて突発的に暴走することなんて一般社会でも珍しくない光景だけれど、彼女…よく見りゃあ有名なお尋ね者じゃあないか♪よくまあこんな公の場に暢気にエントリーしていたなとは思っていたが…なるほどなるほど、すべては"このため"だったとはねェ…!いやはや…流石は人間の皮を被った魔女。さあ、俺の愛する人間たちはこの危機にどう立ち向かうのか…見物としゃれこもうじゃあないかァ!(騒乱する客席の中で、青年はただ愉快気に事の行く先を楽しもうとしていた) 」
仮面ライダーディケイド「がッ…!(タックルを交わされ、蹴り飛ばされて横転するが何とか受け身を取る)ぐっ、うおっ…!?(直後に降り注ぐ魔弾の雨を左右交互に側転しながら必死に回避していく)……なんだ…!? 」
フレイミス「やめろって―――おいッ!!(右から左へとステップを踏みながら、頭上から降り注ぐ魔弾を受けながしてベールへと距離を詰めていく) だらァッ!! (助走をつけ、飛び蹴りを仕掛ける) 」
ノルムー「(一方、その頃ノルムーは…) ええ!?なに!?ノルムーは今くっっっっそ忙しいのだ!!試合がどうなっていようが会場に隕石が落ちてこようが知ったこっちゃねーのだ!こっちはフレイミスの新装備の開発で頭がいっぱいなのだ!!(会場内にあるどこかの研究室にて、何らかの開発に勤しんでいる。ボンプたちがノルムーを呼び止めようと必死になっているが、本人はお構いなしと作業に没頭しているようだ) 」
ベール「 ガ ッ ! (二人の飛び蹴りを真っ向から受けて滑るように吹き飛んでいくが、地を踏み込んで反動を押し殺す) ギ ラ ン ッ ―――― バシュゥゥゥウウウン ッ ! ! (今度は両腕を突き出し、180度に向けて閃光を発症させながらステージ上に火柱を上げていく) 」
ユビィ「おいそこのBBA!あんま調子乗ってるとギルドの討伐対象としてテメーの首をもらっていくz―――― ひ ぇ っ ? ! (ステージに降り立ったのも束の間、放たれた閃光にビビって間一髪しゃがんで回避する) 」
浦橋龍助「ぐああああああああああああああ!!!いってえなちきしょうおおおおおおおおおおおお!!!!(ベールの魔弾を喰らい吹き飛ばされる)だが・・・・吉岡やアキラたちが無事なら・・・・それでいいが・・・・・! 」
???「横取りされた"エッグ"を追いかけていただけなんだけど……まあネズミは神出鬼没だからな、こういう場に現れることもあるか(土煙を払い『チュチュン』という小動物の鳴き声と共に姿を表す"未来からの使者"。その名も……) 」
???→仮面ライダーピカマイス「僕は・・・・・向こう側からやってきた・・・・・・(仮面ライダーピカマイス・・・・!十二ポケの内の一匹・・・・ちなみに・・・・マサラタウンのガオガエンは嫌いだ・・・・・・) 」
仮面ライダーディケイド「誰だお前ええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?!(ピカマイスを蹴り飛ばし、放たれた閃光の身代わりになってもらう) 」
フレイミス「ッ…!(咄嗟的に身をかがめることで閃光が頭のてっぺんを掠める)―――(これまでの試合で不自然な行動はなかった… とても人を襲う様な人格じゃないはずだが……)………とにかく殴って黙らせるしかねェか…!(その姿勢からクラウチングスタートの態勢へシフトし、ベールに向かって一直線に駆けだしていく) 」
仮面ライダーピカマイス「 ( 粉 微 塵 に な っ て 死 ん だ ) 」
ピカスミ「ピカマイスウウウウウウウウウウウ!!!!オメーがゴーダチーズを一割食わせてくれたことは忘れねえからなぁーーー!!!! 」
ユビィ「アイツネズミのくせして無駄に身長高いから気に入らなかったんだ、せいぜいした(人の心非ず) 」
胴と首が長ーーーーーいピカマン「 ヒョーイ デレッデッデッデー♪ (ユビィの横に土管が現れ中から胴と首が長ーーーーーーーーーーーーーいピカマンが生えてくる) スッ…… (ユビィを見下ろす) 」
ユビィ「 ブ チ ィ ッ 💢 (・"・) 」
フレイミス「(せめて急所は外して…一撃で仕留める…!) スピード・エンd―――――(助走をつけた姿勢から飛び蹴りを繰り出そうと攻撃に転じるが――――) 」
――――― ボ ッ グ ゥ ォ オ ア ア ン ッ ! ! (その時であった。突如ステージの地盤が盛り上がるように割れ、地中より出でた"黒鉄に光るアーム"らしき物体が出現。暴走するベールの体を大きな三本指の手ががっちりと鷲掴み、そのまま彼女を地の底へと引きずり込むように一緒に姿を消したのだった―――)
フレイミス「 ん な ッ ? ! (突然現れた謎のアーム、それに掴まれ、連れていかれたベールに呆気取られて思わず乗り出しかけた体を急停止させた)…な…っ、なに……?今度は、なんなんだ…っ…!? 」
デュー「――― あー…コホンッ!会場の皆様、どうか落ち着いて聞いてください!(ちょうどその瞬間、アナウンサーが立っていた高所の実況席にて見慣れない人物が代わりにマイクを手にしていた) えー、本大会運営本部の代表者、デュー・マキシトレインです!皆様!ご安心ください!たった今、会場に設置してある防犯システムが、暴走した選手の身柄を拘束いたしました…!対処に遅れてしまい大変申し訳ございません!これより被害者の早急な手当てと、今後の運営について運営側で対策を講じます故、しばらくそのままお待ちください! 」
アナウンサー「(デューさん、本当に助かりました…!ありがとうございます…!)(小声でお礼しながらマイクを代わる)皆様どうかご安静に!!大会の真紅は一時中断!次の再開の目途が立つまでおまちください! 」
モララー「こうなったらしょうがねえよな……しかし、さっきからいろんなトラブルが発生して気が滅入るよな…(伸びきったラーメンを不味そうにすすりだす) 」
仮面ライダーディケイド→門矢士「(騒動が鎮圧され、変身を解除する)………(だが、どこか喉にっかかるように眉を潜ませる) 」
ホタル「……大会…どうなっちゃうのかな… それより、被害を受けた人たちが無事だといいけれど…… 」
カブトムシエレン「……………ヒョイッ (なにを思ったのか、突然席から降り立つとお仲間のクワガタカリンちゃんやギャル蛇たちに何か小言を告げ、不貞寝している星見ヤービィを担ぎながら全員でどこかへ走っていく) 」
ハナ「……今は大人しく会場に留まっているのがいいのかな… これ以上悪いことが起こらないといいけれど…… 」
カズネ「……何か、感じる 不穏な、空気…… 」
ラーリン・ハイネ「…………(荒事の気配を感じ取る。周囲を見渡し状況を把握) 」
ヒロ「ベールちゃん…どうしちゃったんだ……(心配そうに目を伏せる) 」
その頃、地下最深部では―――
ベール「―――――………ん………ぁ……っ………?(深い眠りから目を覚ますように、ゆっくりと瞼が開かれていく) 」
ベール「……ぁ、れ…… あたし……いってぇなに、を…してたっけ……――――――― ! (朦朧とする意識の中で最後の記憶を思い出そうとしたその瞬間だった。全身の自由が利かないことに気づいてはっと我に返る。いつの間にか肢体が黒い帯で頑丈に拘束され、完全に身動きが取れずにいた) 」
デュー「 いやー、やー!魔女のお目覚めだねェ~。気分はどうかな? (陰湿な声音を上げて、政府軍のコートを羽織った青年が吊り上げられたベールを見上げるように歩み寄ってくる) 」
ベール「んだぁ…テンメェ……?いつの間にこんなことしやがった…?何が狙いだ?ひょっとして……このままアタシの体を貪る気なんだろ!?エ〇同人みたいに!エ〇同人みたいに!!この大会はキッズも見ているんだぞ!!不健全なことはやめろー!(じたばたと抵抗する) 」
デュー「生憎君みたいなビッチに興味はねえんだ。俺は処女厨なんでね。だが君の体に用があるというのは、あながち間違いでもないか。 」
デュー「そうだろう…―――――― 一国を堕とした最悪の魔女、ベール・ティルチャオス。 」
ベール「……!!(ピクリと反応する)………最初から、アタシが狙いだったか。いや…アタシが持っている『 賢者の石 』か…? 」
デュー「ご名答。世界に七つとしか存在しない賢者の石…そのすべての在処は我々世界政府ですら把握できていない。だが、政府加盟国であるマジルカからそのうちの一つが奪い去られたと聞いたとき、本部は騒然としたよ。 」
ベール「…だから、奪い返しに来た、と。この大会自体が、アタシを誘い込むための撒き餌だったわけね。 」
デュー「俺もこんな簡単に君を手中に収められるなんて思ってなかったさ。こうなることも分かってたはずなのに、わざわざこんな大会に足を踏み込んだのには理由があるんだろう? 」
ベール「ったりめーだ。テメーらは『 石 』の力を軽んじている。こんなものを二つとして集めようなんざ、どうせロクなこと考えてねーんだろ? 賢者の石は万物を生み出す奇跡の魔石なんかじゃない。バカな賢者の始祖が世界に落とした堕落装置だ。使い方ひとつで、すぐにでも世界は滅ぶ。わかってんでしょ。政府は何を企んでるわけ? 」
デュー「それを知ってどうする?これから君の末路なんて決まっているのに。 」
ベール「……どういうわk――――――!(男の発した発言の真意に気づいたのか、悪寒が走る) 」
デュー「ククッ…♪気づいてももう遅い。たとえ君の意識を洗脳したとしても、その体から賢者の石を摘出することは一般人の我々では到底不可能だろう。だから……君の体諸共、賢者の石をいただくことにした。 パ チ ン ッ ! (指を、鳴らす) 」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ … ッ … … ! ! ! (薄暗い地下室の壁がシャッターのように上がりだし、光が差し込む。そこにあったものは―――――)
ベール「……まさか……アンタ…ッ……!? 」
デュー「俺は『 コイツ 』で覇権を握る。やがてこの世界のどこかに眠るすべての「石」を見つけ出し、全知全能たる万物の力を得てな。その為の礎となれ、ベール・ティルチャオス! 」
デュー「もういいだろう!?どうせ君は世界中が憎む列記とした犯罪者!!現にさっきも世界大会に集う観客に手を出したんだ!!これから起こる騒動もすべて君の仕業として世界に報道される!魔女の結末におあつらえ向きだろう!?いっそ俺にその身を捧げて楽になっちまえよ!ヒャ…ヒャハハハハァ!!! 」
ベール「(全部嵌められたか…こんな小物に…)…狂ってやがるッ……! 」
アルフィー「………(傍で二人の会話を静観していた秘書の女性が、身に着けていた腕時計に視線を落とす)………そろそろお時間です。 」
デュー「ヒャハハハ…!いいや、まだ早まるな。こういうのはじっくり・ゆっくり・ねっとりと楽しむもんだろう?食前酒でも嗜みながらこれから俺の野望が果たされる瞬間を――― 」
アルフィー「いえ…――――― "もう茶番に付き合う時間"はそろそろだと。 」
デュー「あぁん…?アルフィー、お前なにを言って―――― 」
ヨネ「 コ ツ … ――――― (振り返る青年の至近距離まで歩み寄っていく)――― 「 」 ―――(その耳元に、声にならない小声を囁いて) 」
デュー「 ぁ (双眸が蕩けるように泳ぎだす。一瞬両足の自由を失ったかのようにふらついて千鳥足で退き、前のめりに項垂れてしまう) 」
アルフィー「………お怪我の方は? 」
ヨネ「致命傷を外すように"暗示"をかけておきましたので問題ありません。(数分前、異変を起こしたベールに魔弾を撃ち込まれた腹部を片手で摩る) 」
アルフィー → ルフィア「 『 計画 』の進行に支障はないということでよろしいですね。では、始めましょうか。ネョハ。 」
ヨネ → ネョハ「ええ、ルフィアさん。ここからは、『 計画 』の塗りつぶしを行います。 」
ベール「(三人の異様なやり取りに違和感を覚え、眉を顰める)…なんだ……なんなんだ…『アンタら』……っ…? 」
ネョハ「………(黙り込んだデューを差し置くように、ベールの方へ振り替える) 」
ネョハ「 神を演じてはならない 」
ルフィア「 神を継いではならない 」
ネョハ「 神に餓えてはならない 」
ルフィア「 神を唱えてはならない 」
ネョハ「 神を牽いてはならない 」
ルフィア「 神を束ねてはならない 」
ネョハ「 神を掠めてはならない 」
ルフィア「 神を殺してはならない 」
ネョハ「 神を越えてはならない 」
ルフィア「 神に叛いてはならない 」
ネョハ「 すべては『 神 』の思し召しのままに 」
ルフィア「 すべては『 神 』の命じるままに 」
ベール「――――(こいつら……目が……―――――― "死んでる"…?)……ッハ…!世界の秩序を謳う政府のお役人が熱狂的な信者サマだったなんてな。笑えるわこりゃ。………いや…政府の人間じゃないでしょ、テメーら? 」
ルフィア「今更気づいたところですでに手遅れです。『 我々 』の『 計画 』は、もう既に始まっているのですから。 」
ネョハ「神が導き出した啓示の赴くままに、我々は今日まで身を潜めてきたのです。そして、天使の喇叭は吹かれた。今こそ神にこの身を捧げる時が来たのです。我々も…その男も…貴女も。 」
ネョハ「さあ、神の声に身を委ねなさい…――――――――――「 」 (口が、言の葉を紡ぐ様に動き出す) 」
ベール「 ぁ゛ ( ド ッ ク ン ッ ) 」
デュー「 ぉ゛ ( ド ッ ク ン ッ ) 」
デュー「……ヒ、ヒヒッ……ヒャハハハハハハアァツ!!!急いで準備を整えろ!!はじまるぞォ!!魔女による世界滅亡の日をォッ!!!(目の焦点が合わない狂気的な笑みを浮かべ、青年は踊り狂うように両腕を高らかに広げて宣言する) 」
ガ ゴ ォ ン ッ …! ズ ズ ズ ズ ズ ズ … … ―――――――― ッ ! ! (壁の向こうに存在する、黒く巨大な影が、赤い歪な光を点滅させて貼り付けの魔女を喰らう様に取り込んだ――――――)
フレイミス「…………(熱狂が途絶え、先の騒動でざわつく会場。観客席でじっと座って時が過ぎるのを待っていたが、いたたまれない気持ちが膨れ上がり貧乏ゆすりの震えが高まっていく)っだぁー、くそッ!!なぁんかモヤモヤする…!やっぱりなんかおかしいって…! 」
ハナ「さっきからずっとイライラしている…?大丈夫?お姉ちゃんのミルク飲む?(籠から牛乳瓶を差し出す) 」
フレイミス「いらねえって!ん…イライラしてるっつーか…なんつーか…… 腑に落ちねえんだよ。アイツ(ベール)がいきなりあんなことしでかすなんて… 」
萌香「なんか、余所余所しい感じだったけど…知り合いなのか?あの魔法使いみたいな人。 」
フレイミス「………実は、前にレゼリアですれ違ったことがある。俺よりも先に、親父の墓参りに来てたんだ。どういう関係があんのかは知らねーけど… でも、親父の知り合いだからって言うより、人の死を悼みに来るようなやつがあんな…あんなことするとは到底思えねえんだ…… 」
ヒロ「(腕を組みながら考え込んでいる)ベールちゃん、一体どうして…… 」
ホタル「ん~……確かにちょっと引っかかるかも…? 大会側からもまだ何も返答が来そうにないし…本当にこのまま試合を続行させるなんてできるのかな…? 」
ノルムー「多分だけど、試合が再開することはねーと思うのだ。ノルムーの勘がそう言っているのだ。(一同の下へ、複数のお供のボンプたちを引き連れてやってくる) 」
フレイミス「うおっ…ノルムー…?どうしたんだ急に……ていうか、今のはどういうことだ…? 」
星のネイヴウルトラスーパーデラックス「ポヨンナ!!(様をつけろデコ助野郎!!) 」
ノルムー「まったく…ボンプどもが外で起きてる騒動についてぎゃーぎゃー騒ぎ立てるもんだからうるさくて作業も集中できなかったのだ! だからしょーがなく表に出てきてやったのだ!あともう少しでフレイミス専用の新武装が完成するって時に…! 」
ノルムー「……まあ、ここへ来る道中にボンプたちから事情は聞いたのだ。んで、ノルムーの方でちょっと調べてみてわかったことがあるのだ。 フレイミス!貴様がさっきの試合相手…んでもって急に暴れたって言うあの女…あいつはヤベーやつなのだ! 」
ノルムー「 『ベール・ティルチャオス』…なぁんかどっかで聞いたことがある名前だと思ったら、奴は世界政府が指名手配しているA級犯罪者なのだ!何十年か前に、魔法の国「マジルカ」で厳重に保管されていた賢者の石を奪い去ったのだ!石の脅威については数時間前に話したように、一個人が所持しているだけでどれだけ危険なことが起こるかわかったもんじゃねーのだ! 」
フレイミス「賢者の石…?ああ、さっき言ってた奴か… 俺は実物を見たことがねえからいまいちその脅威性ってのが理解できないが…もっているだけでそんなにまずいもんなのか? 」
ノルムー「まずいも何も!世界がひっくり返るほどの力を秘めた超ヤベーイ石なのだ!!だから世界政府のような巨大組織が管理することになっているのだ!マジルカだって、政府の加盟国だったから国単位で保有することを許されたようなもんで――――ん?ちょと待つのだ(ここで、何かに気づいたように首を傾げる) 」
ノルムー「………ということは……?あの女はもともと賢者の石を持っていて…加えて、この会場にも優勝賞品としてもう一つの石がある… つまり、今この場所には賢者の石が"二つ"も揃っているということになるのだ…?(両の人差し指でこめかみをおさえつける) 」
ハナ「……まあ、普通に考えたらそうなるよね…?(ゴクゴクと牛乳瓶を呑んでいる) 」
ノルムー「 だったら余計にまずいのだッ!!!!! (途端に大声を張り上げる) 」
萌香「うおわぁっ!?なんだよ急に大声上げて…心臓止まるかと思ったじゃん…… 」
ノルムー「いいのだ!?よく聞くのだバカチンども!! 賢者の石は全部七つ!この世界のどこかに存在するって話は覚えているのだ!?けれど、伝承によれば賢者の石ってのは"もともとは一つの巨大な塊"だったのだ!その塊には摂理の理を逸脱した、とにかくとんでもねー莫大で膨大な魔素が凝縮されていたのだ!ひとたび触れれば魔力が暴発すると危険視した最初の賢者が、それを七つに分けることで魔力のバランスを保つことにしたって話なのだ! 」
ノルムー「つまりだ?一個単位で世界が滅びかねないそんな石が二つも近くに揃うなんて言ってみろ!二つの石が本来の姿に戻ろうと惹かれ合い、"力が暴発する可能性が大いにある"のだッ!!ノルムーたちがいるこの真下で、いまそんなすっげー危険な状態にあるってことなのだ!!この会場を軸に、世界が吹き飛ぶことになるのだーーーーッ˝!!!(会場全体に聞こえるくらい、大声で叫んだ) 」
会場内にいるすべてのピカマンたち『 >>>な、なんだってェーーーーーーーーッ!!!???<<< 』
モララー「なんだぁ…?アイツら、いったい何を騒いでんだ…?(フレイミスたちの方へ振り返り、不思議そうに首を傾げる) 」
Xドレーク「……………喋り過ぎだ……ッ…!(ノルムーの叫びが聞こえ、その話の全貌を察して冷や汗を流す) 」
萌香「…なっ… お、おいおい…世界が吹き飛ぶって、そんな… お、大げさすぎるんじゃ――― 」
光姫「なるほど、合点がいった。(ここまで腕を組んで沈黙を貫いてたが、何かに気づいたように目を見開いた)この大会は既に、"仕組まれていた"可能性が高い。かのベールという魔法使いの女の素性はともかく、彼女の狙いは最初からその賢者の石だったとすると… 政府側もまた、彼女を捉えるために本物の石を撒き餌として用意し、この大会へとおびき寄せたのではないだろうか。結果…奴らの思惑通り、あの女は捉えられた。だがそれはおそらく建前だろう。国家権力を牛耳る巨大組織の真の狙いは、賢者の石の回収に違いない。最初から、優勝者に石を景品として譲る気は端からなかったのだろう。 」
紅蓮「…つーことは…?この大掛かりなお祭りの全貌は、花からあの女を捕まえるための、とんだ茶番だったってことかあ!?ざけんじゃねえ!!!ちょっと今から運営共に殴り込みに行ってくる!!舐めてんじゃねえzウグアアアアアアアアアア(光姫に目潰しされて悶絶する) 」
フレイミス「…っ…… 嘘だろ…?なら……今頃は――――― 」
ノルムー「とにもかくにもヤベーことが起こりそうな気がしてならないのだ!いや絶対起こるのだ!!ノルムーの勘は六分街のスクラッチより当たるのだ!!こうなったら今からでも―――― 」
誰もが真相に辿り着こうとした、その時であった――――――――
ズ ン ッ˝ ! ! ! !
一同『 ! ! ? ? 』
会場全体が、大きく地響く。
地鳴りは次第に高鳴りながらその強さを増し、観客たちが次々と横転していく。誰もが動揺する中――――
―――――― ボ ッ グ ォ オ オ ア ア ン ッ ! ! (その元凶が、ついに顔を出す。スてーじの真下から激しい破裂音とともに現れたのは、あの時ベールをさらった黒鉄のアーム。くねくねと胴体部分を捻じらせ、天井に差し迫るほどに長く伸び出していく)
ボゴォンッ――ズゴォンッ―――ボギャアァンッ―――――メゴォァッ―――――ドギャアアアアァァァンッ ! ! ! (だが、それだけでは収まらなかった。会場全体に次々と、あの黒鉄のアームに酷似した鋼鉄触手物体が次々と突出するように現出。観客たちを吹き飛ばすように現れ、次第にその数を増やしてく―――!
フレイミス「なッ…んだ…!?急に、揺れが強く――――― !!? (激しい地響きの直後、露わ霊出た無数のアームや触手のような機械物体に目を見張る)なん……だ…これは……!? 」
うわああああああぁぁぁぁーーーーーッ!!! なんだこれええええぇぇぇぇ!?!?!? 逃げろおおおおおおぉぉぉーーーッ!!! きゃーーーーッ!!(会場は再び混沌に包まれ、ついに誰もが会場の外へと逃げだそうと大パニックに陥りだす)
アキラ&ミオリ『兄さん…っ!? / ちょっ…なんなのよこれ…!キー君!アッちゃん!急いで逃げよっ…!?』
キルビス「ああッ…!まずはお前たちだけでも先に逃げないと…くそッ…なんなんだよ次から次へと…! 」
浦橋龍助「吉岡!(キルビスたちのところへやってくる)なんか、とんでもねえことになってきたな・・・・!!アキラたちも急いでここを離れた方がいいぜ・・・・!こいつはただごとじゃねえ! 」
カズネ「きゃっ…!?(強い揺れに尻もちをついてしまう)……悪い予感、的中… もう、大会どころじゃない……(ふらつきながらも椅子に手をついて起き上がる) 」
ユビィ「うわああぁぁぁっ!?なんなんだよもおおおおおおっ!!!?(ポリゴン2にしがみつきながら揺れを耐え凌ぎ、天井まで高く伸びあがる機械触手種群を見上げる) 」
ノルムー「あばばばばっ…!?ほほほほほほら言わんこっちゃねえのだ!!!こんなことになるなんてノルムーも聞いてねえのだ!!誰か何とかするのだーーーーーッ!!!(ネイヴを振り回しながらパニックになっている) 」
フレイミス「ッ―――――!(次々と真下から現れる機械の触手を睨み付ける中で、ベールの姿が脳裏を過る)…あの腕には見覚えがある。確か、アイツ(ベール)を下の方へ攫って行った防犯システムとかなんとか言ってたよな…!?ってことは…この会場の地下でぜってートンでもねえことが起きているはずだ…!俺は今から地下へ向かうッ!!この原因を突き止めて…アイツを救いに行く!! 」
ノルムー「やめとけやめとけやめとくのだ!!賢者の石に関わってしまったノルムーたちに天罰が下ったのだ!!ヴェリナのお叱りの方がよっぽどこえーけどこれはコレでまじやべーのだ!!それにどうせ手遅れなのだ!!政府の連中があの魔法使いを捉えて、賢者の石を暴走させてしまったに違いねえーのだ!もうノルムーたちに止めれはしねえのだ!! 」
フレイミス「んなもんやってみなきゃ分っかんねえだろうがッ!!それに…やっぱりアイツのことは放っておけねえ… たとえアイツが何者だろうと…すべてこうなってしまうもんだったとしても…!俺は俺の目で真実を確かめに行くだけだッ!! 」
ハナ「…フレイミス……(ためらうことなく決断を下した彼の横顔を見て、安堵したように目を伏せる)……わかった。気を付けてね。お姉ちゃんたちも急いで避難するから。 」
萌香「あ、アタシもフレイミスについていく!これからの試合をめちゃくちゃにされて…このまま黙って引き下がれねえよ!光姫様!私も出陣する許可を!! 」
光姫「……いいだろう。ならば私も同行する。紅蓮、如月!貴殿らはサキエル嬢とハナ殿を連れてできるだけ会場から遠く離れた場所へ避難しろ。親衛隊として姫の身を何としても守り抜け。 」
紅蓮「合点!!! 」
ノルムー「ああんもう~~~~っ!!このオタンコナスども!!ええいわかった!わかったのだ!!だったらノルムーも支援してやるのだ!! それに…地下にはノルムーのラボもあるのだ!この騒動でせっかく作った新兵器が台無しにされちゃたまったもんじゃねえのだ!!途中までは同行してやるからあとは好きかってするのだーーーッ!!(やけくそ気味に叫ぶ) 」
門矢士「……なるほど、大体わかった。この大会を……破壊する…!(事の重みを理解したのか、客席から身を乗り出し通路を通じて関係者以外立ち入り禁止の扉を潜っていく) 」
Xドレーク「……そろそろ頃合いか。(騒乱する会場を見渡し、決心したように息を呑む)ウルージ、ホーキンス。こうなってしまっては仕方がない。俺たちも会場の地下へ向かうぞ。陸地だが…ここは海賊らしく、財宝を奪い去っていくだけだ!(ついて来い、と言わんばりに先行して客席から身を乗り出していく) 」
バジル・ホーキンス「……なるほど。確かにこれ以上静観していても運がこちらに向くことはなさそうだ。未だ我々に死相は出ていない。大胆に動いても問題なかろう 」
ヒロ「賢者の石………まさか…」
如月「しょうがねえなぁ今回と次回だけだゾ(心の中でござねしながら示現流の構えを取る) 」
ムラクモ「―――――ふっ……!ハァッ!!!ゴン!!ガッ………ゴッシャァッ!!!(観客席で立ち上がり、現れた機械兵器を拳で、蹴りで破壊しながら観客たちを守っていたが……)……ん……不味いな………"ここ以外"……それも……)すまん、観客達よ!なんとか逃げ遂せてくれ!!(手近な機械を破壊し尽くした後、どこかへと走り去っていく) 」
ヘザー「はい、はい!皆さん、落ち着いて!!ゆっくり落ち着いて出てください!!(大勢の観客の中で、マスクを外して避難誘導に徹している)……ったく、動けると思った戦力はさっそく一人抜けるし……っと!!ゴッ!!(飛来した機械の触手を蹴りの一撃で打倒し、周囲を見回し)……随分好き勝手動いてくれるわ、どいつもこいつも 」
ホタル「みんな…気を付けてね…!(紅蓮と如月と共に、他の観客たちの逃げていく先へ向かっていく)」
フレイミス「っし…いくぜ――――― あいつを助けに! 」
― 世界大会会場・地下通路A ―
冷めぬ闘気によって熱狂を帯びたはずの世界大会の会場は、ある時突然、瓦解した。 会場全体を埋め尽くすような機械の触手群。それらが次々と観客や運営スタッフを襲撃し、誰も彼もが逃げ惑う。 そんな騒乱の中で、真相を確かめようと奔走る者たちがいた――――
運営職員「ひッ…ひぃぃいッ…!!だ、だれか助けてくれぇええぇ…ッ!!(薄暗い通路。逃げ遅れたスタッフが前後から襲い来るアームのような機械触手に包囲され、なすすべなく尻もちをついて恐怖に震えていた) 」
氷冬「―――――――――っは!!( ザ ギ ィ ――――― ン ッ … ! )(職員が襲われるその瞬間、一刀を引き寄せ鯉口を切る雪女の少女が颯爽と馳せ参じる。飛び出すと同時に振り抜かれた居合斬りで瞬く間に触手を輪切りに仕上げていく)ス チ ャ ン ッ ――――…早く逃げて…! 」
運営職員「ぃぃいいぃッ…!?たた、助かりましたァ…っ…!!(四つん這い姿勢から徐々に立ち上がるようにバタバタともがくように前進して逃走していく) 」
氷冬「…っ……(会場のあちこちから生えてくるこの機械…!絶対、"地下"に何かがある…!フーナとスカーフィには上の方を任せてきたけれど… ここから先は私一人で原因を突き止めなくちゃ――――)(先が見えぬ暗がりの通路、その先を睨み付けながら進行を再開しようとした、その時――――) 」
――――ボ ッ グ ゥ ァ ア ン ッ ! ! (左右の壁を突き破るように現出した新た手の機械触手群が、その鋭利な先端を突き付けながら氷冬へ不意打ち急襲をしかけようとする)
氷冬「―――――!(しまッ―――)(あまりにも突然の襲撃に対応が遅れる。再び居合抜きの姿勢を取ろうと眉をひそめながら身構えるが―――――) 」
―――ザ (薄い切り口が迫る魔の手に入る) ギギギギギギンッ!!(遅れて、幾重もの線が奔り、余すことなく両断される)
氷冬「―――――!(刹那、視界を覆うように解き放たれた幾重にも及ぶ斬撃。その巻き添えを受けぬと、呼吸を止めて全身を意図的に硬直させることで不慮の事故に遭わずに済んだ)……これは…――――!?(ふと、背後へ振り替える。この斬撃を放ったであろう、強い覇気を持つ存在のいる方へ―――) 」
AS「随分と……また妙なものに付け狙われているようだな。(その向こう側、既に刃は収めた状態で立つ)お前はこんなつまらない相手に倒される程軟弱ではないと思っていたんだが。 」
氷冬「貴方は……!(数時間前の試合にて、互いに魂をかけて斬り合った試合相手の姿を見て意外そうに目を丸くした)……そう…貴方も、駆けつけてきたのね… この異様な気配がするところまで… とりあえず…助けてくれたことには感謝するわ。ありがt――――(感謝を述べようとした、その時だった) 」
コツ… コツ… コツ… ―――――― 嗚呼、こんなところにも、迷える子羊たちが
ネョハ「 コ ツ ン … ――――― (氷冬とAS、合流した両者の前方…それはまるで闇が広がるような先の見えない通路の奥より、聖職者の風貌をした男が姿を露にする) 事態を危ぶみ、ここまで踏み込んでしまったのですね。ですが、どうかご安心を。既に我々運営がこれより対処すること。貴方がたは…ここで見たことを忘れ。平穏な日常にお戻りください。(穏やかな口調だが、それは二人に対し立ち去るように促す警鐘であった) 」
氷冬「……!(続けて現れた男。この大会で毎度のように見かけた、あの審判を務める男であることを思い出す)……そうも言ってられないわ。貴方たち運営が、こんな時代な被害を収められるとは到底思えないのだけど。それに……――――― 貴方の言葉は、どうにも嘘くさい。私の勘が、そう強く訴えている。 」
AS「俺が事態を危ぶんでいるように見えるか?世迷言を。(仮面の下、ただ一笑に付す)ただの好奇心、ただの興味本位だ。それ以上に理由なく、阻まれる理由も知ったことではない。("心の儘に"、ただそれだけで全てを蹴りつける) 」
ネョハ「…貴方がたは、私の言葉を通じて、「神」が救済のために齎したその聲(こえ)に、耳を傾けようとはしなかった… 何故です?すべては貴方がたが災禍に覆われぬための、慈悲。なぜ、享受しようとはしない?(態度こそ落ち着いているが、その能面のような表情には純粋な疑問に傾げていた) 」
氷冬「…神?っは…!笑わせないで。いるかどうかも、あるかどうかも分からない不確かなものに、私は惑わされたりなんかしない。私が信じるのは…この手で触れた、確かなもの… 言葉を交わさずとも、刀を通じて斬り合った相手の闘気から、私は彼らの感情や意思を何度も感じ取ってきた。けれど、貴方は違う。斬り合うための刃を上辺だけの言葉で隠しているような奴に、私は口車に乗せられたりなんかしない。そこを退きなさい。あなたに用はないわ。(ASと刀を並べながら、眼前の男を冷ややかに睨み付ける) 」
AS「神か、無興だな。(再び、一笑に付す)俺と語り合いたいなら、俺に声を届けようというならば剣を持てばいい。剣持たぬ者の言葉など聞くに値しない……斬ってやろう、その不確かな"神"とやらも。 」
ネョハ「……(男は、遺憾ながらに目を伏せる。残念だ、本当に残念だ、と心の底から嘆くように)……人は、何かに導かれなければ己の道を見出せぬ生き物です。故に「神」が啓示をくださる。その救いに、否を提示するのであれば…私は「神」の使者として、その行為に異を唱えねばなりません。それが、「神」が私に下した天命…―――― 」
ネョハ「 ス ―――――― (緩やかに突き上げた右手を、自らの顔面に這わせるように構えた―――――) 」
ネョハ「――――― " 偽 装 " ――――― 」
キ ュ ガ ――――――――― ァ ッ˝ ! ! ! (男が自らの顔面に手を当てたその瞬間、顔面を起点に罰点型の眩い閃光が放たれた。四方へ延びる光が男の体を包み込むように折りたたまれていくと、肌色の皮膚全体が半透明化に浸透。その表面を伝う様に網目状の線が下から上へと無作為に描かれるように浮き彫りになっていく―――)
ネョハ → 提唱者「―――― ブ ワ サ ァ ツ ! ! (顕現されたのは、天使の両翼を生やした、人の姿を象る「何か」。人間が安易にその外見をイメージする宇宙人に近しい姿形とでもいうのだろう。外套、あるいはレインコートとも呼べるような純白色の羽織の下には、紫色に近い半透明の皮膚を持つ全身がある。その表面には、血管のように伸び出している模様線)………(項垂れていた頭部を上げる。網目模様で覆われたその顔面には「口」だけが残されていた―――) 」
氷冬「……!?(なに……あの、姿…ッ?人間じゃ……ない…!?)(人となりの姿形を捨てたような変貌ぶりに、微かに驚愕を露にする) 」
提唱者「 私は 『 提唱者 』 ――― 「神」の聲を聴かぬ者に、異を唱える者 」
提唱者「 私が貴方たちを導きましょう。「神」の唱える意のままに。 」
――― Vs.【 十慈教団 】 ネョハ / 提唱者 ―――
AS「導きがなければ己の道を見出せぬ?それは―――くだらん雑魚の理論だな、余りにも取るに足らん。(ただただ、哀れみ嘲笑する)貴様の異に、異を唱えてやろう。"余計なお世話だ"。 」
氷冬「ええ、まったくもってその通りだわ。アンタみたいなのに導かれずとも…私は、私たちは、己の魂の赴くままに活路を見出すだけよ ( チ ャ キ ッ … ―――― ! )(刀の柄に手をかけ、ASと共に異を唱える者の首元を狙うような鋭い眼光を向ける)コ ク リ ッ … ―――― ダ ァ ン ! (ASに一瞬アイコンタクトを贈ると、自身が先頭になるように口火を切って特攻) っは!! (不気味に佇む提唱者に、一刀による横薙ぎの一閃を繰り出そうと迫った) 」
提唱者「 フ ワ リ (最初に特攻を仕掛けてきた氷冬の繰り出す横薙ぎの斬撃を、全身を90度に屈折させながら受け流す) 」
AS「奇怪な動きをするな。(屈折する敵の姿を視認し)ならば飽和させる。(鋭く、そして素早く、隙間無く。眼前を覆い尽くすほどの剣閃を一振りで放つ) 」
氷冬「(あんな挙動を…!だったら…――――) "飛出" ( スラリ…―――ガギィンッ ! ) (もう片方を抜刀、二刀の構えを取る) ―― 二刀流"時鳥"!(ザギンザギンザギンッ!!)(ASの剣戟に合わせるかのように、挟み込むように滅多斬りを叩き込んでいく) 」
提唱者「 "鐘の音と共に"(アンジェラス) (囁くような提唱。そんな悠長な行為をする間にも、双方より剣戟に圧砕されそうになる。だが、そうはならなかった。男は軽いステップを踏み鳴らしながら、まるで踊るような動作ですべての斬撃を掠りもせずに受け流していく。それは死角外からの攻撃も然り。まるで、天より俯瞰する神の聲に、従う様に) 」
提唱者「――――― ガッ / ドッ ! (左右にいる氷冬とASを交互に蹴り飛ばし、距離を引きはがす) ブ ワ サ ッ ァ ツ ――― ! (男は翼を広げて天井すれすれまで宙へと浮かび上がる) "輝忌"(クララ) ( ヒ ュ ド ド ド ド ド ァ ッ ! ! )(両翼で身を包み、そして勢い良く開かれたかと思えば、四方八方に光弾が降り注ぎ、見境なく通路全域、そこに佇む二人を蹂躙していく) 」
氷冬「――――!(完璧に受け流している…!?そんなことが―――)―――きッ…!(呆気取られる合間に蹴り飛ばされるも、受け身を取って次の行動を注視する)……ッ!!(見境なく発射されたいくつもの光弾とおいかけっこをするように通路一帯を駆けだし、被弾を免れていく)"羽休"!(ギッ――ガガッギッ――ガッ!)(逆さに持ち替えた二刀で側転を交えながら光弾を弾き返しつつ、頭上に浮かぶ提唱者への攻めの道を見出す)――――やァッ!!(跳躍。飛び交う光弾を掠めながらも、提唱者を地に叩き付けんと持ち直した二刀を思いきり振り下ろす) 」
AS「グッ―――(剣の鞘で蹴りを受け止め、衝撃を押さえ)ヒュ カカカカカカカキンッ!!(降り注ぐ無数の光弾を片っ端から弾き返す)曲芸に付き合ってやる趣味は無いんだがな。 」
提唱者「ッ ギ―――― ンッ!! (片方の翼で氷冬の斬撃を受け止めるも、その圧力に押されるように墜落。寸でのところで翼を広げて浮力を利用した着地を成功させる) 」
氷冬「このまま攻め崩す!(提唱者を叩き落とした勢いを止めず、そのまま彼の目の前へと着地。遠心力をつけて二刀による薙ぎ払いを繰り出そうと攻めていくが――――) 」
提唱者「 私の聲に、その身を委ねよ―――――【 止まれ 】 」
――――― ド ッ ク ン ! (その瞬間であった。氷冬の鼓動が急停止するような不可思議な感覚。彼女の脳が、全身の隅々に行きわたる神経を伝って"その運動機能が停止した")
氷冬「 !? (なに…っ…?からだ、が……動かないっ……!?)(その手は、刃の切っ先は、提唱者に向けられたまま――――微動だにせず急停止した。自身の意など介さずに。まるで時が止まったかのような感覚に陥る) 」
提唱者「貴女は聲を通じて、「神」の寵愛を受けた。その恩寵を享受し…―――――――【 私を守る刃となれ 】 」
氷冬「 !? ( ド ッ ク ン ッ ! )(再び、全身に異様な衝動が走る。背筋を悪寒が走る。だが、それがどうしたと意地を張るように構え直した二振りの刀を振り上げ、斬撃を繰り出す)――――― ザ ギ ィ イ ン ッ ! ! (目の前にいる提唱者ではなく、"背後にいるASに向けて") !? (体が…まったく言うことを聞かない…!?なん、で…ッ…!?)(表情は動揺を隠しきれず、間髪入れず味方であるはずのASを攻め立てていく) 」
AS「ほう……(突然の裏切り、だがそれすらも愉しそうに剣の腹で受け止める)どうした、急につけきれなかった決着をつけたくなったか?(冗談めかして切り返し、しかし一切の躊躇いも見せず乱撃を放って押し返す) 」
氷冬「なッ―――違うっ!これは……!(動揺のあまり、ASが冗談をほのめかしていると事すら気づかずに必死の形相で否定を唱える。感情や言葉は抑制されていないようだが、やはり肉体はASを容赦なく斬り捌いてく) 」
提唱者「―――――(その様子を、背後に佇む男は黙して見物していた。頭部に唯一残された「口」だけが、愉快気に吊り上がっていた) 」
AS「はは……そうだろうな、お前の本意ならばこんな手緩い剣閃は出ない。今のお前はつまらん、前の戦いがこうであれば一瞬で斬り殺している。(不本意。本来の意図ではない氷冬の剣戟など本気で斬り合った先日に比べれば温く、いなすことは造作もなく―――)それで―――何だったか、"私を守る刃"だったか?貴様がそうくだらん策を弄するなら、"貴様自身に相手してもらう"としようか。(仮面の奥底、鋭い眼光が力を帯びた) 」
『幻影<ミラージュ>』。 (その一言が、一帯に広がる。その一言で、世界は欺かれる。)
霧のようなものが立ち込め、改変され、書き換わる。それが起こした変革は―――"ASを提唱者へ"、"提唱者をAS"へ。二人の存在を、丸ごと入れ替える幻影だった。
氷冬「―――― ! (ASへ繰り出したはずの斬撃。それが、一瞬のうちに書き換えられたことで、"提唱者を斬り薙いだ") 」
提唱者「 !? (――― ザ シ ュ ウ ゥ ッ ! ! )(周囲に立ち込める霧を訝しむように見つめていた。だがその瞬間、自身の手駒に包めたと思われた氷冬が、幻影による誤認によって対象者をすり替えられたことで彼女の斬撃を受けることとなる) 」
提唱者「……なるほど、これは…幻影、ですか… どうやら貴方は人と形(なり)の姿を保ちながらも、その肉体を捨てたのですか。「神」がお与えくださった血肉を洗い流し、デウス・エクス・マキナに魂を移し替えた。貴方の生に対する〈強い執着心〉を、視ました。そのような者に、「神」の聲は届かぬもの… しかし、神が生み出したものは、生物だけではない。(人差し指を上へ突き出す) 」
――――ボ ッ ゴ ォ ァ ア ン ッ ! ! (地面より、あの機械触手が出現する) ボゴォァンッ―――ボゴォンッ―――ボッグォオアアンッ ! ! ! (それだけではない。壁や天井など、様々な場所から次々と同様の個体が出現。その先端に鋭利な刺を備えた触手群が、一斉にASたちを串刺しにせんと襲い掛かっていく)
提唱者「 「神」が生み出した被造物…それは無機物もまた同じ。私の"提唱"は、〈反骨精神〉を持たぬものを、その"聲"に従わせる権能。 腐敗し、堕落したこの現世に憂いを抱く者を導く…「神」が私にお与えくださった神通力。さァ… 貴方も、「神」の聲に身を委ね、一切のすべてを救われるのです。(斬傷を受けても尚、男は緩やかに、穏やかに、両腕を広げる) 」
AS「……生に執着したが故に、俺が肉体を機械へと窶したと?(明確に、硬直する。そして、一瞬の静寂が訪れた。この戦禍の最中で―――致命的な隙とも言える間が) 」
氷冬「今のは、いったい――――!く…ぅッ…!(自身のみに起きた不可思議な出来事を整理する間もなく、襲撃してくる機械触手を無造作に斬り刻んでいく)(アイツの洗脳…かなり厄介ね… 幸いASには通用しないみたいだけど、私は違う… またいつ操られるかわかったもんじゃないわ。ASのお陰で洗脳から抜け出せるけれど…敵はきっと、次にその隙を突いてくるはず…!私がこれ以上足を引っ張るわけにはいかない… でも、どうしたら…)(触手を捌きながら、ない頭を捻らせて対策を講じようとする) 」
氷冬「―――(アイツが言っていた… 〈強い執着心〉…〈反骨精神〉…? もしそれが、あの洗脳を突破するカギになるというのなら――――)(何かを突き止めるかのように、提唱者の口元を遠めに睨み付ける) 」
氷冬「……AS…?(試合でも、一切の油断も隙も曝け出さなかったはずの男が明確に硬直したのを横目に、ただならぬ予感が過った) 」
次の瞬間―――世界は、音を、そして空間を、"彼の剣"に触れた存在を全て忘れた。
ッズ ガァァァァァァアアアアアンッ!!!!!!(静寂と共に、ただ大きく、巨きく、何もかもを破壊するたった一撃の剣閃が押し寄せた機械触手と、通路、壁、天井、あらゆるものが―――その剣閃一つに触れた全てが完膚なき塵芥まで斬り刻まれた)
提唱者「貴方の言葉は、意思は、野心は、人間が本来持ちうる…否、「神」が人間という被造物を生み出す際にお与えくださったもの。 「神」が恵まれた自然物と相反する人工物となる機械という器には、人と形の機能は備わるはずがありません。にもかかわらず、貴方はその相反する肉体と精神を兼ねて、今…ここに息をしている。「神」が導く輪廻転生に異を唱えるかのようなその姿には、並々ならぬ現世への執着心があってこそでしょう。何が、貴方をそこまで縛り付けているのかは存じませんが… 苦しいのならば、辛いのならば、貴方も神の救済を受けるべきです。さァ、聲は届かぬとも…この手を取るのです。さァ…――――!?(瞬間、周囲のありとあらゆる物体が裁かれたことに驚きを示す)」
AS「貴様は今、俺の逆鱗に触れた……この、俺が望まずして身勝手に押し付けられた肉体に、この俺の過去に、願うでもなく委ねるつもりもなく組み込まれた不用品に!(憤怒。そこには、今まで見せたことすらもない憤怒の、憎悪の、敵意の化身が全てを斬り裂いて立っていた)この生に執着が……?愚か……愚かだ、貴様の神は知ったかぶりで、驕りが過ぎる偽物だ。一つとして余さず否定してやろう……その存在、生命の欠片まで!(殺意が、剣気が、そして存在としての圧が青天井に高まり続ける。目のみで射殺すほどに、ただ提唱者を―――"敵"として今、初めて見つめた。) 」
氷冬「…ッ……(なんという…強い殺意…!こんなのは…初めて感じた… けど、これは――――)(驚愕と、不安。ASに静かに向けられた雪女の溶けかかるような双眸の揺らぎが、嫌な予感を増長せる) 」
提唱者「その憤りも、かつての悲しみも、「神」はすべてを受け入れ、お救いくださる。雄弁は銀、沈黙は金。貴方が抱く殺意に語ることなどありませんが、消沈へと導いて差し上げましょう。(噤んだ口元に人差し指を添え、シー…と沈黙を促す) "金色の沈黙"(サイレント) (男の体が、背後に広がる闇に溶け込むように消えていく) 」
ボゴォンッ―――ボゴォンッ―――ボゴォンッ―――― ! ! ! (提唱者が消えた直後、立て続けに次々と突出しだした機械触手が、止めどなくASを貫かんと勢いを増して襲撃していく)
AS「もう黙れ、貴様の下らん虚像如きに俺を受け止める事など出来ん……貴様に出来る事は。(一振り―――ただそれだけで増えた触手を余さず斬る)ここで、死ぬことだけだ。(そして消えた闇へと飛び込み―――) 」
AS「まさか俺が、"こんな下らない闇"を斬れんとでも?(構える。一刀、二刀、三刀―――触れる刃が増え、握りしめ、九刃。)俺は、"運命<オマエ>"には傅かないッ!(振り払うように、ただ斬る) 」
ズバ―――ザァァアンッ!!!(剣先が触れたものが、闇が、次々と存在を断ち切られてゆく。まるで、彼の剣に触れたならば斬れる事が必定であるように)
は ハ 八 ――――― さあ、そのまま闇(まえ)へとお進みください。すべてを破壊し尽くそうとも、「神」は貴方をお許しくださるでしょう (姿を消した男の声が、どこか愉快気な声調で響き渡る。その声は、やみくもに暗がりの闇を裂き続けるASを嘲笑うかのようであった―――)
氷冬「…っ……!(すごい…っ… でも、このままじゃ…ASは怒りに呑まれて…"堕ちてしまう"……!)(彼を止めなければ―――そう決意づけて追随しようと足を踏み出すが―――) 」
提唱者「――――ならば貴女は、彼を救えばいいのです。【 あの男を刺し殺すのです 】 (反対側の闇より出でて、氷冬の耳元に囁く―――) 」
氷冬「――――――――(背後が忍んでいた男の気配に気づいていたのかどうかは定かではない。だが、彼の"提唱"によって全身ががくりと項垂れてしまい―――) ―――――― (ハイライトを失った、冷ややかな眼差しをもって、起き上がる) 」
氷冬「スラリ…――――― ザ ギ ィ イ ン ッ ! (そして、感情が殺されたままASの背後から飛び掛かり、彼の頭上に二刀を思いきり振り下ろした) 」
AS「下らない、救い?神?押し付けがましい、烏滸がましい、愚昧なお為ごかしと綺麗事……反吐が出る!!(振り下ろされる刃に、一切の間隙なく迎え撃つ。殺意の化身と化した今、突きつけられる敵意には一切の遅れを見せない)斬るぞ、邪魔をするならば。 」
氷冬「………――――― シ ュ ダ ァ ン ッ ! ! (ASの、殺意を含んだ眼光を前にしても、雪女の剣士は揺らぐことなく前進。側転を交えた回転斬りでギャリギャリと攻め立てつつも、ASが繰り出す鋭い閃撃を真っ向から弾き返し、闇に覆われつつある通路に火花を散らしていく) 」
AS「意を操られ鈍った刃なぞ、用は無い……!!(打ち合う、斬り合う、斬り進める。氷冬特有の多刀を、それ以上の刃で挟み込むように固定して釘付けにして真正面に蹴り飛ばす) 」
氷冬「ズザザァーーーッ…―――― ス チ ャ ン ッ (蹴り飛ばされ、滑るように後退していく。その最中に二刀を静かに収め、ついに四刀が振り抜かれた) ダァンッ ――― ザギィンッ、ガギィン、ザッギィインッ!!(苛烈な剣技による圧力をかけ、ASを一方的に牽制していく) 四刀流"滅終" (ザギンィ、ザギィンッ―――ザギィインッ!!)(左右からの斬り上げで×状になるように斬り裂き、最後に一回転して再び×状に裂いて吹き飛ばす) 」
氷冬「―――――――――――― ニ ッ (ASが吹き飛ばされた、その瞬間の間際であった。飛び散る火花の中で、洗脳されていたはずの氷冬の口元が…微かに吊り上がった。それと同時に、ハイライトを失ったと思われたその冷ややかに目に、一瞬闘志の火が灯ったような気がした。その輝きに、ASは既視感を覚える。氷冬との白熱した試合だったか?否、それはきっと…はるか遠くまで、色褪せてもなお消えることのない、古い記憶――――) 」
―――――――――『 』! (誰かが、名を呼んだ。それは氷冬のものではない少女の声。あまりにも無邪気で、透き通った幼き声。そこにいるはずなどないのに、今も鮮明に耳に残る、かの「声」が―――)
AS「―――……(剣戟の最中で、受け止め、ただその瞳の奥底を見た。垣間見た、そして……)……そうか。(仮面の裏、その顔の憤怒が笑いへと転じた) 」
氷冬「 ギ ャ リ リ リ ィ ッ … ―――― ガ ギ ィ イ ン ッ ! ! (殺意の衝動に駆られていたASが、まるで吹っ切れたように全身に張り巡らされた緊張感が解けた隙を突くように大きく薙ぎ飛ばし、壁に叩き付ける)………――――― ス チ ャ (そして、刀の切っ先を項垂れる彼の頭部に向けて突き付ける) 」
提唱者「よくやりましたね。(氷冬がASを追い詰めたことを確認し、彼女の背後より男が歩み迫る) これこそが「神」が導き出した顛末。ようやく貴方がたは救われる。さァ…安らかなる終わりを迎えましょう…――――― 【トドメを刺しなさい】 」
氷冬「 ス チ … ――――――― (刀がゆっくりと振りかぶられていく。切っ先をまっすぐに、ASに狙いを定め――――) 」
―――――― ズ ブ シ ャ ア ァ ッ ! ! (鮮血が、床を赤く染めた――――)
― 世界大会会場・地下通路B ―
ジョシュア「―――――ウォーラァァァァーン!!!! (怒号。地下空間に衝撃波を伴うそれが木霊する。装備は軽装、義足は『医療用』の片足のみ。松葉杖を背負いほぼ『けんけん』しているような絵面ながらも一兵卒を取り残そうような速度で地下を滑走する)(あのクソ,ガ,キ……!義足の神経回路に酒を仕込む、装備は掻っ攫う、医者を気絶させ逃走……!帰ったらただじゃおかんぞ……ッ!) 」
ジョシュア「ッ………(片足に『幻肢』の合わさった痛みが追い縋る。義足の付け根の包帯へどろりとした黒黒とした液体が滲み出る様を一瞥した。異常なまでに凝固した"毒"が絶えず肉体を蝕んでいる事を自覚した)よーーーしわかった!今出てきたら模擬戦だろうが手合わせだろうが付き合ってやるッ!!なんなら俺のカミさんが相手だッ!!ぶっちゃけ今はあっちの方が強い!!理不尽!!鬼!!!!!じゃれたいなら後で好きなだけ暴れろッ!!ただし今だけは駄目だ!!聞き分けろ頼むから!!! 」
シ ュ ル ル ル ノレ ――――――― ツ ! ! (姦しく叫ぶ男の進路上。暗がりの通路奥より"影"が一本の線となって伸びてくる。否…それは影というより、実体を伴う"黒い帯"。それは蛇のように地面を蛇行したかと思えば瞬く間に大漢の体躯に食らいつくように巻き付かれ、強く縛り上げたのだった)
ルフィア「 コツ… コ ツ … コ ツ … ―――― (その先に延びる闇の奥より出でるのは、秘書のような風貌をした女性。大会参加者の選手ならば誰もが一度目にした、あの受付嬢であった)……申し訳ございませんが、ここは関係者以外立ち入り禁止区域です。(女は冷淡に、眼鏡をくいっと上げて縛り上げられた男を見上げていた) 」
ジョシュア「 !! (奇襲……!フッ詰めが甘いぜボンクラァ!異能を用いた奇襲にも意識は作用する。攻撃の意思決定から敵対象へ被弾するまでの距離=対処する猶予だ!長距離射程からのそれを逃す俺じゃァないぜ!) そこd スルッ >>1カメ<< そこd スルッ >>2カメ<< そこd スルッ >>3カメ<< (バナナの革が靴裏をクリーンヒット。決め顔で振り返ったポーズのまま天地がひっくり返り……) 何ィーーーーーーッ!? (あわや足を拘束されてしまう)ちょちょちょちょまてよまーてーよ!!鼻水!!鼻水が脳に行くって!! 」
ジョシュア「 >> 知るかァ!! << (青筋を浮かべ天地逆さのまま腕を組み一喝ッ!!) 俺の足が届く範囲は俺の道だッ!!どうしても止めたきゃァカミさん宛てに俺のパチの領収書でも送っとくんだなァ!! ……今の本気にするなよ, 」
ルフィア「……お話になりませんね。(逆さづりの男を見つめながら顔色一つ変えず呆れたように目を閉ざす)……どのような意図があってのことは存じませんが、この非常事態に、このようなところへ侵入するなど…何らかの思惑があると見て間違いないでしょう。ここで見たことは、外部には決して漏れてはならぬ機密事項… よって、これよりあなたを口封じのため"粛正"します。異論は認めません。(受付嬢とは思えぬ冷たい殺気が淀む。垂れ下がっていた右手… 鋭く尖らせるようにその人差し指の先端が刹那に光り出す―――) 」
ジョシュア「―――――。(腕を組んだまま半目になり天井、この場合は床を仰ぎ見肩を落とす)迷子センターぐらい用意しときゃ保護者が走り回る事にもならなかったんだろうになァ…… あんたらの不幸は『意図せず敗北した』事だ。 クイ (ルフィアの光る指先を一瞥するも動じず。瞼を閉ざし首を僅かに捻る―――) 」
ヒ ュ オ ッ (熱と僅かな質量の伴う閃光がジョシュアの耳を掠める。飛来するのは螺旋状に大気の穴を開ける鉛。小型小銃から放たれる弾丸がルフィアの眉間へ向かって飛来する)
ルフィア「―――――― ! (鋭利を帯びた人差し指でジョシュアの体を射抜こうと構えた次の瞬間。目と鼻の先まで迫った鉛玉をスローモーション化した世界で目を微かに見開きながら視認すると―――)―――― ギ ュ ル バ ッ ! (全身を横軸に捻りながら紙一重で鉛玉を回避しつつ、大漢から距離を離す)……(乱れた横髪を流しながら、飛来してきた方角をレンズ越しに睨みつける) 」
ウォーラン「 チッ 外した。 (銃声が絶えず空間を駆けずり回りマズルフラッシュが照明の光量を上回った。手にしたリボルバーの引き金を休むことなく引き連射しながらルフィアへの距離と詰める。眉間に命中していようがしていまいが全弾撃ち尽くし、全てを急所にねじ込んで何回でも仕留めるといわんばかりに) "あれ"は”俺が”殺ってもいいンだよなァーッ!! 」
ジョシュア「"これ"を殺る気じゃねえかふざけんな!!!!!(依然として宙吊りのまま、海老反りになって必死に飛び交う銃撃の弾道から逃れる)―――――(初戦落ちで鬱憤が溜まりもするか…… そりゃそうだ、腐っている暇はないんだったな)――――"無力化"しろッ!!攻撃を許可する!! 」
ルフィア「……――――――― "紙絵" (それは、風に吹かれる浮草のように、次々と打ち込まれる銃弾を不可思議な挙動で受け流し、全弾回避を実現させる) 未成年者が銃を携帯しているとは、いささか見過ごせませんね。であれば、貴方も粛清対象です。(ザリ…と、タイトスカートから伸びた生足の片方を一歩忍ばせることでいつでも蹴りの態勢へシフトできるように身構える) 」
ウォーラン「(六式使い……軍内部にいたってのは経歴サショーでもねえのか) 未成年者に脳ぶちまけられる成人っていうのはもっと格好がつかねえんんじゃァーねェーのかァークソババァ~~……(一定の間合いを保ち足を止める。ストラップ付きのナイフを袖から掌へ滑らせ。リングを指に絡め玩具を扱うように弄びつつ、ルフィアの一挙一動を観察する)(高速移動、間合いの外からの攻撃。六式は択が多い……めんどくせえな……) 」
ルフィア「言葉遣いの荒さも目立ちますね。粛清のし甲斐があります。(それでも女性は依然として表情を無に保ちながらウォーランと睨み合う。一向に動かず互いに睨みを利かせているだけだったが――――)――――― "剃"(ソル) ( シ ュ イ ン ッ ! )(先行したのは、女性の方だった。瞬時に地面を何度も蹴り上げることで姿を消す瞬間移動の如き速さを獲得する) 」
ルフィア「 "脱兎"(ダットウ) (ギュ _______√ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Z_____√ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ オ ゥ ッ ! ! ! )(その姿は視認こそ難しく、だが空間をジグザグ状に駆け抜ける衝動が迸る)―――――― "指銃"(シガン) (ジョシュアに繰り出そうとした、あの鋭い人差し指による貫撃。ウォーランの死角から現れる共に、既にその攻撃は振り抜かれようとしていた) 」
ウォーラン「(指銃・鉄塊・紙絵・剃・月歩・嵐脚……0距離白兵戦で警戒するべき択は「指銃」と「鉄塊」を織り込んだカウンターだ。ジョシュアの動きを封じて「嵐脚」択を取らなかったのは密着しての「指銃」択が確実だから。となりゃ奴は必ず間合いを詰めてくる。意表を突いての拘束択を取った以上正面からも好まない……となりゃ)――――(一歩後ずさる。速度と複雑な軌道を前に狼狽しているような仕草を見せつつ) グ ンッ (体勢を低くし指銃が頭上を素通り。同時に床を這うような回し蹴りを振り→顎を狙い逆手持ちにしたナイフによる刺突を振り向き際放つ) 」
ルフィア「 ! (避けられた―――)(人差し指による初撃を受け流された直後、回し蹴りによって前のめりに転倒するが――)――― シ ュ ン ッ ! (前掲した姿勢を利用した"剃"による高速移動を発動し、刺突から間一髪逃れる。周前後を見渡しても女性が現れる兆しがない。となれば、とウォーランが見上げた頭上に、彼女はいた) 鉄塊"象牙"(ゾウゲ) (ヒ ュオ ――――― ズ ッ ガ ア ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! )(高所から超スピードによる急降下。重力を利用した踵落としが垂直に繰り出され、ウォーランが立つ地面をそのまま砕く勢いで落下する) 」
ウォーラン「 ! (消え……月歩、いや"剃"か。狭いとこでちょこまかと……) ヒュ……(上空から僅かに空気の振動が伝わる。頭上へ繰り出される重力を利用した一撃を予見し)―――ッツ!!(咄嗟に壁際へドッジ。腕で顔を覆い砂利混じりの衝撃波から視覚を守りつつ壁に背を付け、小型軽量化された拳銃 P365を引き抜き、ルフィアの足元へ一発。彼女の進行方向へエイムし先読みしたように五発連続で鉛を撃ち込む) 」
ルフィア「―――― ボ フ ゥ ン ッ !(通路を土煙が立ち込める。発射された弾丸を紙一重で避け切るような水平移動で、視界を遮る土煙から脱するようにウォーランと睨み合う様に並走ていく) ドッ ガッ ガガッ ドゥ ドゥッ ガ、ド、ッ ! ! (至近距離まで詰めたところで掌底と蹴りを巧みに織り込んだ徒手空拳による打撃を間髪入れず畳みかける) 」
ウォーラン「 パァ ン ッ (蹴りが手首を捉える。小銃が手から放れ床石を跳ねて遠のき) ガッ ガガッ ドゥ ドゥッ ガ、ド、ッ…… ズタ゛ァンッッ (後ずさりつつ近接格闘に応じる。掌底ニ発を右手刀で捌く→残る左手でナイフを振るおうとするが、ルフィアの先読みによる打撃が腕を捉え後方へ押しやられる→鳩尾へ掌底を一発打ち込まれ怯み、回し蹴りが顎を直撃。両足が浮き背から壁へ叩きつけられる)――――ッ!……!! 」
ルフィア「 終わりです (これでトドメだと言い張るように、鋭利を帯びた人差し指でウォーランの心臓部を貫こうと右腕を突き出そうとするが―――) 」
ウォーラン「 ――――(床に滑り"落とした"ナイフ。その位置があらかじめ意図したものであったかのようにノールックげ足を振り上げ) カ ッ ッ (爪先が持ち柄を捉える。蹴り上げられた刃がスナップを利かせルフィアの首目掛け飛来)ヒュッ…… オ ッ (対処せざるを得ない凶刃をブラフに、自身は人体の鉄、『膝』を鉾とし飛び膝蹴りを顎目掛け放つ。その速度は先の一心で見せたそれと一線を画する。不完全ながらももルフィアが何度も見せた"剃"を模倣していた) 」
ルフィア「―――!( ヒ ュ オ ッ―――!)(眼下から強襲するように飛来するナイフに逸早く気づき反射的に攻撃を中断、同時に飛び退こうとするが―――)――― ッ˝ ! ( ゴ ッ ! ! )(飛び退いたことが仇となり、ウォーランの膝蹴りが顎部に痛烈に炸裂。ましてや、六式体術の"剃"に比肩する速さで繰り出された一撃を至近距離で避けることなどできず、初めて痛手を喰らわされて後退していく) 」
ルフィア「……(顎部を右手で添えるように押さえつけ、崩れかけた両脚を起立させて構えを正す)…足癖の悪い子ですね。そこの保護者様と同様に足を縛り付けておきましょうか。( ス チ ャ ―――――― )(眼鏡を横流すように投げ捨て、露わとなった裸眼の右目に手を添えた―――――) 」
ルフィア「――――― " 偽 装 " ――――― 」
キ ュ ガ ――――――――― ァ ッ˝ ! ! ! (女性が自らの顔面に手を当てたその瞬間、顔面を起点に罰点型の眩い閃光が放たれた。四方へ延びる光が彼女の体を包み込むように折りたたまれていくと、肌色の皮膚全体が半透明化に浸透。その表面を伝う様に網目状の線が下から上へと無作為に描かれるように浮き彫りになっていく―――)
ルフィア → 拘束者「―――― ギ ギ ギ ギ ッ ! (それは、紫色に近い半透明の皮膚を持つ人ならざる者。羽織るレインコートの表面をいくつもの黒い帯が縛り付ける様は、まるで拘束衣を彷彿とさせる)………(項垂れていた頭部を上げる。目模様で覆われたその顔面には「左目」だけが残されていたが、手癖によるものか…既に手放したはずの眼鏡をくいっと上げていた) 」
拘束者「 『 拘束者 』 ――― それが私を縛り付ける偽名(まな) 」
拘束者「 この息詰まる世界に拘(とら)われた者同士、息も心も命も殺して生き永らえましょう。それが救いであると信じて。 」
――― Vs.【 十慈教団 】 ルフィア / 拘束者 ―――
ジョシュア「――――!(あの姿……ネザリアンか……元々の戦闘技巧にも目を見張るものはあったが……ここからが本番というわけか)―――わかってるな、新兵(ルーキー)……相手は格上だ。(宙吊りのまま腕を組み状況を冷静に俯瞰する。其の上で歯を覗かせ、不安の色一つ見せず微笑む) 」
ウォーラン「………(一瞬だけジョシュアに一瞥をやり、いつもの満ち足りていない苛立った眼差しを向けていたが) ハッ わァーってるよ、『おいしい』ぜ(依然として捕食者の目は変わらず。かの者は野良犬、されど牙は獣のそれ) 」
ウォーラン「――――この世の不条理は当人の力不足。ニンゲン様も革一つ剥げば肉袋の畜生、弱肉強食の摂理に抗えねえ。 そいつを覆すための力、なんもかもい自由にしてこその力、強者の椅子だァ……。てめえを"縛り付ける"力を誇ってるようじゃそのへんのネズミ一匹食えやしねえよ、バァァァーか 」
拘束者「その口も思考も、すべて縛り付けてあげましょう。そうすれば福音の鐘と共に、「神」が来(きた)る。猥雑で乱雑な世の理を、一つに纏めてくれるでしょう。(――― シ ュ ル バ ァ ア ッ ! )(両腕の裾の内側より飛び出したのは、あのジョシュアを縛り付けた黒い帯。屈強な肉体と洗練された戦闘力をもってしても引き千切ることさえ叶わない頑丈な帯がはたはたと閃く中、ウォーランに狙いを定めるように両腕を振り抜いた) シ ュ ル バ バ バ ァ ッ ! ! (二対の帯が意思を持つように飛び出し、双方からウォーランを拘束しようと遠距離から迫りだす) 」
ウォーラン「(喰らったら即死、死にゲーだけにしようぜそういうのは―――) ┣" ク ッ (当たれば『死ぬ』。とう自身へ強く暗示し、生存本能を刺激。半ば強制的に『ダキサイキア現象』を脳へ強制。色彩が抜け落ち、散漫に錯覚される時流の中、思考だけが倍速で動く。最適な回避ルートを見出し) ギゥルッ トッッ トッッ (拘束者の巨大な眼球が『瞬き』する一瞬を縫って踏み込む。視界が途切れた間に不完全な"剃"を駆使し一気に間合いを詰めようとする) 」
拘束者「(初見でこれを避けますか。であれば―――)――― ギ ュ ル ン ッ (帯を伸ばしたまま全身を捻りだし――)――― バ チ ィ イ ン ッ ! ! (独楽のように勢いよく自転することで先に伸ばした腕が軌道を変えて渦を巻くように歪曲し、縛るのではなく叩く攻撃としてウォーランを殴り飛ばす) 」
ウォーラン「!(筋繊維みてえに凝固しやがった!やべ、これ打げk ) バ チ ィ イ ン ッ ! ! (視覚認識の脳処理が追いついても身体はそれに追従できない。咄嗟に腕を交差するが、正面から打撃を受け吹っ飛ばされる)――――ッヅ(追撃が来る……!) ダムッッ (壁に靴裏を食い込ませ着地、それを足場に駆け出し拘束者を中心に円を描くように壁から壁へ飛び交いつつナイフ、袖に仕込んだボウガンを交互に放ち、投擲し牽制しようとする) 」
拘束者「 バチィンッ、バッチィンッ、ギギギギィンッ!! (両腕を交互に何度も振り抜き、巧みな鞭捌きで伸縮自在の帯を操りながら、四方八方から投擲されるナイフやボウガンを叩き落していく) "剃"(ソル) (シュインッ―――) うねる指銃"蛇"(スネイク) (グィィイィインッ――― シ ュ オ ッ ァ ツ ! )(ウォーランへの高速接近を図る最中、腕を高速振動させることで波がうねるような挙動によるフェイントをかけた"指銃"を繰り出そうと襲撃する) 」
ウォーラン「 ド は? ズッ (意識外からの攻撃。相手が近接へ切り替えたかと思えば視覚外から襲いかかる指銃。本体を囮とした意識外へ仕掛ける本命、ウォーランが得意とする戦法がそのまま彼を穿った形になる。咄嗟に身を捩るが脇腹を深く抉られ、意識が飛びそうになる。浮遊した状態で無防備を晒した)――――。――――― 」
― 世界大会会場・地下通路C ―
アオ「―――はっ、はっ……ラーヴァさん! こっちの通路で合ってるんですよね!?(息を切らして地下通路を駆けながら、やや前方を行くラーヴァに問いかける) 」
ラーヴァ「少年、走りながら何度同じことを聞くつもりだ(一切速度を緩めることなく走り続け、正面を向いた半眼のままアオに答える。その時、機械触手の一本が進行を妨げるように飛び出し―――)―――ブンッ! ガァンッ!!(手にしていた物干し竿を横薙ぎに振るい、通路の壁へ叩き飛ばした) 」
アオ「だ、だってさっきからずっと似たような通路ばっかりで―――うわっ!?(飛び散る破片を腕で払いながら、そのままラーヴァを追う) 」
ラーヴァ「フッ―――実を言うと私も少し不安になってきたところだよ(デフォルメのジト目でさらりと言う)やはりあのとき酒をもらっておくべきだったか…… 」
アオ「こんな時に何言ってるんですか師匠!?!(汗(思わず声を張り上げる)とにかく、早くこの事態を収束させないと……! もっと急ぎましょう―――!(すぐに表情を引き締め、焦りを浮かべながらラーヴァと共にひたすら通路を突き進む) 」
――――――― 待つのだァッ!!!(物々しい空気に包まれた会場の地下通路!そこに、きっとすべてを解決してくれるであろう活気ある正義のヒーローが現れるッ!!)
トーマス「――――――"ミリオン☆不意打ち"ッ!!!(そのヒーローこそ!100万人に一人と言われた百万級の男!!トーマス・ワイトソンである・・・!!!そんな彼が、若き青年と保護者のように付き添う女性の二人の前に、まるで立ちはだかるように殴りかかって妨害しに来たではないか・・・!!) 」
トーマス「ンンンンンンンン~~~~~~~ッ……ミリオォォーーーーーーンッッッ!!!(これみよがしな大胆なヒーローポーズをとって威嚇?する)聞けぃ!!我が名は、100万級の強さを誇る史上最強のミリオネアー!トーマス・ワイトソンッッ!!試合に敗れ、世間から私の信頼は堕ちてしまったが(※元より誰も知らない)…だがッ!!それでも私には戦う理由があるのだッ!!そう…すべては、この世の平和を守るためッッッ!!"悪"を挫く正義の使者とならんッッ!! 」
トーマス「こんな私に声援を送ってくれた者…「GOD」…!!彼だが彼女だかわからんが…私はッ!「その者」のお陰で絶望の淵から立ち上がることができ…そしてェッ!!己の進むべき新たな道を示してくれた!!GOOD・「GOD」に100万級の圧倒的感謝ッッッ…!!私の力を必要とする者がいるのならば、喜んでこの拳を振るおうッッ!!お前たち、"悪"を成敗するためにッッッ!!!(ビシィッ!とアオたちを勢いよく指さし、対峙を誇張する) 」
アオ / ラーヴァ「 は、はい!?!(汗汗汗) / (⩌ ⩌) ……。 」
アオ「へ、平和を守るため……悪を、成敗……!?(対峙を誇張するトーマスに向けられた指先につられ、自身を指さしながら目が点になる) い、いやいやなにを言ってるんですか、今はそんな冗談を言ってる場合じゃありません! 上ではまだみんなが襲われてるんですよ!? 平和のためだと言うなら、今すぐ俺たちと来てください!!(汗を浮かべながら、困惑した様子でトーマスに説得を試みる) 」
ラーヴァ「さて、ああいう手合いには理屈は通じなさそうだが……(「GOD」だと……?)(物干し竿を肩に担ぎ直しながら、説得を試みるアオからトーマスへと視線を移す) 」
トーマス「このトーマス・イヤーは悪の手先の甘言に惑わされやしないッッ!!(ビシィッ!)そんな手には騙されんぞッッッ!!(シュバァッ!)私に正しき道を示してくれた「GOD」が教えてくれたのだ… 「何人たりとも地下の最深部に向かわせてはならない」と!!(キリッ!)私はかの者の恩に報いるため、自らの正義を全うするッッ!!(バッッッ!!)(ふざけているのかどうか定かではない大胆なジェスチャーで誇張表現しているが、その場から決して動こうとしない堂々たる構えが、彼の意志を本物たらしめている) 」
アオ「あ、あなたは……っ!(彼は騙されているのだろうと察する。そして彼の意志は固く説得が難しいことも。それでも武器を向けることはなく、前のめりな気持ちで言葉を重ねる)ち、違うんだ! 俺達はあなたの敵じゃない、きっと騙されていて――― 」
ラーヴァ「(「地下の最深部に向かわせてはならない」……ひとまず、向かう先は確定した)―――そうだ、私はこの大会をめちゃくちゃにしにきた悪者さ(説得を続けるアオの前に躍り出て、あえてトーマスを挑発する)少年、ここは私に任せなさい。君は先へ(肩に担いでいた物干し竿を下ろし、一回転、ニ回転と鉄棒を回しながらアオを先へ向かうよう促す) 」
アオ「……!! で、でもラーヴァさん――― 」
ラーヴァ「心配はいらない(アオの言葉を遮り、ふっと目を細めて笑う)それに……良き弟子とは、たまには師匠の顔を立てるものだよ 」
アオ「……っ ……わかりました。絶対に追いついてください。そして……絶対に、無理はしないでくださいね(まるで病人の身を案ずるような含みを持たせ、ラーヴァに伝える)……―――…………ダッ!!(それからトーマスへ向き直り、通路に立ちはだかる彼の脇を抜けようと勢い良く駆け出す) 」
トーマス「やはりそうだったか…この魔女めェッ…!!(正義を志す男の目が、怒りの炎で燃え滾る)――――むッ!?逃がさんッ!!このトーマス・アイは悪を決して見逃しはしないぞォァッ!!!(自信を素通りしようと駆け出したアオに向かって回し蹴りを叩きこもうとするが―――) 」
ラーヴァ「―――カンッ! (トーマスが繰り出す回し蹴りの先へと物干し竿を振るいながら割って入り、一撃を受け止める)相手を間違えているよ、正義の味方(受け止めた脚を押し返して場を仕切り直し、通路の奥へと駆けていくアオを見送る)しかしよりによって魔女扱いとは。いいとも、ならばそう振る舞ってやるとしようか?(再度トーマスへ向かい目を細めて不敵に笑い、物干し竿の先端を彼へと突きつけた) 」
トーマス「ぬ、おッ―――!?(アオへの急襲を、ラーヴァに妨害されたことで勢いよく飛び退きながら距離を保つ。一発触発の空気が漂う中、互いに睨みを利かせ合う)………やれやれ…困るのだよ。私の正義の覇道を阻むことなど…絶対に許されてはならんのだ。(耳障りな叫びを繰り返していた男が、突如何かが切れたように、静かなる憤りを込めた声音を呟く) 」
トーマス「 悪はッッ!!この私が必ず裁くッッッ!!裁かねばならんのだッッッ!!それこそが私の闘う理由…生きる意味ッッ…!! (まるで衝動的な何かにとりつかれたかのように、男の表情が豹変する) 」
トーマス「 『教団』の期待の新生!!トーマス・ワイトソン!!貴様を成敗し…「GOD」に我が正義を見せるッ!! 」
トーマス「――――――――― 私の100万トン級のパンチを受けてみろッッッッ!!!(助走をつけて跳び上がり、迫真の勢いをもってラーヴァに殴り掛かった) 」
その後――――
― 世界大会会場・地下通路D ―
ノルムー「――――…っは、っは、っは…!この先を進めば三方向に道が分かれるのだ!貴様らはそのまままっすぐに進むのだ!そうすればあとは道なりに進めばエレベーターがあるはずなのだ…!それで最深部へといけるはずなのだ!ノルムーは先に右方向にあるラボへ行って新兵器の最終稼働チェックを行ってから後で合流するのだ!!(フレイミスたちと共に通路をドタバタと疾走している) 」
フレイミス「ああ、わかった…!(地下通路はまだそれほど被害がなくて幸いだったが…急がねえとッ…!)(ノルムーの示す先を険しい表情で睨みながら、スピードを落とすことなく突き進んでいる) 」
フ ワ リ … ―――――――― ! (その時であった。地に足をつけて駆けだしているフレイミス一行の誰もが違和感を覚える。駆け出すために前へ前へ足を踏み出そうとした足の感覚が弱まっているような不思議な現象。ふと視線を堕とせば、誰もが驚くべき光景を目の当たりにする。そう…そこにいる誰もが、"宙に浮かされていた"のだった―――)
フレイミス「(――――!?)…なん、だ…これッ……!?(体が勝手に浮かび上がって…!なにがどうなってやがるッ…!?) 」
萌香「な、なななっ…んだよこれぇ~~~~!?!?!?アタシ…アタシたちが、浮いてる~~~!? 」
光姫「――――!(これは……っ…)(未だ経験したことのない無重力空間に近しい現象に巻き込まれ、驚嘆こそするが動揺する素振りは見せない) 」
ノルムー「のああぁぁああぁぁあ~~~~ッ!?!?!?な、な…!?なんなのだこれは~~~~!!?ノルムーは地下通路に無重力装置なんて置いたこともなければ作った覚えもないのだああぁ!!んぎぃぃぃいい~~~~っ!!><(空中で必死に平泳ぎを行い地上に降りようと試みるが、叶わない) 」
シンモ「 カツ… カ ツ … カ ツ … … ! (ぷかぷかと空中に浮かび上がる一行の前に姿を現したのは、この場において唯一、地に足をつけた男。大会にも出場していた、あの機械の右腕を持つ謎の男であった) ……悪いが、ここより先を通すわけにはいかない。これも『我々』の大いなる計画の一環なのだ。貴重な実験サンプルだ、命まで奪うとは言わん…だが、お前たちはここで成す術もなく事の結末を見届けるがいい。(男は、嘲笑などせずただ無表情に頭上に浮かぶ彼らを見上げていた) 」
フレイミス「……!(全員が奇妙な現象に巻き込まれている中でただ一人、平然と地に佇む謎の男を睨み付ける様に見下ろした) テメェの仕業か…!?確か…試合に出場していた選手だよな……?何が狙いだ…!(身動きのとれぬ空中で意図せずゆっくりと回っている) 」
シンモ「すべては「神」が提示した道筋だ。何者にも手を出させず、事の顛末を見届けさせること… いわばこれは、"見せしめ"だ。 」
フレイミス「"見せしめ"だ…?何を、言ってやがるっ……!? 」
シンモ「知る必要はない。もとより「神」など、我々人類が空想の中に生み出した架空の存在。故に私もこの目で直接拝んだことはないが…"この力"を与えてくれた大いなる存在であるという事実に、便宜上そう呼んでいるだけに過ぎぬ。お前たちはただ、"これから起こる結末"を、見届けるだけだ。(ゆっくりと機械化された右腕を突き上げようとした、次の瞬間だった―――――) 」
―――――― ヒ ュ ン ッ ! ! (突如として通路の奥から一振りのナイフが、シンモの機械化した右腕を目掛けて一直線に飛来してくる)
シンモ「―――――― !! ( ガギィ―――― イ ン ッ ! ! )(振りかざした義手の腕で、飛来したナイフを思わず弾き飛ばした) 」
フ ォ ン ――――― ッ ! (男が右腕を引っ込めた瞬間、彼らを浮かばせていた無重力空間が消失したかのように… 彼らの体が、突然重力に従うままに落下したのだった)
フレイミス「うおあっ…!?(前置きもなく前進がガクンと自由落下したことに仰天しながらも、辛うじて着地を成功させる)…急に、動けるようになった…!だが、なんで…――――(ふと、背後から何か掛け寄ってくる足音をが聞こえて振り返った) 」
アオ「―――はぁっ、はぁっ……!(息を荒くしながら通路の奥から駆け込んでくる。振り返ったフレイミスと目が合って驚いたように目を丸くするも、わずかに笑った)なんとか間に合ったみたいだね……! フレイミスさん、また会えて嬉しいけど……(フレイミスとその一行を見回して無事を確認し、すぐに皆とシンモの間に割って入り鋭い目を向ける)……道を開けてください 」
フレイミス「お前は……!(再開した青の姿に、思わず口元が緩んだ)……悪ぃ、先を急いでんだ。ここを任せるぜ…!(出会って間もないが確かな信頼を寄せているアオに不敵な笑みを一つ残し、前のめりの姿勢でシンモを横切って発進していった) 」
光姫「助太刀、感謝する。ゆくぞ、萌香…!(アオに一礼しつつ、フレイミスへと続くように颯爽と駆け出す) 」
萌香「えっ、あっ……はいッ! 」
ノルムー「う˝ぉい!!ノルムーを置いていくんじゃねえのだ~~~~ッ!!!(慌ただしく一同を追いかけていく) 」
シンモ「………(先へと向かうフレイミスたちを追撃するような気配はなく、ただそこに佇んでアオの方へと視線を移す) ……噂に聞いたことがある。蒼い目をしたナイフ使いの青年… 幾度と不可思議な事件、その真相を切り開いた"英雄"だとな… そう、か… お前が、その該当者か。 」
シンモ「私個人としてはその実力に大変興味があるが…生憎お前のような存在を「神」は否定している。お前だけは例外的に始末しておく必要があるようだ。……案ずるな。この手で始末した後は…その肉体を回収し、半永久的に保管させてもらう。私個人の研究を成就させるために。(サイボーグ化した右手を突き出すと、脇道に積まれていた木箱や機材などがフワリと浮かび上がり、それらを取り巻くように対峙の意を示した) 」
アオ「うん、分かってる。ここは俺に任せてよ(フレイミスの不敵な笑みにこちらも笑って返し、一行を見送る) ……俺一人だけの力じゃない。これまでの事件も、その真相も、みんなで力を合わせて切り開いてきたんだ(シンモが弾いたナイフを拾い上げ、ゆっくりと構えを取る)だから今回もきっとそうなる。フレイミスさんを通した時点で―――あなた達の負けだ(周囲に浮かんだ物体に怯むことなく、確信を宿した瞳でシンモを見据えた) 」
アオ「それに、特別扱いは光栄だけど―――(肉体の回収、研究の成就、彼のサイボーグ化した右手。断片的な情報から、確信などはないがなんとなくその研究を想像し……)―――…………(かつて対峙した自分と瓜二つの機械人間を想起する。僅かに表情を曇らせて目を伏せるが、それを振り切るように顔を上げた)……悪いけど、俺も個人的にその研究は阻ませてもらうよ 」
― 世界大会会場・地下通路E ―
爆発音が絶え間なく続く通路。そんな一本道の通路を、大量の赤い明かりが埋め尽くしていた。
機械生命体(教祖)「 ヨウコソ、「神」ノ宿ル場所ヘ 」
ひとつ、またひとつと大きな音を立てて破壊される音が轟く。だが、その度にガシャンガシャンとロボットが進撃するような音が耳障りなほどに響き渡る。
機械生命体(信者)「 「神」ヲ信ジルヨウニナッテ心ニ安ラギガオ訪レマシタ 」
機械生命体(信者)「 教祖様ハ私タチヲオ導ニナッタ 」
機械生命体(信者)「 コノ地上カラ苦痛ト戦争ガナクナリマスヨウニ 」
ユビィ「―――― ッるさい ! ! (大剣を力強く乱暴に振るい、絶え間なく通路を埋め尽くさんと進撃してくる機械生命体を駆逐していた)…はあ……はぁ……っ…(雑兵の兵隊ロボット。それも、自分と差ほど背丈の変わらない二頭身サイズの機械相手など、普段であれば造作もなかった。だが、先のルドゥラとの試合で被った重症は未だ完全に癒えておらず、武器を振るえば振るう程傷着地が広がり、疲弊しているのが誰の目から見ても明らかであった――) 」
機械生命体(教祖)「 ォ˝ (―――― チ ュ ボ ガ ア ァ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! )(他の信者たちと共に葬られてしまい、爆破された胴体から丸い頭部だけが取り残され、活動停止したように赤い眼光が消失した) 」
機械生命体(信者)『…………………(リーダー格の教祖が破壊され、それを取り巻くように配置されていた信者たちが一斉に物言わぬ残骸を見下ろし、沈黙が訪れる)』 」
機械生命体(信者)『 教祖様ハ「神」ニナッタ!「神」ニナッタァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!! (と思われた次の瞬間、沈黙は破られた。教祖がやられたにもかかわらず信者たちは活気を帯びたように全機が胴上げし、狂乱するように頭部や両腕をカクカクと動かして暴走しだしたではないか)』 」
ユビィ「……はぁ…っ゛……?(右の二の腕を押さえつけながら、心底理解できないと言った怪訝な表情で機械生命体たちの奇行を伺っていた)…っ……(なんだよ……なんなんだよこいつら…!いったいどこから湧いてきたんだよ…ッ……!ずっと地下に潜んでいたってのはわかったけど…会場の真下にこんな気色悪いロボットの大群がいたなんて背筋が凍るんだが……!)(人の言葉を放つロボットたちが、奇声を上げ、奇行に走る。そんな、真人間には到底理解できない彼らの行動にある種の戦慄が過る) 」
機械生命体(信者)『 教祖様ハ「神」ニナッタ! \ 「カミ」ニナッタ! / 教祖様ハ「神」ニナッタ! \ 「カミ」ニナッタ! / (腕を上げ下げしながら、彼らは回るように踊りだす) 」
きゃあぁぁぁあーーーーッ!!(そんな時、ユビィの背後に続く通路から少女の悲鳴が聞こえてきた)
遠野ハンナ「なんですのなんですのなんですの~~~~~っ!?!??!なんなんですのこのカラクリ人形たちぃぃぃいいいいっ!!(ビスクドールようなドレスを纏った金髪ツインテールの少女が涙目になりながら全速力で逃走している。その背後には、少女を追いかけ回している機械生命体の群れが見えた) 」
橘シェリー「いや~、困りましたね~!出口が見つからなくて幾星霜!迷路のように入り下ったこの通路でかれこれ30分以上は経過しているんじゃないんでしょうかー!?このまま堂々巡りに走り続けていたらあの兵隊さんたちに掴まってしまうかもしれませんねー!(その隣で並走するのは、シャーロックハットを被った探偵風衣装を纏う青髪の少女。相方のハンナとは対照的に、機械生命体の群れに追われているこの危機的状況を逆に楽しんでいるように笑っていた) 」
橘シェリー「おやおや~~?(そんな時、額に手を当てながら前方を見渡し、そこにユビィと彼女が対峙している大勢の機械生命体を発見。通路を塞がれているためやむなく急停止する)見てくださいハンナさん!前方にもたくさんいますよ!!これじゃあ逃げられませんねぇ~…!詰んだ!無理かも!笑 (*ˊᗜˋ*) 」
遠野ハンナ「ぜえ、ぜえ、ぜぇ……!じ、じょじょ、じょおおおおおだんじゃありませんわああああああああああぁぁぁぁあああ~~~~~ッ!!!! なぁにが「詰んだ!無理かも!笑」(※迫真の声真似)ですの!!ふざけんじゃねーですわー!!元はと言えば!シェリーさんがエレベーターであんな余計なことをしなければこんな物騒なところに踏み込むこともなかったのですのよ!!? 」
橘シェリー「えー!だってだってー!気になるじゃないですかー!異世界エレベーターの謎、前々からずっと解き明かしたいって思っていたんですよー?既定の順番でボタンを押してエレベーターを上下させる…そうした開いた先に異世界へと降りることができる… そう信じてチャレンジしてみたら、奇跡的に実現したじゃないですか!私たち、ついに都市伝説の真相を暴いたんですよ!?だから褒めてくださ~い~!(ピョンピョン) 」
遠野ハンナ「だからって…扉が開いた先に広がっていたあの奇妙な「灰色の壁」にいきなり飛び込むなんて…危機感が全くなさすぎですわー!!あれはどう見たって踏み込んじゃまじーものだと誰にだってわかりますわ!!そしたら案の定…訳の分からない場所で気味の悪いロボットたちに追われて、この始末どう責任を取ってくれますのよー!! 」
橘シェリー「でもでもっ?ようやくロボットさんではない第一村人発見ですよ?(ユビィを指さす)こんにちはー♪事件があるところに私ありっ☆ どーも!橘シェリーちゃんでーす♪(暢気にユビィへご挨拶、と思いきや全然違う場所へ声をかけている) 」
遠野ハンナ「悠長に自己紹介している場合じゃありませんのよォーッ!ていうか、誰に向かって名乗りを上げていますの!?そっちはただの壁ですわー! 」
橘シェリー「画面の前の良い子の共犯者さんにですよー!(*⁰▿⁰*) 」
遠野ハンナ「共犯を起こして良い子なわけがないでしょうが!って、そんなことどうでもよくってですわ!! 」
ユビィ「おい、テメェ。あたしがチビだからって見えてねーんだろ?なあ?新手のイジリネタだろ?なあ? 」
遠野ハンナ「なんか怒らせちゃったじゃありませんの!!このおバカ!いきなり失礼が過ぎるじゃないですの!(シェリーの後頭部に手を回し無理矢理謝罪させて自分もぺこぺこ謝る) 」
機械生命体(信者)「 私タチモ「神」ニナル! \ 「カミ」ニナル! / 私タチモ「神」ニナル! \ 「カミ」ニナル! / (双方の通路から徐々に機械生命体たちが続出し、もはや完全に逃げ場などないほどに詰め寄ってきた) 」
ユビィ「…ちッ……!(数が増えてきた… 運悪く一般人もこんなところに紛れ込んできたみたいだし…あたし一人で庇いきれるかどうか……)(じりじりと後ずさりをしながら大剣を構え、背後に固まるハンナとシェリーを背にして直後の対応をどうするか思考を巡らせる)……あんたら、何とか隙を作るから今のうちに逃げな!つっても…あまり期待しないでほしいけどね…… 」
橘シェリー「心配ご無用です!私、天才名探偵なので!この危機的状況の突破口を明細な頭脳で解決してみせますよー!とりゃー!(*ˊᗜˋ*)(ボゴーン!と素手で機械生命体の一体を殴り飛ばす) 」
機械生命体(信者)「私タチモ「神」ニナr―――ボッグァァァアアアンッ!!(シェリーに殴り飛ばされた一帯が軽々と吹き飛び、後方に並んでいた他の機体を巻き込んで爆散した) 」
遠野ハンナ「プルプル… こんの…ゴリラ女ーッ!!どこが名探偵らしく解決してみせる!ですのよォーッ!やってることが野蛮すぎますわー!! 」
橘シェリー「知らないんですかハンナさん?名探偵はフィジカルも最強だって相場が決まっているんですよー!💪(ドヤッ) 」
遠野ハンナ「それは映画や漫画なんかでのお話だけですわ!貴女のそれは探偵の「た」の字もねー発想ですのよー!! 」
ユビィ「名探偵こっわ…… 」
中型機械生命体(信者)『 君タチモ「神」ニナル! \ 「カミ」ニナル! / 君タチモ「神」ニナル! \ 「カミ」ニナル! / (そんな時であった。破壊されていく機械生命体の軍隊に増援がゆっくりと押し寄せてくる。二頭身サイズの汎用機に加え、一回り大きな三頭身サイズの機体も数十体ほど出撃される。だが、更にその奥には――――)』
大型機械生命体(信者)「 皆デ死ンデ、「神」ニナル!! (―――それらよりも圧倒的なサイズを誇る巨大ロボまでもが繰り出されていたのだった)」
遠野ハンナ「ぴぇぇぇええええっ!?!!?あ、あ、あ……あんなデカいのもいるなんて聞いていませんわよーーーーーッ!!!!!!!!! 」
橘シェリー「う~ん…ちっこいのはともかく、あんなに大きなロボットさんを相手にするのはちょっとめんどくさそうですねぇ…。できないことはありませんが!なにごともやってみなくてはわかりませんしね!💪 」
ユビィ「おい今ちっこいのとか言ったか???アタシに言ったか???なあ??? 」
遠野ハンナ「なに張り合う気でいやがるんですの!!いくら貴女と言えども無謀ですわ!!馬鹿な真似をよしてここは大人しく何とか逃げ道を作って退散するに限りますわー!!><(前線に出ようとするシェリーを背後から羽交い絞めにし無理矢理引き下がろうとしている) 」
ユビィ「…っ……(けど確かに…状況はもっと最悪になってきている… 小さい雑魚だけでも数で押してきて厄介だったのに、あんな隠し玉まで出されたら…もうっ……)(敵の増援に現れた巨大機体を遠めに見据えると、微かな戦慄に体を震わせる) 」
三人の少女が無機質なロボットの大群に囲まれ、万事休すかと思われた、その瞬間(とき)であった―――
―――― ブ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ ン ッ ! ! ! (群れを成す機械生命体の最後尾から、眩いライトがエンジン音と共に差し込む。室内に響き渡るには違和感のあるバイク音は次第に高鳴り、ロボットたちを次々と跳ね飛ばして少女たちの下へ勢いをつけてドリフトを駆けながら急停止した)
音澄宙「 ス ッ ―――(割れた卵の殻のようなデザインをしたバイク「ライドワッター」から華麗に降りるのは、一人の青年であった)―――ハンナお嬢様!シェリーさん!ご無事ですか!? 」
遠野ハンナ&橘シェリー『 オトスミー!? / 音澄さん!? (どうしてここに!?と二人同時に驚愕を露わにする)』 」
音澄宙「ったく…やっと探しましたよ…!エレベーターの謎を突き止めに行くって言ってなかなか帰ってこないから、もしかして本当に異世界に行ってしまったんじゃないかって思えば… シェリーさんが置いてった手順方法のメモがなけりゃ、一生見つけられなかったぞ…! 」
橘シェリー「ごめんなさーいっ!(๑><๑)ゞ 」
遠野ハンナ「んもうっ…貴女ってば本気で反省しているのかしら…… それよりも…!助けに来てくれてほんとに安心しましたわ、音澄!こうなったらこんなところ、とっととごめんあそばせしたいところですけど… こんな状況で怪我人を置いていくわけにもいきませんわ…!(なんとかして!と乞うように音澄の服の裾をグイッと引っ張る) 」
音澄宙「はぁ……俺がいない間に面倒なことに巻き込まれやがって……(負傷しているユビィを横目に、ハンナたちに下がるように促す) ガサゴソ… バッ ―――― \ マイスドライバー! / (背負っていたリュックを下ろしてからあるものを取り出す。それは近未来的なデザインをした白い変身ベルト「マイスドライバー」。それを腰…ではなく、胸に当てることでドライバー本体から伸び出した帯が自動展開されて胸部に装着された) 」
遠野ハンナ「……!(音澄がドライバーを装着したのを確認し、何かを察したようにはっと目を丸くした)………コホンッ…!ネズミさんになるのでs――― 」
橘シェリー「―――ネズミさんになぁ~れっ♪🫵(*ˊᗜˋ*) 」
遠野ハンナ「ちょっとぉ!!!わたくしのセリフを横取りするんじゃねーですわァーーーーッ!!!(キーーーーッ!💢) 」
音澄宙「 ふッ… ( ス ッ ――― カ ン、 カ ン … ッ ! )(手にした卵型変身デバイス「ライドエグズ1」を右太腿に卵を割るような動作で二度叩き付け、ドライバー中央に装填する) カ シ ョ ン ―――― \ エッグリューション! / (バックル四隅の入力装置『ディレクトコンソール』のうち、左右一対を閉じてエグズを固定すると紳士的礼儀を彷彿とするような動作でしゃがみ込む) 」
音澄宙「 " 変 身 " (カ シ ャ ―― \ マウス! / ―― ン ッ ! )(残る上下一対のコンソールを押し込んでエグズを割った) 」
音澄宙 → 仮面ライダーマイス「 \ ネイズミーチーザー! / \ マ イ ス ! / (余裕たっぷりに右膝に頬杖をつく独特のシグネチャーポーズを取りながら、「子」(鼠)の十二支を冠する仮面ライダー『 マイス 』へと変身を遂げた) 」
ユビィ「ね……ネズミぃ…!? 」
遠野ハンナ「 『 マイス 』――― ですの (この瞬間、先ほどまでの慌てふためくような動揺は拭われた。マイスの姿が目の前に顕現されたことで、この危機的な状況の中で微かな希望を確信したかのように)――――― 音澄!存分に蹴散らしてやるのですわー!! 」
ピカスミー「お任せください、お嬢様!(訳:わんわんわん!わんわんわん!) 」
遠野ハンナ「キャーーーーーーーーーッ!!?!?!誰ですのこの不審者ァーーーーッ!!?!?!?(反射的にピカスミーにビンタをかます) 」
仮面ライダーマイス「 仰せのままに (背中で応え、余裕を含んだ足取りでゆっくりと前進していく) 」
機械生命体(信者)『 君タチモ死ンデ「神」ニナル! \ 「カミ」ニナル ! / (向かってくるマイスへ大群が一斉に突撃していく)』 」
仮面ライダーマイス「 いよっ―――ほッ――とァ――ふッ――――ッハ!! (最初の一体を裏拳で壁にめり込ませ、二体目を足払いで転倒させたところで蹴り飛ばし、三体目~五体目を巻き添えに爆散させる。六体目を右ニーキックで宙へ僅かに浮かしたところで左ストレートによって大きく殴り飛ばし、更に後方に潜む他機体に激突させて共倒れを狙う) 」
ユビィ「…あたし、も…――――ッ!(颯爽と前線を切り抜けていくマイスに続こうと身を起こしかけるが、蓄積された連戦によって開かれた傷口が余計に痛み、ついに流血してしまう) 」
遠野ハンナ「……!(ユビィの反応、そして彼女の負傷部に気づいて駆け寄っていく)……グッ、グッ…!っ…ダメですわ、わたくしの力じゃ…(何かを閃いたのか、突然ためらいもなく自分のドレスのスカート裾を無理やり破ろうと試みるが、か弱い少女に敵わない)シェリーさん!わたくしの服を一部だけ破いてくださいまし!はやくっ!! 」
中型機械生命体(信者)『 死後ノ世界ハスバラシイ!死ヌコトコソガ最後ノ平穏ナノダ! 死ンデ「神」ニナレ!ミンナデ「神」ニナロウ!! (三頭身サイズの機体が複数体、マイスを取り囲むように襲撃する)』
仮面ライダーマイス「しまった、囲まれた…!(四方八方、退路を塞がれて動揺する…)―――― なぁんてな (と見せかけると、鼠の尾のような長いマイステールを天井に向けて伸ばし、複雑に入り乱れるダクトに掴まって宙吊り姿勢となることで襲撃を回避する)狭い場所は俺には有利だ。なんたってネズミだからな!( \ マイスエッジ! / )(卵の形状に近い丸い専用武装「マイスエッジ」を手繰り寄せる) よッ!はァ! (ザギィンッ、ガギィインッ!!)(短いリーチながらも鋭い斬撃性を備える青いブレードで真下にいる機械生命体の首を的確に切断。そのまま尻尾で助走をつけながら華麗に着地する) 」
二コイドウ・ヒロビン「この合唱は正しくない……正しくないわ!悪魔はタヒね!悪魔はタヒね!!(振り上げた火かき棒でロボを殴る。痛くないロボ) 」
故障した機械生命体(CV:田中真弓)「ロビーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!逝きたいと、言えーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!! 」
二コイドウ・ヒロビン「逝゛き゛ た゛ (くな) い゛ ッッッッッッッ!!!!! バス ( 首が飛ぶ) 」
橘シェリー「……!そういうことですね!わかりましたー!(ビリィッッッッッ!!!!!)(破く!ドレス!!思いっきり!!!) 」
遠野ハンナ「ちょっとォーッ!破けとは言ったけれどやりすぎですわーッ!!わたくしが破廉恥になってしまいますわッ!!ま、まあ…!大は小を兼ねると言いますし、とりあえずこんなもんでいいでしょう…!(シェリーが破いてくれたスカートの切れ端を包帯代わりにユビィの負傷部位へ手際よく巻き付けていく)……これでヨシ、ですわ! 」
ユビィ「……(ハンナに止血を施され、困惑しながらも彼女たちを見上げる)……どうして、あたしのことなんか…… 」
橘シェリー「人助けに理由なんていりません!困っている人がいたら手を伸ばす…それが名探偵として当たり前のことです!(*ˊᗜˋ*) 」
遠野ハンナ「名探偵云々以前に、"人間(ひと)"として!ですわ…!わたくしたちは、不可思議な事件を解決する中で多くの人たちを助け、そして助けられてきましたの。人と人のつながりが、巡り巡って返ってくるものですわ…♪ 」
ユビィ「助け合い…… っは…そんな、バカバカしいこと…―――― 」
橘シェリー「でもでも~っ?貴女も"そう"しようとしていたんじゃないんですか?そんな傷だらけの体で、たった一人で無茶なんかしようとして! 」
ユビィ「……!そ、それは…っ……(思わず目を背ける) 」
橘シェリー「事件は、決して自分ひとりの力じゃ解決できません!誰かの手を借りなければならないことだってあるんですよー!私だって、ハンナさんのサポートがなければかなり苦戦しちゃいますからね~…!(๑><๑)ゞ 」
遠野ハンナ「どっかのゴリラ女が暴力だけで解決しようとしやがるもんですから、必然的にわたくしが止めに入らないといけねー状況なんですわ!今はオトスミーのお陰で負担はかなり減った方なのですけど…ネ!(ギロリッ) 」
橘シェリー「てへっ☆(๑><๑)ゞ 」
ユビィ「………(今日(こんにち)まで自分以外の誰かを信用しようとはしなかった。けれど、この大会での試合を通じ、様々な人間の闘志を目にし、そして触れることで、間違いなく自分の視野が広がったことは確かである。意識こそしていなかったが、今こうして事件の渦中に自ら身を投じたのも、あるいは、きっと―――――) 」
大型機械生命体(信者)「 君タチモ死ンデ「神」ニナルノダー!ミンナデ死ンデ「神」ニナロウ!!カミ!カミ!カミ!カミ!カミ!カミィィィィィィイイイイーーーーーーーーーッ!!!! (大きな剛腕をぶんぶんを振り回し、味方であるはずの他機体をも巻き込みながらマイスに殴り掛かっていく)」
仮面ライダーマイス「おっとッ…!(振り回される巨大な腕から緊急回避する) 悪いが、そろそろ決めるぜ―――― \ エッグシード! / (その場で側転を行い膝を突く待機姿勢と共に回し車のようなエネルギー体を生成。高速で回転し始め、最大速度に達した所で特攻していく) っはァ!! (回転を利用した全力疾走による突撃で大型機械生命体を上空へと跳ね飛ばすと同時に自身も跳躍する) 」
仮面ライダーマイス「――――― はああぁぁぁぁあああーーーーーーッ ! ! ! ( \ マウス! / \ セパレード!! / )(激突の衝撃で砕け散ったエネルギーウィールを右足へと収束させながら大型機械生命体へ目がけて急加速降下し、高速のライダーキック"マウスセパレード"を叩き込んで貫ける) 」
大型機械生命体(信者)「カミカミカミカミカミカミカミカミカミ カ ミ ―――― ズ ボ ッ ガ ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (狂喜乱舞に両腕を高速回転させるが、間隙をマイスに突破されてしまい、そのまま全身を貫かれたことで跡形もなく盛大に爆散した) 」
仮面ライダーマイス「……ふぅ……!(すべての機械生命体を一掃したことを確認し、彼女たちのもとへと駆け寄っていく)こっちは全部片づけたぜ。あとは元の世界へ帰るだけだ。シェリーさん、帰る方法はわかるんだよな? 」
橘シェリー「わぁ♪さっすが音澄さん!まあ?私だけでも十分だったかもしれませんが、一応感謝します!…え~っと、はいっ!大丈夫です!たぶん!きっと!絶対……?? 」
遠野ハンナ「急に不安になってきましたの……本当に無事に屋敷に帰れるのかしら…… 」
橘シェリー「大丈夫ですって~!異世界に行けたんですから、元の世界に戻ることなんてきっとなんとかなります!さっ、もう帰りましょう!٩( ˶˙ᴗˆ˶ )و(来た道を戻るようにスキップしていく) 」
仮面ライダーマイス「あ、おいっ…!その前に変身解いてくれって…!おーーーーいッ!!晩飯抜きにするぞ~~~~ッ!!(シェリーを追いかけていく) 」
遠野ハンナ「やれやれ……困りましたこと…(花の扇子を口元に当てながら二人に続こうと歩き出したところで、ふと歩みを止めた)……そういえば、まだ名乗っていなかったですわね。わたくし、遠野ハンナですの。貴女なのお名前を聞いてもよろしくて? 」
ユビィ「……ユビィ。ルドナ・ユビィ。その………このお礼は、いつかきっと返す。(血が滲む切れ端をぎゅうと押さえつけながらハンナを見上げる) 」
遠野ハンナ「そう…ユビィさん。ええ、またどこかでお会いしましょう。それでは、ごめんあそばせ…♪(お嬢様らしくスカートの裾を摘まみ上げながら一礼し、エレガントに踵を返していく) って、こらーーーーーーーーーッ!!!お二人ともわたくしを置いていくんじゃねーーーですのよーーーーーーーッ!!!💢💢(せっかくのエレガントが台無しな奇声を上げて追いかけていくのだった) 」
ユビィ「………(奇妙な邂逅であった。もしかするともう二度と会えないかもしれない。にもかかわらず、「いつかきっと」と口走ってしまったのは…先の少女たちの言葉に触発されてしまった影響なのだろうか。この時の自分は、まだえも言えないこの感情の正体を掴めずにいたが―――)――――― ふっ (張りつめていた表情が、自然と綻ぶのだった) 」
最終更新:2026年10月08日 19:49