鳥打ち作戦

鳥打ち作戦(オペレーション・バードショット)


7年前に終結した大規模作戦。また、その作戦における一連の軍事行動の総称。別名宵夜烏喙(ヨイヤウカイ)討伐作戦。

模範的かつ極めて優秀な魔導騎士であり、その名を輝かしい歴史に刻む―――と目されていた伐刀者にして重犯罪者、旧姓を宵夜鶯……ウェスペル・ルスキニアの実父の宵夜烏喙(ヨイヤウカイ)という魔導騎士がいた。
8年前、彼の妻が泥酔した一般人から集団暴行を受け死亡。これを境に『一般人など伐刀者が守るに値しない存在だった』と考えるようになり、一般人を無差別に大量殺戮するようになったのが事の発端。

最終的に、魔導騎士側が大打撃を受けつつもこれを鎮圧、現在は無期懲役刑で獄中生活。既に固有霊装生成機関を摘出されたとの事だが―――

この事件は当時の魔導騎士、ひいては伐刀者への社会的地位を貶めることとなり、世間から数多くの批判が集中する事となった。
また、烏喙自体が極めて優秀な伐刀者であったため、作戦による負傷者と死傷者が数多く発生し、当時を生き抜いた魔導騎士の多くが凄惨な事件としてこれを語りたがらない。
この件を原因に魔導騎士を辞めた者や、烏喙の思想にあてられて同じく犯罪者へ身をやつした者、これを切っ掛けとして大きく躍進した魔導騎士も決して少なくない。

余談だが、事件の終わりから終結後にかけて復讐心に駆られ暴徒と化した民衆が烏喙の血縁者を手当り次第に特定し、ルスキニアを除く全ての血縁者が皆殺しにされる事件が発生した。
事後処理に奔走する連盟が辛うじて殺される寸前で宵夜鶯のみ庇い立てる事に成功し、これを理由に彼女は名をウェスペル・ルスキニアへと改める事となる。


  • 宵夜烏喙(ヨイヤウカイ)
+ ...
この作戦における重要人物にして、魔導騎士の歴史に名を残す大罪人。
旧姓・宵夜鶯、現ウェスペル・ルスキニアの実父であることは当時の情勢を鑑みて公的機関に対して頑なに伏せている。
一般人に妻を殺されてからは『伐刀者がこいつらを守る価値などない』と吹聴し、力なき者たちの醜悪さを語りながら一年に渡って見境のない大量殺戮を繰り返した。
妻との婚約は魔導騎士でも珍しくない、所謂"優秀な伐刀者の遺伝子を残すため"―――有り体に言えば政略結婚のような形なのだが、殺されてこのような凶行に及ぶ辺り相当の思い入れがあったのだろう。
彼の言論は当時の世間に大きな衝撃を与え、元より過激な選民思想を持っていた者たちには持て囃される事さえもあったほど。
本来ならば歴史に名を残す偉大な魔導騎士となることを期待されていた逸材であるが、奇しくもそれは罪人としての形となった。
前述の事件により、彼の血縁者は世界に一人しか残されていない。

  • 固有霊装
+ ...
固有霊装(デバイス)】始原混沌Nun BR(ヌン・ブレイク)(ナンバー)

【伐刀者ランク】A

【攻撃力】B

【防御力】A

【魔力量】?

【魔力制御】A

【身体能力】A

【運】B

【始原混沌Nun BR】
シゲンコントン ヌン・ブレイク(ナンバー)。原初の水として崇められるエジプト神話の神"ヌン"と"ブレイク"、或いは"番号"を暗示する固有霊装(デバイス)

かつての彼は"誰かのためになる事をしたい"という、動機としてはありふれて―――"主体性のない"願いを持っていた。
これが【誰かのためなら何でもできる】という形として発現し、己そのものを変化させる固有霊装―――【始原混沌Nun BR】になった、と今では推測されている。
学生時代はさほど強力ではなかったらしいが、魔導騎士として働き出した次点ではその頭角を現しており―――"絶望に至った時、限界を破った"。
"誰かのため"の"誰か"とは、即ち―――"自分だった"という自覚を経て、固有霊装は完成へ至る。

その能力は【身体変化】であると推測されており、特に愛用しているものは、スライムのような液状生命体としての姿。
生半可な物理攻撃を無力化し、相手の僅かな隙間から身体の一部を入れ込んで"脳内で変質させて即死させる"という防衛手段が少なく強力無比な攻撃を行う。
魔導騎士相手に手酷い被害を与えたのも大概これのせいであり、第一回鳥打ち作戦での手痛い敗北もこの攻撃手段を知らなかったのが理由である。
未だ完全な解明が成されていない固有霊装であり、烏喙が決して口を割らないためにどの性質も憶測の域を出ない。

過酷すぎる運命が故か、最終的な魔力量は測定不能なほど。
捕縛されてなお、その所業は連盟の歴史に深々と刻まれ、今も大きな汚点の一つとして苦々しく語られる。




以下は鳥打ち作戦(オペレーション・バードショット)における主だった軍事行動



・第一回鳥打ち作戦


宵夜烏喙の戦力を甘く見た魔導騎士が、戦力配分を見誤り大失敗した第一回作戦。別名鳥衝突(バードストライク)

元より攻撃手段が自由であり、固有霊装の強さをほとんど理解できていなかったが故に起きてしまった事故のような事件である。
殺戮行為を行う烏喙を包囲し、袋小路へと追い込んで捕縛することが目的だったものの、作戦参加者の殆どが突如として脳を損傷して即死、まんまと取り逃がした。

奇跡的に一命をとりとめた者もいるが、参加者の過半数が死亡する過去最低の作戦として記録されている。
作戦の指揮者は責任を取り首になったと世間に公表されたが、真実は定かではない。


・第二回鳥打ち作戦


第一回において類を見ない失敗を重く見た連盟が、宵夜烏喙への対策を講じるためにその固有霊装の攻撃手段や性質を探るべく決行された偵察作戦。別名野鳥観察(バードウォッチング)

烏喙の目撃証言が相次ぐ地区から民間人を避難させた上で完全封鎖し、諜報能力に優れた伐刀者のサポートを付けつつ少数の戦力を小出しにする形でぶつけ、手の内を探りつつも可能であれば撃破および捕縛、ないし殺害を狙ったもの。
前回で行った包囲作戦が瞬く間に全滅させられたのを受け、大人数での交戦を徹底して避け、交戦した伐刀者が危機を感じた場合には即座の撤退が許されていた。
死傷者や負傷者は決して少なくないが、第一回に比べれば可愛いものである。

結果として烏喙を捕縛する事は叶わなかったものの、数週間をかけてどうにか手の内を暴くことには成功した。


・第三回鳥打ち作戦


第二回によって得られた情報を元に、怒り心頭の連盟が全力を以て宵夜烏喙を討伐するために乗り出した大規模作戦。別名鳥猟戦(バードハンティング)

伐刀者でも指折りの実力者のみを招集し、烏喙が主に用いた"体内へ自分の一部を潜り込ませる必殺の攻撃"を防ぐ手段を持つ者や、これを防げる者をサポートに付けた強力な伐刀者の少数精鋭で行われた最終決戦である。
第二回から数ヶ月かけて烏喙の行動パターンを計測し、状況や周辺地理を鑑みて最も討伐の見込みがあるタイミングを見計らい、念入りに準備された。
他の諸機関とも密接に連携を取っての大捕物となった。

烏喙の抵抗も激しく、相応の被害は出たが辛くもこれを撃破。生きたままの捕縛に成功し、鳥打ち作戦(オペレーション・バードショット)は完了となった。


※以下追記自由
以下は鳥打ち作戦(オペレーション・バードショット)の参戦者

当時24歳、Aランクの伐刀者。

当時27歳。西舞学院10期生のOGでBランクの伐刀者。
+ ...
【伐刀者ランク】B

【攻撃力】C

【防御力】A

【魔力量】D

【魔力制御】B

【身体能力】A

【運】D

当時27歳。西舞学院3期生のOGでBランクの伐刀者。
魔導騎士部が何度も全国大会で優勝した時代の主将。
+ ...
固有霊装(デバイス)

【伐刀者ランク】B

【攻撃力】B

【防御力】A

【魔力量】A

【魔力制御】B

【身体能力】A

【運】D

当時26歳。西舞学院6期生のOGでBランクの伐刀者。
洋己とは学院在学時からの親友。

当時24歳。西舞学院3期生のOGでAランクの伐刀者。
博鷹学院の顧問を務めている。
+ ...
固有霊装(デバイス)

【伐刀者ランク】A

【攻撃力】A

【防御力】A

【魔力量】C

【魔力制御】A

【身体能力】測定不能

【運】A

当時24歳。西舞学院4期生のOGでAランクの伐刀者。
+ ...
固有霊装(デバイス)

【伐刀者ランク】A

【攻撃力】C

【防御力】A+

【魔力量】A

【魔力制御】A

【身体能力】B

【運】B

当時21歳。西舞学院8期生のOGでAランクの伐刀者。
+ ...
固有霊装(デバイス)

【伐刀者ランク】A

【攻撃力】A++

【防御力】B

【魔力量】A

【魔力制御】D

【身体能力】A

【運】A

  • ゴルディン・ラザフォード(魔導騎士)
当時23歳、Aランクの伐刀者。



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最終更新:2024年05月14日 00:36