菫髪の少女「スス…(街中の大通りに面したカフェのテラスで一人、本を片手に紅茶をすすっている)」
ヒロ「…ふわぁ…寝過ぎたなこりゃ(ガムを噛みながら大通りを歩いている) 」
菫髪の少女「……(読書に没頭しているためか、大通りを行き交う人々の姿を歯牙にも欠けていない) 」
メモリア「・・・外出許可がもらえたはいいものの、どこへ行けばいいやら・・・。(どこへ行こうか迷いながら、適当にぶらついている) 」
♪~♪~(店内から心地の良いボサノバが流れる)
メモリア「・・・この曲、ボサノバ・・・でしょうか。(店から聞こえるボサノバに目をやると、少女が目につく) 」
ヒロ「…ん?(菫髪の少女の方に目が行く) 」
菫髪の少女「………?(ティーカップを皿の上に置き、手元にあったオレンジ色のケーキを食べようとフォークを手にした時、二人の視線に気づいた)……くす…(二人に優しく微笑みかける。少女とは思えないほど大人びたその所作は、どこか妖艶な雰囲気を醸し出している) 」
メモリア「・・・どうも。(微笑みに対して礼儀正しくお辞儀する)このボサノバ・・・できれば私も演奏したいけれど、主治医に演奏は駄目だと強く言われたし・・・くぅっ。(演奏したい衝動を必死に抑えてる) 」
ヒロ「…やぁ、こんばんはっ!(微笑みに対して笑顔で返す) 」
菫髪の少女「こんばんは。(二人に叮嚀に会釈を返す)あら、もしかして奏者の方なのですか?(メモリアの様子を舐めるように見ながら問いかける) 」
メモリア「ええ、趣味でアコーディオンを演奏しているのですが・・・最近、体の調子を崩してしまいまして、入院生活なんです、外出許可をもらったんですが演奏はしてはいけない、といわれて・・・。(苦笑い) 」
菫髪の少女「まあ、それはお気の毒に…。…そうね…是非一度、貴方の奏でる音楽――――お聴きしてみたいわ。(口元に手を当てくすりと微笑む。その表情に、メモリアには何か惹かれるものが感じられた) 」
ヒロ「ねねねー、そのケーキって美味しい?(少女に)あ、メモリアじゃん(メモリアに) 」
菫髪の少女「ケーキ?…ああ、これ… …ええ、私の大好物なのです。パンプキンケーキってご存知です?(夕日の如く綺麗なオレンジ色を帯びたケーキの乗った皿を持って、ヒロに見せる) 」
ヒロ「パンプキンケーキ…へぇ、かぼちゃ好きなんだ!…めっちゃ綺麗な色のケーキだ…(ケーキを見て) 」
メモリア「どうも、ヒロさん・・・こんばんは。(お辞儀する)ええ・・・本当なら、今すぐにでも、演奏したいところなんですがね・・・。(・・・うん、コレは・・・?)(惹かれているのは感じているがそれがどういう感情かよくわかっていない顔) 」
菫髪の少女「ええ、とっても大好きなんです…!とくに、私の住んでいる街にある行きつけのカフェには…もっと美味しいケーキがございますの。(胸元に両手を添え、嬉しそうに笑む)…貴方の平癒をお祈りします。(メモリアの方に体を向けてお祈りする) 」
メモリア「・・・お祈り、というものでしょうか・・・。(お祈りを見て、これがそうなのか、みたいな表情) 」
ヒロ「へぇ、そんなカフェが近所にあるんだ!今度行ってみたいなぁ…(キラキラした目で菫髪の少女に) 店員はーん!パンプキンケーキ1つ!(店内に向けて叫ぶ) 」
菫髪の少女「(腕時計の時刻を一瞥)あら、もうこんな時間… …そろそろキュラリア(街名)の方へ帰りますね。(席を外そうとする)私の街に、今度いらしてはどうでしょうか。(微笑みながらヒロに) 」
メモリア「次にお会いできた時は、きっと一曲、演奏して見せましょう・・・私の名前はメモリアです。(少女にそう言い、帽子を取ってお辞儀) 」
ヒロ「うん、そうしたいね!キュラリア…だっけ?今度行くよ! …そういや名前がまだだったね、俺はヒロ!君は?(菫髪の少女に)」
菫髪の少女→玲華「ふふっ…それは楽しみです。 私の名前は「西園寺玲華」(さいおんじ れいか)――――――以後、お見知りおきを。(両手でスカートの端を軽く摘み上げ、会釈する。その際、僅かに揺れた菫色の艶のある美髪から香る甘い匂いが、メモリアの鼻をくすぐった)…それでは、また会う日まで、御機嫌よう。(二人に向けて微笑みながら会釈し、本を両手に抱えて大通りを行き交う人々に紛れて消えていった) 」
メモリア「また、いつか・・・。(鼻に残るその香りに、少し鼻をすする)あの感覚は、何だったんだろうか・・・。(惹かれたときの感覚を含め、胸に残る不思議な気持ちに困惑する) 」
ヒロ「ん、またねぇ、玲華ちゃん!(玲華を見送る)…ん?どうした?(メモリアに) 」
メモリア「・・・いえ、特に何でもありません。(首を横に振る) 」
ヒロ「…そうか…あんま無理すんなよ?この前倒れたばっかなんやから!(メモリアにそう言うとパンプキンケーキを食べ始める) 」
セルド「(大通りの人混みから抜け出し、皆のいるカフェテラスに入って席に座る)ふぅ…ようやく一休みだな…ああ、アイスコーヒーで――――あれ、アンタら。(皆の姿に気が付き、きょとんとして声をかける) 」
メモリア「そうですね、無理は禁物・・・これ以上体を壊して、セルドさんに心配をかけるのも良くないし、あの子(
ニシル)に曲を聞かせられなくなるのも良くない・・・。 」
メモリア「おや、セルドさん・・・。(声をかけられて振り返る) 」
ヒロ「…ん、おぉセルドか…偶然だな(セルドに)そうそう…ところで、一体何の病気なんだ?曲を奏でた時に倒れたけど‥(メモリアに) 」
セルド「ああ、どうも。この間会いましたよね(席を立ち、友好的な表情でフォールに) おいメモリア…体は平気なのか?心配してたんだぞ(片手でネクタイを緩め、メモリアに) うん、まさかアンタたちがここに居るなんて驚いたぞ(口元で笑ってヒロに) 」
メモリア「病気…ではなく腹部の強い損傷、との診断でした。(ヒロにそう言い、腹部を気にかける)ご心配をかけてすいませんでした、主治医に外出許可を頂いたので大丈夫ですよ。(セルドに微笑み) 」
セルド「……まぁ、そういうことならいいけどさ。あんまり無茶はするんじゃないからな(苦笑してメモリアに) 」
メモリア「ええ、主治医から演奏も固く禁じられているので、無茶どころかやりたいこともやれませんし(苦笑い)」
セルド「そ、そうなのか…?そいつは辛いだろ…早く良くなるといいな(眉が心配そうに下がり、メモリアに) 」
メモリア「重低音とか、酷く腹部に響きますしね…(ヒロ言われて苦笑い)完治もそうかからない、と言われましたし安心です。(セルドに笑いながら言う、嬉しそう)」
セルド「ああ、またお前の演奏が聴きたいからな…楽しみにしてる。(メモリアに)」
メモリア「期待に応えられるように、しっかりと治しますね。(にこ) 」
セルド「ああ、しっかりな。療養は患者の義務だ(メモリアに笑みを返す)」
ヒロ「あぁ、一休みねぇ…てっきり弁当のデザートにケーキでも食べようかなって考えてたと思ったわ(セルドに)」
メモリア「しっかりと完治、させますよ。(ぐっ、とガッツポーズで意気込む)」
セルド「…っと、ヤバい。そろそろ休憩も終わりにしないとな…それじゃあなアンタら!(席を立ち、小銭をテーブルに置いてその場を去る)」
メモリア「さようならセルドさん、次会うときは、きっと演奏してみせましょう・・・。(軽く手を振る)」
玲華「あむ…(キュラリアの街のカフェテラスにて一人、黄金色のフォークでケーキを一口分に割って食べる)……(満足そうな笑みを零しながら噛み締めている) 」
デッドプール「キュラリアってどういう意味なのか分かんなくて検索してたもんだからすっかり遅れちまったぜ…なるほどなるほど舞台の名前ね、やっべー何この上品かつおフランスな雰囲気(おとなりのテーブルでコーラ入りのグラス持ってる) 」
【こんなところでチミチャンガなんて頼もうもんなら間違いなく雰囲気が壊れるな。誰かケーキ以外でアイデアくれ】 」
『メキシコ風春巻きなんてどうだ、チミチャンガを言い換えた料理』 」
【却下、ここはメキシコじゃねえよ】 」
玲華「……?(テラスには自分以外は誰もいないと思っていたのか、少しきょとんとして背後のデッドプールの方へ振り替える。そして「こんばんは」と会釈する) 」
デッドプール「脳内会話はこれぐらいにしてそろそろ掛け合いと洒落込むか! ちぃーっすこんちはデッドプールでーす、こんな時間にお茶会?誰か待ってんの?(挨拶に応えるように手を振りながらテーブルに近づく) 」
玲華「いえ、ただ寛いでいるだけですよ。(少女は思えない、その大人びた表情で優しく微笑みながら) 」
セルド「(キュラリアか……小洒落た街だ、嫌いじゃない雰囲気かも)(片手の地図を持って通りを歩いていたところ、テラスにいる玲華とデッドプールが目に留まる)ああ、もしもし。少しいいですか?(二人のもとに歩み寄る) 」
デッドプール「くつろいでんの?自分の時間を楽しんでる感じとは思わなかったな…確かにここいい雰囲気だしね、チミチャンガ食べてもなんとも(ry) ちぃーっすご注文はおきまりですかァーーッ(ペンとメモを持ってセルドに近づく) 」
『さながら気分はウェイター』
【おまえのようなウェイターがいるか】
玲華「…?(セルドの方へ振り返る。彼女の目がセルドを捉えた途端―――――セルドには、玲華のその妖艶な雰囲気に惹かれるものがあった)…はい、なんでしょう。(にっこりと微笑みかけ)あら、そうですか?こう見えても、一人の時間をとても楽しんでいるのですよ。(ふふふと笑いながら) 」
メモリア「ここがキュラリア…ですか(大分軽い足取りで歩いてくる) 」
デッドプール「 しかも一人の時間をとっても楽しんでる?くつろぐときたかー、一人が寂しくて死んじゃう俺ちゃんには羨ましい限りだね!てゆーか今の俺ちゃん、知らないところに踏み込んで知らない奴等に出くわしてる疎外感がパネェ!! 」
『心配ない、脳内会話の俺たちがいる』
【脳内だから実質一人だな】
♪~♪~(店内から、昨日のとはまた違った心地の良いボサノバが流れる) 」
セルド「こ、ここの従業員だったのかアンタ!?(白目 デッドプールに驚愕) ……っ。(う、お。綺麗な人だな……)(思わず息を呑み、背筋が伸びる)すみませんね、助かります。ここ近辺にあるオススメのー…そう、レストランやカフェを教えてほしくて(友好的な表情で、各所に印がついた街の地図を見せる) 」
セルド「お……メモリアじゃないか!本当に奇遇だな(驚きが混じった笑顔で) 」
デッドプール「俺ちゃんも出番が欲しいからね、従業員とか店員とかそういう役割的な出演だってありじゃん?何も言わないんなら水だけもってくるねー(セルドにそう言いつつ、ぴょいーんと移動) 」
メモリア「どうも、セルドさん。(お辞儀する) 」
玲華「あら、メモリアさん。(メモリアを見つけ少し弾みの入った調子で)いらっしゃったんですね。……大分足取りも軽くなったようで、お祈りが効いたようですね。(メモリアの様子を窺い、嬉しそうに笑う) くすくす…(デッドプールとの会話が楽しいようで、先程から笑みが絶えない様子)あら、そうですねー…レストランであるなら、こちらの方はメニューが豊富で… カフェテリアなら、この辺りにもお勧めのお店がたくさんありまして…(セルドの持ってる街の地図をいろいろと指しながら)…もしかして…こちらの街へは初めて訪れたのですか?(セルドに) 」
ヒロ「キュラリアってここだよな…カフェってのはどこだろう…?(歩いてくる) 」
デッドプール「 知らない人との会話も楽しめるクチだ!すっげーわーアンタ、突然の来客でもものともせずだわー…(玲華に謎の驚愕) らっしゃーせーなんか舞台っぽいカフェはこちらになりまーす☆(ヒロをカフェテラスへ引き込む) 」
メモリア「ええ、もう完治も近いらしくて、服薬治療で大丈夫だ、と言われました。(嬉しそうに玲華に語る) 」
セルド「いや…それは失礼しました、ありがとう(移動していったデッドプールに会釈する) まさかキュラリアで会うとはなぁ(感嘆を含む語調でメモリアに) へぇ、なるほど……そうか…(相槌を打ちながら地図に印をつけていく)…あはは、実は。ちゃんと街の中を見て回るのは初めてで(苦笑しながら玲華に。更に遠方へ行く時に通過したことはある様子) 」
玲華「ええ、まあ…この街にいらした方は何方でも歓迎いたします故に。それに、人と関わるのは嫌いじゃないですしね。(苦笑しながら)容態は良くなってきているのですね、よかった…。(メモリアの発言を聞き、ほっと胸を撫で下ろす)あら、ヒロさんもいらしたのですね。こんばんは。(ヒロに軽く手を挙げながら微笑みかけ)ああ、そうだったのですね。では、私がいろいろご案内を…と、したいところですが…生憎この時間帯となればカフェテリアくらいしかないですね…。(苦笑しながらセルドに) 」
メモリア「キュラリアという街の名前は、旅をしている関係で何度か聞いたことがあったので来てみたいとは思っていたんですよ、丁度退院もできた事ですしね。(セルドににこ、と微笑みながら語る、足取りが軽いのは退院したから) 」
メモリア「完治もあと僅か、また曲も演奏できるようになりました。(玲華にそう語る表情は、まるではしゃぐ子供のよう) 」
ヒロ「…ファッ!?(引き込まれる)…やぁ、玲華ちゃん!こんばんは!やってきたよ!(ニコッと玲華に) 」
玲華「まあ、それは良い事です。(そう笑い、メモリアの手をとる)では…最後のお祈りです。(メモリアの手を優しく摩る。その所作はまるで女神のように、見る者の心が洗練されていくようだった)ようこそいらっしゃいました。こちらの街には美味しいところがたくさんございますので、明日の明るい頃にまたお出でて見てください。(ヒロに) 」
セルド「それはすごく助かる…んですが、やっぱりそうですよね。今のお話だけでも助かりましたよ(肩を竦めて苦笑)しかしまぁ…良い街だ、どうして今まで立ち寄らなかったんだろうな…(景観に目を向けてつぶやく) 退院…したのか!良かったなぁ…おめでとう、今度何か振る舞うよ(表情に明るみが差してメモリアに) 」
玲華「くすくす… …この街はとても広いですし、何よりいろいろなお店や名所もありますので、一日で歩き回るのは難しいでしょうね。世界政府非加盟国の中にある街ですので、治安が悪いのでは?と、よく訪問者からもお聞きますが…そんなことはありません。ここに住んでいる方も皆、とても優しい方ばかりですよ。(セルドに) 」
メモリア「これは…(まるで心が洗われるような、…)(その感覚に少々戸惑うが、受け入れる)では宣言通り、大盛りのお弁当でも頂きましょうか!(セルドににこり)」
ヒロ「うん、そうだねぇ!明日になったら食べ歩きでもしようかな!…じゃあまずはここのカフェでなんか食べさせてもらおうかな…(…やっぱかわええなぁ)(玲華に) 」
玲華「すりすり… ……あら、メモリアさん…いかがなされましたか?(メモリアの戸惑いの表情を覗き込み)では、ヒロさんには…そうですねぇ、ショコラタルトなんてどうでしょう?男性の方にとても人気なんですよ。(ヒロに微笑み) 」
セルド「治安が悪いこともない…のか。民度も高いとなると…ああ、聞けば聞くほど素敵な街ですね。(思わず笑みをこぼす)…そうだ、自己紹介がまだだった…俺はセルドって言います。 ほ、本当にそんなのでいいのか?!何ならメモリアの好きな料理でも作るんだけど…(驚いてメモリアに) 」
ヒロ「…お、やぁセルド!おひさー!(ぇ(セルドに)メモリア、調子はどうだい?(メモリアに)そうなんだ!じゃあそれをいただこうかな!(ニコッと玲華に)ショコラタルト1つー!(店内に向けて叫ぶ) 」
玲華「(セルドが挨拶した後、ゆっくりと席から立ち上がる) 私の名前は西園寺玲華…以後、お見知りおきを。(両手でスカートの端を軽く摘み上げ、会釈する。僅かに揺れた艶のある美髪から香る甘い匂いが、セルドの鼻をくすぐった)ええ、とても素敵な街ですよ、キュラリアは… …ですが―――――― 」
メモリア「いえ…何というか、…こうやって女性のお方に触れるのは、如何せん人生の中で一度たりとも経験したことが無くて…(苦笑い)私はセルドさんが真心を込めて作ってくれた料理なら、何でも嬉しいですから。(にこり)こんばんは、調子は良好です。(お辞儀してから話す) 」
玲華「そうでしたの… …では、私がメモリアさんに触れた最初の人だということになりますね。(くすくすと微笑みながら)これからたくさんの女性の方との出逢いがあるでしょう…その時に、女性の手を取ってエスコートしてみてください。メモリアさんなら、良いジェントルマンになれますよ。(メモリアの手を離す) 」
セルド「うん、ヒロ―――え、えぇっ!?…えっと、き、昨日会ったばかりだぞ…!(白目) 玲華…さん。(鼻孔に残る甘い香りに惹かれる)(お、思わずさん付けしたくなる方だな…)えぇ、本当にそうでしょうね………?(玲華の言葉を待つ) そう、か…アンタは本当に嬉しいことを言ってくれるなぁ…よし、誠心誠意真心込めて作るから楽しみしてろよ(歯を見せて笑い、グッとサムズアップする) 」
玲華「この街の西にある、『裏街』(ブラックゾーン)への立ち入りは禁止されていますので、お気を付けください。あそこには、それはそれは恐ろしい狼藉者たちがたむろしています故… …――――≪アリゲーター≫という名を、ご存知ですか?(改まった表情でセルドに) 」
メモリア「ジェントルマンだなんて、そんな…(帽子を顔の前に持ってきて、恥ずかしがる)ええ、楽しみにさせて頂きますね。(にこり)…裏街…? 」
セルド「……『裏街』。(僅かに瞼が降り、眼を細める)いいえ、聞かない名前ですね(玲華に) 」
玲華「この際です、初めての三人にはご忠告しておきます。…アリゲーター…それは、この街の面汚しとなるギャングです。彼らは裏街の狼藉者たちを統括し、夜の街へと繰り出しては住人たちからカツアゲをしたり、暴行を加えたりなどの悪事を働いているのです。 」
ヒロ「…裏街、か…(つぶやく)よっしゃ!そりゃよかった!また今度聞かせてくれよ!(メモリアに)あ、そうか…すまんすまん!昨日ぶりだな!(セルドに)…へぇ、こりゃ美味そうや…(ショコラタルトを口にする) 」
メモリア「ギャング・・・あまり、穏やかではないですね・・・。(少々身震いする)ええ、そうさせていただきますね。(にこ、とヒロに微笑む) 」
ヒロ「…美味い!(テーレッテレー!)(ショコラタルトをどんどん食べる)…アリゲーターか…ひでぇ奴らだな… 」
セルド「(さて、振る舞うメニューはどうするかな…)(思案顔) あはは、まぁいいんだけどさ(苦笑してヒロに) ……それは、許せないな。悪質すぎる…誰かがそのアリゲーターに対して手立てを講じたりしたことはあるんですか? 」
メイド服の少女「―――――ボク知ってるよ♪(セルドの背後から活気ある幼い少女の声が弾んだ) 」
玲華「ええ、そうです…。(三人に対し深刻な眼差しで)ですが、この街には――――――あら?(メイド服の少女を見て、先程までの緊迫した雰囲気が吹っ飛んだかのように、表情に明るさが戻る) 」
ヒロ「…君は?(メイド服の少女に) 」
メモリア「(セルドさんの料理、楽しみだな・・・)(期待の眼差し)この街には・・・?おや。(話を聞いていたが、玲華の話が切れた事も理由に含めてメイド服の少女に目がいく) 」
セルド「なんっ―――ガタッ(音を鳴らし、椅子から肩越しに振り向く)……お、女の子…!?(汗)いや、それより今知ってるって―――……れ、玲華さんの知人ですか?(玲華の反応を見て思わず玲華に) 」
玲華「お気に召されたようでよかったです。(ショコラタルトを頬張るヒロを見て微笑む)ああ…えっと、紹介します。彼女はこの街でちょっとしたアイドルとして有名な、瀬時結香(せとき ゆいか)ちゃんです。(メイド服の少女の方に手を向け、三人に紹介する) 」
メモリア「アイドル・・・ですか、おっと・・・紹介があったからには私も名乗らねば、私、名をアルト・メモリアと申します・・・。(帽子を取って瀬時にお辞儀) 」
メイド服の少女→結香「はじめまして!結香だよ♪(スカートをふりふりさせて元気良く手を上げて挨拶する)ボクも知ってるよ、アリゲーターはとっても悪い人たちだって。でもね、この街にはね!悪い人を追い返してくれる『えーゆー』がいるんだぁ~! 」
メモリア「アイドル・・・ですか、おっと・・・紹介があったからには私も名乗らねば、私、名をアルト・メモリアと申します・・・。(帽子を取って瀬時にお辞儀) 」
リヴァイ「 \リヴァーン/(民家の窓を勢いよく開けお掃除姿でコーヒーを片手に)……ほう、『こちらにも』『その手の輩(英雄)』はいるのか、この世界に巨人が生存してねぇ訳だ。何度もその名を聞いている 」
ヒロ「ホント美味しいよこれ!いくらでも食えるわ!(玲華に)アイドル…(確かに可愛いな)…結香ちゃんだね、俺はヒロ、よろしくな!(ニコッと結香に) 」
セルド「そうなんですか…あはは、急だったから驚いたな…(苦笑しながら玲華の紹介を聞く) 結香だな、俺はセルドだ…ははっ、元気がいいなぁお前(結香の無邪気さに思わず笑みが溢れる)……『えーゆー』か、それは頼もしいな 」
玲華「結香ちゃん、また夜の散歩ですか?(にこにこ)彼女のおっしゃる通り、ええ…この街には、この街だけの『英雄』がいます。あの方たちのお陰で、辛うじてこの街は救われているのです…。その為、アリゲーターもその他の狼藉者たちも、余程のことがない限りは…滅多に街へは繰り出そうとしません。 」
結香「お兄ちゃんたちよろしくね!えへへー♪ うん、そだよー!(体を弾ませながら玲華に) 」
メモリア「・・・『英雄』ですか・・・、英雄、・・・。(言葉にしても、どうにも、ピンとこない・・・私がこの世界に疎いだけなのでしょうか・・・。)(悩んでる) 」
セルド「うおっ!?(白目)(おそうじリヴァイの登場に驚く)な、なんだアンタ!?(汗) (あの方たち……一人じゃないんだな)…つまり、その『英雄』が…そのアリゲーターたちの抑止力になってるってことか 」
リヴァイ「(お掃除兵長)街の治安を維持する組織が存在するのは頷けるが、個人がか…余程腕に覚えがあるか頭が回るかだな、興味深い 」
玲華「ご家族の方が心配しますよ?もう夜も遅いので、玲華が家まで送り届けますね。(結香に)ええ、そういうことです。あの方たちは己が己がの正義を掲げこの街に貢献しているようです。私は一度も出会ったことはありませんが、きっと素敵な方たちなんだと思います。 …では、この娘(結香)を家まで送り届けますので、今日はこの辺で失礼します。それではみなさん、また会う日まで、御機嫌よう。(スカートを摘み上げて会釈し、結香を連れて歩いて行った) 」
ヒロ「へぇ、英雄!なるほど、その人たちのおかげでここは平和ってことだね!(結香に)なるほど…じゃあそいつらは英雄が登場して以来ほとんど現れてないってことか…」
結香「わーい、やたー♪(はしゃぐ)…あっ、お兄ちゃんたち、バイバイ!またねー♪(玲華についていった) 」
ヒロ「…おぅ、またなー!お二人さん!(結香と玲華に)…英雄、か… 」
メモリア「さようなら、またいつか・・・。(玲華と瀬時に手を軽く振る) 」
セルド「あ、えぇ。今日は本当にありがとう、助かりました。またどこかで機会があれば。嬢ちゃんもじゃあなー!(二人に別れを言う) っと、俺もそろそろ宿のチェックインを済ませないとな…お前らも心配はないと思うけど、さっきの話には気をつけておくんだぞ!それじゃあなー!(宿へと向かっていった) 」
メモリア「セルドさんも、お気をつけて・・・。(軽く手を振る)・・・(空を見上げて、一呼吸)今日は、冷えそうだ・・・。(そうして、歩き去る) 」
~キュラリア・広場~
結香「ぺろぺろ…(広場の隅にあるアイスクリーム屋のちかくにあるベンチに座って、ミントアイスを舐めている)ん~…っ!おいしー♪ 」
真庭鳳凰「あむ・・・むにゃむにゅ・・・ふむ、キュラリアの団子も中々・・・。(広場で立ち食い) 」
結香「……!おぉー…!(鳳凰の煌びやかな装飾を見て思わず目が輝く) 」
真庭鳳凰「あむあむ・・・む、なんだお主は?言っておくが・・・団子はやらぬぞ?ムシャムシャ(結香に) 」
結香「わぁ…!お兄ちゃんの衣装すごく綺麗ー♪ね、ね!お兄ちゃんって歌舞伎役者さん!?それとも魔法使い!?何処から来た人なの!?(鳳凰に興味津々のようだ) 」
真庭鳳凰「むお!?お、落ち着け・・・(汗)我はどちらでもない、我は・・・(忍びであることは、伏せておくか。)傭兵だ。(たいして変わってない)東の方から来た。 」
ヒロ「あー、遊びに来たのはいいが遅くなってもうたー…今どっか開いてるかなー…(歩いてくる) 」
結香「よーへい…?(デフォ目で首を傾げる)東って事は…
カオスホールのあるところだよね!?ボク、一度あそこへ行ってみたいんだぁ~♪ あ、この前のお兄ちゃんだ!(ヒロを見ながらアイスを舐める) 」
真庭鳳凰「いや、知らぬなら良い。うむ、カオスホール、そういったところだ。(結香に)ふむ、多しか・・・ヒロ、だったかな? 」
結香「いいないいなぁ~…ボクもあそこに住んでみたいなぁー…。よーへいのお兄ちゃんもこの街は初めて?(鳳凰に) 」
真庭鳳凰「・・・、そうさな。話に聞くだけで訪れるのはこれで初めてだ。お主はこの国の住民か?(結香に) 」
ヒロ「ん…?(声の方を向く)…やぁ結香ちゃん!こんばんは!(ニコっと結香に)…むっ、あんたは確か……鳳凰か?(鳳凰に) 」
真庭鳳凰「うむ、そうだ。覚えていてくれたか(ヒロに) 」
結香「うん、そだよー!よーへいのお兄ちゃんがお困りなら、道案内したげるよー?(鳳凰に)わぁー!こんばんはー♪…えと…確か、ヒロお兄ちゃんだね!玲華お姉ちゃんから名前聞いちゃった♪えへへ。(ヒロの微笑み返す) 」
メモリア「(コツ、コツ、と歩いてくる)やっと、気にならなくなりましたね・・・。(腹部をちょっとさする) 」
真庭鳳凰「道案内?おぉ、それはありがたいな。是非ともよいかな?(結香に) 」
結香「あ!えーっと…確か…メモリアお兄ちゃん!うん、そうだ♪やっほ~♪(やってきたメモリアに手を振って挨拶)うん、まかせて☆(アイスのスプーンを銜えたまま、鳳凰にウインク) 」
セルド「ええと、このお店に話は聞きに行ったし…あとこのお店のスープは絶品だったな、料理の研究が捗るぞ…(メモ帳を眺め、ふらりと広場に立ち寄る) …お、アンタら。見知った顔がいくつかあるけど(結香たちの方へと歩み寄る) 」
メモリア「どうも、こんばんは。(手を振ってきた結香にお辞儀する) 」
真庭鳳凰「ははは、元気が良いなお主は(楽しそうに結香に) 」
ビュォォオ!!―――――――ヒュン―――ヒュン―――――――(突然広場に強い風が吹く。風が一同を吹き抜けた時、結香のアイスと、鳳凰の団子が一瞬で消えてしまった)
メモリア「どうも、セルドさん、こんばんは。(セルドにお辞儀する)あはは・・・ちょっと無理する程度なら今はもう大丈夫ですよ。(叩かれてるのにも動じずににこり)ちょっと前に、軽く面識がありましてね・・・。 」
結香「あっ!この前の…セルドお兄ちゃんだー!きゃほ~♪(セルドにも手を振って挨拶する)うん、元気が一番だよ…って、はわ…??(アイスを食べようとしたらいつの間にかなくなっていたため、涙目になって辺りを何度も見渡す) 」
ヒロ「ああ、一度覚えた人の名前はそう忘れないからな!(キリッと鳳凰に)お、そっか!名乗るまでもなかったな!ハッハッハ!夜遅いけど遊びに来ちゃったよ!(結香に) 」
真庭鳳凰「 ( д) ゚ ゚(団子が一瞬で消えて) 」
セルド「やぁ、結香。皆と何してたん―――うぉっ!?(一陣の風に眼を細める) 」
メモリア「う・・・ッ、風が・・・。(帽子を持っていかれまいと手で抑える) 」
セルド「うん、メモリアもこんばんは。…はは、アンタのお辞儀にも慣れてきたな。最初は俺も恐縮しちゃってたよ(苦笑してメモリアに) 」
ヒロ「…うわっ!?(風が吹いてきた瞬間にゴーグルを装着)お、セルドゥー!メモリア!(手を振る) 」
真庭鳳凰「ははは、それはいい。よいチカラだ(ヒロに) 」
男子高校生「――――――――ふぃー…食った食った…。(風がやむと同時に、一同の背後にいつの間にかたたずんでいた。アイスのスプーンを銜え、片手の団子の串をぶらぶらさせながら満足そうにしている) 」
真庭鳳凰「(あれ食べかけ・・・他人の団子のたべかけ・・・)ほう、速いなお主。 」
結香「はわ…あわわ…アイス… …ボクのアイスがきえちゃった… うるうる……わああぁーーん!!(声をあげて号泣する) 」
メモリア「今度はあんな怪我を負わないように、あまり無理をしないよう心がけます。(あはは、と苦笑いする)恐縮させてしまっていたんですか・・・それはなんというか、すいませんでした・・・。(セルドに謝罪の意を込めた礼をする)こんばんは、ヒロさん。(ヒロにお辞儀) 」
メモリア「あ・・・。(泣き出してしまったぞ・・・、こういう時・・・あ、そうだ)えっと・・・代わりになるかは分からないけれど、・・・これ、どうぞ。(結香に可愛い包みに包まれたアメ玉を差し出す) 」
セルド「あぁ、ヒロもこんばんは!(ヒロに手を振り返す) あ、アンタそれ……(男子高校生のスプーンと串を見て察する)お、おい……アンタ人の食べ物を勝手に取るなよ。ほ、ほらっ…泣いちゃったじゃないか(結香を慰めようと肩に手を置く) 」
結香「わああぁぁん…!!……ぐすっ、ぐす……ふぇ?(アメ玉を見て)……いいの?(涙目でメモリアを見上げる」
ヒロ「おいおい、泣くなって!アイスなら買ってあげるからさ!(ニコッと結香に) 」
セルド「いや、アンタが気にすること無いって。今はこうして普通になってんだしさ(けろっとメモリアに) 」
ヒロ「昔っから朽ちることない能力よ!土の能力と並んで誇れると思ってるわ!(鳳凰に) 」
メモリア「ええ、どうぞ。(にこり、と結香に微笑み、一つのアメを親指と人差し指の中ぐらいで摘みそれをサッとスライドして同じものを三つ出すちょっとした手品をしてから三つ全部渡す)怪我の功名、なんて言葉もありますけど、痛いのは嫌ですしね。(あはは、と笑い) 」
男子高校生「(セルドの発言を聞いて低い声で笑う)っは!そいつらがノロマなのが悪ぃーんだよ。俺のスピードに気づけないグズは自分の指でも食ってやがれっての。はっwww 」
真庭鳳凰「ははは!誰もが羨むのチカラだな!!(ヒロに) 」
メモリア「そうですね、それに何というか・・・私も、これ(お辞儀)をしないと落ち着けないですし。(セルドにそう言い、苦笑い) 」
真庭鳳凰「そのスピードを見せるために30代のオヤジの食べかけを食らうとは・・・。そうか、そこまで飢えておったか(ぇ 」
結香「ボクはやりたいことを好きなだけやりたいもん! おわぁー…♪メモリアお兄ちゃん手品師なんだね!すごいよ!(アメ玉の一つを頬張る)…えへへ…美味しい…。(表情に笑顔が戻る)…あっ!それ、結香のアイス!!かえしてよっ!意地悪のお兄ちゃん!(男子高校生に) 」
メモリア「それに一番いいのは功名も得る必要のない、平和で穏やかな日々が続くことですしね。(にこり)以前ちょっとだけやった事があったんです、まだできるとはあまり思ってなかったんですけど・・・笑顔になってくれて、私はとても嬉しいです。(結香に笑顔が戻って、つられるように笑顔になる) 」
ヒロ「あんたとはここに来るといっつも会うな!なんか縁でもあんのかな?(ゲラゲラ笑いながらメモリアとセルドに) 」
セルド「お、ま、え、なぁ……あんまり子供が大人をからかうんじゃないぞ(笑怒)(男子高校生に) それもお前のいいところ、かもな。誰にでもできるわけじゃないし(メモリアに) 」
男子高校生「おうクソガキ、アイス返してやっから向こう行けよ。ペッ(銜えていたスプーンを結香の足元に吐き捨てる)…ほらよ。 ピッ――――――――――(瞬時にセルドの背後に立ち、人差し指をセルドの後頭部に突き立てる)お前こそ…人間が【能力者】をからかうんじゃねえよ。(黒い殺気を放出させ) 」
真庭鳳凰「(ほう・・・覚醒能力者・・・というやつか?)ふむ・・・速度が速いな。これは驚いた。(高校生の黒い殺気を感知して) 」
メモリア「どうなんでしょうね?何かの・・・いや、運命、とでも言ってみましょうか。(笑うヒロに、ちょっとヒネった回答をぶつけてみる)挨拶からしっかりと、重要な事です・・・欠かせませんね。(セルドに、にこり)・・・あの雰囲気は、・・・あまり穏やかじゃ、ないですね・・・。(男子高校生を見て、不安そうな表情になる) 」
ヒロ「おい待てや、それで返したなんて言えないだろ?(男子高校生に) 」
セルド「――――――――。(瞼が僅かに降り、これまで誰にも見せなかったような目つきになる)……その【能力者】ってのが、必ずしも人間より優れているとは限らないだろ。(指を後頭部へ突き立てられ、ぴくりとも動かずに低い声で) 」
結香「 うっ……(吐き捨てられたスプーンを見て、また涙が出そうになる)…ボクのアイスも、よーへいのお兄ちゃんの団子も食べた…。……ゆるせない……《ゆるせなぁい!!!》 ドッ!!!! (小柄な体からとてつもない大声を解き放つ。それと同時に、結香の口から《ゆるせなぁい!!!》の言葉が実体化し、男子高校生に向かって一直線に襲いかかった) 」
メモリア「・・・あのセルドさんが、・・・怒っている、―――これが、戦いの気配・・・?(すぐ近くまで迫っているだろう戦いの気配に、少々怯えている) 」
ヒロ「…お、おい、待t…!?(結香を止めようとした瞬間声が実体化したのをみて驚愕) 」
男子高校生「…はんっ、言ってくれるねえ――――――!(結香の実体化された言葉を目の当たりにし、すぐさましゃがみ込んで履いているシューズに手を添える)この…クソガキテメェ"も"かァ!!!―――――ドンッ―――――(シューズが輝きを帯び、一瞬にして姿が消える) 」
高校生の姿が消えた瞬間、一人の男の気配が消える―――
メモリア「き、消え・・・た・・・?(男子高校生の姿が見えなくて困惑している)まずい、まずい・・・始まってしまった、あの子は能力者、らしいけれど・・・まだ子供だ、痛みはきっと慣れていない・・・ど、どうにか・・・どうにかサポートを・・・。(ひたすらに、悩み、苦悩し、棒立ち) 」
ドドドッドドッ…ドッシャアアアァーーンッ!!(実体化された言葉が広場の床に直撃する)
セルド「ん、なっ!?(結香の言葉の実体化に驚愕) 消えたか…ッ!(男子高校生が消え、振り向く)……皆さん!落ち着いて!!速やかにあの通りから避難してください!!大丈夫、落ち着いて!!(まるで政府の人間がそうするように大声を張り、一般人を避難させている)(誰かの気配も消えた―――?)」
結香「はぁ……はぁ…… …フッ…(意識が途切れたように力無くその場に倒れ込んだ) 」
ヒロ「…!結香ちゃん…!?(倒れこんだ結香の方に駆け寄る) 」
メモリア「ま、まずい・・・瀬時ちゃんが、倒れた・・・・迷うより、行動に移すべき・・・か!!(ダッ、と駆け出し、結香に向かって一直線に走る) 」
男子高校生「――――――――ザッ(セルドたちから少し離れた個所に現れる)驚いた…まさか身近にいたなんてな、俺と同じ『力』を持つ人間が…!(倒れ込んだ結香を見て驚愕するが…)…はんっ、だけど…あたんなきゃ意味ねーよな。ま、ガキにはこの『力』を制御できないってことか。(へらへら笑う) 」
ヒロ「…あの野郎…!(許せねぇ…!)(普段は見せないような顔を男子高校生に向けて見せる) 」
セルド「…!!(言葉が床に直撃する様子を見る)(あの子…何なんだ?いや、今はそれより―――)誰か結香をッ!! ……同じ力、って言ったか?街でよく見る能力とは違うのかよ…ッ(男子高校生の声がした方へ向き直り) 」
メモリア「―――・・・仕方ない、よね・・・!(結香を背負い、そのまま男子高校生から一気に距離を取る) 」
その少し離れた場所に、その男は気配を消してたたずんでいた。手をすぅうっと刀のようにかたどり、異能の域にまで練り上げた技を繰り出さんと一閃と一陣の風と共にそれを放つ―――、【忍法・断罪円】!
男子高校生「あ?―――――――――ッ!!(“断罪円”を、持ち前のスピードですれすれで回避する)……!(汗)(っぶね…(体)もってかれるとこだった…!) 何のことだよ。能力は能力だろ。…ただはっきりしたぜ、俺もそこのガキも、他にも俺と同じ『力』を持つ能力者がいるってことをよー!(どうやら、例の能力に関して詳しくはない様子) 」
ヒロ「…頼んだぞ、メモリア!(結香を背負ったメモリアに) 」
真庭鳳凰「ふむ・・・避けたか。まぁ、予想は出来た。お主ほどの速度なら・・・と。だが・・・ふふふ、面白いぞ?(ヌルリとした黒い殺気を放つ) 」
メモリア「頼まれましたよ・・・!(この子は、守らないと・・・あの下郎に手出しはさせない・・・!)(メモリアらしからず、キッ、と男子高校生を睨み、その姿を黙視する) 」
セルド「(まぁ、確かに一見すると…能力は能力。何も違わない…けど、なんだこの違和感。何か引っかかる―――)あぁ、お前の口ぶりからしてそのようだな……ただ俺もはっきりした。お前を放置しておくことは出来ない。(緩慢な動きで、手のひらを裏にしたままゆらりと両手を正面へ伸ばす) 」
男子高校生「(一同の顔を一瞥し)…はっ、あんたら、何躍起になってんのさ。たかが人のもん食っただけだろ、人を殺したわけじゃあるまいし。んな物騒なもん構えたり、忍者みたいな常人外れの人間もいるしよー。仮にも一市民だぜ、俺は。これじゃあどっちがイカれてんのかわっかんねーな。(笑) 」
ヒロ「…(これであの子は大丈夫…なはず。…あの野郎、ぶっ潰してやる…)(土を浮き上げさせ、土刀を作り出す) 」
セルド「うっ…そ、それもそうだよな…(男子高校生の話に納得し、両手を降ろす) 」
真庭鳳凰「そうか、確かにそれもそうだな。それで・・・?それをいうお主は何を持ってこの場をおさめる?我は団子が大好物でなぁ、食い物の恨みは恐ろしいというだろう?その恨みを、何で晴らすのかな? 」
ヒロ「…ケッ!(話に納得して、しぶしぶ土刀をただの土に戻す) 」
メモリア「・・・キッ(男子高校生がもう何かする気が無いのか信じきれず、ただ結香を背負ったまま黙視している) 」
男子高校生「食い物の恨みは恐ろしいってか、はっ。そうだなー…―――――――――誰か一人、俺と競争してみねえか。(不敵に笑いながら全員に誘うも、何故かその視線はセルドに一直線だった。そしてその目は酷く冷たく、余裕な雰囲気を醸し出す青年の本性が現れている) 」
セルド「(その目……)…――――――それはただの競争、か?(男子高校生の視線を受け止め、凛とした表情を見せる) 」
真庭鳳凰「競争? 」
男子高校生「…ああ、当然だ。(背後へ振り返り、キュラリアの街の中で一際目立つ巨塔を指す)あそこに建っているでっけぇ塔があるだろ。あれは『ツキミガハラタワー』っていう電波塔だ。ここの広場からあそこまでだいたい6kmある。先にあの塔の入り口前に着いた方が勝ちだ。…ただ―――― 」
メモリア「・・・とりあえず、もう・・・降ろしてもいいだろうか・・・。(結香を自分の背中から、そっと優しく降ろす) 」
結香「トサ…(優しく降ろされた時には、赤ん坊のようにすやすやと眠っていた) 」
セルド「あのタワーまでか、6km……ただ?(男子高校生の言葉の続きを促すように) 」
真庭鳳凰「団子sage(団子を忍者キャッチ、そしてはしゃぐ)お?呑気に寝おって・・・。(結香を見て) 」
男子高校生「俺とおまえたちじゃあ、実力で勝負しても俺が勝つのは目に見えている。とういうことで、ハンデをつけてやる。…スタートと同時に、俺は一度この街を出る。んでもって(両腕を広げる)――――――――"この街の外を一周して、またここの広場に帰って来てタワーへ向かう"―――――――――( ド ゥ ン ッ ! ! ! )」
ヒロ「…おい正気かよあいつ、こんな広い街の外一周してから6kmのタワーに向かうのかよ…少しハンデ大きすぎんよぉ~(困惑)…お疲れさんっ(眠っている結香に毛布を放る) 」
メモリア「・・・眠っている・・・んでしょうか、・・・だったらここはあまり良くない・・・かな。(結香を抱き抱え、ベンチにゆっくりと、優しく降ろし)・・・あ、何か・・・毛布・・・し、仕方ない・・・。(自分の上着をそっとかけてあげる) 」
セルド「な、何言ってんだアンタ……キュラリアを一周してから、って言ったのか…!?(状況を飲み込めず、男子高校生に) 」
男子高校生「更に、だ―――――(話を続け)――――――アンタらの内で競争者以外の奴は、俺が街に帰ってきた瞬間から好きなだけ妨害してくれていいぜ。…この勝負にアンタらが勝ったら、何でも言うこと聞いてやらあ。…ど?悪くないだろ。 」
ヒロ「…相当の自信があるってことか…(男子高校生をみて) 」
真庭鳳凰「(ふむ、
カンナギが興味を示しそうな趣向だな、だが・・・)我は遠慮しておこう。もう、気は済んだ。(団子モグモグしながら去っていく) 」
メモリア「・・・能力から見ても、圧倒的に優位に立っている事には変わりないですし、ハンディキャップ・・・という奴ですか。(男子高校生を見て、少々むっとした表情) 」
セルド「(言うことを何でも、か……)…分かった――(ふぅ、とため息混じりに言葉を発し、)――乗ってやる。(男子高校生へ向き直る)(とんでもないハンデだな…あくまでも競争者以外の者の妨害、俺は走り続ける他ないってことか) 」
男子高校生→一樹「アンタが勝負に出るのか?そいつぁいい…―――――それでも俺は勝つぜ。(にたりと笑うが、目は笑っていない)――――俺の名は「佐々木山一樹」(ささきやま かずき)。この街で誰よりも早い、"韋駄天の風"だ! 明日の21時、この広場に来い。…俺とアンタの、この街を巻き込むほどの最大の競争をしようぜ。(広場から去っていく) 」
セルド「もう勝った気か?そいつはまだ気が早いぞ(表面上で余裕を取り繕う)……明日の仕事は休むか(一樹を見送り、メモ帳を一旦開いてパタンと閉じる) 」
結香「……ん…(目が覚め) 」
メモリア「しかし・・・競争ですか、能力から見て・・・勝ち目はあまり、なさそうに見えますが・・・。(不安そうな表情)・・・っくしゅっ、寒い・・・。(ちょっと身を震わせている) 」
ヒロ「…ん、気がついたか?(結香に) 」
結香「…はれ… ……ボク、何してたん、だっけ…。…あいす…?…あいす……あっ、あーっ!!あの意地悪なお兄ちゃんは!?(きょろきょろ) 」
ヒロ「帰ったよ?セルドと明日戦う約束をして、な(結香に) 」
セルド「しっかし…まだアイツの要求がまだだ、足の速さを自慢するためにこんな勝負を仕掛けてくるモンかな…(つぶやく) ゆ、結香。もう何ともないんだな?(目を覚ましたことに気がつく) 」
メモリア「どうやらお目覚めのようですね。(結香を見て、にこり、と微笑む) 」
結香「そ、そう…戦う?…あうん、へーきへーき。ありがと、セルドお兄ちゃん。えへへ…。 」
ふぁさ・・・(結香の背中からコートが落ちる)
結香「メモリアお兄ちゃん……はわ?(自分がメモリアの上着を羽織っていたことに気づく)…これ、お兄ちゃんのじゃ…。 」
メモリア「気持ち良さそうに寝ていたので、邪魔するのも悪いかと思い、もうちょっと暖かくすべきかな・・・と思いまして、かけておきました。(にこり) 」
セルド「あぁ、キュラリアのアイドルを泣かせるようなヤツだからな…(よっこいせ、と屈んで結香と目線を合わせる)後は俺"たち"に任せとけ。(結香の髪を軽く撫で、歯を見せて笑う) 」
結香「…メモリアお兄ちゃん、セルドお兄ちゃん……ありがとう…。(嬉しくて涙を流している) 」
メモリア「(ハンカチで結香の涙をそっと拭き)泣いてる顔より、笑顔の方がずっと、素敵ですよ。 」
ヒロ「みんなが君のために戦ってくれるってさ…流石キュラリアのアイドル、みんなから愛されてるんだな(笑顔で結香に) 」
セルド「な、泣くなって…あはは(苦笑しながら結香に)(ただ、気になるのは…結香が能力者ってことだ。自覚してるのかしてないのか…生まれつきなのかそうでないのか―――それは一樹にも同じことが言えるな…)(思考を巡らす) 」
結香「……うんっ!(メモリアとヒロに笑顔を見せ、ハンカチで涙を拭く)……どうしたの…?(セルドの顔を覗き込み) 」
メモリア「ヒロイック・・・英雄、・・・。(何とも言えぬ表情になる)そう、その顔!その笑顔が見れれば、私はそれだけで幸せです。(結香の笑顔を見て、こちらも笑顔になる)」
玲華「あら、みなさんおそろいで。(優雅な足取りで広場にやってくる)あ、結香ちゃん、こんなところにいらしたのね。ご家族の方が心配して連絡が回ってきたのですが…よかった、みなさんと一緒で―――――――(ふと、結香の能力で破損した広場の床に目が向いた)…………。 」
セルド「ん?あぁ、いや………(そうだな…やんわり聞いてみるか) なぁ、結香はたまに『自分が他の人とは違う』なぁって思うことは――――…玲華さん…! 」
ヒロ「…あ、玲華ちゃん!…どうしたんd…あっ…(玲華と同じように床を見て) 」
メモリア「・・・おや、奇遇で―――(と玲華に言葉をかけようとしたところで、詰まる) 」
結香「ふぇ…あっ、玲華お姉ちゃん!(セルドの問いを聞く前に玲華が視界に入ったため、彼女に手を振る) 」
玲華「…くす、あとで町長様に言わないとね。(苦笑しながら雰囲気をとりつくろう)さ、また私がお家まで送ってあげますから、今日はもうこの辺にしましょう。ちゃんとみなさんにお礼するんですよ。(微笑みながら結香に) 」
結香「はーい…!(なんとか元の調子に戻った様子)お兄ちゃんたち、今日はありがとう!また遊んでね♪(玲華より先に帰っていく) 」
ヒロ「ん、またねー!(結香を見送る)」
セルド「(玲華さんのお陰で元気になった…みたいだな)……じゃあな、気をつけて帰るんだぞー(結香を見送る) 」
メモリア「ええ、また・・・。(結香に軽く手を振る)(能力者・・・ああ、あの子は能力を使うのを禁止されていたんじゃ・・・。)」
玲華「…では、私も失礼させていただきますね。フワッ…(セルドを横切る際、「今日見た事は誰にも公言しないようにお願いします」と耳元に告げ、優雅な足取りで去っていった) 」
セルド「(耳打ちされ、こくりと小さく頷く)――――……えぇ、玲華さんもさようなら。 」
ヒロ「…ん、またなー(玲華に)」
メモリア「能力者・・・私から見たら、遥か遠くの、雲の上の存在・・・にも近いですね・・・。(正直、恐ろしいと思います・・・)・・・さ、て・・・折角演奏できるようになった事ですし、・・・一曲、如何です?(ベンチに腰を据える)」
セルド「メモリアの演奏は聞いて行きたいけど…俺は一旦宿へ戻るよ。俺がいるのは場違いみたいだし、それに考えを整理しておかないとな…それじゃあ、また明日な(手を振り、宿へと去っていく) 」
メモリア「ええ、また明日・・・(セルドに向かって軽く手を振る)・・・一般人には、何があっても、どうしようもない実力差・・・。(自分の手を見て、無力さを感じる) 」
ヒロ「…あの子(結香)の能力は、無意識に出たのか…なら本人に問いただすのは流石にまずいよなぁ…(ベンチに座る) 」
メモリア「せめてこの手に、力があれば・・・いや、力があっても、何ができるのか・・・?私には、これしか無い。(アコーディオンを一撫でし、構える) 」
メモリア「・・・(手に握ったチップと、背負ったアコーディオンの入ったケースを見て、複雑な表情をしながら歩いている)これが、本当に、私がしたい事なのか・・・?これで、いいのだろうか・・・。 」
サージェス「ん~・・・ッ。やっぱ外で飲む酒は最ッ高だねぇ!!(けらけらと笑みながらウォッカ片手にベンチに座っている、夜であるにも関わらず、その黄金の体は太陽のように輝いている) 」
メモリア「私が本当に求めてるものは・・・う、・・・ま、眩しい・・・?(夜であるというのに輝いているサージェスを目にして、つい手で光を遮る) 」
サージェス「んあ?そりゃあ、アコーディオン・・だねぇ?うん、ケースはアコーディオン入れるやつだ。あんた演奏家かい?顔見る限り・・景気はいいけど、迷いがあるってツラだねぇ?(豪快にけらけらとメモリアに笑いかける) 」
メモリア「あ・・・ええっと、こんばんは・・・。(まずは一礼する)ええ・・・何だか、本当にこれでいいのか、と感じています・・・。 」
サージェス「これでいいのかって?演奏して・・・金(チップ)もらって、いったい何が不満なんだい? 」
メモリア「いえ・・・そうではなく、ただ・・・私は、本当に演奏する事が、自分にとって良いのか、・・・他にも、色々と悩みがあります・・・。 」
サージェス「ほ~ん、色々あんだねぇ・・・。ま、いいんじゃないかい?そういう悩みも葛藤も、命の華ってぇ奴だ。 」
メモリア「命の華・・・ですか、・・・。(立ったまま、ぼーっと見上げる) 」
サージェス「そうだよ?成功とか名誉とかだけが華じゃない。失敗も、挫折も、葛藤も、不屈も・・・りっぱな華さ。(ゴクゴク) 」
メモリア「失敗は成功の母、・・・というものでしょうか、・・・この苦悩もまた、華・・・という事なのですね。 」
サージェス「散る桜、朽ちる桜も、同じ華・・・ってね。・・・飲むかい?(メモリアにそういって酒瓶をスッと差し出す)うお?今度ぁギター弾きか。 」
メモリア「いえ・・・遠慮しておきます、それに私・・・下戸ですし。(苦笑いし、やんわりと断る) 」
サージェス「ありゃ、下戸かい。そりゃあ残念だ!」
メモリア「・・・私の力では、異能の力を持つ者には、太刀打ちできない・・・、ならば・・・どうやって、セルドさんを助ければ・・・。(呟くように、俯きながら口にする) 」
サージェス「なんだい、アンタ戦えるのかい?(メモリアの顔を覗き込むように) 」
メモリア「いいえ、私に戦う力はありません・・・ただ、私の友人が、近いうちに勝負をするのです、・・・私には、何も出来そうにないのが、どうしても心苦しくて・・・。 」
サージェス「ふぅん、どういう勝負か知らないが・・・いいじゃないか、別に弱くたって・・・。何もできなくたってもいいし、それに負い目を感じる・・・それもいい。悪くはないと思うがねぇ?(メモリアに諭すように) 」
メモリア「・・・私だけがただのうのうと見ている、それはあまりにも、私の心が・・・痛みます、力が無い、・・・今まで生きていて力が無くて困った事は無かったのに、こんなにも、辛いだなんて。」
サージェス「人にはそれ相応の”力”ってぇのがあるもんさ。その中で自分が何ができるかじゃないのかい?きっと・・・そのセルドってやつも同じこと言うんじゃないのかい?そいつがどんなのか知らないけどさ? 」
メモリア「私の今ある力で、できること・・・。(拳を握り、それを見つめる)」
サージェス「そうさ、自分にできることさ。そりゃ不可能やら限界やらは出てくる。どうしても・・・でもねぇ、それでもいいんだと、アタイは思ってるよ?(メモリアに) 」
メモリア「不可能、挫折、今まで山ほど味わってきた・・・でも、今回だけは、何か、何かやれる事を、探したい・・・。(ぐっ、と強く拳を握る) 」
サージェス「やれるだけやってみな?やってみてダメだったら、ダメだったでいいじゃないか。例えそれで死んでも・・・それだけの話さ? 」
メモリア「やるだけやる・・・やらないより、ずっといいですよね・・・少し、気が軽くなった気がします。(ぺこり、と一礼) 」
サージェス「そうかい?まぁアタイと話しててそうなったってんならそれでいいよ。 」
メモリア「・・・さて、私はそろそろ、お暇させて頂きます・・・ありがとうございました。(サージェスに一礼し、立ち去る) 」
サージェス「あいよ~、じゃあなぁ~ノシ 」
最終更新:2020年09月10日 08:45