シャイターン
- 読み
- しゃいたーん
- 意味
- シャイタン、とも。シャイターンの語意自体は、「悪魔」と訳されることが多い。サタン、ジンとの関連をも見よ
- 「聖戦のイベリア」における、もう一人の主役。伝承に謳われる「焔の悪魔」の事と思われる。
- :|外見的には、長髪の若い男で、背から被膜の破れたゴツい翼が生え、側頭部からは左右非対称の太い角が生えている。右の方がやや長く、角の内部が某怪獣のように鈍く発光しているように見える。また顔には隈取のような紋様が描かれている。
- 伝説によれば、「神が遣わした蒼氷の石」によって封じられたとされるが、おそらく神話に属するほどの太古の話であったため、その伝承自体は詩となって残ったが、肝心の「悪魔」に関する事は人々の記憶から消えていた。
- ちなみに「悪魔」の方も、あまりに幽閉が長かったため、自分の名前さえも忘れてしまっていたという。(「忘れていた」と言うより、「考えることを止めた」状態だったのではないかという説も)
- それから幾百年か幾千年の時を経て、偶然にも彼の幽閉されている空間へ、半生半死の少女ライラが迷い込んでくる。
- 「悪魔」はライラへ契約を持ちかけ、彼女の生命を救い、彼女の望むことを叶えるうことと引き替えに、自由を得ることができたようだ。
- ライラをパートナーとして解放された「悪魔」が、その後どのような業を積み、人類に禍福をもたらしたのかは定かではない。
- 歌の一節には「(今やor今はor未だor今も)“兄弟”同士で殺し合っているのか?」と人類の愚行に呆れるような発言をし、続けて「人類諸君、我こそが君たちの“敵”だ!」と大喝している。
- いわゆる人類共通の絶対悪の宣言とも取れるし、人類全体に対して大規模な攻勢を予告する宣言とも取れ、結局、彼が聖戦の終結においてどのような役割を担ったのか、不明のままである。
- :|諸説あるが、どうやらこのシャイターンは「いい悪魔」である、とする説は、比較的強い。
- まず「悪魔の契約」は、どんな条件であれ最終的に契約者を破滅に追いやるというトリックが隠されているモノだが、シャイターンはライラと契約を結ぶにあたり、念入りに「永遠を生きる苦行」が前提であると言い足した上で、契約の接吻を委ねた。
- そればかりか、「誰を憎めばいい」と常々迷っていた彼女に対して、「人類の片方あるいは両陣営の殲滅」という最悪のシナリオの他に、「聖戦そのものを否定する」という道までも示してあげている。
- もっとも、ライラとの契約を護る手段が「退ける」「滅ぼす」の二つに代表されているように、その手段については悪魔的なモノがあるかもしれない。
- :|そもそも「シャイターン(悪魔)」という名前は、彼が何かボソボソ呟いた声をライラが拾って「シャイターン(شيطان)…?」と一人合点したところから始まる。「悪魔」の方も奇妙な嗤いを浮かべてその名前を受け入れたというから、「まあソレでいいよ」的な諦観あるいは自嘲のニュアンスが含まれているかもしれない。
- ちなみにこの時彼が何と言ったかも諸説あるが、アラビア語で話すライラにとって「馴染みのない異国の響き」だったらしい。
- 「ジャック・オ・ランターン(イングランド地方の鬼火・亡霊)」「シャルタン・マックロイ(ケルト神話の人物。ク・フリンの養父)」「『イシャット・マリク』(焔の王である:の意)」あたりが候補に挙がっているが、例によって不明。
- 征服民族が、被征服民の文化・信仰対象を悪魔・魔神と定義づけて調伏する事はよくあるので、「シャイターン」も、元々は名のある英雄・神・精霊の類であったかもしれないし、また別説として、本当に「サタン(イブリース/アル・シャイターン)」だった可能性も指摘されており、結局なにが言いたいかというとシャイたん可愛いよシャイたん。
- :|【或る詩の欠篇】は
- 地平には唯零があった・・・