アットウィキロゴ
――都内、とある大きな病院の裏手、公用車の並ぶ職員用の駐車場。
白衣姿のふたりの医師が、黒塗りの高級車に乗り込もうとしている男を見送りに出ていた。

「本日は大変ありがとうございました。まさか先生自ら御執刀して頂けるとは」
「緊急手術が三件立て続けに入った上に、主治医が交通事故に巻き込まれたのだったな。
 年度の切り替わりの時期は何かとごたつくものだが、とんだ不運だったな」

鷹揚にうなずいたのは、長い総白髪を無造作に伸ばして肩にかける、大男である。
身長は180cmに少し届かないくらい、体格は立派で、まるで柔道家かプロレスラーかといったところ。
着ているコートも含めて全身灰色で、まるでくすんだ色の白衣を纏っているようだ。
顔にはそれなりに皺が刻まれているが、筋骨隆々とした身体もあって、年齢はいまいち見当がつかない。

「同情はするが、日々の備えが足りなかったな。
 私が出てくるなんてのは最後の最後の手段として欲しい。
 もう一度、勤務体制などを見直しておきなさい。
 予算や人員が足りないなら、根拠を添えて示すように。悪いようにはしない」
「はっ!」

見送りに来たふたりの医師のうち、中年の医師は緊張した面持ちで深く頭を下げる。
若いもう一人がその姿をみて、いまいちよく分かってないような表情のままそれに倣う。

「君たちのような無能でも、『医学だけ』に専念して頑張れば、きっとそれなりには使い物になるはずだ。
 励みなさい」

さらっと、当然のようにどこか傲慢な言葉を残して、白髪の大男は高級車の後部座席に乗り込む。
ゆっくりと車が発進する。
深々と最敬礼して見送りながら、若い医師は傍らの年配の医師に小声でささやく。

「ねえ、先輩、結局あの人、誰なんすか」
「あれが『ジャック先生』だよ。噂くらい聞いたことあるだろ」
「ええっ!?
 つまり、名誉院長ですか?! でも名誉院長って」
「あれで今年で90歳のはずだ。
 いくら医師免許には期限がないからって、化け物みたいな人だよ。
 あの歳であそこまで完璧に執刀されちまうとな。
 無能と罵られても、はい私は無能ですとしか言えないよ」
「はあ……」

黒塗りの車が病院のロータリーからゆっくりと滑り出ていく。
その後部座席で、「ジャック先生」と呼ばれた老人……

蛇杖堂寂句(じゃじょうどう・じゃくく)は、深々と溜息をついた。

「聞こえているぞ、無能ども。
 無能というものは、ろくに噂話すらもできぬのか」



◆◆



都内の高級住宅地の中でも、ひときわ大きな邸宅の前で。
蛇杖堂寂句を乗せた車は停車した。
うやうやしく頭を下げる運転手に見向きもせず、彼は大股で母屋へと歩を進める。

屋敷の奥深く、大きな扉を押し開けた向こうは、まるでちょっとした図書館ほどの蔵書を抱え込んだ、巨大な書斎だった。
室内には先客がいた。
あまりにも東京の真ん中には似合わぬ、異形のシルエットを持つ少女。

赤い髪は緩やかに波打って、肩甲骨のあたりにまで届いている。
造り物のように表情らしい表情のない、整った顔。
その身は赤い甲冑に包まれている。
肩当、胴鎧、篭手、脚絆。
傍らの本棚に立てかけられた槍まで赤い。

だが何よりも異彩を放っているのは、少女の腰のあたりから生えた3対6本の、人ならざる足である。
まるで巨大な蟹か、あるいは昆虫か。
おそらくは広げれば余裕で2メートル近くにはなるだろう。
これも赤一色に染まる、硬質な光沢を放っている、

本棚に寄りかかりながら分厚い本を読んでいた少女は、部屋に入ってきた蛇杖堂寂句の方に顔を向ける。
その瞳すらも赤い。

「当機構も見たかった、と発言します」
「何をだ」
「マスター・ジャックのオペをです」

表情の欠落をそのまま映すような、平坦な声で少女は言った。
大柄な老人は忌々しげに溜息をついた。

「何の変哲もない膵頭十二指腸切除術に、Roux-en-Y(ルーワイ)法の再建術だ。何も面白いことはない」
「見たかったです」
「そこに手術の手引き書もあるだろう。それを読め。
 そのまんまのことしかしていない。元の計画を立てた奴が凡人だったからな。つまらない手術だ。凡庸な手術だ」

現代医学のある意味で結晶とも言える高難易度手術の名前を、蛇杖堂寂句は吐き捨てるように言い放った。
一握りの天才にしか行えなかった治療を、標準化し、手順を定め、誰にでもできるようにする。
蛇杖堂寂句はその営みそのものを馬鹿にする気はない。

自分のような特別な存在が、わざわざやる価値を見出せないだけだ。

「それでも当機構は実際に見てみたかったのです」
「与えた課題はどうした? 多少は進んだのだろうな?」
「解剖学の教科書は退屈です。ただ沢山の名前が並んでいるだけ。
 本当にこの全てを暗唱できなければならないのでしょうか? 記憶メモリの無駄遣いでは?」
「無能め。そこでつまずくようなら、手術の見学など永遠に許可できんわ。
 最低限の知識もなければ、見たところで何も得られることなどない」

白髪の老人は嘲るように少女を見下ろす。少女はまったく感情を感じさせない顔のまま、老人を見上げる。

「なら、構いません、当機構は諦めます。
 手術の見学は、今後はもう要請しません。
 ゆえに、与えられていた解剖学の宿題も放棄させて頂きます」
「なんだ、諦めすら早いのか。根性なしめ」
「当機構は『使命』は諦めません。
 それ以外の好奇心は、いわば趣味のようなもの。趣味ならば楽しい範囲で行います。
 幸いにして他にも知りたいことは山ほどあります。暇なときに読むべき本は山ほどあります」

一人称として『当機構』という、不自然な単語を用いる少女は、悪びれることなく言い放つ。
寂句はもはや少女の顔すらも見ず、書斎の奥へと歩いていく。

「自覚があるならばいい。
 ランサー、貴様は無能で飽きっぽいが、どうやら大事なことの優先順位をつけられる程度には使えるようだ」

書斎の最奥、一見するとただの本棚に見えるものに、寂句はその両手をかける。
ゆっくりと押せば隠されたカラクリが嚙み合って、音も立てずに本棚に偽装された隠し扉が開いていく。
寂句はその奥に入る。少女も槍を手に取るとそれに続く。

隠し扉のその向こうには――
まるで何かの実験室のような広い空間。
古い羊皮紙が綴じられた大判の本が何冊も並び、ラテン語の走り書きがこちらにあれば、中国の道術の符もそちらに落ちている。
東南アジアの精霊のお面もあれば、胎児のようなものを入れたフラスコも複数、並んでいる。
およそ統一感というもののない混沌とした空間。

寂句は無言で部屋の中央に置かれたテーブルに歩み寄る。
そこには手の中に納まる程度の、一本のガラス瓶が置かれている。
コルクで栓がされたその中には、微かな輝きを放つ液体が収まっている。

「…………」

蛇杖堂寂句
天才外科医にして、治癒の術を極めた天才魔術師。
目の前にあるのは一族の数百年の研究の成果。
膨大な希少な素材を凝集して、膨大な時間をかけて、たった一回分だけ得るこのできた奇跡。

現時点での、蛇杖堂家の限界。

寂句はそれを、「偽りの霊薬(フェイク・エリクサー)」と呼んでいる。

確実に死に至る致命傷すらも一瞬で癒すことのできる、究極の傷薬。
あらゆる異常を一瞬で打ち払う、究極の万能薬。
ただそれだけの、ちっぽけな奇跡である。

死の克服には、まだまだ程遠い。



◆◆



魔術師の世界において、蛇杖堂の家の名はあまり知られたものではなく。
同時に、知る者からは常に侮蔑を向けられるものでもあった。

家の歴史だけであれば長い。
蛇杖堂、の名は、戦国期の混乱の中に既に見ることができる。
そのルーツは多岐に渡っている。
どうやら治癒の術をそれぞれに求めた複数の魔術師の一族が、それぞれに極東に流れ着き、合流したものであるらしい。
蛇杖堂、という名と、家紋の紋様からは、医神アスクレピオスに繋がる一族も加わっていた可能性がある。

ただ、長い歴史と多数の分家を抱えるにも関わらず、その実態は「魔術使い」であると、魔術師たちからは見られている。
根源を目指すのではなく。
テクニックとしての魔術を、実社会での実利のために使う集団。それが魔術使い。蔑称である。
そんな家ゆえに、魔術協会や時計塔などとは、敵対まではしないものの、ほとんど接点を持たずにいた。

元より俗世においても医療を担う一族でもあった。
江戸期には漢方医として、とある藩のお抱えの藩医を務めていた。
明治維新になり、藩主が華族として東京に移住をすると、それに従って東京に出た。
同時に医学の近代化に合わせて西洋医学を修めるようになり、今に至る。

これら表社会の医療と並行して、彼らは裏社会で魔術を用いた医療も世に提供し続けていた。
呪詛の被害を受けるものあれば解呪を行い、真っ当な医療で治せぬ病を真っ当ではない方法で癒す。

魔術と医学の二刀流。
魔術師の世界の常識では異端中の異端。それが蛇杖堂の家だった。

無論、それぞれ片方だけでも人生を賭すに値するほどの厳しい道だ。
並大抵の者に務まるものではない。
しかしだからこそ、蛇杖堂の一族は、意識して分家を増やし、裾野を広げて、才能を求め続けた。

そして寂句は、蛇杖堂の家に久しぶりに出た、天才中の天才だった。

魔術の研究と実践においても、医学の研究と実践においても、それぞれ結果を出した俊才。
元は分家の出だったが、宗家に見いだされ、掬い上げられ、跡継ぎに指名され、やがて一族の長となった。

彼は愛のない結婚の果てに、二人の息子と一人の娘をもうけ、さらにそこから多くの孫を得たが。
天才である寂句と比べてしまえば、いずれも凡庸な才の持ち主しかいなかった。
医学だけ、あるいは魔術だけの習得が精一杯であり、とても自分の後を任せられる人物はいない。
それでも寂句は構わなかった。
あと30年ほどは現役を続けて、曾孫、あるいはそれより下の世代から新たな才能が出てくるのを待つつもりであった。


だから――
蛇杖堂寂句が、聖杯戦争、などという催しに、たわむれ半分に参加した時も。

当然のように勝って、当然のように得るべきものを得て帰るつもりしかなかった。
それが真に万能な聖杯でなかったとしても、多少のタシにはなるはずだった。


蛇杖堂の一族が密かに目指す、根源接続への願いは、「全人類の死の克服」。


死は克服できるはずなのだ。
医術によって、魔術によって、克服が可能なものであるはずなのだ。
他ならぬ医神アスクレピオスが、それを証明したはずなのだ。
一度は届いた夢であるはずなのだ。

その大願の前には、ただの小娘ひとりの命などどうでもいい、はずだった。
慎重に情報を集め、策を弄し、少なからぬコストを費やして。
信じられないような幸運も得て、見事に致命傷を負わせて――。

彼はただ、ちゃんとトドメを刺せたか否かを確認に行っただけだった。
自分の目で確かめようとしただけだった。


それが全ての誤りだった。


倒れ伏した少女の姿を見た瞬間に、理性が蒸発した。

意識もなく、言葉もなく、ぼろ雑巾のような姿になってなお、少女はそれだけの魔性をまとっていた。

彼は自らでも説明のつかない衝動に突き動かされて、一族の歴史の結晶とも言える貴重な霊薬を少女に与え、死の縁から救い、


……そして当たり前のように、助けてやったはずの少女の手で、そのまま殺された。


傍目からは意味不明な、愚かさ極まる、自滅のような脱落だった。



◆◆



そして訪れた、この二度目の機会。
魔術師としての自らの工房にて、蛇杖堂寂句はじっと霊薬を見つめる。

「……ランサー。貴様の真名は、『ギルタブリル』。そうだな?」
「はい。
 そのように問われたのならば、当機構は肯定の意を返します」
「『そのように問われたのならば』、か。なるほど、モノは言いようだ」

蛇杖堂寂句は暗く笑う。
ギルタブリル。バビロニア神話に出てくる、人の上半身と蠍の尾を持つ怪物。
かのティアマトが産みだした11柱の魔獣の一柱。
その一方で、当時は一般的な聖獣でもあったらしく、神話の別の場所では男女一組のギルタブリルも登場する。
そうであれば、反英雄の英霊として、少女の姿のギルタブリルが召喚されることに無理はない。
半人半馬のケンタウロスが完全な人間の姿で現界することもあるのだ、この程度の形態の違いは誤差の範疇。
しかし。

「ランサー。質問を変える。
 貴様は本当は、バビロニアの魔獣『ギルタブリル』ではない……そうだな?」
「はい。
 そのように問われたのであれば、当機構は肯定の意を返します」
「クククッ。まったく、とんでもない欺瞞だな。この詐欺師め」

蛇杖堂寂句は邪悪な笑みを深くする。
少女の姿をしたランサーの顔には、相変わらず表情というものがない。
まるで蠍のような形をした槍の穂先といい、ランサーのクラスといい、ギルタブリルを騙ることといい。
サソリに縁のある英霊なのは間違いない。
では、いったいその正体は何か。

「ランサー。『ギルタブリル』ではない貴様の真名を、答えろ」
「その問いに対しては答える答えを持ちません」
「何故だ?」
「当機構には、固有名が設定されておりません」
「クックック。そういうことになるのか」

あまりにも有名な神話で、あまりにも重要な役柄を得ていながら。
『それ』は名前を持っていない。

舞台装置。
自動的に働く機構。
心を持たぬ怪物。

「ならばランサーよ、いまここに、貴様に名前を与えよう」


「天蠍(てんかつ)、アンタレス」


「それが伏せておくべき、貴様の真名だ」
「ありがとうございます。マスター。
 いまここより、当機構は『アンタレス』の名を冠します」

それは、天に輝くサソリ座α星Aの名前。
夏の南の空に浮かぶ、赤い一等星。
意味は『火星に対抗するもの』。あるいは『火星と競うもの』。
神話の時代にはなかった名前。異なるルーツを持つ名前。

地母神(ガイア)に遣わされ、狩人オリオンの死の引き金を引いた、大地の怪物である。



◆◆



しかし、ギリシャ神話である意味で最も有名な、オリオンの最期についての伝承は錯綜している。

ある説では、地母神ではなく女神ヘラが蠍を派遣したという。
ある説では、女神アルテミスの矢によってオリオンは死んだのだという。
さらにある説では、そのアルテミスの誤射には、他の神による悪意の誘導があったのだとも言う。
そのアルテミスの誤射を誘った神の名すらも複数の説がある。

天に浮かぶオリオン座とサソリ座の存在にも関わらず。
むしろ、蠍がオリオンの死に関わらぬ伝説の方が、遥かに多い。

……偽装工作が、あったのだ。
遥か古代において、伏せねばならぬ秘密があったのだ。
膨大な偽りの説の山の中に、真実を隠す必要があったのだ。

それでも真実の断片は神話の中に残されている。
オリオンという、神すらも超えるほどの力を秘めた、半神の人間の存在。
神と人の力関係を、根底から揺るがしかねないような無法者の振る舞い。
これに呼応して、起動したものがあった。

抑止力。
大地母神(ガイア)の、抑止力。
あるいは……その具現化としての『ガイアの怪物』。
その一種。

現存する他の神話や歴史の中に、類似の抑止力の発現の例はなく、ゆえに分かっていることは少ない。
けれどもそれは確かに出現した。
毒を注入するための毒針と、素早く動き硬い身体を持つ、蠍、と例える他のない、唯一無二の怪物として。
それは大地に出現した。

その毒針に秘められた毒液は、ある種の強精(ドーピング)剤。
身体ではなく存在自体に作用する猛毒。
刺された者の存在の強度を、弱めるのではなく、むしろ過剰なまでに押し上げる。
薬と毒は紙一重。
薬毒によって強制的に、人間よりも上のステージに押し上げられた存在は……

逆説的に、そんな天にもあるべき存在が、ヒトの姿で地上にあり続けることに対し、世界そのものから拒絶を受ける。
全ての運命が、全ての偶然が、定命の者としての命を終わらせにかかる。
あるべき所に返そうとする。

相手を「天に上げる」ことで、必然として「人間としての命」を終わらせる、それが天蠍の猛毒の真実。

超人オリオンはかくして、ガイアの怪物に刺されたことで、冠位の英霊にも匹敵するほどの能力を得て。
英霊であるならば死んでいるはず、という因果の逆転を受け、ありえぬ不運の果てに女神アルテミスの矢を受けた。
女神の放つ矢くらいしか、そんな超人を屠る「不運」など存在しなかったという、それだけの話。

蠍の毒がオリオンを殺したのも。
アルテミスの矢がオリオンを殺したのも。
いずれも真実の一側面。


そんな名も無き蠍は、本来であれば英霊として召喚されるような存在ではない。

しかし、あまりにもイレギュラーな形で始められた、このたびの第二次聖杯戦争。
変則的な形で、抑止力の介入が成った。
バビロニアの魔獣、ギルタブリルを隠れ蓑として。
聖杯戦争のために造られた新世界、そのわずかな脆弱性の隙間から、『それ』は侵入を果たした。
侵入し、英霊の形をとって、その任務に相応しいマスターの下に出現した。

「ランサー、アンタレスよ」
「はい」
「あの小娘は、もはや地上にあってはならぬ存在だ」

どこか熱に浮かされたような目で、サーヴァントの方を見もせずに、蛇杖堂寂句はつぶやく。

彼にはもはや、自分の心すらも分からぬ。
普通の意味で少女に惚れた訳ではない。哀れに思った訳でもない。魅せられた訳でもない。
魅了や混乱の魔術が使われた訳ではないことも、彼は十全に把握している。
全くの正気のままに、しかし、それがあたかも「当たり前のやるべきこと」であるかのように。
彼は行動してしまっていた。

もはやこの世の、上だろうと下だろうとどちらでもいい。

神寂祓葉という存在は、人の世に置いては置けぬ。

凡庸で無能な有象無象だけではない。
自分のような天才ですら、狂うのだ。
あんなものがこの世にあってはならぬのだ。
いっそ神でも魔でも構わないから、ヒトと同じ地平からは放逐せねば。

そうでなければ――あまりにも恐ろしすぎる。

蛇杖堂寂句にとって、もはや一族の大願などどうでもよい。
彼の頭の中を占めるのは、なんとかしてあのありえぬ存在を処理できぬかという、その一点だけ。
そして彼は今回、あまりにも適切な、あまりにもあり得ぬ、あまりにも都合のいいサーヴァントを引き当てている。

「はい。それが当機構の、存在意義です。
 神寂祓葉が、当抑止力機構アンタレスの、今回刺し貫くべきターゲットです」



◆◆



「邪道の蛇杖堂」の名は、噂に聞き及んでいた。
つまらない俗世のために魔術を振るい小銭を拾う、魔術使いの一族がいると。
そんな邪道の者ならば、どうせ大した英霊など呼べていないだろう……

そんな甘い見通しは、一瞬にして打ち砕かれた。

「無能が。相手の力量すら図ることが出来ぬのか」

齢90歳と聞いていた老人は、しかし、明らかにそうとは思えぬ巨躯の持ち主だった。
魔術師は侮蔑を受けて、声ひとつあげることもできない。
片手で首を掴まれて、高く吊るされている。魔術師の細い足が宙を掻く。

「そもそも貴様は、魔術師としてもやる気があるのか?
 魔術を極めるにせよ、俗世にて日銭を稼ぐにせよ、身体は何をするにも資本だぞ。
 怠惰で貧弱な無能め。日々の備えから足りておらんわ」

だからって、そんな筋肉達磨のような医者がいていい訳がないだろう。
そんな悪態ももちろん声にはならない。
助けを求めるように視界を泳がせるが、そこに映るのは相手のサーヴァントらしき少女のみ。

「当機構は当面の任務を完了しました。
 伸びしろのない英霊。あれ以上の可能性のない行き止まり。器ではない」
「無能が呼ぶのも無能ということか」

武芸の道を極め尽くした達人のはずだった。
技を極めた、ある意味で最強と言っても良いサーヴァントのはずだった。
だからこそこんな強硬策も選ぶ気になったのだ。

それが、まるで慢心したかのように、油断したかのように、素人目にも無防備に、赤い少女の槍の一刺しを受けて……
ぽんっ、と。
あまりにもあっけなく破裂した。
それっきりだった。

「まあいい、さっさと死んでおけ。死体の処理ならいくらでもツテがある」

老人が言い放つと同時に、魔術師の首元に変化が起きる。
大きな手に掴まれていた首に、みるみるうちに握りこぶし大のコブが生える。
気管が、血管が、神経が圧迫される。

どさり、と地面に落とされる。束縛から解放されたにも関わらず、相変わらず魔術師は声もだせず呼吸もできない。
掠れ行く視界で、頭上の巨漢を見上げる。

「マスター、これは?」
「腫瘍を生成した。私くらいにしか出来ぬであろう、治療の術の悪意ある応用だ。
 本来そこで増えるべきではない細胞が増えるのが腫瘍というもの。医学と魔術を融合させればこの程度のことはできる」
「よく分かりません。当機構には何をやったのかが理解できません」
「無能が。ただ、無能を自覚できているあたりは、良い従僕(サーヴァント)だ」

静かに窒息にて死にゆく魔術師も、彼らの会話を理解できない。
苦しい、怖い、こんなはずではなかった。
数多の想いが頭の中を駆け巡る中、最期の意識で魔術師は思う。

こいつらに、怖いものなんてあるのだろうか。

どう見ても、この世のすべてを恐怖させる側の、この理外の生き物たちに、怯えることなんてあるのだろうか。



効き過ぎる注射。
統べるは、暴君。
〈はじまりの六人〉
抱く狂気は、〈畏怖〉。


蛇杖堂寂句。統べるサーヴァントは、蠍座の火。



【クラス】
 ランサー


【属性】
 秩序・中立

【ステータス】
 筋力 B 耐久 B 敏捷 B 魔力 D 幸運 C 宝具 EX

【クラススキル】
対魔力:A
 事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。

【保有スキル】
ガイアの怪物:A
 隠匿されたスキル。
 ルーラーも含めて、通常の手段ではこのスキルの存在を感知することは出来ない。
 意図的な隠匿ではなく、あまりにも英霊にはありえないスキルであるため、認識できないと言った方が近い。
 また、このスキルが隠蔽状態にある限り、「天蠍アンタレス」の名もまた隠蔽された状態にある。
 例えば、赤とサソリという点からの連想で、サソリ座の蠍を思い出すようなことは出来ない。

 この隠蔽が解かれる条件は2つ。
 実際に彼女の毒針を身体で受けた際、および、「天蠍アンタレス」の名を耳にしたとき。
 確率で真相を直感することができる可能性があり、判定に成功すれば隠蔽は解除される。

 抑止力の使徒として具現化した存在。
 与えられた「使命」の遂行に直結する判定において、プラスのボーナスを得る。
 また構造からして人類とは異質であり、いくつかの精神攻撃を無効化する。

神性:B
 天蠍アンタレスとしては、死後に天に上げられた逸話から来る補正。
 ギルタブリルと信じる者から見れば、ティアマト由来の神への近さに見える。
 事実上、他の者の「神性」スキルとそれによる補正を相殺する効果をもつ。

傲慢の報い:B
 相手の油断と増長、傲慢さにつけこみ、その報いを与えるスキル。
 具体的には、誰が相手であってもそれぞれ一回だけ、回避や防御の判定を行わせない、必中攻撃の機会を得る。
 この攻撃は、相手が傲慢であればあるほど、増長していればしているほど、成功率が飛躍的に高まる。

 そして……自信と傲慢さは紙一重。
 武芸によって、あるいは功績によって英霊の座に上がった存在は、何かしらこの手の感情を抱いているのが常である。


【宝具】
『英雄よ天に昇れ(アステリズム・メーカー)』
ランク:EX 種別:対英雄宝具 レンジ:1 最大捕捉:1

 天蠍アンタレスの真骨頂にして、ガイアの怪物としての権能。
 相手の『存在そのもの』を過剰なまでに強化する薬毒を、その蠍の尾の先より注入する。
 望まぬ者に強要するドーピング剤。

 相手が英霊の場合、その英霊が「どれほど可能性を残しているか」によって起きる挙動が変わる。
 例えば道を極め尽くした達人が老境の姿で召喚されたのであれば、もはやそれ以上の伸びしろはほとんど残っていない。
 ゆえに注がれた力に耐えきれず、すぐに爆散する。
 反対に、俗に「リリィ」と呼ばれるような、若い頃の姿で召喚された英霊の場合、強化の恩恵が強く前面に出る。
 相手によってはむしろ強化してしまう可能性もある、結果の読みづらい宝具。
 とはいえ、毒針を刺したまま、毒液を送り込み続ければ、どこかでいつか許容量を超えて爆散に至る。

 相手が人間の場合、その者が「どれほどの可能性を秘めているか」によって起きる挙動が変わる。
 英霊にもなりうる器であったならば、英霊にも相当する力を。
 神にもなりうる器であったなら、神に匹敵する力を。
 それぞれ強制的に与え、発現させる。
 こういった器ではない者にとっては、これはただの毒である。そのまま死ぬことになる。

 そして、英霊や神に匹敵する存在が、定命のヒトとして地上にあり続けることは、世界のルールが許さない。
 そうなってしまった者は、その瞬間からすべての運命と偶然が牙をむき、必然として生命としての死に至ることになる。

 なお、この宝具の使用は義務ではなく、赤い槍をただの毒槍として振るうこともできる。
 その場合、赤い槍は、ただ激しい痛みと熱感をもたらす毒を備えた槍として機能する。

【weapon】
 赤い槍。
  先端があたかも蠍の尾の先のような形をしている。
  それに見合う毒も帯びており、宝具として使わずとも、かするだけで焼けるような痛みを与える。
 赤い甲冑。
  胴鎧、篭手、脚甲、肩当、顔を隠さない兜、いずれも金属光沢を帯びた赤一色。きわめて硬く頑丈。
 腰の後ろから生えた3対6本の虫のような長い足。
  これらは自在に動き、移動の補助に使えるほか、武器として使える鋭さを持ち、剣と打ち合えるほどの強度がある。


【人物背景】
 バビロニア神話に見られる蠍人間、ギルタブリル。
 かつてティアマトが産んだ11の魔獣の一柱であり、人の上半身、蠍の尾、鳥の足を持つとされる。
 一方で当時広く知られていた聖獣の一種でもあったようで、別の場面では男女一組のギルタブリルが神話に登場している。

 そのギルタブリルが、反英雄として少女の姿で召喚された姿。
 いかなる解釈によるものか、蠍の尾はそのような形をした毒槍として出現している。
 蠍の足は本来はハサミも含めて5対10本であり、人間の手足に加えて3本6対の足が余計に生えた姿をしている。
 これらの足や槍を駆使して、変則的な戦闘を行う、ある意味で分かりやすいランサーである。

 ……というのが表向きの話であり。
 実際そのように英霊の座を欺くことで今回の異例の召喚を果たしている。

 実際には違う。
 彼女はそれとは異なる、しかしそれよりも有名な、とある神話の蠍そのものだ。
 本来ならば、こんな所に召喚されるはずのないものだ。

 蠍座の蠍。

 英雄オリオンを刺し、それを死に至らしめた地母神(ガイア)の使い。
 オリオンが星座に上がってなお恐れ逃げ続けるモノ。
 その功績をもって天に上げられた後、天上での暴走を恐れて、射手座が常に矢を向け続ける程のモノ。

 ただしオリオンの最期についての伝承は錯綜しており。
 女神アルテミスの放った矢によって死亡した、とする説は根強く。
 実際に「英霊としてのオリオン」の実物と触れた者たちは、そちらの説が真実としか思えないような話を聞かされている。

 実在も功績も不確かな、個体名すらも記録に残らぬ、しかし、星座になるほどの、蠍。

 その正体は――ガイアの抑止力。

 知られざるガイアの怪物の一種。
 地上にあり続けるにはあまりに強すぎる存在に対して発動し、むしろさらに存在の強度を強めることで地上から放逐する猛毒。
 神に、英霊に、星座に、相手を無理やり押し上げることで、逆説的に定命種としての運命を終了させる強精(ドーピング)剤。

 実際には他にも複数の発動条件があるのかもしれないが。
 現存する神話と歴史において、事例がただひとつしか記録に残されていない、あまりにも希少なガイアの怪物である。

 オリオンの死においても、オリオンに反応して出現した『蠍』が、彼を刺して「英霊の座に上がる運命」を確定させた後。
 実際に彼に生命としての死を与えたのが、アルテミスの矢の誤射であった。
 あまりにも不幸な事故。
 しかしそれは、蠍の『毒』の前には、必然でもあったのだ。

 本来であれば英霊召喚の形で世に出てくるような存在ではない。
 どんな手を尽くしたとしても、人為的に狙って召喚することなど出来ぬ存在である。
 だが今回、ありえぬ形の二回目の聖杯戦争に対し、新世界創造の脆弱性を突いて、抑止力が変則的な形での介入を果たした。
 すなわち。

 神寂祓葉は、もはや、地上にあり続けるべき存在ではない。
 彼女自身が望むと望まざるとに関わらず、「より上の位階」に向けて放逐されるべき存在である。
 そう、この惑星が判断した。

 そのために召喚された名も無き蠍に対し、召喚者は歓喜すると同時に、便宜上の名前を与えた。
 アンタレス。
 本来それは、蠍座に光る赤い一等星の名である。


【外見・性格】
 やや小柄な少女。波打った赤い髪に、赤い瞳。そして人ならざる余計な3対6本の虫の足。
 しかし外見に反して力は強く、重装備の甲冑姿でも軽々と跳ね回ることができる。

 どんな状況でも鉄面皮で、およそ表情と呼べるものを浮かべることはない。
 怒りや恐怖といった感情も希薄で、マスターに命じられたことを淡々と行う。
 ただ感情の起伏は小さいが、知識でしか人間社会のことを知らず、好奇心旺盛。
 任務や命令を忘れるほど愚かではないが、機会があればつまらないことでも質問するし、知ろうとする。

【身長・体重】
 145cm/46kg (腰から生えた3対6本の脚を含む)

【聖杯への願い】
 なし。
 聖杯など心底どうでもよく、神寂祓葉を「刺して」「強制的に上位存在にしてしまう」ことが大事な使命である。
 ただし大事な使命であるため、慎重に確実を期して行いたい。
 ついでに、人間社会への興味も満たせれば上等。

【マスターへの態度】
 少し意地悪ではあるが、任務のためのパートナーとしては申し分ない。



【名前】
 蛇杖堂寂句 /Jajoudou Jakuku

 語呂が悪いこともあり、よく使われる愛称は「ジャック先生」。灰色のジャック。

【性別】
 男性

【年齢】
 90

【属性】
 混沌・善

【外見・性格】
 とても90歳には見えない偉丈夫。長い白髪のみが年齢相応だが、それでも50-60代に見られる。
 衰えを知らぬ身体は筋骨隆々としており、よく柔道選手やラガーマンに例えられる。
 春先でも灰色のスーツに灰色のコートを着込んでおり、遠目にはくすんだ白衣を着ているようにも見える。

 慢心してもおかしくない程の才能を持つとはいえ、自分以外の全ての者を愚か者と見做している。
 魔術師らしい傲慢さを備えた人物。

【身長・体重】
 177cm/92kg
 なお体脂肪率は低く、ほとんど筋肉からなる。

【魔術回路・特性】
 質:B 量:B
 特性:『節操のない、ありとあらゆる流儀にまたがる治癒魔術』

【魔術・異能】
 ◇治癒魔術
 洋の東西や流儀の違いを問わず、治癒魔術の類に限って、ほぼあらゆる治癒魔術の知見を持ち、実際使いこなす。
 もともと蛇杖堂の家はこれらの術や理論を収集する家であり、彼はその家が産んだ天才である。
 さらに近代科学による現代医学すらも高いレベルで習得している。
 これにより、どんな状況においても最善の治療法を選択することができる。
 ただし、その多くは準備が必要であったり、状況を選んだりするため、必ずしも常に役立つものではない。
 本人曰く、「多少は現代医学で出来ないことも出来る程度の救急箱」「呪詛の類にも効く薬箱」。

 ◇呪詛の肉腫
 前述の治癒魔術を、裏返して応用した、邪悪な攻撃魔術。
 彼が直接相手の身体を掴むことを条件として、掴まれた部位に腫瘍を発生させる。
 掴み続ければみるみる大きくなるし、振り払われればそこで腫瘍の成長は止まる。自然に消えることはない。
 この腫瘍そのものは大した悪さをしないものの、骨を置換すれば折れやすくなるし、喉を圧迫すれば窒息もする。
 何より見た目が悪い。

 腫瘍は本来そこで増えるべきではない細胞の増生である。
 本来増えるべきではない細胞をあえて治癒魔術で強化することによって、腫瘍を発生させる。
 医学知識と、それに基づく治癒魔術の精密な操作によって成される、事実上彼にしかできない攻撃手段。

 ◇偽りの霊薬(フェイクエリクサー)
 蛇杖堂の家が数百年かけて蓄積してきたささやかな奇跡の集積。あまりにも無力な偽りの奇跡。
 たった一本きりの万能薬。

 ありていに言って、今回の聖杯戦争中でたった一回だけ、彼は『致命傷すらも瞬時に癒せる傷薬』を使うことができる。
 対象は1人。同時に状態異常の類も全て回復させることができる。
 既に完全に死亡した相手には効果がない。あくまで『このままでは死に至ることが確定する傷』を治せるというだけである。
 再生産も不可能。

 蛇杖堂家の悲願を想えば、あまりにも微力な、現時点での彼らの限界点である。

 彼は前回、この貴重な奇跡の薬を、他ならぬ神寂祓葉に対して使用した。
 策を重ね、自らのサーヴァントが千載一遇の好機を見事に掴んで負わせた致命傷だったにも関わらず、自らそれを台無しにした。

【備考・設定】
 表社会と裏社会の双方で医業、傷や病の治療に関与する蛇杖堂(じゃじょうどう)家の長。

 表社会の身分としては、医師免許を所持する医師であり、都内にある民間の総合病院の名誉院長。
 医師としての現役時代には凄腕の外科医だった。
 ただし今の立場はほぼ名誉職で実務はなく、聖杯戦争に全力を注ぐことができる。
 直接、間接の協力者を広く医学界に持っており、およそ都内の病院で起きていることで把握できないことはない。

 裏社会では、魔術師の一族である蛇杖堂家の当主であり、魔術師の社会では変人の鼻つまみ者。
 根源を目指さず、ただ治癒の術で傷を治して代価を得ることを選ぶ「魔術使い」の宗家と見られている。
 実際にそのようなことを行っている分家は多い。
 時計塔や魔術協会とはほとんど接点を持たず、しかしあえて積極的な敵対もせず、独自の道を進んでいる。

 元々、世界の各地でそれぞれに治療の術を磨いていた家が、それぞれに流れて極東に辿り着いて合流したものであるらしい。
 蛇杖堂の名は戦国期から記録に残るが、その名前からはアスクレピオスとの関係も疑われている。
 江戸時代にはとある藩の藩医をつとめ、明治維新の際に主家が華族として東京に移住するのに従って蛇杖堂家も東京に移った。

 魔術師には珍しい、表社会での科学や医学も学ぶ一族。
 漢方医学を中心に、早い時期から蘭学などにも手を出し、現代では近代医学を学んでいる。
 むしろ彼らに言わせれば、「神秘の力抜きでも起きる現実を知らずして、いかに神秘を学ぶというのか」。
 ただし、魔術と医学の二刀流はあまりにも習得が難しく、分家を増やしてでも優秀な人材を求める動機ともなった。

 蛇杖堂寂句は、そんな蛇杖堂の一族の中で久しぶりに出た天才であった。
 現代医学と魔術の双方を高いレベルで修め、どちらの世界でも結果を残した異才。
 元は分家の出だったが、本家にすくい上げられ、跡継ぎに選ばれ、長となった。

 蛇杖堂の一族が密かに目指す、根源接続への願いは「全人類の死の克服」。

 そして彼は、一度目の聖杯戦争で、そんな使命すらも吹き飛ぶような、あってはならぬ存在を見てしまった。


 〈はじまりの六人〉、そのひとり。
 抱く狂気は〈畏怖〉。
 蛇杖堂寂句。サーヴァントは、蠍座の火。


【聖杯への願い】
 全人類の死の克服のために聖杯を求める――というのは一回目における彼の願い。
 もはや聖杯そのものはどうでもよい。
 一族の悲願もどうでもよい。

 神寂祓葉は、もはや地上にあってはならない存在である。
 それがそこに居るだけで、自分のような天才すら狂う。
 人の世界から遠ざける。そのためなら「なんでもする」。「なんでも捧げる」。
 順番が入れ替わってすらいるが、そのために聖杯の奇跡が使用できるのであれば、彼は迷わずそれを願うだろう。


【サーヴァントへの態度】
 あまりにも都合のいい、まさに神寂祓葉を放逐するための英霊と巡り合えたことに感謝している。

 そのため、サーヴァント自体が愚鈍で、くだらないことに興味津々でも、比較的広い心で許している。
 どうせこの世のほとんどの者は彼よりも愚かで能力がないのだ。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年06月10日 22:23