【やることがない――本当にそうだろうか?】



この街で最近よく聞く話が題の通り、「やることがない」だ。
長年この街を支えてきた石堀に変革が起こり、まだ皆何をすればいいのかわかっていないからこそ出る言葉だと思われる。

季節の変わり目に風邪をひくように、環境の変化というものは得てして心境にマイナスをもたらしてしまう。
だからこそ、切り替えなければならない……しかし、「そう簡単に言うな」と皆は口をそろえて言うだろう。

やることを探せばいい……なんて、安易な言葉は綴らない。
筆者が言いたいのはこれだ。

「とりあえず暇な人同士で集まればいい」

人が集まれば面白い。それはもう何をしても面白いのだ。これだけは絶対に保証する。
前までは忙しくて手を出せなかった事に触れてみたい、しかし一人じゃ億劫だ。なら皆でやれば怖くない。

例えばそう、生まれ変わった釣りに慣れるまで、少ししか触れていなかった人同士でわちゃわちゃしてもいいだろう。
何をすればいいのか、それは街が決めることではなく、自分達で決めることだと筆者はこの機会に思い知らされた。

「前から見かけてはいたけど話したことがないなー。声をかけてみようかな」
「そういえばあんな要素もこんな要素もあったな……稼げるか誰かとやってみるか」

今はその全てを試すチャンスではないだろうか。
ちょっとした時間を取ることができ、選択肢の幅が広がった大きな転機ではないだろうか。

最後にもう一度問いたい。やることがない、本当にそうだろうか?

そして、知らない人に話しかける勇気が出ないなら……筆者から魔法の言葉を授けよう。
「最近やることないんですよね、少し話しませんか?」なんてね。
最終更新:2024年06月19日 13:26