仰天!鳥になった男!
諸君、前回の記事で魔法のお菓子について触れたと思う。
"トリックオアトリート"をした時に貰える2種類のお菓子のことだ。
「幽霊チョコレート」と「骨キャンディ」
前者は食べることで鳥に変身して飛ぶことができ、後者は魚に変身して泳ぐことが出来る。
どちらもとても楽しい魔法のお菓子だが、それがきっかけで起きた一つの奇妙な話をしよう
ある男の話をしよう。
彼は街の飲食店に勤める店員。仮に名前を"ピース"としよう。
彼もまた他の住人と同じく、魔法のお菓子を使用してカモメの気分を味わっていた。
空の旅を十分に楽しんだピース氏はその変身が解ける前に自宅へ戻り、眠りについた。
翌日、鏡を見たピース氏は自身がまだ鳥の姿であることに気付いたそうだ。
その時の彼はまだ事の重大さに気付かず、またお菓子を食べれば元に戻れると考えていた。
しかし、変身時間の5分が過ぎ、どれだけお菓子を食べても元に戻らない鳥の体を見てようやく自分に何が起こったのか理解した…
混乱しながらいつも職場へ向かうが、小さなカモメの体には何もかも大きすぎた。
小さな段差すら自力で越えることが出来ない。
何故か請求書は切れるが、自分で扉も開けられない。
救急隊に相談してみてもカモメは専門外。
いや、仮に獣医だとしてもカモメになった人間は専門ではないだろう。
カモメになってから数時間が経過し、空の飛び方やカモメの鳴き方にも慣れてしまい、彼は途方に暮れていた。
このままずっと人間に戻れないのか、と嘆きながら眠りにいたピース氏だったが、次に目が覚めた時には元の姿へ戻っていたと言う。
当時のことを振り返り、彼はこう語った。
"翼があったら良いといつも思っていたが、やっぱり人間の手足が一番良い"
無いものを願い続けることも良いが、今ある物を失ってはならない、と言う意味だろう。
最終更新:2024年12月01日 14:12