テノリライオン

書庫版あとがき--The Way Home

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匿名ユーザー

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前作ep1~10に出て来たキャラにちゃんと名前を付け、一つのお話にしたもの。
一応二作目に当たる作品。と、私の中では位置づけられています。

……しかし。
改めて見返した時、何故かこれが一番ハズカシかったりするんだよなぁ(笑)
「処女作とは後から見て恥ずかしさに身もだえするためにあるものだ」てな言葉は誰が言ったものか知りませんが、どうやら私にとってはこれがそうらしいです。

多分、私が彼らキャラクターを「恐る恐る」扱ってるのがいけないんだと思うわけで。いや、そんなん読む側からしてみれば何の関係もない事ではあるけれど。
各キャラの背後にリアルのモデルがいるせいで、あまり頓狂な言動をさせてはいかんという変な制約を自分に設けていたような気がします。
「モデルとキャラは別人格」という至極当たり前の事が、頭では判っていてもどこかで消化しきれていなかったんだと思う。だから何となく、彼ら一人一人がおとなしくて優等生っぽくって、無茶をしない。
そういう「吹っ切れてなさ」みたいなものが、技術の拙さとあいまって、おそろしい気恥ずかしさを演出するのでしょう。
まあその足枷というかネジが外れ始めるのが、この後の「野ばら」でして(笑)。

裏話としては、各話にサブタイトルをつけるのに本当に苦労しました。
下手すりゃ一話の書き始めから書き終わりの間、三分の一ぐらいの時間を費やしている場合もあったりして。
あまりにしんどかったので、以後この手法は取っていません(笑)。いや嫌いじゃないんですけどね。センスの問題なんだろうなぁ。

私の場合、まああまり褒められた事ではないのでしょうが、書いていくうちに話ができていくという事がままありまして。
基本的に最初と最後は決まっている、と言うか決めないと書き始められないんですが、その途中でポロっと出て来たセリフやシチュエーション一つであるキャラのその後の行動がばばばっと決まってしまったりとか、それによってラストの修正を余儀なくされたりとか、そういう「突発事故」が起こることがあります。
そしてそれを期待しながら書いていたりもします(笑)。

今回のお話では、ルード坊のモンス鎌持ち出しがそれですね。
戦闘が終わって周囲がどたばたしている時に、何故か彼がふっとあれに着目しまして。あのやろうその勢いのまま、こっそり持ち出してしまった(笑)。
結果としてあのように最後の最後でひと悶着あったわけですが――いやー、今ならもうちょっと色々仕込む事もできたよなぁ、とやっぱり身悶えてしまうわたくし。
今このお話を最初から書き直したら多分、少なくとも1.5倍ぐらいの分量になると思う。見れば見るほど書き足したい描写がもりもり浮かんで来て困っております。

今同様、まだまだお話を進める事ばかりに精一杯という感じではありますが。
ともあれ、バルト君の負傷、イーゴリ先生のヤクザ傷(笑)、ヴォルフ君の墓参り、ドリーちゃんの過去話などなど、この後に続く彼らのお話の土台となったのがこの本作であります。


第9話 神の手、悪魔の手より。
星の大樹地下、白い果実育む木。

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