テノリライオン

06-07-12

最終更新:

corelli

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「大神」にハマっている。

密かに評判の高いゲームなので、ご存知だったりプレイされた方もいるだろう。
未プレイの方にはぜひとも一度手に取ることをお勧めしたい。
プレイしたが最後、あの独特な「和」のテイストの中にどっぷり浸かり込む事になる。

R1ボタンで時間を止めたフィールドに直接、でっかい筆で前衛芸術のように大胆に文様を描く。
その形によって様々な効果が起こる「筆しらべ」なるシステムがこのゲームのキモであるが、私は敢えて「アクションの爽快さ」をポイントとして挙げたいと思う。

しっとりとした水墨画のような美しいフィールドの中を、一頭の白い狼が風のように駆け巡る。
のびのびと、という言葉がぴったりな、ぐいと縮み、そして弾けるように大地を蹴って伸びる姿の「大神」、アマテラスが疾走する。
彼が蹴った大地は萌える。 軽快に刻む四つの足音を種に、花が咲いて下草が散る。 紅葉が舞う。 綿毛が飛ぶ。
二段ジャンプで虚空を蹴ればそこからもぱっと草花が爆ぜて、くるりと回るアマテラスを飾って消える。
軽快で、爽快で、美しい。

このゲームを制作したCLOVERという会社は、カプコンのスタッフが独立して作ったものらしい。 道理でアクションが巧みだ。
跳躍の伸びや加速の緊張、滞空時の浮遊感がとてもリズミカルで、体によく馴染むのである。
意味もなく走りたくなる。 跳びたくなる。 実に見事。

ちなみに場所によっては釣りができるのだが、これが妙に(というか必要以上に)奮っている。
釣り上げに成功すると、水から勢いよく飛び出した魚がひゅう~と弧を描いて引き寄せられ、カメラにぶつかる寸前でばーん、と止まって説明が出るのである。
この魚たちの、画面いっぱいの「キメ」がたまらない。 ザリガニとかアユとかの小物も必死でキメる。
ていうかフグの正面顔どアップでコーヒー吹いた。

勿論、キモである所の「筆しらべ」も斬新で楽しいシステムだ。
全部で13種類の「筆しらべ」があるのだが、一直線に払って敵や岩を斬ったり、枯れ木を丸くくるりと囲んで花を咲かせたり、螺旋を書いて竜巻を起こしたりとそれは様々な効果がある。
敵が爆弾を投げてくる。 R1ボタンでびしっと時間を止め、それを墨で一直線に払う。
R1ボタンを放す。 と、爆弾が打ち返されて敵に炸裂し、向こうがピヨる。 楽しい。
鈍い私は、立て続けに投げられると3回に1回は喰らってしまうけど(笑)。

もう一つ、このゲームで個人的に好きな点がある。
それは「レベルがない」ということ。

このゲームにおいて、戦闘になり敵を倒す際に必要とされるのは、
「力の強弱で決着をつける」事ではなく、
「倒し方を見つける」事だ。
筆で払って斬る事でダメージが行けばそれでいい。 が、それをもれなくガードしてしまう相手はどうすればいいか。
後ろから斬ればいいのか。 風で盾を飛ばせばいいのか。 炎で炙ればいいのか。
そういう弱点を見つけ出し、思いがけない大ダメージで倒せた時の達成感はなかなかのものである。
物語が進むにつれ、使える「筆しらべ」が増え、それと同時に敵の弱点のバリエーションも増えていく。 その深みにハマり、そして脱出すればいい。 数値で表される「レベル」は必要ないのだ。
ま、「レベル上げをしなくていいから楽」と言ってしまうと身も蓋もないのだけど(笑)。

唯一の難点を挙げるとすれば、遠近感に乏しくなりがちな和風仕立てのフィールドとキャラのせいか、少々遠近感が取りづらい事だろうか。
具体的には、大きなジャンプの後の着地点を把握しにくい感じがある。
カメラアングルを引いてからジャンプすれば多少やりやすくなるけれど、私の場合アマテラスと一緒で「考える前に跳んでいる(笑)」ので、あっと気付いた時には遅かったりする。

ともあれ。
多くのRPGを「レベル上げで失速した」という理由で挫折し、多くのアクションゲームを「操作が追いつかない」という理由で放棄する私に、レベルなし、アクションは時間を止めた状態で、というこのゲームはとても優しいのであった。
まあ逆に、弾幕避けハイなんかを楽しんでしまうディープな方々にはかなりヌルい戦闘に違いないと思うけれど、そこはそれ。
筆しらべのざらりとした質感や、和紙に描いたようなきれいな風景なんかを楽しんでほしいなーと思うわけである。

興味がおありの方は、ぜひお試しあれ。


カテゴリ: [GAME] - &trackback() - 2006年07月12日 22:22:28
  • そういえばGWで地元に帰った時に弟がやってましたなぁ・・・なんか「ワンダと巨像より全然いいぞ!」とか言ってましたし、こちらの近くにあるゲームショップでも未だに売れ筋棚に鎮座してますし。俺は全くやってないんで内容はわかりませんが、弟のプレイを見た限り全てのキャラクターを墨で書いたかのような独特の「和」の雰囲気がいいな、と思いました。あと名前しらないけど、新しい技覚える場所の二重人格ジジイがなんか好き(笑) -- ウォ~マ~ (2006-07-14 22:05:35)
  • あー、鬼斬斉(おにぎりさい)ですな(笑)。 あの豹変っぷりはサイコー。 でも技の値段がTakeee。 -- 管理人 (2006-07-15 15:47:02)
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