テノリライオン
06-08-08
最終更新:
corelli
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#blognavi
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森 絵都 「DIVE!!」読了。
1.4秒。
飛び込みという競技の、競技時間である。
野球ならば、最初の一投で試合終了。
100m走ならば、5歩ほどでゴール。
将棋ならば、先手の第一手が打てるかどうか。
100m走ならば、5歩ほどでゴール。
将棋ならば、先手の第一手が打てるかどうか。
そんな刹那と呼ぶに相応しい時間の中で、彼らは何を競おうとしているのか?
いわゆる普通の生活をしていれば、「飛び込みに魅入られる機会」というのはまず無い。
加えて、飛び込みという競技は危険だ。 最高で10mの高さから台を蹴り、回転し、ひねりを加える。 その上で、針のように垂直に落ちなければ岩盤同然となる水面へと身を投じる1.4秒。 し損じれば水面に打ち付けた体は真っ赤に腫れ、衝撃に気を失う事もあるという。
防具をつける、ネットで守る、監視して危なかったら助けに入る、などの安全策は一切取れない。
故に飛び込み人口は少ない。 スイミングスクールなどで飛び込みに触れた子供達も、あっさりぼろぼろ抜けていく。 自分の意思で。 親の意思で。
加えて、飛び込みという競技は危険だ。 最高で10mの高さから台を蹴り、回転し、ひねりを加える。 その上で、針のように垂直に落ちなければ岩盤同然となる水面へと身を投じる1.4秒。 し損じれば水面に打ち付けた体は真っ赤に腫れ、衝撃に気を失う事もあるという。
防具をつける、ネットで守る、監視して危なかったら助けに入る、などの安全策は一切取れない。
故に飛び込み人口は少ない。 スイミングスクールなどで飛び込みに触れた子供達も、あっさりぼろぼろ抜けていく。 自分の意思で。 親の意思で。
それでも、そこに残る子供達のお話。
様々な周囲の思惑の中でその子達を掴み取り、道を示す大人達のお話。
サラブレッド、野生児、そして真っ白な天才――
様々な周囲の思惑の中でその子達を掴み取り、道を示す大人達のお話。
サラブレッド、野生児、そして真っ白な天才――
たった1.4秒でも、その瞬間に全てを注ぎ込む為には、そこへと自分を後押しする大きなエネルギーが必要だ。
何故跳ぶのか。 跳べるのか、跳びたいのか。 わずか1.4秒の背景は、その子達の性格、環境、そして人生までをも反映し凝縮し、彼らの技の中へと吸い込まれて水の中へと落ちていく。
何故跳ぶのか。 跳べるのか、跳びたいのか。 わずか1.4秒の背景は、その子達の性格、環境、そして人生までをも反映し凝縮し、彼らの技の中へと吸い込まれて水の中へと落ちていく。
飛び込み台の頂点にある研ぎ澄まされた孤独感、そして最後のダイブの美しさ。
それを味わってほしいなと思う一作である。
それを味わってほしいなと思う一作である。
ちなみにこの作者は、
風に舞い上がるビニールシートにて直木賞を受賞。
更に児童文学・スポーツ・少年像というつながりで、少し前にメディアミックスもされた「バッテリー」(著:あさのあつこ)も激しくオススメである。
というかこの「バッテリー」の主人公、巧が私はもう好きで好きで好きで好きで(笑)
ストイックで実力があってでもひねくれもので無愛想というキャラが好きなら、飼い犬を質に入れても読んでください(笑)!
というかこの「バッテリー」の主人公、巧が私はもう好きで好きで好きで好きで(笑)
ストイックで実力があってでもひねくれもので無愛想というキャラが好きなら、飼い犬を質に入れても読んでください(笑)!
カテゴリ: [読書] - &trackback() - 2006年08月08日 15:48:16

